JP5114628B2 - リポソームワクチンの作製法 - Google Patents
リポソームワクチンの作製法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5114628B2 JP5114628B2 JP2007504796A JP2007504796A JP5114628B2 JP 5114628 B2 JP5114628 B2 JP 5114628B2 JP 2007504796 A JP2007504796 A JP 2007504796A JP 2007504796 A JP2007504796 A JP 2007504796A JP 5114628 B2 JP5114628 B2 JP 5114628B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- virus
- vaccine
- rhodamine
- fluorescein
- liposome
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K39/00—Medicinal preparations containing antigens or antibodies
- A61K39/12—Viral antigens
- A61K39/145—Orthomyxoviridae, e.g. influenza virus
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K39/00—Medicinal preparations containing antigens or antibodies
- A61K39/12—Viral antigens
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K39/00—Medicinal preparations containing antigens or antibodies
- A61K39/39—Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by the immunostimulating additives, e.g. chemical adjuvants
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
- A61P31/12—Antivirals
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
- A61P31/12—Antivirals
- A61P31/14—Antivirals for RNA viruses
- A61P31/16—Antivirals for RNA viruses for influenza or rhinoviruses
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
- A61P31/12—Antivirals
- A61P31/20—Antivirals for DNA viruses
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
- A61P31/12—Antivirals
- A61P31/20—Antivirals for DNA viruses
- A61P31/22—Antivirals for DNA viruses for herpes viruses
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K39/00—Medicinal preparations containing antigens or antibodies
- A61K2039/555—Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by a specific combination antigen/adjuvant
- A61K2039/55511—Organic adjuvants
- A61K2039/55555—Liposomes; Vesicles, e.g. nanoparticles; Spheres, e.g. nanospheres; Polymers
Description
本発明者は、上記現状に鑑み、特開2003−306427に開示されたリポソームワクチンを開発した。このリポソームワクチンは、死滅させた病原体とリン脂質とを混在させておき、超音波処理することにより製造されるものであり、脂質二重膜に病原体が含まれている。このリポソームワクチンを魚類に経口投与することにより、細菌とウイルスを含む病原体に対して、免疫活性を増強させるという画期的なものである。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウイルスに対して有効に作用するリポソームワクチンの作製法を提供することである。
すなわち、上記課題を解決するための第1の発明に係るリポソームワクチンの作製法は、超音波処理したウイルスとリン脂質とを溶液中に共存させた状態で超音波処理を行ってリポソームを調製することを特徴とする。
上記発明において、前記ウイルスは、最初の超音波処理を行う前に、ホルマリン固定されていることが好ましい。
また、前記ウイルスは、インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス、イリドウイルスから選択されるものであることが好ましい。この場合に、ヘルペスウイルスは、コイヘルペスウイルスであることが好ましい。
