JP5223793B2 - 可変キャパシタ - Google Patents

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本発明は、静電容量を変化させることが可能な可変キャパシタに関する。
携帯電話など無線通信機器の技術分野では、高機能を実現するために搭載される部品の増加などに伴い、高周波回路ないしRF回路の小型化に対する要求が高まっている。このような要求に応えるべく、回路を構成する様々な部品について、MEMS(micro-electromechanical systems)技術の利用による微小化が進められている。そのような部品の一つとして、可変キャパシタが知られている。可変キャパシタは、可変周波数発信器、同調増幅器、インピーダンス整合回路などにて重要な部品である。MEMS技術を利用して得られる可変キャパシタについては、例えば下記の特許文献1,2に記載されている。
特開2004−6588号公報 特開2004−127973号公報
MEMS技術を利用して作製される可変キャパシタは、一般に、相対向する固定電極および可動電極を有する。可動電極は、固定電極に対して進退動可能に設けられている。このような可変キャパシタにおいては、その静電容量を変化させるべく、固定電極と可動電極の間に印加される電圧が制御されて当該電極間に生ずる静電引力が調整されることによって、可動電極の位置ないし電極間ギャップが調節される。
また、このような可変キャパシタでは、固定電極に対して進退動可能な可動電極が固定電極に対して直接に接触するのを防止するために、固定電極における可動電極側表面に例えば、誘電体膜が設けられる場合がある(両電極が直接に接触すると、電極間が短絡してしまう)。可変な静電容量の制御において固定電極表面の誘電体膜に可動電極が意図的に接触させられる可変キャパシタもあれば、静電容量制御に際して固定電極表面の誘電体膜に可動電極が不意に接触し得る可変キャパシタもある。
固定電極および可動電極の間に電圧が印加された状態で、可動電極と固定電極表面の誘電体膜とが接触すると、当該可動電極および誘電体膜の間で電荷が移動する場合がある。具体的には、可動電極が正電位となるように固定電極および可動電極の間に電圧が印加された状態で、可動電極と固定電極表面の誘電体膜とが接触すると、当該可動電極および誘電体膜の接触界面にて、誘電体膜から可動電極へと電子(負電荷)が移動し、誘電体膜には正孔(正電荷)が生じる場合がある。固定電極が正電位となるように固定電極および可動電極の間に電圧が印加された状態で、可動電極と固定電極表面の誘電体膜とが接触すると、当該可動電極および誘電体膜の接触界面にて、可動電極から誘電体膜へと電子(負電荷)が移動する場合がある。そのため、可動電極と固定電極表面の誘電体膜との接触が繰り返されると、これら電荷移動に起因して、当該誘電体膜が有意に帯電する傾向がある。
可動電極および固定電極の間に印加される電圧が同じであっても、誘電体膜の帯電の有無および程度に応じて、可変キャパシタの電極間に形成される正味の電場の大きさが変動するので、可動電極についてその初期位置から動作を開始させるために電極間に印加する必要のある最小駆動電圧は変動する。また、当該可変キャパシタないしその可動電極の駆動における静電容量と駆動電圧(所定の静電容量ないし電極間ギャップを得るために電極間に加えるべき電圧)の関係も、誘電体膜の帯電の有無および程度に応じて、変動する。このように、誘電体膜の帯電の有無および程度に応じて、駆動電圧特性は変動する。固定電極表面の誘電体膜に代えて、或は、固定電極表面の誘電体膜と共に、可動電極における固定電極側表面に誘電体膜が設けられている場合であっても、同様に、誘電体膜の帯電の有無および程度に応じて、駆動電圧特性は変動し得る。従来の技術における、電極間ギャップの制御によって静電容量が制御されるタイプの可変キャパシタでは、駆動電圧特性の変動の程度は比較的大きい。加えて、可変キャパシタの静電容量については、大きな可変率を実現することが要求される場合が多い。
本発明は、以上のような事情の下で考え出されたものであり、駆動電圧特性の変動を抑制するのに適し且つ静電容量について大きな可変率を実現するのに適した可変キャパシタを提供することを、目的とする。
本発明の第1の側面により提供される可変キャパシタは、第1対向面を有するキャパシタ電極と、第1対向面に対向する第2対向面を有し、且つ、キャパシタ電極の側に又はキャパシタ電極とは反対の側に突き出るように湾曲している部位を有する、可動キャパシタ電極膜と、第1対向面上または第2対向面上に設けられた誘電体パターンとを備える。誘電体パターンは、第1または第2対向面上にてパターン形成されたものであり、例えば、第1または第2対向面上にて相互に離隔する複数の誘電体アイランドからなる。第1または第2対向面上の誘電体パターンの輪郭の全長の、当該誘電体パターンの単位面積あたりの長さは、第1または第2対向面上全体にわたって例えば矩形状の誘電体膜が仮に設けられた場合における当該誘電体膜の輪郭の全長の、当該誘電体膜の単位面積あたりの長さよりも、大きい。すなわち、第1または第2対向面上における誘電体パターンの輪郭の全長は比較的に長い。このような誘電体パターンは、本可変キャパシタにおいてキャパシタ電極と可動キャパシタ電極膜との間が短絡するのを防止するためのものであり、短絡防止機能を発揮できるようなパターン形状(例えば、誘電体パターンが設けられた第1または第2対向面を過度に広く露出させないパターン形状)を有する。
本可変キャパシタの可動キャパシタ電極膜は上述のように湾曲しているため、キャパシタ電極と可動キャパシタ電極膜の間に電圧が印加されておらず両電極が初期位置にある状態(第1状態)では、キャパシタ電極の第1対向面と可動キャパシタ電極膜の第2対向面との間の距離は、当該対向面間全体にわたって一様、ではない。このような初期状態において、キャパシタ電極ないし第1対向面と、可動キャパシタ電極膜ないし第2対向面との間のギャップは、最大の体積を有する。
本可変キャパシタにおいて、電極間に所定以上の電圧を印加すると、電極間に発生する静電引力の作用により、キャパシタ電極の第1対向面と可動キャパシタ電極膜の第2対向面とを、第1または第2対向面上の誘電体パターンを介して最も接近した状態(第2状態)に至らせることができる。このとき、キャパシタ電極と可動キャパシタ電極膜が直接に接触するのを誘電体パターンが阻む。この状態において、キャパシタ電極ないし第1対向面と、可動キャパシタ電極膜ないし第2対向面との間のギャップは、最小の体積を有する。
本可変キャパシタが上述の第1状態から第2状態に至るまで、本可変キャパシタの電極間に印加する電圧を次第に増大すると、湾曲構造を有する可動キャパシタ電極膜はキャパシタ電極に引き込まれ、キャパシタ電極と可動キャパシタ電極膜とは、誘電体パターンを介して部分的に当接し(即ち、キャパシタ電極の一部と可動キャパシタ電極膜の一部とは、誘電体パターンを介して最も接近した状態に至り)、キャパシタ電極および可動キャパシタ電極膜において、当該部分的当接箇所の近傍から順次、電極間距離が最小である状態に至り、最終的には、キャパシタ電極の第1対向面と可動キャパシタ電極膜の第2対向面との間の全体にわたって電極間距離が最小となる。このように、本可変キャパシタでは、電極間に印加する駆動電圧を調節することによって、電極間のギャップ体積が最大である第1状態とギャップ体積が最小である第2状態の間で、当該ギャップ体積を連続的に大きく変化させることができる。したがって、本可変キャパシタによると、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができるのである。
加えて、本可変キャパシタにおいて第1または第2対向面上に設けられている誘電体パターンは、帯電しにくい傾向にある。導体表面に設けられた誘電体膜を、所定条件下で当該誘電体膜に導体部材等を接触させることによって、帯電させた場合(即ち、外部から誘電体膜へのいわゆる電荷移動によって当該誘電体膜を帯電させた場合)、導体表面における誘電体膜の輪郭の全長の、当該誘電体膜の単位面積あたりの長さが大きいほど、当該帯電の程度が緩和される傾向にあることを、本発明者らは見出した。いわゆる電荷移動によって誘電体膜が帯電した場合、電荷(電子,正孔)は誘電体膜の露出面近傍に偏在するところ、誘電体膜の輪郭の全長の、当該誘電体膜の単位面積あたりの長さが大きいほど、誘電体膜露出面近傍から、当該露出面と接する導体表面へと、電荷が逃げる量が多いと思われる。この点が、帯電緩和傾向の理由として考えられる。
本可変キャパシタにおいては、上述のように、第1または第2対向面上において所定のパターン形状を有する誘電体パターンの輪郭の全長は比較的に長い(即ち、誘電体パターンの輪郭の全長の、当該誘電体パターンの単位面積あたりの長さは、比較的に大きい)ため、当該誘電体パターンから第1または第2対向面へと電荷は逃げやすい。そのため、本可変キャパシタでは、いわゆる電荷移動に起因する誘電体パターンの帯電は抑制される。したがって、本可変キャパシタでは、可動キャパシタ電極膜についてその初期位置から動作を開始させるために当該可動キャパシタ電極膜とキャパシタ電極の間に印加する必要のある最小駆動電圧が変動することは、抑制され、また、本可変キャパシタないし可動キャパシタ電極膜の駆動における静電容量と駆動電圧(所定の静電容量ないし電極間ギャップ体積を得るために電極間に加えるべき電圧)の関係が変動することも、抑制される。このように、本可変キャパシタにおいては、駆動電圧特性の変動は抑制される。
以上のように、本発明の第1の側面に係る可変キャパシタは、駆動電圧特性の変動を抑制するのに適し、且つ、静電容量について大きな可変率を実現するのに適する。
本発明の第2の側面により提供される可変キャパシタは、第1対向面を有するキャパシタ電極と、第1対向面に対向する第2対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、キャパシタ電極に対して可動キャパシタ電極膜を部分的に固定するためのアンカー部と、第1対向面上または第2対向面上に設けられた誘電体パターンとを備える。この誘電体パターンは、第1の側面に係る可変キャパシタの誘電体パターンと同様に、キャパシタ電極と可動キャパシタ電極膜との間が短絡するのを防止するためのものであって短絡防止機能を発揮できるようなパターン形状を有し、且つ、輪郭の全長が比較的に長い。
本可変キャパシタにおいて、キャパシタ電極と可動キャパシタ電極膜の間に電圧が印加されておらず両電極が初期位置にある状態(第1状態)では、キャパシタ電極ないし第1対向面と、可動キャパシタ電極膜ないし第2対向面との間のギャップは、最大の体積を有する。
本可変キャパシタにおいて、電極間に所定以上の電圧を印加すると、電極間に発生する静電引力の作用により、キャパシタ電極の第1対向面の一部の領域(例えば大部分の領域)と可動キャパシタ電極膜の第2対向面の一部の領域(例えば大部分の領域)とを、第1または第2対向面上の誘電体パターンを介して最も接近した状態(第2状態)に至らせることができる(キャパシタ電極ないし第1対向面および可動キャパシタ電極膜ないし第2対応面においてアンカー部により相互に固定された部分どうしは接近しない)。このとき、キャパシタ電極と可動キャパシタ電極膜が直接に接触するのを誘電体パターンが阻む。この状態において、キャパシタ電極ないし第1対向面と、可動キャパシタ電極膜ないし第2対向面との間のギャップは、最小の体積を有する。
