JP5118845B2 - プロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法 - Google Patents

プロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法に関する。更に詳しくは、内部に水平軸回りに回転する撹拌機を有する横型反応器を用いて、第一工程でプロピレンの結晶性重合体を、第二工程でプロピレンとα−オレフィンとのゴム状共重合体を製造することによってプロピレン系ブロック共重合体を連続的に製造する際に、ゲル、フィッシュアイが低減し、また塊状ポリマーや付着ポリマーの生成を低減して、べたつきの無い流動性の良い状態でプロピレン系ブロック重合体を製造する方法に関するものである。
結晶性ポリプロピレンは、剛性及び耐熱性に優れた特性を有する反面、耐衝撃強度、特に低温における衝撃強度が弱いという問題があった。この点を改良する方法として、プロピレンとα−オレフィンまたはその他のオレフィンを段階的に重合させてブロック共重合体を生成させる方法が知られている。
しかし、段階的に重合させるための連続重合方法においては、第一工程の重合槽において触媒成分の重合時間(重合槽内滞留時間)に分布を生じ、比較的短時間で第一段重合槽から排出された粒子(ショートパス粒子)が第二工程の重合槽に入ると、プロピレン−α−オレフィン共重合体の含量が多い粒子が生成する。このような粒子は混練によっても分散せず、ゲルやフィッシュアイの原因となり、製品外観を損ねたり、機械的強度を低下させたりする原因となる。
また、プロピレン系ブロック共重合体の衝撃強度を高めるためには第二工程の重合槽での共重合体の割合を高くすることが有効であるが、共重合体の割合が高くなるとショートパスしていない通常の粒子(通常滞留粒子)でも、重合槽壁面等に付着しやすく、一旦生成した付着物は除熱が不十分なため塊状ポリマーを生成し、運転の障害となることがある。また粒子のべたつきが増加し、生成したパウダーの流動性が悪化して重合槽からの抜き出しや移送等に障害となる。
このようなショートパス粒子に起因するゲル、フィッシュアイの生成や、共重合体含量の高い粒子の付着性を低減する方法として、第二工程の重合槽に電子供与性化合物を添加する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。電子供与性化合物の添加効果は以下のように推定される。添加された電子供与性化合物は、ポリマー粒子の比較的表面近傍の重合活性点に選択的に作用し、これらの活性点を失活させるが、ショートパス粒子は粒径が小さく完全に失活しやすいため、通常粒子が完全に失活しない添加量でも選択的に失活する。また通常の粒子も表面の活性点が選択的に失活するために共重合体は粒子内部で生成し、共重合体含量が高くなっても表面の付着性増大が比較的抑制される。これらの方法は、電子供与体化合物を添加しない場合に比べ、付着物の抑制には一定の効果が認められるが、重合反応と電子供与性化合物の反応との競争反応となるため、ショートパス粒子の中には完全に失活できない粒子も残存し、ゲル、フィッシュアイの低減に関してはまだ十分なものとは言えず、更なる改善が求められている。また、この不具合を解消するため、電子供与体化合物を多量に添加すると、第二工程の重合槽での活性低下が著しく、共重合体の重合割合を高くできない等の欠点があった。
また、この不具合を解消する別の方法として、第二工程の重合槽に入る前の第一工程の重合槽からの移送流路への添加(例えば、特許文献2、3)も試みられている。しかしながら、移送流路への添加は、流通するポリマー量が重合槽内のポリマー量と比較すると格段に少ないため、電子供与性化合物の添加量も極少量で、なおかつ、重合槽の様な機械的攪拌もないため、添加する電子供与性化合物が均一に反応せず、結果としてゲル、フィッシュアイの低減に関しては十分な効果が得られていない。
一方、電子供与体化合物の別の添加方法として、共重合工程(本発明では第二工程に相当する)を二段以上とし、その個々の重合段階で特定の電子供与体化合物を特定の量比で多段的に添加する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)が、共重合工程が少なくとも二段以上必要なことによる経済性および生産性の面で改善の余地がある。
また、内部に水平軸回りに回転する撹拌機を有する横型反応器においても、同様に段階的に重合させて、プロピレン系ブロック共重合体を生成させることも知られている(例えば、特許文献5参照)。通常は、第二工程の重合槽に一酸化炭素や酸素等のガス状の重合活性抑制剤を添加し、第二工程の重合量を調節する方法が一般的であるが、ショートパス粒子に対して選択的に失活させる効果が小さいことからゲル、フィッシュアイの低減に関して十分な効果が得られていない。
さらには横型反応器では、重合熱は原料液化プロピレンの蒸発潜熱により除去され、未反応プロピレンの一部は凝縮/回収され原料液化プロピレンとして使用されが、凝縮工程で凝縮されない原料ガス(未反応プロピレンの一部、水素などの分子量調節剤や一酸化炭素などの重合活性抑制剤など)は、重合槽底部より槽内に均一に分散するように供給される。このため、凝縮工程で凝縮しないようなガス状の重合活性抑制剤を用いた場合、未反応の重合活性抑制剤は、第二工程重合槽全体に広がることとなり、第二工程全体の重合活性が低下する。このことは重合活性の抑制効果としては満足のいくものであるが、第二工程の重合量を高くするために、その添加量を減少させる場合、急激に重合活性抑制剤の添加量が減少し、その為パウダー粒子の流動性が大きく低下して、第二工程の重合槽内のパウダー保有量を安定して保てず、安定な品質を保持することが困難であった。
特開昭61−69821号公報 特許第3005944号 特開2002−60450号公報 特開2004−307657号公報 特開平4−146912号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、内部に水平軸回りに回転する撹拌機を有する横型反応器を用いて、第一工程でプロピレンの結晶性重合体を、第二工程でプロピレンとα−オレフィンとのゴム状共重合体を製造することによってプロピレン系ブロック共重合体を連続的に製造する際に、高剛性かつ高衝撃強度でしかもゲル、フィッシュアイが低減し、また塊状ポリマーや付着ポリマーの生成を低減して、べたつきの無い流動性の良い状態でプロピレン系ブロック重合体を製造するプロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、内部に水平軸回りに回転する撹拌機を有する横型反応器を用いて気相法により、特定の成分からなる触媒の存在下、プロピレンまたはプロピレンとエチレンを含む他のαオレフィンとを重合させてプロピレンの単独重合体またはプロピレンと他のαオレフィンとの共重合体を得る第一工程、及び内部に水平軸回りに回転する撹拌機を有する横型反応器を用いて気相法により、第一工程で得られた重合反応物の存在下、プロピレンとエチレンを含む他のαオレフィンとを共重合体反応系へ供給してプロピレンと他のαオレフィンとを共重合させる第二工程からなり、各工程に用いられる重合槽の長さの合計をそれぞれ基準として、第一工程に対応する重合槽の最下流末端から上流方向へ1/3までの間、または第二工程に対応する重合槽の最上流末端から下流方向へ1/3までの間の少なくともいずれかで、キラー剤として特定の電子供与体化合物を添加することを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法により、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、内部に水平軸回りに回転する撹拌機を有する横型反応器を用いて気相法によりプロピレン系ブロック共重合体を連続的に製造する方法であって、
下記の成分(A)及び成分(B)からなる触媒の存在下、プロピレンまたはプロピレンとエチレンを含む他のαオレフィンとを重合させてプロピレンの単独重合体またはプロピレンと他のαオレフィンとの共重合体を得る第一工程と、該第一工程で得られた重合反応物の存在下、プロピレンとエチレンを含む他のαオレフィンとを共重合体反応系へ供給してプロピレンと他のαオレフィンとを共重合させる第二工程とからなり、
