JP5114148B2 - 転動疲労寿命の安定性に優れた軸受用鋼材およびその製造方法 - Google Patents

転動疲労寿命の安定性に優れた軸受用鋼材およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、転動疲労寿命の安定性に優れた軸受用鋼材に関するものである。
軸受用鋼として、従来からJIS G 4805に規定されるSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼が、自動車や各種産業機械等の種々の分野で用いられている軸受の材料として使用されている。しかし軸受は、接触面圧が非常に高い玉軸受やころ軸受等の内・外輪や転動体等、過酷な環境で用いられるため、非常に微細な欠陥(介在物等)から疲労破壊が生じ易く、また、その欠陥に分布があるため、寿命が安定しないといった問題がある。その結果、軸受を用いる際は、ばらつきある寿命の下限値を適用する必要があり、無駄な保守(交換、点検等)が発生している。
この問題に対し、転動疲労寿命そのものを高めて上記保守の回数を低減させるべく、軸受用鋼材の改善が試みられている。
例えば特許文献1には、軸受材料おいて、欠陥となる酸化物系非金属介在物の個数を厳密に規定することにより高寿命化を図っている。一方で、特許文献2では、上記特許文献1の評価面積よりもはるかに大きい30000mmの被検面積を観察することによって、特に、硫化物の最大サイズが転動疲労寿命に影響していることを見出した旨示されている。この様に、被検面積と介在物の個数が転動疲労寿命に及ぼす影響については、未だ不明瞭な点が多く、高寿命化は図られているが、転動疲労寿命を安定化させる観点からは未だ検討されていない。
また、特許文献3には、介在物の組成を調整することにより、転動疲労寿命を向上させることが試みられている。即ち、転動疲労破壊の原因となる白色組織、炭化物組織を非金属介在物の微細化により抑制することとし、介在物の組成を調節することにより非金属介在物の微細化を図っているが、介在物の組成調節のための工程を設ける必要があるため、実用化が難しいと思われる。
一方、特許文献4には、多量の合金元素を添加した合金鋼とすることで、転動疲労寿命を向上できた旨示されている。しかしこの様な多量の合金元素の使用は、コスト、加工性、製造性に問題が生じやすく、SUJ2ほど汎用性に優れているとは考えにくい。
特許第3889931号公報 特開2006−63402号公報 特開平8−3682号公報 特開平6−287697号公報
本発明はこの様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、転動疲労寿命の安定性に優れた軸受用鋼材を提供することにある。
本発明に係る転動疲労寿命の安定性に優れた軸受用鋼材とは、
C:0.95〜1.10%(質量%の意味、以下同じ)、
Si:0.15〜0.35%、
Mn:0.50%以下(0%を含まない)、
P:0.020%未満(0%を含まない)、
S:0.020%未満(0%を含まない)、
P+S:0.020%以下(0%を含まない)、
Cr:1.30〜1.60%を含み、
残部:鉄および不可避不純物からなり、
下記条件で測定して求められる硬さばらつき率が、20%以下であるところに特徴を有する。
〈硬さばらつき率の測定条件〉
(i)測定箇所:
棒状または線状鋼材であって、球状化焼鈍および焼入れ焼戻ししたものについて、
・圧延方向に垂直な任意の切断面におけるD/4位置(Dは圧延材の直径、以下同じ)[90°ごとに4箇所(以下、各箇所をa〜dと称する)]、および
・圧延方向に平行な切断面(但し、この切断面は、上記a、b、cまたはdのD/4位置と中心軸を通る)における上記D/4位置
[90°ごとに4箇所(以下、各箇所をa’〜d’と称する)]
の合計8箇所
(ii)測定方法:
a〜d、a’〜d’の各箇所において、上記D/4位置を中心とする10mm線(上記Dに平行な線)上の300gHv硬さを、0.1mm間隔で100点測定する。
(iii)硬さばらつき率の算出方法:
a〜d、a’〜d’の各箇所において、上記100点の300gHv硬さ(ビッカース硬さ)のうち、平均硬さに対して±30Hv以上の差異が認められる硬さの点数を、ばらつき割合とする。そして、a〜dおよびa’〜d’(合計8箇所)の上記ばらつき割合の平均値を、硬さばらつき率とする。
本発明の軸受用鋼材は、更に他の元素として、Ni:0.25%未満(0%を含まない)、Cu:0.25%未満(0%を含まない)、およびMo:0.08%未満(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上を含んでいてもよい。
本発明によれば、転動疲労寿命の安定性に優れた軸受用鋼材を実現できるので、軸受用鋼材を軸受に適用したときに、転動疲労寿命のばらつきが抑えられ、該寿命の下限値を保証することができるので、無駄な保守(交換、点検等)を低減することができる。
本発明者らは、転動疲労寿命の安定性に優れた軸受用鋼材を実現すべく鋭意研究を行った。その結果、
・軸受用鋼材の転動疲労寿命のばらつきは、後述する実施例の方法で測定する軸受用鋼材の硬さばらつきと相関性が高いこと;
・寿命ばらつきを低減させて転動疲労寿命の安定性を高めるには、この硬さばらつきを小さくするのがよいこと;
・そして、この硬さばらつきの原因が、鋳片凝固時の偏析に伴う縞状組織[焼入れ組織中に見られるものであって、ピクリン酸とアルコールの混合溶液で腐食後に、光学顕微鏡にて例えば倍率100倍で観察したときに、炭化物、MnS等の粗密に伴うコントラストの薄い組織とコントラストの濃い組織が縞状に存在する組織]の存在にあり、この縞状組織において、コントラストの薄い組織の部分は炭化物が少なく相対的に軟らかく、コントラストの濃い組織の部分は炭化物が多く相対的に硬いといった、硬さのばらつきが生じること;
を突き止め、硬さばらつきを小さくして転動疲労寿命の安定化を図るには、上記縞状組織の影響を低減するのがよい、との着想のもとでその具体的方法を見出した。
そしてその結果、上記縞状組織の影響を低減するにあたっては、
・溶鋼から鋼への凝固時の平衡分配係数の低い元素を低減すること、かつ
・軸受用鋼材の製造工程において、熱間圧延を比較的低温で行い、更には鋳片から圧延材への鍛圧比(「鋳片の鋳造方向に垂直な断面積/圧延材の圧延方向に垂直な断面積」をいう。以下同じ)を高めること、
が大変有効であることが分かった。以下、本発明で規定した成分組成および製造条件について詳述する。
まず、本発明の鋼材は、JIS G 4805(1999)で規定するSUJ2の成分組成をベースとするものであり、C:0.95〜1.10%、Si:0.15〜0.35%、Mn:0.50%以下(0%を含まない)、Cr:1.30〜1.60%を満たすものである。
このうち、Cは焼入硬さを増大させ、室温,高温における強度を維持して耐摩耗性を付与するために必須の元素である。従って、0.95%以上含有させなければならず、好ましくは0.98%以上のCを含有させることが望ましい。しかしながら、C含有量が多くなり過ぎると巨大炭化物が生成し易くなり、転動疲労特性に却って悪影響を及ぼす様になるので、C量は1.10%以下、好ましくは1.05%以下に抑えるべきである。
またCrは、Cと結びついて微細な炭化物を形成し、耐摩耗性を付与すると共に、焼入性の向上に寄与する元素である。この様な効果を発揮させるには、Cr含有量を1.30%以上とする。好ましくは1.35%以上である。しかし、Crが過剰に存在すると、粗大な炭化物が生成し、転動疲労寿命が却って低下する。従ってCr量は1.60%以下とする。好ましくは1.50%以下である。
本発明者らは、溶鋼から鋼への凝固時の平衡分配係数の低い元素としてP、Sが、縞状組織の形成に大きく影響し、転動疲労寿命の安定化に悪影響を及ぼしていることを見出した。そこで本発明では、特にP、Sについて下記範囲内となるよう抑制することとした。
〈P+S:0.020%以下(0%を含まない)〉
〈P:0.020%未満(0%を含まない)〉
〈S:0.020%未満(0%を含まない)〉
