JP5115684B2 - 遠心分離法を用いた機械的に固体成分を除去する装置及び機械的に固体成分を除去するための遠心分離方法 - Google Patents

遠心分離法を用いた機械的に固体成分を除去する装置及び機械的に固体成分を除去するための遠心分離方法 Download PDF

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Description

本発明は、使用状態で汚れた部品の洗浄や、部品の加工時に発生する研削粉などをスプレーノズルにより吹き付ける方法で洗浄する工程で、ノズルの詰まりの原因となる洗浄液に分散浮遊している固形成分を除去し、洗浄液を繰り返し利用できるようにするために供する機械的に固体成分を除去する装置に関するものである。
洗浄作業において洗浄に用いる洗浄液は、洗浄によって種々の汚染物質を含むことになるが、―般的に洗浄効果が落ちるまで繰り返し使用される。しかし、ノズルを用いて噴射する方法で洗浄する装置では、洗浄液に分散浮遊している固形成分がノズルを詰まらせる原因となり、洗浄液の化学的機能又は分散能力等の物理化学的機能が劣化する前に繰り返し利用ができなくなる。
そこで、従来は濾紙フィルター等により固形成分を濾し取る機能を付加して洗浄液の繰り返し利用を行っていたが、被洗浄部品の汚れの状況によっては、固形成分が多く、フィルターの消耗が激しく、洗浄に多くの経費がかかっている。特に、lμm以下の粒径の汚れ物質は、ノズルの詰まりによる洗浄装置機能障害だけでなく、洗浄液の分散能力の低下も生じるため、フィルターのメッシュを小さくする必要が生じ、フィルターが短時間で目詰まりを起して交換頻度が増すことになった。
特開2002−45729
解決しようとする問題点は、微細な汚れ物質による被洗浄部品の汚れが激しい場合においても、洗浄能力の増大を図り、且つ洗浄液を繰り返し利用できるような遠心分離法を用いた機械的に固体成分を除去する手段及び機械的に固体成分を除去する手段に適した遠心分離方法を提供しようとするものである。
本発明の請求項1に記載の遠心分離法を用いた機械的に固体成分を除去する装置によれば、タンク体内の底部に向かって垂設し下端部分に外方にノズルを設けた洗浄廃液導入管と、この洗浄廃液導入管を距離を保って包囲しかつ上部外周に複数の細孔を設けた有底円形内筒と、この有底円形内筒に対して距離を保って包囲し下方に向かって末広がり状に拡開しかつ底面直近の外周部に複数の細孔を設けた有底円形外筒と、さらにこの有形円形外筒を距離を保って包囲する分離槽から主としてなり、内周壁に複数段にわたって形成したそれぞれ全周をカバ―する環状堰を設けた前記分離槽及び前記有底円形内筒並びに前記有底円形外筒を、軸受手段を介して駆動装置で高速回転させるようにしたものである。
本発明の請求項2に記載の遠心分離法を用いた機械的に固体成分を除去する装置は、請求項1に記載の装置において、前記分離槽の内壁を、それぞれに環状堰を形成した部材間に封隙材を差し挟んだ状態で緊締手段を介して構成するよぅにしたものである。
本発明の請求項3に記載の遠心分離法を用いた固液分離装置は、請求項1に記載の装置において、前記タンク体の底面に再生液を導出する出口を形成してなるものである。

本発明の請求項4に記載の遠心分離法を用いた固液分離装置は、請求項1に記載の装置において、前記分離機の底面に前記軸受手段の中心に設けた廃液出口を形成してなるものである。