「ウイルス」とは、DNAまたはRNAをゲノムとして有し、宿主細胞内のみで複製する病原体の一種である。本発明の方法は、エンベロープウイルスと非エンベロープウイルスとのいずれに対しても用いることができる。ここで、エンベロープウイルスとは、核酸とそれを囲むタンパク質(キャプシド)から構成されるヌクレオキャプシドを取り囲む脂質膜(エンベロープ)を備えたウイルスを意味する。また、非エンベロープウイルスとは、そのようなエンベロープを持たないウイルスを意味する。
また、本発明は、治療的または予防的のいずれにも用いることができる。更に、病原体は、一種類のみを用いる場合の他に、二種類以上のものを混合して用いることもできる。
また、リポソームと一体化したウイルスは、PCR法、DNAチップ、ELISA法等の方法により検出することができる。
1.インフルエンザウイルス含有リポソームワクチン((F−IFV/Rh−PL)−V)の調製
ローダミンで蛍光標識したリン脂質及びコレステロール(PS:PC:CHOL:N-(ローダミンBスルホニル)-ホスファチジルエタノールアミン(N-(rhodamine-B-sulfonyl)-phosphatidyl ethanolamine(Rh-PE))をスクリューキャップ式試験管に入れ、ロータリーエバポレータでクロロホルムを除去した。このとき、リン脂質、ローダミンで蛍光標識したリン脂質及びコレステロールのモル比は、1:10:5:0.004とした。試験管の壁面に薄膜状となったリン脂質及びコレステロールに対して、フルオレセイン(fluorescein)で蛍光標識したヒトインフルエンザウイルス(F−IFV)と10mM HEPES/100mM NaCl(pH7.5)(以下、「緩衝液A」という)とを加え、アルゴンガスで試験管内を充填し、共栓をした。
5μg/mL〜50μg/mLに調製したF−IFVに対し、緩衝液Aを加えて全量を1mLとし、ボルテックスミキサーで30秒間処理した。このF−IFVをプローブ型ソニケータを用いて、溶液が透明になるまで1分間の超音波処理と1分間の氷冷処理とを繰り返すことにより、F−IFV−Vを調製した。得られたUVを4℃にて750xgで5分間遠心分離して上清を採取した。
クロロホルムに溶かしたリン脂質、ローダミンで蛍光標識したリン脂質及びコレステロール(PS:PC:CHOL:Rh−PE)をスクリュ−キャップ式試験管に入れ、ロータリーエバポレータでクロロホルムを除去した。リン脂質及びコレステロールの質量比は、PS:PC:CHOL:Rh−PE=1:10:5:0.004とした。
上記各サンプルについて、適宜リン脂質の濃度を測定した。測定手順は、次の通りとした。すなわち、サンプルとコントロール(KH2PO4溶液)のそれぞれについて、0.4mLの10N硫酸を添加した後、ブロックヒータを用いて170℃で30分間以上加熱した。これを室温に放冷した後、100μLの30%過酸化水素水を添加し、再び170℃で30分間以上加熱した。
上記各サンプルについて、適宜タンパク質の濃度を測定した。測定手順は、次の通りとした。すなわち、濃度既知のBSA標準品とサンプルのそれぞれ1300μLに200μLのブラッドフォード試薬を加えて、ボルテックスした後、吸光度を595nmで測定することにより、サンプル中のタンパク質含有量を決定した。
上記各サンプルをセファクリルS−1000カラムにアプライし分取した後、各フラクションについて、フルオレセインとローダミンの蛍光強度をそれぞれ励起波長495nm、蛍光波長520nm、及び励起波長570nm、蛍光波長590nmで測定した。
1.ウイルスワクチン((F−IFV−V/Rh−PL)−V)の調製
5μg/mL〜50μg/mLに調整したF−IFVに対し、緩衝液Aを加えて全量を1mLとし、ボルテックスミキサーで30秒間処理した。このF−IFVをプローブ型ソニケータを用いて、上記溶液が透明になるまで1分間の超音波処理と1分間の氷冷処理とを繰り返すことにより、インフルエンザウイルスを超音波処理した。
(F−IFV−V)の調製、(Rh−PL−V)の調製、リン脂質の濃度測定、タンパク質の濃度測定は、前述の<比較例1>の2〜5に従って行った。
<比較例1>の6に記載の方法に従って、リポソームのキャラクタリゼーションを行った。
図1に示すように、インフルエンザウイルスとリン脂質とは、混合しただけでは、ほとんど一体化しなかった。
図4には、(F−IFV−V/Rh−PL)−Vを調製した後にカラムにアプライし分取した後、各フラクションについて、フルオレセインとローダミンの蛍光強度を測定した結果を示した。フラクション番号が18番〜40番の間では、フルオレセインとローダミンの蛍光強度が一致して増減していることから、インフルエンザがリン脂質二重膜と共存していることが示された。
図6〜図8には、(F−IFV−V/Rh−PL)−Vを蛍光顕微鏡観察したときの結果を示した。これらの図より、ローダミンの蛍光像(図7)と、フルオレセインの蛍光像(図8)は、共に(F−IFV−V/Rh−PL)−Vの位置(図6)にあった。また、フルオレセインの蛍光像は、リン脂質二重膜の内部水層ではなく、リン脂質二重膜の蛍光像に一致していることから、ウイルスは、リポソームを構成するリン脂質二重膜と安定的に共存していることが判った。
ワクチンを製造する前のIFV、IFV−V、及び(IFV−V/PL)−VをSDS−PAGEによって解析した。SDS−PAGEは、Laemmliの方法に従った。まず、サンプルに等量のサンプル緩衝液(114mMトリス塩酸(pH6.8)、3.64%SDS、25.4%グルセロール、9% βメルカプトエタノール、0.02%ブロムフェノールブルー)を加え、5分間沸騰して変性させた。次に、12%分離用ゲル(12%アクリルアミド、0.41%ビスアクリルアミド、375mMトリス塩酸(pH8.8)、0.01%APS、0.001%TEMED)からなるスラブゲルとランニング緩衝液(0.1%SDS、25mMトリス、52mMグリシン(pH8.3))を泳動槽にセットし、サンプルを濃縮ゲルの注入孔に注入後、ゲル1枚について30mAの定電流で約90分間通電した。電気泳動が終了後、ゲルを染色液中に浸してゲル中のタンパク質を染色した後、脱色した。
