JP5118074B2 - 光ファイバ - Google Patents

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Description

本発明は、誘導ブリルアン散乱を抑制する光ファイバに関する。
近年、光ファイバ通信において、大容量化及び長距離化が進んでいる。光ファイバは低損失という特徴を有しており、これを用いた、長距離光ファイバ通信が実現されている。また、エルビウム添加光ファイバ増幅器(以下、EDFAという)等の光増幅器の登場によって、さらなる長距離化が実現されている。海底通信等の長距離通信システムでは、光増幅器を伝送路に複数配置し、伝送に伴う光損失を補っているが、伝送システムのコスト削減の観点からも、EDFAによる光増幅の中継間隔は、できる限り広げる必要がある。
光ファイバへ入射する信号光のパワーを増加させることにより、さらなる長距離化が可能であるが、光ファイバ中で発生する非線形現象の一つである誘導ブリルアン散乱(SBS;Stimulated Brillouin Scattering)により、入射光強度が制限される。
以上のことから、更なる大容量化、長距離化を進めるにあたり、SBSによる入射光強度の制限が発生するため、SBSを抑制する必要がある。
SBSとは、光ファイバへ入射した光と、光ファイバ中で発生する音響波との相互作用によって生じる散乱現象であり、光ファイバに入射した光の一部が散乱し、入射光と反対の伝播方向にストークス光が発生する現象である。入射光強度がSBS閾値と呼ばれる値よりも大きくなると、強いストークス光が発生し、入射光にデプレッションと呼ばれる飽和現象が発生する。これは、光ファイバヘの入射光強度の増加に対して、光ファイバの出力端で観測される透過光の強度が、ある一定の値で飽和する現象であり、SBSが発生することにより、伝送品質が劣化するため、入射光強度をSBS閾値以下の値としなければならない。
入射光と相互作用する音響波は、光の伝播定数をβ0、音響波の伝播定数をβとすると、以下の位相整合条件を満たす。
Figure 0005118074
ストークス光の周波数は、相互作用した音響波の周波数だけ低い周波数を持ち、ブリルアン周波数シフト量と呼ばれる。また、発生するストークス光は、音響フォノンの生存時間から計算される帯域ΔνBを持つローレンツ型のスペクトルを持つ。
図9は、誘導ブリルアン散乱によって発生するゲインスペクトルを示した図である。
図9に示すように、周波数がν0である光を光ファイバへ入射した場合、図9中に示すような「ν0−fi」を中心としたゲインが発生していることになる。ただし、fiは、i次音響波モードの周波数である。最終的に発生するゲインスペクトルは、以下の式に示すとおり、前記位相整合条件を満たした無数の音響波によって発生するゲインスペクトルの和で与えられる。
Figure 0005118074
ただし、G(ν)は、ゲインスペクトル、giはi次音響波によって発生する散乱のゲイン係数である。
そこで、上記音響波モードの周波数が、光ファイバに添加されるフッ素や二酸化ゲルマニウム等の添加量や、光ファイバの温度、光ファイバに加わる張力によって変化することを利用し、光ファイバの長手方向に添加するフッ素や二酸化ゲルマニウムの量を変化させることで、光ファイバの長手方向で、発生するブリルアンゲインスペクトルを周波数軸上に変化させ、SBSを抑制する手法(下記非特許文献1参照)や、光ファイバの温度や光ファイバに加わる張力を変化させることで、光ファイバの長手方向で、発生するブリルアンゲインスペクトルを周波数軸上に変化させ、SBSを抑制する手法(下記非特許文献2参照)が提案されている。
しかしながら、これらの手法では、光ファイバの製造時に長手方向に対して添加物の添加量を制御したり、光ファイバに加わる歪や温度を長手方向に制御する必要があり、経済的ではない。
そこで、ゲルマニウム、フッ素、アルミニウム等の添加物をコアに共添加し、光ファイバの半径方向に階段状、又は連続的に添加量を変化させ、音響波モードを制御することによりゲインスペクトルのピーク値を低減させ、SBSを抑制する手法(下記非特許文献3,4参照)が検討されている。
