JP5116929B2 - ヒドロキシル化/カルボキシル化ナフトピラン - Google Patents

ヒドロキシル化/カルボキシル化ナフトピラン Download PDF

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Description

【0001】
(発明の開示)
本発明は、特定の新規なナフトピラン化合物に関する。特に、本発明はフォトクロミックヒドロキシル化/カルボキシル化、すなわちヒドロキシル化および/またはカルボキシル化ナフトピラン化合物およびこのような新規なフォトクロミック化合物を含有する組成物および物品に関する。太陽光または水銀灯の光中の紫外線照射のような紫外線を含有する電磁放射に露出された場合、幾つかのフォトクロミック化合物は可逆的な色の変化を示す。紫外線照射が中断されると、このようなフォトクロミック化合物は、その本来の色または無色の状態に戻る。
【0002】
様々な種類のフォトクロミック化合物が合成され、そして太陽光により誘起される可逆的な変色または暗色化が望まれる用途への使用が示唆されている。米国特許第3,567,605号(Becker)には、特定のベンゾピラン類およびナフトピラン類を含む1連のピラン誘導体が記載されている。米国特許第5,458,814号は、主としてレンズに、その他プラスチック透明物質に使用される、フォトクロミック2,2-ジ-置換-5,6-置換-2H-ナフト[1,2-b]ピラン化合物を記載している。これらの化合物は、高い活性化強度および早い着色速度に加えて、許容できる退色速度を有する。米国特許第5,585,042号は、同じように使用するための3,3-ジ-置換-8-置換-3H-ナフト[2,1b]ピラン化合物を記載する。これらの化合物は、改善された太陽応答性、非置換ナフトピランより高い活性化波長、および許容できる消色または退色速度を示す。米国特許第5,645,767号は、高い活性化強度、許容できる退色速度および早い着色速度を有するフォトクロミックインデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピランを記載している。
【0003】
国際公開第WO 97/05213号パンフレットは、重合可能な基で終了する有機スペーサー基に結合したフォトクロミック染料部分を有するフォトクロミックモノマーを記載している。フォトクロミックモノマーを架橋重合可能な注型組成物中に導入すると、フォトクロミック材料は温度に対する感度が減少することが報告されている。
【0004】
良好な強度および妥当な退色の3H-ナフト[2,1-b]ピラン、2H-ナフト[1,2-b]ピランおよびインデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピランが現在利用可能であるが、フォトクロミック化合物の特定の性質、例えば基材またはホスト材料との適合性、退色および/または活性化速度、飽和光学濃度、モル吸光率またはモル吸光係などを、活性化色を変えてまたは変えることなく変性することが望まれている。このような性質の変性は、補足的なフォトクロミック化合物の同様の性質を適合させ、または親水性または疎水性コーティング、薄膜または硬いものから可撓性のプラスチックマトリックスでの化合物の使用を可能とすることができる。
【0005】
本発明において、新規なフォトクロミック化合物;すなわち、特定の2H-ナフト[1,2-b]ピラン、3H-ナフト[2,1-b]ピランおよびインデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピランであって、少なくとも1のヒドロキシル化/カルボキシル化置換基を有するものを開示する。ヒドロキシル化/カルボキシル化基の適切な選択、例えば鎖長および、ヒドロキシルおよび/またはカルボキシル基の数などの選択は、前述の性質の変性を可能にする。特に、ヒドロキシル化/カルボキシル化基の適切な選択は、本発明のフォトクロミック化合物の親水性プラスチック基材の可溶性および/または適合性の変性を可能にする。ヒドロキシル化/カルボキシル化置換基の位置に依存して、一定の他の置換基が前述の化合物のナフト、ピラノおよびインデノ部分上に存在し得る。
【0006】
(発明の詳細な説明)
本発明において、選択されたフォトクロミック2H-ナフト[1,2-b]ピラン、3H-ナフト[2,1-b]ピランおよびインデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピランの一定の性質、例えば親水性コーティング、フィルムおよびプラスチックにおける可溶性および/または適合性、退色速度、活性化速度、飽和光学濃度、疲れ比(fatigue rate)およびモル吸収は、上記化合物上に少なくとも1のヒドロキシル化/カルボキシル化置換基を含めることによって変性することができることが判明した。ヒドロキシル化/カルボキシル化置換基を、ナフトピランのナフト、インデノおよび/またはピラノ部分に配置させてもよい。
【0007】
本発明のナフトピランは、特定の他の置換基を有していてもよい。特に、2H-ナフトピランは、5および6位に置換基を有していてもよく、そして7、8、9および10位に別の置換基を有していてもよい;3H-ナフトピランは8および9位に置換基を有していてもよく、そして5および6位に別の置換基を有していてもよい;そしてインデノ縮合したナフトピランは5、6、7、8、9、10、11、12または13位に特定の置換基を有していてもよい。前記のナフトピランは構造式I、IIおよびIIIで表わすことができ、ここで1〜13の内部の数字はナフトピランの環原子を明らかにし、a〜nの文字はナフトピラン環の側面を表わす。以下の構造式I、IIおよびIIIで記号などで示される置換基の定義は、特記のない限り同じ意味を有する。
【化10】
Figure 0005116929
【0008】
構造式I、IIおよびIIIで、R1は基Rである。R基は以下の式IVA〜IVFで表わすことができる:
【化11】
−A (IVA);
−D−A (IVB);
−D−E−H (IVC);
−D−H (IVD);
−E−H (IVE);または
−H (IVF);
式中、−Aは以下の式で表わされる:
【化12】
−[(OC(OC(OC]−J
式中、−Jは:−OCH2COOH;−OCH(CH3)COOH;または−OC(O)(CH2COOHから選択され;wは1〜18、好ましくは2〜12の整数であり;式中、x、yおよびzはそれぞれ0〜50の数であって、x、yおよびzの合計が1〜50であり;
−D−は−C(O)−または−CH2−であり;
−E−は以下の式:
【化13】
−[(OC(OC(OC]−
式中、x、yおよびzは−Aの定義と同じであり;
−Hは少なくとも2つのヒドロキシル基を有する有機ポリオールの残基、またはヒドロキシル基の1またはそれ以上が反応し、置換基−Jを含むカルボキシル基を形成するその残基の誘導体である。
【0009】
基−Hは、以下に記載のヒドロキシル化炭化水素を含むと本明細書中で定義される有機ポリオールの残基である。残基は、ポリオール上のヒドロキシル基の1つと、基−D−の前駆物質、例えばカルボン酸またはメチレンハライド、基−E−の前駆物質、例えばポリアルキレングリコールまたはヒドロキシル基、との反応により、構造式I、IIまたはIIIのナフトピラン上の置換基R1、R1'、R2、各R3、R4、R5またはR6として形成される。有機ポリオールをG(OH)aとして表わしてもよく、残基−Hを、式−O−G(OH)a-1、式中Gはポリヒドロキシル化化合物の骨格または主鎖であり、aは少なくとも3である、で表わしてもよい。
【0010】
残基−Hのヒドロキシル基の全ては、反応して、置換基−Jを含むカルボキシル基を形成してもよく、例えば、反応BおよびDの方法で、置換基−Jを含むカルボキシル基を有するカルボキシル化有機ポリオールの残基を調製してもよい。あるいは、ヒドロキシル基の少なくとも1つを反応させて、置換基−Jを含む少なくとも1つのカルボキシル基を有する有機ポリオールを得てもよい。残基−Hの0、1または2のヒドロキシル基が反応して、置換基−Jを含むカルボキシル基を形成するのが好ましい。
【0011】
本発明のヒドロキシル化/カルボキシル化フォトクロミックナフトピランのR基置換基中、−Hとして使用される有機ポリオールの例として、少なくとも3つのヒドロキシ基を有するポリオール、例えば(a)低分子量ポリオール、すなわち平均分子量500未満のポリオール、例えば脂肪族トリオール、C2-C10脂肪族トリオールなど、多価アルコールおよびアルコキシル化低分子量ポリオール;(b)ポリエステルポリオール;(c)ポリエーテルポリオール;(d)アミドを含むポリオール;(e)エポキシポリオール;(f)多価ポリビニルアルコール;(g)ウレタンポリオール;(h) ポリアクリル酸ポリオール;(i)ポリカーボネートポリオール;および(j)このようなポリオールの混合物、が含まれる。
【0012】
本発明のヒドロキシル化/カルボキシル化フォトクロミック化合物の調製に使用できる低分子量ポリオールの例には:テトラメチロールメタン、すなわちペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール;トリメチロールエタン;トリメチロールプロパン;ジトリメチロールプロパン;1,2,3-プロパントリオール、すなわちグリセロール;ジ-(トリメチロールプロパン)ジメチロールプロピオン酸;2-(ヒドロキシメチル)-2-メチル-1,3-プロパンジオール;2-(ヒドロキシメチル)-2-エチル-1,3-プロパンジオール;および伸長ポリオールが含まれる。伸長ポリオールは、末端ヒドロキシル基を有するポリオールと、適切な反応物、例えばアルキレンオキシドまたはラクトンとの反応性生物である。このような伸長ポリオールの例として、ε-カプロラクトン伸長トリメチロールメタンおよびエトキシル化またはプロポキシル化トリメチロールプロパン、または数平均分子量500未満のペンタエリスリトールが含まれる。数平均分子量500またはそれ以上の伸長ポリオールは、ポリエステルポリオールおよびポリアルコキシル化ポリオールとして後記する。さらに、伸長トリオールの例は、米国特許第4,398,008号に記載されており、この特許は出典表示により本明細書の1部とする。
【0013】
ポリエステルポリオールはよく知られており、500〜10,000の範囲の数平均分子量を有することができる。これらは、当業者に既知の低分子量トリオールと多価アルコールを使用して、通常用いられる手法で調製されるが、前記の低分子量ポリオールとポリカルボン酸に限定するものではない。適したポリカルボン酸の例として:フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、およびそれれの混合物が含まれる。存在する場合は上記酸の無水物を用いてもよく、これも「ポリカルボン酸」の用語に包含される。加えて、酸と同様の方法で反応してポリエステルポリオールを形成する特定の材料もまた有用である。このような材料として、ラクトン、例えばカプロラクトン、プロピオクトンおよびブチロラクトンなど、およびヒドロキシ酸、例えばヒドロキシカプロン酸およびジメチロールプロピオン酸などが含まれる。トリオールまたは多価アルコールを使用する場合は、モノカルボン酸、例えば酢酸および/または安息香酸を、ポリエステルポリオールの調製およびその他の目的(ポリエステルポリオールの使用が望ましい目的など)を使用してもよい。さらに、本明細書中では、ポリエステルポリオールには、脂肪酸または脂肪酸のグリセリドオイルおよび/またはアルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシドなど、を用いて変性されたポリエステルポリオールであって、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルを調製したもの、例えばポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートおよび関連するポリソルベートなど、も含まれることが明らかである。エーテルおよびエステル基を有するポリエステルポリオールの更なる例は、米国特許第4,677,181号に記載されており、これを出典表示により本明細書の1部とする。
【0014】
ポリエーテルポリオールはよく知られており、500〜10,000の範囲の数平均分子量を有することができる。ポリエーテルポリオールの例には、それぞれ少なくとも3つのヒドロキシル基と、500を超える数平均分子量を有する、種々のポリオキシアルキレンポリオールおよびポリアルコキシル化ポリオールが含まれる。ポリエーテルポリオールは、周知の方法によって調製することができ、アルキレンオキシドまたはアルキレンオキシドの混合物の縮合で、酸または塩基触媒添加を使用し、多価重合開始剤または多価重合開始剤の混合物(低分子量ポリオール、ソルビトールなど)を用いて調製することができる。例示のアルキレンオキシドには、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、アミレンオキシド、アラルキレンオキシド、例えばスチレンオキシド、およびハロゲン化アルキレンオキシド(トリクロロブチレンオキシドなど)その他が含まれる。より好ましいアルキレンオキシドには、ランダムまたはステップワイズオキシアルキル化に用いるプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドまたはそれらの混同物が含まれる。
【0015】
