JP5114042B2 - 貼付剤、及び貼付剤の製造方法 - Google Patents

貼付剤、及び貼付剤の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、薬物を経皮吸収させるための貼付剤に関し、より詳しくは、非リザーバ型貼付剤に関する。また、本発明は、貼付剤の製造方法に関する。
フェンタニルは、極めて優れた鎮痛効果を有する合成鎮痛薬である。フェンタニルの投与形式は、種々あるが、貼付剤を用いた経皮吸収による投与が一般的であり、以下のような貼付剤が開示されている。
特許文献1に示される貼付剤は、肌に当接される当接部と、この当接部に設けられ内部に流体を収容可能な貯蔵部と、を備えるリザーバ型貼付剤であり、この貯蔵部には、フェンタニルと、フェンタニルの浸透を促進するエタノールとが収容されている。
この貼付剤によれば、貯蔵部にフェンタニルを収容したので、フェンタニルが貯蔵部から当接部へと移行する。また、フェンタニルの皮膚透過性は悪いことが知られているが、貯蔵部にエタノールを併せて収容したので、フェンタニルの皮膚への浸透が促進される。これにより、所定値を超える速度でフェンタニルを投与できる。
しかし、上記貼付剤には、次のような問題があった。第1に、エタノールを使用したため、皮膚による皮膚刺激が大きく、また、エタノールにより当接部の粘着力が低下するため再貼付が困難である。第2に、貯蔵部を別途設ける必要があるため、製造手順が煩雑化し、製造コストが上昇する。第3に、貯蔵部に流体を収容したので、液漏れや、貯蔵部からフェンタニルが抜き取られ別用途に悪用される懸念がある。
そこで、支持体と、この支持体上に積層された粘着剤層とを備え、この粘着剤層にフェンタニルが添加されている非リザーバ型貼付剤が提案され、このような貼付剤に適した種々の粘着剤が開発されている。
特許文献2には、ポリイソブチレンやスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の粘着剤、アクリル系ポリマーをトルエンジイソシアネートで架橋させた粘着剤が開示されている。また、特許文献3には、アクリル酸ポリマーからなる感圧性接着剤を、粘着剤層が含有する貼付剤が開示されている。
特許文献4には、粘着剤層が、ジアセトンアクリルアミドを含むアクリル系粘着剤と、可塑剤と、アジピン酸ジヒドラジド、ヘキサンジアミン等の低分子ポリアミンを含む架橋剤と、を含有する貼付剤が開示されている。
特開昭61−37725号公報 特開平10−45570号公報 特公平8−16054号公報 特表2002−535475号公報
しかし、特許文献2〜4に示される貼付剤では、粘着剤の強い凝集力により、粘着剤層が過剰に硬くなる。これにより、貼付時や剥離時に使用者に与える物理的刺激(例えば、痛み)が大きいのみならず、皮膚への貼着性や追従性が悪化し、再貼付することも困難となる傾向にある。よって、使用中に皮膚から剥離しやすく、長時間(例えば、3日間)に亘る投与が求められるフェンタニルに適しない。また、使用中に肌に与える化学的刺激に関する検討も不充分である。
特に、特許文献2に示される貼付剤では、架橋剤としてのイソシアネートが極めて高い活性を有するため、フェンタニルの安定性が低下し、粘着剤層からの放出性が悪化する懸念がある。
また、特許文献3に示される貼付剤では、アクリル酸及びフェンタニルが相互作用するため、粘着剤層からのフェンタニルの放出性が悪化する懸念がある。
特許文献4に示される貼付剤では、低分子ポリアミンによりアクリル系粘着剤及び可塑剤からなる膏体が極めて短時間にゲル化するため、膏体を支持体上に塗工するのが困難となる場合がある。一方で、低分子ポリアミンが、フェンタニルとの相性が悪く、架橋が抑制される場合もある。
また、低分子ポリアミンの種類によっては、有機溶媒溶解性が低いために水を多量に添加する必要があり、他の高分子物質の沈殿が誘発されることが懸念される。更に、低分子ポリアミンの中には、人体に対する危険性が指摘されているものもある。
そこで、本発明は、皮膚への貼着性及び追従性を向上でき、刺激を低減でき、容易に作製でき、優れたフェンタニル経皮吸収性を有する安全な非リザーバ型貼付剤、及び、この非リザーバ型貼付剤の製造方法を提供することを目的とする。
(1) 支持体と、この支持体上に位置し粘着剤を含有する粘着剤層と、を備える貼付剤であって、
前記粘着剤層は、フェンタニルを更に含有し、
前記粘着剤は、主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、共重合体に対して3〜45質量%のジアセトンアクリルアミドとが共重合して形成され、且つ、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないアクリル系共重合体(A)100質量部と、
主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルが重合して形成され、第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基を側鎖に含有し、且つ、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないアクリル系共重合体(B)0.1〜30質量部と、の架橋構造を有する貼付剤。
(2) 前記粘着剤層は、可塑剤を更に含有する(1)記載の貼付剤。
(3) 前記可塑剤は、炭素数6〜18の脂肪酸エステル類、炭素数6〜10の二塩基酸のエステル類、炭素数10〜18の高級アルコール類、多価アルコール脂肪酸エステル、常温下で液体の親油性成分、及び常温下で液体の油脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である(2)記載の貼付剤。
(4) 前記可塑剤は、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ジプロピレングリコール、トリアセチン、炭酸プロピレン及び中鎖脂肪酸トリグリセリドからなる群より選ばれる少なくとも1種である(2)又は(3)記載の貼付剤。
(5) 支持体と、この支持体上に位置し粘着剤を含有する粘着剤層と、を備える貼付剤の製造方法であって、
前記粘着剤層に、フェンタニルを更に含有させ、