Kazuyuki Shiraki、外2名、"Performance of Strain‐Free Stimulated Brillouin Scattering Suppression Fiber"、JOURNAL LIGHTWAVE TECHNOLOGY、1996年4月、VOL.14、NO.4、p.549−554 J.Hansryd、外4名、"Increase of the SBS Threshold in a Short Highly Nonlinear Fiber by Applying a Temperature Distribution"、JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY、2001年11月、VOL.19、NO.11、p.1691−1697 Ming‐Jun Li、外9名、"Al/Ge co‐doped large mode area fiber with high SBS threshold"、OPTICS EXPRESS、2007年6月25日、Vol.15、No.13、p.8290−8299 Katsunori Imamura、外5名、"6‐dB SBS threshold improved optical fiber compatible with Standard SMF"、inproceedings of OECC、2006年、p.6D1‐3‐1 G.P.Agrawai、"Nonlinear Fiber Optics"、3d edition、New York、Academic Press、2001年 Y.Koyamada、外3名、"Simulating and Designing Brillouin Gain Spectrum in SINGLE‐Mode Fibers"、JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY、2004年2月、VOL.22、NO.2、p.631−639
しかしながら、上述した従来の手法では、少なくとも2つ以上の添加物が必要であり、光ファイバの製造時に光ファイバの半径方向に複雑な添加量の制御を行なわなければならず、経済的ではない。
以上のことから、本発明は、簡易かつ経済的に製造することが可能な誘導ブリルアン散乱を抑制することができる光ファイバを提供することを目的とする。
上記の課題を解決する第1の発明に係る光ファイバは、
石英系光ファイバの光ファイバにおいて、
屈折率を増加させる効果を持つ添加物を一種類含むSiO 2 ガラスからなり、クラッド部より屈折率の高いコア部と、
前記クラッド部に形成された空孔とを備え、
前記コア部の半径aに対する光のモードフィールド半径Wの拡がりであるW/aを2.5以上3.0以下の範囲とすることにより、光の電界分布と音響波基本モードの分布との重なり積分を低減し、誘導ブリルアン散乱を抑制する
ことを特徴とする。
本発明によれば、簡易かつ経済的に製造することが可能な誘導ブリルアン散乱を抑制することができる光ファイバを提供することができる。
本発明に係る光ファイバにおける電界分布と音響波の分布を示した図である。 本発明に係る空孔を有する光ファイバにおける電界分布と音響波の分布を示した図である。 本発明の実施例に係る光ファイバの構造を示した模式図である。 a=4.5[μm]、d=13[μm]、Λ=26[μm]とし、入射光を1.55[μm]とし、比屈折率Δを0.07〜0.35[%]まで変化させた場合のSBSゲインスペクトルのシミュレーション結果を示した図である。 Δ=0.12[%]、d=13[μm]、Λ=26[μm]とし、入射光を1.55[μm]とし、aを3.5〜6.25[μm]まで変化させた場合のSBS閾値の改善量の変化を示した図である。 作製したHAFのSBS閾値を測定する実験系の構成を示した模式図である。 作製したHAFとSSMFのSBS閾値測定結果を示した図である。 実効断面積や曲げ損失をSSMFと同等にし、かつSBSを抑制することができるHAFのSBSゲインスペクトルを示した図である。 誘導ブリルアン散乱によって発生するゲインスペクトルを示した図である
以下、本発明に係る光ファイバの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
はじめに、本発明に係る光ファイバにおけるSBSの抑制の原理について説明する
来の光ファイバにおいては、屈折率の高いコア部と低いクラッド部が存在し、光はコア部に閉じ込められている。コア部にゲルマニウムを用いた場合、音響波についても、コア部における音響波の速度が、クラッド部における速度よりも遅くなるため、音響波の基本モードはコア部に閉じ込められている。
光ファイバ中の光は、位相整合条件を満たした音響波によって散乱するが、その時の散乱効率giは、光の電界分布をE(x,y)、i次の音響波モードの分布をui(x,y)とおくと、以下の重なり積分の値に比例する。
Figure 0005118074
