JP5118732B2 - 燃料インジェクタ - Google Patents

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Description

本発明は燃料インジェクタに関する。詳細には、本発明は、内燃エンジンの燃焼空間に燃料を送出するための燃焼インジェクタに関し、更に、燃料インジェクタで使用する三方向(三方)制御バルブ装置に関する。このインジェクタは、広い燃料圧力範囲に亘って少量の燃料を送出するのに適している。
ディーゼルエンジンの燃焼を最適化するため、燃料インジェクタが送出する燃料の量を精密に制御する必要がある。広い燃料圧力範囲に亘って少量の燃料を噴射できるのが望ましい。特にヘビーデューティーの用途では、燃料インジェクタは、少量の燃料を非常に高い燃料圧力で送出できなければならない。
代表的には、燃料インジェクタは、ノズルニードルを持つ噴射ノズルを含み、このノズルニードルは、エンジンへの燃料噴射を制御するように、バルブニードル弁座に向かって及びバルブニードル弁座から遠ざかる方向に移動できる。ノズルニードルは、ノズル制御バルブ(NCV)によって制御される。NCVは、ノズルニードル用の制御チャンバ内の燃料圧力を制御する制御バルブピンを含む。これは、提案された排ガス規制法の要件を満たすのに必要なスプリット噴射の量及びタイミングを制御する上で特に望ましい。
現存の燃料インジェクタ設計について、
バルブニードル用のガイドボア及び制御バルブピン用のガイドボアを拡張すると、特に、現在の燃料噴射システムで必要とされる比較的高い燃料圧力(例えば3000bar程度)で、受け入れられない程大量の燃料が漏洩してしまうと考えられている。更に、インジェクタ内の制御容積は比較的大きく、その結果インジェクタの応答性が、多数の噴射イベントを正確に制御する上で必要とされるよりも低下する。
こうした問題点に対処するための一つの方法は、バルブニードル及び制御バルブピンを小型化し、これに従ってガイドボアの寸法を小さくすることである。これらの方法は、寄生漏洩損(parasitic leakage losses)及び応答時間について顕著な効果をもたらす。これは、関連した制御容積及び構成要素の質量が協調して減少するためである。更に、このような小さな構成要素は、その質量及び関連した液圧力が大幅に減少するため、作動に要する力が小さく、作動速度性能が早くなり及び/又は必要な作動力が小さくなる。しかしながら、小型化には、現在のインジェクタ設計に関し、製造上の困難が伴う。
本発明の目的は、上文中で言及した欠点を緩和する、燃料インジェクタで使用するのに適した三方向制御バルブを提供することである。
本発明の第1の特徴によれば、燃料インジェクタであって、該燃料インジェクタは、
インジェクタ出口を通した燃料噴射を制御するためのバルブニードルと、
燃料を受け入れるための制御チャンバと、
制御チャンバ内の燃料圧力を制御し、バルブニードルの開閉移動を制御し、出口を通した燃料噴射を制御する三方向制御バルブとを備え、
三方向制御バルブは、(a)第1通路と第2通路との間、及び、(b)第3通路と第2通路との間の連通を制御する。
制御バルブは、
制御バルブ部材用のガイドボアが設けられ、これによって制御バルブ部材の移動をガイドボア内で案内する、第1ハウジングと、
第1及び第2の通路間の連通を制御するため、制御バルブ部材と係合できる、第2ハウジングによって形成された第1弁座と、
第2及び第3の流路間の連通を制御するため、制御バルブ部材と係合できる、第1ハウジングによって形成された第2弁座とを含む。
第1ハウジングは制御バルブハウジングであり、第2ハウジングはインジェクタハウジングであり、インジェクタハウジングには、バルブニードル又はバルブニードルによって支持された部品用のガイドボアが設けられている。好ましくはシムプレートの形態の中間ハウジングが、第1及び第2のハウジング間に配置されており、第2通路が中間ハウジングに形成されている。
制御バルブ部材は、代表的には、第1ハウジングのガイドボア内で案内されるガイド部分と、第1通路と第2通路との間の連通及び第2通路と第3通路との間の連通の夫々を制御するため、第1及び第2の弁座と係合できるバルブへッドとを含む。
好ましくは、第1及び第2の弁座のうちの少なくとも一方は、関連したハウジング(即ち第1ハウジング又は第2ハウジング)の平らな表面によって形成されており、前記制御バルブ部材の端面が、前記平らな表面と係合する。制御バルブ部材の円錐形表面が他方の弁座と係合できる。かくして、他方の弁座は、円錐形表面と係合するように適当な形状を備えている。制御バルブ部材が円錐形表面を一つしか備えておらず、一方の弁座が平らな表面によって形成されている場合には、二つの円錐形表面を持つバルブと比較して製造上の利点が得られる。二つの円錐形表面を持つバルブは、弁座間の正確な同心性を得るのが困難である。
好ましくは、第1通路は、第2ハウジングによって形成されており、中間ハウジングが形成するチャンバ内に開放している。更に、第3通路は、一部が第2ハウジングによって形成されてもよく、一部が中間ハウジングによって形成されていてもよい。
制御バルブは、内燃エンジンの燃焼空間に高圧燃料を送出するための燃料インジェクタで使用するのに特に適している。
従って、本発明の別の特徴では、本発明の第1の特徴の三方向制御バルブと、インジェクタ出口を通した燃料噴射を制御するためのバルブニードルと、燃料を受け入れるための制御チャンバとを含む燃料インジェクタが提供される。三方向制御バルブは、制御チャンバ内の燃料圧力を制御して、バルブニードルの開閉移動を制御し、これによって、インジェクタ出口を通る燃料噴射を制御する。バルブニードルは、インジェクタ出口を通した燃料噴射を制御するため、バルブニードル弁座に向かって、また、バルブニードル弁座から遠ざかる方向に移動するようにすることが好ましい。バルブニードル弁座に着座したとき、燃料噴射が行われず、バルブニードル弁座から持ち上げられたとき、燃料噴射が行われる。