本可変キャパシタが上述の第1状態から第2状態に至るまで、本可変キャパシタの電極間に印加する電圧を次第に増大すると、可動キャパシタ電極膜においてアンカー部によってキャパシタ電極に固定されている部分(固定部分)を除き、可動キャパシタ電極膜はキャパシタ電極に引き込まれ(キャパシタ電極に可動キャパシタ電極膜が引き込まれる量ないし距離は、可動キャパシタ電極膜の全体にわたって一様、ではない)、キャパシタ電極と可動キャパシタ電極膜とは、誘電体パターンを介して部分的に当接し、キャパシタ電極および可動キャパシタ電極膜において、当該部分的当接箇所の近傍から順次、電極間距離が最小である状態に至り、最終的には、キャパシタ電極の第1対向面の一部の領域(例えば大部分の領域)と可動キャパシタ電極膜の第2対向面の一部の領域(例えば大部分の領域)との間の全体にわたって電極間距離が最小となる。このように、本可変キャパシタでは、電極間のギャップ体積が最大である第1状態とギャップ体積が最小である第2状態の間で、当該ギャップ体積を連続的に大きく変化させることができる。したがって、本可変キャパシタによると、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができるのである。
また、本可変キャパシタにおいては、上述のように、第1または第2対向面上において所定のパターン形状を有する誘電体パターンの輪郭の全長は比較的に長い(即ち、誘電体パターンの輪郭の全長の、当該誘電体パターンの単位面積あたりの長さは、比較的に大きい)ため、当該誘電体パターンから第1または第2対向面へと電荷は逃げやすい。したがって、本可変キャパシタにおいては、第1の側面に係る可変キャパシタに関して上述したのと同様の理由で、駆動電圧特性の変動は抑制される。
以上のように、本発明の第2の側面に係る可変キャパシタは、駆動電圧特性の変動を抑制するのに適し、且つ、静電容量について大きな可変率を実現するのに適する。
加えて、本可変キャパシタにおいては、キャパシタ電極と可動キャパシタ電極膜の間がアンカー部により部分的に連結ないし接続されているため、非駆動時においても駆動時においても、温度変化に起因する各電極(特に可動キャパシタ電極膜)の意図的でない形状変化ないし湾曲が抑制されるので、温度変化に起因する電極間のギャップ体積の変動が抑制される。したがって、本可変キャパシタは、温度変化に起因する静電容量変動を抑制するのに適する。このような技術的利点については、下記の第4、6、および8の側面に係る可変キャパシタにおいても同様である。
本発明の第1および第2の側面に係る可変キャパシタにおいては、誘電体パターンの形状および/または粗密の調整によって、C(静電容量)−V(駆動電圧)特性を調整することができる。誘電体パターンは上述のように例えば複数の誘電体アイランドからなるところ、そのような誘電体パターンにおいて、密な部分から粗な部分へと変化する部位を設けることによって例えば、C−V特性を調整することができる
本発明の第1および第2の側面に係る可変キャパシタは、好ましくは、誘電体パターン上に導体層を備える。或は、第1および第2の側面に係る可変キャパシタは、誘電体パターンが設けられていない第1対向面または第2対向面の上に誘電体パターンを備えてもよい。当該誘電体パターンは、複数の誘電体アイランドからなるのが好ましい。導体と導体の間、および、誘電体と誘電体の間では、導体と誘電体の間よりも、いわゆる電荷移動は生じにくい傾向がある。
本発明の第3の側面により提供される可変キャパシタは、第1対向面を有するキャパシタ電極と、第1対向面に対向する第2対向面を有し、且つ、キャパシタ電極の側に又はキャパシタ電極とは反対の側に突き出るように湾曲している部位を有する、可動キャパシタ電極膜と、第1対向面上または第2対向面上に設けられた誘電体膜と、誘電体膜が設けられていない第1対向面または第2対向面の上に設けられた導体パターンとを備える。誘電体膜は、本可変キャパシタにおいてキャパシタ電極と可動キャパシタ電極膜との間が短絡するのを防止するためのものである。導体パターンは、第1または第2対向面上にてパターン形成されたものであり、例えば、第1または第2対向面上にて相互に離隔する複数の導体アイランドからなる。このような導体パターンにおける誘電体膜側表面の面積は、第1または第2対向面の面積より小さい。
本可変キャパシタは、第1の側面に係る可変キャパシタに関して上述したのと同様の態様で駆動することができ、従って、第1の側面に係る可変キャパシタと同様に、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができる。
本可変キャパシタでは、キャパシタ電極の第1対向面と可動キャパシタ電極膜の第2対向面との間の全体にわたって電極間距離が最小となる状態(第2状態)において、第1または第2対向面上の導体パターンが、第2または第1対向面上の誘電体膜に対して直接に接触する。導体パターンにおける誘電体膜側表面の面積が第1または第2対向面の面積より小さいという上述の構成は、例えばそのような第2状態において、誘電体膜に対して導体部材が接触することに起因して生じ得る電荷移動を抑制するのに資する。したがって、本可変キャパシタにおいては、いわゆる電荷移動に起因する誘電体膜の帯電は抑制され、駆動電圧特性の変動は抑制される。
このように、本発明の第3の側面に係る可変キャパシタは、駆動電圧特性の変動を抑制するのに適し、且つ、静電容量について大きな可変率を実現するのに適する。
本発明の第4の側面により提供される可変キャパシタは、第1対向面を有するキャパシタ電極と、第1対向面に対向する第2対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、第1対向面上または第2対向面上に設けられた誘電体膜と、キャパシタ電極に対して可動キャパシタ電極膜を部分的に固定するためのアンカー部と、誘電体膜が設けられていない第1対向面または第2対向面の上に設けられた導体パターンとを備える。誘電体膜は、本可変キャパシタにおいてキャパシタ電極と可動キャパシタ電極膜との間が短絡するのを防止するためのものである。導体パターンは、第1または第2対向面上にてパターン形成されたものである。このような導体パターンにおける誘電体膜側表面の面積は、第1または第2対向面の面積より小さい。
本可変キャパシタは、第2の側面に係る可変キャパシタに関して上述したのと同様の態様で駆動することができ、従って、第2の側面に係る可変キャパシタと同様に、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができる。
本可変キャパシタでは、キャパシタ電極の第1対向面の一部の領域(例えば大部分の領域)と可動キャパシタ電極膜の第2対向面の一部の領域(例えば大部分の領域)とが第1または第2対向面上の誘電体膜および導体パターンを介して最も接近した状態(第2状態)において、第1または第2対向面上の導体パターンが、第2または第1対向面上の誘電体膜に対して直接に接触する。したがって、本可変キャパシタにおいては、第3の側面に係る可変キャパシタに関して上述したのと同様の理由で、駆動電圧特性の変動は抑制される。
このように、本発明の第4の側面に係る可変キャパシタは、駆動電圧特性の変動を抑制するのに適し、且つ、静電容量について大きな可変率を実現するのに適する。
本発明の第5の側面により提供される可変キャパシタは、第1対向面を有するキャパシタ電極と、第1対向面に対向する第2対向面を有し、且つ、キャパシタ電極の側に又はキャパシタ電極とは反対の側に突き出るように湾曲している部位を有する、可動キャパシタ電極膜と、第1対向面上または第2対向面上に設けられた誘電体膜と、誘電体膜上に設けられた導体パターンとを備える。誘電体膜は、本可変キャパシタにおいてキャパシタ電極と可動キャパシタ電極膜との間が短絡するのを防止するためのものである。導体パターンは、誘電体膜上にてパターン形成されたものであり、例えば、誘電体膜上にて相互に離隔する複数の導体アイランドからなる。このような導体パターンが誘電体膜上にて占める面積は、誘電体膜自体の面積より小さい。
本可変キャパシタは、第1の側面に係る可変キャパシタに関して上述したのと同様の態様で駆動することができ、従って、第1の側面に係る可変キャパシタと同様に、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができる。
本可変キャパシタでは、キャパシタ電極の第1対向面と可動キャパシタ電極膜の第2対向面との間の全体にわたって電極間距離が最小となる状態(第2状態)において、誘電体膜上の導体パターンが、キャパシタ電極(第1対向面)または可動キャパシタ電極膜(第2対向面)に対して直接に接触する。導体どうしが接触する場合、いわゆる電荷移動は生じにくい傾向にある。加えて、導体パターンの面積が誘電体膜の面積より小さいという上述の構成は、例えばそのような第2状態において、キャパシタ電極または可動キャパシタ電極膜と導体パターンとが接触することに起因して生じ得る電荷移動を抑制するのに資する。そのため、本可変キャパシタでは、導体パターンから誘電体膜への電荷移動量が抑制される。したがって、本可変キャパシタにおいては、誘電体膜の帯電は抑制され、駆動電圧特性の変動は抑制される。
このように、本発明の第5の側面に係る可変キャパシタは、駆動電圧特性の変動を抑制するのに適し、且つ、静電容量について大きな可変率を実現するのに適する。
本発明の第6の側面により提供される可変キャパシタは、第1対向面を有するキャパシタ電極と、第1対向面に対向する第2対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、キャパシタ電極に対して可動キャパシタ電極膜を部分的に固定するためのアンカー部と、第1対向面上または第2対向面上に設けられた誘電体膜と、誘電体膜上に設けられた導体パターンとを備える。誘電体膜は、本可変キャパシタにおいてキャパシタ電極と可動キャパシタ電極膜との間が短絡するのを防止するためのものである。導体パターンは、誘電体膜上にてパターン形成されたものである。このような導体パターンが誘電体膜上にて占める面積は、誘電体膜自体の面積より小さい。
本可変キャパシタは、第2の側面に係る可変キャパシタに関して上述したのと同様の態様で駆動することができ、従って、第2の側面に係る可変キャパシタと同様に、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができる。
本可変キャパシタでは、キャパシタ電極の第1対向面の一部の領域(例えば大部分の領域)と可動キャパシタ電極膜の第2対向面の一部の領域(例えば大部分の領域)とが第1または第2対向面上の誘電体膜および導体パターンを介して最も接近した状態(第2状態)において、誘電体膜上にて小面積の導体パターンが、キャパシタ電極(第1対向面)または可動キャパシタ電極膜(第2対向面)に対して直接に接触する。したがって、本可変キャパシタにおいては、第5の側面に係る可変キャパシタに関して上述したのと同様の理由で、駆動電圧特性の変動は抑制される。