なお、x,yは、光ファイバの断面方向における直交座標とする。通常のシングルモード光ファイバでは、光の電界分布と、音響波の基本モードの分布は、共に大部分がコア部に集中しているため、これらの重なり積分は大きくなり、主にこの音響波基本モードによって入射光は散乱される。つまり、発生するストークス光は、入射光の周波数より音響波基本モードの周波数だけ低い周波数にピークを持つスペクトルを有する。
なお、通常のシングルモードファイバにおける光のモードフィールド半径Wは、コア部の半径が4.5[μm]、比屈折率を0.35[%]、入射光を1550[nm]とした場合、コア部の半径aに対して1.2倍程度となる。
SBSゲインスペクトルのピークgBは、上記非特許文献5における331頁の式(9.1.5)に記載の下記式により、約2×10-11[m/W]となる。
Figure 0005118074
ここで、γe=0.902、c=3×108[m/s]、λ=1550[nm]、ρ=2232[kg/m3]、VL=5888[m/s]、ΔνB[MHz]とした。
なお、純石英クラッド部の屈折率ncladを上記非特許文献6に記載の式(6)よりnclad=1.444とし、下記式(5)よりコア部の屈折率nを求めn=1.449とした。
Figure 0005118074
また、ρ及びVLに関しては、上記非特許文献6に記載の式(6)〜(9)を用いて求めた。
また、クラッド部にフッ素等の、光の屈折率を減少させ、音響波の速度を減少させる効果を持つ添加物を用いた場合においても、光の電界分布が、大部分コア部に集まっている場合、音響波コアモードは発生しないが、無数の音響波クラッドモードとの結合によりSBSゲインスペクトルは1つのピークを持つ。そして、SBS閾値は、SBSゲインスペクトルのピーク値に反比例するため、これを低減することでSBSを抑制することができる。
図1は、本発明に係る光ファイバにおける電界分布と音響波の分布を示した図である。なお、図1中、Cはコア領域、Eは電界分布、Sは音響波の分布、Rは屈折率を示している。
図1に示すように、本発明に係る光ファイバにおいては、コア部の半径を小さくする、比屈折率差Δを小さくするなどの手法で、光のモードフィールド半径Wをコア部の半径aに対して大きくすることで、光の電界分布と音響波基本モードの分布との重なり積分を低減し、SBSゲインスペクトルのピーク値を低減することでSBSを抑制することができる。
また、本発明に係る光ファイバは、さらに光ファイバは石英系光ファイバであって、コア部は、屈折率を増加させる効果を持つ添加物(例えば、ゲルマニウム)を一種類含むSiO2ガラスからなることを特徴とする。
本発明に係る光ファイバは、コア部に添加する添加物の添加量を調節することで、光のモードフィールド半径Wをコア部の半径aに対して大きくすることで、光の電界分布と音響波基本モードの分布との重なり積分を低減し、SBSゲインスペクトルのピーク値を低減することでSBSを抑制することができる。なお、コア部を純石英とし、クラッド部に屈折率を下げるフッ素等の添加物を添加する手法も同じ効果を得ることができる。
また、本発明に係る光ファイバは、さらにコア部の周辺のクラッド部に空孔を形成することを特徴とする。
図2は、本発明に係る空孔を有する光ファイバにおける電界分布と音響波の分布を示した図である。なお、図2中、Cはコア領域、Eは電界分布、Sは音響波の分布、Rは屈折率、Hは空孔部の屈折率を示している。
図2に示すように、本発明に係る光ファイバは、コア部の半径を小さくする、比屈折率差Δを小さくするなどの手法により、光のモードフィールド半径Wをコア部の半径aに対して大きくすることで、光の電界分布と音響波基本モードの分布との重なり積分を低減し、コア部の周辺のクラッド部に形成された空孔により光を閉じ込め、曲げ損失などの光学特性を維持しつつ、SBSゲインスペクトルのピーク値を低減することでSBSを抑制することができる。なお、クラッド部に、リング状の屈折率の低い層を形成することは、空孔と同じ役割を果たすため、空孔を形成した場合と同じ効果を得ることができる。
以上が、本発明に係る光ファイバにおけるSBSの抑制の原理である。
以下、本発明の実施例に係る光ファイバについて説明する。
図3は、本発明の実施例に係る光ファイバの構造を示した模式図である。
図3に示すように、本発明の実施例に係る光ファイバは、コア部10とクラッド部11から構成されており、コア部10を中心としてクラッド部11に複数の空孔12が形成されている。なお、図3中において、aはコア部10の半径、dは空孔12の直径、Λはコア部10の中心から空孔12の中心までの距離を示しており、以下の説明においてもこれらの記号を用いるものとする。そして、コア部10は、屈折率を上げる添加物を含むSiO2ガラスからなり、コア部10の半径aより光のモードフィールド半径Wが大きい光ファイバである。