便利には、第1ハウジングは制御バルブハウジングであり、第2ハウジングはインジェクタハウジングであり、このインジェクタハウジングには、インジェクタのバルブニードル用の又はバルブニードルによって支持された部品用のガイドボアが設けられている。 制御バルブハウジングとインジェクタハウジングとの間に中間ハウジングを設けることにより、製造上の観点から特に優れた利点が得られる。詳細には、ノズル制御バルブで、比較的小径の制御バルブ部材(即ち、直径が3mm乃至3.5mmより小さい制御バルブ部材)を実施できる。
比較的小型のバルブをインジェクタ設計に組み込むことにより、製造上の問題が生じる。これは、バルブガイドボア及び弁座の研削及び機械加工を行う上で、研削工具及びボアホーニング工具をできるだけ剛性にする必要があるためである。こうした構成要素の直径が小さくなるに従って、関連した機械加工工具の剛性が益々大きな問題となる。こうした問題は、本発明では、研磨砥石及び研削ホイール/スピンドル等の機械加工工具を、機械加工を受ける構造にできるだけ近付けて取り付けられるように構成することによって緩和できる。本発明では、中間ハウジングを設けることにより、制御バルブハウジングのガイドボア及び第2弁座を、このような研磨砥石及び研削ホイール/スピンドルに大きく近付けることができ、これにより、機械加工プロセスに対し、剛性の向上という利点を提供する。更に、弁座にコーティングを施すのが望ましい場合、
これは、構成に中間ハウジングが含まれない場合のように弁座が凹所をなしているのでなく、弁座を制御バルブハウジングの(下)表面に設けることによって、更に容易に行うことができる。
燃料インジェクタの用途では、特に高圧燃料インジェクタの用途では、制御バルブハウジングのガイドボアの直径を小さくすることにより、現在の燃料噴射システムで必要な比較的高い圧力での燃料漏れを低減するという大きな利点が得られる。更に、製造中、研削スピンドル支持体を第2弁座にできるだけ近付けて配置できるため、第2弁座の深さ及び仕上げを更に正確にできる。
中間ハウジング内に第2通路が設けられるため、別の利点が得られる。従って、第2通路は、中間ハウジングを通して一方の側部から他方の側部までボーリング加工又はドリル加工を行うことによって、便利に形成できる。
更に、中間ハウジングについての適当な厚さを選択することによって、制御バルブ部材のリフトの設定を便利に且つ正確に行うことができる。これは、ハウジングの厚さが第1及び第2の弁座の離間距離を決定するためである。バルブニードル及び関連した構成要素が小型化されるにつれて、正確な制御が必要とされるため、正確なリフト設定が益々重要になる。
好ましくは、インジェクタの制御チャンバは、三方向制御バルブの第2流れ通路と連通している。
一実施例では、第1通路は低圧ドレンと連通しており、第3通路は高圧燃料源と連通している。
中間ハウジングは、バルブニードル用の又はバルブニードルによって支持された部品用のリフトストッパを形成してもよい。リフトストッパを形成するために中間ハウジングを設けることにより、リフトストッパにコーティングを施す必要がある場合、そのコーティングの導入を簡単にする。リフトストッパへのコーティングの導入は、容易にアクセスできる(即ち中間ハウジングの)表面のコーティングである。
燃料インジェクタの特に好ましい実施例では、漏洩通路が、制御チャンバと、従って第2通路と連通している。漏洩通路は、好ましくは、中間ハウジング内に設けられている。また、漏洩通路は、代表的には、制御バルブ部材が第1弁座から遠ざかる方向に移動するとき、制御チャンバから流出する燃料の流れに対して所定の抵抗を提供する。この抵抗は、オリフィスによって形成される。
比較的小さな構成要素を使用した場合には、オリフィスを通過する流れが少ないことが予想されるため、オリフィスの直径は比較的小さくなければならい。代表的には、従来技術においては、そのように部分的に小径なボアは、更に、製造上の困難をもたらしていた。こうした困難は、別体の中間ハウジング構成要素内の漏洩通路にオリフィスを配置することによって改善される。
中間ハウジングの表面には、更に、漏洩通路を第2通路に連結する横断スロットが設けられていてもよい。横断スロットは、これが構成要素の表面に形成されるようにするのが特に便利である。
変形例では、又は追加として、燃料インジェクタは、制御チャンバと従って第2通路とに連通した追加の漏洩通路を備えていてもよい。この追加の漏洩通路は、制御バルブ部材が第1弁座から遠ざかる方向に移動するとき、制御チャンバから流出する燃料の流れに対して可変の制限を提供する。例として、バルブニードルが又はバルブニードルによって支持された部品が、追加の漏洩通路と協働し、制御チャンバから流出する燃料の流れに対し、バルブニードルの開放移動の程度で決まる可変の制限を提供する。
制御チャンバから流出する燃料の流れに対して可変の制限を提供することによる利点は、バルブニードルの開放移動速度が、その移動範囲に亘って変化するということである。可変の制限は、バルブニードルが最初に持ち上げられるとき(即ち初期リフト時に)、バルブニードルがバルブニードル弁座から急速に持ち上げられ、燃料が制御チャンバから比較的高い流量で流出するが、バルブニードルの移動範囲の終わりに向かって(即ちフルリフトに近づくに従って)、バルブニードルが減速され、制御チャンバから流出する燃料の流量が減少するように行われる。このようにして、ニードルリフトのまさに終わりのバルブニードルの「跳ね返り」が、制御されると同時に、バルブニードルを急速に開放する利点を維持する(例えば、バルブニードルがその弁座から持ち上げられるとき、バルブニードルの移動は、ベルヌーイ力の効果によって妨げられない)。