このように、本発明の第6の側面に係る可変キャパシタは、駆動電圧特性の変動を抑制するのに適し、且つ、静電容量について大きな可変率を実現するのに適する。
本発明の第7の側面により提供される可変キャパシタは、第1対向面を有するキャパシタ電極と、第1対向面に対向する第2対向面を有し、且つ、キャパシタ電極の側に又はキャパシタ電極とは反対の側に突き出るように湾曲している部位を有する、可動キャパシタ電極膜と、第1対向面上または第2対向面上に設けられた誘電体膜と、可動キャパシタ電極膜の側に露出しつつ誘電体膜に埋め込み形成された導体パターンとを備える。誘電体膜は、本可変キャパシタにおいてキャパシタ電極と可動キャパシタ電極膜との間が短絡するのを防止するためのものである。導体パターンは、所定のパターン形状を有し、例えば、対向電極側に誘電体膜を部分的に露出させるための複数の開口部を有する。
本可変キャパシタは、第1の側面に係る可変キャパシタに関して上述したのと同様の態様で駆動することができ、従って、第1の側面に係る可変キャパシタと同様に、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができる。本可変キャパシタにおいては、いわゆる電荷移動に起因して誘電体膜の露出面に電荷が偏在しても、誘電体膜に埋め込み形成されている導体パターンへと当該電荷は逃げやすい。したがって、本可変キャパシタにおいては、誘電体膜の帯電は抑制され、駆動電圧特性の変動は抑制される。このように、本発明の第7の側面に係る可変キャパシタは、駆動電圧特性の変動を抑制するのに適し、且つ、静電容量について大きな可変率を実現するのに適する。
本発明の第8の側面により提供される可変キャパシタは、第1対向面を有するキャパシタ電極と、第1対向面に対向する第2対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、キャパシタ電極に対して可動キャパシタ電極膜を部分的に固定するためのアンカー部と、第1対向面上または第2対向面上に設けられた誘電体膜と、可動キャパシタ電極膜の側に露出しつつ誘電体膜に埋め込み形成された導体パターンとを備える。誘電体膜は、本可変キャパシタにおいてキャパシタ電極と可動キャパシタ電極膜との間が短絡するのを防止するためのものである。導体パターンは、誘電体膜上にてパターン形成されたものであり、例えば、対向電極側に誘電体膜を部分的に露出させるための複数の開口部を有する。
本可変キャパシタは、第2の側面に係る可変キャパシタに関して上述したのと同様の態様で駆動することができ、従って、第2の側面に係る可変キャパシタと同様に、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができる。本可変キャパシタにおいては、いわゆる電荷移動に起因して誘電体膜の露出面に電荷が偏在しても、誘電体膜に埋め込み形成されている導体パターンへと当該電荷は逃げやすい。したがって、本可変キャパシタにおいては、誘電体膜の帯電は抑制され、駆動電圧特性の変動は抑制される。このように、本発明の第8の側面に係る可変キャパシタは、駆動電圧特性の変動を抑制するのに適し、且つ、静電容量について大きな可変率を実現するのに適する。
本発明の第7および第8の側面において、好ましくは、導体パターンは、複数の開口部を有する導体膜である。この場合、好ましくは、誘電体膜における可動キャパシタ電極膜の側の面と、導体パターンにおける可動キャパシタ電極膜の側の面とは、面一である。或は、導体パターンにおける可動キャパシタ電極膜の側の面は、誘電体膜における可動キャパシタ電極膜の側の面よりも、キャパシタ電極の側に退避していてもよい。或は、誘電体膜における可動キャパシタ電極膜の側の面は、導体パターンにおける可動キャパシタ電極膜の側の面よりも、キャパシタ電極の側に退避していてもよい。
本発明の第1,3,5,7の側面に係る可変キャパシタは、好ましくは、キャパシタ電極および可動キャパシタ電極膜の間を部分的に連結するアンカー部を備える。このような構成は、温度変化に起因する静電容量変動を抑制するのに適する。
本発明の第1から第8の側面における好ましい実施の形態では、キャパシタ電極は固定電極である。この場合、固定電極の有する第1対向面は、可動キャパシタ電極膜の側に又はキャパシタ電極とは反対の側に突き出るように湾曲している領域を有するのが好ましい。
本発明の第1から第8の側面における他の好ましい実施の形態では、キャパシタ電極は可動キャパシタ電極膜である。この場合、当該可動キャパシタ電極膜は、好ましくは、他方の可動キャパシタ電極膜の側に又は可動キャパシタ電極膜とは反対の側に突き出るように湾曲している部位を有する。
本発明の第9の側面により提供される可変キャパシタは、第1対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、第1対向面に対向し且つ可動キャパシタ電極膜の側に又は可動キャパシタ電極膜とは反対の側に突き出るように湾曲している領域を有する第2対向面、を有する固定キャパシタ電極と、第1対向面上または第2対向面上に設けられた誘電体パターンとを備える。この誘電体パターンは、第1の側面に係る可変キャパシタの誘電体パターンと同様に、電極間が短絡するのを防止するためのものであって短絡防止機能を発揮できるようなパターン形状を有し、且つ、輪郭の全長が比較的に長い。
本可変キャパシタは、第1の側面に係る可変キャパシタに関して上述したのと実質的に同様の態様で駆動することができ、従って、第1の側面に係る可変キャパシタと同様に、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができる。
本可変キャパシタにおいては、上述のように、第1または第2対向面上において所定のパターン形状を有する誘電体パターンの輪郭の全長は比較的に長い(即ち、誘電体パターンの輪郭の全長の、当該誘電体パターンの単位面積あたりの長さは、比較的に大きい)ため、当該誘電体パターンから第1または第2対向面へと電荷は逃げやすく、いわゆる電荷移動に起因する誘電体パターンの帯電は抑制される。したがって、本可変キャパシタにおいては、第1の側面に係る可変キャパシタに関して上述したのと同様の理由で、駆動電圧特性の変動は抑制される。
このように、本発明の第9の側面に係る可変キャパシタは、駆動電圧特性の変動を抑制するのに適し、且つ、静電容量について大きな可変率を実現するのに適する。
本発明の第10の側面により提供される可変キャパシタは、第1対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、第1対向面に対向し且つ可動キャパシタ電極膜の側に又は可動キャパシタ電極膜とは反対の側に突き出るように湾曲している領域を有する第2対向面、を有する固定キャパシタ電極と、第1対向面上または第2対向面上に設けられた誘電体膜と、誘電体膜が設けられていない第1対向面または第2対向面の上に設けられた導体パターンとを備える。誘電体膜は、本可変キャパシタにおいて可動キャパシタ電極膜と固定キャパシタ電極との間が短絡するのを防止するためのものである。導体パターンは、第1または第2対向面上にてパターン形成されたものである。このような導体パターンにおける誘電体膜側表面の面積は、第1または第2対向面の面積より小さい。
本可変キャパシタは、第1の側面に係る可変キャパシタに関して上述したのと実質的に同様の態様で駆動することができ、従って、第1の側面に係る可変キャパシタと同様に、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができる。
本可変キャパシタでは、可動キャパシタ電極膜の第1対向面と固定キャパシタ電極の第2対向面との間の全体にわたって電極間距離が最小となる状態(第2状態)において、第1または第2対向面上の導体パターンが、第2または第1対向面上の誘電体膜に対して直接に接触する。導体パターンにおける誘電体膜側表面の面積が第1または第2対向面の面積より小さいという上述の構成は、例えばそのような第2状態において、誘電体膜に対して導体部材が接触することに起因して生じ得る電荷移動を抑制するのに資する。したがって、本可変キャパシタにおいては、第3の側面に係る可変キャパシタに関して上述したのと実質的に同様の理由で、いわゆる電荷移動に起因する誘電体膜の帯電は抑制され、駆動電圧特性の変動は抑制される。
このように、本発明の第10の側面に係る可変キャパシタは、駆動電圧特性の変動を抑制するのに適し、且つ、静電容量について大きな可変率を実現するのに適する。
本発明の第11の側面により提供される可変キャパシタは、第1対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、第1対向面に対向し且つ可動キャパシタ電極膜の側に又は可動キャパシタ電極膜とは反対の側に突き出るように湾曲している領域を有する第2対向面、を有する固定キャパシタ電極と、第1対向面上または第2対向面上に設けられた誘電体膜と、誘電体膜上に設けられた導体パターンとを備える。誘電体膜は、本可変キャパシタにおいて可動キャパシタ電極膜と固定キャパシタ電極との間が短絡するのを防止するためのものである。導体パターンは、誘電体膜上にてパターン形成されたものである。このような導体パターンが誘電体膜上にて占める面積は、誘電体膜自体の面積より小さい。
本可変キャパシタは、第1の側面に係る可変キャパシタに関して上述したのと実質的に同様の態様で駆動することができ、従って、第1の側面に係る可変キャパシタと同様に、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができる。
本可変キャパシタでは、可動キャパシタ電極膜の第1対向面と固定キャパシタ電極の第2対向面との間の全体にわたって電極間距離が最小となる状態(第2状態)において、誘電体膜上にて小面積の導体パターンが、可動キャパシタ電極膜(第1対向面)または固定キャパシタ電極(第2対向面)に対して直接に接触する。したがって、本可変キャパシタにおいては、第5の側面に係る可変キャパシタに関して上述したのと実質的に同様の理由で、駆動電圧特性の変動は抑制される。
このように、本発明の第11の側面に係る可変キャパシタは、駆動電圧特性の変動を抑制するのに適し、且つ、静電容量について大きな可変率を実現するのに適する。
本発明の第12の側面により提供される可変キャパシタは、第1対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、第1対向面に対向し且つ可動キャパシタ電極膜の側に又はキャパシタ電極とは反対の側に突き出るように湾曲している領域を有する第2対向面、を有する固定キャパシタ電極と、第1対向面上または第2対向面上に設けられた誘電体膜と、可動キャパシタ電極膜の側に露出しつつ誘電体膜に埋め込み形成された導体パターンとを備える。誘電体膜は、本可変キャパシタにおいて可動キャパシタ電極膜と固定キャパシタ電極の間が短絡するのを防止するためのものである。導体パターンは、誘電体膜上にてパターン形成されたものであり、例えば、対向電極側に誘電体膜を部分的に露出させるための複数の開口部を有する。