なお、本実施例においては、空孔12は、閉じ込め損失、曲げ損失等の光学特性を維持するために形成しているが、空孔12を有しない光ファイバにおいても、SBS抑制効果を得ることができる。また、本実施例においては、純石英系の光ファイバとしているが、クラッド部11の屈折率を下げるフッ素等の添加物を添加してもよく、さらに、2種以上の添加物をコア部10、クラッド部11に用いた場合においても、コア部10の半径aに対し光のモードフィールド半径Wを大きくすることにより、SBS抑制効果を得ることができる。また、本実施例においては、屈折率分布がステップ型であると仮定しているが、階段型やその他の形状の屈折率分布であっても適用することができる。
図4は、a=4.5[μm]、d=13[μm]、Λ=26[μm]とし、入射光を1.55[μm]とし、比屈折率Δを0.07〜0.35[%]まで変化させた場合のSBSゲインスペクトルのシミュレーション結果を示した図である。なお、図4中において、横軸は、入射光の周波数と、ストークス光の周波数との差を示しており、縦軸はSBSゲインを示している。
また、図4には、スタンダードシングルモードファイバ(以下、SSMFという)のシミュレーション結果も合わせて示す。なお、SSMFは、a=4.5[μm]、Δ=0.35[%]であり、屈折率分布はステップ型とする。この場合、コア部10の半径aに対するモードフィールド半径Wの広がり(以下、W/aという)は1.18倍である。
なお、SBSゲインスペクトルのシミュレーションについては、有限要素法と、上記非特許文献6に記載の手法を用いた計算の結果では、SSMFのSBSゲインスペクトルのピーク値は2×10-11[m/W]となる。
図4に示すように、SSMFにおいて約10.8[GHz]に存在するゲインのピークが、比屈折率Δの減少にしたがって低減されていることがわかる。これは、比屈折率Δを低減することで光の電界分布が、コア部10の半径aに対して広がり、音響波の基本モードの分布との重なり積分が低減されるため、SBSゲインスペクトルのピーク値を低減し、SBSを抑制することができる。
例えば、a=4.5[μm]、Δ=0.2[%]、d=13[μm]、Λ=26[μm]とすることで、W/a=1.58となり、SBSゲインスペクトルのピーク値を1×10-11[m/W]以下とすることができ、SSMFのSBSゲインスペクトルのピーク値の半分以下となる。
また、約11.1[GHz]にもゲインのピークがみられるが、これは音響波クラッドモードによるもので、光の電界分布をクラッド部11に広げることで、これらの音響波との重なり積分は大きくなるため、このピークは増加することとなる。
つまり、音響波コアモードによるピークと、音響波クラッドモードによるピークの差を低減することで全体のSBSゲインピーク値を低減することができ、全体のSBSゲインピーク値を最小化するような設計が存在する。
なお、a=4.5[μm]、Δ=0.2[%]、d=13[μm]、Λ=26[μm]とすることで、音響波コアモードと音響波クラッドモードによるSBSゲインピークの差は8[dB]程度となり、3[dB]以上SBSを抑制することができる。
図5は、Δ=0.12[%]、d=13[μm]、Λ=26[μm]とし、入射光を1.55[μm]とし、コア部10の半径aを3.5〜6.25[μm]まで変化させた場合のSBS閾値の改善量の変化を示した図である。なお、SBS閾値は、実効断面積、SBSゲインスペクトルのピーク値に比例するため、図5中の縦軸のSBS閾値の改善量は、SSMFの閾値を基準に、実効断面積及びSBSゲインピーク値により算出している。また、横軸のSpread ratioはW/aを示している。
図5に示すように、a=4.0[μm]、Δ=0.12[%]の時に、13.5[dB]のSBS閾値の改善が得られることが分かる。このとき、実効断面積の拡大によるSBS閾値の改善を除くと、SBSゲインのピーク値の低減によって8.34[dB]の改善が得られ、W/a=2.5となる。
なお、この設計における曲げ半径が30mmのときの曲げ損失の計算結果は0.052[dB/turn]であり、空孔の閉じ込め効果で十分低い値を実現できることが分かった。
上記の手法に基づいて、SBSを抑制することができる空孔アシストファイバ(以下、HAFという)を作製した。HAFは、a=6.25[μm]、Δ=0.12[%]、d=13.53[μm]、Λ=25.87[μm]である。実効断面積の計算結果は207[μm2]となり、モードフィールド半径Wの計算結果は8.6[μm]となり、W/a=1.376となる。損失の測定結果は、1[dB/km]となった。曲げ損失を実験により確認したところ、曲げ半径30[mm]で0.017[dB/turn]であり、十分小さい値が実現できている。