本発明の請求項5に記載の機械的に固体成分を除去するための遠心分離方法によれば、分離槽の内部に垂設した洗浄廃液導入管の下端部のノズルから洗浄廃液を外方へ噴出させることにより、前記洗浄廃液導入管を包囲して形成され且つ高速回転している有底円形内筒に遠心力により押し付けられた洗浄廃液は、有底円形内筒の上部外周に形成した複数の細孔から外方へ放出させて有底円形外筒に付着させ、同じく高速回転しているこの有底円形外筒の下方に向かって末広がり状に拡開している面に沿って下向きに進行させ、この有底円形外筒の複数の細孔から外方へ放出させて、高速回転している分離槽の内壁に形成した環状堰を次々に乗り越えて上方へ移行する間に洗浄廃液に含まれている固形成分を分離槽の内壁に層状に沈降固着させてゆき、この間に固形成分を分離した再生液を最上段の堰からタンク体内に噴出させ、タンク体の底部に設けた流出口から回収し洗浄液として再使用に供し、分離槽内壁に沈降固着した固形成分の量が―定の段階に到達したときに、駆動手段により高速回転を急停止又は逆転することにより、分離槽の内部に残留している洗浄廃液に、固形成分を分離させたときよりもはるかに大きな流速を分離槽の内面の回転方向の流れとして生じさせて壁面に固着した固形成分を再拡散させて廃液として分離槽の底部から俳出させるものである。

本発明の機械的に固体成分を除去するための遠心分離方法及び機械的に固体成分を除去するための遠心分離機によれば、特に汚れの激しい部品に付着した固形成分の洗浄や、部品の加工時に発生する研削粉などの洗浄物を、遠心力を利用して極めて有効に除去することが可能となった。
図1は、本発明を実施するための遠心分離法を用いた機械的に固体成分を除去する装置の全体構成を示す立面図、図2はその主要部分の拡大縦断面図で、図3は本発明の方法による洗浄液を再生する過程を示す説明図である。

まず、図1及び図2において、1は装置全体を支える架台であって、その上にタンク体2が搭載されている。蓋体3を備えるこのタンク体2には洗浄廃液導入管4と、有底円形内筒5と、有底円形外筒6と、分離槽7とが収容されている。この洗浄廃液導入管4は本発明の装置の高速回転部分である有底円形内筒5、有底円形外筒6及び分離槽7の回転中心に設けられている。

洗浄廃液を供給するための洗浄廃液導入管4は、装置の中心部において、タンク体2の蓋体3から分離槽7の蓋体8を通過して分離槽7内に深く垂設され、この洗浄廃液導入管4の下端部分には外方へ開口するノズル9が設けられている。

前記洗浄廃液導入管4に対して、距離を保った有底円形内筒5と、この有底円形内筒5に対して距離を保った有底円形外筒6が、前記分離槽7の蓋体8に取り付けられるものとし、この際、有底円形内筒5は真っ直ぐな円筒形状を呈するのに対して、有底円形外筒6は下方に向かって末廣がり状に拡開した断面形状を有する。また、有底円形内筒5と有底円形外筒6とはそれぞれの底面において連結材10で連結されている。

前記有底円形内筒5の上部外周には周面上に複数箇所に細孔11を設け、また有底円形外筒6の底面直近の外周面上に複数個所に細孔12を設けるものとする。

分離槽7の内壁13は、それぞれ環状堰14を突設した複数の部材15からなる。部材15の断面はL状であり、L状断面の縦線に相当する部分は分離槽7の円筒壁面を構成し、L状断面の横繊に相当する部分は環状堰14を構成する断面である。これら環状堰14の高さ(幅)は、最上位のものaが、下位のものbよりほぼ2倍として構成している。cはa と同等かaより幾分高くすることができるが、有底円形外筒の有底部に接しない程度の高さにとどめるものとする。分離槽7の円筒壁を構成する部材の最下端の部材は円筒壁の部分と底壁25と一体となっている。前記部材15の分離槽7の円筒壁を構成する部分にはそれぞれ上面に凹所16を形成し、この凹所16に部分的に収容した封隙材 (パッキング)17を差し込むと共に、分離槽7の外壁18に設けた緊締手段19によって、各部材15を締結するものとする。すなわち、外壁18に形成した突起部分20に枢止されダブルナット21を有して先端部に鉤手22を形成した係止部分23と、外壁18に突設したフック24とにより、前記ダブルナット21による締結作用によって、分離槽7の内壁13を平滑に保つとともに、洗浄廃液及び洗浄廃液に含まれる固形成分の外部への漏出を防止している。

前記分離槽7の底壁25には、前記架台1の上面部26に軸受手段27により支承される中空回転支軸28を突設するものとし、前記洗浄廃液導入管4が形成されている中心軸線の延長上にあるこの中空回転支軸28は、前記分離槽7に連通する廃液出口29を形成し、この廃液出口29を介して前記中空回転支軸28から、前記架台1の内側に収容した廃液槽30に廃液を流下させるのである。

前記架台1には、駆動装置 (例えばサ―ボモータ)31を取り付けてあり、この駆動袈置31の駆動軸に取り付けたプ―リ32、ベルト33及び前記中空回転支軸28に取り付けたプ―リ34により駆動装置31の高速回転を分離槽7、有底円形外筒6及び有底円形内筒5に伝達するのである。

前記タンク体1の底面には再生液を導出するための出口35が形成されており、この出口35から再生液が配管36を介して所望の施設に送られるものである。

次に、図3によって本発明の遠心分離機の作用を説明する。駆動装置31により中空回転支軸28を介して分離槽7、有底円形外筒6及び有底円形内筒5が高速回転をしている状態において、固形成分を含む洗浄廃液導入管4に導入され、廃液は洗浄廃液導入管4の下端部に形成されたノズルから外方へ噴出されて、有底円形内筒5に付着する。有底円形内筒5は高速回転しているので、洗浄廃液はこの有底円形内筒5の面に沿って遠心力により上方へ匍匐進行し,上部外周に形成した複数の細孔11から外方へ放出されて、有底円形外筒6に付着され、今度は末広がり状に形成されているこの有底円形外筒6の面に沿って遠心力により下方へ匍匐進行し、この面の下方に形成されている複数の細孔12から、分離槽7に向かって放出される。この間の廃液の流れは図3に破線をもって示している。 分離槽7の内壁付近では、遠心力により液体は内壁に向かって押し付けられ、分離槽の内壁とほぼ平行な水面を形成している。
高速で回転している分離槽7の壁面では、廃液が分離槽7の回転と等しい速度で回転方向の速度を持つ運動量を維持している。よって、このような廃液と内部の空間との境界面は環状堰a又はcにより規制された距離をほぼ保っている。本明細書ではこの境界面を水面と称している。この水面は分離槽7から見て静止しているような状態で垂直方向に乱れのない流れを形成することによって廃液中の固形成分が分離槽7の壁の方向へ遠心力を継続的に受けることになり微細な粒径の固形成分までも沈降させることができる。

しかし、有底円形内筒5有底円形外筒6が無い場合には洗浄廃液導入管4から噴射された廃液は回転方向には速度を持たないため、分離槽7の内壁面に押し付けられて分離槽7と等しい回転の速度を持っている廃液に触れると大きな速度差で液面を乱し、さらに液層の内部までも乱れた流れとなり微細な粒子を沈降させることができなくなる。

そこで、洗浄廃液導入管4から噴射された液はまず径が小さい有底円形内筒5の内側に噴射することによって速度差を小さくすると同時に、有底円形内筒5の内面に押し付けられて上昇する間に有底円形円筒5と同じ速度に至らしめ、さらに、外形の大きな有底円形外筒6に噴射して回転方向に速度をあげ、末広がりの有底円形外筒6を流れ下る間に分離槽7の速度に近づける。末広がりの有底円形外筒6では、半径に比例して遠心力が増加するため、壁面との摩擦による速度の伝達の度合いも半径の増加に比例し、さらに、半径が増すことによって、末広がりに拡がる壁面の円周が増加することから、壁面に付着しでいる廃液の厚みは薄くなり、壁面の回転方向への速度になじみ易くなる。この結果、末広がりの有底円形外筒6の下端付近にあけられた複数の細孔12から噴出する廃液と分離槽7の壁面に押し付けられている固液分離過程の液面との速度差がほとんどなくなり、発生する乱れは―段目の堰の内側で治まるため、2段目の堰以降の流れは垂直な流れだけとなり、微少な固形成分を沈降させることができる。