主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、共重合体に対して3〜45質量%のジアセトンアクリルアミドとが共重合して形成され、且つ、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないアクリル系共重合体(A)100質量部と、
主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルが重合して形成され、第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基を側鎖に含有し、且つ、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないアクリル系共重合体(B)0.1〜30質量部と、を架橋させて、前記粘着剤を形成する製造方法。
(6) (メタ)アクリル酸アルキルエステルと、側鎖に第一級アミノ基を有する(メタ)アクリル系モノマーとを共重合することで、前記アクリル系共重合体(B)を形成する(5)記載の製造方法。
(7) (メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸を共重合させ、得られる共重合体が含有する遊離カルボキシル基と、イミン、ジアミン及び/又はジカルボン酸ジヒドラジドとを反応させることで、前記アクリル系共重合体(B)を形成する(5)記載の製造方法。
(8) (メタ)アクリル酸アルキルエステル及びジアセトンアクリルアミドを共重合させ、得られる共重合体が含有するカルボニル基と、ジアミン及び/又はジカルボン酸ジヒドラジドとを反応させることで、前記アクリル系共重合体(B)を形成する(5)記載の製造方法。
本発明によれば、共重合体(A)中のジアセトンアクリルアミドに由来するカルボニル基と、共重合体(B)中の第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基とが、脱水反応し、共有結合を形成することで、架橋される。このように、低分子架橋剤を使用せずに粘着剤を作製できるので、安全な貼付剤を製造できる。
共重合体中のジアセトンアクリルアミド含有量は、少なすぎると、架橋が充分に進行しない場合がある。一方、多すぎると、過多な凝集力により粘着剤層が過剰に硬くなるため、皮膚への貼着性、追従性が悪化するとともに、皮膚に与える刺激が大きくなる。
そこで、本発明によれば、共重合体(A)がジアセトンアクリルアミドを3〜45質量%含有する構成としたので、皮膚への貼着性及び追従性を向上でき、刺激を低減できる。
共重合体(A)に対する共重合体(B)の含有量は、少なすぎると、過少な凝集力により、粘着剤層のはみ出しや、皮膚から剥離される際に粘着剤の皮膚残りが発生しやすくなる。一方、含有量が多すぎると、過多な凝集力により粘着剤層が過剰に硬くなるため、皮膚への貼着性、追従性が悪化するとともに、皮膚に与える刺激が大きくなる。
そこで、本発明によれば、共重合体(A)100質量部に対して共重合体(B)を0.1〜30質量部含有する構成としたので、粘着剤層のはみ出しや皮膚残りを抑制でき、且つ、皮膚への貼着性及び追従性を向上でき、刺激を低減できる。
また、アクリル系共重合体(A)及び(B)は、いずれも(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主たる構成成分とするため、相溶性に優れる。このため、貼付剤を容易に製造できる。
しかも、アクリル系共重合体(A)及び(B)は、いずれも遊離カルボキシル基を実質的に含有しないので、フェンタニルとの反応性が低い。このため、粘着剤層からのフェンタニルの放出性が妨害されず、優れたフェンタニル経皮吸収性を保持できる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明を特に限定するものではない。
本発明の貼付剤は、支持体と、この支持体上に位置し粘着剤を含有する粘着剤層とを備える非リザーバ型貼付剤である。
<粘着剤層>
貼付剤を構成する粘着剤層は、粘着剤の他に、フェンタニルを更に含有する。また、粘着剤は、アクリル系共重合体(A)及びアクリル系共重合体(B)の架橋構造を有する。
[共重合体(A)]
共重合体(A)は、主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、ジアセトンアクリルアミドとが共重合して形成され、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないものである。
本明細書で言う「主たる構成成分」とは、共重合体に対して50質量%以上含まれている、又は複数の構成成分の中で最も高い含有率で含まれている構成成分を指す。
共重合体(A)を構成する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、遊離カルボキシル基を有していないものであれば特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシルが挙げられる。これらは、単独で用いられてもよいし、併用されてもよい。
ジアセトンアクリルアミドの含有量は、共重合体(A)に対して3〜45質量%であり、好ましくは8〜40質量%、更に好ましくは10〜30質量%である。共重合体中のジアセトンアクリルアミド含有量は、少なすぎると、架橋が充分に進行しない場合がある。一方、多すぎると、過多な凝集力により粘着剤層が過剰に硬くなるため、皮膚への貼着性、追従性が悪化するとともに、皮膚に与える刺激が大きくなる。
なお、共重合体(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びジアセトンアクリルアミドに加え、更なる成分が共重合されていてよい。共重合体(A)は、フェンタニル等の粘着剤中への溶解度を向上できる点で、極性モノマー(例えば、2−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、アクリルアミド等)が更に共重合されていることが好ましい。極性モノマーの含有量は、1.0〜20質量%の範囲であってよい。
共重合体(A)は、通常、重合開始剤の存在下で、構成成分を溶液重合することで調製される。ただし、重合形態は特に限定されない。また、重合反応条件は、主に、構成成分の種類により適宜設定される。溶液重合の場合、例えば、構成成分の所定量に、酢酸エチルその他の一般的な重合溶媒を加え、撹拌装置及び冷却還流装置を備える反応容器中で、アゾビス系、過酸化物系等の重合開始剤の存在下、窒素雰囲気で70〜90℃、8〜40時間反応させればよい。なお、上記構成成分及び溶媒は、一括して投入してもよいし、適宜分割して投入してもよい。重合開始剤は、反応の進行状況に応じて、適宜分割して投入するのが望ましい。
