JP5114629B2 - リグノセルロース物質蒸解用蒸解助剤及びパルプの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、パルプ収率及びパルプ品質(白色度、比引裂強度、比破裂強度及びカッパー価の低下等)を著しく向上できるリグノセルロース物質蒸解用蒸解助剤を提供することである。
有機酸(A)が、乳酸、グリセリン酸、アラビノン酸、グルコン酸、ガラクトン酸、リンゴ酸、クエン酸、イソクエン酸、アラビナル酸、グルカン酸又はガラクタル酸から選ばれるオキシカルボン酸(A2)であり、
溶解度パラメーターが14〜24の水溶性高分子(B)を含有する点を要旨とする。
また、本発明のリグノセルロース蒸解用蒸解助剤を使用することにより、白色度の高いパルプが効率よく得られるため、漂白工程における漂白剤の使用量を大幅に低減できる。
モノカルボン酸としては、飽和モノカルボン酸及び不飽和モノカルボン酸等が含まれる。
飽和モノカルボン酸としては、炭素数2〜30の飽和直鎖モノカルボン酸、炭素数4〜30の飽和分岐モノカルボン酸及び炭素数5〜30の飽和環状モノカルボン酸等が使用できる。
飽和ジカルボン酸としては、炭素数4〜32の飽和直鎖ジカルボン酸、炭素数6〜21の飽和分岐ジカルボン酸及び炭素数8〜20飽和環状ジカルボン酸等が使用できる。
機 種:Waters510(日本ウォーターズ・リミティッド製)
カ ラ ム:TSK gel G5000pwXL及びTSK gel G3000pwXL (いずれも東ソー株式会社製)を直列に結合したカラム
カラム温度:40℃
検 出 器:RI
溶 媒:0.5%酢酸ソーダ・水/メタノール(体積比70/30)
流 速:1.0ml/分
試料濃度 :0.25重量%
注 入 量:200μl
標 準:ポリオキシエチレングリコール (東ソー株式会社製;TSK STANDARD POLYETHYLENE OXIDE)
データ処理装置:SC−8010(東ソー株式会社製)
SP値(δ)=(ΔH/V)1/2 (1)
また、ΔH及びVは、「POLYMER ENGINEERING AND FEBRUARY,1974, Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(151〜153頁)」に記載の原子団のモル蒸発熱(Δei)の合計(ΔH)とモル体積(Δvi)の合計(V)を用いることができる。
水溶性高分子(B)としては、水溶性アニオンポリマー、水溶性ノニオンポリマー、水溶性カチオンポリマー及び水溶性両性ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーが含まれる。
アニオン性ビニル単量体(b1)としては、たとえば、以下のものが挙げられる。
(b1−1)カルボキシ基含有ビニル単量体
モノカルボン酸{不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、クロトン酸及び桂皮酸等]及び不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜8)エステル[マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル及びイタコン酸モノアルキルエステル等]
ジカルボン酸{マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸等}
炭素数2〜6のアルケンスルホン酸{ビニルスルホン酸及び(メタ)アリルスルホン酸等}
炭素数6〜12の芳香族ビニル基含有スルホン酸{スチレンスルホン酸及びα−メチルスチレンスルホン酸等}
スルホ基含有(メタ)アクリルエステル{スルホプロピル(メタ)アクリレート及び2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸等}
スルホ基含有(メタ)アクリルアミド{2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等}
スルホ基と水酸基とを含有するビニル単量体{3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸及び3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等}
アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸エステル{ドデシルアリルスルホコハク酸エステル等}
ポリ(重合度2〜30)オキシアルキレン(オキシエチレン、オキシプロピレン及び/又はオキシブチレン:ランダム、ブロックのいずれでもよい。以下同様である。)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル、ポリ(重合度2〜30)オキシアルキレンビスフェノールAモノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル等
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(アルキルの炭素数2〜6)燐酸モノエステル{(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等}
(メタ)アクリロイルオキシホスホン酸{2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸等}
1価金属としては、アルカリ金属(ナトリウム及びカリウム等)が挙げられる。
2価金属としては、アルカリ土類金属(カルシウム及びマグネシウム等)及び亜鉛等が挙げられる。
アミンとしては、モノ−、ジ−又はトリ−アルキル(炭素数1〜8)アミン{モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン等};モノ−、ジ−又はトリ−アルカノール(炭素数1〜8)アミン{モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン及びジイソプロパノールアミン等};及び複素環アミン{ピリジン及びモルホリン等}が挙げられる。
ノニオン性ビニル単量体(b2)としては、たとえば、以下のものが挙げられる。
非置換又はモノアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド{(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−i−プロピル(メタ)アクリルアミド及びN−n−又はi−ブチル(メタ)アクリルアミド等}
ジアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド{N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジn−ブチル(メタ)アクリルアミド等}
N−ビニルカルボン酸アミド{N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−n−又はi−プロピオニルアミド及びN−ビニルヒドロキシアセトアミド等}
ヒドロキシ基含有芳香族ビニル単量体{p−ヒドロキシスチレン等}
ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート{2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等}
モノ−又はジ−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド{N,N−ジヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジ−2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等}
酢酸ビニル{加水分解によりビニルアルコール単位を形成できる。}
炭素数3〜12のアルケノール{(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−オクテノール及び1−ウンデセノール等}
炭素数4〜12のアルケンジオール{1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール及び2−ブテン−1,4−ジオール等}
ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケニル(炭素数3〜10)エーテル{2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル等}
多価(3〜8価)アルコール{アルカンポリオール、この分子内又は分子間脱水物、糖類;グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ジグリセリン及び蔗糖等)のアルケニル(炭素数3〜10)エーテル又は(メタ)アクリレート{蔗糖(メタ)アリルエーテル等}
ポリオキシアルキレングリコール(オキシアルキレン基の炭素数2〜4、重合度2〜50)の(メタ)アクリレート{ポリオキシエチレングリコール(数平均分子量100〜300)モノ(メタ)アクリレート及びポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量130〜500)モノ(メタ)アクリレート等}
ポリオキシアルキレングリコールアルキルモノエーテル(オキシアルキレン基の炭素数2〜4、重合度2〜50)の(メタ)アクリレート{メトキシポリオキシエチレングリコール(数平均分子量110〜310)(メタ)アクリレート及びラウリルアルコールエチレンオキシド付加物(2〜30モル)(メタ)アクリレート等}
ポリオキシアルキレンポリオール{多価アルコールのポリオキシアルキレンエーテル(アルキル基の炭素数2〜4、重合度2〜100)等}の(メタ)アクリレート{モノ(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン(数平均分子量150〜230)ソルビタン等}
(b3−1)エポキシ基含有ビニル単量体
グリシジル(メタ)アクリレート及びグリシジル(メタ)アリルエーテル等
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、塩化(メタ)アリル、ハロゲン化スチレン(ジクロロスチレン等)等
飽和脂肪酸(炭素数2〜12)のビニルエステル{酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及びオクタン酸ビニル等}
アルキル、アリール又はアルコキシアルキル(炭素数1〜12)とビニルとのビニルエーテル{メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル2−メトキシエチルエーテル及びビニル2−ブトキシエチルエーテル等}
アルキル又はアリール(炭素数1〜8)とビニルとのビニルケトン{ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン及びビニルフェニルケトン等}
不飽和モノカルボン酸{(メタ)アクリル酸及びクロトン酸等}アルキル(アルキルの炭素数1〜30)エステル{炭素数1〜30のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−又はi−プロピル(メタ)アクリレート、n−、i−又はt−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート及びエイコシル(メタ)アクリレート等}
不飽和モノカルボン酸{(メタ)アクリル酸及びクロトン酸等}シクロアルキル(炭素数5〜30)エステル{炭素数5〜30のシクロアルキル基を有するシクロアルキル(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−メチル−シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート及びアダマンタニル(メタ)アクリレート等}
不飽和モノカルボン酸{(メタ)アクリル酸及びクロトン酸等}アラルキル(炭素数7〜30)エステル{炭素数7〜30のアラルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート及びフェネチル(メタ)アクリレート等}
不飽和ジカルボン酸{マレイン酸、フマール酸及びイタコン酸等}アルキル(アルキルの炭素数1〜8)ジエステル{ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルマレエート及びジオクチルマレエート等}
炭素数2〜20のアルケン{エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等}