ここにおいて、固形成分を含む洗浄廃液は、矢印をもって示すよぅな状況で環状堰14を
次々に乗り越えて上方へ移行する間に、比重差によって固形成分は分離槽7の内壁13に層状に沈降固着してゆき堆積層37を形成する。この上方への流れを詳細に分析すると水面付近の速度に対し壁面に接する部分では速度が異なり、壁面に接する部分の速度が遅くなる。この理由は、壁面との摩擦によるもの、壁面に近いほど円周か大きいことにより流れの幅が広くなり速度が減少すること、及び壁面に近いほど遠心力が大きくなり密度が上がるため流速が減少すること、等の相乗効果と考えられる。そこで、流れの途中に水面の流れを乱さない高さの堰を設けることにより、堰の直近での流れを水面とは逆の方向へ向けることができ、垂直断面で見ると堰近辺で回転する流れが生じることになる。この流れで沈降しつつある微粒の固形成分は水面近くの流れと逆に上方へ押しやられて堆積層37は下方では厚く上方に行くにしたがって薄くなる。図3において38は分離槽7の回転によって外方へ押し付けられている洗浄廃液の上清液を示し、39は洗浄廃液に遠心力がかかって回転している分離層7の内壁13に押し付けられて垂直な水面ができた場合の水面を示すものである。このような水面近くの流れと逆方向の壁面近くに生じる流れを繰り返し生じさせるためには、堰bは水面より低いことが望ましい。さらに、bの間隔は堰bの高さの略2倍とすることで、固形成分の沈降が少ない場合には垂直断面で見られる往復する流れが2つの円状になり沈降を促進することに加え、ある程度固形成分の沈降量が増加し時点で往復する流れは堰に近い部分の一つとなり堆積層は下方に偏ることになる。

固形成分を分離した再生液は最上層の堰aを乗り越えタンク体2の壁面に飛来せしめ、壁面を流下して底部に至らしめ、底部の出口35から配管36を介して流出されるものとし、作業が―定の段階に到達したときに、駆動装置31による高速回転を急停止し又は逆転することにより、分離槽7の内部に残留している液体ともども、固形成分を分離させたときよりもはるかに大きな流速を分離槽7の内面の回転方向の流れとして生じさせて、分離槽7の内壁13に堆積層37として形成されていた固形成分を再拡散させて廃液として分離槽7底部に連通する廃液出口29から廃液槽30に流下させるのである。廃液を流下排出させるタイミングは、洗浄廃液中の固形成分の質や濃度により異なるため、固体を分離して得られた出口35の再生洗浄液の品質を評価して許容できる間隔とすればよい。
堰aの高さは分離槽7の内径及び回転数により適切に選ぶ必要があるが、分離槽の直慶が300mmの場合は10ミリ以上30mm以下が望ましい。以下に堰aの高さが20mmの場合の処理速度の例を示す。
分離槽7で分離する場合の流速は、5リットル毎分の処理速度の場合、垂直方向の流れの速度は、分離槽7に保持されている液体の水平断面を通過する水量から計算できる。すなわち、壁面から水の表面までの距離を20mmとすると、直径280mmの分離槽7に対して断面積は、
(280/2)2×π―(240/2)2
×π = 61544―45216=16328平方mmとなる。
すなわち、163.3平方cmである。

この断面を1分に5リットル (5000cc)が通過するので、流速は秒で表すと、1秒の液通過量5000÷60=83.3cc/secを用いて、
83.3÷163.3=0.511cm/sec
となる。
(参考までに、堰14の上を越える時の流速は、断面積が約半分となりlcm/secの流速であるが、堰14と堰14の距離を堰の上部と水面までの距離の4倍以上としていることから、沈降する堰14の中間部分の速度にはあまり影響しない。)

この速度で、100Gの遠心力でほとんどすべての固形成分を沈降させることが実験で立証されている。

次に、遠心力が10Gになる時の回転数は、200rpm程度であるから、分離槽7を停止させる過程で、200rpmで分離槽7を急停止させると、液体が慣性で分離槽7に沿って回転を維持することになり、そのとき流速は、直径240mmの円を1分に200回転する速度であるから
円周 240×3.14=753.6mm・・・75.4 [cm/回転]
回転数 200÷60=3.3回転/sec