中間ハウジングの表面には、更に、追加の漏洩通路を第2通路に連結する横断スロットが設けられていてもよい。横断スロットは、これが構成要素の表面に形成されるようにするのが特に便利である。
本発明は、更に、第2の特徴において、燃料インジェクタであって、インジェクタ出口を通した燃料の噴射を制御するためのバルブニードルと、燃料を受け入れるための制御チャンバと、制御チャンバ内の燃料圧力を制御し、これによってバルブニードルの開閉移動を制御し、出口を通した燃料噴射を制御する三方向制御バルブとを含む燃料インジェクタを提供する。三方向制御バルブは、第1通路と第2通路との間、及び、第3通路と第2通路との間の連通を制御する。
三方向制御バルブは、
制御バルブ部材用のガイドボアが設けられ、これによって制御バルブ部材の移動はガイドボア内で案内される、第1ハウジングと、
第2ハウジングによって形成された、第1及び第2の通路間の連通を制御するため、制御バルブ部材のへッド部分が係合できる第1弁座と、
第1ハウジングによって形成された、第2及び第3の流路間の連通を制御するため、制御バルブ部材のへッド部分が係合できる第2弁座と、
第1及び第2のハウジング間に配置された中間ハウジングとを含み、第2通路は中間ハウジング内に形成され、中間ハウジングは、バルブニードル用の又はバルブニードルによって支持された部品用のリフトストッパを形成する。
本発明は、更に、上文中に説明したインジェクタの部分を形成する三方向制御バルブに関する。
本明細書中に記載した本発明の第1の態様の好ましい特徴及び/又は随意の特徴は、本発明の第2の態様に、単独で又は適当な組み合わせで組み込んでもよい。
図1は、本発明の一実施例の制御バルブを含み、インジェクタバルブニードルの上端の制御チャンバからの可変漏洩通路を含む、燃料インジェクタの概略図である。 図2は、図1の制御バルブを含むが、インジェクタ制御チャンバからの固定漏洩通路を持つ、変形例の燃料インジェクタの概略図である。
図1は、燃料をエンジンのシリンダ又は内燃エンジンの他の燃焼空間に送出する上で使用するための燃料インジェクタの一部の概略図である。燃料インジェクタは、インジェクタノズル(一部だけを示す)と、本発明の一実施例に係る三方向ノズル制御バルブ(NCV)10とを含む。インジェクタノズルは、インジェクタ本体即ちインジェクタハウジング12を含む。NCV10は、バルブハウジング14と、中間ハウジング、例えばシムプレート16内に収容されている。シムプレート16は、インジェクタ本体12とバルブハウジング14との間に配置されている。
インジェクタノズルは、更に、バルブニードルを含む。このバルブニードルは、ノズル出口開口部を通って、関連した燃焼空間(図示せず)に流入する燃料の流れを制御するため、NCV10によって作動できる。バルブニードルの下部分は示してないが、出口開口部を通して燃焼空間内への燃料の送出を制御できるように、バルブニードル弁座と係合できるバルブチップ(バルブ頂部)で終端する。更に、バルブニードルをバルブニードル弁座に向かって押圧するためのばねが設けられていてもよい。
図1でわかるように、出口開口部から遠方のバルブニードルの上端20が、インジェクタ本体12内に形成された制御チャンバ18内に配置されている。バルブニードルの上端は、「ニードルピストン」20とも呼ばれ、その摺動運動は、インジェクタ本体12に設けられたガイドボア22内で案内される。ニードルピストン20は、バルブニードルの下部分と一体であってもよいが、別の態様では、バルブニードルによって支持された別体の部品であってもよい。ニードルピストン20の長さに沿って、段部24が、ニードルピストン20の案内される部分と、その上端の縮径チップ(縮径頂部)26との間に形成される。
使用に当たっては、高圧の燃料が、バルブハウジング14、シムプレート16、及びインジェクタ本体12を貫通した第1燃料供給通路28から、バルブニードルの下部分が配置されたノズルチャンバ(図示せず)まで送出される。高圧の燃料は、バルブニードルがバルブニードル弁座から離されている場合には、ノズルチャンバからノズルの出口開口部を通って流れることができる。
制御チャンバ18は、図1に示す配向で、ニードルピストン20と同軸に且つその上方に配置されている。制御チャンバ18は、インジェクタ本体12内に形成され、一部がガイドボア22によって、そして一部がニードルピストン20の縮径チップ26の端面によって形成され、シムプレート16の下面によって閉鎖されている。制御チャンバ18内の燃料圧力が、ニードルピストン20に力を加える。この力は、ニードルピストン20を下方に押圧するのに役立ち、従ってバルブニードルをバルブニードル弁座に押し付けるのに役立つ。これにより、出口開口部を通した燃料の噴射が阻止される。高圧燃料は、第2燃料供給通路30から、NCV10を介して制御チャンバ18に送出される。第2燃料供給通路30は、インジェクタ本体12及びシムプレート16の通路を貫通したドリル穴の形態と、バルブハウジング14に設けられた斜行ドリル穴の形態とを備えているということに着目されたい。
高圧燃料が供給通路28を通してノズルチャンバに供給された使用状態では、バルブニードルの一つスラスト面又は複数のスラスト面(図示せず)に上向きの力が加わる。この力は、バルブニードルを押してバルブニードル弁座から遠ざけるように作用する。制御チャンバ18内の燃料圧力が十分に低いと、ノズルチャンバ内の燃料圧力によりスラスト面に作用する上向きの力と、バルブニードルのチップ(頂部)に作用する燃焼チャンバ内のガス圧力による力は、ニードルピストン20の端面に作用する下向きの力と、ばねによってバルブニードルに加えられる力(ばね予負荷力)とに打ち勝つのに十分に大きい。従って、バルブニードルがバルブニードル弁座から持ち上げられ、ノズル出口を通した燃料噴射を開始する。制御チャンバ18内の燃料圧力が上昇すると、バルブニードルをバルブニードル弁座から持ち上げるように作用する力よりも、制御チャンバ18内の燃料圧力による上昇した力の方が大きくなり、バルブニードルが着座する。かくして、制御チャンバ18内の燃料圧力を制御することによって、出口開口部を通した燃料噴射の開始及び終了を制御できる。
