JP5114042B2 - 貼付剤、及び貼付剤の製造方法 - Google Patents
貼付剤、及び貼付剤の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5114042B2 JP5114042B2 JP2006284703A JP2006284703A JP5114042B2 JP 5114042 B2 JP5114042 B2 JP 5114042B2 JP 2006284703 A JP2006284703 A JP 2006284703A JP 2006284703 A JP2006284703 A JP 2006284703A JP 5114042 B2 JP5114042 B2 JP 5114042B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- copolymer
- patch
- meth
- parts
- acrylic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
また、低分子ポリアミンの種類によっては、有機溶媒溶解性が低いために水を多量に添加する必要があり、他の高分子物質の沈殿が誘発されることが懸念される。更に、低分子ポリアミンの中には、人体に対する危険性が指摘されているものもある。
前記粘着剤層は、フェンタニルを更に含有し、
前記粘着剤は、主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、共重合体に対して3〜45質量%のジアセトンアクリルアミドとが共重合して形成され、且つ、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないアクリル系共重合体(A)100質量部と、
主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルが重合して形成され、第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基を側鎖に含有し、且つ、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないアクリル系共重合体(B)0.1〜30質量部と、の架橋構造を有する貼付剤。
前記粘着剤層に、フェンタニルを更に含有させ、
主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、共重合体に対して3〜45質量%のジアセトンアクリルアミドとが共重合して形成され、且つ、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないアクリル系共重合体(A)100質量部と、
主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルが重合して形成され、第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基を側鎖に含有し、且つ、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないアクリル系共重合体(B)0.1〜30質量部と、を架橋させて、前記粘着剤を形成する製造方法。
そこで、本発明によれば、共重合体(A)がジアセトンアクリルアミドを3〜45質量%含有する構成としたので、皮膚への貼着性及び追従性を向上でき、刺激を低減できる。
そこで、本発明によれば、共重合体(A)100質量部に対して共重合体(B)を0.1〜30質量部含有する構成としたので、粘着剤層のはみ出しや皮膚残りを抑制でき、且つ、皮膚への貼着性及び追従性を向上でき、刺激を低減できる。
貼付剤を構成する粘着剤層は、粘着剤の他に、フェンタニルを更に含有する。また、粘着剤は、アクリル系共重合体(A)及びアクリル系共重合体(B)の架橋構造を有する。
共重合体(A)は、主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、ジアセトンアクリルアミドとが共重合して形成され、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないものである。
共重合体(B)は、主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルが重合して形成され、第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基を側鎖に含有し、且つ、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないものである。
このような共重合体(B)は、側鎖に位置する第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基が、共重合体(A)のジアセトンアクリルアミドに由来するカルボニル基と、脱水反応に基づく共有結合を形成する。これにより、共重合体(A)が架橋されるとともに、共重合体(B)が粘着剤を構成する。
