JP5115040B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ディスクでの光学的な情報の記録及び/再生(以下、記録再生という)を行う光ピックアップ装置に関する。
従来、CDやDVDなどのような光ディスクの記録再生を行う光ディスク読み取り装置において、特に光学的な記録再生を行うための光ピックアップ装置が各種開発されている。(例えば特許文献1参照)
図7および図8に従来の光ピックアップ100の構成を示す。
図7において、従来の光ピックアップは、光情報記録媒体から光情報を読み取り、あるいは光情報記録媒体に光情報を書き込む、もしくはその両方の機能を有する光ピックアップにおいて、レーザダイオード102のレーザ光出射側に設けられているレーザ光透過部の外周端面にλ波長板110を貼り付けており、図8に示すように、アクリル製のλ波長板110はレーザダイオード102のレーザ光出射側キャン端面におけるレーザ光透過用開放穴102aの外周部(レーザ光透過開放部の外周端面)に直接接着固定される。このような構成を用いることで、高性能で且つ量産性に優れた光ピックアップを実現していた。
特開2001−273664号公報(第2−4図)
しかしながら、従来の光ピックアップ装置における波長板などの光学的異方性を有する樹脂で形成された光学素子(例えば1/4波長板)を筐体(例えばオプトベース、半導体レーザなど)の壁面に接着剤などで固着する場合、接着剤が硬化するときの収縮や接着力などにより、歪みやねじれなどの物理的な変形が発生する場合があり、この変形に伴い、コマ収差や非点収差或いは球面収差などの各種の光学収差を発生し、記録再生特性が大幅に劣化するおそれがある。また、例えば車載用の機器に用いられた場合など、周囲温度が大きく変化するおそれがある。この場合、前記光学素子が硬化後の接着剤の熱的な変性や劣化などにより安定した取付け状態を保持できず、位相差光軸の角度がずれて、レーザ光の偏光特性に変動をもたらすため、記録再生特性が大幅に劣化することもある。このため、大きな温度変化に対して常時安定した位置確保と変形防止とを図ることが要請されている。
このように、光学的異方性を有する樹脂で形成された光学素子は、取付けの際の変形や取付け後の位相差光軸の角度の変動などが、記録再生特性などに大きな影響を及ぼす要因となっている。このため、前記光学素子を所定の位置に物理的な変形のない正しい姿勢で固着させて取付けるとともに、長期間にわたり大きな温度変化に対して安定した状態でその位置を正確に保持できるようにすることが重要な課題となっている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、光学的異方性を有する樹脂で形成された光学素子を取付ける際の物理的な変形や、取付け後の大幅な温度変化に対して、前記光学素子を安定した状態で保持しておくことができる、換言すれば、取付けの際の形状信頼性及び取付け後の位置信頼性を高めることができる前記光学素子を備えた光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
本発明は、光学的異方性を有した樹脂材料からなる光学素子を筐体に接着固定した光ピ
ックアップを備えた光ディスク読み取り装置において、前記光学素子は四辺形形状であり、前記光学素子の位相差光軸は前記四辺形の対角線に略平行であり、前記筐体と前記光学素子とが前記光学素子の位相差光軸方向の対角部の2箇所で接着固定されたものである。
ここで、光学的異方性を有した樹脂材料とは、例えばポリカーボネイト、シクロオレフィレンポリマーなどの材料からなるフィルム状の板であり、複屈折性などの光学特性を有し、その厚みや位相差光軸の方向を変化させることでフィルムを透過する光の偏光状態や位相を調整することができる。これらの光学特性を利用して、光ディスク読み取り装置や液晶ディスプレイの光学補償用として用いられるものである。
また、位相差光軸とは光学素子材料の繊維方向に沿ったベクトルにおいて、光学素子材料の重心を通るベクトルで代表した軸である。
