JP5113533B2 - マルチキャリア通信装置及び同装置におけるピーク抑圧方法 - Google Patents
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Description
そこで、従来は、リニア特性を保証できないレベルの振幅値を発生する可能性がある場合に、許容外のビットを切り捨てるクリッピングと呼ばれる処理により、アンプのリニア特性領域を守るようにしている。
なお、このようなピーク抑圧に関する技術としては、他に、符号化に工夫を行なうもの(サブキャリアにマッピングする信号点でPAPRを抑圧できるように符号化を行なう。あるサブキャリアにピークを抑圧するマッピングを行なうことと等価)や、PTS(Partial Transmit Sequence)伝送、SLM(Selected Mapping)伝送等の検討が行なわれている。
SLM伝送は、サブキャリア数に応じた複数の演算回路をもち、時間軸上で演算回路ごとに異なるランダム符号を掛けて最もPAPRを抑圧する系列を選択する技術である。ただし、この技術においても、選択した系列を通知するための領域が必要になる。
特許文献1の技術は、マルチキャリア伝送の伝送効率の低下を抑えつつ、ピーク電力を抑圧することを目的としており、そのために、生成されたOFDM信号のピーク電力を検出し、ピーク電力が閾値を超えた場合に、マルチキャリアのうちの特定のキャリアについて、送信データ(情報信号)に代えて、ピーク電力を抑圧するための信号(例えば、振幅及び位相のいずれか一方又は双方が制限された信号)を挿入する、あるいは、情報信号をパンクチャ(削除)するようになっている。
(1)本発明のマルチキャリア通信装置は、複数ユーザの送信データを複数の搬送波に割り当ててマルチキャリア信号により伝送する装置であって、前記複数ユーザの送信データの送信機会を所定のスケジューリング情報に従ってスケジュールするスケジューリング手段と、前記マルチキャリア信号のピークが所定の閾値を超えているか否かを判定するピーク判定手段と、該ピーク判定手段で前記ピークが前記閾値を超えていると判定された場合に、前記スケジューリング情報に基づいて前記複数ユーザの少なくとも一部のユーザの送信データの送信が停止されるようユーザ単位で送信データの送信停止処理を行なうピーク抑圧手段とをそなえたことを特徴としている。
(3)また、該ピーク抑圧手段は、前記スケジューリング情報の要素情報としての使用周波数帯域情報に基づいて、該ピーク判定手段で前記ピークが前記閾値以下と判定されるまで、前記複数ユーザの送信データの中で使用周波数帯域の狭い信号から順番に前記送信停止処理を繰り返し行なうべく構成されていてもよい。
(5)また、上記マルチキャリア通信装置は、前記送信停止処理を行なった送信データの代わりにピーク抑圧データを挿入するピーク抑圧データ挿入手段をさらにそなえていてもよい。
(7)また、本発明のマルチキャリア通信装置は、複数系列の送信データを複数の搬送波に割り当ててマルチキャリア信号により伝送する装置であって、前記複数系列の送信データの送信機会を所定のスケジューリング情報に従ってスケジュールするスケジューリング手段と、前記マルチキャリア信号と、前記複数系列の送信データの少なくとも一部の系列の送信データを前記スケジューリング情報に基づいて予め除外した1又は複数のマルチキャリア信号とを生成するマルチキャリア信号生成手段と、該マルチキャリア信号生成手段で生成された前記各マルチキャリア信号のそれぞれについてピークが所定の閾値を超えているか否かを判定するピーク判定手段と、該ピーク判定手段にて前記閾値以下と判定されたマルチキャリア信号を送信対象として選択する選択手段とをそなえたことを特徴としている。
(9)また、該マルチキャリア信号生成手段は、前記スケジューリング情報の要素情報としての使用周波数帯域情報に基づいて、使用周波数帯域の狭い信号から送信データを予め除外した1又は複数のマルチキャリア信号を生成すべく構成されていてもよい。