本可変キャパシタは、第1の側面に係る可変キャパシタに関して上述したのと実質的に同様の態様で駆動することができ、従って、第1の側面に係る可変キャパシタと同様に、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができる。本可変キャパシタにおいては、いわゆる電荷移動に起因して誘電体膜の露出面に電荷が偏在しても、誘電体膜に埋め込み形成されている導体パターンへと当該電荷は逃げやすい。したがって、本可変キャパシタにおいては、第7の側面に係る可変キャパシタに関して上述したのと実質的に同様の理由で、誘電体膜の帯電は抑制され、駆動電圧特性の変動は抑制される。このように、本発明の第12の側面に係る可変キャパシタは、駆動電圧特性の変動を抑制するのに適し、且つ、静電容量について大きな可変率を実現するのに適する。
本発明の第1の実施形態に係る可変キャパシタの平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る可変キャパシタの一部省略平面図である。 図1の線III−IIIに沿った断面図である。 図1の線IV−IVに沿った部分拡大断面図である。 図1に示す可変キャパシタの駆動態様を表す。 図1に示す可変キャパシタの製造方法における一部の工程を表す。 図6の後に続く工程を表す。 誘電体パターンのバリエーションを表す。 図1に示す可変キャパシタの第1変形例の部分断面図である。 図1に示す可変キャパシタの第2変形例の部分断面図である。 図1に示す可変キャパシタの第3変形例の部分断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る可変キャパシタの部分断面図である。 第2の実施形態における導体パターンのパターン形状を表す。 本発明の第3の実施形態に係る可変キャパシタの部分断面図である。 第3の実施形態における導体パターンのパターン形状を表す。 本発明の第4の実施形態に係る可変キャパシタの部分断面図である。 第4の実施形態における誘電体膜に埋め込み形成された導体パターンのパターン形状を表す。 本発明の第5の実施形態に係る可変キャパシタの部分断面図である。 第5の実施形態における可動電極側の導体パターンのパターン形状を表す。 本発明の第6の実施形態に係る可変キャパシタの部分断面図である。 第6の実施形態における可動電極側の導体パターンのパターン形状を表す。 本発明の第7の実施形態に係る可変キャパシタの部分断面図である。 図22に示す可変キャパシタの製造方法における一部の工程を表す。 図23の後に続く工程を表す。 図22に示す可変キャパシタの駆動態様を表す。 本発明の第8の実施形態に係る可変キャパシタの平面図である。 本発明の第8の実施形態に係る可変キャパシタの一部省略平面図である。 図26の線XXVIII−XXVIIIに沿った断面図である。 図26の線XXIX−XXIXに沿った部分拡大断面図である。 図29に示す可変キャパシタの製造方法における一部の工程を表す。 図30の後に続く工程を表す。 図26に示す可変キャパシタの駆動態様を表す。 本発明の第9の実施形態に係る可変キャパシタの部分断面図である。 図33に示す可変キャパシタの駆動態様を表す。 本発明の第10の実施形態に係る可変キャパシタの部分断面図である。 図35に示す可変キャパシタの駆動態様を表す。
図1から図4は、本発明の第1の実施形態に係る可変キャパシタX1を表す。図1は、可変キャパシタX1の平面図である。図2は、可変キャパシタX1の一部省略平面図である。図3は、図1の線III−IIIに沿った断面図である。図4は、図1の線IV−IVに沿った部分拡大断面図である。可変キャパシタX1は、基板11と、固定電極12と、可動電極13(図2では省略)と、誘電体パターン14とを備える。
基板11は例えばシリコン材料よりなる。基板11上には、固定電極12または可動電極13と電気的に接続する所定の配線パターン(図示略)が形成されている。
固定電極12は、基板11上にパターン形成されたものであり、可変キャパシタX1における一対のキャパシタ電極の一方をなす。可動電極13は、図3に示すように基板11上に立設されたものであり、可変キャパシタX1における一対のキャパシタ電極の他方をなす。固定電極12および可動電極13は、図1によく表れているように交差して部分的に対向し、固定電極12は、可動電極13に対向する対向面12aを有し、可動電極13は、固定電極12に対向する対向面13aを有する。固定電極12ないし対向面12aと可動電極13ないし対向面13aとの対向面積は、例えば10000〜40000μm2である。また、可動電極13において固定電極12に対向する部位は少なくとも、図4に示すように、固定電極12の側に突き出るように湾曲している。固定電極12および可動電極13の間の図4に示す距離Lは、例えば0.5〜2μmである。可動電極13の厚さは、例えば1〜2μmである。好ましくは、固定電極12および可動電極13の一方はグラウンド接続されている。このような固定電極12および可動電極13は、例えばアルミニウム(Al)や銅(Cu)などの導電材料よりなる。
誘電体パターン14は、固定電極12の対向面12a上に設けられたものであり、本実施形態では、対向面12a上にて相互に離隔する複数の誘電体アイランド14aからなる。誘電体パターン14の輪郭の全長の、誘電体パターン14の単位面積あたりの長さは、対向面12a上全体にわたって例えば矩形状の誘電体膜が仮に設けられた場合における当該誘電体膜の輪郭の全長の、当該誘電体膜の単位面積あたりの長さよりも、大きい。すなわち、対向面12a上での誘電体パターン14の輪郭の全長は比較的に長い。このような誘電体パターン14は、可変キャパシタX1において固定電極12と可動電極13との間が短絡するのを防止するためのものであり、短絡防止機能を発揮できるようなパターン形状(例えば、対向面12aを過度に広く露出させないパターン形状)を有する。誘電体パターン14の厚さは、例えば0.1〜0.5μmである。誘電体パターン14の構成材料としては、例えばアルミナ(Al23)、酸化シリコン(SiO2)、および窒化シリコン(SiNX)などが挙げられる。
このような構成を具備する可変キャパシタX1においては、固定電極12および可動電極13の間に電圧(駆動電圧)を印加することにより、固定電極12および可動電極13の間に静電引力を発生させることができ、当該静電引力を利用して、可動電極13を固定電極12に向けて引き込こみ、図5に示すように、固定電極12ないし対向面12aと可動電極13ないし対向面13aとの間のギャップG1の体積を変化させることができる。具体的には次のとおりである。
可変キャパシタX1の可動電極13は上述のように湾曲しているため、固定電極12と可動電極13の間に電圧が印加されておらず両電極が初期位置にある図5(a)に示す状態(第1状態)では、固定電極12の対向面12aと可動電極13の対向面13aとの間の距離は、対向面12a,13a間全体にわたって一様、ではない。このような初期状態において、ギャップG1は最大の体積を有する。
可変キャパシタX1において、固定電極12と可動電極13の間に所定以上の電圧を印加すると、電極間に発生する静電引力の作用により、固定電極12(対向面12a)と可動電極13(対向面13a)とを、誘電体パターン14を介して最も接近した図5(d)に示す状態(第2状態)に至らせることができる。このとき、固定電極12と可動電極13が直接に接触するのを誘電体パターン14が阻む。この状態において、ギャップG1は最小の体積を有する。
可変キャパシタX1が上述の第1状態から第2状態に至るまで、可変キャパシタX1の電極間に印加する駆動電圧を次第に増大すると、湾曲構造を有する可動電極13は固定電極12に引き込まれ、例えば図5(b)に示すように、固定電極12と可動電極13とは、まず、誘電体パターン14ないし誘電体アイランド14aを介して部分的に当接することとなる(即ち、固定電極12の一部と可動電極13の一部とは、誘電体パターン14を介して最も接近した状態に至る)。続いて、例えば図5(c)に示すように、固定電極12および可動電極13において、部分的当接箇所の近傍から順次、電極間距離が最小である状態に至る。そして、最終的には、図5(d)に示すように、固定電極12(対向面12a)と可動電極13(対向面13a)との間の全体にわたって電極間距離が最小となる。
このように、可変キャパシタX1では、固定電極12および可動電極13の間に印加する駆動電圧(例えば0〜20V)を調節することによって、電極間のギャップG1の体積が最大である第1状態とギャップG1の体積が最小である第2状態との間で、当該ギャップ体積を連続的に大きく変化させることができる。したがって、可変キャパシタX1によると、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができるのである。
加えて、本可変キャパシタX1において対向面12a上に設けられている誘電体パターン14は、帯電しにくい傾向にある。導体表面に設けられた誘電体膜を、所定条件下で当該誘電体膜に導体部材等を接触させることによって、帯電させた場合(即ち、外部から誘電体膜へのいわゆる電荷移動によって当該誘電体膜を帯電させた場合)、導体表面における誘電体膜の輪郭の全長の、当該誘電体膜の単位面積あたりの長さが大きいほど、当該帯電の程度が緩和される傾向にあることを、本発明者らは見出した。いわゆる電荷移動によって誘電体膜が帯電した場合、電荷(電子,正孔)は誘電体膜の露出面近傍に偏在するところ、誘電体膜の輪郭の全長の、当該誘電体膜の単位面積あたりの長さが大きいほど、誘電体膜露出面近傍から、当該露出面と接する導体表面へと、電荷が逃げる量が多いと思われる。この点が、帯電緩和傾向の理由として考えられる。
可変キャパシタX1においては、上述のように、対向面12a上において所定のパターン形状を有する誘電体パターン14の輪郭の全長は比較的に長い(即ち、誘電体パターン14の輪郭の全長の、当該誘電体パターン14の単位面積あたりの長さは、比較的に大きい)。そのため、誘電体パターン14から対向面12aへと電荷は逃げやすく、いわゆる電荷移動に起因する誘電体パターン14の帯電は抑制される。したがって、可変キャパシタX1では、可動電極13についてその初期位置から動作を開始させるために固定電極12と可動電極13の間に印加する必要のある最小駆動電圧が変動することは、抑制され、また、可変キャパシタX1ないし可動電極13の駆動における静電容量と駆動電圧(所定の静電容量ないしギャップ体積を得るために電極間に加えるべき電圧)の関係が変動することも、抑制される。このように、可変キャパシタX1においては、駆動電圧特性の変動は抑制される。
図6および図7は、可変キャパシタX1の製造方法の一例を、図4に相当する断面の変化として表す。本方法は、いわゆるMEMS技術を利用して可変キャパシタX1を製造する方法である。