フェンタニルは、1−フェネチル−4−N−プロピオニル−アニリノ−ピペリジンと称される化合物である。本発明に使用されるフェンタニルは、フェンタニル(フリー体)及び/又はその塩である。具体的には、フェンタニル(フリー体)、クエン酸フェンタニル、塩酸フェンタニル、硫酸フェンタニル等が挙げられ、フェンタニル(フリー体)及びその塩が組み合わせて使用されてもよい。フェンタニル(フリー体)及び/又はクエン酸フェンタニルが好ましく、より好ましくはフェンタニル(フリー体)である。
可塑剤は、皮膚に与える刺激を更に低減できるとともに、フェンタニルの経皮吸収性を向上できる。可塑剤の含有量は、特に限定されないが、少なすぎると上記効果が不充分となる一方、多すぎると粘着剤の凝集力が不充分となることから、共重合体(A)100質量部に対して20〜200質量部が好ましく、25〜200質量部がより好ましい。同様の理由で、可塑剤の含有量は、粘着剤層の総質量に対して、1〜70質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。
本発明の貼付剤は、上記成分の他、経皮吸収促進剤、粘着付与剤を含む任意成分を更に含有してよい。
本発明の貼付剤は、フェンタニルの経皮吸収を促進できる点で、経皮吸収促進剤を含有することが好ましい。ここで使用される経皮吸収促進剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等の酸化エチレン型脂肪酸エーテル類、モノオレイン酸ポリエチレングリコール等の酸化エチレン型脂肪酸エステル類、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジエチル、乳酸セチル等の脂肪酸エステル類、モノステアリン酸プロピレングリコール、カプリル酸モノグリセリド、カプリル酸トリグリセリド、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ソルビタン脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エステル類、l−メントール、ハッカ油、リモネン等のテルペン類、乳酸、酢酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の酸化合物、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等の多価アルコール等が挙げられる。好ましくは、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、セスキオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸プロピレングリコールである。
本発明の貼付剤は、粘着付与剤を含有してよい。ここで使用される粘着付与剤としては、特に限定されず、脂環式飽和炭化水素樹脂(合成石油樹脂)やロジンエステル誘導体、テルペン系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよく、複数種で併用されてもよい。脂環式飽和炭化水素樹脂としては、例えば、アルコンP−100(商品名:荒川化学工業製)等が挙げられる。ロジンエステル誘導体としては、例えば、エステルガムH(商品名:荒川化学工業製)、KE−311(商品名:荒川化学工業製)、KE−100(商品名:荒川化学工業製)等が挙げられる。テルペン系樹脂としては、例えば、YSレジン(商品名:ヤスハラケミカル社製)等が挙げられる。
支持体は、フェンタニルに対して不透過性又は難透過性であり且つ柔軟なものが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−ブチルアクリレート−一酸化炭素共重合体、ナイロン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、ポリブチレンテレフタレート等の樹脂フィルムやアルミニウムシート等が挙げられる。これらが積層されシート状に形成されてもよく、織布や不織布とともに積層されてもよい。また、粘着剤層との接着性を高めるため、コロナ処理、プラズマ放電処理等の表面処理を施したり、アンカー剤によりアンカーコート処理を施したりしてもよい。
本発明の貼付剤は、粘着剤層を被覆する剥離ライナを更に備えていてよい。ここで使用される剥離ライナは、粘着剤層を保護する役割のものであり、貼付剤が皮膚に貼付される直前に粘着剤層から剥がされる。
剥離ライナの厚さは、通常15〜200μmで、好ましくは40〜100μmである。剥離ライナの素材は、粘着剤層から容易に剥離でき且つ薬物非透過性であれば、特に限定されない。具体的には、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロピレン等のプラスチックフィルム、紙、金属フィルム、布等から選ばれる素材が挙げられ、これら1種の単層フィルム、又は複数種の積層体が使用できる。これらフィルムは、表面がシリコン処理されていてよい。また、剥離ライナには、剥離を容易にするために、直線又は曲線状の切れ込みが設けられ、2以上のライナが一部重畳され、又は折り返し部を有するものであってもよい。
本発明の貼付剤の製造は、従来公知の方法が適用できる。例えば、溶剤塗工法の場合、共重合体(A)及び共重合体(B)を含有する溶液に、可塑剤、フェンタニルを所定量添加し混合し、必要に応じて有機溶媒で希釈し、得られた液を支持体上に塗布し乾燥する方法や、剥離紙上に塗布し乾燥して形成された粘着剤層を支持体上に転写する方法等が、好適に使用される。