(11)また、上記マルチキャリア通信装置は、該選択手段にて選択されたマルチキャリア信号に関する情報を、当該マルチキャリア信号を受信する装置に通知する通知手段をさらにそなえていてもよい。
(13)また、本発明のマルチキャリア通信装置におけるピーク抑圧方法は、複数ユーザの送信データを複数の搬送波に割り当ててマルチキャリア信号により伝送するマルチキャリア通信装置におけるピーク抑圧方法であって、前記マルチキャリア信号のピークが所定の閾値を超えているか否かを判定し、前記ピークが前記閾値を超えていると判定された場合に、前記複数ユーザの送信データの送信機会をスケジュールするスケジューリング情報に基づいて、前記複数ユーザの少なくとも一部のユーザの送信データの送信が停止されるようユーザ単位で送信データの送信停止処理を行なうことを特徴としている。
(1)送信すべきマルチキャリア信号に許容できない(閾値を超える)ピークが発生した場合に、スケジューリング情報に基づいて、少なくとも一部の系列の送信データの送信停止処理を行なう(例えば、前記ピークが許容値に収まるまで、スケジューリング手段での優先度の低い又は使用周波数帯域の狭い)送信データから、順次、送信停止処理を行なう)ので、従来技術のように演算規模を増大させることなく、また、例えば、スケジュール順位の高いユーザの通信はできるだけ維持しつつ、簡易にピーク抑圧を達成することが可能になる。
(3)さらに、ピーク抑圧のために一時的に送信を止められた送信データに関して、受信側に通知することにより、受信側で無駄に復調、復号処理回路を動作させることがなく、受信側の低消費電力化にも大きく寄与する。
10−1〜10−n メモリ(メモリ領域)
11,17,17a,20 パラレル/シリアル(P/S)変換器
12 マルチユーザスケジューラ(スケジューリング手段)
13a,13b シリアル/パラレル(S/P)変換器
13c 高速フーリエ変換(FFT)部
13d カット部
14,14−1〜14−k 符号化部
15,15−1〜15−k,25,28 変調部
16,16a,26,29 逆高速フーリエ変換(IFFT)部
18,18−1〜18−M ピーク判定部
19 スイッチ
21 送信RF部
22 送信アンテナ
23 優先度割当/AMC設定部
24 スケジューラ管理情報発生部
30 受信アンテナ
31 受信RF部
32 復調部
33 フィードバック情報判定部
34A,34B,212A,212B ミキサ(乗算器)
35,213 加算器(多重化回路)
36−1〜36−M 送信信号生成部
37 最適生成法判定部
38 生成法通知部
39 ピーク抑圧信号生成部(ピーク抑圧データ挿入手段)
211A,211B ディジタル/アナログ(D/A)変換器
214 増幅器
215 ローカル発振器
216 π/2位相シフタ
4 受信機
41 受信アンテナ
42 受信RF部
43 シリアル/パラレル(S/P)変換器(チャネル分離部)
44,49,54 高速フーリエ変換(FFT)部
45 伝搬路推定部
46 SINR計算部
47 CQI変換部
48,60 フィードバック情報変換部
50,55−1〜55−k 復調部
51 スケジューラ管理情報判定部
52 復調判定部
53 シリアル/パラレル(S/P)変換器
56−1〜56−k 復号化部
57 周波数整列部
58 再送判定部
59 スイッチ
61 フィードバック情報多重部
62 変調部
63 送信RF部
64 送信アンテナ
〔A〕概要説明
本発明は、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式等のマルチキャリア伝送方式を採用する送信局にて、複数ユーザをスケジューリングして送信を行なうシステムに適用され得る。システムの一例を挙げると、携帯電話システムならば基地局から複数ユーザへ送信する下りリンクを想定する。