その際、第一工程に対応する重合槽の最下流末端から上流方向へ1/3までの間、または第二工程に対応する重合槽の最上流末端から下流方向へ1/3までの間の少なくともいずれかで、キラー剤として下記の成分(C)を添加することを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法。
成分(A):チタン、マグネシウム、ハロゲン及び電子供与体を必須成分とする固体触媒成分
成分(B):有機アルミニウム化合物
成分(C):メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン又は酢酸メチルから選ばれる少なくとも一種の電子供与体化合物
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、成分(C)は、第二工程に対応する重合槽の最上流末端から下流方向へ1/3までの間に添加することを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、添加される成分(C)の総量が、成分(B)に対して0.5〜20倍モルであることを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれか1項の発明において、固体触媒成分(A)が、予備重合されていることを特徴とするポリプロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれか1項の発明において、第二工程に、標準状態で気体である重合活性抑制剤を添加することを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれか1項の発明において、第二工程での重合量が、全重合量に対して25重量%より多いことを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法が提供される。
本発明のプロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法は、第一工程でプロピレン系の結晶性重合体を、第二工程でプロピレンとα−オレフィンとのゴム状共重合体を製造することによってプロピレン系ブロック共重合体を連続的に製造する際に、ゲル、フィッシュアイが低減し、また塊状ポリマーや付着ポリマーの生成を低減して、べたつきの無い流動性の良い状態でプロピレン系ブロック共重合体を製造する方法を提供するものである。
本発明の製造方法により、ゲルやフィッシュアイが低減されたプロピレン系ブロック共重合体が得られることから、外観の優れた射出成形品や押し出し成形品を得ることが可能である。加えて、パウダー流動性が優れ、パウダー中の塊量も少ないことから、品質的に安定したプロピレン系ブロック共重合体の供給が可能となる。
本発明のプロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法を、触媒、第一工程及び第二工程等について、以下に、具体的かつ詳細に説明する。
<触媒>
(1)成分(A)
本発明で用いられる成分(A)は、チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有してなるα−オレフィンの立体規則性重合用固体触媒成分である。ここで「必須成分として含有し」ということは、挙示の四成分以外に合目的的な他元素を含んでいてもよいこと、これらの元素はそれぞれが合目的的な任意の化合物として存在してもよいこと、ならびにこれら元素は相互に結合したものとして存在してもよいことを示すものである。
チタン、マグネシウムおよびハロゲンを含む固体成分そのものは公知のものである。例えば、特開昭53−45688号、同54−3894号、同54−31092号、同54−39483号、同54−94591号、同54−118484号、同54−131589号、同55−75411号、同55−90510号、同55−90511号、同55−127405号、同55−147507号、同55−155003号、同56−18609号、同56−70005号、同56−72001号、同56−86905号、同56−90807号、同56−155206号、同57−3803号、同57−34103号、同57−92007号、同57−121003号、同58−5309号、同58−5310号、同58−5311号、同58−8706号、同58−27732号、同58−32604号、同58−32605号、同58−67703号、同58−117206号、同58−127708号、同58−183708号、同58−183709号、同63−108008号、同63−264607号、同63−264608号、特開平1−79203号、同1−98603号、同7−258328号、同8−269125号、同11−21309号各公報等に記載のものが使用される。
本発明において使用されるマグネシウム源となるマグネシウム化合物としては、金属マグネシウム、マグネシウムジハライド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド、マグネシウムオキシハライド、ジアルキルマグネシウム、アルキルマグネシウムハライド、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムのカルボン酸塩等が挙げられる。これらの中でもマグネシウムジハライド、ジアルコキシマグネシウム等のMg(OR12−m(ここで、R1は炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10程度のものであり、Xはハロゲンを示し、mは0≦m≦2である。)で表されるマグネシウム化合物が好ましい。
また、チタン源となるチタン化合物としては、一般式Ti(OR4−n、ここで、Rは炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10程度のものであり、Xはハロゲンを示し、nは0≦n≦4である。)で表される化合物が挙げられる。具体例としては、TiCl、TiBr、TiI、Ti(OC)Cl、Ti(OCCl、Ti(OCCl、Ti(O−i−C)Cl、Ti(O−n−C)Cl、Ti(O−n−CCl、Ti(OC)Br、Ti(OC)(O−n−CCl、Ti(O−n−CCl、Ti(OC)Cl、Ti(O−i−CCl、Ti(OC11)Cl、Ti(OC13)Cl、Ti(OC、Ti(O−n−C、Ti(O−n−C、Ti(O−i−C、Ti(O−n−C13、Ti(O−n−C17、Ti(OCHCH(C)C等が挙げられる。
また、TiX’(ここで、X’はハロゲンである。)に後述する電子供与体を反応させた分子化合物をチタン源として用いることもできる。そのような分子化合物の具体例としては、TiCl・CHCOC、TiCl・CHCO、TiCl・CNO、TiCl・CHCOCl、TiCl・CCOCl、TiCl・CCO、TiCl・ClCOC、TiCl・CO等が挙げられる。
また、TiCl(TiClを水素で還元したもの、アルミニウム金属で還元したもの、あるいは有機金属化合物で還元したもの等を含む)、TiBr、Ti(OC)Cl、TiCl、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライド、シクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド等のチタン化合物の使用も可能である。これらのチタン化合物の中でもTiCl、Ti(OC、Ti(OC)Cl等が好ましい。
ハロゲンは、上述のマグネシウムおよび(または)チタンのハロゲン化合物から添加されるのが普通であるが、他のハロゲン源、例えばAlCl、AlBr、AlI等のアルミニウムのハロゲン化物、BCl、BBr、BI等のホウ素のハロゲン化物、SiCl等のケイ素のハロゲン化物、PCl、PCl等のリンのハロゲン化物、WCl等のタングステンのハロゲン化物、MoCl等のモリブデンのハロゲン化物といった公知のハロゲン化剤から添加することもできる。触媒成分中に含まれるハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素またはこれらの混合物であってもよく、特に塩素が好ましい。