可変キャパシタX1の製造においては、まず、図6(a)に示すように固定電極12を形成する。例えば、スパッタリング法により基板11上にAlを成膜した後、所定のレジストパターンをマスクとして利用してAl膜に対してエッチング処理を施すことにより、基板11上に固定電極12をパターン形成することができる。
次に、図6(b)に示すように誘電体パターン14を形成する。例えば、固定電極12上および基板11上にわたってスパッタリング法によりAl23を成膜した後、所定のレジストパターンをマスクとして利用して当該Al23膜に対してエッチング処理を施すことにより、固定電極12上に誘電体パターン14をパターン形成することができる。
次に、図6(c)に示すように犠牲膜15を形成する。犠牲膜15は、基板11を部分的に露出させるための図外の開口部を有する。この開口部は、基板11において可動電極13が接合する領域を露出させるためのものである。犠牲膜15は、例えばフォトレジストよりなる。犠牲膜15の形成においては、例えば、固定電極12および誘電体パターン14を覆うようにして基板11上にスパッタリング法により犠牲膜材料を成膜した後、当該膜に対して、所定のレジストパターンをマスクとして利用してエッチング処理を施す。
次に、図7(a)に示すように可動電極13を形成する。可動電極13の形成においては、例えば、犠牲膜15上および上述の開口部内にわたってスパッタリング法によりAlを成膜した後、当該Al膜に対して、所定のレジストパターンをマスクとして利用してエッチング処理を施す。
次に、図7(b)に示すように、可動電極13上に材料膜16を形成する。具体的には、所定の高温条件下において、可動電極13上および犠牲膜15上にわたってスパッタリング法により所定材料を成膜し、所定のレジストパターンをマスクとして利用して当該材料膜に対してエッチング処理を施す。材料膜16は、可動電極13における上述の湾曲構造を形成するためのものであり、可動電極13の構成材料よりも熱膨張率の大きな材料よりなる。材料膜16の構成材料としては、例えば亜鉛や、すず等を用いることができる。本工程を経た後に降温すると、材料膜16内には、可動電極13内におけるよりも大きな収縮力が生ずる。
次に、図7(c)に示すように犠牲膜15を除去する。具体的には、所定のレジスト剥離液を使用して行うウエットエッチング法により、犠牲膜15を除去する。犠牲膜15を除去すると、材料膜16は、可動電極13よりも大きく収縮して可動電極13を部分的に湾曲させる。例えば以上のようにして、可変キャパシタX1を製造することができる。可動電極13を湾曲させるための手段の一例たる材料膜16については、図1等に図示しない。
図8は、固定電極12の対向面12a上に形成される誘電体パターン14のパターンのバリエーションを表す。可変キャパシタX1において固定電極12および可動電極13の間に配される誘電体パターン14のパターン形状や、粗密、構成材料を適宜調整することによって、可変キャパシタX1のC(静電容量)−V(駆動電圧)特性を調整することができる。具体的には、誘電体パターン14のパターン形状や、粗密、構成材料を調整することによって、可変キャパシタX1の最大静電容量Fmaxや、C−V特性曲線に表れる静電容量変化率ΔFを調節することが可能である。例えば、誘電体パターン14の粗密の程
度が高いほど、静電容量変化率ΔFは大きくなる傾向にある。また、例えば、均等に配置
された誘電体アイランド14aからなる誘電体パターン14を有する上述の可変キャパシタX1において、駆動電圧を次第に増大させることによって、図5(b)を参照して上述した状態から図5(d)を参照して上述した状態(第2状態)へと変化させると、当該駆動電圧増大に伴って静電容量が二次関数的に増大する場合があるが、誘電体パターン14において可動電極13に接触するタイミングが遅い外側部ほど粗密の程度を例えば図8(c)に示すように小さくすると、当該駆動電圧増大に伴う静電容量増大は比較的緩やかとなり、一次関数的な増大に近似するようになる。駆動電圧の増大に伴う静電容量の増大が一次関数的である方が、二次関数的であるよりも、静電容量を可変制御しやすい。
図9は、可変キャパシタX1の第1変形例の断面図である。可変キャパシタX1においては、固定電極12の対向面12a上に誘電体パターン14を設けるのに代えて、可動電極13の対向面13a上に誘電体パターン14を設けてもよい。
図10は、可変キャパシタX1の第2変形例の断面図である。可変キャパシタX1においては、固定電極12の対向面12a上に誘電体パターン14を設けるのに加えて、可動電極13の対向面13a上に誘電体パターン14’を設けてもよい。誘電体パターン14,14’は、同じパターン形状を有し、複数の導体アイランド14’aからなる。このような構成によると、可動電極13は、誘電体パターン14と直接には接触しない。
図11は、可変キャパシタX1の第3変形例の断面図である。可変キャパシタX1においては、誘電体パターン14上に導体層17を設けてもよい。導体層17は、例えばニッケルやチタンよりなる。このような構成によると、可動電極13は、誘電体パターン14と直接には接触しない。また、導体層17付き誘電体パターン14を、固定電極12の対向面12a上に設けるのに代えて、可動電極13の対向面13a上に設けてもよい。
図12は、本発明の第2の実施形態に係る可変キャパシタX2の部分断面図である。可変キャパシタX2は、基板11と、固定電極12と、湾曲形状を有する可動電極13と、誘電体膜21と、導体パターン22とを備える。可変キャパシタX2は、誘電体パターン14に代えて誘電体膜21および導体パターン22を備える点において、可変キャパシタX1と異なる。
誘電体膜21は、可変キャパシタX2において固定電極12と可動電極13の間が短絡するのを防止するためのものである。誘電体膜21は、例えばシリコン酸化膜よりなる。導体パターン22は、可動電極13の対向面13a上にパターン形成されたものであり、例えば図13に示すように、相互に離隔する複数の導体アイランド22aからなる。このような導体パターン22における誘電体膜21側表面の面積は、対向面13aの面積より小さい。導体パターン22は、例えばニッケルやチタンよりなる。
可変キャパシタX2は、可変キャパシタX1に関して上述したのと同様の態様で駆動することができ、電極間のギャップG2の体積が最大である図12(a)に示す第1状態(初期状態)とギャップG2の体積が最小である図12(b)に示す第2状態との間で、当該ギャップ体積を連続的に大きく変化させることができる。したがって、可変キャパシタX2によると、可変キャパシタX1と同様に、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができる。
可変キャパシタX2では、例えば図12(b)に示す第2状態において、可動電極13の対向面13a上の導体パターン22が、固定電極12の対向面12a上の誘電体膜21に対して直接に接触する。導体パターン22における誘電体膜21側表面の面積が対向面13aの面積より小さいという上述の構成は、誘電体膜21に対して導体部材が接触することに起因して生じ得る電荷移動を抑制するのに資する。したがって、可変キャパシタX2においては、いわゆる電荷移動に起因する誘電体膜21の帯電は抑制され、駆動電圧特性の変動は抑制される。
図14は、本発明の第3の実施形態に係る可変キャパシタX3の部分断面図である。可変キャパシタX3は、基板11と、固定電極12と、湾曲形状を有する可動電極13と、誘電体膜21と、導体パターン23とを備える。可変キャパシタX3は、誘電体パターン14に代えて誘電体膜21および導体パターン23を備える点において、可変キャパシタX1と異なる。
誘電体膜21は、可変キャパシタX3において固定電極12と可動電極13の間が短絡するのを防止するためのものである。導体パターン23は、誘電体膜21上にてパターン形成されたものであり、例えば図15に示すように、相互に離隔する複数の導体アイランド23aからなる。このような導体パターン23が誘電体膜21上にて占める面積は、誘電体膜21自体の面積より小さい。導体パターン23は、例えばニッケルやチタンよりなる。
可変キャパシタX3は、可変キャパシタX1に関して上述したのと同様の態様で駆動することができ、電極間のギャップG3の体積が最大である図14(a)に示す第1状態(初期状態)とギャップG3の体積が最小である図14(b)に示す第2状態との間で、当該ギャップ体積を連続的に大きく変化させることができる。したがって、可変キャパシタX3によると、可変キャパシタX1と同様に、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができる。
可変キャパシタX3では、例えば図14(b)に示す第2状態において、誘電体膜21上の導体パターン23が、可動電極13(対向面13a)に対して直接に接触する。導体どうしが接触する場合、いわゆる電荷移動は生じにくい傾向にある。加えて、導体パターン23の面積が誘電体膜21の面積より小さいという上述の構成は、可動電極13と導体パターン23とが接触することに起因して生じ得る電荷移動を抑制するのに資する。そのため、可変キャパシタX3では、導体パターン23から誘電体膜21への電荷移動量が抑制される。したがって、可変キャパシタX3においては、誘電体膜21の帯電は抑制され、駆動電圧特性の変動は抑制される。
図16は、本発明の第4の実施形態に係る可変キャパシタX4の部分断面図である。可変キャパシタX4は、基板11と、固定電極12と、湾曲形状を有する可動電極13と、誘電体膜24と、導体パターン25とを備える。可変キャパシタX4は、誘電体パターン14に代えて誘電体膜24および導体パターン25を備える点において、可変キャパシタX1と異なる。誘電体膜24は、可変キャパシタX4において固定電極12と可動電極13の間が短絡するのを防止するためのものである。導体パターン25は、所定のパターン形状を有し、例えば図17に示すように、誘電体膜24を部分的に露出させるための複数の開口部を有する。誘電体膜24の面24aと導体パターン25の面25aとは、面一である。誘電体膜24は、例えばアルミナよりなる。導体パターン25は、例えばアルミニウムよりなる。
可変キャパシタX4は、可変キャパシタX1に関して上述したのと同様の態様で駆動することができ、電極間のギャップG4の体積が最大である図16(a)に示す第1状態(初期状態)とギャップG4の体積が最小である図16(b)に示す第2状態との間で、当該ギャップ体積を連続的に大きく変化させることができる。したがって、可変キャパシタX4によると、可変キャパシタX1と同様に、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができる。
可変キャパシタX4においては、いわゆる電荷移動に起因して誘電体膜24の露出面に電荷が偏在しても、誘電体膜24に埋め込み形成されている導体パターン25へと当該電荷は逃げやすい。したがって、可変キャパシタX4においては、誘電体膜24の帯電は抑制され、駆動電圧特性の変動は抑制される。