モノマーとしてのアクリル酸2−エチルヘキシル200部、アクリル酸ブチル100部、ジアセトンアクリルアミド50部に、溶媒としての酢酸エチル300部を加えて混合した。この混合物を、撹拌装置及び還流冷却装置を備えるセパラブルフラスコに供給し、撹拌及び窒素置換しながら、75℃に昇温した。過酸化ベンゾイル2部が酢酸エチル20部に溶解された溶液を5分割し、その1部をセパラブルフラスコに添加して、重合を開始した。残りの4部を、反応開始後2時間目から1時間間隔で1部ずつ添加し、添加を終了した後、更に2時間反応させた。なお、粘度調節のため、反応開始後、2時間ごとに酢酸エチルを50部ずつ4回添加した。反応終了後、冷却し、次いで酢酸エチルを添加することで、固形分濃度30%、ゲルクロマトグラフィー測定(GPC)によるスチレン換算質量平均分子量110×104cpsの共重合体(A)の溶液を得た。
モノマーの組成を、アクリル酸2−エチルヘキシル150部、アクリル酸ブチル100部、ジアセトンアクリルアミド50部、酢酸ビニル50部とした点を除き、共重合体(A)の作成例1と同様の手順で、固形分濃度30%、GPCによるスチレン換算質量平均分子量95×104cpsの共重合体(A)の溶液を得た。
モノマー組成を、アクリル酸2−エチルヘキシル150部、アクリル酸ブチル150部、ジアセトンアクリルアミド100部とし、重合開始剤として過酸化ラウロイルを使用した点を除き、共重合体(A)の作成例1と同様の手順で、固形分濃度30質量%、GPCによるスチレン換算質量平均分子量95×104cpsの共重合体(A)の溶液を得た。
モノマーとしてのアクリル酸2−エチルヘキシル200部、アクリル酸ブチル100部、メタクリル酸アミノエチル30部に、溶媒としての酢酸イソプロピル300部を加えて混合した。この混合物を、撹拌装置及び還流冷却装置を備えるセパラブルフラスコに供給し、撹拌及び窒素置換しながら、80℃に昇温した。過酸化ベンゾイル2部が酢酸エチル30部に溶解された溶液を5分割し、その1部をセパラブルフラスコに添加し、重合を開始した。残りの4部を、反応開始後2時間目から1時間間隔で1部ずつ添加し、添加終了後、更に2時間反応させた。なお、粘度調節のため、反応開始後、2時間ごとに酢酸イソプロピルを50部ずつ4回添加した。反応終了後、冷却し、次いで酢酸エチルを添加することで、固形分濃度30%、GPC測定によるスチレン換算質量平均分子量12×104cpsの共重合体(B)の溶液を得た。
モノマー組成を、アクリル酸2−エチルヘキシル200部、アクリル酸ブチル100部、アクリル酸10部とし、分子量調節剤としてドデシルメルカプタン20部を添加した点を除き、共重合体(B)の作成例1と同様の手順で、固形分濃度30%、GPCによるスチレン換算質量平均分子量9×103cpsの共重合体溶液を得た。本溶液にエチレンイミン10部、濃塩酸5部を加えた後、80℃で5時間反応を行った。反応終了後、冷却し、精製水で3回洗浄した後、酢酸エチルを追加して固形分濃度30質量%の共重合体(B)の溶液を得た。
モノマーとしてのアクリル酸エチル660部、ジアセトンアクリルアミド70部に、分子量調節剤としてドデシルメルカプタン40部、溶媒として酢酸エチル400部を加えた。この混合物を、撹拌装置及び還流冷却装置を備えるセパラブルフラスコに供給し、撹拌及び窒素置換しながら、70℃に昇温した。アゾビスイソブチロニトリル5部を酢酸エチル100部に溶解した溶液を5分割し、その1部をセパラブルフラスコに添加し、重合を開始した。残りの4部を、反応開始後2時間目から1時間間隔で1部ずつ添加し、添加を終了した後、更に2時間反応させた。なお、粘度調節のため、反応開始後2時間ごとに酢酸エチルを50部ずつ4回添加した。反応終了後、冷却し、次いで、アジピン酸ジヒドラジド40部を精製水40部、メタノール1600部、酢酸エチル260部の混合液に溶解した溶液をセパラブルフラスコに添加し、更に濃塩酸5部を加えた後、70℃に昇温した。反応終了後、冷却し、精製水で3回洗浄した後、生成物を酢酸エチル700部、アセトン1400部、メタノール400部の混合溶媒に溶解させることで、固形分濃度30質量%、GPC測定によるスチレン換算質量平均分子量12×104cpsの共重合体(B)の溶液を得た。
モノマー組成を、アクリル酸2−エチルヘキシル150部、アクリル酸ブチル100部、アクリル酸15部とした点を除き、共重合体(A)の作成例1と同様の手順で、固形分濃度30%、GPC測定によるスチレン換算質量平均分子量12×104cpsの共重合体(B)の溶液を得た。
共重合体(A)の作成例1で得られた溶液と、共重合体(B)の作成例1で得られた溶液とを、質量比100:2(共重合体(A):共重合体(B))の割合で混合し、この混合液の必要量に、可塑剤としてのミリスチン酸イソプロピル及びフェンタニルを加え、液全体を均一に撹拌することで、混合液を得た。この混合液を、塗工面をコロナ処理した厚さ25μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)製フィルムの支持体上に、乾燥後の粘着剤層の厚みが100μmになるように塗工し、乾燥させることで、粘着剤層を形成した。この粘着剤層上に、シリコン処理した厚さ75μmのPET製剥離ライナを積層することで、貼付剤を作製した。各成分の配合は、乾燥後の質量%が表1に示される値となるように行った。