電子供与体としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸または無機酸類のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類のような含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネートのような含窒素電子供与体、スルホン酸エステルのような含硫黄電子供与体などを例示することができる。
より具体的には、(イ)メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素数1ないし18のアルコール類、(ロ)フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール、ナフトールなどのアルキル基を有してよい炭素数6ないし25のフェノール類、(ハ)アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノンなどの炭素数3ないし15のケトン類、(ニ)アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒドなどの炭素数2ないし15のアルデヒド類、(ホ)ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸セロソルブ、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、ステアリン酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロへキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、安息香酸セロソルブ、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、γ−ブチロラクトン、α−バレロラクトン、クマリン、フタリドなどの有機酸モノエステル、または、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、コハク酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、1,2−シクロヘキサンカルボン酸ジエチル、炭酸α−オレフィン、ノルボルナンジエニル−1,2−ジメチルカルボキシラート、シクロプロパン−1,2−ジカルボン酸−n−ヘキシル、1,1−シクロブタンジカルボン酸ジエチルなどの有機酸多価エステルの炭素数2ないし20の有機酸エステル類、(ヘ)ケイ酸エチル、ケイ酸ブチルなどのケイ酸エステルのような無機酸エステル類、(ト)アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリド、塩化フタロイル、イソ塩化フタロイルなどの炭素数2ないし15の酸ハライド類、(チ)メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテル、2,2−ジメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−t−ブチル−2−メチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−t−ブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジフェニル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジメチル−1,3−ジエトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジエトキシプロパンなどの炭素数2ないし20のエーテル類、(リ)酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミドなどの酸アミド類、(ヌ)メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミン、ピペリジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリジン、ピコリン、テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン類、(ル)アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリルなどのニトリル類、(ヲ)2−(エトキシメチル)−安息香酸エチル、2−(t−ブトキシメチル)−安息香酸エチル、3−エトキシ−2−フェニルプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−s−ブチルプロピオン酸エチル、3−エトキシ−2−t−ブチルプロピオン酸エチルなどのアルコキシエステル化合物類、(ワ)2−ベンゾイル安息香酸エチル、2−(4’−メチルベンゾイル)安息香酸エチル、2−ベンゾイル−4,5−ジメチル安息香酸エチルなどのケトエステル化合物類、(カ)ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸イソプロピル、p−トルエンスルホン酸−n−ブチル、p−トルエンスルホン酸−s−ブチルなどのスルホン酸エステル類、(ヨ)R Si(OR(OR4−p−q−r(ここで、RおよびRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい炭素数1〜20の分岐、環状または直鎖炭化水素基であり、Rは炭素数1から10の炭化水素基であり、Rは炭素数1から4の炭化水素基であり、p、q、rはそれぞれ1≦p≦2、0≦q≦1、0≦r≦2であり、かつp+q+r≦3である。)で表される有機ケイ素化合物等を挙げることができる。
(2)成分(B)
本発明で用いることのできる成分(B)は有機アルミニウム化合物である。具体例としては、R 3−sAlXまたはR 3−tAl(OR(ここで、RおよびRは炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子であり、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲンであり、sおよびtはそれぞれ0≦s<3、0<t<3である。)で表されるものがある。
具体的には、(イ)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、(ロ)ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどのアルキルアルミニウムハライド、(ハ)ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド、(ニ)ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド等が挙げられる。
これら(イ)〜(ニ)の有機アルミニウム化合物に他の有機金属化合物、例えばR10 3−uAl(OR11(ここで、R10およびR11は同一または異なってもよい炭素数1〜20の炭化水素基であり、uは0<u≦3である。)で表されるアルミニウムアルコキシドを併用することもできる。例えば、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムエトキシドの併用、ジエチルアルミニウムモノクロライドとジエチルアルミニウムエトキシドとの併用、エチルアルミニウムジクロライドとエチルアルミニウムジエトキシドとの併用、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムエトキシドとジエチルアルミニウムモノクロライドとの併用等が挙げられる。
また触媒成分として成分(A)、(B)に加えて必要に応じて電子供与体を用いることもできる。
このような電子供与体としては成分(A)中の必須成分として用いることのできるものが挙げられる。このような電子供与体を用いる場合に、成分(A)中の化合物と同一であっても、異なっていてもよい。