図18は、本発明の第5の実施形態に係る可変キャパシタX5の部分断面図である。可変キャパシタX5は、基板11と、固定電極12と、湾曲形状を有する可動電極13と、誘電体膜24と、導体パターン25,26とを備える。可変キャパシタX5は、誘電体パターン14に代えて誘電体膜24および導体パターン25,26を備える点において、可変キャパシタX1と異なる。誘電体膜24は、可変キャパシタX5において固定電極12と可動電極13の間が短絡するのを防止するためのものである。導体パターン25は、所定のパターン形状を有し、誘電体膜24を部分的に露出させるための複数の開口部を有する。本実施形態では、導体パターン25の面25aは、誘電体膜24の面24aよりも、固定電極12の側に退避している。また、導体パターン26は、導体パターン25と同じパターン形状を有し、例えば図19に示すように複数の開口部を有する。導体パターン26は、例えばニッケルやチタンよりなる。
可変キャパシタX5は、可変キャパシタX1に関して上述したのと同様の態様で駆動することができ、電極間のギャップG5の体積が最大である図18(a)に示す第1状態(初期状態)とギャップG5の体積が最小である図18(b)に示す第2状態との間で、当該ギャップ体積を連続的に大きく変化させることができる(第2状態では、誘電体膜24と可動電極13が接触し且つ導体パターン25,26が接触する)。したがって、可変キャパシタX5によると、可変キャパシタX1と同様に、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができる。
可変キャパシタX5においては、いわゆる電荷移動に起因して誘電体膜24の露出面に電荷が偏在しても、誘電体膜24に埋め込み形成されている導体パターン25へと当該電荷は逃げやすい。したがって、可変キャパシタX5においては、誘電体膜24の帯電は抑制され、駆動電圧特性の変動は抑制される。
図20(a)は、本発明の第6の実施形態に係る可変キャパシタX6の部分断面図である。可変キャパシタX6は、基板11と、固定電極12と、湾曲形状を有する可動電極13と、誘電体膜24と、導体パターン25,27とを備える。可変キャパシタX5は、誘電体パターン14に代えて誘電体膜24および導体パターン25,27を備える点において、可変キャパシタX1と異なる。誘電体膜24は、可変キャパシタX6において固定電極12と可動電極13の間が短絡するのを防止するためのものである。導体パターン25は、所定のパターン形状を有し、誘電体膜24を部分的に露出させるための複数の開口部を有する。本実施形態では、誘電体膜24の面24aは、導体パターン25の面25aよりも、固定電極12の側に退避している。また、導体パターン27は、導体パターン25の開口部に対応するパターン形状を有し、例えば図21に示すように、複数の導体アイランド27aからなる。導体パターン27は、例えばニッケルやチタンよりなる。
可変キャパシタX6は、可変キャパシタX1に関して上述したのと同様の態様で駆動することができ、電極間のギャップG6の体積が最大である図20(a)に示す第1状態(初期状態)とギャップG6の体積が最小である図20(b)に示す第2状態との間で、当該ギャップ体積を連続的に大きく変化させることができる(第2状態では、誘電体膜24と導体パターン27が接触し且つ可動電極13と導体パターン25が接触する)。したがって、可変キャパシタX6によると、可変キャパシタX1と同様に、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができる。
可変キャパシタX6においては、いわゆる電荷移動に起因して誘電体膜24の露出面に電荷が偏在しても、誘電体膜24に埋め込み形成されている導体パターン25へと当該電荷は逃げやすい。したがって、可変キャパシタX6においては、誘電体膜24の帯電は抑制され、駆動電圧特性の変動は抑制される。
図22は、本発明の第7の実施形態に係る可変キャパシタX7の部分断面図である。図22は、可変キャパシタX1にとっての図4に対応する。可変キャパシタX7は、基板11と、湾曲形状を有する固定電極12と、湾曲形状を有さない可動電極13と、誘電体パターン14と、丘陵部28とを備える。可変キャパシタX7は、丘陵部28を有し、固定電極12が湾曲形状を有し、且つ、可動電極13が湾曲形状を有さない点において、可変キャパシタX1と異なる。
図23および図24は、可変キャパシタX7の製造方法の一例を表す。可変キャパシタX7の製造においては、まず、図23(a)に示すように、基板11上の所定の箇所にレジストパターン28’を形成する。次に、加熱処理を経ることによって、レジストパターン28’を図23(b)に示すように変形させて丘陵部28を形成する。次に、図23(c)に示すように、固定電極12および誘電体パターン14を形成する。これらの具体的形成手法は、図6(a)および図6(b)を参照して上述した手法と同様である。次に、図24(a)に示すように犠牲膜15を形成し、続いて、図24(b)に示すように可動電極13を形成する。これらの具体的形成手法は、図6(c)および図7(a)を参照して上述した手法と同様である。次に、図24(c)に示すように、例えばウエットエッチング法により、犠牲膜15を除去する。以上のようにして、湾曲形状を有する固定電極12を具備する可変キャパシタX7を製造することができる。
可変キャパシタX7は、可変キャパシタX1に関して上述したのと同様の態様で駆動することができる。具体的には、図25に示すように、固定電極12と可動電極13の間のギャップG7の体積が最大である図25(a)に示す第1状態(初期状態)とギャップG7の体積が最小である図25(d)に示す第2状態との間で、当該ギャップ体積を連続的に大きく変化させることができる。したがって、可変キャパシタX7によると、可変キャパシタX1と同様に、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができる。
可変キャパシタX7においては、可変キャパシタX1におけるのと同様に、固定電極12の対向面12a上において所定のパターン形状を有する誘電体パターン14の輪郭の全長は比較的に長い(即ち、誘電体パターン14の輪郭の全長の、誘電体パターン14の単位面積あたりの長さは、比較的に大きい)。そのため、誘電体パターン14から対向面12aへと電荷は逃げやすく、いわゆる電荷移動に起因する誘電体パターン14の帯電は抑制される。したがって、可変キャパシタX7においては、可変キャパシタX1に関して上述したのと同様の理由で、駆動電圧特性の変動は抑制される。
可変キャパシタX7においては、可変キャパシタX1について上述したのと同様に、固定電極12の対向面12a上に誘電体パターン14を設けるのに代えて、図9に示す誘電体パターン14を可動電極13の対向面13a上に設けてもよい。可変キャパシタX7においては、可変キャパシタX1について上述したのと同様に、固定電極12の対向面12a上に誘電体パターン14を設けるのに加えて、図10に示す誘電体パターン14’を可動電極13の対向面13a上に設けてもよい。可変キャパシタX7においては、可変キャパシタX1について上述したのと同様に、図11に示す導体層17を誘電体パターン14上に設けてもよい。
可変キャパシタX7においては、誘電体パターン14を設けずに、図12に示す可変キャパシタX2に関して上述した誘電体膜21を、固定電極12の対向面12a上または可動電極13の対向面13a上に設け、且つ、可変キャパシタX2に関して上述した導体パターン22を、誘電体膜21が設けられていない対向面12aまたは対向面13aの上に設けてもよい。可変キャパシタX7においては、誘電体パターン14を設けずに、図14に示す可変キャパシタX3に関して上述した誘電体膜21およびその上の導体パターン23を、対向面12a上または対向面13a上に設けてもよい。可変キャパシタX7においては、誘電体パターン14を設けずに、図16に示す可変キャパシタX4に関して上述した誘電体膜24および導体パターン25を、対向面12a上または対向面13a上に設けてもよい。可変キャパシタX7においては、誘電体パターン14を設けずに、図18に示す可変キャパシタX5に関して上述した誘電体膜24および導体パターン25を対向面12a上または対向面13a上に設け、且つ、可変キャパシタX5に関して上述した導体パターン26を、誘電体膜24および導体パターン25の設けられていない対向面12aまたは対向面13aの上に設けてもよい。可変キャパシタX7においては、誘電体パターン14を設けずに、図20に示す可変キャパシタX6に関して上述した誘電体膜24および導体パターン25を対向面12a上または対向面13a上に設け、且つ、可変キャパシタX6に関して上述した導体パターン27を、誘電体膜24および導体パターン25の設けられていない対向面12aまたは対向面13aの上に設けてもよい。
図26から図29は、本発明の第8の実施形態に係る可変キャパシタX8を表す。図26は、可変キャパシタX8の平面図である。図27は、可変キャパシタX8の一部省略平面図である。図28は、図26の線XXVIII−XXVIIIに沿った断面図である。図29は、図26の線XXIX−XXIXに沿った部分拡大断面図である。
可変キャパシタX8は、基板31と、可動電極32と、可動電極13(図27では省略)と、誘電体パターン14とを備える。可変キャパシタX8は、基板11および固定電極12に代えて基板31および可動電極32を備える点において、可変キャパシタX1と異なる。
基板31は、凹部31aを有し、例えばシリコン材料よりなる。基板31上には、可動電極32または可動電極13と電気的に接続する所定の配線パターン(図示略)が形成されている。
可動電極32は、両端が基板31に接合し且つ凹部31aの上方を延びるように設けられたものであり、可変キャパシタX8における一対のキャパシタ電極の一方をなす。可動電極13は、図28に示すように基板31上に立設されたものであり、可変キャパシタX8における一対のキャパシタ電極の他方をなす。可動電極32および可動電極13は、図26によく表れているように交差して部分的に対向し、可動電極32は、可動電極13に対向する対向面32aを有し、可動電極13は、可動電極32に対向する対向面13aを有する。可動電極32ないし対向面32aと可動電極13ないし対向面13aとの対向面積は、例えば10000〜40000μm2である。また、可動電極13において可動電極32に対向する部位は少なくとも、図29に示すように、可動電極32の側に突き出るように湾曲している。可動電極32および可動電極13の間の図29に示す距離Lは、例えば0.5〜2μmである。可動電極32の厚さは、例えば1〜2μmである。好ましくは、可動電極32および可動電極13の一方はグラウンド接続されている。このような可動電極32および可動電極13は、例えばアルミニウム(Al)や銅(Cu)などの導電材料よりなる。
図30および図31は、可変キャパシタX8の製造方法の一例を、図29に相当する断面の変化として表す。可変キャパシタX8の製造においては、まず、図30(a)に示すように、凹部31aを有する基板31を用意する。例えば、所定のレジストパターンをマスクとして利用して、所定のシリコン基板に対して異方性ドライエッチング処理を施すことにより、凹部31aを有する基板31を作製することができる。異方性ドライエッチングとしては、例えば反応性イオンエッチング(RIE)を採用することができる。