制御チャンバ18内の燃料の圧力は、NCV10によって制御される。NCV10は、上部分32a及び下部分32bを含むバルブピンの形態の制御バルブ部材を含む。ガイド部分32aと呼ばれるバルブピンの上部分は、NCVハウジング14に形成されたガイドボア34内で摺動できる。バルブへッド32bと呼ばれるバルブピンの下部分は、シムプレート16内に形成されたチャンバ36に配置されており、このチャンバ36内で摺動できる。
以下に説明するように、夫々の弁座との係合及び係合解除によってバルブピンの流体制御部分として機能するのはバルブへッド32bである。
インジェクタ本体12には、シムプレート16の下面と隣接して、軸線方向ドリル穴の形態のドレン通路38が設けられている。このドレン通路38は、シムプレートチャンバ36に開放している。ドレン通路38は、低圧ドレン40と連通している。シムプレート16には、第1及び第2の軸線方向貫通ドリル穴42、44が設けられている。横断スロット46が、シムプレート16の上面に設けられている。横断スロット46は、第1及び第2の軸線方向ドリル穴42、44の上端と連通している。横断スロット46の一端は、シムプレートチャンバ36に連結されている。軸線方向第1ドリル穴は、燃料を制御チャンバ18の外に流すための漏洩通路42を形成する。この漏洩通路42には、この通路を通る燃料の流量を決定するオリフィス(図示せず)が設けられている。
この実施例では、横断スロット46を、その全体がシムプレート16内に形成されたものとして説明したが、横断スロット46の少なくとも一部を、または、横断スロット46全体を、NCVハウジング14の下側面内に形成することもできる。
インジェクタ本体12の上面が、NCV10のバルブピンのへッド部分32b用の第1弁座48を形成する。バルブピンのへッド部分32bの下端面は、バルブピンが、シムプレートチャンバ36とドレン通路38との間の連通が断たれ且つシムプレートチャンバ36と第2供給通路30との間が連通された第1バルブ位置に移動するとき、第1弁座48と係合する。NCVハウジング14は、その下面に、バルブピンのへッド部分32b用の第2弁座50を形成する。図1では、第2弁座50は、鋭い縁部(90°断面)を形成するように示してあるが、別の態様では、弁座50の直角をなした隅部に面取りを施し、これによって、バルブへッド32bの截頭円錐形着座肩部と相補する截頭円錐形表面を形成することによって、弁座を形成してもよい。この特徴により、バルブへッド32bと第2弁座50との間を衝撃損傷から保護する。
へッド部分32bの截頭円錐形肩部は、バルブピンが、第2供給通路30とシムプレートチャンバ36との間の連通が断たれ且つシムプレートチャンバ36とドレン通路38との間が連通された第2バルブ位置に移動するとき、第2弁座50と係合する。
便利には、バルブピンは、ばね(図示せず)又は他の押圧手段によって、第1弁座48と係合するように押圧されている。バルブピン32a、32bの移動は、電磁アクチュエータ装置(図示せず)、又は、圧電式アクチュエータや磁気歪(magnetorestrictive)アクチュエータ等の別の適当なアクチュエータによって制御される。バルブピン32a、32bは、第1弁座48でのバルブピンのへッド部分32bの直径がバルブピンのガイド部分32a用のガイドボア34の直径と等しいため、高圧に合わせて(即ち第2供給通路30内の燃料圧力に合わせて)バランスがとられる。
バルブピン用の弁座の一方だけが円錐形の弁座(即ち第2弁座50)であり、他方の弁座が平らな表面(即ちインジェクタハウジング12によって形成された第1弁座48)によって形成されるため、十分に高い同心性で機械加工するのが困難な二つの円錐形弁座を持つバルブ設計と比較して製造上の利点が得られる。
インジェクタ本体12には、漏洩通路と呼ばれる流れ通路52が設けられている。この流れ通路52は、ニードルピストン20の上端で制御チャンバ18と連通し、制御チャンバ18と所定の斜行角度で交差する。ニードルピストン20の外面は、漏洩通路52の進入ポートと協働できる。ガイドボア22内でのニードルピストン20の位置により、進入ポートがどれ程覆われるのかが決まり、従って、制御チャンバ18と漏洩通路52との間の連通の程度が決まる。
シムプレート16の軸線方向第2ドリル穴44は、シムプレート16の下面のところで開放しており、漏洩通路52の進入ポートから遠方の(漏洩通路52の進入ポートとは反対側の)端部と連通している。
シムプレート16の漏洩通路42もまた、シムプレート16の下面のところで開放しており、制御チャンバ18と直接的に連通している。従って、シムプレートチャンバ36と制御チャンバ18との間には、燃料の二つの流れルートがある。第1ルートは、インジェクタ本体12の漏洩通路52、シムプレート16の軸線方向第2通路44、及び横断スロット46を通るルートであり、第2ルートは、シムプレート16の漏洩通路42及び横断スロット46を通るルートである。
変形例の構成(図示せず)では、横断スロット46は、シムプレート16でなくNCVハウジング14に設けられていてもよく、又は、NCVハウジング14及びシムプレート16の両方の組み合わせに設けられていてもよい。