共重合体(A)の作成例2で得られた溶液と、共重合体(B)の作成例2で得られた溶液とを、質量比100:3(共重合体(A):共重合体(B))の割合で混合し、この混合液の必要量に、可塑剤としてのオクチルドデカノール、及びフェンタニルを加え、液全体を均一に撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、貼付剤を作製した。各成分の配合は、乾燥後の質量%が表1に示される値となるように行った。
共重合体(A)の作成例1で得られた溶液と、共重合体(B)の作成例2で得られた溶液とを、質量比100:4(共重合体(A):共重合体(B))の割合で混合し、この混合液の必要量に、可塑剤としてのミリスチン酸オクチルドデシル、及びフェンタニルを加え、液全体を均一に撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、貼付剤を作製した。各成分の配合は、乾燥後の質量%が表1に示される値となるように行った。
共重合体(A)の作成例3で得られた溶液と、共重合体(B)の作成例3で得られた溶液とを、質量比100:10(共重合体(A):共重合体(B))の割合で混合し、この混合液の必要量に、フェンタニルを加え、液全体を均一に撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、貼付剤を作製した。各成分の配合は、乾燥後の質量%が表1に示される値となるように行った。
共重合体(A)の作成例3で得られた溶液と、共重合体(B)の作成例3で得られた溶液とを、質量比100:3(共重合体(A):共重合体(B))の割合で混合し、この混合液の必要量に、可塑剤としてのミリスチン酸イソプロピル、及びフェンタニルを加え、液全体を均一に撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、貼付剤を作製した。各成分の配合は、乾燥後の質量%が表1に示される値となるように行った。
共重合体(A)の作成例3で得られた溶液と、共重合体(B)の作成例3で得られた溶液とを、質量比100:5(共重合体(A):共重合体(B))の割合で混合し、次いで、この混合液の必要量に、可塑剤としてのミリスチン酸イソプロピル、及びフェンタニルを加え、液全体を均一に撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、貼付剤を作製した。各成分の配合は、乾燥後の質量%が表1に示される値となるように行った。
共重合体(A)の作成例3で得られた溶液と、共重合体(B)の作成例3で得られた溶液を質量比100:5(共重合体(A):共重合体(B))の割合で混合し、この混合液の必要量に、各添加剤及びフェンタニルを加え、液全体を均一に撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、各々の貼付剤を作製した。各成分の配合は、乾燥後の質量%が表1に示される値となるように行った。
比較作成例1で得られた共重合体の溶液100部に、架橋剤としての三官能性ポリイソシアネート「コロネートHL(商品名)」(日本ポリウレタン社製)0.5部、可塑剤としてのミリスチン酸イソプロピル15部、及びフェンタニル3部を加え、液全体を均一に撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、貼付剤を作製した。
酢酸ナトリウム2.5部、ピロチオデカン3部、及びフェンタニル5部をエタノールに加え、室温で撹拌した後、アクリル系ポリマー「ニッセツPE−300(商品名)」(日本カーバイド工業社製)88.5部の酢酸エチル溶液、及びトルエンジイソシアネート1部を添加し、撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、貼付剤を作製した。
流動パラフィン28.2部、ポリテルペン樹脂39.5部、ポリイソブチレン6.5部、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体18.8部、及びジブチルヒドロキシトルエン0.5部を、180℃で溶解し、混合した後、酢酸ナトリウム1.5部及びフェンタニル5部を添加し、均一になるまで撹拌した。この混合液を、塗工面がコロナ処理された厚さ25μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)製フィルムの支持体上に、厚みが100μmになるように塗工し、続いて、シリコン処理された厚さ75μmのPET製剥離ライナを積層することで、貼付剤を作製した。
日本白色種のウサギ(3羽)の脱毛した背部に、実施例8で作製した貼付剤の試験片を貼付し、72時間後に試験片を剥離した。剥離30分後及び48時間後において、皮膚の紅斑状態を目視で観察した。この結果を、下記の0〜4の5段階の判定基準で分類した。なお、対照として、市販のパッチ型貼付剤(フェンタニル2.5mg含有)及び日局絆創膏を用い、同様の手順で試験を行った。
0:紅斑なし、1:かろうじて識別できる極めて軽度の紅斑、2:明らかな紅斑、