好ましい電子供与体としては、エーテル類、無機酸エステル、有機酸エステル及び有機酸ハライド、有機ケイ素化合物であり、特に好ましいのは無機および有機ケイ酸エステル、フタル酸エステル、酢酸セロソルブエステルおよびフタル酸ハライドである。
好ましいケイ酸エステルとしては、一般式R12 13 Si(OR144−v−w(ただし、R12は分岐を有する炭素数3〜20、好ましくは3〜10の脂肪族炭化水素残基、または炭素数5〜20、好ましくは6〜10の環状脂肪族炭化水素残基を、R13は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の分岐または直鎖状の脂肪族炭化水素残基を、R14は炭素数1〜10、好ましくは1〜4の脂肪族炭化水素残基を、vは0≦v≦3、wは0≦w≦3でv+w≦3の数を、それぞれ示す)で表される有機ケイ素化合物である。なお、前記一般式のR12はケイ素原子に隣接する炭素原子から分岐しているものが好ましい。
(3)成分(C)
第1段重合槽(第一工程)の下流1/3から第2段重合槽(第二工程)の上流1/3に添加する電子供与体化合物(成分(C)、キラー剤、ゲルキラー剤)は触媒成分のひとつとして用いられる電子供与体とは異なり、ショートパス粒子を失活させる目的で使用される電子供与体化合物である。成分(C)としては、通常は酸素、窒素、リンあるいは硫黄を含有する有機化合物である。
具体的には、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、アセタール類、有機酸類、酸無水物類、酸ハライド類、エステル類、エーテル類、アミン類、アミド類、ニトリル類、ホスフィン類、ホスフィルアミド類、チオエーテル類、チオエステル類、Si−O−C結合を含有する有機ケイ素化合物等を挙げることができる。
より具体的には、下記1)〜18)の化合物を挙げることができる。
1)アルコール類:メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、シクロヘキシルアルコール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、クミルアルコール、イソプロピルベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジイソプロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジイソブチル−1,3−プロパンジオール、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、2−イソプロピル−2−s−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−t−ブチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−t−ブチル−2−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジシクロペンチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジフェニル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジイソプロピル−1,3−プロパンジオールなどの炭素数1ないし20のアルコール。
2)フェノール類:フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、クミルフェノール、ノニルフェノール、ナフトールなどのアルキル基を有してよい炭素数6ないし25のフェノール。
3)ケトン類:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾキノンなどの炭素数1ないし20のケトン。
4)アルデヒド類:アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒドなど炭素数2ないし15のアルデヒド。
5)アセタール類:ジメチルジメトキシメタン、1,1−ジメトキシシクロヘキサン、1,1−ジメトキシシクロペンタンなど炭素数3ないし24のアセタール。
6)有機酸類:ギ酸、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、カプリル酸、ピバル酸、アクリル酸、メタクリル酸、モノクロロ酢酸、安息香酸、マレイン酸、フタル酸などのカルボキシル基を二つ以上有してよい炭素数1ないし20のカルボン酸。
7)酸無水物類:分子内縮合物、異種分子間縮合物を含む、前記有機酸類から誘導される酸無水物。
8)酸ハライド類:前記有機酸類の水酸基を塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子で置換した酸ハライド。
9)エステル類:ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、安息香酸メチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、炭酸メチル、炭酸エチルなど、前記アルコール類と酸類から誘導されるエステル。
10)エーテル類:ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、アニソール、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、1,1−ジメトキシエタン、o−ジメトキシベンゼン、2,2−ジメチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−t−ブチル−2−メチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−t−ブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジフェニル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジメチル−1,3−ジエトキシプロパン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジエトキシプロパンなどの、前記アルコールまたはフェノールから誘導されるエーテル。
11)アミン類:メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピペリジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリジン、ピコリン、テトラメチルエチレンジアミンなどの炭素数1ないし21のアミン。
12)アミド類:酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミドなどの、前記有機酸類及び前記アミン類から誘導されるアミド。
13)ニトリル類:アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリルなどの炭素数2ないし10のニトリル。
14)ホスフィン類:トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン。
15)ホスフィルアミド類:ヘキサメチルホスフィルトリアミドなどのホスフィルアミド。
16)チオエーテル類:前記エーテル類の酸素原子を硫黄原子に置換したチオエーテル。
17)チオエステル類:前記エステル類の酸素原子を硫黄原子に置換したチオエステル。
18)Si−O−C結合を含有する有機ケイ素化合物:テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ―クロロプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、クロルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、トリメチルフェノキシシラン、メチルトリアリロキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジメチルテトラエトキシジシロキサンなどの有機ケイ素化合物。これらのうち好ましいのはアルコール類、ケトン類、エステル類であり、特に好ましいのはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、酢酸メチルである。