を用いて

75.4×3.3=248.9cm/sec
となるので分離槽7で分離を行っているときの流速0.5cm/secに対して

248.9÷0.5÷497

すなわち、497倍の流速となり、沈降させた固形成分を再ぴ液中に分散させるに十分な速度となる。さらに、長時間かけて固化しているような場合を想定して分離槽7を逆転させ、相対的な速度差をつけて、1000倍程度にすることで、沈降している固形成分のほとんどを液体に分散させて流し出すことができる。

別の計算としては、堰14で保持されている水の量は液体の水平断面積×垂直の長さであるから、分離槽7の深さを300mmとしたとき
163.3×30=4899cc である。

液が分離槽7の内部で対流させている時間を1分としたい場合は、4.9リットルを流せることになる。

また、流速を小さくすれば、滞留時間は長くなり、同―の加速度で小粒径のものまで取り除くことでできる。

必要な滞留時間の長さについて
微粒子の液体中での沈降速度は、
1.重力によって加速沈降する
2.液体から受ける抵抗が速度の自乗に比例するため、次第に加速度は鈍って沈降しようとする力と、抵抗力が釣り合って限りなく―定の速度 (終末速度)に近づく。

また、速度に比例する抵抗の価は流体の粘性係数に影饗される。さらに、流体に分散している物質の沈降時間は、粒径により終末速度が異なる。このような複雑な条件で、単純に加速度と時間の関係を計算することはできないため、沈降に要する時間は実験によるしかないので、本発明では、2硫化モリブデン入りグリスが使われた部品を洗浄した廃液を実験した結果、良好な結果が得られている。
実験の結果では、地球重力下 (lG)で静置した場合、すなわち終末速度で沈降させた場合、実験した液体ではほとんどの固形成分を沈降させるために3日程度の (72時間以上)を必要とした。しかし、試作した装置では100Gで10分の滞留時間で完全に固形成分を取り除くことができた。さらに、1000G程度に加速度を上げたところ、1分の滞留時間で固形成分をほぼ回収できた。
本発明の固液分離の方法を、自動車整備工場で部品の洗浄に使った灯油を床に設置した静置槽をモデルに説明する。自動車整備工場で行われる土と油で汚れた部品を洗浄する工程では、洗浄剤として灯油等の石油系洗浄剤を用いることが多い。灯油等の洗浄剤の比重は0.7〜0.9程度であるのに対し、固形成分の汚れ物質の大部分を占め砂や金属粉の比重は1.7〜11でその比重は洗浄液より大きい。このような部品の洗剤に用いた廃液を数日間容器に溜めて静置すると、固形の汚染物質は底に沈み、透明な上澄み液が回収でき再利用できること知られている。しかし、再生産率が悪く洗浄液の再利用には実用されていないが、本発明の遠心分離法による固液分離は原理的に同じであるので、廃液を静置する方法をモデルにして本発明の技術を解説する。
洗浄廃液を静置して固形成分が沈降し、上澄み液を生じる原理は、重力の加速度1Gで廃液中の洗浄液と固形成分の比重差によって、比重の大きい成分が沈み上面には軽量の洗浄液の層が生じるという原理によるものである。溶液中に分散している固形成分が沈降する現象の理論として、ストークスの計算式が用いられる。ストークスの式は、
V=2/9×((ρ‐ρw)gr)/ η
である。但し、Vは沈降速度(cm/sec),ρ は粒子の密度(g/cm3,)、ρwは溶剤の密度(g/cm3)、gは重力の加速度(cm/sec)、rは粒子の半径(cm)、ηは溶剤の密度(g/cm.sec)である。
自動車整備工場の洗浄廃液では、整備した車両の走行条件によって、粒径の分布や、粒子の比重などの分布が異なるが、一般的な洗浄廃液の固形成分を計測してみると、分布はガウス分布で近似でき、95%の粒子は粒径4ミクロン以上0.2mm以下、比重は2以上14以下であった。よって、自動車部品を洗浄した廃液を静置した場合に粒径4ミクロン、比重2の粒子が沈降すればそれ以上の粒径や比重の固形成分はすべて沈降していることになる。
ストークスの式に、比重2、粒径4ミクロンの粒子が粘度10-4 Pの灯油に拡散している状態として沈降する速度を求めると
V=2/9×〔(1)×1×(4×10−3 〕÷10−4 =3.4×10 −4cm/sec