3:中程度の紅斑、4:深紅色の強い紅斑
日本白色種のウサギ(3羽)の脱毛した背部に、各実施例及び比較例で作製した貼付剤の試験片を貼付した。貼付の72時間後において、皮膚への貼着状況を目視で観察することで、初回貼着性を評価した。評価基準は下記の通りである。この結果を表3に示す。
○:全面的に皮膚に張り付いている。貼付部位のずれもない。
△:ごく軽度の剥離がある、又は、貼付部位が多少ずれている。
×:広い範囲で剥離がある、又は、貼付部位が大きくずれている。
日本白色種のウサギ(3羽)の脱毛した背部に、各実施例及び比較例で作製した貼付剤の試験片を貼付した。貼付の6時間後、一旦貼付剤を剥がし、同じ部位に再度貼付を試みることで、再貼着性を評価した。評価基準は下記の通りである。なお、対照として、市販のパッチ製剤(リザーバ型貼付剤)を用い、同様の手順で試験を行った。
○:問題なく、再貼付できる。
△:再貼着することはできるが、短時間で剥離する。
×:再貼着することが困難である。
日本白色種のウサギ(10週齢、雄性、体重約2kg)の脱毛した背部に、フェンタニル2.5mg含有となるように実施例10の貼付剤を切断した試験片を貼付した。貼付後一定時間ごとに、ウサギから血液を採取し、血漿中薬物濃度を測定した。対照として、フェンタニル2.5mg含有の市販パッチ型貼付剤(リザーバ型貼付剤)を用い、同様の手順で試験を行った。この結果を表4に示す。
前述した共重合体(A)の作成例3で得られた溶液と、共重合体(B)の作成例3で得られた溶液を質量比100:5(共重合体(A):共重合体(B))の割合で混合した。この混合液63.0部に、ミリスチン酸イソプロピル30.0部、ジブチルヒドロキシトルエン1.0部、及びフェンタニル6.0部を加え、液全体を均一に撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、各々の貼付剤を作製した。
フェンタニル6.0部をエタノールに溶解した後、アクリル系ポリマー「ニッセツPE−300(商品名)」(日本カーバイド工業社製)82.0部の酢酸エチル溶液、イソシアネート系架橋剤「CK101(商品名)」(日本カーバイド工業社製)1.0部、ミリスチン酸イソプロピル10.0部、及びジブチルヒドロキシトルエン1.0部を添加し、撹拌することで、混合液を得た。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、貼付剤を作製した。
流動パラフィン36.0部、ロジン系樹脂「エステルガムH(商品名)」(荒川化学工業社製)30.1部、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体「SIS KRATON D−1107CU(商品名)」(ジェイエスアール クレイトン エラストマー社製)29.9部、及びジブチルヒドロキシトルエン1.0部を溶解し、混合した後、フェンタニル3.0部を添加し、均一になるまで撹拌した。この混合液を使用し、実施例1と同様の手順で、貼付剤を作製した。なお、比較例5では、フェンタニルの溶解度が低く、3.0部を超える量のフェンタニルを配合することは困難であった。
「SIS KRATON D−1107CU(商品名)」(ジェイエスアール クレイトン エラストマー社製)の代わりに「SIS KRATON D−1112CP(商品名)」(ジェイエスアール クレイトン エラストマー社製)、及び、「エステルガムH(商品名)」(荒川化学工業社製)の代わりに「PINE CRYSTAL KE−100(商品名)」(荒川化学工業社製)を使用した点を除き、比較例5と同様の手順で、貼付剤を作製した。なお、比較例6では、比較例5と同様にフェンタニルの溶解度が低く、3.0部を超える量のフェンタニルを配合することは困難であった。
実施例13及び比較例4〜6で作製した各貼付剤について、フェンタニルの皮膚透過性の評価を行った。その手順は、以下の通りである。
Claims (8)
- 支持体と、この支持体上に位置し粘着剤を含有する粘着剤層と、を備える貼付剤であって、
前記粘着剤層は、フェンタニルを更に含有し、
前記粘着剤は、主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、共重合体に対して3〜45質量%のジアセトンアクリルアミドとが共重合して形成され、且つ、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないアクリル系共重合体(A)100質量部と、
主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルが重合して形成され、第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基を側鎖に含有し、且つ、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないアクリル系共重合体(B)0.1〜30質量部と、の架橋構造を有し、
共重合体(B)は、1分子鎖中2個以上の第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基を有し、共重合体(B)中における第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基は、(メタ)アクリル酸エステルコモノマー5〜100分子鎖中に1個の割合で含むものである貼付剤。 - 前記粘着剤層は、可塑剤を更に含有する請求項1記載の貼付剤。