そして、位相差光軸方向の対角部とは、本発明の実施例の場合、図3(b)のような平行四辺形形状を有した光学素子の4つの角部の内、位相差光軸に近い角部である鋭角部2箇所のことである。
この構成を有することにより、前記光学素子を前記筐体に接着固定する際、接着剤の接着力によって前記光学素子に発生する伸縮力が前記光学素子の位相差光軸方向、即ち繊維方向に沿って発生する。即ち、負荷に強い方向に伸縮力を集中できるため、光学素子の歪みやねじれなどの物理的な変形を抑制し、光学特性の劣化を低減できる。
また、本発明は、前記光学素子の形状は平行四辺形である構成としている。
この構成を有することにより、前記光学素子を前記筐体に接着固定する際、前記光学素子の位相差光軸(繊維)方向が明瞭に判断可能になるので、誤って接着固定することを防止することができる。
本発明によれば、光学的異方性を有する樹脂材料からなる光学素子を取付けた後、設置する場所や環境の変化などによらず、前記光学素子を長期間にわたり常時安定した状態で定位置に保持することができる。換言すれば取付けの際の形状信頼性及び取付け後の位置信頼性を高めることができる光学素子を備えた光ピックアップ装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施形態にかかる光ピックアップ装置は、光情報記録媒体から光情報を読み取り、あるいは光情報記録媒体に光情報を書き込む、もしくはその両方の機能を有するものであり、半導体レーザを保護する筐体であるLD(半導体レーザ)ブロックに1/4波長板を貼り付けている。この1/4波長板は四辺形形状を有しており、位相差光軸は半導体レーザ出射光の偏光方向に対して45度の傾きを持たせ、固定された構成となっている。この構成を有することによって、直線偏光である半導体レーザからの出射光が1/4波長
板を透過して円偏光に変換され、DVDやCD等の光ディスクに対する記録再生精度を向上させることができるものである。
図1は、本発明の実施形態にかかる光ディスク読み取り装置の光ピックアップ装置1を示すものであり、この光ピックアップ装置1は、筐体部分を構成するオプトベース2と、オプトベース2に対して電磁力を利用して変位可能に連結された対物レンズアクチュエータ3とを備える。なお、図1は内部の光学素子の配置についての正確な記載は複雑になるため、複数の方向から見たときの様子を便宜上同一平面上に記載してある。
このうち、オプトベース2は後述する対物レンズ31及び絞り部を除く主要な光学系を備えるものであり、半導体レーザを用いた光源21と、1/4波長板22と、回折格子23と、往路と復路とで光路を分離させるための光束分離手段であるハーフプレート24と、平行光を形成するコリメートレンズ25と、半導体レーザ21からのレーザ光を光ディスクDへ投光させる投光光学系用の光路及び光ディスクDで反射して戻る受光光学系用の光路を方向転換させるための立ち上げミラー26と、光ディスクDで反射して戻る反射光の受光光学系での(ハーフプレート24を透過後の)光路上に配置する反射ミラー27及びAS(Astigmatism;非点収差)補正板28と、受光素子29などを配置している。
回折格子23は、読取用及びサーボ用となる0次光及び±1次光の回折光を生成するようになっている。ハーフプレート24は、半導体レーザ21側から入射するレーザ光を反射させて光路を90度折り曲げるとともに、光ディスクDで反射するレーザ光を透過させ受光光学系の光路を投光光学系の光路から分離させるようになっている。AS補正板28は、トラッキング方向及びフォーカス方向での良好なサーボ制御を行うために、ハーフプレート24で発生する非点収差の角度を補正するものであり、本実施形態では、非点収差の方向が受光素子29の受光面に設けた分割線に対して45度ずれた角度となるように、光軸に対して60度回転させている。なお、このAS補正番27は、この厚さ及びこれに入射するレーザ光の入射角と、発生する非点収差(AS)の角度とについて一定の関係があり、この関係式を利用して光路に対して60度回転させてあるが、この関係式については説明を省略する。受光素子29には、光電変換素子として、例えばPINフォトダイオードなどを用いている。