炭素数4〜12のアルカジエン{ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6ヘプタジエン及び1,7−オクタジエン等}
炭素数6〜30の脂環式炭化水素{シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、インデン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等}
芳香族炭化水素{スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−イソプロピルスチレン、4−ブチルスチレン、4−フェニルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ベンジルスチレン、4−クロチルベンゼン及び2−ビニルナフタレン等}
(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン及び4−ニトロスチレン等
また、その他の単量体(b3)単位を含む場合、アニオン性ビニル単量体(b1)単位とその他の単量体(b3)単位との含有割合{(b1)/(b3)}(重量比)は、99/1〜60/40が好ましく、さらに好ましくは95/5〜70/30、特に好ましくは90/10〜80/20である。
また、ノニオン性ビニル単量体(b2)単位及びその他の単量体(b3)単位を含む場合、ノニオン性ビニル単量体(b2)単位とその他の単量体(b3)単位との含有割合{(b2)/(b3)}(重量比)は、99/1〜60/40が好ましく、さらに好ましくは97/3〜70/30、特に好ましくは95/5〜75/25である。
以上の範囲であると、パルプ収率及びパルプ品質がさらに良好となる。
水溶性ノニオンポリマーを構成する単量体としては、ノニオン性ビニル単量体(b2)以外に、その他の単量体(b3)を含んでもよい。
カチオン性ビニル単量体(b4)としては、以下のものが挙げられる。
(b4−1)1〜3級アミノ基含有ビニル単量体
1級アミノ基含有ビニル単量体{炭素数3〜6のアルケニルアミン((メタ)アリルアミン及びクロチルアミン等)、アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート(アミノエチル(メタ)アクリレート等)等}
1〜3級アミノ基含有ビニル単量体(b4−1)を、4級化剤(炭素数1〜12のアルキルクロライド、炭素数1〜6のジアルキル硫酸、炭素数1〜6のジアルキルカーボネート及びベンジルクロライド等)を用いて4級化したもの等{(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェート及びトリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライド等}が挙げられる。
また、その他の単量体(b3)単位を含む場合、カチオン性ビニル単量体(b4)単位とその他の単量体(b3)単位との含有割合{(b4)/(b3)}(重量比)は、99/1〜60/40が好ましく、さらに好ましくは97/3〜70/30、特に好ましくは95/5〜75/25である。
また、ノニオン性ビニル単量体(b2)単位及びその他の単量体(b3)単位を含む場合、ノニオン性ビニル単量体(b2)単位とその他の単量体(b3)単位との含有割合{(b2)/(b3)}(重量比)は、99/1〜60/40が好ましく、さらに好ましくは97/3〜70/30、特に好ましくは95/5〜75/25である。
以上の範囲であると、パルプ収率及びパルプ品質がさらに良好となる。
カチオン性ビニル単量体(b4)単位とアニオン性ビニル単量体(b1)単位との含有割合{(b4)/(b1)}(重量比)は、5/95〜95/5が好ましく、さらに好ましくは等電点付近(当量比60/40〜40/60)から外れた割合、すなわち5/95〜40/60及び60/40〜95/5、特に好ましくは10/90〜30/70及び70/30〜90/10である。この範囲であると、パルプ収率及びパルプ品質がさらに良好となる。
また、その他の単量体(b3)単位を含む場合、アニオン性ビニル単量体(b1)及びカチオン性ビニル単量体(b4)単位とその他の単量体(b3)単位との含有割合{(b1)+(b4)/(b3)}(重量比)は、99/1〜60/40が好ましく、さらに好ましくは97/3〜70/30、特に好ましくは95/5〜75/25である。
また、ノニオン性ビニル単量体(b2)単位及びその他の単量体(b3)単位を含む場合、ノニオン性ビニル単量体(b2)単位とその他の単量体(b3)単位との含有割合{(b2)/(b3)}(重量比)は、99/1〜60/40が好ましく、さらに好ましくは97/3〜70/30、特に好ましくは95/5〜75/25である。
以上の範囲であると、パルプ収率及びパルプ品質がさらに良好となる。
ここで、HLBは有機性と無機性のバランスを示し、Hydorophile−Liophile Balanceの略である。HLBは、小田法による数値であり、有機性と無機性を示す数値(小田、寺村著「界面活性剤の合成と其応用」501頁、槇書店)を合計することによって計算できる。
消泡剤(D)としては、公知の消泡剤{ポリエーテル消泡剤、動植物鉱物油消泡剤、シリコーン消泡剤及びワックスエマルション消泡剤等}等が使用できる。
親水性有機溶剤としては、炭素数4〜8のエステル{酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート及びエチルセロソルブアセテート等}、炭素数4〜8のエーテル{エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等}、炭素数3〜8のケトン{アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等}、炭素数1〜8のアルコール{メタノール、エタノール、n−又はi−プロパノール、n−、i−又はt−ブタノール、プロピレングリコール及びジプロピレングリコール等}、及び炭素数5〜8の複素環式化合物{N−メチルピロリドン等}等が挙げられる。これらのうち、水、水とエーテルとの混合溶媒及び水とアルコールとの混合溶媒が好ましく、特に好ましくは水である。
溶媒として、水と親水性有機溶剤との混合溶媒を用いる場合、水/親水性有機溶剤の含有重量比(水/親水性有機溶剤)は、1〜200が好ましく、さらに好ましくは1.5〜100、特に好ましくは2〜50である。
なお、絶乾重量とは、105℃で恒量になるまで乾燥した後の重量を意味する(以下、同じである。)。
キノン(G)としては、キノン化合物及びヒドロキノン化合物が含まれる。
窒素雰囲気減圧下、120℃で、ラウリルアルコール186部(1モル)及び水酸化カリウム0.2部を、1時間脱水した後、150℃で、エチレンオキシド132部(3モル)を、ゲージ圧が1〜3kgf/cm2となるように5時間かけて滴下した。引き続き、同温で1時間熟成して、ノニオン性界面活性剤{ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加体(平均付加モル数:3、HLB値:約6)(C11)を得た。
窒素雰囲気減圧下、120℃で、ラウリルアルコール186部(1モル)及び水酸化カリウム0.2部を、1時間脱水した後、150℃で、エチレンオキシド440部(10モル)を、ゲージ圧が1〜3kgf/cm2となるように5時間かけて滴下した。引き続き、同温で1時間熟成して、ノニオン性界面活性剤{ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加体(平均付加モル数:10、HLB値:約13)(C12)を得た。
溶媒{水}(E1)90部及び有機酸の塩{ナカライテスク株式会社製、乳酸リチウム}(A21)10部を、25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(1)を得た。
溶媒(E1)90部及び有機酸{ナカライテスク株式会社製、DL−リンゴ酸}(A22)10部を、25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(2)を得た。
溶媒(E1)90部及び有機酸の塩{ナカライテスク株式会社製、くえん酸三カリウム一水和物}(A23)10部を、25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(3)を得た。
溶媒(E1)90部及び有機酸の塩{ナカライテスク株式会社製、エチレンジアミン四酢酸二カリウム}(A11)10部を、25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(4)を得た。
溶媒(E1)78部及び有機酸の塩{BASFジャパン株式会社製、ポリアクリル酸ナトリウム、Sokalan PA−15、45%水溶液、重量平均分子量1200}(A31)22部を、25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(5)を得た。
溶媒(E1)80部及び有機酸{BASFジャパン株式会社製、アクリル酸/マレイン酸共重合体、Sokalan CP 12S、50%水溶液、重量平均分子量3000}(A32)20部を、25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(6)を得た。
溶媒(E1)90部、有機酸(A22)4部及び水溶性高分子{サンノプコ株式会社製ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、SN−PW 43、41%水溶液、SP値:14.4}(B1)6部を25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(7)を得た。
溶媒(E1)90部、有機酸(A22)4部及び水溶性高分子{株式会社クラレ製ポリビニルアルコール、PVA217、SP値:17.2}(B2)6部を25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(8)を得た。
溶媒(E1)90部、有機酸(A22)4部及び水溶性高分子{ナカライテスク株式会社製デンプン、可溶性デンプン、SP値:23.5}(B3)6部を25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(9)を得た。
溶媒(E1)90部、有機酸(A22)4部及び製造例1で得たノニオン性界面活性剤{ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加体}(C11)6部を25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(10)を得た。
溶媒(E1)90部、有機酸(A22)4部及び製造例2で得たノニオン性界面活性剤{ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加体}(C12)6部を25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(11)を得た。
溶媒(E1)90部、有機酸(A22)4部及びアニオン性界面活性剤{シグマアルドリッチ株式会社製、テトラデシル硫酸ナトリウム、HLB:約18}(C21)6部を25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(12)を得た。
溶媒(E1)90部、有機酸(A22)3部、水溶性高分子(B1)3部及び製造例1で得たノニオン性界面活性剤(C11)4部を25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(13)を得た。
溶媒(E1)90部、有機酸(A22)3部、水溶性高分子(B1)3部及び製造例2で得たノニオン性界面活性剤(C12)4部を25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(14)を得た。
溶媒(E1)90部、有機酸(A22)3部、水溶性高分子(B1)3部及びアニオン性界面活性剤(C21)4部を25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(15)を得た。
溶媒(E1)90部、有機酸(A22)3部、水溶性高分子(B2)3部及び製造例1で得たノニオン性界面活性剤(C11)4部を25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(16)を得た。
溶媒(E1)90部、有機酸(A22)3部、水溶性高分子(B2)3部及び製造例2で得た界面活性剤(C12)4部を25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(17)を得た。
溶媒(E1)90部、有機酸(A22)3部、水溶性高分子{(B2)3部及びアニオン性界面活性剤(C21)4部を25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(18)を得た。
溶媒(E1)90部、有機酸(A22)3部、水溶性高分子(B3)3部及び製造例1で得たノニオン性界面活性剤(C11)4部を25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(19)を得た。
溶媒(E1)90部、有機酸(A22)3部、水溶性高分子(B3)3部及び製造例2で得たノニオン性界面活性剤(C12)4部を25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(20)を得た。
溶媒(E1)90部、有機酸(A22)3部、水溶性高分子(B3)3部及びアニオン性界面活性剤(C21)4部を25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(21)を得た。
溶媒(E1)90部、有機酸(A22)3部、水溶性高分子(B3)3部、界面活性剤(C21)4部及び消泡剤{サンノプコ株式会社製ポリエーテル消泡剤、SN デフォーマー265}(D1)0.01部を、25℃で均一混合して、本発明の蒸解助剤(22)得た。
有機酸(A22)をこのまま、本発明の蒸解助剤(23)とした。
国内産広葉樹材50%とユーカリ材50%とからなる広葉樹混合木材チップ30g(絶乾重量)を200mLオートクレープに採取し、チップの絶乾重量当たり有効アルカリ{有効アルカリとは、JIS P0001:1998において定義される「クラフト蒸解液の蒸解作用をするアルカリ量の表示方法、有効アルカリ=NaOH+Na2S×1/2、Na2O又はNaOHに換算して表す。」を意味する。}18%、硫化度25%の蒸解液120g及び蒸解助剤(1)0.6gの混合液を添加し、蒸解温度160℃、蒸解時間120分の条件下で、クラフト蒸解して、蒸解パルプを得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(2)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(2)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(3)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(3)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(4)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(4)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(5)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(5)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(6)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(6)を得た。
「蒸解助剤(1)0.6g」を「蒸解助剤(2)3×10−4g」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(7)を得た。
「蒸解助剤(1)0.6g」を「蒸解助剤(2)3×10−3g」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(8)を得た。
「蒸解助剤(1)0.6g」を「蒸解助剤(2)3×10−2g」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(9)を得た。
「蒸解助剤(1)0.6g」を「蒸解助剤(2)3.0g」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(10)を得た。
「蒸解助剤(1)0.6g」を「蒸解助剤(2)6.0g」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(11)を得た。
「蒸解助剤(1)0.6g」を「蒸解助剤(23)1.2g」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(12)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(7)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(13)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(8)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(14)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(9)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(15)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(10)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(16)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(11)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(17)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(12)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(18)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(13)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(19)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(14)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