使用に当たっては、NCV10が消勢されている場合、バルブピン32a、32bは第1バルブ位置にあり、へッド部分32bはばね力の作用で第1弁座48と係合している。この位置では、高圧燃料が第2供給通路30から第2弁座50を通ってシムプレートチャンバ36に流入でき、ここから第1ルート(シムプレート16の、横断スロット46及び漏洩通路42を介して)、また、第2ルート(横断スロット46、軸線方向第2通路44、及びインジェクタ本体12の漏洩通路52を介して)を通って、制御チャンバ18に流入できる。このような場合には、制御チャンバ18が加圧され、ニードルピストン20が下方に押圧され、従って、バルブニードルが下方にバルブニードル弁座に押し付けられ、その結果、出口開口部を通した噴射は行われない。制御チャンバ18の加圧により、バルブニードルのスラスト面に作用する上向きの力と、バルブニードルのチップに作用する燃焼チャンバ圧力による任意の力との組み合わせに打ち勝って、バルブニードルをバルブニードル弁座に着座させるのに十分な力が発生するということは理解されよう。
制御バルブ10を作動(賦勢)させたとき、即ちバルブピン32a、32bを第1弁座48から遠ざかる方向に移動して第2弁座50と係合させたとき、第2供給通路30内の高圧燃料は、もはや、第2弁座50を通って制御チャンバ18に流入できない。その代わり、制御チャンバ18内の燃料は、第1弁座48を通ってドレン通路38及び低圧ドレン40に流入できる。従って、制御チャンバ18内の燃料圧力が低下し、制御チャンバ18が減圧される。その結果、バルブニードルは、バルブニードル弁座から遠ざかる方向に上方に押圧される。これは、ノズルチャンバ内の燃料圧力の力が、バルブニードルのスラスト面に作用するためである。ニードルピストン20の真上のシムプレート16の下面の領域には、ニードルピストン20の最大の移動程度を制限し、従って、バルブニードル弁座から遠ざかる方向でのバルブニードルの最大の移動程度を制限する上リフトストッパ54が設けられている。
バルブニードルをバルブニードル弁座から遠ざかる方向に移動する速度は、制御チャンバ18から低圧ドレン40への燃料の流出流量で決まる。先ず最初に、バルブニードルが着座しており、ニードルピストン20がガイドボア22内でその最も下の位置にあるとき、漏洩通路52への進入ポートは、ニードルピストン20によって全く覆われておらず、その結果、燃料が、制御チャンバ18から、漏洩通路52、シムプレート16の軸線方向第2ドリル穴44、横断スロット46、及びシムプレートチャンバ36を介して、低圧ドレン40へ流出できるように、比較的大きい流路が存在する。これと平行して、燃料は、制御チャンバ18から、シムプレート16の漏洩通路42、横断スロット46、及びシムプレートチャンバ36を通って流出する。この初期リフト段階中、ベルヌーイの力が存在するとき、バルブニードルの移動減衰速度は比較的低い。これは、漏洩通路52が全く覆われていないため、制御チャンバ18から低圧ドレン40へ流出する燃料の流れに比較的に制限が加えられないためである。
バルブニードルがバルブニードル弁座から遠ざかる方向に持ち上げ続けられるとき、ニードルピストン20の長さに沿って設けられた段部24が、インジェクタ本体12の漏洩通路52への進入ポートの下縁部を通過し、そのため、進入ポートは、ニードルピストン20によって部分的に覆われる。バルブニードルの移動のこの中間段階中、制御チャンバ18から漏洩通路52を通って流出する燃料の流れは、更に大きく制限され、そのためバルブニードルの移動の減衰が大きくなる(即ち、バルブニードルの移動が、中間移動範囲中、初期移動範囲と比べて比較的強く減衰される)。制御チャンバ18から流出する燃料の流量は、バルブニードルがその移動範囲に亘って移動し続けるに従って更に制限され、漏洩通路52への進入ポートが益々大きく閉鎖される。従って、バルブニードルの移動の減衰は、その移動範囲の終わりに向かって更に顕著になる。
その移動範囲のまさに終わりに向かって、ニードルピストン20のチップ26が漏洩通路42に近づくにつれて、更に大きなスロットル効果が生じ、この効果が漏洩通路42への進入ポートに集中し、制御チャンバ18から流出する燃料の流量が更に減少する。最終的には、ニードルピストン20のチップ26がリフトストッパ54に当たり、漏洩通路42が完全に覆われる。リフトの終わりでの最適の減衰のための輪郭(プロファイル)は、(i)チップ26の直径とニードルピストン20の残りの直径との相対的な大きさ、(ii)チップ26の高さ及び段部24の相対的な高さ、及び(iii)チップ26の形状(即ち、テーパしているか或いは別の輪郭を備えているか)を選択することによって得ることができる。変形例では、漏洩通路42は、フルリフトのまさに終わりのこの集中的スロットル効果が全く起らないように、ニードルピストン20と軸線方向に整合した状態から、ずらされて(オフセットされて)いてもよい。
漏洩通路52への進入ポートがニードルピストン20によって完全に覆われる点で、制御チャンバ18から流出する唯一の流れは、シムプレート16の漏洩通路42を通る流れであり、燃料に対して所定の制限を提供する。この時点で、制御チャンバ18から流出する燃料の流量が(二つの流れルートを利用できる場合と比較して)減少するため、制御チャンバ18の減圧速度が低下し、従って、バルブニードルがその全開位置に向かって移動し続ける速度もまた低下する。従って、ニードルピストン20は、漏洩通路52、42の両方が開放した初期開放速度と比較して低い速度でその上リフトストッパ54に近づく。
その移動範囲のまさに終わりに向かって、ニードルピストン20のチップ26が漏洩通路42に近づくに従って、更に大きなスロットル効果が生じ、この効果が漏洩通路42への進入ポートに集中し、制御チャンバ18から流出する燃料の流量を更に減少する。最終的には、ニードルピストン20のチップ26がリフトストッパ54に当たり、漏洩通路42が完全に覆われる。変形例では、フルリフトでのこの集中的スロットル効果が起らないように、漏洩通路42は、ニードルピストン20と軸線方向で整合した状態からずらされていてもよい。