一方、対物レンズアクチュエータ3は、情報の記録読取を行う光ディスクDのトラック(ピット)へレーザ光を集光するための対物レンズ31および図示外の絞り部などを設けている。また、本実施形態の対物レンズアクチュエータ30は、図示しないが、トラッキングサーボをかけるために光ディスクDのラジアル(R)方向に変位可能であるとともにフォーカシングサーボをかけるために光ディスクDの厚さ方向に変位可能な可動部と、この可動部を支持するヨーク部とを備えている。
以上のような構成を有することで、トラッキング制御の際には、半導体レーザ21からの光束を光ディスクDのトラックに追従させるため対物レンズアクチュエータ3(対物レンズ31)の微動を図示外のサーボ機構で行い、サーボ機構で追従しきれない所定距離以上の移動動作が必要な場合は、図示外のトラバース機構を利用してオプトベース2を移動させる。
次に、図2、図3、及び図4を用いて図1のLD(半導体レーザ)ブロック20、半導体レーザ21、及び1/4波長板22の詳細を説明する。
図2(a)はオプトベース2にLDブロック20を取り付けた状態の外観図であり、図2(b)はその拡大断面図である。ここで、LDブロック20とは、半導体レーザ21と1/4波長板22を固定するための金属板などで形成された筐体である。組み立て工程上、半導体レーザ21のレーザ光軸位置を調整することが必要なため、その他の光学素子と
は別の筐体が用意されている。すなわち、LDブロック20に半導体レーザ21と1/4波長板22を接着固定し、半導体レーザ21のレーザ光軸位置を調整した後に、LDブロック20をオプトベース2に接着剤41、及び接着剤42で固定する構造になっている。
ここで、上述の各光学素子について詳細を説明する。
半導体レーザ21には、光ディスクDでの読取又は書き込みのために所定波長のレーザ光を出射するものを用いている。ここで、半導体レーザの構造として、レーザ光が出射される活性層が半導体レーザ上面(本実施形態においては半導体レーザ上面21A)に対して平行に存在する構造となっている。また、この活性層からの出射光は活性層に対して平行方向の直線偏光を有している。そのため、この出射光の偏光方向に対して、位相差光軸が+45度もしくは−45度を成すような光学的異方性を有した光学素子(例えば1/4波長板)を透過した場合、円偏光に変換される。
図3(a)は1/4波長板22の形状を示す図であり、図3(b)は1/4波長板22をLDブロック20に固着した状態を示し、図2(b)を正面図としたときのLDブロックの上面図である。
1/4波長板22は、光学的異方性を有する樹脂で形成された光学素子である。この1/4波長板の形状は図3(a)に示すように四辺形形状であり、特に本実施の形態においては平行四辺形のものを用いている。1/4波長板22は、位相差光軸22Aが長辺に対して45度を成す構造としている。そして、1/4波長板22の長辺が半導体レーザ21の上面21Aと平行に取り付けらることで、先に述べたように半導体レーザの偏光方向と、半導体レーザ21の偏光方向と1/4波長板22の位相差光軸22Aの傾きが45度の関係になることから、半導体レーザの出射光は1/4波長板22を透過時に直線偏光から円偏光に変換される。
オプトベース2とLDブロック20と1/4波長板22との関係は、図2(b)に示すように、半導体レーザ21の出射光に対して垂直となるよう、半導体レーザ21におけるレーザ出射面21B、LDブロック20におけるオプトベース取付面20A、及び段落ち面20Cが平行な構造となっており、その段落ち面20C上に1/4波長板22が固着されている。なお、段落ち面20Cを囲う上面20F、下面20Gは半導体レーザ22の上面21Aと平行な構造となっており、上面20F、下面20Gを基準に1/4波長板22を取り付けることで、1/4波長板22の長辺二辺が半導体レーザ21の上面に平行で、かつ適宜1/4波長板22の中心位置と位相差角度の位置決めができる形状としている。
さらに、この段落ち面20Cに1/4波長板を取り付けて、1/4波長板22を接着剤で固定するよう紙面の奥に向かって半球状に窪んだ接着だまり20Hを設けて、この位置で固着できるような形状としている。