アミドを含むポリオールはよく知られており、主として、二酸またはラクトンおよび前記の低分子量ポリオールと、後記のジアミンまたはアミノアルコールとの反応によって調製される。例えばアミドを含むポリオールは、ネオペンチルグリコール、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの反応によって調製し得る。アミドを含むポリオールは、アミノリシスを介して、例えばカルボキシル化、カルボン酸、またはラクトンとアミノアルコールとの反応によって、調製してもよい。適したジアミンおよびアミノアルコールの例として、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、フェニレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、イソホロンジアミンなどが含まれる。
【0016】
エポキシポリオールはよく知られており、例えばポリフェノールのグリシジルエーテルの反応によって、例えば2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンなどのポリフェノールを用いて、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのジグリシジルエーテルなどを調製できる。分子量および平均ヒドロキシル官能価を変えたエポキシポリオールを、使用する出発材料の比率に対応させて調製することができる。
【0017】
多価ポリビニルアルコールはよく知られており、例えば、適した重合開始剤の存在下での酢酸ビニルの重合、次いでアセテート部分の少なくとも1部の加水分解によって調製することができる。加水分解プロセスで、ポリマー骨格に直接結合したヒドロキシル基が形成される。酢酸ビニルのホモポリマー、コポリマーに加えて、ビニルクロライドなどのモノマーを調製し、そして同様に加水分解し、多価ポリビニルアルコール-ポリビニルクロライドコポリマーを形成することができる。
【0018】
ウレタンポリオールはよく知られており、例えば、過剰の有機ポリオールとポリイソシアネートとの反応により、少なくとも3つのヒドロキシル基を有するヒドロキシル官能生成物を調製することができる。ウレタンポリオールの調製に有用なポリイソシアネートの例として、脂肪族、芳香族, 環脂肪族およびヘテロ環状ポリイソシアネートからなる群から選択されるもの、およびそれらのポリイソシアネートの混合物が含まれる。
【0019】
ウレタンポリオールの調製に有用なポリイソシアネートの特定の例として、限定するものではないが、トルエン-2,4-ジイソシアネート;トルエン-2,6-ジイソシアネート;ジフェニルメタン-4,4'-ジイソシアネート;ジフェニルメタン-2,4'-ジイソシアネート;パラ-フェニレンジイソシアネート;ビフェニルジイソシアネート;3,3'-ジメチル-4,4'-ジフェニレンジイソシアネート;テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート;ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート;2,2,4-トリメチルヘキサン-1,6-ジイソシアネート;リジンメチルエステルジイソシアネート;ビス(イソシアナトエチル)フマレート;イソホロンジイソシアネート;エチレンジイソシアネート;ドデカン-1,12-ジイソシアネート;シクロブタン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート;メチルシクロヘキシルジイソシアネート;ヘキサヒドロトルエン-2,4-ジイソシアネート;ヘキサヒドロトルエン-2,6-ジイソシアネート;ヘキサヒドロフェニレン-1,3-ジイソシアネート;ヘキサヒドロフェニレン-1,4-ジイソシアネート;ペルヒドロジフェニルメタン-2,4'-ジイソシアネート;ペルヒドロジフェニルメタン-4,4'-ジイソシアネートおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0020】
ウレタンポリオールの調製に有用な有機ポリオールの例として、本明細書に記載のポリオールとは別のもの、例えば、低分子量ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アミドを含むポリオール、エポキシポリオール、多価ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ポリオール、ポリカーボネートポリオールおよびそれらの混合物も含まれる。
【0021】
ポリアクリル酸ポリオールはよく知られており、後述のモノマーのラジカル付加重合技術で調製できる。好ましくは、ポリアクリル酸ポリオールは、重量平均分子量500〜20,000、ヒドロキシル価20〜225を有する。
【0022】
ポリアクリル酸ポリオールとして、限定するものではないが、アクリル酸およびメタクリル酸の、既知のヒドロキシル官能付加ポリマーおよびコポリマー;それらのエステル誘導体(限定するものではないが、ヒドロキシル官能エステル誘導体が含まれる)が含まれる。ヒドロキシ官能付加ポリマーの調製に使用されるヒドロキシ官能エチレン性不飽和モノマーの例として、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、すなわちヒドロキシエチルアクリレートおよびヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチルエチルアクリレート、ヒドロキシメチルプロピルアクリレートおよびそれらの混合物が含まれる。
【0023】
より好ましくは、ポリアクリル酸ポリオールは、ヒドロキシ官能エチレン性不飽和(メタ)アクリルモノマーと、ビニル芳香族モノマーからなる群から選択される他のエチレン性不飽和モノマー(例えば、スチレン、α-メチルスチレン、t-ブチルスチレンおよびビニルトルエン);ビニル脂肪族モノマー、例えばエチレン、プロピレンおよび1,3-ブタジエン;(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリロニトリル;ビニルおよびビニリデンハライド、例えば、ビニルクロライドおよびビニリデンクロライド;ビニルエステル、例えば、酢酸ビニル;アクリル酸およびメタクリル酸のアルキルエステル、すなわち(メタ)アクリル酸のアルキルエステルで、アルキル基の炭素数1〜17のものであって、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートおよびラウリル(メタ)アクリレートを含む;エポキシ官能エチレン性不飽和モノマー(グリシジル(メタ)アクリレートなど);カルボキシ官能エチレン性不飽和モノマー(アクリル酸およびメタクリル酸など)、およびこのようなエチレン性不飽和モノマーの混合物、とのコポリマーである。
【0024】
ヒドロキシ官能エチレン性不飽和(メタ)アクリルモノマーは、ポリアクリル酸ポリオールコポリマー95重量%までを含み得る。好ましくは70重量%までで構成され、より好ましくは、ヒドロキシ官能エチレン性不飽和(メタ)アクリルモノマーは、全コポリマーの45重量%まで含まれる。
【0025】
本明細書に記載のポリアクリル酸ポリオールは、モノマーのラジカル開始付加重合、および有機溶液重合技術によって調製できる。モノマーは、通常、有機溶媒または溶媒混合物に溶け、有機溶媒には、ケトン(メチルエチルケトンなど)、エステル(酢酸ブチル、プロピレングリコールの酢酸エステルおよび酢酸ヘキシルなど)、アルコール(エタノールおよびブタノールなど)、エーテル(プロピレングリコールモノプロピルエーテルおよびエチル-3-エトキシプロピオネートなど)、および芳香族溶媒(キシレンおよびSOLVESSO 100など)、高沸点炭化水素溶媒の混合物(Exxon Chemical Co.販売)が含まれる。まず、溶媒を加熱(通常70〜160℃)して還流し、モノマーまたはモノマーの混合物とラジカル重合開始剤とを、還流溶媒に、約1〜7時間かけてゆっくり加える。モノマーの加えるのが早すぎると、変換不良または高および急発熱反応(安全上の問題がある)を引き起こす。適したラジカル重合開始剤として、t-アミルペルオキシアセテート、ジ-t-アミルペルオキシアセテートおよび2,2'-アゾビス(2-メチルブタンニトリル)が含まれる。ラジカル重合開始剤は、一般に、モノマーの全重量に対して1〜10%の量で、反応混合物中に存在する。本明細書に記載の手順で調製されるポリマーは、非ゲルであり、好ましくは重量平均分子量500〜20,000g/モルを有する。
【0026】
本発明のヒドロキシル化/カルボキシル化フォトクロミック化合物の調製に使用できるポリカーボネートポリオールは、ホスゲン、クロロホルメート、ジアリルカーボネート(dialyl carbonate)、ジアリールカーボネート、ジアリールカーボネート、アルキレンカーボネートまたはそれらの混合物から選択されるカルボニル成分と多価アルコールとの反応から得ることができる。このようなポリカーボネートポリオールの製造方法は、米国特許第3,689,609号、同第3,689,462号、同第4,131,731号、同第4,160,853号、同第4,533,729号、同第4,891,421号および同第5,266,551号に記載されている。
【0027】
3またはそれ以上のヒドロキシル基を有するポリカーボネートポリオールは、ポリカーボネートジオールと、トリオールおよび/またはテトラオールとのエステル交換反応によっても調製できる(米国特許第5,143,997号に記載されている)。カルボキシル基のポリカーボネートポリオールへの導入は、米国特許第5,527,879号に記載のように、ポリカーボネートポリオールと酸無水物またはジカルボン酸との反応によって行なうことができる。
【0028】
このようなポリカーボネートポリオールに関する前記の特許中の開示は、出典明示により全て本明細書に組込まれている。
【0029】
本発明のヒドロキシル化/カルボキシル化フォトクロミック化合物のR基置換基で使用できるポリヒドロキシル化炭化水素の例として:式Cn(H2O)n、式中nは3〜5である、の低分子量炭化水素、例えば、アルドトリオース、アルドケトース、エリスロース、リボースなど;単糖類、例えばグルコースおよびフルクトースなどの単糖;オリゴ糖、すなわち2から10の互いに結合した単糖を含む炭化水素、例えばスクロースおよびシクロデキストリン;多糖類、すなわちグリコシド結合で互いに結合した10以上の単糖を含む炭化水素、例えば、デンプン、セルロース、グリコーゲン、ペクチン、アガー、カラゲナンおよび、アラビアやトラガカントなどの天然ゴムが含まれる
【0030】
本明細書に記載のポリヒドロキシル化炭化水素として、非糖類有機化合物と結合した単糖およびオリゴ糖であるグリコシドも含まれる。これらの例は、D-グルコースとエタノールとの反応で、エチルα-&β-D-グルコピラノシドを形成した生成物がある。ポリヒドロキシル化炭化水素の他の類は、糖タンパク質、プロテオグリカン、ペプチドグリカンおよびグリコール糖脂質で構成される複合糖質がある。炭化水素の他の例として、種々の反応生成物、例えば糖アルコール、例えば単糖およびオリゴ糖の還元によって製造されるキシリトールおよびグルシトールなどが含まれる。反応生成物の別の基には、1またはそれ以上のヒドロキシル基がカルボン酸官能基に酸化された、またはアミノ基、チオール基またはハロゲン原子に置換された、低分子量炭化水素、単糖およびオリゴ糖が含まれる。R基での使用に適した炭化水素についてのさらなる情報は、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第4版、1992年、第4巻、911-948頁でみられ、この開示を出典表示により本明細書の1部とする。
【0031】
好ましくは、−H基は、低分子量ポリオールおよび伸長ポリオールから選択される。このようなポリオールの例として、(a)グリセロール、ペンタエリスリトールおよびトリメチロールプロパン、(b)エトキシル化グリセロール、エトキシル化ペンタエリスリトールおよびエトキシル化トリメシロール(trimethyol)プロパン;および(c)ポリオール(a)および(b)で、反応して置換基−Jを調製する1または2つのヒドロキシル基を有するもの、が含まれる。
【0032】
基-(OC24)X-はポリ(エチレンオキシド)を表わし ;-(OC36)y-は、ポリ(プロピレンオキシド)を表わし;そして-(OC48)z-は、ポリ(ブチレンオキシド)を表わす。組合せて使用する場合、Rのポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)およびポリ(ブチレンオキシド)基は、R部分中でランダムな順序であってもブロック順序であってもよい。文字x、yおよびzは、それぞれ、0〜50の数であり、そしてx、yおよびzの合計が1〜50である。x、yおよびzの合計は1〜50の範囲内、例えば、1、2、3.... 50の任意の数であり得る。合計は1〜50の範囲内の任意の低い数または高い数で変えてもよく、例えば、6 〜50、31〜50である。x、yおよびzの数は平均値であり、部分数、例えば9.5であってもよい。
【0033】
あるいは、R1は水素、C1-C3アルキルまたは基-C(O)Wであって、Wは-OR7、-N(R8)R9、ピペリジノまたはモルホリノであり、但しR7はアリル、C1-C6アルキル、フェニル、モノ(C1-C6)アルキル置換フェニル、モノ(C1-C6)アルコキシ置換フェニル、フェニル(C1-C3)アルキル、モノ(C1-C6)アルキル置換フェニル(Cl-C3)アルキル、モノ(C1-C6)アルコキシ置換フェニル(C1-C3)アルキル、C1-C6アルコキシ(C2-C4)アルキルまたはC1-C6ハロアルキルであり;R8およびR9は、それぞれ、C1-C6アルキル、C5-C7シクロアルキル、フェニルおよびモノまたはジ置換フェニルからなる群から選択され、ここでフェニル置換基は、C1-C6アルキルおよびC1-C6アルコキシから選択され、ハロ置換基はクロロまたはフルオロである。R1'は、R1'が水素でない以外はRと同じである。
【0034】