本発明における成分(C)は標準状態で液体であり、分子量が30〜80である化合物が好ましい。分子量が80以上である場合、成分(C)の使用重量が多くなるばかりでなく、化合物の沸点が高くなる事より重合体製造後の該化合物の除去が難しくなる。メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン又は酢酸メチルから選ばれるものであれば、入手のし易さ及び経済性の理由から更に好ましい。
これらの電子供与体化合物(成分(C))は、必要に応じて2種類以上を併用しても良いし、異なった位置に、それぞれ別の化合物を添加してもよい。また、特開平4−146912号公報等に記載されているような活性抑制剤と併用しても良い。
<予備重合処理>
本発明における重合触媒成分(A)は、本重合で使用する前に予備重合処理して用いることが好ましい。重合プロセスに先立って、予め少量のポリマーを触媒周囲に生成させることによって、触媒がより均一となり、微粉の発生量を抑えることができる。
予備重合処理は、本重合に用いる有機アルミニウム化合物(成分(B))と同様の有機アルミニウム化合物の存在下で実施できる。使用する成分(B)の添加量は、使用する重合触媒成分の種類によって異なるが、通常、チタン原子1モルに対して有機アルミニウム化合物を0.1〜40モル、好ましくは0.3〜20モルの範囲で用い、−150℃〜150℃、好ましくは0℃〜80℃で、10分〜48時間かけてポリオレフィン重合触媒成分1グラム当たり0.1〜100グラム、好ましくは0.5〜50グラムのα−オレフィンを不活性溶媒中で反応させる。
予備重合処理においては、必要に応じて本重合に用いる電子供与体と同様の電子供与体を用いることもできる。電子供与体が有機ケイ素化合物の場合、有機アルミニウム化合物1モルに対して0.01〜10モルの範囲で用いてもよい。
重合触媒成分(A)の予備重合処理に用いられるモノマーとしては、特開2004−124090号公報に開示された化合物等を用いることが出来る。具体的な化合物の例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテンなどに代表されるオレフィン類、スチレン、α−メチルスチレン、アリルベンゼン、クロロスチレン、などに代表されるスチレン類似化合物、及び、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、2,6−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,9−デカジエン、ジビニルベンゼン類、などに代表されるジエン化合物類、などを挙げる事が出来る。中でも、エチレン、プロピレン、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1、スチレン、ジビニルベンゼン類、などが特に好ましい。
これらは単独のみならず、他のα−オレフィンとの2種以上の混合物であってもよい。また、その重合に際して生成するポリマーの分子量を調節するために水素等の分子調節剤を併用することもできる。
反応は、一般的に撹拌下に行うことが好ましく、そのとき不活性溶媒を存在させることもできる。重合触媒成分(A)の予備重合処理に用いられる不活性溶剤は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカンおよび流動パラフィン等の液状飽和炭化水素やジメチルポリシロキサンの構造を持ったシリコンオイル等重合反応に著しく影響を及ぼさない不活性溶剤である。これらの不活性溶剤は1種の単独溶剤または2種以上の混合溶剤のいずれでもよい。これらの不活性溶剤の使用に際しては重合に悪影響を及ぼす水分、イオウ化合物等の不純物を取り除いた後で使用することが好ましい。
予備重合処理は複数回行っても良く、この際用いるモノマーは同一であっても異なっていても良い。また、予備重合後にヘキサン、ヘプタン等の不活性溶媒で洗浄を行う事も出来る。予備重合を終了した後に、触媒の使用形態に応じ、そのまま使用することが可能であるが、必要ならば乾燥を行ってもよい。
さらに、上記各成分の接触の際、もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの重合体やシリカ、チタニアなどの無機酸化物固体を共存させることも可能である。
<重合工程>
本発明の重合工程は、第一工程および第二工程の二段階よりなる。第一工程および第二工程はこの順序(第一工程→第二工程)で実施する。
<重合様式>
本発明によるプロピレン系ブロック共重合体の製造は、内部に水平軸回りに回転する撹拌機を有する横型反応器を各工程で少なくとも1槽、全体として少なくとも2槽以上用いて、連続式によって実施する。
ここで横型反応器について図1を用いて詳細に述べる。横型反応器10は細長く、上流端12と下流端14を持ち、図1に示すように、一般的には水平位置で設置されている。
軸118は反応器10の下流端14の中へ延び、攪拌の為の翼が反応器10内で取り付けられている。攪拌翼はポリマー粒子を反応器10内でその中へ導入される他物質と混合する。
反応器10の上流部配管1および2より導入された触媒成分は、攪拌翼にてポリマー粒子と混合されながら、重合を開始する。重合の際、発生する重合熱は、頂部配管17から供給される原料液化プロピレンの蒸発潜熱により除去される。未反応のプロピレンガスは配管13にて反応系外へ出され、凝縮器15にてその一部分が凝縮され、気液分離槽11で液相と気相へ分離される。液相部は重合熱除去のため配管17へ導入され、気相部は、分子量調節のための水素等と混合され、反応器10底部に設置された配管18を経由して供給される。
本発明での必須重合様式である、横型反応器が他の反応槽と大きく異なるところは、触媒成分が反応槽の上流部へ添加され、それが重合によりパウダー粒子として成長しながら、反応槽の下流側へ移動するという点にある。
そのため横型反応槽は、完全混合槽型の反応槽に比べ、反応槽1台当たりの槽数が高く、特に反応槽出口付近に存在する比較的滞留時間の短い粒子(ショートパス粒子)の濃度は非常に少ないものとなる。よって、これまで以上のゲル・フィッシュアイの低減を目的としている本発明においては、横型反応器にて実施することが必須となる。
<第一工程>
第一工程(第1段重合槽)の重合は、実質気相状態で、プロピレン単独、あるいはプロピレンとα−オレフィンとの混合物を成分(A)、成分(B)および必要に応じて電子供与体の存在下で、連続重合させて、結晶性のプロピレン重合体を製造する工程である。α−オレフィンとしてはエチレンが一般的である。この第一工程では、プロピレン単独重合体またはα−オレフィン含量7重量%以下のプロピレン・α−オレフィン共重合体を形成させる。第一工程で得られるプロピレン・α−オレフィン重合体中のα−オレフィン含量が7重量%を越えると、最終共重合体の嵩密度が低下し、低結晶性重合体の副生量が大幅に増大する。
温度や圧力の様な重合条件は、本発明の効果を阻害しない限り任意に設定する事が出来る。具体的には、重合温度は好ましくは0℃以上、更に好ましくは30℃以上、特に好ましくは40℃以上であり、好ましくは100℃以下、更に好ましくは90℃以下、特に好ましくは80℃以下である。重合圧力は大気圧以上、好ましくは600kPa以上、更に好ましくは1000kPa以上、特に好ましくは1600kPa以上であり、好ましくは4200kPa以下、更に好ましくは3500kPa以下、特に好ましくは3000kPa以下を例示できる。ただし、重合圧力は重合温度におけるプロピレンの蒸圧力より低く設定するべきではない。
滞留時間は重合槽の構成や製品インデックスに合わせて任意に調整する事が出来る。一般的には、30分から10時間の範囲内で設定される。
成分(A)と成分(B)との使用率は成分(A)中に実質的に含まれるTiグラム原子数を基準にして、Al/Ti=1〜500(原子比)、好ましくは10〜300(原子比)である。