図1に示すように、ある送信局(送信機)1と通信している複数のユーザ#1〜#n(nは2以上の整数)の移動端末装置(受信機)4−1〜4−nは、インターネット網などから各々必要な情報の収集を行なう。収集された情報は、送信局1のユーザ#1〜#n対応のメモリ(あるいはメモリ領域)10−1〜10−nに一時的にバッファされ、マルチユーザスケジューラ12からの送信要求に応じてデータがメモリ10−i(i=1〜n)からマルチユーザスケジューラ(以下、単に「スケジューラ」ともいう)12へ読み出されてOFDMAのサブキャリアに割り当てられ、送信アンテナ22から電波伝搬して所望ユーザ#iの受信機4−iへ伝送される。なお、以下において、移動端末装置(受信機)4−1〜4−nを区別しない場合は移動端末装置(受信機)4あるいは端末4と表記する。
次に、本発明の本質的な部分の概要について、図3を用いて説明する。
D/A変換されたI軸、Q軸の各データは直交変調されて送信アンテナ22から放射される。なお、別の判定手段として、例えば、I軸及びQ軸についての合成後の振幅値(I2+Q2)1/2をモニタして許容範囲内か否かの判断を行なうと、さらに精度が向上する。
このようにして、受信信号をIFFT処理後の時間領域信号に変換した時にアンプのリニア特性を保証できないレベルの振幅値が発生した場合に、FFT処理を行ない周波数領域にて、全サブキャリアの中で一部(低優先度ユーザのサブキャリア)、もしくは、全サブキャリアのデータ削除を、許容できるPAPRに収まるまで、優先度の低い順から順次行なうことで、PAPRを抑圧することが可能となる。
〔B〕第1実施形態の説明
図4は本発明の第1実施形態に係るマルチキャリア(OFDM)伝送システムにおける送信機(マルチキャリア通信装置)に着目した構成を示すブロック図であり、図5は同システムにおける受信機に着目した構成を示すブロック図で、例えば、図4に示す送信機1は基地局装置に、図5に示す受信機4は移動端末装置にそれぞれ適用することができる。なお、以下では、送信機1を基地局1、受信機4を端末4とそれぞれ表記することがある。また、サブキャリア数はk(kは2以上の整数)と仮定する。さらに、図4において、/を付された配線部は複素平面におけるI,Qの直交多重信号が伝送されることを示している。
スケジューラ(スケジューリング手段)12は、全てのユーザ(端末4)に関する情報(例えば、端末4からフィードバックされる情報で、ACK/NACK情報から再送情報の送信要否が分かり、また、CQI(Channel Quality Indicator)情報からダウンリンクの伝搬路の情報を得ることができる)に基づき、各ユーザ(データストリーム)に対する送信機会(タイミング)や周波数(サブキャリア)割り当て、符号化及び変調(AMC:Adaptive Modulation and Coding)を適応的に指定(スケジュール)するもので、本実施形態では、送信情報の種別(電話、ゲーム等のリアルタイム通信、インターネット通信やファイルのダウンロード等の非リアルタイム通信)、顧客の課金クラスの判別、メモリ10−j内に蓄積されている情報量、平均スループット、再送か否か、等の情報(スケジューリング情報)に基づき、実際に送信機会を割り当てる優先度をも決定できるようになっている。
符号化部14−xは、優先度割当/AMC設定部23により設定された符号化方式及び符号化率で送信ユーザデータ(つまり、サブキャリアデータ)を符号化するものである。なお、ここでいう「符号化」とは、サブキャリアにマッピングする信号点でPAPRを抑圧できるように符号化を行なうこと、即ち、或るサブキャリアの送信ユーザデータを削除(パンクチャ)したり、ピーク(PAPR)を抑圧する信号をマッピングしたりすることを含む概念である。
IFFT部16は、サブキャリア毎の直交多重信号である上記変調データをIFFT処理して時間領域の直交多重信号に変換するものであり、P/S変換器17は、上記IFFT処理により得られた時間領域信号をP/S変換して、所定のチャネル(トランスポートチャネル)フォーマットの信号を出力するものである。