2は、基R、モノ-R-置換フェニル、水素、C1-C6アルキル、C3-C7シクロアルキル、フェニル、モノまたはジ置換フェニルおよび基-OR10および-OC(O)R10、但しR10はC1-C6アルキル、フェニル(Cl-C3)アルキル、モノ(C1-C6)アルキル置換フェニル(C1-C3)アルキル、モノ(C1-C6)アルコキシ置換フェニル(C1-C3)アルキル、C1-C6アルコキシ(C2-C4)アルキル、C3-C7シクロアルキルまたはモノ(C1-C4)アルキル置換C3-C7シクロアルキルであり、nは0、1および2の整数から選択され、フェニル置換基はR1と同様である、からなる群から選択され得る。
【0035】
各R3およびR4は、R、水素、C1-C6アルキル、C3-C7シクロアルキル、フェニル、モノまたはジ置換フェニルならびに基-OR10および-OC(O)R10、但しR10はC1-C6アルキル、フェニル(C1-C3)アルキル、モノ(C1-C6)アルキル置換フェニル(C1-C3)アルキル、モノ(C1-C6)アルコキシ置換フェニル(C1-C3)アルキル、C1-C6アルコキシ(C2-C4)アルキル、C3-C7シクロアルキルまたはモノ(C1-C4)アルキル置換C3-C7シクロアルキルであり、nは0、1および2の整数から選択され、フェニル置換基はR1と同様である、からなる群から選択され得る。
【0036】
5およびR6は、併せてオキソ基、スピロ炭素原子を含め、炭素数3〜6を含むスピロ炭素環または炭素数3〜6および酸素原子1または2を含むスピロ複素環を形成してもよく、両環は1または2つのベンゼン基を用いてベンゾ環付加されいてもよい。スピロ炭素環置換基の例として、スピロフルオレノ、スピロシクロプロピル、スピロシクロブチル、スピロシクロペンチル、スピロシクロヘキシル、スピロインダン-1-イル、スピロインダン-2-イルなどが含まれる。スピロ複素環基の例として、スピロキサンチンおよび表示(-O-(C2-C5アルカンジイル)-O-)で表わすことができる化合物、例えばスピロ-1,3-ジオキソラン-2、スピロ-1,3-ジオキサン-2など、またはスピロラクトン、例えばブチロラクトン、プロピオラクトンなど、が含まれる。あるいは、R5およびR6は、それぞれ、基R、水素、ヒドロキシ、C1-C6アルキル、C3-C7シクロアルキル、アリル、フェニル、モノ置換フェニル、ベンジル、モノ置換ベンジル、クロロ、フルオロ、基-C(O)X、但しXはヒドロキシ、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、フェニル、モノ置換フェニル、アミノ、モノ(C1-C6)アルキルアミノ、またはジ(C1-C6)アルキルアミノ、例えばジメチルアミノ、メチルプロピルアミノなどであってよく、またはR5およびR6は、それぞれ基-OR11、但しR11は、C1-C6アルキル、フェニル(C1-C3)アルキル、モノ(C1-C6)アルキル置換フェニル(C1-C3)アルキル、モノ(C1-C6)アルコキシ置換フェニル(C1-C3)アルキル、C1-C6アルコキシ(C2-C4)アルキル、C3-C7シクロアルキル、モノ(C1-C4)アルキル置換C3-C7シクロアルキル、C1-C6クロロアルキル、C1-C6フルオロアルキル、アリル、基-CH(R12)Y、但しR12は、水素またはC1-C3アルキルであって、YはCN、CF3またはCOOR13であって、R13は水素またはC1-C3アルキルであるか、またはR11は基-C(O)Z、但しZは水素、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、非置換、モノまたはジ置換アリール基、フェニルまたはナフチル、フェノキシ、モノまたはジ(C1-C6)アルキル置換フェノキシ、モノまたはジ(C1-C6)アルコキシ置換フェノキシ、モノまたはジ(C1-C6)アルコキシ置換フェノキシ、アミノ、モノ(C1-C6)アルキルアミノ、ジ(C1-C6)アルキルアミノ、フェニルアミノ、モノまたはジ(C1-C6)アルキル置換フェニルアミノ、あるいはモノまたはジ(C1-C6)アルコキシ置換フェニルアミノであって、前記のフェニル、ベンジルおよびアリール基の各置換基はC1-C6アルキルまたはC1-C6アルコキシである。
【0037】
BおよびB'は、それぞれ、以下からなる群から選択される:
(a)モノ-R-置換フェニル;
(b)非置換、モノ、ジおよびトリ置換アリール基、フェニルおよびナフチル;
(c)9-ジュロリジニルならびに非置換、モノおよびジ置換ヘテロ芳香族基ピリジル、フラニル、ベンゾフラン-2-イル、ベンゾフラン-3-イル、チエニル、ベンゾチエン-2-イル、ベンゾチエン-3-イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、カルバゾリルおよびフルオレニル、但し(b)および(c)中の上記アリールおよびヘテロ芳香族置換基はそれぞれ、ヒドロキシ、アリール、モノ(C1-C6)アルコキシアリール、ジ(C1-C6)アルコキシアリール、モノ(C1-C6)アルキルアリール、ジ(C1-C6)アルキルアリール、クロロアリール、フルオロアリール、C3-C7シクロアルキルアリール、C3-C7シクロアルキル、C3-C7シクロアルキルオキシ、C3-C7シクロアルキルオキシ(C1-C6)アルキル、C3-C7シクロアルキルオキシ(C1-C6)アルコキシ、アリール(C1-C6)アルキル、アリール(C1-C6)アルコキシ、アリールオキシ、アリールオキシ(C1-C6)アルキル、アリールオキシ(C1-C6)アルコキシ、モノおよびジ(C1-C6)アルキルアリール(C1-C6)アルキル、モノおよびジ(C1-C6)アルコキシアリール(C1-C6)アルキル、モノおよびジ(C1-C6)アルキルアリール(C1-C6)アルコキシ、モノおよびジ(C1-C6)アルコキシアリール(C1-C6)アルコキシ、アミノ、モノ(C1-C6)アルキルアミノ、ジ(C1-C6)アルキルアミノ、ジアリールアミノ、N-(C1-C6)アルキルピペラジノ、N-アリールピペラジノ、アジリジノ、インドリノ、ピペリジノ、アリールピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロキノリノ、テトラヒドロイソキノリノ、ピリル、C1-C6アルキル、C1-C6クロロアルキル、C1-C6フルオロアルキル、C1-C6アルコキシ、モノ(C1-C6)アルコキシ(C1-C4)アルキル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、ブロモ、クロロおよびフルオロからなる群から選択され、上記アリールまたはヘテロ芳香族置換基として記載の各アリール基はフェニルまたはナフチルである;
(d)非置換またはモノ置換基、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピローリニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フェナジニルまたはアクリジニル、(d)中の上記基の上記置換基それぞれはC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、フェニル、フルオロ、クロロおよびブロモからなる群から選択される;
(e)モノ置換フェニル、但しそのパラ位に結合基-(CH2)t-または-O-(CH2)t-の置換基を有し、tは1、2、3、4、5または6の整数であり、アリール基(例えばフェニルまたはナフチル)に結合し、これは他のフォトクロミックナフトピラン、例えばナフト[2,1-b]ピランまたはナフト[1,2-b]ピランの構成因子である;
(f)以下の構造式VAおよびVBで表わされる基:
【化14】
Figure 0005116929
式中、Lは炭素または酸素であり、Mは酸素または置換窒素であるが、但しMが置換窒素である場合はLが炭素であることを条件とし、上記窒素置換基は、水素、C1-C6アルキルおよびC2-C6アシルからなる群から選択され;R14はそれぞれC1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、ヒドロキシ、クロロまたはフルオロであり;
15およびR16は、それぞれ水素またはC1-C6アルキルであり;およびqは整数0、1または2である;
(g)C1-C6アルキル、C1-C6クロロアルキル、C1-C6フルオロアルキル、C1-C6アルコキシ(C1-C4)アルキル、C3-C6シクロアルキル、モノ(C1-C6)アルコキシ(C3-C6)シクロアルキル、モノ(C1-C6)アルキル(C3-C6)シクロアルキル、クロロ(C3-C6)シクロアルキル、フルオロ(C3-C6)シクロアルキルおよびC4-C12ビシクロアルキル;および
(h)以下の構造式VCで表わされる基:
【化15】
Figure 0005116929
式中、Pは水素またはC1-C4アルキルであり、Qは、ナフチル、フェニル、フラニルおよびチエニルからなる群の、非置換、モノ、およびジ置換の構成因子から選択されてもよく、(h)中の上記置換基はそれぞれC1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、フルオロまたはクロロである。
【0038】
あるいは、BおよびB'が併せてフルオレン-9-イリデン、モノ、またはジ置換フルオレン-9-イリデンを形成するか、または
飽和C3-C12スピロ-モノ環状炭化水素環、例えばシクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、シクロオクチリデン、シクロノニリデン、シクロデシリデン シクロウンデシリデン、およびシクロドデシリデン、飽和C7-C12スピロ-ビ環状炭化水素環、例えばビシクロ[2.2.1]ヘプチリデン、すなわちノルボニリデン、1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプチリデン、すなわちボルニリデン、ビシクロ[3.2.1]オクチリデン、ビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イリデン、ビシクロ[4.3.2]ウンデカン、および飽和C7-C12スピロ-トリ環状炭化水素環、例えばトリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプチリデン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デシリデン、すなわちアダマンチリデン、およびトリシクロ[5.3.1.12,6]ドデシリデンからなる群から選択される構成因子を形成し得、
上記フルオレン-9-イリデンの置換基のそれぞれがC1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、フルオロおよびクロロからなる群から選択され、但しナフトピラン上に少なくとも1のR基またはモノ-R-置換フェニルが存在することを条件とする。例えばR基の数(モノ-R-置換フェニルを含む)は、2、3、4、5または、ナフトピラン上の可能な全置換基数と同じでもよい。2以上のR基またはモノ-R-置換フェニルがナフトピラン上に存在する場合、R基は同じであっても異なっていてもよく、例えば、式IVA〜IVFから選択される2つの異なる基が存在し得る。また、本発明のナフトピランはR基またはモノ-R-置換フェニルであり得る。
【0039】
好ましくは、本発明のナフトピランは、構造式IまたはIIIで表わされ、R基は式:IVA、IVB、IVEまたはIVFで表わされ;R1'は基Rであるか、またはR1'は基-C(O)Wであって、Wは-OR7またはN(R8)R9であって、但しR7は C1-C4アルキル、フェニル、モノ(C2-C4)アルキル置換フェニル、モノ(C1-C4)アルコキシ置換フェニル、フェニル(C1-C2)アルキル、モノ(C1-C4)アルキル置換フェニル(C1-C2)アルキル、モノ(C1-C4)アルコキシ置換フェニル(C1-C2)アルキル、モノ(C1-C4)アルコキシ(C2-C3)アルキルまたはC1-C4ハロアルキルであり;R8およびR9は、それぞれ、C1-C4アルキル、C5-C7シクロアルキル、フェニルおよびモノまたはジ置換フェニルからなる郡から選択され、上記フェニル置換基はC1-C4アルキルまたはC1-C4アルコキシであって、上記ハロ置換基はクロロまたはフルオロである。より好ましくは、R1'は基Rまたは基-C(O)Wであって、但しWは基-OR7であり、R7はC1-C3アルキルである。
【0040】
好ましくは、R2は基R、モノ-R-置換フェニル、水素、C1-C3アルキル、C3-C5シクロアルキル、フェニル、モノまたはジ置換フェニルおよび基-OR10からなる群から選択され、但しR10は、C1-C4アルキル、フェニル(C1-C2)アルキル、モノ(C1-C4)アルキル置換フェニル(C1-C2)アルキル、モノ(C1-C4)アルコキシ置換フェニル(C1-C2)アルキル、C1-C4アルコキシ(C2-C4)アルキル、C5-C7シクロアルキルまたはモノ(C1-C3)アルキル置換C5-C7シクロアルキルであり、フェニル置換基はC1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシである。より好ましくは、R2は、水素、基R、モノ-R-置換フェニル、C1-C3アルキル、フェニル、モノまたはジ置換フェニルおよび基-OR10からなる群から選択され、但しR10はC1-C3アルキルであり、上記フェニル置換基はメチルまたはメトキシである。
【0041】
好ましくは、各R3は、基R、水素、C1-C3アルキル、C3-C5シクロアルキル、フェニル、モノまたはジ置換フェニルおよび基-OR10からなる群から選択され、但しR10は、C1-C4アルキル、フェニル(C1-C2)アルキル、モノ(C1-C4)アルキル置換フェニル(C1-C2)アルキル、モノ(C1-C4)アルコキシ置換フェニル(C1-C2)アルキル、C1-C4アルコキシ(C2-C4)アルキル、C5-C7シクロアルキルまたはモノ(C1-C3)アルキル置換C5-C7シクロアルキルであり、フェニル置換基はC1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシである。