インジェクタ本体12の漏洩通路52への進入ポートが完全に覆われる時点は、バルブニードルがその全移動範囲のうちのほんの小さい部分のみ移動した後に生じてもよく、あるいは、ニードルピストン20がその全移動範囲の終わりに近づくとき、上リフトストッパ54に当たる直前に、生じてもよい。従って、漏洩通路52への進入ポートが完全に覆われた後、バルブニードルの移動の残りは、専ら、シムプレート16の漏洩通路42を通る燃料の流量によって制御される。この目的のため、バルブニードルの形状と、漏洩通路52への進入ポートが完全に覆われる点は、所望のリフト特性を提供するように、また、ニードルピストン20が上リフトストッパ54に近づく速度が、バルブニードルの開放直後の初期移動速度と比較して低くなるように、選択される。
変形例では、インジェクタ本体12の漏洩通路52は、ニードルピストン20が上リフトストッパ54に近づいても僅かに開いたままであってもよい。その結果、バルブニードルの全移動範囲に亘り、両漏洩通路42、52を通して平行な流れが存在する。
バルブニードル閉鎖位相中、即ちNCV10が消勢されているとき、バルブピンのへッド部分32bは第1弁座48に押し付けられており、第2弁座50が開放されている。その結果、燃料は、第2供給通路30から、第2弁座50を通って制御チャンバ18に流入する。ニードルピストン20がその上リフトストッパ54に当たったとき、インジェクタ本体12の漏洩通路52が完全に覆われているものとすると、燃料は、先ず最初に、シムプレート16の漏洩通路42だけを通って制御チャンバ18に流入する。ニードルピストン20が上リフトストッパ54から遠ざかる方向に移動を開始したとき、インジェクタ本体12の漏洩通路52への進入ポートが開放を開始する。その時点で、燃料は、二つのルート(即ち、シムプレート16の横断スロット46及び漏洩通路42を通る第1ルートと、シムプレート16の横断スロット46及び軸線方向第2通路44、及びインジェクタ本体12の漏洩通路52を通る第2ルートと)を通って、制御チャンバ18に流入する。これにより、閉鎖位相中、制御チャンバ18の圧力とノズルチャンバの圧力を急速に等しくする。この場合、ニードルばねが、急速な移動でバルブニードルをバルブニードル弁座に当てて閉鎖するための力を提供する。従って、燃料の噴射が急速に終了される。インジェクタの開放位相中及び閉鎖位相中、燃料は横断スロット46を通って流れるということに着目されたい。
図2を参照すると、制御バルブを使用できる燃料インジェクタの第2態様では、インジェクタ本体12の可変漏洩通路52が全くなくしてあってもよい。その結果、シムプレート16の漏洩通路42は、制御チャンバ18への及び制御チャンバ18からの唯一の流路である。この場合、ニードルピストン20及び従ってバルブニードルの移動速度は、その移動範囲に亘って一定である。
バルブニードルの開放移動が可変速で行われる燃料インジェクタの別の態様(図示せず)では、シムプレート16の漏洩通路42を全くなくしてもよい。その結果、インジェクタ本体12の漏洩通路52が、NCV10の作動時に制御チャンバ18から流出する燃料の唯一の流路である。この場合、バルブニードルの移動範囲と、ニードルピストン20と漏洩通路52との間の重なりとは、フルリフト(即ち全開位置)で漏洩通路52の一部が確実に開放し、そして、完全に覆われていないような大きさでなければならない。これにより、漏洩通路52は、バルブニードルを閉鎖するために制御チャンバ18を再加圧することが必要な場合、ニードルリフトの頂点で制御チャンバ18を再充填できる。
NCVハウジング14とインジェクタ本体12との間にシムプレート16を設けることにより、製造上の観点から特定の利点が得られる。第1の利点は、シムプレートチャンバ36を別体の部品(シムプレート16)に設ける方が、NCVハウジング14自体に形成するよりも有利であるということである。これは、シムプレート16を通して一方の側から他方の側までボーリング加工又はドリル加工を行うことによってチャンバ36を便利に製造できるためである。NCVハウジング14が、インジェクタ本体12と直接的に当接する場合には、現在の設計では、NCVハウジング14の下面に同様のチャンバを形成するのは比較的困難である。第2の利点は、シムプレート16の存在により、本体部分32a用のガイドボア34を、製造中、研削スピンドル支持体にできるだけ近付けて配置できるということである。これは、研削スピンドルを下方(図1に示す配向で)からガイドボア34に近付ける上で重要であると考えられる。これは、NCVハウジング14の下面を、ガイドボア34に対して直角に特に正確に方向決め(配向)しなければならないためである。重要なことには、研削スピンドルは比較的小径であってもよい。これは、研削スピンドル支持体を、制御バルブピン32a、32b用のガイドボア34への進入部に更に近付けて配置できるためである。従って、比較的小径の研削スピンドルにより、比較的小径の制御バルブピン32a、32b用の比較的小径のガイドボア34を製造できる。これにより、現在の燃料噴射システムでは、比較的高い圧力で必ず起こる、ガイドボア34を通した燃料漏れを減少するという大きな利点が得られる。第3の利点は、シムプレート16の存在により、NCV10の第2弁座50をNCVハウジング14の下面に配置でき、製造プロセスを便利にでき、第2弁座50への深さを正確できるということである。