図9には、SDS−PAGEを行った後に、ゲルを銀染色したときの写真を示した。IFVでは50kD以下の低分子量側に2本の大きなバンドが認められた。超音波処理したIFV−V及び(IFV−V/PL)−Vでは、そのようなバンドが認められなかった。(IFV−V/PL)−Vの泳動パターンは、IFV−Vの泳動パターンと一致することより、IFVはリン脂質二重膜と共存していることが判った。
本実施例では、ウイルスとして、コイヘルペスウイルス(KHV)を用いた。KHVは、KHVにより斃死したコイのホモジネートより調製した。IFVに代えて、KHVを用いた以外は、実施例1に従って、1.ウイルスワクチンの調製を行った。
<比較例1>の6に記載の方法に従って、リポソームのキャラクタリゼーションを行った。
図10には、F−KHV−VとRh−PL−Vとを別々にカラムにアプライし分取した後、前者のフラクションについてはフルオレセインの蛍光強度を、後者のフラクションについてはローダミンの蛍光強度を、それぞれ測定した結果を示した。この結果より、KHVとリン脂質とは、ほとんど一体化しないことが判った。
図12〜図14には、(F−KHV−V/Rh−PL)−Vを共焦点レーザー顕微鏡観察したときの結果を示した。図12には、フルオレセインの蛍光の様子を、図13には、ローダミンの蛍光の様子を示した。また、図14には、両写真を合成した様子を示した。フルオレセインの蛍光像とローダミンの蛍光像とは重なっていたことから、KHVはリポソームを構成するリン脂質二重膜と安定的に共存していることが判った。
4.SDS−PAGEによる解析
ワクチンを製造する前のKHV、KHV−V、及び(KHV−V/PL)−VをSDS−PAGEによって解析した。SDS−PAGEは、<実施例1>の4に記載の方法に従って行った。図15には、SDS−PAGEを行った後に、ゲルを銀染色したときの写真をそれぞれ示した。この結果からも、KHVがリン脂質二重膜と共存していることが認められた。
イリドウイルスを用いた場合の結果
本実施例では、ウイルスとして、イリドウイルス(IV)を用いた。IVは、イリド不活化ワクチン「ビケン」を用いた。IFVに代えて、IVを用いた以外は、実施例1に従って、1.ウイルスワクチンの調製を行った。
<比較例1>の6に記載の方法に従って、リポソームのキャラクタリゼーションを行った。
図16には、F−IV−VとRh−PL−Vとを別々にカラムにアプライし分取した後、前者のフラクションについてはフルオレセインの蛍光強度を、後者のフラクションについてはローダミンの蛍光強度を、それぞれ測定した結果を示した。この結果より、IVとリン脂質とは、ほとんど一体化しないことが判った。
図19〜図21には、(F−IV−V/Rh−PL)−Vを共焦点レーザー顕微鏡観察したときの結果を示した。図19には、フルオレセインの蛍光の様子を、図20には、ローダミンの蛍光の様子を示した。また、図21には、両写真を合成した様子を示した。両蛍光像は重なっていたことから、IVは、リポソームを構成するリン脂質二重膜と安定的に共存していることが判った。
ワクチンを製造する前のIV、IV−V、及びIV/PL−VをSDS−PAGEによって解析した。
図22には、SDS−PAGEを行った後に、ゲルをクマシーブリリアントブルーで染色したときの写真を示した。図23には、SDS−PAGEを行った後に、ゲルを銀染色したときの写真を示した。この結果からも、IVがリン脂質二重膜と共存していることが認められた。
次に、ワクチンを作製する際のリン脂質の種類を評価するため、ホスファチジン酸(PA)とPSとの差違を確認する試験を行った。
1.PAを用いたワクチン
ローダミンで蛍光標識したリン脂質及びコレステロール(PA:PC:CHOL:Rh−PE=1:10:5:0.004)を用い、IFVと共にワクチンを調製した。調製方法は、<実施例1>の1に記載の方法に従った。
ローダミンで蛍光標識したリン脂質及びコレステロール(PS:PC:CHOL:Rh−PE=1:10:5:0.004)を用い、IFVと共にワクチンを調製した。調製方法は、<実施例1>の1に記載の方法に従った。
上記1及び2のリポソームワクチンのそれぞれについて、<比較例1>の6に記載の方法に従って、キャラクタリゼーションを行った。
図24には、PAを用いて調製したワクチンについて、(F−IFV−V/Rh−PL)−Vを調製した後にカラムにアプライし分取した後、各フラクションについて、フルオレセインとローダミンの蛍光強度を測定した結果を示した。フラクション番号が25番〜33番の間では、フルオレセインとローダミンの蛍光強度が一致して増減していることから、IFVがリン脂質二重膜と共存していることが示された。
こうして、一定量のPSを用いることが、ウイルスとリン脂質二重膜との共存状態を安定して維持できることが判った。
次に、PSの有効性を確認するために、イリドウイルスを用い、<実施例4>と同様の試験を行った。
1.PAを用いたワクチン
ローダミンで蛍光標識したリン脂質及びコレステロール(PA:PC:CHOL:Rh−PE=1:10:5:0.004)を用い、IVと共にワクチンを調製した。調製方法は、<実施例1>の1に記載の方法に従った。
ローダミンで蛍光標識したリン脂質及びコレステロール(PS:PC:CHOL:Rh−PE=1:10:5:0.004)を用い、IVと共にワクチンを調製した。調製方法は、<実施例1>の1に記載の方法に従った。
3.リポソームのキャラクタリゼーション
上記1及び2のリポソームワクチンのそれぞれについて、<比較例1>の6に記載の方法に従って、キャラクタリゼーションを行った。