(20)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(15)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(21)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(16)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(22)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(17)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(23)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(18)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(24)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(19)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(25)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(20)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(26)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(21)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(27)を得た。
「蒸解助剤(1)」を「蒸解助剤(22)」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(28)を得た。
「蒸解助剤(1)0.6g」を「蒸解助剤(22)0.6g及びキノン(9,10−ジヒドロキシアントラセン;アントラキノンをハイドロサルファイトで還元して調製した。)(G1)0.15g」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(29)を得た。
「蒸解助剤(1)」を用いなかったこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(H1)を得た。
「蒸解助剤(1)0.6g」を「水溶性高分子(B2)0.6g及びノニオン性界面活性剤(C12)0.6g」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(H2)を得た。
「蒸解助剤(1)0.6g」を「キノン(G1)0.15g」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(H3)を得た。
「蒸解助剤(1)0.6g」を「ノニオン性界面活性剤(C12)0.6g及びキノン(G1)0.15g」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(H4)を得た。
「蒸解助剤(1)0.6g」を「ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム{花王株式会社製、カオーアキポRLM−100NV、24%水溶液}1.3g」に変更したこと以外、実施例24と同様にして、未晒パルプ(H5)を得た。
JIS P8211:1998に準拠して測定した。
蒸解前の広葉樹混合木材チップの絶乾重量(s1)と、蒸解後パルプの絶乾重量(s2)とから、次式から得られる値を収率(%)とした。
(収率)=(s2)×100/(s1)
JIS P8116:2000に準拠して測定した。
JIS P8112−1994に準拠して測定した。
JIS P8212:1998に準拠して測定した。
蒸解後、オートクレーブから蒸解パルプ及び蒸解液を取り出し、オートクレーブの内部を100mLの水で5回水洗し、循風乾燥機により、105℃で2時間乾燥した。その後、オートクレーブ内に5%塩酸195mLを入れて、24時間放置した後、この塩酸を300mLナスフラスコに移し、ロータリーエバポレーター(93kPa、95℃)を用いて、10mLまで濃縮させて、濃縮液を得た。ついで、この濃縮液を重量既知の磁製るつぼに移し、順風乾燥機により、105℃で2時間で乾固させ、電気炉で900℃、2時間加熱した後、室温(約25℃)まで冷却し、磁製るつぼを計量し、この重量から空のるつぼの重量を差し引いた値を求めて、この値をスケールの付着量とした。
また、本発明の蒸解助剤を用いると、パルプ製造工程で操業上の問題となるスケールの発生を大きく抑えることができた。
さらに、本発明の蒸解助剤を用いて得たパルプの白色度が高いため、蒸解工程後の漂白工程で使用される漂白剤の使用量を大幅に削減できることが示唆される。
Claims (5)
- 有機酸(A)及び/又はこの塩を含有してなり、
有機酸(A)が、乳酸、グリセリン酸、アラビノン酸、グルコン酸、ガラクトン酸、リンゴ酸、クエン酸、イソクエン酸、アラビナル酸、グルカン酸又はガラクタル酸から選ばれるオキシカルボン酸(A2)であり、
溶解度パラメーターが14〜24の水溶性高分子(B)を含有することを特徴とするリグノセルロース物質蒸解用蒸解助剤。 - さらに、HLBが6〜18の界面活性剤(C)を含有する請求項1に記載の蒸解助剤。
- 界面活性剤(C)が、ノニオン性界面活性剤(C1);スルホ基、スルホオキシ基又はホスホノ基の少なくとも1種を有するアニオン性界面活性剤(C2);並びに両性界面活性剤(C3)からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の蒸解助剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のリグノセルロース物質蒸解用蒸解助剤の存在下で、リグノセルロース物質をアルカリ蒸解又は亜硫酸塩蒸解して、パルプを得る工程を含むことを特徴とするパルプの製造方法。
- リグノセルロース物質蒸解用蒸解助剤の使用量が、リグノセルロース物質の絶乾重量に基づいた有機酸(A)の量が10 −4 〜4重量%となる量である請求項4に記載の製造方法。
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