【0042】
好ましくは、R5およびR6はそれぞれ、基R、水素、ヒドロキシ、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、クロロ、フルオロおよび基-OR11からなる群から選択され、但しR11は、C1-C3アルキル、フェニル(C1-C2)アルキル、モノ(C1-C3)アルキル置換フェニル(C1-C3)アルキル、モノ(Cl-C3)アルコキシ置換フェニル(C1-C3)アルキル、C1-C3アルコキシ(C2-C4)アルキル、C1-C3クロロアルキル、C1-C3フルオロアルキル、基-CH(R12)Y、但しR12は、水素またはC1-C2アルキルであり、YはCNまたはCOOR13であって、R13は水素またはC1-C2アルキルであるか、またはR11は、基-C(O)Zであって、但しZは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシ、フェニル、ナフチル、モノ置換アリール基、フェニルまたはナフチル、フェノキシ、モノまたはジ(Cl-C3)アルキル置換フェノキシ、モノまたはジ(C1-C3)アルコキシ置換フェノキシ、モノ(C1-C3)アルキルアミノ、フェニルアミノ、モノまたはジ(C1-C3)アルキル置換フェニルアミノ、またはモノまたはジ(C1-C3)アルコキシ置換フェニルアミノであり、上記アリール基置換基はC1-C3アルキルまたはCl-C3アルコキシである。
【0043】
好ましくは、BおよびB'は、下記からなる群から選択される:
(a)モノ-R-置換フェニル;
(b)フェニル、モノ置換およびジ置換フェニル;
(c)非置換、モノおよびジ置換ヘテロ芳香族基フラニル、ベンゾフラン-2-イル、チエニル、ベンゾチエン-2-イル、ジベンゾフラン-2-イル、およびジベンゾチエン-2-イル、但し(b)および(c)中の上記フェニルおよびヘテロ芳香族置換基それぞれは、ヒドロキシ、アリール、アリールオキシ(arlyoxy)、アリール(C1-C3)アルキル、アミノ、モノ(C1-C3)アルキルアミノ、ジ(C1-C3)アルキルアミノ、N-(C1-C3)アルキルピペラジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピリル、C1-C3アルキル、Cl-C3クロロアルキル、C1-C3フルオロアルキル、C1-C3アルコキシ、モノ(C1-C3)アルコキシ(Cl-C3)アルキル、クロロおよびフルオロからなる群から選択される;
(d)構造式VAおよびVBで示される基であって、式中Lは炭素であって、Mは酸素であり、R14はC1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシであり;R15およびR16は、それぞれ水素またはC1-C4アルキルであり;およびqは0または1である;
(e)C1-C4アルキル;および
(f)構造式VCで表わされる基、式中Pは水素またはメチルであって、Qはフェニルまたはモノ置換フェニルであり、上記フェニル置換基は、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシまたはフルオロであるか;
またはBおよびB'が併せてフルオレン-9-イリデン、モノ置換フルオレン-9-イリデン、または飽和C3-C8スピロ-モノ環状炭化水素環、飽和C7-C10スピロビ環状炭化水素環、および飽和C7-C10スピロトリ環状炭化水素環からなる群から選択される1の構成因子を形成し、上記フルオレン-9-イリデン置換基は、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシ、フルオロおよびクロロからなる群から選択される。
【0044】
より好ましくは、本発明のナフトピランは構造式IIIで表わされ、各R3は式IVEまたはIVFで表わされる基Rであるか、または各R3は、水素、C1-C3アルキル、フェニル、モノまたはジ置換フェニルおよび基-OR10からなる群から選択され、但しR10は、C1-C3アルキルであり、上記フェニル置換基はメチルまたはメトキシである。R5およびR6はそれぞれ、基R、水素、ヒドロキシ、C1-C4アルキルまたは基-OR11であり、但しR11はC1-C3アルキルである。BおよびB'はそれぞれ、以下からなる群から選択される:
(a)モノ-R-置換フェニル;
(b)フェニル、モノおよびジ置換フェニル、好ましくはメタ位および/またはパラ位が置換されている;
(c)非置換、モノおよびジ置換ヘテロ芳香族基フラニル、ベンゾフラン-2-イル、チエニルおよびベンゾチエン-2-イル、但し(b)および(c)中の上記フェニルおよびヘテロ芳香族置換基はそれぞれ、ヒドロキシ、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシ、フェニル、インドリノ、フルオロおよびクロロからなる群から選択される;
(d)構造式VAで表わされる基、式中Lは炭素であり、Mは酸素であり、R14はC1-C3アルキルまたはC1-C3アルコキシであり;R15およびR16はそれぞれ水素またはC1-C3アルキルであり;qは0または1であるか;またはBおよびB'が併せてフルオレン-9-イリデン、アダマンチリデン、ボルニリデン、ノルボニリデンまたはビシクロ[3.3.1]ノナン-9-イリデンを形成する。
【0045】
構造式I、IIおよびIIIで表わされる化合物は、下記の工程で調製できる。反応Aで、一般式VI(式中xは基-Aまたは-E-と同じである)で表わされるポリエチレングリコール、または他のポリアルキレングリコールの過剰量を、構造式VIIで表わされるトルエンスルホニルクロリドと、ピリジン(PY)の存在下で、−5℃で反応させて、構造式VIIIで表わされるヒドロキシ(ポリエトキシ)-p-トルエンスルホネートを調製する。Bradshaw, J. S., et al,"Synthesis of Macrocyclic Acetals Containing Lipophilic Subttituents"、Tetrahedron、第43巻、No.19、4271〜4276頁、1987年参照、その記載を出典表示により本明細書の1部とする。
【化16】
Figure 0005116929
【0046】
反応Bで、構造式VIIIで表わされるアルコキシル化トルエンスルホネートを、構造式IXで表わされるナフトピランと、無水カリウムカーボネートとアセトン溶媒の存在下で反応させ、加熱し、構造式IXAのヒドロキシエンドキャップアルコキシル化ナフトピランを形成する。構造式IXAのヒドロキシエンドキャップアルコキシル化ナフトピランを、さらに、ブロモ酢酸と、適した塩基(トリエチルアミンなど)の存在下で反応させ、末端ヒドロキシがカルボキシを含む官能基でエンドキャップされた、構造式IAのピランを調製する。あるいは、ハロゲン化アルコキシル化アルコールを、アルコキシル化トルエンスルホネートの代わりに使用して、前述の反応条件を用いてヒドロキシ官能基をアルキル化する。アルキル化反応は、Organic Synthesis、第31巻、90-93頁、John Wiley & Sons, New York, New Yorkにさらに記載されている。
【0047】
構造式IXで表わされる化合物は、置換ナフトールとプロパギルアルコールとのカップリングによって調製できる。この手順は米国特許第5,458,814号、第5欄第10行〜第7欄第38行に記載されている。プロパギルアルコールは、米国特許第5,645,767号、第5欄第8行〜第6欄第30行に記載の方法によって調製できる。前述の特許は出典表示により全体を本明細書の1部とする。
【0048】
9-ジュロリジニルまたは他のベンゾ縮合環状アミノ基(例えばインドリルおよびテトラヒドロキノリニル)を含むプロパギルアルコールは、触媒としてアルミニウムクロリドを使用して、ベンゾイルクロリドの材料によるFriedel-Craft'sアシル化によって調製できる。得られたアミノ置換ベンゾフェノンを、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中でナトリウムアセチリドと反応させて、ベンゾ縮合環状アミノ置換基を含むプロパギルアルコールを調製する。後記のカップリング反応でプロパギルアルコールを使用して、BまたはB'置換基などを有するナフトピランを調製してもよい。
【化17】
Figure 0005116929
【0049】
反応Cで、構造式Xで表わされる置換ナフトエ酸を、一般式VIで表わされるポリエチレングリコールと、濃硫酸を使用して反応させ、加熱し、構造式XIAで表わされるアルコキシル化ナフトールを形成する。あるいは、Xを、同様の条件でグリセロールと反応させて、XIBを調製する。構造式Xで、R2およびR3は前記定義のとおりである。構造式XIAおよびXIBで表わされるアルコキシル化ナフトールを、構造式XIIで表わされるプロパギルアルコールとカップリングさせ、構造式IBおよびIXBで表わされるアルコキシル化ナフトピランを形成する。ナフトピランIXBを、チオニルクロリドと反応させて、末端ヒドロキシをクロリド基に変換させる。このクロリドをさらにペンタエリスリトールと反応させて、式ICで表わされるポリヒドロキシル化ナフトールを得る。
【化18】
Figure 0005116929
【0050】
反応Dで、構造式VIIIで表わされるアルコキシル化トルエンスルホネートを、構造式XIIIで表わされるヒドロキシ置換ベンゾフェノンと反応させて、構造式XIVで表わされるアルコキシル化ベンゾフェノンを形成する。アルコキシル化ベンゾフェノンを、適切な溶媒(無水テトラヒドロフラン(THF)など)中でナトリウムアセチリドと反応させて、構造式XVで表わされる、対応するプロパギルアルコールを形成する。プロパギルアルコール(XV)を、構造式XVIの置換ナフトールとカップリングし、構造式IXCで表わされるアルコキシル化ナフトピランを形成する。ナフトピランIXC上の(ポリ)アルコキシグループの末端ヒドロキシ基をナトリウムハイドライドで金属化し、次いで無水コハク酸と反応させる。最後の酸性化でカルボキシル化アルコキシル化ナフトピランIIAが得られる。
【化19】
Figure 0005116929
【0051】
反応Eで、グリセロールを、構造式XVIIで表わされるヒドロキシ置換アセトフェノン、ベンゾフェノンまたはベンズアルデヒドと、酸の存在下で反応させて、対応するポリヒドロキシル化アセトフェノン、ベンゾフェノンまたはベンズアルデヒドを得る。構造式XVIIIの化合物を、構造式XIXで表わされるコハク酸エステル(ジメチルスクシネートなど)と反応させる。反応物を、塩基としてカリウムt-ブトキシドまたはナトリウムハイドライドをふくむ溶媒(例えばトルエン)に加え、構造式XXで表わされるStobbe(シュトッベ)縮合ハーフエステルを得る。無水酢酸の存在下でハーフエステル(XX)を環脱水し、構造式XXIで表わされるアルコキシル化アセトキシナフタレンを形成する。この生成物を、塩酸(HCl)と無水メタノールなどの無水アルコールと反応させ、構造式XXIIで表わされる、対応するナフトールを形成する。ナフトール(XXII)を、構造式XIIで表わされるプロパギルアルコールとカップリングさせ、構造式IDで表わされるポリヒドロキシル化ナフトピランを形成する。
【化20】
Figure 0005116929
【0052】
反応Fで、構造式XIVAで表わされたポリヒドロキシル化ベンゾフェノン(ナトリウムハイドライドの存在下でのペンタエリスリトールと(ビス)ブロモメチルベンゾフェノンとの反応によって調製される)を、構造式XIXで表わされるジメチルスクシネートなどのコハク酸エステルと反応させる。反応物を、塩基としてカリウムt-ブトキシドまたはナトリウムハイドライドを含む溶媒(例えばトルエン)に加え、構造式XXIIIで表わされるStobbe縮合ハーフエステルを得る。ハーフエステルを、無水酢酸の存在下で脱水環化し、構造式XXIVで表わされるアルコキシル化アセトキシナフタレンを形成する。この生成物を、塩酸(H+)および無水アルコール(無水メタノール)と反応させ、構造式XXVで表わされる対応するナフトールを形成する。このナフトールを、構造式XIIで表わされるプロパギルアルコールとカップリングさせ、構造式IEで表わされるポリヒドロキシル化ナフトピランを形成する。
【化21】
Figure 0005116929
【0053】
反応Gで、構造式XXIXで表わされる化合物を、水素化アルミニウムリチウム(LAH)を用いて還元し、構造式XXXで表わされる化合物を製造する。構造式XXIXの化合物の調製手順は、前記米国特許第5,645,767号に記載されている。4に任意に分配したエトキシ当量(モル)を含むエトキシル化ペンタエリスリトールを、酸(H+)を用いて構造式XXXの化合物と反応させ、構造式IIIAのポリヒドロキシル化インデノ縮合ナフトピランを含む数種のエトキシル化異性体を形成する。
【化22】
Figure 0005116929
【0054】
反応HおよびIで、構造式XXIXで表わされるインデノ縮合ナフトピランを、基RでR3置換基として置換してもよい。例えば、反応F中の化合物XXVIIを、酸性条件下で環化し、プロパギルアルコールとカップリングさせ、6位にR基を有するインデノ縮合ナフトピランを製造する。同様の操作を化合物XXVIIIに行ない、11位にR基を有するインデノ縮合ナフトピランを製造する。
【0055】
反応Hで、構造式XXIXで表わされるインデノ縮合ナフトピランを、まず化合物XXXIと反応させ、それから酸性条件(H+)で環化し、構造式IIIBで表わされる化合物を製造する。置換基R15およびR16は、前記と同じである。化合物XXXIを、対応するフェネチルブロミドから、エーテル溶媒中でのマグネシウムとの反応により、調製できる。