また、必要に応じて用いる電子供与体の使用率は、使用する電子供与体の種類によるが、電子供与体が有機ケイ素化合物の場合、有機ケイ素化合物と成分(B)の使用率がAl/Si=0.5(モル比)以上、好ましくは1以上(モル比)であり、20(モル比)以下、好ましくは15(モル比)以下、更に好ましくは10(モル比)以下である。Al/Siモル比が高い場合、製品の剛性を低下させる。また、Al/Siモル比が過小の場合は、触媒活性を著しく低下させるため実用的でない。
第一段階重合においては、水素などの分子量調節剤を用いて重合体のメルトフローレート(MFR)を制御することができる。プロピレン系ブロック共重合体のMFRは、成形方法や用途により設定されるが、通常、0.1以上、好ましくは50以上、さらに好ましくは70以上であり、1000以下、好ましくは500以下、さらに好ましくは400以下である。MFRが過小な場合は、ポリマーの流動性が著しく低下し成形が困難となり、また過大な場合は、引張り特性の低下などが発生する。
<第二工程>
第二工程(第2段重合槽)の重合は、プロピレンとα−オレフィンとの混合物を一つ以上の重合槽で重合させて、ゴム状重合体を製造する工程である。α−オレフィンとしては、エチレンが好ましい。この第二段階重合ではプロピレン/α−オレフィンの重合比(重量比)が90/10〜10/90、好ましくは80/20〜20/80、特に好ましくは70/30〜30/70の割合であるプロピレンのゴム状重合体を製造する。ただし、この工程での重合量は、全重合量の15重量%以上、好ましくは20重量%以上、更に好ましくは25重量%以上であり、90重量%以下、好ましくは70重量%以下、更に好ましくは50重量%以下である。ゴム状重合体が過小な場合は、十分な衝撃強度が得られず、また過大な場合は、プロピレン系ブロック共重合体のパウダー流動性が著しく悪化し、系内への付着が発生する。第二段階重合では、他のコモノマーを共存させてもよい。
例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンを用いることができる。第二工程の重合温度は30℃以上、好ましくは50℃以上であり、110℃以下、好ましくは90℃以下である。重合圧力は0.1〜5MPaGの範囲が通常用いられる。第一工程から第二工程に移る際に、プロピレンガスまたはプロピレン/α−オレフィン混合ガスと水素ガスをパージして次の工程に移ることが好ましい。第二工程で、分子量調節剤は、目的に応じて用いても用いなくても良い。
<成分(C)の添加>
成分(C)の添加は、ショートパス粒子を選択的に、かつ効率的に失活させる必要があり、少なくとも第2段重合工程の前半までに添加することが必要となる。
本発明においては、成分(C)を第一工程に対応する重合槽の最下流末端から上流方向へ1/3までの間、または第二工程に対応する重合槽の最上流末端から下流方向へ1/3までの間の少なくともいずれかに添加することが必要であり、それにより成分(C)がより効率よくショートパス粒子の活性失活剤として作用するため、より共重合体成分の多いプロピレン系ブロック共重合体においても、十分なゲル低減効果が奏される。
プロピレン系ブロック共重合体の製造において、ゲルの発生や重合槽内の付着は、第二重合工程において、通常滞留粒子に比べショートパス粒子の活性が著しく高いことに起因する。即ち、ゲルの低減や重合槽内の付着防止には、第二重合工程に入るショートパス粒子そのものを減少させる、または第二重合工程においてショートパス粒子のみ、あるいは共重合段階の早い段階でショートパス粒子を失活させることが必要となる。
成分(C)の効果としては、通常滞留粒子に対してはその一部分を失活させるのに対し、ショートパス粒子は完全に失活させる特性を持っている。これは粒子の粒径の違いによるものである。
第一工程に対応する重合槽の最下流末端から上流方向へ1/3までの間への成分(C)の添加は、第二重合工程に入るショートパス粒子を減少させる効果である。但し、先に述べた様に成分(C)は少なからず通常滞留粒子も失活させるため、その添加は第一工程の後半に添加することが好ましい。第一工程の最下流末端から上流方向へ1/3までの間は、第一工程全体の重合量の10〜30重量%を重合する部分であり、この範囲で成分(C)を添加すれば、全体の反応量を大きく低下させることなく、ショートパス粒子の失活が可能となる。
第二工程に対応する重合槽の最上流末端から下流方向へ1/3までの間への成分(C)の添加は、共重合の早い段階でショートパス粒子を選択的に失活させる効果を有する。この部分は、第二工程全体の重合量の20〜60重量%を重合する部分であり、この範囲に成分(C)を添加すれば、最小限の成分(C)添加にてショートパス粒子の失活が可能であり、成分(C)添加による第二工程の活性低下を最小限に抑えることができる。
さらに、成分(C)は、通常重合時に含まれる有機アルミニウム化合物成分(成分(B))と主に反応して失活反応が進行すると考えられるが、下流に行けば行くほどパウダー粒子内の反応できる有機アルミニウム化合物成分が少なくなる。そのため、成分(C)の添加位置が下流側へ広がれば広がる程、回収される未反応プロピレン中への成分(C)の混入が増加し、添加していない箇所においてもあたかも成分(C)を添加しているように活性の低下を招き、結果として長時間にわたって安定した品質のプロピレン系ブロック共重合体を製造することが困難となる。また、所望の重合量、品質を得るために添加量を低下させると、ショートパス粒子の失活が不十分となり、十分なゲル、フィッシュアイ低減を達成することができない。また、上流末端から下流方向へ1/3以上に位置する部分に添加した場合は、上流末端から下流方向へ1/3までの間で、ゲル、フィッシュアイの原因となる成分を大量に作るばかりでなく、付着や塊の生成といった運転性を損なうこととなる。
従って、本発明のとおり第二工程の重合槽の上流末端から下流方向へ1/3までの間に成分(C)を添加した場合、ショートパス粒子を効率よく失活させることができるだけでなく、第二工程における重合活性の持続性を確保できる点で優れる。さらに、上流側の有機アルミニウム化合物成分の比較的多い領域で効率よく失活反応させるため、未反応プロピレン中への成分(C)の混入を少なくすることができ、結果として電子供与性化合物を添加していないゾーンにおいて安定した重合性能を発揮することができ、長時間にわたって安定した品質を保持できる点でも優れる。
このように、ゲル低減や重合槽への付着防止を目的として、成分(C)を特定の位置に添加する製造方法は、重合様式を横型反応器としたことで初めて実現できたものである。
したがって、成分(C)が第一段重合工程に添加される場合は、第一重合段階の下流末端から上流方向へ1/3の位置の間に添加される。添加位置が下流末端より1/3の位置より上流側にある場合、通常の滞留時間を持った粒子も失活され易いため、第一段の重合活性が著しく低下する。さらにこの場合、第二段重合槽での重合活性も比例して著しく低下するため、所望の重合比率を達成できない。また、第一段重合槽で製造されるポリマーの粒径は、著しく小さくなるため、回収プロピレン中のエントレインメント増加等の不具合も生じる。
第一工程に2つ以上の重合槽を用いる場合は、第一工程に用いられる重合槽の長さの合計に対して最下流末端から上流方向へ1/3までの間に添加される。
第二段重合槽への成分(C)を添加する場合は、第二段階重合の上流末端から下流方向へ1/3までの範囲に添加される。添加位置が上流末端から1/3以上下流側に位置した場合、ゲル・フィッシュアイ低減の効果が著しく小さく、加えて、先に述べたように第二工程における重合活性の持続性も低下する。
第二工程に2つ以上の重合槽を用いる場合は、第二工程に用いられる重合槽の長さの合計に対して最上流から下流方向へ1/3までの間に添加される。
別の成分(C)の添加位置として、第一工程の重合槽から第二工程の重合槽の間のパウダー移送流路へ添加することも可能である。但し、移送流路のみ添加は、攪拌等の混合操作が無い為、均一に成分(C)を反応させることが難しく、第2段重合槽の重合量の制御が困難となったり、効率よくショートパス粒子を失活させられないために、他の添加位置と組み合わせて使用するのが好ましい。
添加箇所は一ヶ所に限定されず、前記範囲であれば複数箇所から添加しても良いが、好ましくは第二工程上流末端より1/3の範囲に添加する方が、第一工程へ添加する場合と比較して重合活性の低下を伴わないため、生産性という点から好ましい。