- 前記可塑剤は、炭素数6〜18の脂肪酸エステル類、炭素数6〜10の二塩基酸のエステル類、炭素数10〜18の高級アルコール類、多価アルコール脂肪酸エステル、常温下で液体の親油性成分、及び常温下で液体の油脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2記載の貼付剤。
- 前記可塑剤は、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ジプロピレングリコール、トリアセチン、炭酸プロピレン及び中鎖脂肪酸トリグリセリドからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2又は3記載の貼付剤。
- 支持体と、この支持体上に位置し粘着剤を含有する粘着剤層と、を備える貼付剤の製造方法であって、
前記粘着剤層に、フェンタニルを更に含有させ、
主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、共重合体に対して3〜45質量%のジアセトンアクリルアミドとが共重合して形成され、且つ、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないアクリル系共重合体(A)100質量部と、
主たる構成成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルが重合して形成され、1分子鎖中2個以上の第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基を側鎖に含有し、共重合体(B)中における第一級アミノ基及び/又はカルボキシヒドラジド基は、(メタ)アクリル酸エステルコモノマー5〜100分子鎖中に1個の割合で含み、且つ、遊離カルボキシル基を実質的に含有しないアクリル系共重合体(B)0.1〜30質量部と、を架橋させて、前記粘着剤を形成する製造方法。 - (メタ)アクリル酸アルキルエステルと、側鎖に第一級アミノ基を有する(メタ)アクリル系モノマーとを共重合することで、前記アクリル系共重合体(B)を形成する請求項5記載の製造方法。
- (メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸を共重合させ、得られる共重合体が含有する遊離カルボキシル基と、イミン、ジアミン及び/又はジカルボン酸ジヒドラジドとを反応させることで、前記アクリル系共重合体(B)を形成する請求項5記載の製造方法。
- (メタ)アクリル酸アルキルエステル及びジアセトンアクリルアミドを共重合させ、得られる共重合体が含有するカルボニル基と、ジアミン及び/又はジカルボン酸ジヒドラジドとを反応させることで、前記アクリル系共重合体(B)を形成する請求項5記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006284703A JP5114042B2 (ja) | 2005-10-19 | 2006-10-19 | 貼付剤、及び貼付剤の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005330780 | 2005-10-19 | ||
JP2005330780 | 2005-10-19 | ||
JP2006284703A JP5114042B2 (ja) | 2005-10-19 | 2006-10-19 | 貼付剤、及び貼付剤の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007137876A JP2007137876A (ja) | 2007-06-07 |
JP5114042B2 true JP5114042B2 (ja) | 2013-01-09 |
Family
ID=38201185
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006284703A Expired - Fee Related JP5114042B2 (ja) | 2005-10-19 | 2006-10-19 | 貼付剤、及び貼付剤の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5114042B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009157586A1 (ja) * | 2008-06-27 | 2009-12-30 | 祐徳薬品工業株式会社 | フェンタニルまたはその塩含有経皮吸収型貼付剤 |
JP4856125B2 (ja) * | 2008-06-27 | 2012-01-18 | 祐徳薬品工業株式会社 | 安定化されたフェンタニルまたはその塩含有組成物及びこれを用いた医薬製剤並びにフェンタニルまたはその塩の安定化方法 |
RU2543639C2 (ru) * | 2009-09-07 | 2015-03-10 | Нипро Пэтч Ко., Лтд. | Чрескожно всасывающийся препарат |