【化23】
Figure 0005116929
【0056】
反応Iで、構造式XXIXで表わされるインデノ縮合ナフトピランを、まず化合物XXXIIと反応させて、それから酸性条件(H+)で環化させて、構造式IIICで表わされる化合物を得る。化合物XXXII中のTは、(-O-)、(-CH2-)および(-CH=CH-)の群から選択することができ、mは0〜2の整数である。Tが(-CH2-)である場合、mは1〜2であり、Tが(-CH=CH-)である場合、mは1であり、そしてmが0である場合、Tは炭素−炭素結合である。
【化24】
Figure 0005116929
【0057】
反応C、E、F、G、HおよびIは、ヒドロキシル化されたR基を有するナフトピランを製造するものであり、これを反応に使用してポリウレタンポリマーを形成してもよい。ヒドロキシ官能R基置換ナフトピランを、アクリレート、例えばヒドロキシエチルメタクリレートと、触媒量の酸の存在下で反応させて、アクリルオキシ(例えばメタクリルオキシ)キャップされたR基置換ナフトピランを製造してもよく、また塩基の存在下でエピクロロヒドリンを用いて、エポキシキャップされたR基置換ナフトピランを製造してもよい。
【0058】
構造式I、IIおよびIIIで表わされるヒドロキシル化/カルボキシル化ナフトピラン化合物を、有機フォトクロミック物質を用いることができる用途;例えば光学レンズ(例えば視力矯正眼用レンズ、コンタクトレンズおよび平面レンズ)、フェースシールド、ゴーグル、バイザー、カメラレンズ、窓、自動車のフロントガラス、航空機および自動車用の透明物質(例えばT−ルーフ、側灯およびバックライト)、プラスチックフィルムおよびシート、繊維およびコーティング(例えばコーティング組成物)などに使用することができる。本明細書で使用される「コーティング組成物」は、本明細書中において、ポリウレタン、エポキシ樹脂、アミノプラスト樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリ酸無水物樹脂および合成ポリマーの製造に使用される他の樹脂などの材料から調製される重合性コーティング組成物;塗料、すなわち基材の装飾、保護および/または識別に使用される、着色された液体またはペースト;およびインク、すなわち基材上の筆記および印刷に使用される、着色された液体またはペーストであって、これらの基材には紙、ガラス、セラミックス、木、石材、織物、金属および重合性有機材料が含まれる、が含まれる。コーティング組成物を使用して、光学エレメント上の重合性コーティング、および保全書類(例えば、証書の批准または照合が望まれることがある銀行通帳、パスポートおよび自動車免許証のような書類)における照合マークを製造することができる。
【0059】
R基および、置換基として使用されるこのような基の数によって、本発明のフォトクロミック化合物を、水、水溶性ポリマーまたは水含有ポリマー中に溶解させることができる。「溶解」とは、少なくとも1リットルに対して1g程の混和性として定義される。本発明のフォトクロミック化合物の1部の水可溶性は、水不溶性フォトクロミック化合物では達されなかった取扱いおよび加工上の利点をを提供する。特に、フォトクロミック化合物のキャリアーとして用いられる有害な有機溶媒の使用が避けられる。他に、吸収または転写工程後、重合性基材の表面から過剰なフォトクロミック材料を洗浄する際の、このような溶媒の使用も避けられる。
【0060】
構造式Iで表わされる2H-ナフト[1,2-b]ピランは、無色から黄色〜赤/紫色の範囲の色への変色を示す。構造式IIで表わされる3H-ナフト[2,1-b]ピランは、無色から黄色〜橙および赤色の範囲の色への変色を示す。構造式IIIで表わされるインデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピランは、無色から橙〜青/灰色の範囲の色への変色を示す。
【0061】
本発明の範囲において意図されるナフトピランの例は以下のものが挙げられる:
(a) 3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11,13-トリメチル-13-((2,3-ジヒドロキシ)プロポキシ)-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピラン;
(b) 3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11,13-トリメチル-13-(2-(2-(3-(2-ヒドロキシエチルオキシ)-2-(2-ヒドロキシエトキシメチル)-2-ヒドロキシメチルプロポキシ)エトキシ)-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピラン;
(c) 3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11-ジメトキシ-13-メチル-13-((2,3-ジヒドロキシ)プロポキシ)-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピラン;
(d) 3-フェニル-3-(4-モルホリノフェニル)-13-メチル-13-((2,3-ジヒドロキシ)プロポキシ)-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピラン;
(e) 2,2-ジフェニル-5-((2,3-ジヒドロ)プロポキシ)カルボニル-8-メチル-[2H]-ナフト[1,2-b]ピラン;および
(f) 3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11,13-トリメチル-13-(2-(3-カルボキシルプロパノイルオキシ)エトキシ)-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピラン。
【0062】
本発明のフォトクロミックナフトピランは、単独で、本発明の他のナフトピランと組合せて、あるいは1またはそれ以上の他の適切な相補的な有機フォトクロミック材料、すなわち約400〜700ナノメーターの範囲内で少なくとも1種の活性化吸収最大を有する有機フォトクロミック化合物(またはそれと同じものを含む物質)と併せて使用でき、そして活性化されると適切な色相に着色することが、意図される。
【0063】
相補的な有機フォトクロミック材料には、他の重合可能なフォトクロミック化合物、例えば米国特許第4,719,296号;5,166,345号;5,236,958号;5,252,742号;5,359,085号;および5,488,119号に記載のものが含まれ得る。相補的な有機フォトクロミック化合物のさらなる例として、他のナフトピランおよびインデノナフトピラン類、クロメン類およびオキサジン類、置換2H-フェナントロ[4,3-b]ピランおよび3H-フェナントロ[1,2-b]ピラン化合物、ピラン環の2位に置換基を有するベンゾピラン化合物、およびこのようなフォトクロミック化合物の混合物が含まれ得る。このようなフォトクロミック化合物は、米国特許第3,562,172号;3,567,605号;3,578,602号;4,215,010号;4,342,668号;4,816,584号;4,818,096号;4,826,977号;4,880,667号;4,931,219号;5,066,818号;5,238,981号;5,274,132号;5,384,077号;5,405,958号;5,429,774号;5,458,814号;5,466,398号;5,514,817号;5,552,090号;5,552,091号;5,565,147号;5,573,712号;5,578,252号;5,637,262号;5,645,767号;5,656,206号;5,658,500号;5,658,501号;5,674,432号;5,698,141号;5,723,072号;5,744,090号;5,783,116号;5,808,063号;5,811,034号;5,869,658号;5,879,592号;5,891,368号;および5,961,892号に記載されている。スピロ(インドリン)ピランも、テキストTechniques in Chemistry、第III巻、"Photochromism"、第3章、Glenn H. Brown編集、John Wiley and Sons, Inc., New York, 1971年にも記載されている。
【0064】
意図される、他の相補的なフォトクロミック物質は、金属-ジチオゾネート(dithiozonates)、例えば水銀ジチオンゾネート(例えば米国特許第3,361,706号に記載);並びにフルギドおよびフルギミド、例えば3-フリルおよび3-チエニルフルギドおよびフルギミド(米国特許第4,931,220号、第20欄第5行〜第21欄第38行に記載)である。
【0065】
前記特許中のこのようなフォトクロミック化合物に関する開示は、参照して本明細書に全体が導入されている。本発明のフォトクロミック物品は、1種のフォトクロミック化合物または所望のフォトクロミック化合物の混合物を含んでもよい。
【0066】
本発明のフォトクロミック化合物は、種々の方法で、重合性有機ホスト材料または他の基材に関連し得る。すなわち、これらをホスト材料に溶かすかおよび/または分散させて導入するか、ホスト材料の他の成分と重合させるか、および/または基材に適用するコーティング、例えば重合性有機ホスト材料の表面に適用する重合性コーティングに導入する。
【0067】
特記しない限り、ここで使用される、波長、成分量または反応条件を表わす全ての数は、「約」という用語により、全ての場合において変更されると解されるべきである。
【0068】
本明細書に記載の各フォトクロミック物質は、フォトクロミック化合物または化合物の混合物が会合した有機ホスト材料または基材が、所望の結果色になる(例えば、フィルター処理されていない太陽光の活性化で実質的な中間色となる)、すなわち活性化フォトクロミック化合物の可能な色としてのほぼ中間色を示すような量(または割合)で使用できる。中間灰色および中間褐色が好ましい。中間色のさらなる研究および色の記述方法は、米国特許第5,645,767号、第12欄第66行〜第13欄第19行で見出される。
【0069】
コーティング組成物またはホスト材料に適用されるまたは導入されるフォトクロミックナフトピランの量は、活性化の際に裸眼で区別できるフォトクロミック効果を生じるために十分な量が使用されるのであれば、重要ではない。一般的に、このような量はフォトクロミック量として記載することができる。使用される特定の量は、しばしば、その照射の際の所望される色の強さに依存し、そしてフォトクロミック物質を導入するかまたは適用するのに使用される放射線や方法に依存することがある。通常、適用されるかまたは導入されるフォトクロミック化合物が多いほど、特定の限度まで色の強さが大きくなる。
【0070】
上記のフォトクロミックの化合物の相対的な量は変えることができ、そしてこのような化合物の活性化された種の色の相対的な強さや所望の結果色、およびホスト材料または物質に適用される方法にある程度依存する。一般的には、フォトクロミック光学的ホスト材料中に導入されるかまたはそれに適用されるフォトクロミック化合物の全量は、フォトクロミック物質が導入されるかまたは適用される表面1平方センチメートルあたり約0.05〜約2.0mg(例えば0.1〜約1.0mg)の範囲であり得る。コーティング組成物中に組込まれるフォトクロミック材料の量は、液体コーティング組成物の重量に対して0.1〜40重量%の範囲であり得る。
【0071】
本発明のフォトクロミックナフトピラン類は、当該分野で示される種々の方法によって、ホスト材料に関連し得る。例えば、米国特許第5,645,767号、第13欄、40行〜58行参照。フォトクロミック化合物類の水性または有機溶液を使用して、フォトクロミック化合物を重合性有機ホスト材料または他の物質(例えば繊維)、および重合性コーティング組成物類中に組込むことができる。米国特許第3,971,872号(この記載を出典明示により本明細書の一部とする)などに記載のコーティングプロセスを使用して、重合性コーティング組成物を基材に適用してもよい。
【0072】
重合性コーティングの用途は、コーティング技術、例えば、スプレーコーティング、スピンコーティング、散布コーティング、カーテンコーティング、ディップコーティング、キャスティングまたはロールコーティングなどを使用する任意の方法、およびオーバーレイの調製に使用される方法(米国特許第4,873,029号(出典明示により本明細書の一部とする)に記載の型の方法など)などがある。選択される適用方法は、硬化コーティングの厚さにも依存する。1〜50ミクロンの範囲の厚さを有するコーティングは、コーティング技術で使用される通常の方法で適用され得る。50ミクロン以上の厚さのコーティングは、オーバーレイで通常使用される造型法が必要とされるであろう。
【0073】
ホスト材料は、通常透過性であるが、半透過性または不透過性であってもよい。ホスト材料は、フォトクロミック物質を活性化する電磁スペクトルのその部分、すなわち、自由なまたは着色の形態のフォトクロミック物質を生成する紫外線(UV)の波長や、そのUV活性化形態(すなわち、自由な形態)のフォトクロミック物質の吸収最大波長を含む可視スペクトルの部分にのみ透過性である必要がある。好ましくは、ホストの色は、活性化形態のフォトクロミック化合物の色を隠すものであってはならない。すなわち、それによって、色の変化が、観察者に容易に観察される。米国特許第5,645,767号、第13欄第59行〜第14欄第3行に記載のように、融和色をホスト材料に適用してもよい。
【0074】
最も好ましくは、ホスト材料物品は、固体の透明物質のまたは光学的に透明な材料、例えば、平面レンズ、眼鏡およびコンタクトレンズ、窓、ウィンドシールドのような自動車用透明物質、航空機用透明物質、プラスチックシーチング、ポリマーフィルム等のような光学的用途に好適な材料である。
【0075】
本明細書中に記載のフォトクロミック化合物と共に使用できる重合性有機ホスト物質の例には:ポリマー、すなわちホモポリマーおよびコポリマーであって、ビス(アリルカーボネート)モノマー、ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマー、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレートモノマー、エチレングリコールビスメタクリレートモノマー、ポリ(エチレングリコール)ビスメタクリレートモノマー、エトキシル化フェノールビスメタクリレートモノマー、アルコキシル化多価アルコールアクリレートモノマー(エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマーなど)、ウレタンアクリレートモノマー(米国特許第5,373,033号に記載のものなど)、およびビニルベンゼンモノマー(米国特許第5,475,074号に記載のものなど)およびスチレンなどのもの;
ポリマー、すなわちホモポリマーおよびコポリマーであって、単官能性アクリレートおよび/またはメタクリレート、多官能性、例えばジ-または多官能性アクリレートおよび/またはメタクリレートモノマーなどのもの、
ポリ(C1-C12アルキルメタクリレート)(ポリ(メチルメタクリレート)など)、ポリ(オキシアルキレン)ジメタクリレート、ポリ(アルコキシル化フェノールメタクリレート)、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ((メタ)アクリルアミド)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ((メタ)アクリル酸)ポリウレタン、ポリチオウレタン、熱可塑性ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、コポリ(スチレン-メチルメタクリレート)、コポリ(スチレン-アクリロニトリル)、ポリビニルブチラール、およびジアリリデンペンタエリトリトールのホモポリマーおよびコポリマーのものが含まれ、
特に、ポリオール(アリルカーボネート)モノマー(例えばジエチレングリコールビス(アリルカーボネート))と、アクリレートモノマー(例えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート)とのコポリマーが挙げられる。重合性有機ホスト物質のさらなる例は、米国特許第5,753,146号、第8欄、62行〜第10欄、34行に記載されている(出典明示により本明細書の一部とする)。
【0076】
透過性コポリマーおよび透過性ポリマーの混合物も、ホスト材料として好適である。好ましくは、ホスト材料は、熱可塑性ポリカーボネート樹脂、例えばレクサン(LEXAN)という商標で市販されている、ビスフェノールAとホスゲンから誘導されるカーボネート結合樹脂;ポリエステル、例えばマイラー(MYLAR)という商標で市販されている材料;ポリ(メチルメタクリレート)、例えばプレクシグラス(PLEXIGLAS)という商標で市販されている材料;ポリオール(アリルカーボネート)モノマーの重合体、特にジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)(前記モノマーは特に、CR-39という商標で市販されている)、およびポリオール(アリルカーボネート)(例えば、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート))と他の共重合性モノマー材料とのコポリマー(例えば、酢酸ビニルとのコポリマー)などの重合物、例えば80〜90%のジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)と10〜20%の酢酸ビニルとのコポリマー、特に80〜85%のジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)と15〜20%の酢酸ビニルとのコポリマー、および米国特許第4,360,653号および同第4,994,208号に記載の末端ジアクリレート官能基を有するポリウレタンとのコポリマー;および米国特許第5,200,483号に記載の、末端基にアリルまたはアクリリル官能基を含有する脂肪族ウレタンとのコポリマー;ポリ(酢酸ビニル)、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリチオウレタン、そしてジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマー、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレートモノマー、エチレングリコールビスメタクリレートモノマー、ポリ(エチレングリコール) ビスメタクリレートモノマー、エトキシル化フェノールビスメタクリレートモノマーおよびエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマーからなる群の構成因子のポリマー;酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリスチレン、およびメチルメタクリレート、酢酸ビニルおよびアクリロニトリルとスチレンとのコポリマー、から調製される光学的に透明な、重合した有機材料である。
【0077】
特に、光学的に透明なコーティングおよび重合体の製造に使用される光学有機樹脂モノマー(例えば、眼鏡用のレンズなど、例えば平面レンズまたは眼用レンズ、またはコンタクトレンズ用)を用いる、本発明のフォトクロミックナフトピランの使用が考えられる。光学的に透明な重合体は、約1.35〜約1.75の範囲(例えば、約1.495〜約1.66)の屈折率を有していてよい。
【0078】
光学樹脂の重合体としては、ピー・ピー・ジー・インダストリーズ・インコーポレイテッドから、例えばCR-307やCR-407などのCR−シリーズとして市販されているもの、およびハードまたはソフトコンタクトレンズとして調製された重合体が特に挙げられる。両タイプのコンタクトレンズの製造方法は、米国特許第5,166,345号、第11欄第52行〜第12欄第52行に記載されている(出典明示により本明細書の一部とする)。意図される、本発明のフォトクロミックヒドロキシル化/カルボキシル化ナフトピラン類として使用される別の重合体は、高含水量のソフトコンタクトレンズ(米国特許第5,965,630号に記載)および長期間装用コンタクトレンズ(米国特許第5,965,631号に記載)の形成に使用される重合体である(両開示とも出典明示により本明細書の一部とする)。
【0079】
多くの変更や修正が当業者に明らかであるため、本発明を、例示の目的のみとしての以下の実施例により更に説明する。
【0080】
実施例1
ステップ1
カリウムt-ブトキシド(75グラム、0.67モル)を、トルエン200ミリリットル(mL)を含む反応フラスコに加えた。反応フラスコに、オーバーヘッドスターラー、滴下漏斗および窒素吸気を有するコンデンサーを備えた。反応フラスコの内容物を還流温度へ加熱し、4,4'-ジメチルベンゾフェノン(105グラム、0.5モル)、ジメチルスクシネート(90グラム、0.62モル)およびトルエン (200グラム)の混合物を1時間半かけて加えた。得られたペースト状混合物をさらに2時間還流し、冷却し、水約400mLを加え、よく撹拌した。水層を分離し、希塩酸で酸性にし、トルエン 200mLで抽出した。溶媒のトルエンと残渣のt-ブタノールをロータリーエバポレーターで取り除き、粗ハーフエステル、4,4-ジ(4-メチルフェニル)-3-メトキシカルボニル-3-ブテン酸をほぼ定量収率で製造した。この材料を、さらに生成することなく、そのまま次のステップに使用した。
【0081】
ステップ2
ステップ1の粗ハーフエステルを、トルエン 200mLを含む反応フラスコに加えた。無水酢酸(100グラム)および無水酢酸ナトリウム(15グラム)を加え、混合物を17時間還流した。混合物を冷却し、溶媒のトルエンをロータリーエバポレーターで取り除いた。得られた残渣をメチレンクロライド 200mLに溶かし、撹拌した。水(200 mL)を加え、次いで、二酸化炭素の発生が止むまで固体のナトリウムカーボネートをゆっくり加えた。メチレンクロライド層を分離し、水で洗浄した。溶媒のメチレンクロライドをロータリーエバポレーターで除去し、結晶性固体 約100グラムを得た。回収した生成物 1-(4-メチルフェニル)-2-メトキシカルボニル-4-アセトキシ-6-メチルナフタレンは、融点144〜146℃であった。
【0082】
ステップ3
ステップ2の生成物(約100グラム)を、10重量%水酸化ナトリウム水溶液 350mLとメタノール 50mLとを含む反応フラスコに加えた。混合物を1時間撹拌し、冷却し、冷(約4℃)希塩酸 約1リットルを含むビーカー中へゆっくりと注ぎ入れた。得られた結晶性生成物 1-(4-メチルフェニル)-4-ヒドロキシ-6-メチル-2-ナフトエ酸、融点210〜213℃、約100グラムを、吸引濾過で収集した。
【0083】
ステップ4
ステップ3の生成物(約100グラム)を、キシレン(250グラム)と85重量%リン酸溶液 250グラムとを含む反応フラスコに加えた。撹拌混合物を、ディーン・スタークトラップを備えた1リットルフラスコ中で20時間還流した。この間に固体生成物が形成された。混合物を冷却し、水 200mLを加えた。固体をスパチュラで割り、濾過し、水、5重量%重炭酸ナトリウム水溶液および水で連続的に洗浄した。生成物、3,9-ジメチル-5-ヒドロキシ-7H-ベンゾ[C]-フルオレン-7-オン、90グラムを、吸引濾過で回収した。
【0084】
ステップ5
ステップ4の生成物(10グラム)を、1,1-ジ(4-メトキシフェニル)-2-プロピノ-1-オール(10グラム)とトルエン 100mLを含む反応フラスコに加えた。得られた混合物を撹拌し、50℃に加熱し、ドデシルベンゼンスルホン酸 3滴を加え、反応混合物を50℃に5時間保った。反応混合物を室温まで冷却した後、濾過し、収集した濾液を5重量%水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄した。溶媒のトルエンをロータリーエバポレーターで除去し、残渣にアセトンを加えて所望の生成物を結晶化させた。固体を吸引濾過し、新鮮なアセトンで洗浄し、乾燥させ、融点227〜229℃の生成物 16グラムを得た。NMRから、生成物が、3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11-ジメチル-13-オキソ-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピランと一致する構造を有することが判明した。
【0085】
ステップ6
ステップ5の生成物(10グラム)を、無水テトラヒドロフラン 50mLを含む反応フラスコに加えた。氷浴中で混合物を冷却し、過剰量のメチルグリニャール試薬を、撹拌しながら反応中に加える間、窒素パッドで湿気から保護した。さらに10分間撹拌した後、5重量%塩酸水溶液 200mLを加え、有機層を分離し、水で洗浄した。溶媒のテトラヒドロフランをロータリーエバポレーターで取り除いた。ヘキサン:酢酸エチルの2:1混合物 約10ミリリットルを残渣に加えて、非フォトクロミック材料を結晶化させた。この材料を濾過して分離した。濾液を、溶出液としてヘキサン:酢酸エチルの3:1混合物を用いるシリカ上カラムクロマトグラフにかけた。メタノール混合物から結晶化させた所望の生成物を濾過し、乾燥させて、233〜235℃の融点を有する生成物 8グラムを得た。NMRスペクトルから、生成物が3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11,13-トリメチル-13-ヒドロキシ-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピランと一致する構造を有することが判明した。
【0086】
ステップ7
ステップ6の生成物(6.0グラム)を、グリセロール 100mL、テトラヒドロフラン 100mLおよび37%塩酸 2mLを含む反応フラスコに加えた。反応を60℃に加熱し、撹拌しながらその温度に8時間維持した。反応混合物を水 300mLに加え、そして酢酸エチル 100mLを加えた。有機層を分離し、水で洗浄し、濾過し、そして溶媒の酢酸エチルをロータリーエバポレーターで取り除いた。得られた残渣を、溶出液として酢酸エチル(95%)およびメタノール(5%)を用いるシリカ上クロマトグラフにかけた。フォトクロミックのフラクションを併せ、溶媒を蒸発留去し、そして所望の生成物をヘキサン/ジエチルエーテル混合物から結晶化させた。回収した結晶を乾燥させ、濾過し、199〜202℃の範囲の融点を有する生成物3グラムを得た。NMRスペクトルから、生成物が3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11,13-トリメチル-13-((2,3-ジヒドロキシ)プロポキシ)-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピランと一致する構造を有することが判明した。
【0087】
実施例2
ステップ7で、ペンタエリスリトールエトキシレート(3/4 EO/OH)(Aldrichから購入) 150mLをグリセロールの代わりに使用し、3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11,13-トリメチル-13-ヒドロキシインデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピラン 6.0グラムを使用したこと以外は、実施例1のプロセスに従った。残渣を、溶出液としてアセトニトリル(95%)とメタノール(5%)を使用するシリカ上のクロマトグラフにかけた。回収した油状物を乾燥させ、生成物2グラムを得た。NMRスペクトルから、生成物が、3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11,13-トリメチル-13-(2-(2-(3-(2-ヒドロキシエチルオキシ)-2-(2-ヒドロキシエトキシメチル)-2-ヒドロキシメチルプロポキシ)エトキシ)インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピランと一致する構造を有することが判明した。
【0088】
実施例3
ステップ1
ステップ7で、エチレングリコール 100mLをグリセロールの代わりに使用し、3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11,13-トリメチル-13-ヒドロキシ-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピラン 8.0グラムを使用し、そして溶出液として酢酸エチル(50%)およびヘキサン(50%)を使用したこと以外は、実施例1の手順に従った。フォトクロミックフラクションを併せて、溶媒を蒸発留去し、そして所望の生成物を、ヘキサン/ジエチルエーテル混合物から結晶化させた。回収した結晶を乾燥させ、濾過し、生成物3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11,13-トリメチル-13-((2-ヒドロキシ)エチルオキシ)-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピラン、5グラムを得た。
【0089】
ステップ2
ステップ1の生成物1.8グラムを、トルエン 50mLを含む反応フラスコに加えた。トリエチルアミン(1ml)および無水コハク酸(0.6グラム)を混合物に加え、それから60分間還流加熱した。反応混合物を水で洗浄し、酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮した。所望の生成物(酢酸エチル/ヘキサン混合物から結晶化させたもの)を濾過し、乾燥させ、融点175〜177℃を有する生成物1.5グラムを得た。NMRスペクトルから、生成物が3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11,13-トリメチル-13-(2-(3-カルボキシプロパノイルオキシ)エチルオキシ)-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピランと一致する構造を有することが判明した。
【0090】
実施例4
ステップ1で、4,4'-ジメトキシベンゾフェノン(105グラム、0.5モル)を、4,4'-ジメチルベンゾフェノンの代わりに使用し、4,4-ジ(4-メトキシルフェニル)-3-メトキシカルボニル-3-ブテン酸を製造したこと以外は、実施例1の手順に従った。このStobbeハーフエステルをステップ2で使用して、1-(4-メトキシフェニル)-2-メトキシカルボニル-4-アセトキシ-6-メトキシナフタレン 100グラムを製造した。ステップ3で、1-(4-メトキシフェニル)-2-メトキシカルボニル-4-アセトキシ-6-メトキシナフタレンを、1-(4-メチルフェニル)-2-メトキシカルボニル-4-アセトキシ-6-メチルナフタレンの代わりに使用して、1-(4-メトキシフェニル)-4-ヒドロキシ-6-メトキシ-2-ナフトエ酸を製造した。ステップ4で、この生成物 100グラムを、1-(4-メチルフェニル)-4-ヒドロキシ-6-メチル-2-ナフトエ酸の代わりに使用し、そしてキシレン(250グラム)および85重量%リン酸溶液 250グラムと混合した。撹拌混合物を、ディーン・スタークトラップを備えた1リットルフラスコで20時間還流し、3,9-ジメトキシ-5-ヒドロキシ-7H-ベンゾ[C]-フルオレン-7-オン 90グラムを得た。そのうち10.0グラムを、1,1-ジ(4-メトキシフェニル)-2-プロピノ-1-オール 10.0グラムと供に、ステップ6で使用した。得られた生成物3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11-ジメトキシ-13-オキソ-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピランを、ステップ6で、酢酸エチル/ヘキサン混合物を使用して生成物を結晶化させること以外は実施例1に記載のとおりに使用した。3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11-ジメトキシ-13-ヒドロキシ-13-メチル-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピラン 6グラムを回収した。ステップ7で、ステップ6の生成物 6グラムと、テトラヒドロフラン 50mlを使用した。169〜172℃の融点を有する所望の生成物 3グラムを回収した。NMRスペクトルから、生成物が、3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11-ジメトキシ-13-メチル-13-((2,3-ジヒドロキシ)プロポキシ)-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピランと一致する構造を有することが判明した。
【0091】
実施例5
ステップ1で、ベンゾフェノン(105グラム、0.5モル)を、4,4'-ジメチルベンゾフェノンの代わりに使用し、4,4-ジフェニル-3-メトキシ-カルボニル-3-ブテン酸を製造したこと以外は、実施例1の手順に従った。このStobbeハーフエステルをステップ2で使用して、1-フェニル-2-メトキシカルボニル-4-アセトキシ-ナフタレンを製造した。ステップ3で、1-フェニル-2-メトキシカルボニル-4-アセトキシ-ナフタレンを、1-(4-メチルフェニル)-2-メトキシカルボニル-4-アセトキシ-6-メチルナフタレンの代わりに使用し、1-フェニル-4-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸を製造した。ステップ4で、ステップ3の生成物 100グラムと、85重量%リン酸溶液 250グラムを使用した。1リットルフラスコ中で撹拌混合物を190〜200℃に1時間加熱し、5-ヒドロキシ-7H-ベンゾ[C]-フルオレン-7-オン 90グラムを製造し、その10.0グラムを、ステップ6で、1-フェニル-1-(4-モルホリノフェニル)-2-プロピノ-1-オール 10.0グラムと供に使用した。得られた生成物、3-フェニル-3-(4-モルホリノフェニル)-13-オキソ-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2- b]ピランを、ステップ6で酢酸エチル/ヘキサン混合物を使用して生成物を結晶化させること以外は実施例1に記載のように使用した。3-フェニル-3-(4-モルホリノフェニル)13-メチル-13-ヒドロキシ-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピラン 7グラムであった。ステップ7で、ステップ6の生成物6グラムと、テトラヒドロフラン 50mlを使用した。NMRスペクトルから、油状物の生成物3グラムが、3-フェニル-3-(4-モルホリノフェニル)-13-メチル-13-((2,3-ジヒドロキシ)プロポキシ)インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピランと一致する構造を有することが判明した。
【0092】
実施例6
7-メチル-4-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸(6グラム)および1,1-ジフェニル-2-プロピノ-1-オール(5グラム)を、クロロホルム 100mLを含む反応フラスコ(マグネティックスターラー、スタークトラップおよびコンデンサーを備えたもの)に加えた。触媒量のp-トルエンスルホン酸(約100ミリグラム)を加え、そして混合物を加熱還流し、2時間撹拌した。その後、反応混合物を水で洗浄し、残った溶媒を減圧下で取り除いた。得られた生成物、2,2-ジフェニル-5-カルボン酸-8-メチル-[2H]-ナフト[1,2-b]ピランを、酢酸エチル/ヘキサン混合物から結晶化し、橙色結晶 4.0グラムを得た。
【0093】
ステップ2
2,2-ジフェニル-5-カルボン酸-8メチル-[2H]-ナフト[l,2-b]ピラン 4グラムを、メチレンクロライド 50mLとオキサリルクロリド 3.5グラムを含む反応フラスコに加えた。混合物を16時間撹拌した。メチレンクロライドとオキサリルクロリドを減圧下で取り除き、主として2,2-ジフェニル-5-カルボキシクロリド-8-メチル-[2H]-ナフト[1,2-b]ピランを含む、得られた混合物を、直接次のステップに使用した。
【0094】
ステップ3
グリセロール 30mLをステップ2からの粗材料に加えた。混合物を60℃に加熱し、トリエチルアミン 1mlを20分かけて滴下した。反応を60℃に1時間保ち、それから水でクエンチし、酢酸エチルで2度抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣を、溶出液として酢酸エチル(70%)とヘキサン(30%)を使用するシリカ上のクロマトグラフにかけた。フォトクロミックフラクションを併せて、溶媒を蒸発留去し、所望の生成物を酢酸エチル/ヘキサン混合物から結晶化した。回収した黄色結晶を乾燥させ、濾過し、融点180〜181℃を有する生成物 2.5グラムを得た。NMRスペクトルから、生成物が2,2-ジフェニル-5-((2,3-ジヒドロ)プロポキシ)カルボニル-8-メチル[2H]-ナフト[1,2-b]ピランと一致する構造を有することが判明した。
【0095】
比較例1
ステップ7を省略すること以外は実施例1の工程に従った。NMRスペクトルから、生成物が3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11,13-トリメチル-13-ヒドロキシ-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピランと一致する構造を有することが判明した。
【0096】
比較例2
ステップ7を省略すること以外は実施例4の工程に従った。融点241〜242℃の所望の生成物 3グラムを回収した。NMRスペクトルから、生成物が3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11-ジメトキシ-13-メチル-13-ヒドロキシ-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピランと一致する構造を有することが判明した。
【0097】
比較例3
ステップ7を省略すること以外は実施例5の工程に従った。融点180〜181℃を有する所望の生成物 3グラムを回収した。NMRスペクトルから、生成物が3-フェニル-3-(4-モルホリノフェニル)-13-メチル-13-ヒドロキシ-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピランと一致する構造を有することが判明した。
【0098】
比較例4
工程1
7-メチル-4-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸(6グラム)と1,1-ジフェニル-2-プロピノ-1-オール(5グラム)を、クロロホルム 100mLとスターラーを含む反応フラスコ(マグネティックスターラー、スタークトラップおよびコンデンサーを備えたもの)に加えた。触媒量のp-トルエンスルホン酸(約100ミリグラム)を加え、混合物を加熱還流し、2時間撹拌した。その後、反応混合物を水で洗浄し、残った溶媒を減圧下で取り除いた。得られた生成物、2,2-ジフェニル-5-カルボン酸-8-メチル-[2H]-ナフト[1,2-b]ピランを、酢酸エチル/ヘキサン混合物から結晶化させ、橙色結晶 4.0グラムを得た。
【0099】
工程2
ステップ1の生成物を、メタノール 100mLを含む反応フラスコに加えた。37重量%HCl 1mLを加え、混合物を4時間加熱還流した。冷却し、融点187〜188℃を有する、溶液から沈殿した黄色結晶性材料を得た。この材料を吸引濾過し、融点187〜188℃を有する材料 2グラムを得た。この生成物は、2,2-ジフェニル-5-メトキシカルボニル-8-メチル-[2H]-ナフト[1,2-b]ピランと一致するNMRスペクトルを有していた。
【0100】
実施例7
パートA
以下の方法で、実施例および比較例において調製したフォトクロミック化合物について試験を行った。1.5×10−3モル溶液が得られるように計算した各フォトクロミック化合物の量を、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート(BPA 2EO DMA)4部、ポリ(エチレングリコール)600ジメタクリレート1部、および2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)0.033重量%のモノマー混合物50gを含有するフラスコに添加した。各フォトクロミック化合物を、攪拌および(必要であれば)穏やかに加熱することによって、モノマー混合物中に溶解させた。透明な溶液が得られた後で、それを、2.2mm×6インチ(15.24cm)×6インチ(15.24cm)の内径を有する平たいシート鋳型に注入した。鋳型を封入し、それを、5時間かけて40℃から95℃の温度に上昇させ、95℃の温度で3時間保持し、2時間かけて60℃までにそれを低下させ、次いで60℃で16時間保持するようにプログラムされた水平気流型プログラム可能なオーブン中に配置した。鋳型を開いた後、ポリマーシートを、2インチ(5.1cm)の正方形試料にダイヤモンド刃を使用して切断した。
【0101】
パートB
パートAで調製したフォトクロミック正方形試料を、光学ベンチ上で、フォトクロミック応答について試験した。光学ベンチ上での試験の前に、フォトクロミック正方形試料を、フォトクロミック化合物を活性化するための状態、すなわち365nmの紫外線に約15分間暴露し、次いで、フォトクロミック化合物を消色または不活化させるために76℃のオーブンの中に約15分間置いた。次いで、正方形試料を、室温まで冷却し、少なくとも2時間蛍光室内光に曝した後、72°F(22.2℃)に維持した光学ベンチ上で試験する前に少なくとも2時間、カバーして放置した。光学ベンチに、300ワットのキセノンアークランプ、リモートコントロール付きシャッター、アークランプ用の熱シンクとして作用する硫酸銅浴、スコットWG−320nmのカットオフフィルター(これは、短い波長の放射線を除去する);中密度フィルターおよびサンプルホルダー(これに、試験される正方形試料が挿入される)を取り付けた。光学ベンチの出力(すなわち、サンプルレンズが曝される光量)は、参照標準として使用したフォトクロミック正方形試料を用いて衡正した。これにより、1平方センチメートルあたり0.15から0.20mW(mW/cm)までの範囲の出力とした。出力の測定は、UV−A検出器(シリアルNo.22411)またはこれに相当する検出器を備えた、グラスビー(GASEBY)オプトロニクスモデルS−371ポータブル光量計(シリアルNo.21536)を使用して行った。UV−A検出器は、サンプルホルダー内に配置して、光の出力を測定した。出力の調節は、ランプのワット数を増減させるか、あるいは光路内に中密度フィルターを加えるかまたは除去することによって行った。
【0102】
モニタリングした、タングステンランプからの光の平行光線を、正方形試料に対し、垂直より少し小さい角度(約30°)で正方形試料を通過させた。正方形試料を通過した後、タングステンランプからの光を、測定するフォトクロミック化合物の予め決定された可視のλ最大値に設定された、スペクトラル・エナージー・コーポレーション製GM−200モノクロメーターを通過させて検出器に向けた。検出器からの出力シグナルを、線量計によって処理した。
【0103】
光学濃度の変化(ΔOD)は、サンプルホルダー中に脱色状態の正方形試料を挿入し、透過率目盛を100%に調節し、キセノンランプからのシャッターを開いて紫外線を提供して、正方形試料を消色された状態から活性化状態(すなわち、暗状態)に変化させ、活性化状態における透過率を測定し、以下の式に従って光学濃度の変化を計算することによって決定した。
ΔOD=log(100/%Ta)
(ここで、%Taは、活性化状態における透過率(%)であり、そして底10に対するものである。)
【0104】
正方形試料におけるフォトクロミック化合物の光学的特性を、表1に記載する。結果を比較すると、比較例1は、対応する化合物、すなわち実施例1、2および3と比較でき、比較例2は実施例4と比較でき、比較例3は実施例4と比較でき、そして比較例4は実施例6と比較できる。各比較で、比較例の化合物は、R基を除いて実施例化合物と同じ構造である。ΔOD/分(これは、UV光に対するフォトクロミック化合物の応答感度を示す)を、UV照射の最初の5秒間にわたって測定し、次いで、1分毎に示した。飽和光学濃度(ΔOD@飽和)は、UV照射を15分間継続したことを除いて、ΔOD/分と同一の条件下で測定した。
消色速度(T 1/2)は、正方形試料中のフォトクロミック化合物の活性化された形態の吸収についての、活性化光源の除去後に室温(72°F、22.2℃)で最も高い吸収の二分の一に到達するまでの時間間隔(秒)である。
【0105】
パートC
実施例および比較例についてのラムダ(λ)最大(UV)、これはフォトクロミック化合物の吸収が生じる部分の可視スペクトルに近い紫外線範囲の波長である、を、パートAの正方形試料を使用して、パートBの光学台上で、または同様の方法で測定した。実施例および比較例の化合物をジエチレングリコールジメチルエーテルに溶かした。得られた溶液の濃度は約0.5ミリグラム/ミリリットルであった。各溶液をUV分光光度計で試験し、λ最大(UV)を測定した。結果を表2に記載する。
【0106】
λ最大(可視)は、正方形試料中で活性化された(着色した)形態のフォトクロミック化合物の最大吸収が起こる、可視スペクトル中の波長である。表2に記載のλ最大(可視)波長を、パートAのフォトクロミック正方形試料重合体をパートBの光学台上で試験することにより、測定した。
【0107】
表2に記載のモル吸収またはモル吸光係数(ε)は、UVのλ最大でのジエチレングリコールジメチルエーテル溶液中のフォトクロミック化合物の吸光度(A)/{分光光度計セルの路程(b)×フォトクロミック化合物溶液の濃度(モル/リットル)(M)、数式ε=A/bM、に等しい。モル吸光係数を、実施例および比較例の化合物の2×10-3モル溶液について、0.1cm石英セルまたは他の同様の方法で、UV分光光度計で測定した。
【0108】
【表1】
Figure 0005116929
【0109】
【表2】
Figure 0005116929
【0110】
表1の結果は、実施例1、2および3のフォトクロミック正方形試料は、比較例(CE)1と比べて、幾分高いレベルの感度およびΔOD@飽和、そして低い消色速度を有していたことを示す。実施例4の化合物を含む正方形試料は、各試験においてCE−2よりもより優れた結果を示している。実施例5の正方形試料は、CE−3と比較して、感度は低いが、ΔOD@飽和はかわらず、消色速度は速かった。実施例6を含む正方形試料は、感度はより高く、ΔOD@飽和は幾分低く、そして消色速度はほぼ50%減少した。
【0111】
表2の結果は、実施例および比較例の化合物を含むサンプルのλ最大UVとλ最大可視(メジャーおよびマイナー)間の差異を示す。各事例で、本発明の実施例は、対応する比較例より高いモル吸収を示す。
【0112】
本発明は、特定の実施態様の具体的な詳細に関して記載したが、そのような詳細は、請求の範囲に記載されている以外は、本発明の範囲を制限するものであると見なすべきではない。

Claims (16)

  1. (a) 3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11,13-トリメチル-13-((2,3-ジヒドロキシ)プロポキシ)-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピラン;
    (b) 3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11,13-トリメチル-13-(2-(2-(3-(2-ヒドロキシエチルオキシ)-2-(2-ヒドロキシエトキシメチル)-2-ヒドロキシメチルプロポキシ)エトキシ)-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピラン;
    (c) 3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11-ジメトキシ-13-メチル-13-((2,3-ジヒドロキシ)プロポキシ)-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピラン;
    (d) 3-フェニル-3-(4-モルホリノフェニル)-13-メチル-13-((2,3-ジヒドロキシ)プロポキシ)-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピラン;
    (e) 2,2-ジフェニル-5-((2,3-ジヒドロ)プロポキシ)カルボニル-8-メチル-[2H]-ナフト[1,2-b]ピラン;および
    (f) 3,3-ジ(4-メトキシフェニル)-6,11,13-トリメチル-13-(2-(3-カルボキシルプロパノイルオキシ)エトキシ)-インデノ[2,1-f]ナフト[1,2-b]ピラン、
    からなる群から選択される、ナフトピラン化合物。
  2. ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレングリコールビスメタクリレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート)、熱可塑性ポリカーボネート、ポリ(酢酸ビニル)、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ((メタ)アクリルアミド)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ((メタ)アクリル酸)、およびジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)モノマー、ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、エトキシル化フェノールビスメタクリレートモノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマーおよびエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマーからなる群の構成因子のポリマーからなる群から選択される重合性有機ホスト材料と、フォトクロミック量の請求項記載のナフトピラン化合物とを含有するフォトクロミック物品。
  3. 重合性有機ホスト材料と、フォトクロミック量の請求項記載のナフトピランとを含有する、フォトクロミック物品。
  4. 前記重合性有機ホスト材料が、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ(C1-C12)アルキルメタクリレート、ポリオキシ(アルキレンメタクリレート)、ポリ(アルコキシル化フェノールメタクリレート)、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ((メタ)アクリルアミド)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ((メタ)アクリル酸)、熱可塑性ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、コポリ(スチレン-メチルメタクリレート)、コポリ(スチレン-アクリロニトリル)、ポリビニルブチラール、およびポリオール(アリルカーボネート)モノマー、モノ官能アクリレートモノマー、モノ官能メタクリレートモノマー、ポリ官能アクリレートモノマー、ポリ官能メタクリレートモノマー、ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマー、アルコキシル化多価アルコールモノマーおよびジアリリデンペンタエリスリトールモノマーからなる群の構成因子のポリマーからなる群から選択される、請求項記載のフォトクロミック物品。
  5. 前記重合性有機材料が、アクリレート、メタクリレート、メチルメタクリレート、エチレングリコールビスメタクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート、酢酸ビニル、ビニルブチラール、ウレタン、チオウレタン、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジイソプロペニルベンゼンおよびエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートからなる群から選択されるモノマー(類)のホモポリマーまたはコポリマーである、請求項記載のフォトクロミック物品。
  6. 前記フォトクロミック化合物が、フォトクロミック物質(類)が導入されるかまたは適用される重合性有機ホスト材料表面1平方センチメートルあたり0.05〜2.0mgの量で存在する、請求項記載のフォトクロミック物品。
  7. 前記重合性有機ホスト材料が光学エレメントである、請求項記載のフォトクロミック物品。
  8. 前記光学エレメントがレンズである、請求項記載のフォトクロミック物品。
  9. 固体基材と、それぞれフォトクロミック量の(a)請求項記載のナフトピラン化合物少なくとも1種、および(b)400〜700ナノメーターの範囲で少なくとも1の活性化吸収最大を有する他の有機フォトクロミック化合物少なくとも1種、との組合せを含有する、フォトクロミック物品。
  10. 光学有機樹脂モノマーの重合体と請求項記載のナフトピラン化合物のフォトクロミック量とを含有する、フォトクロミック物品。
  11. 重合体の屈折率が1.35〜1.75である、請求項10記載のフォトクロミック物品。
  12. 重合体が光学エレメントである、請求項10記載のフォトクロミック物品。
  13. 前記光学エレメントが眼用眼鏡レンズまたはコンタクトレンズである、請求項12記載のフォトクロミック物品。
  14. 固体基材と、請求項記載のナフトピラン化合物をフォトクロミック量有するコーティング組成物が少なくとも固体基材の1の表面上で硬化したコーティング、との組合せを含有する、フォトクロミック物品。
  15. 前記コーティング組成物が、重合性コーティング組成物、塗料およびインクからなる群から選択される、請求項14記載のフォトクロミック物品。
  16. 前記基材が、ガラス、石材、織物、セラミックス、金属、木、紙および重合性有機材料からなる群から選択される、請求項15記載のフォトクロミック物品。
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