次に、図30(b)に示すように、基板31の凹部31aに犠牲材料33を充填する。具体的には、例えばスパッタリング法により、凹部31a内および基板31上にわたって充分量以上の犠牲材料33を堆積させた後、基板31上に堆積した過剰分の犠牲材料33を研磨除去する。犠牲材料33としては、例えばフォトレジストを採用することができる。
次に、図30(c)に示すように可動電極32および誘電体パターン14を形成する。可動電極32および誘電体パターン14の形成手法は、図6(a)および図6(b)を参照して上述した固定電極12および誘電体パターン14の形成手法と同様である。
次に、図31(a)に示すように犠牲膜15および可動電極13を形成する。これらの具体的形成手法は、図6(c)および図7(a)を参照して上述した手法と同様である。
次に、図31(b)に示すように、可動電極13上に材料膜16を形成する。材料膜16は、可動電極13における上述の湾曲構造を形成するためのものであり、可動電極13の構成材料よりも熱膨張率の大きな材料よりなる。材料膜16の具体的形成手法は、図7(b)を参照して上述したとおりである。本工程を経た後に降温すると、材料膜16内には、可動電極13内におけるよりも大きな収縮力が生ずる。
次に、図31(c)に示すように、例えばウエットエッチング法により、犠牲膜15および犠牲材料33を除去する。犠牲膜15および犠牲材料33を除去すると、材料膜16は、可動電極13よりも大きく収縮して可動電極13を部分的に湾曲させる。例えば以上のようにして、可変キャパシタX8を製造することができる。可動電極13を湾曲させるための手段の一例たる材料膜16については、図26等に図示しない。
可変キャパシタX8は、可変キャパシタX1に関して上述したのと同様の態様で駆動することができる。具体的には、図32に示すように、可動電極32と可動電極13の間のギャップG8の体積が最大である図32(a)に示す第1状態(初期状態)とギャップG8の体積が最小である図32(d)に示す第2状態との間で、当該ギャップ体積を連続的に大きく変化させることができる。したがって、可変キャパシタX8によると、可変キャパシタX1と同様に、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができる。
可変キャパシタX8においては、可動電極32の対向面32a上において所定のパターン形状を有する誘電体パターン14の輪郭の全長は比較的に長い(即ち、誘電体パターン14の輪郭の全長の、誘電体パターン14の単位面積あたりの長さは、比較的に大きい)。そのため、誘電体パターン14から対向面32aへと電荷は逃げやすく、いわゆる電荷移動に起因する誘電体パターン14の帯電は抑制される。したがって、可変キャパシタX8においては、可変キャパシタX1に関して上述したのと同様の理由で、駆動電圧特性の変動は抑制される。
図33は、本発明の第9の実施形態に係る可変キャパシタX9の部分断面図である。図33は、可変キャパシタX8にとっての図29に対応する。可変キャパシタX9は、基板31と、湾曲形状を有する可動電極32と、湾曲形状を有する可動電極13と、誘電体パターン14とを備える。可変キャパシタX9は、可動電極32が湾曲形状を有する点において、可変キャパシタX8と異なる。湾曲形状を有する可動電極32については、上述の可変キャパシタX7の製造過程において、湾曲形状を有する固定電極12を形成したのと同様の手法を利用して、形成することができる。
可変キャパシタX9は、可変キャパシタX1に関して上述したのと同様の態様で駆動することができる。具体的には、図34に示すように、可動電極32と可動電極13の間のギャップG9の体積が最大である図34(a)に示す第1状態(初期状態)とギャップG9体積が最小である図34(d)に示す第2状態との間で、当該ギャップ体積を連続的に大きく変化させることができる。したがって、可変キャパシタX9によると、可変キャパシタX1と同様に、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができる。
可変キャパシタX9においては、可動電極32の対向面32a上において所定のパターン形状を有する誘電体パターン14の輪郭の全長は比較的に長い(即ち、誘電体パターン14の輪郭の全長の、誘電体パターン14の単位面積あたりの長さは、比較的に大きい)。そのため、誘電体パターン14から対向面32aへと電荷は逃げやすく、いわゆる電荷移動に起因する誘電体パターン14の帯電は抑制される。したがって、可変キャパシタX8においては、可変キャパシタX1に関して上述したのと同様の理由で、駆動電圧特性の変動は抑制される。
図35は、本発明の第10の実施形態に係る可変キャパシタX10の部分断面図である。図35は、可変キャパシタX8にとっての図29に対応する。可変キャパシタX10は、基板31と、湾曲構造を有しない可動電極32と、湾曲構造を有しない可動電極13と、誘電体パターン14と、アンカー部34とを備える。可変キャパシタX10は、可動電極13が湾曲構造を有さず且つアンカー部34を備える点において、可変キャパシタX8と異なる。可変キャパシタX10については、犠牲膜15内にアンカー部34を埋め込み形成する点および可動電極13上に材料膜16を形成しない点以外は、図30および図31を参照して上述した可変キャパシタX8の製造方法と同様の方法により、製造することができる。
可変キャパシタX10は、可変キャパシタX1に関して上述したのと同様の態様で駆動することができる。具体的には、図36に示すように、可動電極32と可動電極13の間のギャップG10の体積が最大である図36(a)に示す第1状態(初期状態)とギャップG8の体積が最小である図36(d)に示す第2状態との間で、当該ギャップ体積を連続的に大きく変化させることができる。したがって、可変キャパシタX10によると、可変キャパシタX1と同様に、静電容量について大きな可変量ないし可変率を実現することができる。
可変キャパシタX10においては、可動電極32の対向面32a上において所定のパターン形状を有する誘電体パターン14の輪郭の全長は比較的に長い(即ち、誘電体パターン14の輪郭の全長の、誘電体パターン14の単位面積あたりの長さは、比較的に大きい)。そのため、誘電体パターン14から対向面32aへと電荷は逃げやすく、いわゆる電荷移動に起因する誘電体パターン14の帯電は抑制される。したがって、可変キャパシタX10においては、可変キャパシタX1に関して上述したのと同様の理由で、駆動電圧特性の変動は抑制される。
上述の可変キャパシタX1,X2においても、可変キャパシタX10のアンカー部34のような、両電極を連結するためのアンカー部を設けてもよい。
可変キャパシタX8〜X10においては、可動電極32の対向面32a上に誘電体パターン14を設けるのに代えて、可変キャパシタX1について上述したのと同様に、図9に示す誘電体パターン14を可動電極13の対向面13a上に設けてもよい。可変キャパシタX8〜X10においては、可動電極32の対向面32a上に誘電体パターン14を設けるのに加えて、可変キャパシタX1について上述したのと同様に、図10に示す誘電体パターン14’を可動電極13の対向面13a上に設けてもよい。可変キャパシタX8〜X10においては、可変キャパシタX1について上述したのと同様に、図11に示す導体層17を誘電体パターン14上に設けてもよい。
可変キャパシタX8〜X10においては、誘電体パターン14を設けずに、図12に示す可変キャパシタX2に関して上述した誘電体膜21を、可動電極32の対向面32a上または可動電極13の対向面13a上に設け、且つ、可変キャパシタX2に関して上述した導体パターン22を、誘電体膜21が設けられていない対向面32aまたは対向面13aの上に設けてもよい。可変キャパシタX8〜X10においては、誘電体パターン14を設けずに、図14に示す可変キャパシタX3に関して上述した誘電体膜21およびその上の導体パターン23を、対向面32a上または対向面13a上に設けてもよい。可変キャパシタX8〜X10においては、誘電体パターン14を設けずに、図16に示す可変キャパシタX4に関して上述した誘電体膜24および導体パターン25を、対向面32a上または対向面13a上に設けてもよい。可変キャパシタX8〜X10においては、誘電体パターン14を設けずに、図18に示す可変キャパシタX5に関して上述した誘電体膜24および導体パターン25を対向面32a上または対向面13a上に設け、且つ、可変キャパシタX5に関して上述した導体パターン26を、誘電体膜24および導体パターン25の設けられていない対向面32aまたは対向面13aの上に設けてもよい。可変キャパシタX8〜X10においては、誘電体パターン14を設けずに、図20に示す可変キャパシタX6に関して上述した誘電体膜24および導体パターン25を対向面32a上または対向面13a上に設け、且つ、可変キャパシタX6に関して上述した導体パターン27を、誘電体膜24および導体パターン25の設けられていない対向面32aまたは対向面13aの上に設けてもよい。
上述の固定電極12、可動電極13、および可動電極32は、各々について図示したのとは異なる湾曲形状を有してもよい。例えば、可変キャパシタX1〜X7の固定電極12は、可動電極13と対向する領域内に、可動電極13の側へ突き出るように湾曲する複数の部位を有してもよいし、可動電極13とは反対の側へ突き出るように湾曲する部位を少なくとも一つ有してもよい。可変キャパシタX1〜X7の可動電極13は、固定電極12と対向する領域内に、固定電極12の側へ突き出るように湾曲する複数の部位を有してもよいし、固定電極12とは反対の側へ突き出るように湾曲する部位を少なくとも一つ有してもよい。可変キャパシタX8〜X10の可動電極13は、可動電極32と対向する領域内に、可動電極32の側へ突き出るように湾曲する複数の部位を有してもよいし、可動電極32とは反対の側へ突き出るように湾曲する部位を少なくとも一つ有してもよい。可変キャパシタX8〜X10の可動電極32は、可動電極13と対向する領域内に、可動電極13の側へ突き出るように湾曲する複数の部位を有してもよいし、可動電極13とは反対の側へ突き出るように湾曲する部位を少なくとも一つ有してもよい。
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
(付記1)第1対向面を有するキャパシタ電極と、
前記第1対向面に対向する第2対向面を有し、且つ、前記キャパシタ電極の側に突き出るように湾曲している部位を有する、可動キャパシタ電極膜と、
前記第1対向面上または前記第2対向面上に設けられた誘電体パターンと、を備える可変キャパシタ。
(付記2)第1対向面を有するキャパシタ電極と、
前記第1対向面に対向する第2対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、
前記キャパシタ電極に対して前記可動キャパシタ電極膜を部分的に固定するためのアンカー部と、
前記第1対向面上または前記第2対向面上に設けられた誘電体パターンと、を備える可変キャパシタ。
(付記3)前記誘電体パターン上に導体層を備える、付記1または2に記載の可変キャパシタ。