アゾビス系重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス−イソ−ブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。過酸化物系重合開始剤としては、例えば、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、ジ(tert−ブチル)パーオキサイド等が挙げられる。
[共重合体(B)]
共重合体(B)は、主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルが重合して形成され、第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基を側鎖に含有し、且つ、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないものである。
このような共重合体(B)は、側鎖に位置する第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基が、共重合体(A)のジアセトンアクリルアミドに由来するカルボニル基と、脱水反応に基づく共有結合を形成する。これにより、共重合体(A)が架橋されるとともに、共重合体(B)が粘着剤を構成する。
共重合体(B)は、共重合体(A)との優れた相溶性を有することが重要であるので、共重合体(A)と同様に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主たる構成成分とする必要がある。
その分子量は、低分子化による不利な作用を抑制できる点で、2000以上であることが好ましい。
共重合体(B)が含有する第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基は、共重合体(A)との適度の架橋性を発揮するために、共重合体(B)の1分子鎖に2個以上存在することが好ましく、3個以上であることがより好ましい。共重合体(B)における第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基は、(メタ)アクリル酸エステルコモノマー5〜100分子鎖に1個の割合で含有されることが好ましい。
また、共重合体(B)は、共重合体(A)100質量部に対して0.1〜30質量部含有され、好ましくは0.3〜20質量部である。共重合体(A)に対する共重合体(B)の含有量は、少なすぎると、過少な凝集力により粘着剤層のはみ出しや、皮膚から剥離される際に粘着剤の皮膚残りが発生しやすくなる。一方、含有量が多すぎると、過多な凝集力により粘着剤層が過剰に硬くなるため、皮膚への貼着性、追従性が悪化するとともに、皮膚に与える刺激が大きくなる。
共重合体(B)は、従来公知の方法で調製でき、例えば以下の方法が挙げられる。
調製法の例1では、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主たる構成成分とし、側鎖に第一級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸アミノエチルのようなモノマーを、通常の方法で共重合させる。これにより得られる共重合体は、側鎖に遊離の第一級アミノ基を有する。
調製法の例2では、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主たる構成成分とするモノマーと、(メタ)アクリル酸とを、通常の方法で共重合させる。得られる共重合体のカルボキシル基を、イミン、ジアミン、及び/又はジカルボン酸ジヒドラジドを用いて変性する。この共重合体の重合に用いる装置、溶媒、開始剤、反応条件等は、共重合体(A)の場合と同様でよい。ここで使用できるイミンとしては、例えば、エチレンイミン及びプロピレンイミン等のアルキレンイミンが挙げられ、エチレンイミンが特に好ましい。ジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンタンジアミン、ヘキサンジアミンのような鎖状アルキレンジアミン及びシクロヘキシルジアミンのようなシクロアルキレンジアミン等が挙げられ、ヘキサンジアミンが特に好ましい。ジカルボン酸ジヒドラジドとしては、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド等が挙げられ、アジピン酸ジヒドラジドが特に好ましい。これらのイミン、ジアミン、ジカルボン酸ジヒドラジドは、単独で使用されてもよく、複数種で併用されてもよい。アルキレンイミンを使用する場合、共重合体に含まれるカルボキシル基との間でエステル結合が形成され、側鎖に遊離の第一級アミノ基が生成される。ジアミン及び/又はジカルボン酸ジヒドラジドを使用する場合、共重合体に含まれるカルボキシル基が、ジアミン及び/又はジカルボン酸ジヒドラジドの一方のアミノ基及び/又はカルボン酸ヒドラジド基との間で酸アミド結合し、側鎖に第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基が生成される。
調製法の例3では、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びジアセトンアクリルアミドを共重合させ、得られる共重合体に含まれるカルボニル基をジアミン及び/又はジカルボン酸ジヒドラジドと反応させる。ここで使用されるジアミン及びジカルボン酸ジヒドラジドは、調製法の例2で述べたものと同様でよい。これらは、単独で使用されてもよく、複数種で併用されてもよい。共重合体に含まれるジアセトンアクリルアミドに由来するカルボニル基は、ジアミン及び/又はジカルボン酸ジヒドラジドの一方のアミノ基及び/又はカルボン酸ヒドラジド基と共有結合を形成し、側鎖に遊離の第一級アミノ基及び/又はカルボン酸ヒドラジド基が生成される。
なお、上記の共重合体(B)の製法は、あくまでも例示に過ぎず、限定するものではない。また、このようにして得られる共重合体(B)は、必要に応じて精製され、未反応のイミン、ジアミン、ジカルボン酸ジヒドラジドが除去された後に、使用されてよい。
[フェンタニル]