シムプレート16が設けられることにより、シムプレート16についての適切な厚さを選択することによって、制御バルブピン32a、32bのリフトを設定できるという別の利点が得られる。これは、シムプレート16の厚さにより、インジェクタ本体12及びNCVハウジング14の夫々が形成する第1及び第2の弁座48、50の離間距離が決定されるためである。更に、制御バルブピンのへッド部分32bを最小高さに保持でき、バルブへッド32bの周囲のシムプレートチャンバ36(及び他の容積及びシムプレート内の通路46、42、44)の容積を容易に比較的小さく保持できる。最後に、シムプレート16により、幾つかの通路を、シムプレートがない場合には製造困難であったり応力集中箇所を形成したりする方法で形成できる。
本発明は、共通の供給部(レール)が燃料をエンジンの少なくとも二つのインジェクタに送出するコモンレールインジェクタで実施されてもよく、又は、エンジンの各インジェクタにそれ自体の専用のポンプが設けられ、従ってインジェクタと同じユニット内に高圧燃料供給部が設けられた電子ユニットインジェクタ(EUI)で実施されてもよく、又はエンジンの各インジェクタにそれ自体の専用のポンプが設けられ、従って高圧燃料供給部が設けられているが、関連したインジェクタから配管により分離された電子ユニットポンプ(EUP)で実施されてもよい。本発明は、更に、コモンレール機能/EUI機能の両方を持つハイブリッド態様で実施されてもよい。
10 三方向ノズル制御バルブ(NCV)
12 インジェクタ本体
14 バルブハウジング
16 シムプレート

Claims (22)

  1. 燃料インジェクタであって、該燃料インジェクタは、
    インジェクタ出口を通した燃料噴射を制御するためのバルブニードル(20)と、
    燃料を受け入れるための制御チャンバ(18)と、
    前記制御チャンバ(18)内の燃料圧力を制御して、前記バルブニードルの開閉移動を制御し、前記出口を通した燃料噴射を制御する三方向制御バルブとを備え、
    前記三方向制御バルブは、
    (a)第1通路(38)と第2通路(36)との間と、(b)第3通路(30)と第2通路(36)との間の連通を制御し、
    前記制御バルブは、
    制御バルブ部材(32a、32b)用のガイドボア(34)が設けられ、これによって前記制御バルブ部材(32a、32b)の移動を前記ガイドボア(34)内で案内する、第1ハウジング(14)と、
    前記第1及び第2の通路(38、36)間の連通を制御するため、前記制御バルブ部材の端部と係合できる、第2ハウジング(12)によって形成された第1弁座(48)とを備え、前記第1ハウジング(14)は制御バルブハウジングであり、前記第2ハウジング(12)はインジェクタハウジングであり、前記インジェクタハウジング(12)には、前記バルブニードル用の又は前記バルブニードルによって支持された部品(20)用のガイドボア(22)が設けられており、
    前記制御バルブは、また、
    前記第2及び第3の流路(36、30)間の連通を制御するため、前記制御バルブ部材と係合できる、前記第1ハウジング(14)によって形成された第2弁座(50)と、
    前記第2通路(36)が形成され、前記第1及び第2のハウジング(14、12)間に配置された中間ハウジング(16)とを備えた、燃料インジェクタ。
  2. 請求項1に記載の燃料インジェクタにおいて、
    前記制御バルブ部材は、
    前記ガイドボア(34)内で案内されるガイド部分(32a)と、
    前記第1通路(38)と前記第2通路(36)との間の連通と、前記第2通路(36)と前記第3通路(30)との間の連通の夫々を制御できるように、前記第1及び第2の弁座(48、50)と係合できるバルブへッド(32b)と
    を含む、燃料インジェクタ。
  3. 請求項2に記載の燃料インジェクタにおいて、
    前記第1及び第2の弁座のうちの少なくとも一方は、関連したハウジング(12、14)の平らな表面によって形成されている、燃料インジェクタ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃料インジェクタにおいて、
    前記第1通路(38)は、前記第2ハウジング(12)によって形成されている、燃料インジェクタ。
  5. 請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の燃料インジェクタにおいて、
    前記第3通路は、一部が前記第2ハウジング(12)によって形成されており、一部が前記中間ハウジング(16)によって形成されている、燃料インジェクタ。
  6. 請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の燃料インジェクタにおいて、
    前記制御チャンバ(18)は、前記三方向制御バルブの前記第2通路(36)と連通している、燃料インジェクタ。
  7. 請求項6に記載の燃料インジェクタにおいて、更に、
    前記制御バルブ部材が前記第1弁座(48)から遠ざかる方向に移動するとき、前記制御チャンバ(18)から流出する燃料の流れに対して所定の制限を提供する、前記制御チャンバ(18)と前記第2通路(36)との間に漏洩通路(42)を含む、燃料インジェクタ。
  8. 請求項7に記載の燃料インジェクタにおいて、
    前記漏洩通路(42)は、前記中間ハウジング(16)内に設けられている、燃料インジェクタ。
  9. 請求項7又は8に記載の燃料インジェクタにおいて、
    前記中間ハウジング(16)の表面には、更に、前記漏洩通路(42)を前記第2通路(36)に連結する横断スロット(46)が設けられている、燃料インジェクタ。
  10. 請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載の燃料インジェクタにおいて、