まず本発明では、鋼材の成分組成において、凝固時の平衡分配係数(C/C)が0.1よりも低い元素:P、Sの合計含有量を0.020%以下とすれば縞状組織が著しく低減することを見出した。
Pは、鋳片凝固時に偏析し易い元素である。また、Pはフェライトフォーマーであるため、偏析すると、圧延材のパーライトのフェライト分率を高める。即ち、球状化焼鈍時に、球状炭化物のもととなるパーライト中のセメンタイトを減少させることになる。そのため、P量が多いと、偏析が顕著となり、かつ偏析した箇所の球状炭化物を減少させて縞状組織を顕著化し、硬さばらつきを生じさせる。一方、Sは、鋳片凝固時に偏析し易い元素であり、またMnSを形成して縞状組織を顕著化し、硬さばらつきを生じさせる元素でもある。
この様に鋼材中に縞状組織を生じさせる原因となる成分:PおよびSを併せて0.020%以下に低減させることにより、縞状組織を十分に低減できることがわかった。PおよびSの合計含有量は、好ましくは0.015%以下であり、より好ましくは0.010%以下であるが、量産工程で製造する観点からは、その下限が0.006%程度となる。
また、上記P、Sによる縞状組織の生成を確実に防止するには、P量単独で、0.020%未満(好ましくは0.015%以下)に抑える必要があり、かつS量単独で、0.020%未満(好ましくは0.008%以下)に抑える必要がある。
本発明で規定する含有元素は上記の通りであって、残部は鉄および不可避不純物であり、該不可避不純物として、原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる元素の混入が許容され得る。
尚、転動疲労寿命を高めるため、下記元素を規定範囲内で積極的に含有させることも可能である。
〈Ni:0.25%未満(0%を含まない)、Cu:0.25%未満(0%を含まない)、およびMo:0.08%未満(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上〉
Ni、Cu、Moは、いずれも母相の焼入性向上元素として作用し、硬さを高めて転動疲労特性の向上に寄与する元素である。これらの効果は、Niで0.03%以上、Cuで0.03%以上、Moで0.01%以上含有させることによって有効に発揮される。
しかし、Ni量が0.25%以上、あるいはMo量が0.08%以上になると、加工性が劣化し、Cu量が0.25%以上になると熱間圧延時の割れを助長するので、夫々上記範囲内とするべきである。
本発明の軸受用鋼材は、上記成分組成を満たす鋳片を、例えばソーキング炉で加熱した後、熱間圧延することにより得られるが、上述の通り、縞状組織の影響を低減させるには、この熱間圧延を比較的低温で行なうことが大変有効である。
熱間圧延により、生成した縞状組織を伸展・破壊できるため、縞状組織の影響を低減でき、結果として硬さばらつきを低減することができる。しかし熱間圧延を高温で行うと、表層が優先して変形を受けるため、鋼材内部の縞状組織(偏析箇所)を十分伸展できない。
よって本発明では、内部まで大きな変形を与え、鋼材内部の縞状組織(偏析箇所)を十分伸展すべく、圧延温度範囲(圧延開始から圧延終了までの温度の幅)が800℃〜1000℃の間に入るようにするのがよい。圧延中の温度が低いほど上記縞状組織が伸展し易いので、圧延温度範囲の上限は950℃であることが好ましく、より好ましい上限は900℃である。一方、上記温度が低すぎると、圧延機への負荷が増大し、故障等の原因となるため、圧延温度範囲の下限は、上記の通り800℃(好ましくは850℃)とするのがよい。
また、熱間圧延時の鍛圧比を高めることで、偏析箇所がより多く伸展するため、縞状組織の影響を低減でき、硬さばらつきを低減することができる。この様な観点から本発明では、上記鍛圧比が60以上となるよう圧延を行う。尚、鍛圧比が大きくなるほど縞状組織の影響を低減できるが、その効果は鍛圧比が約500で飽和する。
図1は、上記鍛圧比と後述する実施例で測定した寿命比(転動疲労寿命の安定性の指標)との関係を、(P+S)量別に示したグラフである。この図1より(P+S)量を規定範囲内に低減した上で、鍛圧比が60以上となるよう圧延を行うことにより、転動疲労寿命の安定性を向上できることがわかる。
本発明の軸受用鋼材は、軸受等の部品を容易に製造することのできる線状・棒状の鋼材として得られるが、そのサイズは、最終製品に応じて適宜決めることができる。
下記表1に示す成分組成の鋼を連続鋳造で溶製し、155mm角のビレットに分塊圧延した後ソーキング炉で加熱した。その後、表2に示す条件(圧延温度範囲、鍛圧比)で熱間圧延を行って、鋼材(棒状圧延材)を得た。
そしてこの圧延材を用いて硬さばらつき率を下記条件で測定した。また、圧延材を用いて試験片を作製し、寿命比を求めた。
〈硬さばらつき率の測定条件〉
以下、測定箇所を模式的に示した図2を用いて説明する。尚、図2では、ビッカース硬さを測定する10mm線を、D/4位置から離して分かりやすく示しているが、実際の測定において、10mm線は、図2(b)に示す通り鋼材角からそれぞれ150μmの位置にあり、圧延方向に垂直な切断面および平行な切断面のD/4位置を測定している。
(i)測定箇所:
得られた鋼材に、球状化焼鈍および焼入れ焼戻しを施したものについて、
・圧延方向に垂直な任意の切断面におけるD/4位置(Dは圧延材の直径、以下同じ)[90°ごとに4箇所(以下、図2(a)に通り、各箇所をa〜dと称する)]、
および、
・圧延方向に平行な切断面(但し、この切断面は、上記a、b、cまたはdのD/4位置と中心軸を通る)における上記D/4位置
[90°ごとに4箇所(以下、各箇所をa’〜d’と称する。尚、図2(b)は上記図1の一部拡大図であり、a’の位置を例示している)]
の合計8箇所
(ii)測定方法:
a〜d、a’〜d’の各箇所において、前記図2(b)に示す通り、上記D/4位置を中心とする10mm線(圧延材の直径に平行な線)上の300gHv硬さを、0.1mm間隔で100点測定[図2(b)では、aおよびa’の測定箇所について示している]。
(iii)硬さばらつき率の算出方法:
a〜d、a’〜d’の各箇所において、上記100点の300gHv硬さのうち、平均硬さに対して±30Hv以上の差異が認められる硬さの点数を、ばらつき割合とする。そして、a〜dおよびa’〜d’(合計8箇所)の上記ばらつき割合の平均値を、硬さばらつき率とする。
そして、この硬さばらつき率が20%以下のものを硬さばらつきが小さいと評価し、20%を超えるものを硬さばらつきが大きいと評価した。
尚、参考として、表1におけるNo.7(本発明例)の1箇所のビッカース硬さの測定データ(100点)を図3に示す。またNo.20(比較例)の1箇所のビッカース硬さの測定データ(100点)を図4に示す。上記No.7やNo.20では、その他の7箇所についても上記図3や図4と同様にデータを取り、合計8箇所のばらつき割合の平均値をそれぞれ求めて硬さばらつき率とした。また、その他の例についても、上記No.7やNo.20と同様に100点のビッカース硬さを測定して硬さばらつき率を求めた。
〈試験片の作製方法〉
上記圧延材に球状化焼鈍を施した後、D/4位置を中心として圧延方向に、試験片材料を切り出し、粗加工を施し、その後、840℃で30分間加熱後に油焼入れを行ない、160℃で120分間焼き戻しを行なってから、仕上げ研磨を施して図5に示す試験片を得た。
〈寿命比の測定方法〉
転動疲労試験機にて、繰り返し速度:46485cpm、面圧:5.88GPa、中止回数:3億回の条件で試験を実施した。この試験を、各鋼材につき15個の試料を用いて行い、そのうちのMax寿命(3億回で中止した場合には、Max寿命を3億回とした)とMin寿命を用い、寿命比として(Min寿命/Max寿命)を算出した。そして、この寿命比が0.20以上のものを転動疲労寿命が安定していると評価し、0.20未満のものを転動疲労寿命が安定していないと評価した。
これらの結果を表1に併記する。
Figure 0005114148
表1から次のように考察することができる。即ち、No.1〜16は、本発明で規定する成分組成を満たしており、かつ本発明で規定する方法で製造したので、得られた鋼材は、いずれも硬さばらつき度が小さく、結果として寿命比が小さく、転動疲労寿命の安定性に優れていることがわかる。
これに対し、No.17〜28は、鋼材の化学成分が本発明の規定要件を外れるか、製造条件が規定要件を外れているため、いずれも硬さばらつき度が大きくなり、転動疲労寿命の安定性が低くなっている。
詳細には、No.17〜22は、圧延時の鍛圧比が小さいため、縞状組織の影響が強く残り、硬さにばらつきが生じて、安定した転動疲労寿命を確保できなかった。
No.23〜25は、(P+S)量が規定範囲を超えており、No.25では更に圧延時の鍛圧比も小さいため、縞状組織の影響が強く残り、硬さにばらつきが生じて、安定した転動疲労寿命を確保できなかった。
No.26〜28は、圧延温度が規定範囲よりも高く、No.28では更に圧延時の鍛圧比も小さいため、縞状組織の影響が強く残り、硬さにばらつきが生じて、安定した転動疲労寿命を確保できていない。
鍛圧比と寿命比の関係を(P+S)量別に示したグラフである。 硬さばらつき率の測定箇所を説明する図である。 実施例における本発明例のビッカース硬さデータ(100点)の一例を示すものである。 実施例における比較例のビッカース硬さデータ(100点)の一例を示すものである。 実施例における試験片の形状を示す図である。

Claims (4)

  1. C:0.98〜1.10%(質量%の意味、以下同じ)、
    Si:0.15〜0.35%、
    Mn:0.50%以下(0%を含まない)、
    P:0.020%未満(0%を含まない)、
    S:0.020%未満(0%を含まない)、
    P+S:0.020%以下(0%を含まない)、
    Cr:1.30〜1.60%を含み、
    残部:鉄および不可避不純物からなり、
    下記条件で測定して求められる硬さばらつき率が、20%以下であることを特徴とする転動疲労寿命の安定性に優れた軸受用鋼材。
    〈硬さばらつき率の測定条件〉
    (i)測定箇所:
    棒状または線状鋼材であって、球状化焼鈍および焼入れ焼戻ししたものについて、
    ・圧延方向に垂直な任意の切断面におけるD/4位置(Dは圧延材の直径、以下同じ)[90°ごとに4箇所(以下、各箇所をa〜dと称する)]、および
    ・圧延方向に平行な切断面(但し、この切断面は、上記a、b、cまたはdのD/4位置と圧延材の軸心を通る)における上記D/4位置
    [90°ごとに4箇所(以下、各箇所をa’〜d’と称する)]
    の合計8箇所
    (ii)測定方法:
    a〜d、a’〜d’の各箇所において、上記D/4位置を中心とする10mm線(上記Dに平行な線)上の300gHv硬さを、0.1mm間隔で100点測定する。
    (iii)硬さばらつき率の算出方法:
    a〜d、a’〜d’の各箇所において、上記100点の300gHv硬さのうち、平均硬さに対して±30Hv以上の差異が認められる硬さの点数を、ばらつき割合とする。そして、a〜dおよびa’〜d’(合計8箇所)の上記ばらつき割合の平均値を、硬さばらつき率とする。
  2. 更に他の元素として、Ni:0.25%未満(0%を含まない)、Cu:0.25%未満(0%を含まない)、およびMo:0.08%未満(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上を含む請求項1に記載の軸受用鋼材。
  3. 請求項1または2に記載の軸受用鋼材を製造する方法であって、
    請求項1または2に記載の成分組成を満たす鋼材を用い、熱間圧延を行うにあたり、
    熱間圧延の圧延温度範囲を800〜950℃とし、かつ、
    熱間圧延時の鍛造比を60以上500以下とする
    ことを特徴とする転動疲労寿命の安定性に優れた軸受用鋼材の製造方法。
  4. 前記熱間圧延の圧延温度範囲を800〜850℃とする請求項3に記載の軸受用鋼材の製造方法。
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