フェンタニルは、1−フェネチル−4−N−プロピオニル−アニリノ−ピペリジンと称される化合物である。本発明に使用されるフェンタニルは、フェンタニル(フリー体)及び/又はその塩である。具体的には、フェンタニル(フリー体)、クエン酸フェンタニル、塩酸フェンタニル、硫酸フェンタニル等が挙げられ、フェンタニル(フリー体)及びその塩が組み合わせて使用されてもよい。フェンタニル(フリー体)及び/又はクエン酸フェンタニルが好ましく、より好ましくはフェンタニル(フリー体)である。
粘着剤層におけるフェンタニル含有量は、使用目的等に応じて適宜決定されてよいが、少なくすぎると薬理活性が不充分となり、多すぎると急激に血中濃度が上昇したり粘着性が低下したりすることから、粘着剤層の総質量に対して、通常0.01〜50質量%、好ましくは0.5〜20質量%である。フェンタニルは、粘着剤層中で、溶解状態、過飽和状態、又は結晶状態で存在してよい。また、フェンタニルの経皮吸収性を持続的なものとするために、一部が溶解状態で、一部が結晶状態であってもよい。
フェンタニルは、貼付剤の製造において、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、酢酸エチル、トルエン等の溶媒に溶解された状態で添加されるのが好ましい。また、フェンタニルは、共重合体(A)及び共重合体(B)を含有するアセトン又はブタノン溶液に、予め混合されていてもよい。
[可塑剤]
可塑剤は、皮膚に与える刺激を更に低減できるとともに、フェンタニルの経皮吸収性を向上できる。可塑剤の含有量は、特に限定されないが、少なすぎると上記効果が不充分となる一方、多すぎると粘着剤の凝集力が不充分となることから、共重合体(A)100質量部に対して20〜200質量部が好ましく、25〜200質量部がより好ましい。同様の理由で、可塑剤の含有量は、粘着剤層の総質量に対して、1〜70質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。
可塑剤としては、特に限定されないが、炭素数6〜18の脂肪酸エステル類、炭素数6〜10の二塩基酸のエステル類、炭素数10〜18の高級アルコール類、多価アルコール脂肪酸エステル、常温下で液体の親油性成分、及び常温下で液体の油脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の親油性物質が好ましい。具体的には、例えば、オクタン酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、乳酸ミリスチル等の一価アルコールの脂肪酸エステル;アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、コハク酸ジオクチル等の二塩基酸エステル;オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール等の高級アルコール;ジカプリン酸プロピレングリコール、トリオクタン酸グリセリル、トリ(オクタン酸/デカン酸)グリセリル、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の多価アルコール等の脂肪酸エステル;その他、ジプロピレングリコール、トリアセチン、炭酸プロピレン等が挙げられ、特に、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ジプロピレングリコール、トリアセチン、炭酸プロピレン及び中鎖脂肪酸トリグリセリドからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられ、このうち、ミリスチン酸イソプロピル及びオクチルドデカノールが最も好ましい。
なお、本発明の粘着剤は、共重合体(A)及び共重合体(B)の架橋構造を有するが、これら以外の構成成分を更に含んでいてもよい。例えば、共重合体(A)及び共重合体(B)は、共重合体(A)と共重合体(B)は溶媒中で緩やかに架橋反応を起こすため、その溶液を長期間に亘って保存するのが困難である。そこで、各溶液に、全溶媒に対して5.0質量%以上のアセトン、ブタノン等の揮発性ケトン類を添加することで、保存中の架橋反応が抑制され、長期間に亘る保存が可能となる。
[その他成分]
本発明の貼付剤は、上記成分の他、経皮吸収促進剤、粘着付与剤を含む任意成分を更に含有してよい。
(経皮吸収促進剤)
本発明の貼付剤は、フェンタニルの経皮吸収を促進できる点で、経皮吸収促進剤を含有することが好ましい。ここで使用される経皮吸収促進剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等の酸化エチレン型脂肪酸エーテル類、モノオレイン酸ポリエチレングリコール等の酸化エチレン型脂肪酸エステル類、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジエチル、乳酸セチル等の脂肪酸エステル類、モノステアリン酸プロピレングリコール、カプリル酸モノグリセリド、カプリル酸トリグリセリド、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ソルビタン脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エステル類、l−メントール、ハッカ油、リモネン等のテルペン類、乳酸、酢酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の酸化合物、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等の多価アルコール等が挙げられる。好ましくは、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、セスキオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸プロピレングリコールである。
(粘着付与剤)
本発明の貼付剤は、粘着付与剤を含有してよい。ここで使用される粘着付与剤としては、特に限定されず、脂環式飽和炭化水素樹脂(合成石油樹脂)やロジンエステル誘導体、テルペン系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよく、複数種で併用されてもよい。脂環式飽和炭化水素樹脂としては、例えば、アルコンP−100(商品名:荒川化学工業製)等が挙げられる。ロジンエステル誘導体としては、例えば、エステルガムH(商品名:荒川化学工業製)、KE−311(商品名:荒川化学工業製)、KE−100(商品名:荒川化学工業製)等が挙げられる。テルペン系樹脂としては、例えば、YSレジン(商品名:ヤスハラケミカル社製)等が挙げられる。