また、成分(C)以外で第二工程に標準状態で気体である重合活性抑制剤を添加して、第二工程の重合槽の重合活性を制御しても良い。重合活性抑制剤と成分(C)を併用した場合、成分(C)の添加量が減少するため、ゲルやフッシュアイ低減の効果は小さくなるが、第2段重合槽の重合量制御に関しては、優れた方法である。標準状態で気体である活性抑制剤としては、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、硫化カルボニル、アンモニアなどが挙げられる。
成分(C)の供給方法は、成分(C)が標準状態で気体である場合、反応槽へ直接導入しても良いが、反応槽へ供給されるガス状のモノマーと一緒にあらかじめ混合し、反応槽底部より導入した方がより効果的である。
また、標準状態で液体である成分(C)の場合は、反応槽へ直接添加するか、あるいは不活性炭化水素溶媒、液体状モノマーに溶解希釈して供給することもできる。この場合、反応槽の頂部或いは底部より導入しても良いが、成分(C)の分散と言う点では、頂部から添加することが好ましく、更にはスプレーノズル等を用いれば、より成分(C)の分散を高めることができる。
成分(C)の添加量は、特に限定しないが、第二工程の重合量がプロピレン系ブロック共重合体に対して20重量%以上の場合、重合系内に添加する成分(C)の総量が、使用する成分(B)に対して、0.5倍モル以上、より好ましくは0.8倍モル以上、さらに好ましくは1倍モル以上であり、20倍モル以下、好ましくは10倍モル以下、より好ましくは5倍モル以下である。成分(C)の添加量が過小な場合は、ゲル、フィッシュアイの低減効果が小さく、また成分(C)の添加量が過剰な場合は、第2段重合槽の活性が著しく低下する。
図2に本発明のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法において、反応槽を第一工程と第二工程に各1台、計2台使用した場合の好ましい態様のプロセスフローを例示する。
<プロピレン系ブロック共重合体の特性>
本発明の製造方法により得られるプロピレン系ブロック共重合体は、ゲルやフィッシュアイの発生が少なく、かつ高衝撃強度を有するという特性を持つ。そのため、射出成形分野や押出し成形分野で用いられ、特に自動車用材料に好適である。
特に、第二工程での重合量が、全重合量に対して25重量%より多いことが、耐衝撃性の理由から好ましい。25重量%以下であると、衝撃強度が低下するため、好ましくない。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明における各物性値の測定方法を以下に示す。
(各種物性測定法)
a)MFR(単位:g/10分):JIS−K6921の方法に従い、230℃、21.18Nの条件で測定した。
b)α−オレフィン含有率(重量%):赤外線吸収スペクトル法により測定した。
c)製品パウダー中の塊(重量%):プロピレン系ブロック共重合体のパウダーを約200gサンプリングし、目開き3360μmの篩にて塊を分離し、その割合を求めた。
d)パウダーの流動性:ホソカワミクロン社製パウダーテスターを使用して、パウダーのゆるみ見掛け比重と固め見掛け比重をそれぞれ測定し、下記式(1)より圧縮度を求め、パウダー流動性の良悪の指標とした。圧縮度の値が高いほどパウダーの流動性が悪い。
Figure 0005118845
e)ゲルの測定(個/g):プロピレン系ブロック共重合体のパウダー2kgに2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.002kg、ステアリン酸カルシウム0.002kgを加え高速攪拌式混合機(ヘンシェルミキサー(商品名))を用いて、室温下にて2分間混合し、混合物をスクリュー口径40mmの押出造粒機を用いて造粒した。このペレットを小型混練機(LME:ATLAS社製)を用いて幅10mm、厚さ0.5mm、長さ1000mmのシートを作成し、目視によりシート上に存在するゲルをカウントした。結果は、シート1g中のゲル個数で整理した。
(実施例1)
1)固体触媒成分(A)の調製
撹拌装置を備えた容量10Lのオートクレーブを充分に窒素で置換し、精製したトルエン2Lを導入した。ここに、室温で、Mg(OEt)を200g、TiClを1L添加した。温度を90℃に上げて、フタル酸−n−ブチルを50ml導入した。その後、温度を110℃に上げて3hr反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。次いで、精製したトルエンを導入して全体の液量を2Lに調整した。室温でTiClを1L添加し、温度を110℃に上げて2hr反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。更に、精製したn−ヘプタンを用いて、トルエンをn−ヘプタンで置換し、固体触媒成分(A)のスラリーを得た。このスラリーの一部をサンプリングして乾燥した。分析したところ、固体触媒成分(A)のTi含量は2.7wt%、Mg含有量は16.3wt%であった。また、固体触媒成分(A)の平均粒径は33μmであった。
2)ポリオレフィン重合触媒成分の予備重合処理
内容積20リットルの傾斜羽根付きステンレス製反応器を窒素ガスで置換した後、ヘキサン17.7リットル、トリエチルアルミニウム100.6mmol、ジイソプロピルジメトキシシラン15.1mmol、前項で調整したポリオレフィン重合触媒(固体触媒成分(A))120.4gを室温で加えた後、30℃まで加温した。次いで、攪拌しながらプロピレン240.8gを3時間かけて供給し、予備活性化処理を行った。分析の結果、オレフィン重合触媒1g当たりプロピレン1.9gが反応していた。
3)第1段重合工程
図3に示したフローシートによって説明する。攪拌羽根を有する横形重合器(L/D=3.7、内容積100リットル)に上記予備活性化処理したオレフィン重合触媒を0.63g/hr、有機アルミ化合物としてトリエチルアルミニウムおよび有機ケイ素化合物としてジイソプロピルジメトキシシランを、Al/Mgモル比が5、Al/Siモル比が9となるよう連続的に供給した。反応温度65℃、反応圧力2.0MPa、攪拌速度35rpmの条件を維持しながら、重合器内の気相中の水素濃度を表1に示した水素/プロピレンモル比に維持するように、水素ガスを循環配管302より連続的に供給して、第1段重合体のMFRを調節した。
反応熱は配管33から供給する原料液化プロピレンの気化熱により除去した。重合器から排出される未反応ガスは配管34を通して反応器系外で冷却、凝縮させて配管302にて重合器10に還流した。
生成した第1段重合の重合体は、重合体の保有レベルが反応容積の50容量%となる様に配管311を通して重合器10から連続的に抜き出し、第2重合工程の重合器20に供給した。この時、配管311から重合体の一部を間欠的に採取して、MFRおよび触媒単位重量当たりの重合体収量を測定する試料とした。触媒単位重量当たりの重合体収量は、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP法)により測定した重合体中のMg含有量から算出した。
4)第2段重合工程
攪拌羽根を有する横形重合器20(L/D=3.7、内容積100リットル)に第1段重合槽からのプロピレン重合体、および配管305よりエチレン−プロピレン混合ガスを連続的に供給し、エチレンとプロピレンの共重合を行った。反応条件は攪拌速度25rpm、温度60℃、圧力1.9MPaであり、気相のガス組成を表1に示すエチレン/プロピレンモル比および水素/エチレンモル比に調整した。プロピレン−エチレン共重合体の重合量を調節するための重合活性抑制剤として酸素、およびエチレン/プロピレン共重合体の分子量を調節するための水素ガスを配管38よりそれぞれ供給した。
反応熱は配管36から供給される原料液化プロピレンの気化熱で除去した。重合器から排出される未反応ガスは配管37を通して反応器系外で冷却、凝縮させて重合器20に還流させた。成分(C)としてエタノールを配管9b(第2段重合槽の上流末端から下流末端までを100とした時、上流末端より15%の位置の頂部)より、第1段重合工程で供給されるトリエチルアルミニウムに対して0.6倍モルの添加量で連続的に添加した。