このように、光学的異方性を有した樹脂材料である1/4波長板22をLDブロック20などの筐体に接着剤をもちいて固定したものであり、1/4波長板22を四辺形形状として、四辺形形状の4つの角部のうち位相差光軸22Aに近い2つの対角部である2箇所で接着固定している。特に、1/4波長板として、例えばポリカーボネイト、シクロオレフィレンポリマーなどの材料からなるフィルム状の板を用いればよく、これらのものは複屈折性などの光学特性を有し、その厚みや位相差光軸の方向を変化させることでフィルムを透過する光の偏光状態や位相を調整することができるため、これらの光学特性を利用することができる。ここで、位相差光軸とは光学素子の繊維方向に沿ったベクトルにおいて、光学素子材料の重心を通るベクトルで代表した軸をさす。このような構成とすることによって、1/4波長板22を前記筐体に接着固定する際、接着剤の接着力によって1/4波長板に発生する伸縮力が位相差光軸方向、即ち繊維方向に沿って発生するので、負荷に
対して強い方向に伸縮力を集中でき、光学素子の歪みやねじれなどの物理的な変形を抑制し、光学特性の劣化を低減することができる。
さらに、本実施形態においては、1/4波長板22を、図3(a)に示したように、平行四辺形形状のものを用いている。すなわち、位相差光軸に近い角部である鋭角部2箇所で1/4波長板22をLDブロック20に固着するようにしている。したがって、1/4波長板22をLDブロック20などの記筐体に接着固定する際に、1/4波長板の位相差光軸方向(繊維方向)を容易にかつ明瞭に判断することができるので、1/4波長の向きを誤って接着固定してしまうことを防止することができる。
次に、LDブロック20と1/4波長板22の接着固定方法について説明する。
先に述べたように、1/4波長板22の接着剤が硬化するときの収縮や接着力などにより、歪みやねじれなどの物理的な変形が発生する場合があり、この変形に伴い、コマ収差や非点収差或いは球面収差などの各種の光学収差を発生し、記録再生特性が大幅に劣化するおそれがある。そのため光学収差が小さい接着仕様が好まれ、この光学収差については波面収差RMS値で一般的に20mλrms以下が好ましく、特に車載環境における温度変化による光学収差劣化を考慮した場合には10mλrms以下であることが好ましいことが知られている。なお、波面収差RMS値(以下、RMS値)は以下の次数式1で定義される。
RMS値=[{ΣH(ρ,θ)/N}−{ΣH(ρ,θ)/N}1/2・・・(数式1)
但し、H(ρ,θ);形状関数、ρ,θ;極座標、N;データ数である。
以上を踏まえ、発明者らは実験計画法を用いて、接着剤の種類、接着箇所数、接着量、接着剤硬化時のUV照射量の4種類それぞれの因子について、3種類の水準を設定し、その水準から9種類の接着パターンに組み分け、その接着パターンで固定した1/4波長板22に発生する光学収差に基づき接着仕様検討を行った。ここで、水準とは各因子の接着仕様候補であり、本検討における接着量水準の場合、0.05mg、0.1mg、0.2mgと設定した。
図4は上記検討における実験結果を示している。図4(a)は、接着剤の材質の違いによる収差の違い、図4(b)は、接着剤の接着箇所の数の違いによる収差の違い、図4(c)は、1/4波長板とLDブロック20との接着量の違いによる収差の違い、図4(d)は、接着剤硬化時におけるUV照射量の違いによる収差の違いをそれぞれ表にしたものである。ここで、工程平均とは各水準に起因する収差劣化量を基に算出した値であり、この値が大きいほど収差劣化量が小さく、好ましい水準、即ち接着仕様である。例えば、因子iの内、水準jに起因して発生する非点収差Xasの工程平均χasは次数式2で求められる。

χas i,j=1/m Σ{−10log10as i,j,k}・・・(数式2)
k=1
但し、Xas:因子iの内、水準jで作製したサンプルk(k=1,・・・m)の非点収差、m:因子iの内、水準jで作製したサンプル数である。なお、コマ収差、球面収差、RMS値に関する工程平均も同様に算出できる。