図6は、作製したHAFのSBS閾値を測定する実験系の構成を示した模式図である。
図6に示すように、作製したHAFのSBS閾値を測定する実験系は、光源13と、光源13から出射された光を増幅する光増幅器14と、反射光が光増幅器14側に反射することを防止するアイソレータ15と、アイソレータ15から出射された光を分岐するカプラ18と、カプラ18に接続される光ファイバ17と光の強度を測定するパワーメータ16とにより構成されている。なお、光源13には1.55[μm]を発振するDFB−LDを用い、光増幅器14を用いて増幅し、光ファイバ17に入射している。この時の入射光強度に対する反射光強度の変化を示したものを図7として示す。
図7は、作製したHAFとSSMFのSBS閾値測定結果を示した図である。なお、図7中の縦軸には反射光強度を示し、横軸は入射光強度を示している。また、図7には、光ファイバに5[km]のSSMFを用いた場合の結果も併せて示す。
このとき、SBS閾値は、入射光に対し、反射光が線形に増加しなくなる点とした。結果、作製したHAFとSSMFとの間には8.5[dB]の閾値の差を確認した。
さて、SBS閾値Pthは、以下のパラメータに比例する。
Figure 0005118074
ここで、Aeffは実効断面積、GmaxはSBSゲインスペクトルの最大値を示す。また、Leffは下記式で求められる実効長である。
Figure 0005118074
ここで、αは減衰定数、Lはファイバ長を示す。
作製したHAFとSSMFの実効断面積は、それぞれ207[μm2]、80[μm2]であるから、実効断面積の増加によるSBS閾値の変化は4.1[dB]である。損失はそれぞれ1[dB/km]、0.25[dB/km]であるから、実効長の差によるSBS閾値の変化は1.8[dB]である。実験により得られたSBS閾値の差は8.5[dB]であるから、Gmaxによる差は2.6[dB]である。
よって、光の電界分布をコア部10の半径に対して広げることで、SBSゲインのピーク値が低減されることが確認できた。
図8は、実効断面積や曲げ損失をSSMFと同等にし、かつSBSを抑制することができるHAFのSBSゲインスペクトルを示した図である。なお、図8中の縦軸にはSBSゲインを示し、横軸には周波数を示している。また、設計したHAFは、a=2.0[μm]、Δ=0.4[%]、d=10[μm]、Λ=15[μm]である。
図8に示すように、音響コアモードによるピークと、音響クラッドモードによるピークの差は0.3[dB]程度となり、3.8[dB]のSBSゲインピーク値が低減できていることが分かる。また、このときのモードフィールド半径Wの計算値は5.5[μm]であり、Spread ratioは2.75となり、計算による曲げ損失は、曲げ半径30[mm]で3.64×10-8[dB/turn]と、十分低い値を実現することができる。
以上説明したように、本発明によれば、クラッド部11より屈折率の高いコア部10を備える光ファイバにおいて、前記コア部10の半径より光のモードフィールド半径を大きくすることにより、光の電界分布と音響波基本モードの分布との重なり積分を低減し、誘導ブリルアン散乱を抑制することができる光ファイバを提供することが可能となる。
なお、本発明は、上述した実施形態そのままの形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述した実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
本発明は、例えば、長距離伝送システムにおいて利用することが可能である。
10 コア部
11 クラッド部
12 空孔
13 光源
14 光増幅器
15 アイソレータ
16 パワーメータ
17 光ファイバ
18 カプラ

Claims (1)

  1. 石英系光ファイバの光ファイバにおいて、
    屈折率を増加させる効果を持つ添加物を一種類含むSiO 2 ガラスからなり、クラッド部より屈折率の高いコア部と、
    前記クラッド部に形成された空孔とを備え、
    前記コア部の半径aに対する光のモードフィールド半径Wの拡がりであるW/aを2.5以上3.0以下の範囲とすることにより、光の電界分布と音響波基本モードの分布との重なり積分を低減し、誘導ブリルアン散乱を抑制する
    ことを特徴とする光ファイバ。
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