となり、固形成分は0,034 mm/secの速度で沈降して1分間で約2mmの厚さの上澄み液ができることになる。静置したタンクに連続的に廃液を導入して、固形成分を沈降させ、表層の液を取り出すには図4のような構成のタンクを用意し、一端から液を静かに導入し他端から表層液を取り出す方法が考えられる。廃液は液導入管40に封入され最初の堰1から整流堰41に溢出する。堰1から溢れ出す液は表面張力によってほぼ堰1の上面に倣って槽の奥行き方向に均等に広がって整流層41に流れ出すが、液の注入のムラを完全に取り除くことはできない。整流層41は液の流れを均等にするためのものである。堰2は堰1より低く、沈降槽42の溢れ出る側の堰3より僅かに高く整流層41からの沈降槽42に静かに液が流れ込むように設定する。沈降槽42に流れ込んだ液は堰2の直近では乱流を生じているが、堰3方向に向かって移動する間に流れが整い底面に平行な整流となる。
この場合、液の深さが浅ければ浅いほど短い距離で整流になるが、この槽では底面に固形成分を沈降させる必要があるため固形成分が蓄積するための深さが必要である。この流れの変化を模式的に表現して図6に示した。図5,6で示したbは沈降領域で、液の流れが緩やかな定常流となり、廃液中の固形成分は静置したときと同じく下方に移動しながら上面の上澄み液とともに移動してゆく。液全体の流れは表層部分ほど速く底に近いほど遅くなるがその流れの変化は緩やかとなる。すなわち底または堆積層に接した部分では流速は0になっている。移動に従って沈降が進み上澄み液の厚みがます。堰3から溢出する液は図に示したように、表層液だけでなく下方からも吸い上げられるように流れ出す。そこで、堰3の近辺の上澄み液の厚みは一様な流れが始まった部分から堰3から流れ出す時に流れが変わる直前までの平均断面速度から計算して廃液滞留時間として計算する。この滞留時間で計算される上澄み液の厚さは、溢れ出す上澄み液の表層の流れに吸い込まれる下方の部分を配慮して、平均流出量に必要な断面積の2倍速度の余裕を見た滞留時間とすることが望ましい。
このモデルで説明した方法を図1に示したように、回転体の壁面に応用すると、回転体の遠心力は
Xg=(r×ω)/980
で求められるのであるから、半径140mmの円周の内面での加速度gの値は1000RPM で156g3000rpmで1408gとなるため、ストークスの計算式の重力の加速度gの代わりに遠心力を廃液に作用する力として、gの値を100〜150に置き換えることができる。すなわちモデルで説明した洗浄廃液を静置した場合の100倍以上の固液分離能力を発揮させることができることになる。
回転体の壁面に形成した沈殿装置で連続的に液の注入、取り出しを行う場合には、回転方向の動きのない液を導入することになり、液導入管では激しい乱流が生じる。灯油のような低粘度の液体では新規に注入された廃液が回転速度に至るには時間がかかり、激しい乱流は沈殿槽にまで及び、一様な流れを作り出すことができない。そこで、本発明では回転する分離槽7の内側に有底円形内筒5及び有底円形外筒6を設け、導入液に槽の回転とほぼ等しい回転方向の動きを与えて、分離槽7の堰14の下部に導入する方法で静置したタンクに液を導入した場合に近い状態を作っている。また、遠心力の加速度が重力の加速度に較べ大きいため、大きな粒径の粒子や比重の重い粒子が堰を溢れ出して沈降槽に注がれた場合には、廃液は壁面に向かって勢いよく移動する。その結果、沈降槽の乱流領域が広くなり、十分な沈降速度が確保できなくなる。そこで、本発明では堰の数を説明モデルの2倍より増やし4段とし、廃液注入部分からの大きな粒径や比重の大きい粒子を壁面13方向に沈降させながら順次4個の堰を乗り溢れ出させながら、一様な流れになりやすい粒径及び比重の小さい粒子を残した廃液が沈降槽に注がれるようにした。
本発明を実施するための遠心分離法を用いた固液分離装置の全体構成を示す立面図である 図1の主要部分の拡大縦断面図である 本発明による洗浄液再生の過程を示す説明図である。 連続的に廃液を導入して、固形成分を沈降させ、表層の液を取り出すタンク 流れの変化を模式的に表現した図である。 流れの変化を模式的に表現する他の図である。
4 洗浄廃液導入管
5 有底円形内筒
6 有底円形外筒
7 分離槽
9 ノズル
11 細孔(有底円形内筒5の)
12 細孔(有底円形外筒6の)
13 内壁 (分離槽7の)
14 環状堰 (堰)
15 部材
25 底壁 (分離槽7の)
26 中空回転支軸
31 駆動装置 (サ―ボモータ)
40 液導入層
41 整流槽
42 沈降槽
a 乱流領域
b 沈降領域(一様な流れ領域)
43 堰1
44 堰2
45 堰3
46 乱流
47 乱流
48 一様な流れ