なお、グラフ上の曲線aは非点収差(astigmatism)に関する工程平均、cはコマ収差(comatic aberration)に関する工程平均、sは球面収差(spherical aberration)に関
する工程平均、rはRMS値に関する工程平均である。
図4の各結果からわかるように、接着量および接着剤硬化時のUV照射量については、RMS値の工程平均が0に近いので、接着量は0.05mg、UV照射量は3000mJ/cmとするのが好ましく、接着箇所については、RMS値は1点も2点も大きく変わらないが、非点収差が大きく良化できる2点接着が好ましいと判断できる。
また、上記検討において、接着剤のショア硬度と接着箇所が光学収差に大きく起因することが判明したため、この二つの仕様に関して、以下の追加実験を行った。なお、この追加実験では、光学収差劣化の傾向を明瞭にするため、接着仕様量の倍である0.10mgで実施した。
まず、接着箇所に関しては、位相差光軸22Aに対して略平行方向の対角部の2箇所で接着固定した場合(A)と、その垂直方向の対角部の2箇所で接着固定した場合に発生する光学収差の比較実験(B)を行った。その結果を表1に示す。
表1に示すように位相差光軸の延在方向に沿った光学素子の対角部の2箇所で接着固定した場合(A)の方が1/4波長板に発生する光学収差(非点収差、コマ収差、球面収差、RMS値)の劣化を低減することができるという結果が確認された。この結果を踏まえ、1/4波長板22の形状を平行四辺形として、容易に位相差光軸22A方向を明瞭に判断できるようにしたので、1/4波長板22をLDブロック20に誤った方向で接着固定することを防止することができる。
次に1/4波長板22の接着固定における接着剤の硬度と波面収差の関係を確認する実験を行った。その結果を図5に示す。図5のグラフからわかるように、D45を超える硬度の接着剤を用いた場合には、急激に光学収差が劣化し、10mλrmsを超えてしまうため、車載環境での温度環境の急激な変化による更なる光学収差劣化を考慮した場合、20mλrms以上の光学収差劣化が発生し、光ピックアップ全体としての光学特性を低下させるおそれがある。そのため、車載環境への適用を考慮した場合、少なくともD45以下の硬度のものを用いることが好ましいと判断できる。
以上を踏まえ決定した接着仕様を基に作製したサンプルを用いて、各種信頼性試験を実施した。図6にこれら各種信頼性試験における1/4波長板の光学収差の変動を示す。
ここで、各種信頼性試験とは、特に温度変化の激しい車載用の電子機器に搭載することを想定して行われる試験であり、熱衝撃サイクル試験、高温高湿放置試験、高温放置試験、低温放置試験の4種類であり、それぞれ、熱衝撃サイクル試験は、設置場所の温度を−40℃で30分放置した後に+85℃まで温度を急激上昇させ、そのまま30分放置し、更に急激に温度を−40℃まで降下させる耐環境試験であり、この過程を1サイクルと定義して、1000サイクル実施した。高温高湿放置試験は、設置場所の温度+60℃、湿度90%の環境下で放置する耐環境試験を1000時間実施した。高温放置試験は、設置場所の温度+85℃の環境下で放置する耐環境試験を1000時間実施した。低温放置試験は、設置場所の温度−40℃の環境下で放置する耐環境試験を1000時間実施したものである。
図6において、(A)は熱衝撃サイクル試験の結果、(B)は高温高湿放置試験結果、
(C)は高温放置試験の結果、(D)は低温放置試験の結果をそれぞれ示している。
この実験結果によると、信頼性試験前に5mλrms程度の光学収差であるのに対して、各種信頼性1000cyc、1000h経過後も大きな収差劣化は見られず、10mλrms以下に抑えられている。即ち、光学的異方性を有した樹脂材料からなる光学素子に対して、車載環境へ十分適用可能な信頼性を有した接着固定方法と判断できる。

以上のとおり、光学素子を筐体に接着固定する場合において、光学素子を四辺形形状とし、この光学素子の位相差光軸を前記四辺形の対角線に略平行であり、前記筐体と前記光学素子とが前記光学素子の位相差光軸方向の対角部の2箇所で接着固定するの構成としたことにより、前記光学素子を前記筐体に接着固定する際、接着剤の接着力によって前記光学素子に発生する伸縮力が前記光学素子の位相差光軸方向、即ち繊維方向に沿って発生する。即ち、負荷に強い方向に伸縮力を集中できるため、光学素子の歪みやねじれなどの物理的な変形を抑制し、光学特性の劣化を低減できる。
さらに、光学素子の形状を平行四辺形としてよく、この場合、光学素子を筐体に接着固定する際、光学素子の位相差光軸(繊維)方向が明瞭に判断可能になるので、誤って接着固定することを防止することができる。
そして、光学素子と筐体とを接着固定する接着剤にはショアD45以下の硬度のものを用いる構成とすることで、接着剤の伸縮力によって生じる前記光学素子の物理的な変形を抑制し、光学収差を低減できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施し得るものである。
本発明の光ピックアップ装置は、設置する場所や環境などでの大幅な温度変化に対して、光学的異方性を有した樹脂材料からなる光学素子の変形及び位置的な変化を抑えることができる、換言すれば位置信頼性を高めることができる効果を有し、特に温度変化の激しい車載用の電子機器に搭載する光ピックアップ装置等に有用である。
本発明の実施形態に係る光ピックアップ装置の光学素子を示す構成図 (a)本発明の実施形態に係る光ピックアップ装置のオプトベースに固着するLDブロックを示す外観図(b)本発明の実施形態に係る光ピックアップ装置のオプトベースに固着するLDブロックを示す図 (a)本発明の実施形態に係る1/4波長板を示す説明図(b)本発明の実施形態に係る1/4波長板のLDブロックへの取り付けを示す説明図 (a)本発明の実施形態に係る1/4波長板とLDブロックの接着仕様検討における各接着剤種の工程平均比較を示す説明図(b)本発明の実施形態に係る1/4波長板とLDブロックの接着仕様検討における各接着箇所の工程平均比較を示す説明図(c)本発明の実施形態に係る1/4波長板とLDブロックの接着仕様検討における各接着量の工程平均比較を示す説明図(d)本発明の実施形態に係る1/4波長板とLDブロックの接着仕様検討における各UV照射量の工程平均比較を示す説明図 本発明の実施形態に係る1/4波長板とLDブロックの固定用接着剤の硬度と波面収差の相関性を示す図 本発明の実施形態に係る1/4波長板の各種信頼性での光学収差の変動を示す図 従来例に係わる光ピックアップ装置を示す構成図 従来例に係わる1/4波長板を取り付けた半導体レーザの外観図
符号の説明
1 ピックアップ装置
2 オプトベース
2A オプトベースにおけるLDブロック取付面
3 対物レンズアクチュエータ
20 LDブロック(半導体レーザブロック)
20A LDブロックにおけるオプトベース取付面
20C LDブロックにおける1/4波長板取付面(段落ち面)
20F LDブロックにおける1/4波長板取付面を囲う壁上面
20G LDブロックにおける1/4波長板取付面を囲う壁上面
20H LDブロックにおける1/4波長板取付のための接着だまり
21 半導体レーザ(光源)
21A 半導体レーザの上面
21B 半導体レーザにおけるレーザ出射面
22 1/4波長板
22A 1/4波長板の位相差光軸(繊維方向)
23 回折格子
24 ハーフプレートミラー(光束分離手段)
25 コリメートレンズ
26 立ち上げミラー
27 反射ミラー
28 AS補正板
29 受光素子
31 対物レンズ
41 LDブロックとオプトベースを固定する接着剤1
42 LDブロックとオプトベースを固定する接着剤2
43 1/4波長板とLDブロックを固定する接着剤

Claims (1)

  1. 光学的異方性を有した樹脂材料からなる光学素子を筐体に接着固定した光ピックアップ装置において、前記光学素子は光学的位相差を有した平行四辺形形状であり、前記筐体と前記光学素子とが前記光学素子の位相差光軸に近い2つの角である対角の2箇所で接着固定された光ピックアップ装置。
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