ここで、上記ピーク判定は、前述したように、I軸、Q軸それぞれの振幅値をモニタし、そのモニタ結果が許容範囲内(所定閾値以下)か否かを判定することで行なってもよいし、I軸及びQ軸についての合成後の振幅値(I2+Q2)1/2をモニタし、そのモニタ結果が許容範囲内(所定閾値以下)か否かを判定することで行なってもよい。
P/S変換器20は、上記ピーク判定により問題無いと判断された場合にスイッチ19経由で入力されてくるトランスポートチャネルに、IFFT部26及び29から送られてくる時間領域の各信号(受信機4への通知情報及びパイロット信号)をチャネル直交多重するものであり、送信RF部21は、当該多重信号を無線周波数(RF)帯の信号に周波数変換(アップコンバート)して所要の送信電力に増幅する等の無線送信処理を行なうものであり、送信アンテナ22は、前記RF帯の送信信号を受信機4との間の伝搬路へ放射するものである。
パイロット生成部27は、受信機4がパスタイミングや伝搬路情報を得るために送信すべきパイロット信号(送信機1と受信機4との間で既知の信号)を予め決められたフォーマットの信号パターンで生成するものであり、変調部28は、当該パイロット信号を予め決められたチャネル(パイロットチャネル)フォーマットに合わせて変調するものであり、IFFT部29は、前記変調により得られた変調データ(I,Q信号)をIFFT処理して時間領域の信号に変換するもので、得られた信号は前記管理情報と同様にP/S変換器20にて送信ユーザデータのトランスポートチャネルと直交多重される。
受信アンテナ30は、端末4から送信されてくるRF帯の信号を受信するものであり、受信RF部31は、受信アンテナ30で受信されたRF帯の信号をベースバンド信号にまで周波数変換(ダウンコンバート)する処理や受信信号をI,Qの直交多重信号に分離する直交検波処理、アナログ受信信号をディジタル受信信号に変換するA/D変換処理などの所要の受信無線処理を行なうものである。
FFT部49は、上記S/P変換器43により分離された管理情報(直交多重信号)をFFT処理して周波数領域の直交多重信号に変換するものであり、復調部50は、伝搬路推定部45により得られたチャネル推定値を用いて、当該周波数領域の直交多重信号を送信機1側での変調方式に対応した復調方式で復調するものである。なお、当該復調部50による復調は、各復調部55−kによるトランスポートチャネルの復調に先立って行なわれる。
フィードバック情報変換部60は、上記ACK/NACK信号をフィードバック情報の送信チャネルフォーマットに合わせたフォーマットに変換するものであり、フィードバック情報多重部61は、当該ACK/NACK信号と前記フィードバック情報変換部48からのCQI情報とを多重するものであり、変調部62は、当該多重後のフィードバック情報を所定の変調方式で変調するもので、この場合も、変調データとして例えばIチャネル信号及びQチャネル信号の直交多重信号が得られるようになっている。
以下、上述のごとく構成されたシステム(送信機1及び受信機4)の動作について説明する。
そして、ピーク判定結果がOKとなれば、上述したごとく他のチャネルの信号(パイロットチャネル及びスケジューラ管理チャネルの信号)と直交多重された後(ステップS4のyesルートからステップS8)、送信RF部21にてRF信号へ変換(アップコンバート)されて(ステップS9)、送信アンテナ22から送信される(ステップS10)。
そして、パイロットチャネルの信号(パイロット信号)は、FFT部44にてFFT処理されて周波数領域信号に変換された上で伝搬路推定部45に入力され、当該伝搬路推定部45にてチャネル推定処理、即ち、当該受信パイロット信号とパイロットレプリカとの相関演算処理が行なわれてチャネル推定値が求められ、その情報を用いて、まずスケジューラ管理チャネルが復調され、次にトランスポートチャネルが復調される。
再送判定部58では、上記周波数整列部57から入力されたデータの正誤を、CRCビット等を用いて判定し、誤りが無ければACK信号を、そうでない場合はNACK信号を生成、出力する。その際、HARQに基づく再送合成を行なうなら、受信した信号のうち必要なものを図示しないメモリに蓄積したままにしておき、再送信号を待つことになる。
以上のように、本実施形態によれば、送信機1において、許容できないPAPRが発生した場合に、許容PAPRに収まるまで、スケジューラ12での優先度の低いユーザデータストリーム(サブキャリア)から、順次、データ削除(パンクチャ)を行なうことで、PAPR抑圧が必要な時にのみ一部のユーザデータストリームをカットして、PAPRを抑圧するので、PTS伝送やSLM伝送等のように演算規模を増大させることなく、また、優先度(スケジュール順位)の高いユーザの通信はできるだけ維持しつつ、簡易にPAPRの抑圧を達成することが可能になる。
また、PAPR抑圧のために一時的に送信を止められたユーザに関して、スケジューラ管理チャネルにてデータの有無を端末4に通知しているので、端末4側で無駄に復調、復号処理回路を動作させることもなく、端末4の低消費電力化にも大きく寄与する。
PAPRを抑圧する効果として、送信を見合わせるユーザの周波数帯域が広いほどそこに含まれる電力を削減し、また複数サブキャリアが位相コヒーレントになり振幅強調効果を表す可能性を低減できるのだが、使用する周波数帯域が少なくなりスループットが低下してしまうことになる。そこで、上記のように、使用周波数帯域が狭いユーザから順次データ削除対象として選択することで、スループット低減を抑えることが可能となる。
スケジューラ12により、送信キューに設定されながら、PAPR抑圧のために送信機会を見合わされたユーザに関しては、例えば、次スロット(次の送信機会)には必ず(優先的に)送信できるようにする。即ち、例えば図12に示すように、ステップS6(あるいは、図11のステップS6′)においてデータ削除された低優先度ユーザのユーザデータストリームは、次スロットの送信キューに格納し、所要の遅延処理を受けた後、スケジューラ12(優先度割当/AMC設定部23)において最優先設定(スケジューリング情報を更新)する(ステップS11,S12,S13,S14)。
図13は上述した送信機1の第2実施形態を示すブロック図で、この図13に示す送信機1は、図4により前述した構成に比して、符号化部14及び変調部15が周波数割当部13の前段に設けられている点が異なる。つまり、本例の構成は、図4のようにサブキャリア(もしくは、サブキャリアグループ)毎に適応変調を行なうのではなく、ユーザ毎に適応変調を行なった後に、サブキャリアへユーザデータストリームをマッピングする例である。
なお、図13において、既述の符号と同一符号を付した構成要素は、いずれも、既述の符号を付した構成要素と同一若しくは同様のものである。また、符号化部14及び変調部15は、それぞれ、既述の符号化部14−x及び変調部15−xと同一若しくは同様のもので、最大ユーザ数(メモリ10−jの数)n以下の数、具体的には、最大同時通信可能数だけそなえられていれば足りる。さらに、受信機4の構成は図5と同じでよい。
図14は上述した送信機1の第3実施形態を示すブロック図で、この図14に示す送信機1は、図4に示した構成に比して、P/S変換器18の前段のブロックが、複数の送信信号生成部36−1〜36−Mと、これらの送信信号生成部36−1〜36−Mに対応したピーク判定部18−1〜18−Mと、最適生成法判定部37と、生成法通知部38とを有するブロックに置き換えられている点が異なる。なお、その他の既述の符号と同一符号を付した構成要素は、特に断らない限り、既述の構成要素と同一若しくは同様のものである。また、受信機4の構成は第1実施形態(図5)と同じでよい。
そして、ピーク判定部(ピーク判定手段)18−pは、それぞれ、既述のピーク判定部18と同様のもので、対応する送信信号生成部36−pからのチャネル直交多重信号のピーク判定を既述の第1実施形態と同様にして行なうものであり、最適生成法判定部(選択手段)37は、各ピーク判定部18−pによるピーク判定結果を確認して、ピーク判定結果がOK(ピークが閾値以下)となった送信信号生成部36−p(複数存在する場合は、データ削除を行なったユーザ数が最小のもの)からのチャネル直交多重信号を最適な生成法による信号として選択してP/S変換器20へ出力するとともに、その選択情報(AMC設定情報を含む)を生成法通知部へ出力するものである。
そして、それぞれの判定結果を最適生成法判定部37にて確認し、ピーク判定結果がOKでデータ削除を行なったユーザ数が最小の送信信号生成部36−pからの送信信号が選択されてP/S変換器20に出力され、P/S変換器20にて、パイロットチャネル及びスケジューラ管理チャネルの信号と多重された上で、送信RF部21にてRF信号に変換され、送信アンテナ22から送信される。
以上のような形態をとることによって、第1及び第2実施形態と同様の作用効果が得られるほか、第1及び第2実施形態のように、ピーク判定を行なってから、再度、送信信号の作り直しを行なう必要を無くすことができるので、レイテンシによる性能劣化を防ぐことが可能となる。
図17は上述した送信機1の第4実施形態を示すブロック図で、この図17に示す送信機1は、図4により前述した構成に比して、IFFT部16の前段にピーク抑圧信号生成部(ピーク抑圧データ挿入手段)39が設けられ、このピーク抑圧信号生成部39で生成されたピーク抑圧データ(I,Qの直交多重信号)が、IFFT部16に入力されて、ピーク判定部18でピーク判定結果がNGと判定された場合に、データ送信を見合わせたユーザのサブキャリア帯域にユーザデータストリームの代わりに挿入できるようになっている点が異なる。
その他、本発明は、上述した各実施形態に関わらず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができることはいうまでもない。
〔F〕付記
(付記1)
複数系列の送信データを複数の搬送波に割り当ててマルチキャリア信号により伝送するマルチキャリア通信装置であって、
前記複数系列の送信データの送信機会を所定のスケジューリング情報に従ってスケジュールするスケジューリング手段と、
前記マルチキャリア信号のピークが所定の閾値を超えているか否かを判定するピーク判定手段と、
該ピーク判定手段で前記ピークが前記閾値を超えていると判定された場合に、前記スケジューリング情報に基づいて前記複数系列の送信データの少なくとも一部の系列の送信データの送信停止処理を行なうピーク抑圧手段とをそなえたことを特徴とする、マルチキャリア通信装置。
(付記2)
該ピーク抑圧手段が、
前記スケジューリング情報の要素情報としての優先順位情報に基づいて、該ピーク判定手段で前記ピークが前記閾値以下と判定されるまで、前記複数系列の送信データの中で優先順位の低いデータから順番に前記送信停止処理を繰り返し行なうべく構成されたことを特徴とする、付記1記載のマルチキャリア通信装置。
(付記3)
該ピーク抑圧手段が、
前記スケジューリング情報の要素情報としての使用周波数帯域情報に基づいて、該ピーク判定手段で前記ピークが前記閾値以下と判定されるまで、前記複数系列の送信データの中で使用周波数帯域の狭い信号から順番に前記送信停止処理を繰り返し行なうべく構成されたことを特徴とする、付記1記載のマルチキャリア通信装置。
(付記4)
前記送信停止処理を行なった送信データを特定する情報を、前記マルチキャリア信号を受信する装置に通知する通知手段をさらにそなえたことを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載のマルチキャリア通信装置。
(付記5)
前記送信停止処理を行なった送信データの代わりにピーク抑圧データを挿入するピーク抑圧データ挿入手段をさらにそなえたことを特徴とする、付記1〜4のいずれか1項に記載のマルチキャリア通信装置。
(付記6)
該スケジューリング手段が、
前記送信停止処理を行なった送信データを優先的に次の送信機会に設定すべく前記スケジューリング情報を更新する手段をそなえたことを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載のマルチキャリア通信装置。
(付記7)
複数系列の送信データを複数の搬送波に割り当ててマルチキャリア信号により伝送するマルチキャリア通信装置であって、
前記複数系列の送信データの送信機会を所定のスケジューリング情報に従ってスケジュールするスケジューリング手段と、
前記マルチキャリア信号と、前記複数系列の送信データの少なくとも一部の系列の送信データを前記スケジューリング情報に基づいて予め除外した1又は複数のマルチキャリア信号とを生成するマルチキャリア信号生成手段と、
該マルチキャリア信号生成手段で生成された前記各マルチキャリア信号のそれぞれについてピークが所定の閾値を超えているか否かを判定するピーク判定手段と、
該ピーク判定手段にて前記閾値以下と判定されたマルチキャリア信号を送信対象として選択する選択手段とをそなえたことを特徴とする、マルチキャリア通信装置。
(付記8)
該マルチキャリア信号生成手段が、
前記スケジューリング情報の要素情報としての優先順位情報に基づいて、優先順位の低い信号から送信データを予め除外した1又は複数のマルチキャリア信号を生成すべく構成されたことを特徴とする、付記7記載のマルチキャリア通信装置。
(付記9)
該マルチキャリア信号生成手段が、
前記スケジューリング情報の要素情報としての使用周波数帯域情報に基づいて、使用周波数帯域の狭い信号から送信データを予め除外した1又は複数のマルチキャリア信号を生成すべく構成されたことを特徴とする、付記7記載のマルチキャリア通信装置。
(付記10)
前記予め除外した送信データの代わりにピーク抑圧データを挿入するピーク抑圧データ挿入手段をさらにそなえたことを特徴とする、付記7〜9のいずれか1項に記載のマルチキャリア通信装置。
(付記11)
該選択手段にて選択されたマルチキャリア信号に関する情報を、当該マルチキャリア信号を受信する装置に通知する通知手段をさらにそなえたことを特徴とする、付記7〜10のいずれか1項に記載のマルチキャリア通信装置。
(付記12)
該スケジューリング手段が、
該選択手段にて選択されたマルチキャリア信号の要素データから予め除外された送信データを優先的に次の送信機会に設定すべく前記スケジューリング情報を更新する手段をそなえたことを特徴とする、付記7〜11のいずれか1項に記載のマルチキャリア通信装置。
(付記13)
複数系列の送信データを複数の搬送波に割り当ててマルチキャリア信号により伝送するマルチキャリア通信装置におけるピーク抑圧方法であって、
前記マルチキャリア信号のピークが所定の閾値を超えているか否かを判定し、
前記ピークが前記閾値を超えていると判定された場合に、前記複数系列の送信データの送信機会をスケジュールするスケジューリング情報に基づいて、前記複数系列の送信データの少なくとも一部の系列の送信データの送信停止処理を行なうことを特徴とする、マルチキャリア通信装置におけるピーク抑圧方法。
(付記14)
複数系列の送信データを複数の搬送波に割り当ててマルチキャリア信号により伝送するマルチキャリア通信装置におけるピーク抑圧方法であって、
前記マルチキャリア信号と、前記複数系列の送信データの少なくとも一部の系列の送信データを前記複数系列の送信データ号の送信機会をスケジュールするスケジューリング情報に基づいて予め除外した1又は複数のマルチキャリア信号とを生成し、
生成した前記各マルチキャリア信号のそれぞれについてピークが所定の閾値を超えているか否かを判定し、
前記閾値以下と判定されたマルチキャリア信号を送信対象として選択することを特徴とする、マルチキャリア通信装置におけるピーク抑圧方法。
Claims (8)
- 複数ユーザの送信データを複数の搬送波に割り当ててマルチキャリア信号により伝送するマルチキャリア通信装置であって、
前記複数ユーザの送信データの送信機会を所定のスケジューリング情報に従ってスケジュールするスケジューリング手段と、
前記マルチキャリア信号のピークが所定の閾値を超えているか否かを判定するピーク判定手段と、
該ピーク判定手段で前記ピークが前記閾値を超えていると判定された場合に、前記スケジューリング情報に基づいて前記複数ユーザの少なくとも一部のユーザの送信データの送信が停止されるようユーザ単位で送信データの送信停止処理を行なうピーク抑圧手段とをそなえたことを特徴とする、マルチキャリア通信装置。 - 該ピーク抑圧手段が、
前記スケジューリング情報の要素情報としての優先順位情報に基づいて、該ピーク判定手段で前記ピークが前記閾値以下と判定されるまで、前記複数ユーザの送信データの中で優先順位の低いデータから順番に前記送信停止処理を繰り返し行なうべく構成されたことを特徴とする、請求項1記載のマルチキャリア通信装置。 - 該ピーク抑圧手段が、
前記スケジューリング情報の要素情報としての使用周波数帯域情報に基づいて、該ピーク判定手段で前記ピークが前記閾値以下と判定されるまで、前記複数ユーザの送信データの中で使用周波数帯域の狭い信号から順番に前記送信停止処理を繰り返し行なうべく構成されたことを特徴とする、請求項1記載のマルチキャリア通信装置。 - 前記送信停止処理を行なった送信データを特定する情報を、前記マルチキャリア信号を受信する装置に通知する通知手段をさらにそなえたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のマルチキャリア通信装置。
- 前記送信停止処理を行なった送信データの代わりにピーク抑圧データを挿入するピーク抑圧データ挿入手段をさらにそなえたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマルチキャリア通信装置。
- 複数系列の送信データを複数の搬送波に割り当ててマルチキャリア信号により伝送するマルチキャリア通信装置であって、
前記複数系列の送信データの送信機会を所定のスケジューリング情報に従ってスケジュールするスケジューリング手段と、
前記マルチキャリア信号と、前記複数系列の送信データの少なくとも一部の系列の送信データを前記スケジューリング情報に基づいて予め除外した1又は複数のマルチキャリア信号とを生成するマルチキャリア信号生成手段と、
該マルチキャリア信号生成手段で生成された前記各マルチキャリア信号のそれぞれについてピークが所定の閾値を超えているか否かを判定するピーク判定手段と、
該ピーク判定手段にて前記閾値以下と判定されたマルチキャリア信号を送信対象として選択する選択手段とをそなえたことを特徴とする、マルチキャリア通信装置。 - 複数ユーザの送信データを複数の搬送波に割り当ててマルチキャリア信号により伝送するマルチキャリア通信装置におけるピーク抑圧方法であって、
前記マルチキャリア信号のピークが所定の閾値を超えているか否かを判定し、
前記ピークが前記閾値を超えていると判定された場合に、前記複数ユーザの送信データの送信機会をスケジュールするスケジューリング情報に基づいて、前記複数ユーザの少なくとも一部のユーザの送信データの送信が停止されるようユーザ単位で送信データの送信停止処理を行なうことを特徴とする、マルチキャリア通信装置におけるピーク抑圧方法。 - 複数系列の送信データを複数の搬送波に割り当ててマルチキャリア信号により伝送するマルチキャリア通信装置におけるピーク抑圧方法であって、
前記マルチキャリア信号と、前記複数系列の送信データの少なくとも一部の系列の送信データを前記複数系列の送信データの送信機会をスケジュールするスケジューリング情報に基づいて予め除外した1又は複数のマルチキャリア信号とを生成し、
生成した前記各マルチキャリア信号のそれぞれについてピークが所定の閾値を超えているか否かを判定し、
前記閾値以下と判定されたマルチキャリア信号を送信対象として選択することを特徴とする、マルチキャリア通信装置におけるピーク抑圧方法。
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