    前記第1通路(38)は低圧ドレン(40)と連通しており、前記第3通路(30)は高圧燃料源と連通している、燃料インジェクタ。
  11. 請求項10に記載の燃料インジェクタにおいて、
    前記制御バルブ部材は、前記第1弁座(48)に着座したとき、前記第3通路(30)内の燃料圧力に対してバランスが保たれる、燃料インジェクタ。
  12. 請求項1乃至11のうちのいずれか一項に記載の燃料インジェクタにおいて、
    前記中間ハウジング(16)は、前記バルブニードルに対する又は前記バルブニードルによって支持された部品(20)に対するリフトストッパ(54)を形成する、燃料インジェクタ。
  13. 請求項1乃至12のうちのいずれか一項に記載の燃料インジェクタにおいて、更に、
    前記制御チャンバ(18)と前記第2通路(36)との間に追加の漏洩通路(52)を含み、
    この漏洩通路(52)は、前記制御バルブ部材が前記第1弁座(48)から遠ざかる方向に移動されるとき、前記制御チャンバ(18)から流出する燃料の流れに対して可変の制限を提供する、燃料インジェクタ。
  14. 請求項13に記載の燃料インジェクタにおいて、
    前記中間ハウジングの表面には、更に、前記追加の漏洩通路(52)を前記第2通路に連結する横断スロット(46)が設けられている、燃料インジェクタ。
  15. 請求項13又は14に記載の燃料インジェクタにおいて、
    前記バルブニードル又は前記バルブニードルによって支持された部品(20)が、前記追加の漏洩通路(52)と協働して、前記制御チャンバから流出する燃料の流れに対し、前記バルブニードルの開放方向への移動の程度で決まる可変の制限を提供できる、燃料インジェクタ。
  16. 燃料インジェクタであって、該燃料インジェクタは、
    インジェクタ出口を通した燃料の噴射を制御するためのバルブニードル(20)と、
    燃料を受け入れるための制御チャンバ(18)と、
    前記制御チャンバ(18)内の燃料圧力を制御し、これによって前記バルブニードルの開閉移動を制御し、前記出口を通した燃料噴射を制御する三方向制御バルブとを備え、
    前記三方向制御バルブは、
    (a)第1通路(38)と第2通路(36)との間と、
    (b)第3通路(30)と前記第2通路(36)との間との連通を制御し、
    前記制御バルブは、
    制御バルブ部材(32a、32b)用のガイドボア(34)が設けられ、これによって前記制御バルブ部材(32a、32b)の移動が前記ガイドボア(34)内で案内される、第1ハウジング(14)と、
    第2ハウジング(12)によって形成された、前記第1及び第2の通路(38、36)間の連通を制御するため、前記制御バルブ部材(32a、32b)のへッド部分(32b)が係合できる第1弁座(48)と、
    前記第1ハウジング(14)によって形成された、前記第2及び第3の流路(36、30)間の連通を制御するため、前記制御バルブ部材のへッド部分(32b)が係合できる第2弁座(50)と、
    前記第1及び第2のハウジング(14、12)間に配置された中間ハウジング(16)とを備え、
    前記第2通路(36)は前記中間ハウジング(16)内に形成され、前記中間ハウジング(16)は、前記バルブニードル用の又は前記バルブニードルによって支持された部品(20)用のリフトストッパ(54)を形成する、燃料インジェクタ。
  17. 請求項16に記載の燃料インジェクタにおいて、
    前記第1ハウジングは制御バルブハウジング(14)であり、前記第2ハウジングはインジェクタハウジング(12)であり、前記インジェクタハウジングには、前記バルブニードル用の又は前記バルブニードルによって支持された部品(20)用のガイドボア(22)が設けられている、燃料インジェクタ。
  18. 請求項16又は17に記載の燃料インジェクタにおいて、
    前記制御バルブ部材は、前記ガイドボア(34)内で案内されるガイド部分(32a)と、
    前記第1通路(38)と前記第2通路(36)との間の連通及び前記第2通路(36)と前記第3通路(30)との間の連通の夫々を制御するため、前記第1及び第2の弁座(48、50)と係合できるバルブへッド(32b)とを含む、燃料インジェクタ。
  19. 請求項16乃至18のいずれか一項に記載の燃料インジェクタにおいて、
    前記第1通路(38)は低圧ドレン(40)と連通しており、前記第3通路(30)は高圧燃料源と連通している、燃料インジェクタ。
  20. 請求項15乃至19のうちのいずれか一項に記載の燃料インジェクタにおいて、
    前記第1通路(38)は前記第2ハウジング(12)によって形成されており、及び/又は前記第3通路は、一部が前記第2ハウジング(30)によって形成されており、また、一部が前記中間ハウジング(16)によって形成されている、燃料インジェクタ。
  21. 請求項15乃至20のうちのいずれか一項に記載の燃料インジェクタにおいて、更に、
    前記制御チャンバ(18)と前記第2通路(36)との間に追加の漏洩通路(52)を含み、この追加の漏洩通路は、前記制御バルブ部材を前記第1弁座(48)から遠ざかる方向に移動したとき、前記制御チャンバ(18)から流出する燃料の流れに対して可変の制限を提供する、燃料インジェクタ。
  22. 請求項21に記載の燃料インジェクタにおいて、
    前記バルブニードル又は前記バルブニードルによって支持された部品(20)は、前記追加の漏洩通路(52)と協働し、前記制御チャンバから流出する燃料の流れに対し、前記バルブニードルの開放移動の程度で決まる可変の制限を提供する、燃料インジェクタ。
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