図26には、PAを用いて調製したワクチンについて、(F−IV−V/Rh−PL)−Vを調製した後にカラムにアプライし分取した後、各フラクションについて、フルオレセインとローダミンの蛍光強度を測定した結果を示した。フラクション番号が21番〜35番の間では、フルオレセインとローダミンの蛍光強度が一致して増減していることから、IVがリン脂質二重膜と共存していることが示された。
こうして、IVを用いた場合にも、一定量のPSを用いることが、ウイルスとリン脂質二重膜との共存状態を安定して維持できることが示された。
免疫化の評価には、BALB/cマウスを用いた。タンパク質濃度が、2μg/mL及び20μg/mLとなるように、2種類の(IFV−V/PL)−Vを調製し、500μL(ワクチン投与量として、1μg及び10μg)を腹腔内に投与した。同時に、リポソーム、IFV、IFV−Vをそれぞれ腹腔内に投与したマウス、及び未処理のマウスをコントロールとした。1群当り20匹のマウスを免疫化した。抗原投与から3週間後及び5週間後、マウスの眼窩静脈から採血し、得られた血清の抗体産生能をELISA法で評価した。結果を表1に示した。
まず、コイをワクチン投与区(5尾)とワクチン非投与区(5尾)とに設定した。ワクチン非投与区には、通常のドライペレットのみを与えた。一方、ワクチン投与区には、PS/PC/CHOL(1:10:5)の組成で調製した(KHV−V/PL)−Vを吸収させたドライペレットを3日間に渡って連続的に経口投与した。3日間のワクチン摂取量は、1尾当り20μLであった。ワクチン投与終了から、21日間は通常のペレットを投与した。
22日目に、各区5尾から血液を採取し、KF−1細胞と培養したKHV懸濁液(101.25TCID50/50μL)を用い、血清の抗体価を二倍希釈法によって評価した。結果を表2に示した。
1.ワクチンの投与
イリドウイルスに対して感受性がある体重8gのマダイ幼魚を用いた。1日に1尾のマダイ当り、ドライペレットに50μLのワクチンを浸潤させ、3日間に渡ってこのドライペレットを自由に摂取させることでワクチンを投与した。ワクチンとして、(I)PS/PC/CHOL(1:10:5)の組成で調製した(IV−V/PL)−V及びIV−V、並びに(II)PA/PC/CHOL(1:10:5)の組成で調製した(IV−V/PL)−V及びIV−Vを用いた。(IV−V/PL)−V投与区、IV−V投与対照区ともに、20尾のマダイを供試した。1回目のワクチンの投与の後、10日間の間隔をあけて2回目のワクチンの投与(50μL/尾/日、3日間)を行った。
体重15gに成長したマダイ20尾を、イリドウイルスを添加した海水に浸漬することにより、マダイにイリドウイルスを摂取させた。このマダイの生存率を20日間に渡って評価した。
表3には、20尾のマダイの生存率を示した。
コイをワクチン投与3区(各5尾)とワクチン非投与2区(各5尾)とに設定した。ワクチン非投与区には、通常のドライペレットのみを与えた。一方、ワクチン投与区には、PS/PC/CHOL(1:10:5)の組成で調製した(KHV−V/PL)−Vを吸収させたドライペレットを3日間に渡って連続的に経口投与した。3日間のワクチン摂取量は、1尾当り20μLであった。ワクチン投与終了から、21日間は通常のペレットを投与した。
22日目に、培養したKHV懸濁液(101.3TCID50/100μL)を麻酔をかけたコイの鰓に滴下する方法で攻撃試験を行った。この攻撃試験は、ワクチン非投与区のコイに対しても、同日に行った。
結果を図28及び表4に示した。
Claims (4)
- 最初の超音波処理したウイルスと、リン脂質とを溶液中に共存させた後、第2回目の超音波処理を行うことにより、前記ウイルスとリン脂質との分離現象を阻止したリポソームを調製することを特徴とするリポソームワクチンの作製法。
- 前記ウイルスは、最初の超音波処理を行う前に、ホルマリン処理により不活化されていることを特徴とする請求項1に記載のリポソームワクチンの作製法。
- 前記ウイルスは、インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス、イリドウイルスから選択されるものであることを特徴とする請求項1または2に記載のリポソームワクチンの作製法。
- 前記ヘルペスウイルスは、コイヘルペスウイルスであることを特徴とする請求項3に記載のリポソームワクチンの作製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007504796A JP5114628B2 (ja) | 2005-02-25 | 2006-02-24 | リポソームワクチンの作製法 |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005049867 | 2005-02-25 | ||
JP2005049867 | 2005-02-25 | ||
PCT/JP2006/303371 WO2006090816A1 (ja) | 2005-02-25 | 2006-02-24 | リポソームワクチンの作製法 |
JP2007504796A JP5114628B2 (ja) | 2005-02-25 | 2006-02-24 | リポソームワクチンの作製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2006090816A1 JPWO2006090816A1 (ja) | 2008-07-24 |
JP5114628B2 true JP5114628B2 (ja) | 2013-01-09 |
Family
ID=36927450