Claims (5)

  1. タンク体内の底部に向かって垂設し下端部分に外方にノズルを設けた洗浄廃液導入管と、この洗浄廃液導入管を距離を保って包囲しかつ上部外周に複数の細孔を設けた有底円形内筒と、この有底円形内筒に対して距離を保って包囲し下方に向かって末広がり状に拡開しかつ底面部側近の外周に複数の細孔を設けた有底円形外筒と、さらにこの有底円形外筒を距離を保って包囲する分離槽から主としてなり、内周壁に複数段にわたって形成したそれぞれ全周をカバーする環状堰を設けた前記分離槽及び前記有底円形内筒並びに前記有底円形外筒を、軸受手段を介して駆動装置で高速回転させるようにしたことを特徴とする遠心分離法を用いた機械的に固液成分を除去する装置。
  2. 前記分離槽の内壁を、それぞれに環状堰を形成した部材間に封隙材を差し挟んだ状態で緊締手段を介して構成するようにした、請求項1に記載の遠心力を用いた機械的に固体成分を除去する装置。
  3. 前記タンク体の底面に再生液を導出する出口を形成してなる、請求項1に記載の遠心力を用いた機械的に固体成分を除去する装置。
  4. 前記分離槽の底面に前記軸受手段の中心に設けた廃液出口を形成してなる、講求項1に記載の遠心力を用いた機械的に固体成分を除去する装置。
  5. 分離槽の内部に垂設した洗浄廃液導入管の下端部のノズルから洗浄廃を外方へ噴出させることにより、前記洗浄廃液導入管を包囲して形成されかつ高速回転している有底円形内筒に遠心力により押し付けられて有底円形内筒内面に一様に広がった洗浄廃液は、上部外周に形成した複数の細孔から外方へ放出させて有底円形外筒に付着させ、同じく高速回転しているこの有底円形外筒の下方に向かって末広がり状に拡開している面に沿って下向きに進行させ、この有底円形外筒の複数の細孔から外方へ放出させて、高速回転しているこの有底円形外筒の下方に向かって末広がり状に拡開している面に沿って下向きに進行させ、この有底円形外筒の複数の細孔から外方へ放出させて、高速回転している分離槽に至らしめ、分離槽の内壁に形成した環状堰を次々に乗り越えて上方へ移行する間に洗浄廃液に含まれている固形成分を分離槽の内壁に層状に沈降固着させていき、この間に固形成分を分離した再生液を最上段の環状堰から外方へ放出させタンク体の底部から回収し、分離沈降した固形成分が―定の段階に到達したときに、駆動手段による高速回転を急停止し又は逆転することにより、分離層の内部に残留している液体に、固形成分を分離させたときよりもはるかに大きな流速を分離槽の内面の回転方向の流れとして生じさせて壁面に固着した固形成分を再拡散させて廃液として分離槽の底部から排出させることを特徴とする、機械的に固体成分を除去するための遠心分離方法。
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