本発明の貼付剤は、更に、溶解補助剤(クエン酸、塩酸、フマル酸、コハク酸、酢酸、乳酸等)、追加的粘着剤(シリコンゴム、ポリイソブチレン、ポリブテン、アクリル酸エステルの共重合体、等)、抗酸化剤(ジブチルヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、トコフェロール、トコフェロールエステル誘導体、ブチルヒドロキシアニソール、2−メルカプトベンズイミダゾール等)、香料、着色剤等を更に含有してもよい。
以上の粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、一般的に、30〜200μmが好ましく、40〜150μmがより好ましい。薄すぎると粘着力の持続性が低下する一方、厚すぎると、支持体付近の粘着剤中に存在するフェンタニルが皮膚との接着面まで拡散しにくくなり、薬物放出率が低下する。
<支持体>
支持体は、フェンタニルに対して不透過性又は難透過性であり且つ柔軟なものが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−ブチルアクリレート−一酸化炭素共重合体、ナイロン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、ポリブチレンテレフタレート等の樹脂フィルムやアルミニウムシート等が挙げられる。これらが積層されシート状に形成されてもよく、織布や不織布とともに積層されてもよい。また、粘着剤層との接着性を高めるため、コロナ処理、プラズマ放電処理等の表面処理を施したり、アンカー剤によりアンカーコート処理を施したりしてもよい。
<剥離ライナ>
本発明の貼付剤は、粘着剤層を被覆する剥離ライナを更に備えていてよい。ここで使用される剥離ライナは、粘着剤層を保護する役割のものであり、貼付剤が皮膚に貼付される直前に粘着剤層から剥がされる。
剥離ライナの厚さは、通常15〜200μmで、好ましくは40〜100μmである。剥離ライナの素材は、粘着剤層から容易に剥離でき且つ薬物非透過性であれば、特に限定されない。具体的には、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロピレン等のプラスチックフィルム、紙、金属フィルム、布等から選ばれる素材が挙げられ、これら1種の単層フィルム、又は複数種の積層体が使用できる。これらフィルムは、表面がシリコン処理されていてよい。また、剥離ライナには、剥離を容易にするために、直線又は曲線状の切れ込みが設けられ、2以上のライナが一部重畳され、又は折り返し部を有するものであってもよい。
<製造方法>
本発明の貼付剤の製造は、従来公知の方法が適用できる。例えば、溶剤塗工法の場合、共重合体(A)及び共重合体(B)を含有する溶液に、可塑剤、フェンタニルを所定量添加し混合し、必要に応じて有機溶媒で希釈し、得られた液を支持体上に塗布し乾燥する方法や、剥離紙上に塗布し乾燥して形成された粘着剤層を支持体上に転写する方法等が、好適に使用される。
以下に本発明の実施例を示し、更に具体的に説明する。まず、各実施例において使用される共重合体(A)及び共重合体(B)の作製手順を説明する。なお、以下において、部及び%は、それぞれ質量部及び質量%を意味する。
〔共重合体(A)の作成例1〕
モノマーとしてのアクリル酸2−エチルヘキシル200部、アクリル酸ブチル100部、ジアセトンアクリルアミド50部に、溶媒としての酢酸エチル300部を加えて混合した。この混合物を、撹拌装置及び還流冷却装置を備えるセパラブルフラスコに供給し、撹拌及び窒素置換しながら、75℃に昇温した。過酸化ベンゾイル2部が酢酸エチル20部に溶解された溶液を5分割し、その1部をセパラブルフラスコに添加して、重合を開始した。残りの4部を、反応開始後2時間目から1時間間隔で1部ずつ添加し、添加を終了した後、更に2時間反応させた。なお、粘度調節のため、反応開始後、2時間ごとに酢酸エチルを50部ずつ4回添加した。反応終了後、冷却し、次いで酢酸エチルを添加することで、固形分濃度30%、ゲルクロマトグラフィー測定(GPC)によるスチレン換算質量平均分子量110×10cpsの共重合体(A)の溶液を得た。
〔共重合体(A)の作成例2〕
モノマーの組成を、アクリル酸2−エチルヘキシル150部、アクリル酸ブチル100部、ジアセトンアクリルアミド50部、酢酸ビニル50部とした点を除き、共重合体(A)の作成例1と同様の手順で、固形分濃度30%、GPCによるスチレン換算質量平均分子量95×10cpsの共重合体(A)の溶液を得た。
〔共重合体(A)の作成例3〕
モノマー組成を、アクリル酸2−エチルヘキシル150部、アクリル酸ブチル150部、ジアセトンアクリルアミド100部とし、重合開始剤として過酸化ラウロイルを使用した点を除き、共重合体(A)の作成例1と同様の手順で、固形分濃度30質量%、GPCによるスチレン換算質量平均分子量95×10cpsの共重合体(A)の溶液を得た。
〔共重合体(B)の作成例1〕
モノマーとしてのアクリル酸2−エチルヘキシル200部、アクリル酸ブチル100部、メタクリル酸アミノエチル30部に、溶媒としての酢酸イソプロピル300部を加えて混合した。この混合物を、撹拌装置及び還流冷却装置を備えるセパラブルフラスコに供給し、撹拌及び窒素置換しながら、80℃に昇温した。過酸化ベンゾイル2部が酢酸エチル30部に溶解された溶液を5分割し、その1部をセパラブルフラスコに添加し、重合を開始した。残りの4部を、反応開始後2時間目から1時間間隔で1部ずつ添加し、添加終了後、更に2時間反応させた。なお、粘度調節のため、反応開始後、2時間ごとに酢酸イソプロピルを50部ずつ4回添加した。反応終了後、冷却し、次いで酢酸エチルを添加することで、固形分濃度30%、GPC測定によるスチレン換算質量平均分子量12×10cpsの共重合体(B)の溶液を得た。
〔共重合体(B)の作成例2〕
モノマー組成を、アクリル酸2−エチルヘキシル200部、アクリル酸ブチル100部、アクリル酸10部とし、分子量調節剤としてドデシルメルカプタン20部を添加した点を除き、共重合体(B)の作成例1と同様の手順で、固形分濃度30%、GPCによるスチレン換算質量平均分子量9×10cpsの共重合体溶液を得た。本溶液にエチレンイミン10部、濃塩酸5部を加えた後、80℃で5時間反応を行った。反応終了後、冷却し、精製水で3回洗浄した後、酢酸エチルを追加して固形分濃度30質量%の共重合体(B)の溶液を得た。
〔共重合体(B)の作成例3〕
モノマーとしてのアクリル酸エチル660部、ジアセトンアクリルアミド70部に、分子量調節剤としてドデシルメルカプタン40部、溶媒として酢酸エチル400部を加えた。この混合物を、撹拌装置及び還流冷却装置を備えるセパラブルフラスコに供給し、撹拌及び窒素置換しながら、70℃に昇温した。アゾビスイソブチロニトリル5部を酢酸エチル100部に溶解した溶液を5分割し、その1部をセパラブルフラスコに添加し、重合を開始した。残りの4部を、反応開始後2時間目から1時間間隔で1部ずつ添加し、添加を終了した後、更に2時間反応させた。なお、粘度調節のため、反応開始後2時間ごとに酢酸エチルを50部ずつ4回添加した。反応終了後、冷却し、次いで、アジピン酸ジヒドラジド40部を精製水40部、メタノール1600部、酢酸エチル260部の混合液に溶解した溶液をセパラブルフラスコに添加し、更に濃塩酸5部を加えた後、70℃に昇温した。反応終了後、冷却し、精製水で3回洗浄した後、生成物を酢酸エチル700部、アセトン1400部、メタノール400部の混合溶媒に溶解させることで、固形分濃度30質量%、GPC測定によるスチレン換算質量平均分子量12×10cpsの共重合体(B)の溶液を得た。
〔比較作成例1〕
モノマー組成を、アクリル酸2−エチルヘキシル150部、アクリル酸ブチル100部、アクリル酸15部とした点を除き、共重合体(A)の作成例1と同様の手順で、固形分濃度30%、GPC測定によるスチレン換算質量平均分子量12×10cpsの共重合体(B)の溶液を得た。
<実施例1>
共重合体(A)の作成例1で得られた溶液と、共重合体(B)の作成例1で得られた溶液とを、質量比100:2(共重合体(A):共重合体(B))の割合で混合し、この混合液の必要量に、可塑剤としてのミリスチン酸イソプロピル及びフェンタニルを加え、液全体を均一に撹拌することで、混合液を得た。この混合液を、塗工面をコロナ処理した厚さ25μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)製フィルムの支持体上に、乾燥後の粘着剤層の厚みが100μmになるように塗工し、乾燥させることで、粘着剤層を形成した。この粘着剤層上に、シリコン処理した厚さ75μmのPET製剥離ライナを積層することで、貼付剤を作製した。各成分の配合は、乾燥後の質量%が表1に示される値となるように行った。
<実施例2>
共重合体(A)の作成例2で得られた溶液と、共重合体(B)の作成例2で得られた溶液とを、質量比100:3(共重合体(A):共重合体(B))の割合で混合し、この混合液の必要量に、可塑剤としてのオクチルドデカノール、及びフェンタニルを加え、液全体を均一に撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、貼付剤を作製した。各成分の配合は、乾燥後の質量%が表1に示される値となるように行った。
<実施例3>
共重合体(A)の作成例1で得られた溶液と、共重合体(B)の作成例2で得られた溶液とを、質量比100:4(共重合体(A):共重合体(B))の割合で混合し、この混合液の必要量に、可塑剤としてのミリスチン酸オクチルドデシル、及びフェンタニルを加え、液全体を均一に撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、貼付剤を作製した。各成分の配合は、乾燥後の質量%が表1に示される値となるように行った。
<実施例4>
共重合体(A)の作成例3で得られた溶液と、共重合体(B)の作成例3で得られた溶液とを、質量比100:10(共重合体(A):共重合体(B))の割合で混合し、この混合液の必要量に、フェンタニルを加え、液全体を均一に撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、貼付剤を作製した。各成分の配合は、乾燥後の質量%が表1に示される値となるように行った。
<実施例5>
共重合体(A)の作成例3で得られた溶液と、共重合体(B)の作成例3で得られた溶液とを、質量比100:3(共重合体(A):共重合体(B))の割合で混合し、この混合液の必要量に、可塑剤としてのミリスチン酸イソプロピル、及びフェンタニルを加え、液全体を均一に撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、貼付剤を作製した。各成分の配合は、乾燥後の質量%が表1に示される値となるように行った。
<実施例6>
共重合体(A)の作成例3で得られた溶液と、共重合体(B)の作成例3で得られた溶液とを、質量比100:5(共重合体(A):共重合体(B))の割合で混合し、次いで、この混合液の必要量に、可塑剤としてのミリスチン酸イソプロピル、及びフェンタニルを加え、液全体を均一に撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、貼付剤を作製した。各成分の配合は、乾燥後の質量%が表1に示される値となるように行った。
<実施例7〜12>
共重合体(A)の作成例3で得られた溶液と、共重合体(B)の作成例3で得られた溶液を質量比100:5(共重合体(A):共重合体(B))の割合で混合し、この混合液の必要量に、各添加剤及びフェンタニルを加え、液全体を均一に撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、各々の貼付剤を作製した。各成分の配合は、乾燥後の質量%が表1に示される値となるように行った。
〔比較例1〕
比較作成例1で得られた共重合体の溶液100部に、架橋剤としての三官能性ポリイソシアネート「コロネートHL(商品名)」(日本ポリウレタン社製)0.5部、可塑剤としてのミリスチン酸イソプロピル15部、及びフェンタニル3部を加え、液全体を均一に撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、貼付剤を作製した。
〔比較例2〕
酢酸ナトリウム2.5部、ピロチオデカン3部、及びフェンタニル5部をエタノールに加え、室温で撹拌した後、アクリル系ポリマー「ニッセツPE−300(商品名)」(日本カーバイド工業社製)88.5部の酢酸エチル溶液、及びトルエンジイソシアネート1部を添加し、撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、貼付剤を作製した。
〔比較例3〕
流動パラフィン28.2部、ポリテルペン樹脂39.5部、ポリイソブチレン6.5部、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体18.8部、及びジブチルヒドロキシトルエン0.5部を、180℃で溶解し、混合した後、酢酸ナトリウム1.5部及びフェンタニル5部を添加し、均一になるまで撹拌した。この混合液を、塗工面がコロナ処理された厚さ25μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)製フィルムの支持体上に、厚みが100μmになるように塗工し、続いて、シリコン処理された厚さ75μmのPET製剥離ライナを積層することで、貼付剤を作製した。
Figure 0005114042
実施例1〜12及び比較例1〜3で作製した各貼付剤について、皮膚刺激性、貼着性(初回貼着性、再貼着性)、経皮吸収性の評価を以下のような手順で行った。
〔皮膚刺激性試験(ウサギ皮膚一次刺激性)〕
日本白色種のウサギ(3羽)の脱毛した背部に、実施例8で作製した貼付剤の試験片を貼付し、72時間後に試験片を剥離した。剥離30分後及び48時間後において、皮膚の紅斑状態を目視で観察した。この結果を、下記の0〜4の5段階の判定基準で分類した。なお、対照として、市販のパッチ型貼付剤(フェンタニル2.5mg含有)及び日局絆創膏を用い、同様の手順で試験を行った。
0:紅斑なし、1:かろうじて識別できる極めて軽度の紅斑、2:明らかな紅斑、
3:中程度の紅斑、4:深紅色の強い紅斑
評点の総和をウサギ数で除し、剥離30分後の値及び剥離48時間後の値の平均値として、PII値を算出した。この結果を表2に示す。
Figure 0005114042
表2に示されるように、実施例8で作製した貼付剤は、市販のパッチ型貼付剤のみならず日局絆創膏よりもPII値が少なかった。これにより、実施例8の貼付剤は、皮膚に与える刺激が極めて小さいことが確認された。
〔初回貼着性試験〕
日本白色種のウサギ(3羽)の脱毛した背部に、各実施例及び比較例で作製した貼付剤の試験片を貼付した。貼付の72時間後において、皮膚への貼着状況を目視で観察することで、初回貼着性を評価した。評価基準は下記の通りである。この結果を表3に示す。
○:全面的に皮膚に張り付いている。貼付部位のずれもない。
△:ごく軽度の剥離がある、又は、貼付部位が多少ずれている。
×:広い範囲で剥離がある、又は、貼付部位が大きくずれている。
〔再貼着性試験〕
日本白色種のウサギ(3羽)の脱毛した背部に、各実施例及び比較例で作製した貼付剤の試験片を貼付した。貼付の6時間後、一旦貼付剤を剥がし、同じ部位に再度貼付を試みることで、再貼着性を評価した。評価基準は下記の通りである。なお、対照として、市販のパッチ製剤(リザーバ型貼付剤)を用い、同様の手順で試験を行った。
○:問題なく、再貼付できる。
△:再貼着することはできるが、短時間で剥離する。
×:再貼着することが困難である。
Figure 0005114042
表3に示されるように、各実施例で作製した貼付剤は、初回貼付性及び再貼着性のいずれにおいても、各比較例及び対照に比べて、優れていることが確認された。
〔経皮吸収性試験〕
日本白色種のウサギ(10週齢、雄性、体重約2kg)の脱毛した背部に、フェンタニル2.5mg含有となるように実施例10の貼付剤を切断した試験片を貼付した。貼付後一定時間ごとに、ウサギから血液を採取し、血漿中薬物濃度を測定した。対照として、フェンタニル2.5mg含有の市販パッチ型貼付剤(リザーバ型貼付剤)を用い、同様の手順で試験を行った。この結果を表4に示す。
Figure 0005114042
表4に示されるように、実施例10の貼付剤は、AUC及びCmaxのいずれにおいても、対照の市販パッチ製剤との間で有意差のない値を示した。これにより、実施例10の貼付剤は、優れた薬物経皮吸収性を有することが確認された。
<実施例13>
前述した共重合体(A)の作成例3で得られた溶液と、共重合体(B)の作成例3で得られた溶液を質量比100:5(共重合体(A):共重合体(B))の割合で混合した。この混合液63.0部に、ミリスチン酸イソプロピル30.0部、ジブチルヒドロキシトルエン1.0部、及びフェンタニル6.0部を加え、液全体を均一に撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、各々の貼付剤を作製した。
〔比較例4〕
フェンタニル6.0部をエタノールに溶解した後、アクリル系ポリマー「ニッセツPE−300(商品名)」(日本カーバイド工業社製)82.0部の酢酸エチル溶液、イソシアネート系架橋剤「CK101(商品名)」(日本カーバイド工業社製)1.0部、ミリスチン酸イソプロピル10.0部、及びジブチルヒドロキシトルエン1.0部を添加し、撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、貼付剤を作製した。
〔比較例5〕
流動パラフィン36.0部、ロジン系樹脂「エステルガムH(商品名)」(荒川化学工業社製)30.1部、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体「SIS KRATON D−1107CU(商品名)」(ジェイエスアール クレイトン エラストマー社製)29.9部、及びジブチルヒドロキシトルエン1.0部を溶解し、混合した後、フェンタニル3.0部を添加し、均一になるまで撹拌した。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、貼付剤を作製した。なお、比較例5では、フェンタニルの溶解度が低く、3.0部を超える量のフェンタニルを配合することは困難であった。
〔比較例6〕
「SIS KRATON D−1107CU(商品名)」(ジェイエスアール クレイトン エラストマー社製)の代わりに「SIS KRATON D−1112CP(商品名)」(ジェイエスアール クレイトン エラストマー社製)、及び、「エステルガムH(商品名)」(荒川化学工業社製)の代わりに「PINE CRYSTAL KE−100(商品名)」(荒川化学工業社製)を使用した点を除き、比較例5と同様の手順で、貼付剤を作製した。なお、比較例6では、比較例5と同様にフェンタニルの溶解度が低く、3.0部を超える量のフェンタニルを配合することは困難であった。
〔皮膚透過性試験〕
実施例13及び比較例4〜6で作製した各貼付剤について、フェンタニルの皮膚透過性の評価を行った。その手順は、以下の通りである。
日本SLC社より入手したヘアレスマウス(7週齢、雄性)の腹部全層皮膚から、直径2.4cmの略円形状の皮膚片を打ち抜いた。この皮膚片の中央部に、直径1.4cmの略円形状に切断した各貼付剤の試験片を適用した。32℃雰囲気下において、皮膚を透過してレシーバ溶液(PBS(pH7.4)中の20%ポリエチレングリコール400溶液)に放出されたフェンタニル量(累積透過量)を、24時間に亘って、HPLCで測定した。この測定値に基いて、皮膚への適用量に対する皮膚透過量の割合(対適用量%)を算出した。この結果を図1に示す。なお、レシーバ溶液は、常にシンク状態に保たれていた。
図1に示されるように、実施例13の貼付剤は、比較例4〜6の貼付剤に比べ、フェンタニルを短時間で多量に皮膚透過させることができ、且つ、フェンタニルの皮膚透過速度を長時間に亘って高速度に保持できることが確認された。また、図1における線の傾きが略一定であることから、実施例13の貼付剤は、略一定の速度でフェンタニルを放出できることが確認された。なお、図1のグラフにおける縦軸値は、皮膚透過量の対フェンタニル適用量%であるので、フェンタニル適用量の異なる、実施例13及び比較例4と、比較例5及び6との値を単純比較して問題はない。
以上の結果から、各実施例で作製した貼付剤は、皮膚への貼着性を向上でき、刺激を低減でき、優れたフェンタニル経皮吸収性を有することが分かった。
本発明の一実施例に係る貼付剤のフェンタニル経皮吸収性を示す図である。

Claims (8)

  1. 支持体と、この支持体上に位置し粘着剤を含有する粘着剤層と、を備える貼付剤であって、
    前記粘着剤層は、フェンタニルを更に含有し、
    前記粘着剤は、主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、共重合体に対して3〜45質量%のジアセトンアクリルアミドとが共重合して形成され、且つ、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないアクリル系共重合体(A)100質量部と、
    主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルが重合して形成され、第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基を側鎖に含有し、且つ、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないアクリル系共重合体(B)0.1〜30質量部と、の架橋構造を有し、
    共重合体(B)は、1分子鎖中2個以上の第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基を有し、共重合体(B)中における第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基は、(メタ)アクリル酸エステルコモノマー5〜100分子鎖中に1個の割合で含むものである貼付剤。
  2. 前記粘着剤層は、可塑剤を更に含有する請求項1記載の貼付剤。
  3. 前記可塑剤は、炭素数6〜18の脂肪酸エステル類、炭素数6〜10の二塩基酸のエステル類、炭素数10〜18の高級アルコール類、多価アルコール脂肪酸エステル、常温下で液体の親油性成分、及び常温下で液体の油脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2記載の貼付剤。
  4. 前記可塑剤は、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ジプロピレングリコール、トリアセチン、炭酸プロピレン及び中鎖脂肪酸トリグリセリドからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2又は3記載の貼付剤。
  5. 支持体と、この支持体上に位置し粘着剤を含有する粘着剤層と、を備える貼付剤の製造方法であって、
    前記粘着剤層に、フェンタニルを更に含有させ、
    主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、共重合体に対して3〜45質量%のジアセトンアクリルアミドとが共重合して形成され、且つ、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないアクリル系共重合体(A)100質量部と、
    主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルが重合して形成され、1分子鎖中2個以上の第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基を側鎖に含有し、共重合体(B)中における第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基は、(メタ)アクリル酸エステルコモノマー5〜100分子鎖中に1個の割合で含み、且つ、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないアクリル系共重合体(B)0.1〜30質量部と、を架橋させて、前記粘着剤を形成する製造方法。
  6. (メタ)アクリル酸アルキルエステルと、側鎖に第一級アミノ基を有する(メタ)アクリル系モノマーとを共重合することで、前記アクリル系共重合体(B)を形成する請求項5記載の製造方法。
  7. (メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸を共重合させ、得られる共重合体が含有する遊離カルボキシル基と、イミン、ジアミン及び/又はジカルボン酸ジヒドラジドとを反応させることで、前記アクリル系共重合体(B)を形成する請求項5記載の製造方法。
  8. (メタ)アクリル酸アルキルエステル及びジアセトンアクリルアミドを共重合させ、得られる共重合体が含有するカルボニル基と、ジアミン及び/又はジカルボン酸ジヒドラジドとを反応させることで、前記アクリル系共重合体(B)を形成する請求項5記載の製造方法。
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