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007504796A Expired - Fee Related JP5114628B2 (ja) | 2005-02-25 | 2006-02-24 | リポソームワクチンの作製法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5114628B2 (ja) |
WO (1) | WO2006090816A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2412721A4 (en) | 2009-03-26 | 2012-08-29 | Univ Tokyo Nat Univ Corp | KOI HERPESVIRUS SPECIFIC ANTIBODY AND ANTIGEN THEREOF |
WO2018195526A1 (en) | 2017-04-21 | 2018-10-25 | Chung Eddie Yocon | Membrane lipid coated nanoparticles and method of use |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09176043A (ja) * | 1995-09-23 | 1997-07-08 | Norin Suisansyo Suisanchiyou Youshiyoku Kenkyusho | 魚類用のイリドウイルス感染症ワクチンと診断剤並びにこれ等の製法 |
JPH11193246A (ja) * | 1997-05-19 | 1999-07-21 | Sumitomo Pharmaceut Co Ltd | 免疫増強製剤 |
JP2003306427A (ja) * | 2002-04-18 | 2003-10-28 | Mie Tlo Co Ltd | 水棲動物に対する有用物質含有リポソームの作製法と投与法 |
JP2004359692A (ja) * | 2004-07-05 | 2004-12-24 | Shozo Koyama | 抗原物質誘導剤、及びワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中和抗体、抗毒素、イデイオ抗体並びにこのイデイオ抗体によって誘導される抗イデイオ抗体 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB1502774A (en) * | 1974-06-25 | 1978-03-01 | Nat Res Dev | Immunological preparations |
HU184141B (en) * | 1979-12-27 | 1984-07-30 | Human Oltoanyagtermelo | Adjuvant particles compositions containing said particles and biologically active substances adsorbed thereon and a process for the preparation thereof |
US5834015A (en) * | 1996-09-11 | 1998-11-10 | Albany Medical College | Protein-lipid vesicles and autogenous vaccine comprising the same |
JP2003171291A (ja) * | 1999-10-29 | 2003-06-17 | Takeda Schering-Plough Animal Health Kk | 乳房炎用粘膜予防剤 |
-
2006
- 2006-02-24 JP JP2007504796A patent/JP5114628B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2006-02-24 WO PCT/JP2006/303371 patent/WO2006090816A1/ja active Application Filing
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09176043A (ja) * | 1995-09-23 | 1997-07-08 | Norin Suisansyo Suisanchiyou Youshiyoku Kenkyusho | 魚類用のイリドウイルス感染症ワクチンと診断剤並びにこれ等の製法 |
JPH11193246A (ja) * | 1997-05-19 | 1999-07-21 | Sumitomo Pharmaceut Co Ltd | 免疫増強製剤 |
JP2003306427A (ja) * | 2002-04-18 | 2003-10-28 | Mie Tlo Co Ltd | 水棲動物に対する有用物質含有リポソームの作製法と投与法 |
JP2004359692A (ja) * | 2004-07-05 | 2004-12-24 | Shozo Koyama | 抗原物質誘導剤、及びワクチン前駆体、ワクチン、抗体、中和抗体、抗毒素、イデイオ抗体並びにこのイデイオ抗体によって誘導される抗イデイオ抗体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2006090816A1 (ja) | 2008-07-24 |
WO2006090816A1 (ja) | 2006-08-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN107029229B (zh) | 制备囊泡的方法和由其产生的制剂 | |
US4196191A (en) | Biological preparations | |
US4148876A (en) | Biological preparations | |