JP2017039706A (ja) * | 2015-08-19 | 2017-02-23 | ニチバン株式会社 | 皮膚貼付用ハイドロコロイド型粘着剤組成物、及びこれを用いた貼付材 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19912477A1 (de) * | 1999-03-19 | 2000-09-28 | Lohmann Therapie Syst Lts | Transdermales therapeutisches System und Verfahren zu seiner Herstellung |
JP2001253819A (ja) * | 2000-03-13 | 2001-09-18 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 医療用粘着テープ |
US20020119187A1 (en) * | 2000-09-29 | 2002-08-29 | Cantor Adam S. | Composition for the transdermal delivery of fentanyl |
DE10141650C1 (de) * | 2001-08-24 | 2002-11-28 | Lohmann Therapie Syst Lts | Transdermales Therapeutisches System mit Fentanyl bzw. verwandten Substanzen |
-
2006
- 2006-10-19 JP JP2006284703A patent/JP5114042B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007137876A (ja) | 2007-06-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5037831B2 (ja) | 凝集力向上及び徐放化の外用貼付剤 | |
JP5016309B2 (ja) | 医療用テープ剤 | |
JP5155900B2 (ja) | 架橋型皮膚用粘着剤 | |
US20040057985A1 (en) | Transdermal therapeutic system comprising the active ingredient oxybutynin | |
US20060193900A1 (en) | Pressure sensitive adhesive and patch | |
TWI502037B (zh) | Percutaneous absorption type preparation | |
WO2010074183A1 (ja) | 経皮吸収型製剤 | |
JPWO2007119656A1 (ja) | タムスロシン含有経皮吸収型製剤 | |
WO2007099966A1 (ja) | 経皮吸収型製剤 | |
JP4272636B2 (ja) | 架橋型皮膚用粘着剤 | |
JP4358978B2 (ja) | 経皮吸収製剤 | |
JP5114042B2 (ja) | 貼付剤、及び貼付剤の製造方法 | |
TWI280126B (en) | Tulobuterol adhesive patch | |
KR100660584B1 (ko) | 폴리아크릴레이트와 폴리아민염의 2상 접착 매트릭스로구성되는 의약용 감압 접착제 | |
JP6269488B2 (ja) | 貼付剤 | |
JPWO2019167695A1 (ja) | ケイ酸カルシウムを含有するアクリル系貼付剤 | |
JP2014028791A (ja) | 貼付剤 | |
JPH07103016B2 (ja) | 貼付剤およびその製造方法 | |
JP5584213B2 (ja) | 経皮吸収型製剤 | |
JP5064234B2 (ja) | 粘着基剤および経皮吸収型貼付剤 | |
JP5619438B2 (ja) | セレギリン含有貼付製剤 | |
JPH0592919A (ja) | テープ製剤 | |
JP2017001992A (ja) | 経皮吸収型製剤 | |
US20220117906A1 (en) | Method for suppressing cold flow of acrylic patch |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090910 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120619 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120806 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121002 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121015 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |