JP5115402B2 - 可変キャパシタおよび可変キャパシタ製造方法 - Google Patents

可変キャパシタおよび可変キャパシタ製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、容量を変化させることが可能な可変キャパシタおよびその製造方法に関する。
携帯電話など無線通信機器の技術分野では、高機能を実現するために搭載される部品の増加などに伴い、高周波回路の小型化に対する要求が高まっている。このような要求に応えるべく、回路を構成する様々な部品について、MEMS(micro-electromechanical systems)技術の利用による微小化が進められている。そのような部品の一つとして、可変キャパシタが知られている。可変キャパシタは、インピーダンス整合回路や、可変フィルタ、移相器などにて重要な部品である。MEMS技術を利用して得られる可変キャパシタについては、例えば下記の特許文献1,2に記載されている。
特開2004−6588号公報 特開2004−127973号公報
図20は、従来の可変キャパシタYの部分断面図である。可変キャパシタYは、基板41と、固定電極42と、可動電極43と、一対の支持部44とを備える。可動電極43は、一対の支持部44を架橋するように設けられ、固定電極42に対向する部位を有する。基板41は、ガラスまたは石英よりなり、固定電極42および可動電極43は、各々、所定の金属材料よりなる。
可変キャパシタYにおいては、固定電極42および可動電極43の間に電圧を加えることにより、固定電極42および可動電極43の間に静電引力を発生させることができ、当該静電引力を利用して、可動電極43を固定電極42に向けて引き込んで固定電極42および可動電極43の間のギャップの体積を変化させることができる。当該ギャップ体積に応じて、可変キャパシタYの静電容量、ないし、固定電極42および可動電極43の間の静電容量は、変化する。したがって、可変キャパシタYにおいては、固定電極42および可動電極43の間に加える電圧を変化させることにより、静電容量を変化させることが可能である。このような可変キャパシタYは、所定の静電容量を得るべく所定の電圧を固定電極42および可動電極43の間に加えるように、駆動される。
図21は、可変キャパシタYの製造方法の概略を表す。この方法は、いわゆるMEMS技術を利用して可変キャパシタYを製造する方法である。
可変キャパシタYの製造においては、まず、図21(a)に示すように、基板41上に固定電極42がパターン形成される。次に、図21(b)に示すように犠牲膜45が形成される。犠牲膜45は、例えばフォトレジストよりなり、支持部44形成用の開口部45aを有する。犠牲膜45の形成においては、例えば、固定電極42を覆うようにして基板41上にスパッタリング法により犠牲膜材料が成膜された後、当該膜に対して、所定のレジストパターンをマスクとして利用してエッチング処理が施される。次に、図21(c)に示すように支持部44が形成される。次に、図21(d)に示すように、支持部44を架橋するようにして犠牲膜45上に可動電極43がパターン形成される。次に、図21(e)に示すように犠牲膜45が除去される。例えば、所定のレジスト剥離液を使用して行うウエットエッチング法により、犠牲膜45は除去される。以上のようにして、可変キャパシタYは製造される。
図21(d)を参照して上述した工程では、犠牲膜45上にてパターン形成される可動電極43に内部応力が生じる。この内部応力は、図21(e)を参照して上述した工程を経て可動電極43が部分的にリリースされると解放され、図22に示すような可動電極43の湾曲の一要因となる。
加えて、温度変化も可動電極43の湾曲の一要因である。可変キャパシタYは、例えば、デバイス実装時のリフローや信頼性検査において高温で加熱処理されるところ(加熱温度は例えば250〜280℃)、高温な環境を経ると、初期状態(固定電極42および可動電極43の間に電圧を加えていない状態)にある可動電極43において湾曲が生じやすい。可動電極43のこのような湾曲は、可動電極43の熱膨張率が基板41の熱膨張率より大きいことに起因して生ずる。
従来の可変キャパシタYにおいては、初期状態における静電容量値(初期静電容量値)は不安定である。上述の要因によって生ずる可動電極43の湾曲の程度が、製造される可変キャパシタYごとに異なり且つその差異が比較的大きいからである。可動電極43の湾曲の程度は、製造される複数の可変キャパシタY間において比較的大きなバラつきがある。そして、初期状態における可動電極43の湾曲の程度に応じて可変キャパシタYの初期静電容量値が変動するため、可動電極43の湾曲の程度に大きなバラつきがあると、製造される複数の可変キャパシタY間において、初期静電容量値にも大きなバラつきが生じることとなる。初期静電容量値の大きなバラつきは、歩留まりよく可変キャパシタを製造するうえで好ましくない。
初期静電容量値を安定化するために可動電極43の過度な湾曲を防止する一手法として、可動電極43を厚く設定することが挙げられる。しかしながら、可動電極43を厚く設定すると、可変キャパシタYの駆動電圧が大きくなってしまう(即ち、可動電極43を変位させるために固定電極42と可動電極43の間に印加すべき電圧が大きくなる)。そのため、可動電極43を厚く設定することは、低駆動電圧化の観点から好ましくない。
本発明は、以上のような事情の下で考え出されたものであり、安定した初期静電容量値を実現するのに適し且つ低駆動電圧化を図るのに適した可変キャパシタ、および、そのような可変キャパシタの製造方法を提供することを、目的とする。
本発明の第1の側面によると可変キャパシタが提供される。この可変キャパシタは、固定電極と、固定電極に対向する可動電極膜と、固定電極とは反対の側において可動電極膜に対向し、ストッパ部を厚さ方向に貫通する貫通孔を有するストッパ部とを備える。
このような構成を有する可変キャパシタにおいては、固定電極および可動電極膜の間に電圧を加えることにより、固定電極および可動電極膜の間に静電引力を発生させることができ、当該静電引力を利用して可動電極膜を固定電極に向けて引き込こみ、固定電極および可動電極膜の間のギャップの体積を変化させることができる(固定電極に向けて可動電極膜が引き込まれる量ないし距離は、可動電極膜の全体にわたって一様とは限らない)。当該ギャップ体積に応じて、本可変キャパシタの静電容量、ないし、固定電極および可動電極膜の間の静電容量は、変化する。したがって、本可変キャパシタでは、固定電極および可動電極膜の間に加える駆動電圧を制御することにより、静電容量を制御することができる。
本可変キャパシタにおいては、固定電極とは反対の側において可動電極膜に対向するストッパ部を可動電極膜に対して充分に近接して配置することによって、内部応力の解放や温度変化に起因して可動電極膜が固定電極とは反対の側に過度に湾曲するのを、防止することができる。固定電極とは反対の側に可動電極膜が一定程度に湾曲した場合、ストッパ部が、当該可動電極膜に当接することによって可動電極膜の更なる湾曲を抑制するように機能するからである。そして、初期状態における固定電極と可動電極膜との間のギャップの体積に応じて本可変キャパシタの初期静電容量値が決定されるところ、固定電極とは反対側への可動電極膜の過度な湾曲が防止される本可変キャパシタにおいては、初期静電容量値が過度に小さくなることを回避しやすい。このように、本可変キャパシタは、安定した初期静電容量値を実現するのに適する。このような可変キャパシタは、歩留まりよく製造するうえで好適であり、また、精度よく駆動するうえで好適である。
加えて、本可変キャパシタは低駆動電圧化を図るのに適する。上述のようにストッパ部が機能することによって、固定電極とは反対側への可動電極膜の過度な湾曲が防止される本可変キャパシタにおいては、可動電極膜を薄く設定しやすいからである。上述の従来の可変キャパシタYでは、可動電極43(可動電極膜)を薄く設定するほど、当該可動電極43は、内部応力の解放や温度変化に起因して湾曲しやすい。これに対し、本発明の第1の側面に係る可変キャパシタでは、可動電極膜の厚さに拘らず、固定電極とは反対側への可動電極膜の湾曲は一定以内に抑えられる。そのため、第1の側面に係る可変キャパシタでは、可動電極膜を薄く設定しやすい。可動電極膜が薄いほど、即ち可動電極膜の質量が小さいほど、可動電極膜を変位させるために固定電極と可動電極膜との間に印加すべき駆動電圧は小さい傾向にある。したがって、本可変キャパシタでは、駆動電圧を低減しやすい。
以上のように、本発明の第1の側面に係る可変キャパシタは、安定した初期静電容量値を実現するのに適し、且つ、低駆動電圧化を図るのに適するのである。
本発明の第1の側面に係る可変キャパシタは、好ましくは、固定電極における可動電極膜側に設けられた誘電体膜を更に備える。このような構成によると、固定電極および可動電極膜が直接に接触して当該固定電極および可動電極膜が短絡することを、適切に防止することができる。
好ましくは、可動電極膜は、当該可動電極膜の厚さ方向に当該可動電極膜を貫通する貫通孔を有し、ストッパ部は、可動電極膜の貫通孔に対応する位置にて当該ストッパ部を貫通する貫通孔を有する。このような構成によると、第1の側面に係る可変キャパシタの製造過程において、固定電極および可動電極膜の間の犠牲膜、並びに、可動電極膜およびストッパ部の間の犠牲膜を、例えばウエットエッチングによって、一括して除去しやすい。
好ましくは、ストッパ部は可動電極膜よりも厚い。ストッパ部が厚いほどストッパ部自体が変形ないし湾曲しにくいので、このような構成は、可動電極膜が固定電極とは反対の側に過度に湾曲するのを防止するのに好適である。
本発明の第2の側面によると別の可変キャパシタが提供される。この可変キャパシタは、相対向する第1可動電極膜および第2可動電極膜と、第1可動電極膜における第2可動電極膜側に設けられた誘電体膜と、第1可動電極膜とは反対の側において第2可動電極膜に対向し、ストッパ部を厚さ方向に貫通する貫通孔を有するストッパ部とを備える。
このような構成を有する可変キャパシタにおいては、第1可動電極膜および第2可動電極膜の間に電圧を加えることにより、当該第1および第2可動電極膜の間に静電引力を発生させることができ、当該静電引力を利用して、両可動電極膜を互いに接近させて両可動電極膜間のギャップの体積を変化させることができる。当該ギャップ体積に応じて、本可変キャパシタの静電容量、ないし、第1および第2可動電極膜の間の静電容量は、変化する。したがって、本可変キャパシタでは、第1および第2可動電極膜の間に加える駆動電圧を制御することにより、静電容量を制御することができる。
本可変キャパシタにおいては、第1可動電極膜とは反対の側において第2可動電極膜に対向するストッパ部を第2可動電極膜に対して充分に近接して配置することによって、内部応力の解放や温度変化に起因して第2可動電極膜が第1可動電極膜とは反対の側に過度に湾曲するのを、防止することができる。第1可動電極膜とは反対の側に第2可動電極膜が一定程度に湾曲した場合、ストッパ部が、当該第2可動電極膜に当接することによって第2可動電極膜の更なる湾曲を抑制するように機能するからである。一方、第1可動電極膜における第2可動電極膜側に設けられている誘電体膜は、第1および第2可動電極膜間の短絡を防止する機能に加え、第1可動電極膜が内部応力の解放や温度変化に起因して湾曲することを抑制する機能をも有する。そして、初期状態における第1可動電極膜と第2可動電極膜との間のギャップの体積に応じて本可変キャパシタの初期静電容量値が決定されるところ、第1可動電極膜とは反対側への第2可動電極膜の過度な湾曲が防止される本可変キャパシタにおいては、初期静電容量値が過度に小さくなることを回避しやすい。このように、本可変キャパシタは、安定した初期静電容量値を実現するのに適する。このような可変キャパシタは、歩留まりよく製造するうえで好適であり、また、精度よく駆動するうえで好適である。
加えて、本可変キャパシタは低駆動電圧化を図るのに適する。上述のようにストッパ部が機能することによって、第1可動電極膜とは反対側への第2可動電極膜の過度な湾曲が防止される本可変キャパシタにおいては、第2可動電極膜を薄く設定しやすいからである。第2可動電極膜が薄いほど、即ち第2可動電極膜の質量が小さいほど、第2可動電極膜を変位させるために第1可動電極膜と第2可動電極膜との間に印加すべき駆動電圧は小さい傾向にある。
以上のように、本発明の第2の側面に係る可変キャパシタは、安定した初期静電容量値を実現するのに適し、且つ、低駆動電圧化を図るのに適するのである。
本発明の第2の側面において、好ましくは、第2可動電極膜は、当該第2可動電極膜の厚さ方向に当該第2可動電極膜を貫通する貫通孔を有し、ストッパ部は、第2可動電極膜の貫通孔に対応する位置にて当該ストッパ部を貫通する貫通孔を有する。このような構成によると、第2の側面に係る可変キャパシタの製造過程において、第1および第2可動電極膜の間の犠牲膜、並びに、第2可動電極膜およびストッパ部の間の犠牲膜を、例えばウエットエッチングやドライエッチングによって、一括して除去しやすい。
好ましくは、ストッパ部は第2可動電極膜よりも厚い。ストッパ部が厚いほどストッパ部自体が変形ないし湾曲しにくいので、このような構成は、第2可動電極膜が第1可動電極膜とは反対の側に過度に湾曲するのを防止するうえで好適である。
本発明の第1および第2の側面において、好ましくは、ストッパ部は絶縁材料よりなる。絶縁材料は金属材料よりも熱膨張率が小さい傾向にあるので、このような構成は、本発明の第1の側面においては、温度変化に起因して可動電極膜が固定電極とは反対の側に過度に湾曲するのを防止するのに好適であり、本発明の第2の側面においては、温度変化に起因して第2可動電極膜が第1可動電極膜とは反対の側に過度に湾曲するのを防止するうえで好適である。ストッパ部の構成材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、および炭化シリコンが挙げられる。
本発明の第3の側面によると可変キャパシタ製造方法が提供される。この方法は、第1電極形成工程と、第1犠牲膜形成工程と、第2電極形成工程と、第2犠牲膜形成工程と、ストッパ部形成工程と、犠牲膜除去工程とを含む。第1電極形成工程では、基材上に第1電極を形成する。第1犠牲膜形成工程では、第1電極の上位に第1犠牲膜を形成する。第2電極形成工程では、第1犠牲膜上に第2電極を形成する。第2犠牲膜形成工程では、第2電極上に第2犠牲膜を形成する。ストッパ部形成工程では、第2犠牲膜上にストッパ部を厚さ方向に貫通する貫通孔を有するストッパ部を形成する。犠牲膜除去工程では、第1および第2犠牲膜を除去する。このような方法によると、本発明の第1および第2の側面に係る可変キャパシタを適切に製造することができる。
本発明の第3の側面に係る方法は、好ましくは、第1電極形成工程の後に第1電極上に誘電体膜を形成する誘電体膜形成工程を含み、第1犠牲膜形成工程では、誘電体膜形成工程の後に誘電体膜上に第1犠牲膜を形成する。このような構成は、製造される可変キャパシタにおいて、第1電極および第2電極が直接に接触して当該第1および第2電極が短絡することを防止するうえで、好適である。
好ましくは、第2電極は、当該第2電極の厚さ方向に当該第2電極を貫通する貫通孔を有し、ストッパ部は、第2電極の貫通孔に対応する位置にて当該ストッパ部を貫通する貫通孔を有する。このような構成によると、第1および第2電極の間の第1犠牲膜、並びに、第2電極およびストッパ部の間の第2犠牲膜を、例えばウエットエッチングやドライエッチングによって、一括して除去しやすい。
図1から図5は、本発明の第1の実施形態に係る可変キャパシタX1を表す。図1は、可変キャパシタX1の平面図である。図2は、可変キャパシタX1の一部省略平面図である。図3および図4は、各々、図1の線III−IIIおよび線IV−IVに沿った断面図である。図5は、図1の線V−Vに沿った部分拡大断面図である。
可変キャパシタX1は、基板11と、固定電極12と、可動電極13(図2では省略)と、一対の支持部14(図2では省略)と、誘電体膜15と、パッド膜16(図2では省略)と、ストッパ部17(図2では省略)とを備える。
基板11は例えばガラスまたは石英よりなる。固定電極12は、基板11上に設けられたものである。固定電極12の厚さは例えば0.5〜2μmである。可動電極13は、図3によく表れているように、基板11上に立設された一対の支持部14を架橋するように設けられたものである。可動電極13の厚さは例えば0.5〜2μmである。また、可動電極13は、可動電極13の厚さ方向に可動電極13を貫通する複数の貫通孔13aを有する。固定電極12および可動電極13は、図1によく表れているように交差し、部分的に対向する。対向面積は例えば10000〜40000μm2である。固定電極12および可動電極13の間の図5に示す距離L1は、例えば0.5〜2μmである。好ましくは、固定電極12および可動電極13の一方はグラウンド接続されている。このような固定電極12および可動電極13は、例えばAlやCuなどの導電材料よりなる。
誘電体膜15は、固定電極12における可動電極13の側に設けられたものである。誘電体膜15の厚さは例えば0.1〜0.5μmである。誘電体膜15の存在により、固定電極12および可動電極13が直接に接触して短絡するのを適切に防止することができる。このような誘電体膜15は、例えば、アルミナ、酸化シリコン、および窒化シリコンなどの誘電体材料よりなる。
パッド膜16は、図1および図4に示すように、可動電極13上および基板11上にわたって設けられたものである。パッド膜16の厚さは例えば0.5〜1μmである。このようなパッド膜16は、例えばAuよりなる。
ストッパ部17は、固定電極12とは反対の側への可動電極13の過度の湾曲を防止するためのものであり、固定電極12とは反対の側において可動電極13に対向する。また、ストッパ部17は複数の貫通孔17aを有する。各貫通孔17aは、可動電極13の貫通孔13aに対応する位置に設けられている。ストッパ部17の厚さは例えば1〜3μmであり、好ましくは、ストッパ部17は可動電極13よりも厚い。このようなストッパ部17は、好ましくは絶縁材料よりなり、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、または炭化シリコンよりなる。
また、基板11上には、固定電極12と電気的に接続する配線パターン(図示略)、および、パッド膜16を介して可動電極13と電気的に接続する配線パターン(図示略)が、形成されている。
図6から図12は、可変キャパシタX1の製造方法を、加工が施されるウエハにおける単一の可変キャパシタ形成区画に含まれる図3に対応する断面の変化として表す。本方法は、いわゆるMEMS技術を利用して可変キャパシタX1を製造する方法である。
可変キャパシタX1の製造においては、まず、図6(a)に示すように、ウエハ11’上に導体膜21を積層形成する。導体膜21の形成においては、固定電極12の上述の構成材料を例えばスパッタリング法によってウエハ11’上に成膜する。次に、図6(b)に示すように、導体膜21上にレジストパターン22を形成する。レジストパターン22は、固定電極12および支持部14に対応するパターン形状を有する。レジストパターン22の形成においては、導体膜21上に液状のフォトレジストをスピンコーティングにより成膜した後、露光処理およびその後の現像処理を経て当該フォトレジスト膜をパターニングする。後出のレジストパターンについても、フォトレジストの成膜ならびにその後の露光処理および現象処理を経て、形成することができる。次に、図6(c)に示すように、レジストパターン22をマスクとして利用して、導体膜21に対してエッチング処理を施す。エッチング手法としては、例えばドライエッチングを採用することができる。本工程にて、固定電極12がパターン形成される。また、本工程にて、各支持部14の一部が形成される。次に、図6(d)に示すように犠牲膜23を形成する。犠牲膜23の形成においては、例えばスパッタリング法により、犠牲膜材料を固定電極12と同じ高さまでウエハ11’上に成膜する(レジストパターン22上にも犠牲膜23は形成される)。犠牲膜23および後出の犠牲膜の構成材料としては、例えば、シリコン、酸化膜、またはレジストを採用することができる。次に、図6(e)に示すようにレジストパターン22を除去する(これにより、レジストパターン22上の犠牲膜23も共に除去される)。所定の剥離液を作用させることによって、レジストパターン22を除去することができる。
次に、図7(a)に示すように、例えばスパッタリング法によって犠牲膜24を形成する。犠牲膜24の厚さは、上述の誘電体膜15の厚さに相当する。次に、図7(b)に示すように、犠牲膜24上にレジストパターン25を形成する。レジストパターン25は、誘電体膜15のパターン形状に対応する開口部25aを有する。次に、図7(c)に示すように、レジストパターン25をマスクとして利用して、犠牲膜24に対してエッチング処理を施す。エッチング手法としては、例えばドライエッチングを採用することができる。次に、図7(d)に示すように、例えばスパッタリング法で誘電体材料を犠牲膜24と同じ高さまで堆積させることによって、誘電体膜26を形成する(レジストパターン25上にも誘電体膜26は形成される)。
次に、図8(a)に示すようにレジストパターン25を除去する(これにより、レジストパターン25上の誘電体膜26も共に除去される)。本工程にて、誘電体膜15が残存形成される。次に、図8(b)に示すように、例えばスパッタリング法によって犠牲膜27を形成する。次に、図8(c)に示すように、犠牲膜27上にレジストパターン28を形成する。レジストパターン28は、支持部14のパターン形状に対応した開口部28aを有する。次に、図8(d)に示すように、レジストパターン28をマスクとして利用して、犠牲膜27および犠牲膜24に対してエッチング処理を施す。エッチング手法としては、例えばドライエッチングを採用することができる。
次に、図9(a)に示すように金属膜29を形成する。金属膜29の形成においては、例えばスパッタリング法により、犠牲膜27と同じ高さまで所定の金属材料を堆積させる(レジストパターン28上にも金属膜29は形成される)。次に、図9(b)に示すようにレジストパターン28を除去する(これにより、レジストパターン28上の金属膜29も共に除去される)。本工程にて、各支持部14の一部が残存形成される。次に、図9(c)に示すようにレジストパターン30を形成する。レジストパターン30は、貫通孔13aを伴った上述の可動電極13のパターン形状に対応して、開口部30aを有する。次に、図9(d)に示すように、例えばスパッタリング法によって導体膜31を形成する(レジストパターン30上にも導体膜31は形成される)。導体膜31は、可動電極13の上述の構成材料よりなる。導体膜31の厚さは、可動電極13の厚さに相当する。
次に、図10(a)に示すようにレジストパターン30を除去する(これにより、レジストパターン30上の導体膜31も共に除去される)。本工程にて、可動電極13が残存形成される。次に、図10(b)に示すようにレジストパターン32を形成する。レジストパターン32は、上述のパッド膜16のパターン形状に対応する開口部32aを有する。次に、図10(c)に示すように、例えばスパッタリング法によって導体膜33を形成する(レジストパターン32上にも導体膜33は形成される)。導体膜33は、パッド膜16の上述の構成材料よりなる。導体膜33の厚さは、パッド膜16の厚さに相当する。次に、図10(d)に示すようにレジストパターン32を除去する(これにより、レジストパターン32上の導体膜33も共に除去される)。本工程にて、パッド膜16が残存形成される。
次に、図11(a)に示すようにレジストパターン34を形成する。レジストパターン34は、パッド膜16に対応するパターン形状を有する。次に、図11(b)に示すように犠牲膜35を形成する(レジストパターン34上にも犠牲膜35は形成される)。具体的には、例えばスパッタリング法により、図11(b)においてパッド膜16と同じ高さまで犠牲膜材料を堆積させる。次に、図11(c)に示すようにレジストパターン34を除去する(これにより、レジストパターン34上の犠牲膜35も共に除去される)。次に、図11(d)に示すように、例えばスパッタリング法によって絶縁膜36を形成する。絶縁膜36は、ストッパ部17の上述の構成材料よりなる。絶縁膜36の厚さは、上述のストッパ部17の厚さに相当する。
次に、図12(a)に示すようにレジストパターン37を形成する。レジストパターン37は、貫通孔17aを伴うストッパ部17に対応するパターン形状を有する。次に、図12(b)に示すように、レジストパターン37をマスクとして利用して、絶縁膜36に対してエッチング処理を施す。エッチング手法としては、例えばドライエッチングを採用することができる。本工程にて、ストッパ部17が形成される。次に、図12(c)に示すようにレジストパターン37を除去する。次に、図12(d)に示すように、犠牲膜23,24,27,35を除去する。除去手法としては、例えばウエットエッチングやドライエッチングを採用することができる。
この後、ウエハ11’を切断して可変キャパシタX1を個片化する。以上のようにして、可変キャパシタX1を製造することができる。
以上のようにして製造される可変キャパシタX1においては、固定電極12および可動電極13の間に電圧を加えることにより、固定電極12および可動電極13の間に静電引力を発生させることができ、当該静電引力を利用して可動電極13を固定電極12に向けて引き込こみ、固定電極12および可動電極13の間のギャップの体積を変化させることができる。当該ギャップ体積に応じて、可変キャパシタX1の静電容量、ないし、固定電極12および可動電極13の間の静電容量は、変化する。したがって、可変キャパシタX1では、固定電極12および可動電極13の間に加える駆動電圧を制御することにより、静電容量を制御することができる。
可変キャパシタX1の製造過程では、パターン形成される可動電極13に内部応力が生じる。この内部応力は、図12(d)を参照して上述した工程を経て可動電極13が部分的にリリースされると解放される。このような内部応力の解放は、可動電極13の湾曲の一要因となる。また、温度変化(例えば、デバイス実装時のリフローや信頼性検査を経ることによる温度変化)も可動電極13の湾曲の一要因である。
しかしながら、可変キャパシタX1においては、固定電極12とは反対の側において可動電極13に対向するストッパ部17を可動電極13に対して充分に近接して配置することによって、内部応力の解放や温度変化に起因して可動電極13が固定電極12とは反対の側に過度に湾曲するのを、防止することができる。固定電極12とは反対の側に可動電極13が一定程度に湾曲した場合、ストッパ部17が、図13に示すように可動電極13に当接することによって可動電極13の更なる湾曲を抑制するように機能するからである。そして、初期状態における固定電極12と可動電極13との間のギャップの体積に応じて可変キャパシタX1の初期静電容量値が決定されるところ、固定電極12とは反対側への可動電極13の過度な湾曲が防止される可変キャパシタX1においては、初期静電容量値が過度に小さくなることを回避しやすい。このように、可変キャパシタX1は、安定した初期静電容量値を実現するのに適する。このような可変キャパシタX1は、歩留まりよく製造するうえで好適であり、また、精度よく駆動するうえで好適である。
加えて、可変キャパシタX1は低駆動電圧化を図るのに適する。上述のようにストッパ部17が機能することによって、固定電極12とは反対側への可動電極13の過度な湾曲が防止される可変キャパシタX1においては、可動電極13を薄く設定しやすいからである。上述の従来の可変キャパシタYでは、可動電極43を薄く設定するほど、可動電極43は、内部応力の解放や温度変化に起因して湾曲しやすい。これに対し、可変キャパシタX1では、可動電極13の厚さに拘らず、固定電極12とは反対側への可動電極13の湾曲は一定以内に抑えられる。そのため、可変キャパシタX1では、可動電極13を薄く設定しやすい。可動電極13が薄いほど、即ち可動電極13の質量が小さいほど、可動電極13を変位させるために固定電極12と可動電極13との間に印加すべき駆動電圧は小さい傾向にある。したがって、可変キャパシタX1では、駆動電圧を低減しやすい。
以上のように、可変キャパシタX1は、安定した初期静電容量値を実現するのに適し、且つ、低駆動電圧化を図るのに適する。
可変キャパシタX1においては、上述のように、可動電極13は、可動電極13を貫通する複数の貫通孔13aを有し、且つ、ストッパ部17は、各々が可動電極13の貫通孔13aに対応する位置にてストッパ部17を貫通する複数の貫通孔17aを有する。このような構成によると、例えば犠牲膜23,24,27,35の構成材料として同一のものを採用した場合、図12(d)を参照して上述した工程において、ウエットエッチングまたはドライエッチングによって犠牲膜23,24,27,35を一括して除去しやすい。エッチング液またはエッチングガスが貫通孔17aを通過して犠牲膜35に作用しやすいとともに、エッチング液またはエッチングガスが貫通孔13a,17aを通過して犠牲膜23,24,27に作用しやすいからである。
可変キャパシタX1においては、上述のように、好ましくはストッパ部17は可動電極13よりも厚い。ストッパ部17が厚いほどストッパ部17自体が変形ないし湾曲しにくいので、ストッパ部17が可動電極13よりも厚いという構成は、可動電極13が固定電極12とは反対の側に過度に湾曲するのを防止するうえで好適である。
可変キャパシタX1においては、上述のように、好ましくはストッパ部17は絶縁材料よりなる。絶縁材料は金属材料よりも熱膨張率が小さい傾向にあるので、ストッパ部17が絶縁材料よりなるという構成は、温度変化に起因して可動電極13が固定電極12とは反対の側に過度に湾曲するのを防止するうえで好適である。
可変キャパシタX1においては、例えば初期状態(非駆動時)における固定電極12と可動電極13との間の距離が充分に大きい場合、誘電体膜15を設けなくてもよい。誘電体膜15を設けない場合、可変キャパシタX1の上述の製造方法において、図7(a)から図8(a)に示す一連の工程を行わない。すなわち、誘電体膜15を設けない場合、図6(d)を参照して上述した工程の後に、図8(b)を参照して上述した犠牲膜27の形成工程を行う。
図14から図17は、本発明の第2の実施形態に係る可変キャパシタX2を表す。図14は、可変キャパシタX2の平面図である。図15は、可変キャパシタX2の一部省略平面図である。図16は、図14の線XVI−XVIに沿った断面図である。図17は、図14の線XVII−XVIIに沿った部分拡大断面図である。
可変キャパシタX2は、基板18と、可動電極19と、可動電極13(図15では省略)と、一対の支持部14(図15では省略)と、誘電体膜15と、パッド膜16(図15では省略)と、ストッパ部17(図15では省略)とを備える。可変キャパシタX2は、基板11に代えて基板18を備える点、および、固定電極12に代えて可動電極19を備える点において、可変キャパシタX1と異なる。可変キャパシタX2の他の構成については、可変キャパシタX1と同様である。
基板18は、例えばガラスまたは石英よりなり、凹部18aを有する。可動電極19は、両端が基板18に接合し且つ凹部18aの上方を延びるように設けられたものである。可動電極19の厚さは例えば0.5〜2μmである。このような可動電極19は、例えばAlやCuなどの導電材料よりなる。可動電極13,19は、図14によく表れているように、凹部18a上にて交差し、部分的に対向する。対向面積は例えば10000〜40000μm2である。可動電極13,19の間の図17に示す距離L2は、例えば0.5〜2μmである。好ましくは、可動電極13,19の一方はグラウンド接続されている。
図18は、可変キャパシタX2の製造方法の一部を、加工が施されるウエハにおける単一の可変キャパシタ形成区画に含まれる図16に対応する断面の変化として表す。本方法は、いわゆるMEMS技術を利用して可変キャパシタX2を製造する方法である。
可変キャパシタX2の製造においては、まず、図18(a)に示すように、各可変キャパシタ形成区画に凹部18aを有するウエハ18’を用意する。例えば、所定のレジストパターンをマスクとして利用して、所定のウエハに対して異方性ドライエッチング処理を施すことにより、各可変キャパシタ形成区画に凹部18aを有するウエハ18’を作製することができる。異方性ドライエッチングとしては、例えば反応性イオンエッチング(RIE)を採用することができる。
次に、図18(b)に示すように、ウエハ18’の凹部18aに犠牲膜38を形成する。具体的には、例えばスパッタリング法により、凹部18a内を含むウエハ18’上に充分量の犠牲材料を堆積させた後、凹部18a外に堆積した過剰の犠牲材料を研磨除去する。
次に、図18(c)に示すように、犠牲膜38が設けられたウエハ18’上に導体膜21を積層形成する。具体的には、可変キャパシタX1の製造方法における導体膜21の形成手法に関して図6(a)を参照して上述したのと同様である。
この後、可変キャパシタX1の製造方法に関して図6(b)から図12(c)を参照して上述したのと同様の一連の工程を経て、図18(d)に示す状態を得る(導体膜21からは、可動電極19および支持部14の一部がパターン形成される)。
次に、図18(e)に示すように、犠牲膜23,24,27,35,38を除去する。除去手法としては、ウエットエッチングやドライエッチングを採用することができる。
この後、ウエハ18’を切断して可変キャパシタX2を個片化する。以上のようにして、可変キャパシタX2を製造することができる。
以上のようにして製造される可変キャパシタX2においては、可動電極13,19間に電圧を加えることにより、可動電極13,19間に静電引力を発生させることができ、当該静電引力を利用して可動電極13,19を互いに接近させて可動電極13,19間のギャップの体積を変化させることができる。当該ギャップ体積に応じて、可変キャパシタX2の静電容量ないし可動電極13,19間の静電容量は変化する。したがって、可変キャパシタX2では、可動電極13,19間に加える駆動電圧を制御することにより、静電容量を制御することができる。
可変キャパシタX2の製造過程では、パターン形成される可動電極13に内部応力が生じる。この内部応力は、図18(e)を参照して上述した工程を経て可動電極13が部分的にリリースされると解放される。このような内部応力の解放は、可動電極13の湾曲の一要因となる。また、温度変化(例えば、デバイス実装時のリフローや信頼性検査を経ることによる温度変化)も可動電極13の湾曲の一要因である。
しかしながら、可変キャパシタX2においては、可動電極19とは反対の側において可動電極13に対向するストッパ部17を可動電極13に対して充分に近接して配置することによって、内部応力の解放や温度変化に起因して可動電極13が可動電極19とは反対の側に過度に湾曲するのを、防止することができる。可動電極19とは反対の側に可動電極13が一定程度に湾曲した場合、ストッパ部17が、図19に示すように可動電極13に当接することによって可動電極13の更なる湾曲を抑制するように機能するからである。一方、可動電極19における可動電極13側に設けられている誘電体膜15は、可動電極13,19間の短絡を防止する機能に加え、可動電極19が内部応力の解放や温度変化に起因して湾曲することを抑制する機能をも有する。そして、初期状態における可動電極13,19間のギャップの体積に応じて可変キャパシタX2の初期静電容量値が決定されるところ、可動電極19とは反対側への可動電極13の過度な湾曲が防止される可変キャパシタX2においては、初期静電容量値が過度に小さくなることを回避しやすい。このように、可変キャパシタX2は、安定した初期静電容量値を実現するのに適する。このような可変キャパシタX2は、歩留まりよく製造するうえで好適であり、また、精度よく駆動するうえで好適である。
加えて、可変キャパシタX2は低駆動電圧化を図るのに適する。上述のようにストッパ部17が機能することによって、可動電極19とは反対側への可動電極13の過度な湾曲が防止される可変キャパシタX2においては、可動電極13を薄く設定しやすいからである。可動電極13が薄いほど、即ち可動電極13の質量が小さいほど、可動電極13を変位させるために可動電極13,19間に印加すべき駆動電圧は小さい傾向にある。
以上のように、可変キャパシタX2は、安定した初期静電容量値を実現するのに適し、且つ、低駆動電圧化を図るのに適する。
可変キャパシタX2においては、上述のように、可動電極13は、可動電極13を貫通する複数の貫通孔13aを有し、且つ、ストッパ部17は、各々が可動電極13の貫通孔13aに対応する位置にてストッパ部17を貫通する複数の貫通孔17aを有する。このような構成によると、例えば犠牲膜23,24,27,35,38の構成材料として同一のものを採用した場合、図18(e)を参照して上述した工程において、ウエットエッチングまたはドライエッチングによって犠牲膜23,24,27,35,38を一括して除去しやすい。エッチング液またはエッチングガスが貫通孔17aを通過して犠牲膜35に作用しやすいとともに、エッチング液またはエッチングガスが貫通孔13a,17aを通過して犠牲膜23,24,27,38に作用しやすいからである。
可変キャパシタX2においては、可変キャパシタX1におけるのと同様に、好ましくはストッパ部17は可動電極13よりも厚い。上述のように、ストッパ部17が厚いほどストッパ部17自体が変形ないし湾曲しにくい。そのため、ストッパ部17が可動電極13よりも厚いという構成は、可動電極13が可動電極19とは反対の側に過度に湾曲するのを防止するうえで好適である。
可変キャパシタX2においては、可変キャパシタX1におけるのと同様に、好ましくはストッパ部17は絶縁材料よりなる。上述のように、絶縁材料は金属材料よりも熱膨張率が小さい傾向にある。そのため、ストッパ部17が絶縁材料よりなるという構成は、温度変化に起因して可動電極13が可動電極19とは反対の側に過度に湾曲するのを防止するうえで好適である。
また、可変キャパシタX2においては、可変キャパシタX1におけるのと同様に、例えば初期状態(非駆動時)における可動電極13,19間の距離が充分に大きい場合、誘電体膜15を設けなくてもよい。
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
(付記1)固定電極と、
前記固定電極に対向する可動電極膜と、
前記固定電極とは反対の側において前記可動電極膜に対向するストッパ部と、を備える可変キャパシタ。
(付記2)前記固定電極における前記可動電極膜側に設けられた誘電体膜を更に備える、付記1に記載の可変キャパシタ。
(付記3)前記可動電極膜は、当該可動電極膜の厚さ方向に当該可動電極膜を貫通する貫通孔を有し、前記ストッパ部は、前記可動電極膜の前記貫通孔に対応する位置にて当該ストッパ部を貫通する貫通孔を有する、付記1または2に記載の可変キャパシタ。
(付記4)前記ストッパ部は前記可動電極膜よりも厚い、請求項1から3のいずれか一つに記載の可変キャパシタ。
(付記5)相対向する第1可動電極膜および第2可動電極膜と、
前記第1可動電極膜における前記第2可動電極膜側に設けられた誘電体膜と、
前記第1可動電極膜とは反対の側において前記第2可動電極膜に対向するストッパ部と、を備える可変キャパシタ。
(付記6)前記第2可動電極膜は、当該第2可動電極膜の厚さ方向に当該第2可動電極膜を貫通する貫通孔を有し、前記ストッパ部は、前記第2可動電極膜の前記貫通孔に対応する位置にて当該ストッパ部を貫通する貫通孔を有する、付記5に記載の可変キャパシタ。
(付記7)前記ストッパ部は前記第2可動電極膜よりも厚い、付記5または6に記載の可変キャパシタ。
(付記8)前記ストッパ部は絶縁材料よりなる、付記1から7のいずれか一つに記載の可変キャパシタ。
(付記9)前記絶縁材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、または炭化シリコンよりなる、付記8に記載の可変キャパシタ。
(付記10)基材上に第1電極を形成する第1電極形成工程と、
前記第1電極上に第1犠牲膜を形成する第1犠牲膜形成工程と、
前記第1犠牲膜上に第2電極を形成する第2電極形成工程と、
前記第2電極上に第2犠牲膜を形成する第2犠牲膜形成工程と、
前記第2犠牲膜上にストッパ部を形成するストッパ部形成工程と、
前記第1および第2犠牲膜を除去する犠牲膜除去工程と、を含む可変キャパシタ製造方法。
(付記11)前記第1電極形成工程の後に前記第1電極上に誘電体膜を形成する誘電体膜形成工程を含み、当該誘電体膜形成工程の後に前記誘電体膜上に前記第1犠牲膜を形成する前記第1犠牲膜形成工程を行う、付記10に記載の可変キャパシタ製造方法。
(付記12)前記第2電極は、当該第2電極の厚さ方向に当該第2電極を貫通する貫通孔を有し、前記ストッパ部は、前記第2電極の前記貫通孔に対応する位置にて当該ストッパ部を貫通する貫通孔を有する、付記10または11に記載の可変キャパシタ製造方法。
本発明の第1の実施形態に係る可変キャパシタの平面図である 本発明の第1の実施形態に係る可変キャパシタの一部省略平面図である。 図1の線III−IIIに沿った断面図である。 図1の線IV−IVに沿った断面図である。 図1の線V−Vに沿った部分拡大断面図である。 図1に示す可変キャパシタの製造方法における一部の工程を表す。 図6の後に続く工程を表す。 図7の後に続く工程を表す。 図8の後に続く工程を表す。 図9の後に続く工程を表す。 図10の後に続く工程を表す。 図11の後に続く工程を表す。 図1に示す可変キャパシタにおいてストッパ部が機能した場合を表す。 本発明の第2の実施形態に係る可変キャパシタの平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る可変キャパシタの一部省略平面図である。 図14の線XVI−XVIに沿った断面図である。 図14の線XVII−XVIIに沿った部分拡大断面図である。 図14に示す可変キャパシタの製造方法における一部の工程を表す。 図14に示す可変キャパシタにおいてストッパ部が機能した場合を表す。 従来の可変キャパシタの断面図である。 図20に示す従来の可変キャパシタの製造方法の一例を表す。 図20に示す従来の可変キャパシタにおいて可動電極が湾曲した場合を表す。
符号の説明
X1,X2,Y 可変キャパシタ
11,18,41 基板
11’,18’ ウエハ
12,42 固定電極
13,19,43 可動電極
13a,17a 貫通孔
14,44 支持部
15 誘電体膜
16 パッド膜
17 ストッパ部
23,24,27,35,38 犠牲膜

Claims (7)

  1. 固定電極と、
    前記固定電極に対向する可動電極膜と、
    前記固定電極とは反対の側において前記可動電極膜に対向し、ストッパ部を厚さ方向に貫通する貫通孔を有するストッパ部と、を備える可変キャパシタ。
  2. 前記固定電極における前記可動電極膜側に設けられた誘電体膜を更に備える、請求項1に記載の可変キャパシタ。
  3. 相対向する第1可動電極膜および第2可動電極膜と、
    前記第1可動電極膜における前記第2可動電極膜側に設けられた誘電体膜と、
    前記第1可動電極膜とは反対の側において前記第2可動電極膜に対向し、ストッパ部を厚さ方向に貫通する貫通孔を有するストッパ部と、を備える可変キャパシタ。
  4. 前記ストッパ部は絶縁材料よりなる、請求項1から3のいずれか一つに記載の可変キャパシタ。
  5. 基材上に第1電極を形成する第1電極形成工程と、
    前記第1電極の上位に第1犠牲膜を形成する第1犠牲膜形成工程と、
    前記第1犠牲膜上に第2電極を形成する第2電極形成工程と、
    前記第2電極上に第2犠牲膜を形成する第2犠牲膜形成工程と、
    前記第2犠牲膜上にストッパ部を厚さ方向に貫通する貫通孔を有するストッパ部を形成するストッパ部形成工程と、
    前記第1および第2犠牲膜を除去する犠牲膜除去工程と、を含む可変キャパシタ製造方法。
  6. 前記第1電極形成工程の後に前記第1電極上に誘電体膜を形成する誘電体膜形成工程を含み、当該誘電体膜形成工程の後に前記誘電体膜上に前記第1犠牲膜を形成する前記第1犠牲膜形成工程を行う、請求項5に記載の可変キャパシタ製造方法。
  7. 基材上に第1電極を形成する第1電極形成工程と、
    前記第1電極の上位に第1犠牲膜を形成する第1犠牲膜形成工程と、
    前記第1犠牲膜上に第2電極を形成する第2電極形成工程と、
    前記第2電極上に第2犠牲膜を形成する第2犠牲膜形成工程と、
    前記第2犠牲膜上にストッパ部を形成するストッパ部形成工程と、
    前記第1および第2犠牲膜を除去する犠牲膜除去工程と、を含み、
    前記第2電極は、当該第2電極の厚さ方向に当該第2電極を貫通する貫通孔を有し、前記ストッパ部は、前記第2電極の前記貫通孔に対応する位置にて当該ストッパ部を貫通する貫通孔を有する可変キャパシタ製造方法
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