(付記4)前記誘電体パターンが設けられていない前記第1対向面または前記第2対向面の上に誘電体パターンを備える、付記1または2に記載の可変キャパシタ。
(付記5)前記誘電体パターンの形状および/または粗密の調整によって、C−V特性が調整されている、付記1から4のいずれか一つに記載の可変キャパシタ。
(付記6)前記誘電体パターンは、密な部分から粗な部分へと変化する部位を有する、付記5に記載の可変キャパシタ。
(付記7)前記誘電体パターンは、複数の誘電体アイランドからなる、付記1から6のいずれか一つに記載の可変キャパシタ。
(付記8)第1対向面を有するキャパシタ電極と、
前記第1対向面に対向する第2対向面を有し、且つ、前記キャパシタ電極の側に突き出るように湾曲している部位を有する、可動キャパシタ電極膜と、
前記第1対向面上または前記第2対向面上に設けられた誘電体膜と、
前記誘電体膜が設けられていない前記第1対向面または前記第2対向面の上に設けられた導体パターンと、を備える可変キャパシタ。
(付記9)第1対向面を有するキャパシタ電極と、
前記第1対向面に対向する第2対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、
前記第1対向面上または前記第2対向面上に設けられた誘電体膜と、
前記キャパシタ電極に対して前記可動キャパシタ電極膜を部分的に固定するためのアンカー部と、
前記誘電体膜が設けられていない前記第1対向面または前記第2対向面の上に設けられた導体パターンと、を備える可変キャパシタ。
(付記10)第1対向面を有するキャパシタ電極と、
前記第1対向面に対向する第2対向面を有し、且つ、前記キャパシタ電極の側に突き出るように湾曲している部位を有する、可動キャパシタ電極膜と、
前記第1対向面上または前記第2対向面上に設けられた誘電体膜と、
前記誘電体膜上に設けられた導体パターンと、を備える可変キャパシタ。
(付記11)第1対向面を有するキャパシタ電極と、
前記第1対向面に対向する第2対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、
前記キャパシタ電極に対して前記可動キャパシタ電極膜を部分的に固定するためのアンカー部と、
前記第1対向面上または前記第2対向面上に設けられた誘電体膜と、
前記誘電体膜上に設けられた導体パターンと、を備える可変キャパシタ。
(付記12)第1対向面を有するキャパシタ電極と、
前記第1対向面に対向する第2対向面を有し、且つ、前記キャパシタ電極の側に突き出るように湾曲している部位を有する、可動キャパシタ電極膜と、
前記第1対向面上または前記第2対向面上に設けられた誘電体膜と、
前記可動キャパシタ電極膜の側に露出しつつ前記誘電体膜に埋め込み形成された導体パターンと、を備える可変キャパシタ。
(付記13)第1対向面を有するキャパシタ電極と、
前記第1対向面に対向する第2対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、
前記キャパシタ電極に対して前記可動キャパシタ電極膜を部分的に固定するためのアンカー部と、
前記第1対向面上または前記第2対向面上に設けられた誘電体膜と、
前記可動キャパシタ電極膜の側に露出しつつ前記誘電体膜に埋め込み形成された導体パターンと、を備える可変キャパシタ。
(付記14)前記導体パターンは、複数の開口部を有する導体膜である、付記12または13に記載の可変キャパシタ。
(付記15)前記誘電体膜における前記可動キャパシタ電極膜の側の面と、前記導体パターンにおける前記可動キャパシタ電極膜の側の面とは、面一である、付記12から14のいずれか一つに記載の可変キャパシタ。
(付記16)前記導体パターンにおける前記可動キャパシタ電極膜の側の面は、前記誘電体膜における前記可動キャパシタ電極膜の側の面よりも、前記キャパシタ電極の側に退避している、付記12から14のいずれか一つに記載の可変キャパシタ。
(付記17)前記誘電体膜における前記可動キャパシタ電極膜の側の面は、前記導体パターンにおける前記可動キャパシタ電極膜の側の面よりも、前記キャパシタ電極の側に退避している、付記12から14のいずれか一つに記載の可変キャパシタ。
(付記18)前記キャパシタ電極および前記可動キャパシタ電極膜の間を部分的に連結するアンカー部を備える、付記1,8,10,12のいずれか一つに記載の可変キャパシタ。
(付記19)前記キャパシタ電極は固定電極である、付記1から18のいずれか一つに記載の可変キャパシタ。
(付記20)前記固定電極の前記第1対向面は、前記可動キャパシタ電極膜の側に突き出るように湾曲している領域を有する、付記19に記載の可変キャパシタ。
(付記21)前記キャパシタ電極は可動キャパシタ電極膜である、付記1から18のいずれか一つに記載の可変キャパシタ。
(付記22)前記キャパシタ電極は、前記可動キャパシタ電極膜の側に突き出るように湾曲している部位を有する可動キャパシタ電極膜である、付記1から18のいずれか一つに記載の可変キャパシタ。
(付記23)第1対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、
前記第1対向面に対向し且つ前記可動キャパシタ電極膜の側に突き出るように湾曲している領域を有する第2対向面、を有する固定キャパシタ電極と、
前記第1対向面上または前記第2対向面上に設けられた誘電体パターンと、を備える可変キャパシタ。
(付記24)第1対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、
前記第1対向面に対向し且つ前記可動キャパシタ電極膜の側に突き出るように湾曲している領域を有する第2対向面、を有する固定キャパシタ電極と、
前記第1対向面上または前記第2対向面上に設けられた誘電体膜と、
前記誘電体膜が設けられていない前記第1対向面または前記第2対向面の上に設けられた導体パターンと、を備える可変キャパシタ。
(付記25)第1対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、
前記第1対向面に対向し且つ前記可動キャパシタ電極膜の側に突き出るように湾曲している領域を有する第2対向面、を有する固定キャパシタ電極と、
前記第1対向面上または前記第2対向面上に設けられた誘電体膜と、
前記誘電体膜上に設けられた導体パターンと、を備える可変キャパシタ。
(付記26)第1対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、
前記第1対向面に対向し且つ前記可動キャパシタ電極膜の側に突き出るように湾曲している領域を有する第2対向面、を有する固定キャパシタ電極と、
前記第1対向面上または前記第2対向面上に設けられた誘電体膜と、
前記可動キャパシタ電極膜の側に露出しつつ前記誘電体膜に埋め込み形成された導体パターンと、を備える可変キャパシタ。
X1〜X10 可変キャパシタ
11,31 基板
12 固定電極
13,32 可動電極
14 誘電体パターン
17 導体層
21,24 誘電体膜
22,23,25,26,27 導体パターン
28 丘陵部
34 アンカー部

Claims (9)

  1. 第1対向面を有するキャパシタ電極と、
    前記第1対向面に対向する第2対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、
    前記キャパシタ電極に対して前記可動キャパシタ電極膜を部分的に固定するために前記キャパシタ電極と前記可動キャパシタ電極膜とを連結するアンカー部と、
    前記第1対向面上または前記第2対向面上に設けられた複数の誘電体パターンと、を備え、
    前記複数の誘電体パターン上にそれぞれ導体層を備える可変キャパシタ。
  2. 第1対向面を有するキャパシタ電極と、
    前記第1対向面に対向する第2対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、
    前記キャパシタ電極に対して前記可動キャパシタ電極膜を部分的に固定するために前記キャパシタ電極と前記可動キャパシタ電極膜とを連結するアンカー部と、
    前記第1対向面上または前記第2対向面上に設けられた複数の誘電体パターンと、を備え、
    前記複数の誘電体パターンが設けられていない前記第1対向面または前記第2対向面の上の前記複数の誘電体パターンに対応した位置にそれぞれ別の誘電体パターンを備える可変キャパシタ。
  3. 前記誘電体パターンの形状および/または粗密の調整によって、C−V特性が調整され
    ている、請求項1または2記載の可変キャパシタ。
  4. 前記誘電体パターンは、密な部分から粗な部分へと変化する部位を有する、請求項に記載の可変キャパシタ。
  5. 前記誘電体パターンは、複数の誘電体アイランドからなる、請求項1からのいずれか一つに記載の可変キャパシタ。
  6. 第1対向面を有するキャパシタ電極と、
    前記第1対向面に対向する第2対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、
    前記第1対向面上または前記第2対向面上に設けられた誘電体膜と、
    前記キャパシタ電極に対して前記可動キャパシタ電極膜を部分的に固定するために前記キャパシタ電極と前記可動キャパシタ電極膜とを連結するアンカー部と、
    前記誘電体膜が設けられていない前記第1対向面または前記第2対向面の上に設けられた導体パターンと、を備え、前記導体パターンの面積は、前記誘電体膜が設けられた前記第1対向面または前記第2対向面の面積より小である可変キャパシタ。
  7. 第1対向面を有するキャパシタ電極と、
    前記第1対向面に対向する第2対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、
    前記キャパシタ電極に対して前記可動キャパシタ電極膜を部分的に固定するために前記キャパシタ電極と前記可動キャパシタ電極膜とを連結するアンカー部と、
    前記第1対向面上または前記第2対向面上に設けられた誘電体膜と、
    前記誘電体膜上に設けられた複数の導体パターンと、を備え、前記複数の導体パターンの面積は、前記誘電体膜の面積より小である可変キャパシタ。
  8. 第1対向面を有するキャパシタ電極と、
    前記第1対向面に対向する第2対向面を有する可動キャパシタ電極膜と、
    前記キャパシタ電極に対して前記可動キャパシタ電極膜を部分的に固定するために前記キャパシタ電極と前記可動キャパシタ電極膜とを連結するアンカー部と、
    前記第1対向面上または前記第2対向面上に設けられた誘電体膜と、
    前記可動キャパシタ電極膜の側に露出しつつ前記誘電体膜に埋め込み形成された複数の導体パターンと、を備え、前記複数の導体パターンの露出面積は、前記誘電体膜が設けられた前記第1対向面または前記第2対向面の面積より小である可変キャパシタ。
  9. 前記導体パターンは、複数の開口部を有する導体膜である、請求項記載の可変キャパシタ。
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