第2重合工程で生成したプロピレン系ブロック共重合体組成物は、重合体の保有レベルが反応容積の50容量%となる様に配管313を通して重合器20から連続的に抜き出した。
プロピレン系ブロック共重合体組成物の生産速度は14.5kg/hrであった。
抜き出されたプロピレン系ブロック共重合体組成物は未反応モノマーを除去し、一部はMFRの測定、および赤外線吸収スペクトル分析によるエチレン含有量の測定、ICP法による重合体中のMg含量の測定による共重合体の生成量、パウダー中の塊量ならびにゲル、パウダーの流動性の測定に供した。結果を表1に示す。
(実施例2)
エタノールの添加量をトリエチルアルミニウムに対して1.6倍モルとした以外は実施例1に準拠して実施した。結果を表1に示す。
(実施例3)
エタノールの添加位置を9c(第2段重合槽の上流末端より15%の位置の底部)とした以外は実施例1に準拠して実施した。結果を表1に示す。
(実施例4)
エタノールの添加位置を9a(第1段重合槽の上流末端より79%の位置の頂部)とした以外は実施例1に準拠して実施した。結果を表1に示す。
(実施例5)
エタノールの添加位置9bを第2段重合槽の上流末端より30%の位置の頂部とした以外は実施例1に準拠して実施した。結果を表1に示す。
(実施例6)
エタノールの添加量をトリエチルアルミニウムに対して4.2倍モルとした以外は実施例1に準拠して実施した。結果を表1に示す。
(比較例1)
エタノールの添加位置を、第2段重合槽の上流末端より46%の位置の頂部とし、プロピレン系ブロック共重合体の生産レートが13〜16kg/hとなるように触媒の添加量を調整した以外は実施例1に準拠して実施した。結果を表1に示す。
(比較例2)
エタノールの添加位置を、第1段重合槽の上流末端より47%の位置の頂部とし、プロピレン系ブロック共重合体の生産レートが13〜16kg/hとなるように触媒の添加量を調整した以外は実施例1に準拠して実施した。結果を表1に示す。
(比較例3)
エタノールを用いずに、プロピレン系ブロック共重合体の生産レートが13〜16kg/hとなるように触媒の添加量を調整した以外は実施例1に準拠して実施した。結果を表1に示す。
Figure 0005118845
表1から明らかなように、実施例1〜6は比較例1〜3と比較して、本発明の製造方法の特定事項である、「第一工程に対応する重合槽の最下流末端から上流方向へ1/3までの間、または第二工程に対応する重合槽の最上流末端から下流方向へ1/3までの間の少なくともいずれかで、電子供与体化合物(成分(C))を添加する」との要件を満たさない方法である比較例で得られたものは、ゲルの発生やパウダー中の塊が多く、加えてパウダーの流動性が良好でないプロピレン系ブロック共重合体であるのに比べて、本発明の製造方法の実施例によるポリプロピレン系ブロック共重合体組成物は、ゲルの発生やパウダー中の塊が少なく、加えてパウダーの流動性が良好なプロピレン系ブロック共重合体である事が分かる。具体的には実施例1と比較例1の比較において、第2段重合槽へ成分(C)を添加がする場合、成分(C)の添加位置が重合槽中央部分であるとゲル低減の効果が小さいことが分かる。
比較例2と実施例4では、いずれも成分(C)が第1段重合槽に添加されている例であるが、添加位置が第1段重合槽の中央付近であると、触媒の重合活性が著しく低下し、パウダーの流動性および塊の量が多くなることが分かる。これは、活性低下によりプロピレン系ブロック共重合体のパウダー粒径が小さくなったためである。
従って、実施例はプロピレン系ブロック共重合体の製造方法において、本発明の製造方法の特定事項である、成分(C)の添加位置を規定することは、ゲルや塊の減少およびパウダーの流動性を良好に保つという点で、優れた結果が得られていると言える。
本発明の製造方法は、ゲルやフィッシュアイが低減されたプロピレン系ブロック共重合体が得られることから、外観の優れた射出成形品や押し出し成形品を得ることが可能である。加えて、パウダー流動性が優れ、パウダー中の塊量も少ないことから、品質的に安定したプロピレン系ブロック共重合体の供給が可能となる。
図1は、本発明の横型反応器を用いた製造方法に用いる装置の配置の一例を表す概略図である。 図2は、本発明の横型反応器を用いた製造方法に用いる装置の配置の好ましい例を表す概略図である。 図3は、本発明の実施例及び比較例で用いた横型反応器を用いた製造方法のフローシートを表す概略図である。
符号の説明
1、2:触媒成分供給配管
3、5:原料プロピレン補給配管
4、6:原料補給配管(水素など)
7、38:(重合)活性抑制剤添加用配管
8、9a、9b、9c:成分(C)供給配管
10:重合器(第1重合工程)
11、21:気液分離槽
12、24:反応器上流末端
13、23、34、37:未反応ガス抜出し配管
14、22:反応器下流末端
15、25:凝縮機
16、26:圧縮機
17、27、33、36:原料液化プロピレン補給配管
118、228:軸
18、28、302、305:原料混合ガス供給配管
20:重合器(第2重合工程)
30:脱ガス槽
32、39、311、313:重合体抜出し配管
35、312:重合体供給配管

Claims (6)

  1. 内部に水平軸回りに回転する撹拌機を有する横型反応器を用いて気相法によりプロピレン系ブロック共重合体を連続的に製造する方法であって、
    下記の成分(A)及び成分(B)からなる触媒の存在下、プロピレンまたはプロピレンとエチレンを含む他のαオレフィンとを重合させてプロピレンの単独重合体またはプロピレンと他のαオレフィンとの共重合体を得る第一工程と、該第一工程で得られた重合反応物の存在下、プロピレンとエチレンを含む他のαオレフィンとを共重合体反応系へ供給してプロピレンと他のαオレフィンとを共重合させる第二工程とからなり、
    その際、第一工程に対応する重合槽の最下流末端から上流方向へ1/3までの間、または第二工程に対応する重合槽の最上流末端から下流方向へ1/3までの間の少なくともいずれかで、キラー剤として下記の成分(C)を添加することを特徴とするプロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法。
    成分(A):チタン、マグネシウム、ハロゲン及び電子供与体を必須成分とする固体触媒成分
    成分(B):有機アルミニウム化合物
    成分(C):メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン又は酢酸メチルから選ばれる少なくとも一種の電子供与体化合物
  2. 成分(C)は、第二工程に対応する重合槽の最上流末端から下流方向へ1/3までの間に添加することを特徴とする請求項1記載のプロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法。
  3. 添加される成分(C)の総量が、成分(B)に対して0.5〜20倍モルであることを特徴とする請求項1又は2に記載のプロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法。
  4. 固体触媒成分(A)が、予備重合されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のポリプロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法。
  5. 第二工程に、標準状態で気体である重合活性抑制剤を添加することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のプロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法。
  6. 第二工程での重合量が、全重合量に対して25重量%より多いことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のプロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法。
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