JP4634997B2 (ja) | ウィロソーム様粒子 | |
JPH09501169A (ja) | 小胞に生体高分子物質を高度に充填する方法 | |
TWI419702B (zh) | 經熱處理之菌苗及由此經熱處理之菌苗製備之乳劑疫苗 | |
KR101290475B1 (ko) | 인플루엔자 바이러스 및 비형 간염 바이러스로부터의항원을 포함하는 비로좀 입자 | |
CN107073105A (zh) | 用于提供含佐剂病毒体的方法及由此可获得的含佐剂病毒体 | |
EP0356340B1 (en) | Affinity associated vaccine | |
JP5114628B2 (ja) | リポソームワクチンの作製法 | |
US20110177163A1 (en) | Compositions and methods for treating hepatitis a | |
GB1564500A (en) | Biological preparations | |
BRPI0707556A2 (pt) | veÍculo para vacina | |
Kraaijeveld et al. | The effect of liposomal charge on the neutralizing antibody response against inactivated encephalomyocarditis and Semliki Forest viruses. | |
KR20170016315A (ko) | 알루미늄 염-흡착 백신의 면역자극 효력의 증진 방법 | |
Miyazaki et al. | A primary study on oral vaccination with liposomes entrapping Koi Herpesvirus (KHV) antigens against KHV infection in carp | |
JPH06504429A (ja) | ウイルス複製の阻害 | |
JP3950924B2 (ja) | 水棲動物に対する有用物質含有リポソームの作製法と投与法 | |
JP4712341B2 (ja) | リン脂質膜製剤 | |
WO2022032368A1 (pt) | Processo de produção de um antígeno, correspondente aos vírus sars-cov-2 inativado, antígeno, correspondente aos vírus sars-cov-2, inativado, composição antigênica, kits e seus usos. | |
EP1802746B1 (en) | Virosome particles comprising antigens from influenza virus and hepatitis b virus | |
EP0713387B1 (en) | A method for preparation of vesicles loaded with biological structures, biopolymers and/or oligomers | |
UA126562C2 (uk) | Вакцина для домашньої птиці проти інфекційного бронхіту | |
JPH06503555A (ja) | ワクチン | |
JP2009530351A (ja) | ビロソームに基づく鼻内インフルエンザワクチン |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090212 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20090305 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20090305 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110823 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20111021 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20111028 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111122 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120410 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20120607 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20120614 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120703 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120814 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120817 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151026 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151026 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |