〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について図1から図18に基づいて説明すると以下の通りである。
なお、以下の説明では、図2のようにネットワークを介してデータ供給装置(ウェブサイト)からデータ(コンテンツ)を受信するデータ受信装置に、データ受信装置がネットワークに接続するためのプロバイダを複数のプロバイダから抽出するプロバイダ抽出機能を実現する手段が複数の手段に分けて搭載された構成例(データ受信装置およびテレビジョン装置)について説明するが、これに限るものではない。データ受信装置およびプロバイダ抽出機能を実現する手段が別体として構成されてもよい。例えば、プロバイダ抽出機能は、データ受信装置に内蔵されるICチップで上記複数の手段を合体させて実現される構成であってもよいし、データ受信装置に接続される外部装置に組み込まれた上記ICチップまたはプロバイダ抽出機能を実現する複数の手段であってもよい。
〔システム全体の構成〕
まず、図1から図3を参照して、システムの全体構成を示す。図1は、データ受信装置10、プロバイダ201・202、およびネットワーク情報提供サーバ90からなるデータ受信システム1全体の構成を示す模式図である。図2は、上記システムで用いられるデータ受信装置10の主要部を示す機能ブロック図である。図3は、上記システムで用いられるネットワーク情報提供サーバ90(以下では単にサーバ90と表記する)の主要部を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、本発明のデータ受信システム1は、データ受信装置10、低速度でネットワークに接続されるプロバイダ201、高速度でネットワークに接続されるプロバイダ202(但し、初期状態では接続されておらず、後述するような条件に応じて接続される)、サーバ90、低速コンテンツのウェブサイト(データ供給装置)401、および高速コンテンツのウェブサイト(データ供給装置)402から構成されている。
データ受信装置10は、プロバイダ201と契約しており、インターネットの各種低速コンテンツが配信されているサイト401へは、通常、低速度のプロバイダ201を介して接続される。ここで、データ受信装置10のユーザが、低速度のプロバイダ201では対応できない高速な回線速度が要求される高速コンテンツのサイト402からデータを取得しようとした際には、サーバ90に対してサイト402からデータを取得するためにプロバイダに要求される必要条件情報を取得する。
サーバ90は、サイト401やサイト402を含む各コンテンツのサイトの「URLに関する情報」、および、データ受信装置10が接続可能なプロバイダであるプロバイダ201やプロバイダ202などを含む「プロバイダに関する情報」を記憶しており、データ受信装置10からの要求に従って、これらの情報を提供する。
「URLに関する情報」としては、具体例をあげれば、「コンテンツタイプ」、「コンテンツサイズ」、および、「データの取得に必要な必要通信速度」などの情報があげられる。また、「プロバイダに関する情報」としては、具体例をあげれば、「プロバイダ名」、「プロバイダのサポート地域」、「プロバイダが保障する通信速度」、および、「プロバイダの利用料金」などの情報があげられる。これらの記録された情報は、データ受信装置10からの要請に応答してデータ受信装置10に送信される。
サーバ90には、予め決められたURL(Uniform Resorce Locator)、例えば「http://www.server.com」といったアドレスが割り当てられており、データ受信装置10はこのURLを予め記憶部70に保存している。データ受信装置10は、このURL即ちサーバ90に対して所定の情報を送信することで、必要な情報を得ることができる。具体例を挙げると、コンテンツを供給しているサイトのURLを上記サーバ90に送信することで、送信したURLが供給するコンテンツデータに関連する「URLに関する情報」を得ることができる。また、データ受信装置10の設置されている地域の情報(緯度・経度の情報、郵便番号、固定電話の番号、その他所定のルールによって決められた地域コードなど)を送信することで、データ受信装置10が設置されている地域から接続することができるプロバイダの「プロバイダに関する情報」を得ることができる。
なお、「URLに関する情報」、および、「プロバイダに関する情報について」、詳細は後述する(図8および図9参照)。また、上述の図1に基づく説明では、プロバイダおよびコンテンツサイトが2つだけの例を挙げて説明しているが、上記の数だけに限らず、さらに多数のサイトやプロバイダが存在してもよい。
プロバイダ201およびプロバイダ202は、データ受信装置10が各サイトのデータを取得する際にインターネットなどのネットワークに接続するために用いられるインターネットサービスプロバイダ(プロバイダ)である。ここで、本実施形態1では、プロバイダ201は、通信速度の限界が56kbps程度の低速度のネットワーク接続サービスであり、プロバイダ202は、光ファイバーなどで接続された高速度、例えば100Mbpsのネットワーク接続サービスであるものとして説明する。
各プロバイダの通信速度が上述の条件であった場合、ユーザが低速のプロバイダでデータの取得が可能なコンテンツサイト401(例えば、テキストがメインのデータ)の閲覧から、高速のプロバイダでなければデータの取得が困難なコンテンツサイト402(例えば、解像度の高い動画データや三次元画像データなど)の閲覧に切り換える際に、低速のプロバイダ201ではデータの取得が困難になる場合がある。
この際、データ受信装置10は、サーバ90から、目的のデータを取得するために求められるプロバイダの必要条件(ここでは、通信速度の情報)を取得し、この必要条件を満たすプロバイダ(ここでは、プロバイダ202)の情報の提示を受けることで、使用するプロバイダを切り換えてプロバイダ202を用いてデータを取得することや、必要に応じて新たにプロバイダと契約を結んだりすることが可能になる。
〔データ受信装置の構成〕
次に、本発明で用いられるデータ受信装置10の詳細について、図2を参照して説明する。図2は、データ受信装置10の各機能部について示した機能ブロック図である。なお、本実施形態では、データ受信装置10は、データ供給装置(ウェブサイト)からデータを受信する機能と、受信したデータを表示する機能と、データ受信装置10をネットワークに接続するためのプロバイダを抽出する機能を合わせ持っている。以下、各部の機能について、詳細を説明する。
データ受信装置10は、装置全体を制御する機能として、システム制御部12、記憶部70を備えている。また、データ受信装置10は、表示制御部14、表示部60、通信制御部16、回線通信部82、およびLAN通信部84などを備えている。また、プロバイダを抽出する機能として、プロバイダ抽出部(プロバイダ抽出手段)22、プロバイダ情報取得部(プロバイダ情報取得手段)24、通信速度判定部26、必要プロバイダ条件情報取得手部(必要プロバイダ条件情報取得手段)28、を備えている。これは図2において18として破線で囲まれている部分である。さらに、記憶部70は、システム記憶部72、回線設定記憶部74、および地域情報記憶部76を備えている。
なお、データ受信装置10は、図示しない操作入力部や入出力インタフェースを備えていてもよい。
システム制御部12は、データ受信装置10の各部の制御およびデータの入出力の制御を行う。表示制御部14は、表示部60に表示する表示画面の生成や、取得したデータの再生などを行う。
プロバイダ抽出部22は、サーバ90から取得した情報に基づいて、ユーザが取得を希望するデータを取得するために必要な通信条件を満たしたプロバイダの情報をユーザに提示し、必要に応じて当該プロバイダとの契約情報や当該プロバイダへの通信回線接続の切り換えなどを行う。
プロバイダ情報取得部24は、ネットワークを介してサーバ90からプロバイダに関する情報、具体的には、プロバイダがサポートする地域、通信速度、および通信料金などのプロバイダごとに設定されている情報を取得する。
通信速度判定部26は、現在ユーザがネットワークを介してデータを取得するのに用いているプロバイダの回線の通信速度を判定する。通信速度判定部26は、ユーザがネットワークを介してデータを取得しようとした場合に、当該データを取得するために求められる通信回線の速度をURLに関する情報としてサーバ90から取得する。
表示部60は、ディスプレイや液晶パネルなどで構成された表示デバイスで、表示制御部14の制御に基づいてネットワークを介して取得したデータの再生や表示を行う。
記憶部70は、データ受信装置10で用いられる各種設定情報や、ネットワークを介して取得した情報を記憶する記憶デバイスである。システム記憶部72は、データ受信装置10で用いられる各種設定情報が記憶されている。各種情報を問い合わせる際のサーバ90のURLもシステム設定時にここに保存される。
回線設定記憶部74は、現在ネットワークに接続するために用いている回線の通信速度を示す情報や、高速度の通信速度が要求されるデータを取得する際に選択可能な通信回線やプロバイダなどの情報を記憶する。
地域情報記憶部76は、現在データ受信装置10が設置されている位置の情報(エリア情報)や、特定のデータを試聴する際に前提条件となるエリア情報に対応する通信回線やプロバイダなどの情報を記憶する。
回線通信部82は、公衆電話回線や光ケーブルなどを介してネットワークに接続するためのモデム機能を備えた入出力インタフェースである。LAN通信部84は、ネットワークケーブルを用いてルータなどを介してネットワークに接続するための入出力インタフェースである。
〔サーバの構成〕
次に、本発明で用いられるサーバ90の詳細な内容について、図3を参照して説明する。図3は、サーバ90の各機能部の内容について示した機能ブロック図である。
サーバ90は、制御部92、通信制御部94、通信部95、および記憶部96、ネットワーク情報通知部99を備えている。記憶部96は、さらに、通信速度情報記憶部97およびプロバイダ情報記憶部98を備えている。
上述のように、サーバ90には、ネットワーク上で識別可能なURLが割り当てられている(例えば「http://www.server.com」など)。上記URLに対する問合せには、記憶部96に記憶するテキストデータを送信することで応答が可能である。上記応答内容はテキストデータで提示されるため、低速度の通信速度しか持たないプロバイダであっても、必要条件を示す情報を送受信することが可能である。
制御部92は、サーバ90の図示しない部分も含めた各部の制御、および、サーバ90の各部でやり取りされるデータの入出力の制御を行う。通信制御部94は、通信部95を介してネットワークに接続するための通信制御を行う。通信部95は、モデムなどで構成された外部のネットワークと接続するための入出力インタフェースである。
記憶部96は、サーバ90が管理する各種情報を記憶する。通信速度情報記憶部97には、所定のデータ取得に必要な必要通信速度に加えて、そのデータのURL、コンテンツサイズ、コンテンツタイプ、などのネットワーク上における所定の場所に配置されているデータに関する情報を記憶する(図8および図9を参照、詳細は後述する)。プロバイダ情報記憶部98は、プロバイダ各社に関するプロバイダ情報リストを記憶する。プロバイダ情報リストには、プロバイダ名、プロバイダのサポート地域、プロバイダが保障する通信速度、およびプロバイダの利用料金などの情報が含まれる。また、データ提供装置10の管理者などがその保持するデータの通信に適するとして推奨するプロバイダを記憶する場合もある。ネットワーク情報通知部99はデータ受信装置10からの問い合わせに応答して、指定されたデータの通信速度、あるいはそのデータ通信に適合するプロバイダの情報を適宜、適宜記憶部96を参照して、上記通信部95を介してデータ通信装置10に通知する。
以上のデータ受信装置10、サーバ90を備え、サーバ90からデータ受信装置10に対して必要条件を満たすプロバイダの情報を送信することによって、本実施形態のデータ受信システム1は構成されている。
〔システム全体の動作について〕
次に、本実施形態のデータ受信システム1の詳細な動作内容について、図4から図10を参照して説明する。まず、図4を参照して、データ受信装置10で行われる処理の流れについて説明する。
図4は、データ受信装置10で行われる処理の詳細について示したフローチャートである。なお、以下の一連のフローにおいて、最初、データ受信装置10は回線通信部82で接続された低速度の通信回線でネットワークに接続されているものとする。
処理が開始されると、まず、ステップS101において、ユーザはデータ受信装置10の図示しない操作入力部を用いてデータを取得するサイトのURLを指定する。データ受信装置10は、ユーザの入力内容を受け付けて、ユーザの所望するURLの情報を取得する。
次に、ステップS102において、必要プロバイダ条件情報取得部28は、指定されたURLに必要とされる回線速度をサーバ90に回線通信部82を介して問い合わせる。なお、問い合わせを行うサーバ90のURLは、データ受信装置10のシステム記憶部72にシステム設定時に保存されている。
サーバ90は、データ受信装置10からの問い合わせで指定されたURLの必要通信速度などの必要条件情報を送信する。ステップS103において、データ受信装置10の必要プロバイダ条件情報取得部28は、サーバ90から送信された、必要な通信速度の情報などの必要条件情報を取得する。
ステップS104において、データ受信装置10の通信速度判定部26は、データ受信装置10が現在接続している通信回線、すなわち、回線通信部82で接続された低速度の通信回線でユーザが指定したURLのデータの取得が可能か否か、ステップS103で取得した必要条件情報に基づいて判断する。
そして、現状の通信経路の回線速度でコンテンツの取得が可能な場合(S104でYES)、ステップS105において、データ受信装置10の表示制御部14は、回線通信部82を介して指定されたURLのデータを取得し、取得したデータを表示部60に対して表示し、一連の処理を終了する。
一方、現状の通信経路の回線速度でコンテンツの取得が不可能な場合(S104でNO)、ステップS106において、データ受信装置10のプロバイダ情報取得部24は、サーバ90に対してデータ表示装置10の識別情報とユーザの指定したURLを送信し、図9に示したプロバイダの情報(ISP情報)を問い合わせる。ここでは、データ受信装置10からプロバイダの条件が与えられていないので、サーバ90は記憶しているプロバイダ情報リストの中から(図9参照)指定されたURLの受信に必要な通信速度を提供できるプロバイダ情報を、地域、料金などを考慮せずに全て通知する。
続いて、ステップS107において、データ受信装置10の表示制御部14は、ステップS106で取得したプロバイダの情報を表示部60にリストアップして表示する(図7参照)。
ステップS108において、ユーザは使用しているデータ受信装置10の置かれている地域、速度、料金などを勘案して所望のプロバイダを選択する。なお、データ受信装置10がサーバ90から得た情報をデータ受信装置内の記憶部に蓄えておき、必要通信速度の問い合わせをデータ受信装置10内の記憶部70に対して行うことにより、サーバ90への頻繁なアクセスを低減する構成であってもよい。ステップS108で問い合わせを行った必要通信速度の情報は回線設定記憶部74に格納されてもよい。
必要通信速度の情報が格納された後は、上記のように、データ受信装置10の記憶部70に対して必要通信速度の問い合わせを行うことができる。
なお、ステップS101でユーザがアクセスしたいURLとして、「http://www.video1/」を選択した場合には、このURLを図4のステップS102でプロバイダ201を介してサーバ90に送ってこのURLのデータの取得に必要な必要通信速度を取得する。
この場合も、サーバ90自身のURLは、情報問合せ先として予めシステム記憶部72に格納されている。URL「http://www.video1/」で公開されているコンテンツの取得に必要な必要通信速度はサーバ90の通信速度情報記憶部97に予め格納されていてもよいし、あるいはサーバ90がその都度当該のURLにアクセスして取得してもよい。
図8は、本実施形態1のサーバ90が保存する「URLに関する情報」のデータ構造およびデータの一例を示す表である。図8の表を参照すると、URL「http://www.video1/」に必要な必要通信速度は100Mbpsである。この結果をデータ受信装置10がステップS103で受信する。この100Mbpsを回線設定記憶部74に格納されている現状の通信回線速度56kbpsと比較してこのまま通信できるかどうかを判断する(S104)。
この場合には、図4のステップS104での判断の結果はNO(56kbps<100Mbps)となり、ステップS106の処理へ移る。ステップS106では100Mbpsという情報をサーバ90に送り、この通信速度を提供できるプロバイダの情報の有無を問い合わせる。
サーバ90は自身のプロバイダ情報記憶部98の内容を検索する。プロバイダ情報記憶部98には図9のようなプロバイダ情報リストが格納されているので、その中から100Mbpsを提供できるプロバイダを抽出してデータ受信装置10に通知する。
ここでは通信速度以外の条件が指定されていないので図9の表の番号「3」、「4」、「5」、「8」、「9」のプロバイダが該当する。この結果を図4のステップS107で受信して図7表示画面のように表示する。ユーザはこの表示の中から適当なものを選択する(S108)。
一方、ステップS101でユーザがアクセスしたいURLとして、「http://www.text1/」を選択したとする。URL「http://www.text1/」の必要通信速度は、図8に示すように「50kbps」であるので、ステップS103で受信する通信速度の情報は「50kbps」となる。
その結果、ステップS104での判断の結果はYES(56kbps>50kbps)となり、処理はステップS105へ移る。ステップS105において、現状の通信回線やプロバイダを変更せずにそのまま「http://www.text1/」へアクセスできる。
本実施形態1によれば、ユーザが現状のプロバイダの提供する通信速度やデータの取得に必要な必要通信速度を把握していなくても、ユーザがインターネット上のデータを取得しようとして選択する際に、現状のプロバイダの通信速度と所望のデータの取得に必要な必要通信速度とが自動的に比較される。そして、そのデータ取得に必要な通信速度が現状のプロバイダでは不足している場合には、データの必要通信速度以上の通信速度を提供できるプロバイダを知ることができる。
このため、ユーザ自らが新たなプロバイダを探さなくてもデータの取得が可能となる。さらに、データ選択のたびに通信速度の判断を行うので、通信回線における通信速度の向上といった技術の進展にも対応できる。
次に、図5を参照して、上記データ受信システムで行われる処理の流れについて詳細を説明する。図5は、上記実施の形態1で行われる処理の流れを示すタイムチャートおよび各装置間の情報の流れを示す図であり、図4のフローチャートに対応している。
図5(1)はユーザの指定したURLのコンテンツに必要な速度が、現状接続している低速ISP201の提供する通信速度に比して低速である場合の情報の流れであり、図5(2)はユーザの指定したURLのコンテンツに必要な速度が、現状接続している低速ISP201の提供する通信速度に比して高速である場合の情報の流れである。
図5(1)において、先ずステップAで、予め契約してある低速201を介してユーザの指定したURLの受信に必要な通信速度をサーバ90に問い合わせる。サーバ90はこのURLに必要な通信速度を通知する。
ここで、このときの通知される通信速度は、現状接続している低速ISP201の提供する通信速度に比べて低速であるとする。次にステップBでデータ受信装置10は、受信した通信速度を現状接続している低速ISP201の提供している通信速度と比較し、指定されたURLのコンテンツは現状接続している低速ISP201を介して受信できるものであると判断する。
そこで、次にステップCで、現状接続している低速ISP201を介して指定されたコンテンツを保持しているサイト401にアクセスしてコンテンツを受信し、ステップDで表示する。図5(2)においてはステップEで、(1)と同様にユーザの指定したURLの受信に必要な通信速度をサーバ90に問い合わせる。
サーバ90は、このURLに必要な通信速度を通知する。ここで、このときに通知される通信速度は、現状接続している低速ISP201の提供する通信速度に比べて高速であるとする。
次に、ステップFで、データ受信装置10は、受信した通信速度と、現状接続している低速ISP201の提供している通信速度とを比較し、指定されたURLのコンテンツは現状接続している低速ISP201を介しては受信できないものであると判断する。
その後、ステップGで、指定されたURLのコンテンツを受信できる通信速度を提供するプロバイダを探る為に、プロバイダ情報をサーバ90に問い合わせる。サーバ90は指定されたURLのコンテンツを送受信できる通信速度を提供できるプロバイダの一覧を通知するので、データ受信装置10は、ステップHにおいて、受信したプロバイダ情報を表示する。ここまで授受している情報はテキストベースの低速情報であるので、現状接続している低速ISP201を介して情報の授受を行うことができる。
ステップIで、ユーザは、表示されたプロバイダの中から所望のプロバイダである高速ISP202を選択する。この選択された高速プロバイダ202と契約などの諸手続の完了後、ステップJで、その高速ISP202を介して指定されたURLのサイト402へアクセスする。サイト402は高速ISP202を介して指定されたコンテンツを送信するので、データ受信装置10はこのコンテンツを受信してステップKで表示する。
ところで、データ受信装置10は、システム設定時にはプロバイダ料金を安くするため低速の通信回線86で低速ISP201と接続されていて(図1参照)この回線を介して種々の情報を入手できるようになっている。通信技術は、技術の進展に伴って様々な方式が現れ、且つ淘汰されるので、何が低速の通信回線かは固定されたものではなくそのときの技術レベルや、市場状況によって決まるものである。
図10は、上記データ受信システムで用いられると想定されるプロバイダにおける通信方式の進展とそれぞれの加入者の推移の一例を示す図である。
図10では、横軸に年代を示し、該当する年代に対応した加入者の推移を示し、それによって各年代に主流であると想定される通信方式および回線接続方式について示している。実際の年月には多少の前後があるにしても、「2008」年ごろまでには「PSTN(Public Switched Telephone Networks)」などの「ダイヤルアップ回線」の加入者は徐々に減少していき、「2008」年ごろには「ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)」による「ブロードバンド回線」が、「2008」年から「2012」年ごろには「FTTH(Fiber To The Home)」による「ブロードバンド回線」が、「2016」年から「2020」年ごろには「次世代FTTH」による「超高速インターネット」が主流になっているものと予想される。
この予想から、各年代での低速通信回線と見なされる方式は「PSTN」から「ADSL」、「FTTH」、「次世代FTTH」へと移行していき、旧式の方式は消えていく。従ってある年代で高速回線であっても次の年代では低速回線となり得る。そこで、上記データ受信システムで設定時の基本回線として用いられる低速通信回線86はそれぞれの年代において低速通信回線と見なされるものを採用して組み込むことになる。
次に、図8および図9を参照して、本実施形態のサーバ90の記憶部96に記憶されるURLに関する情報(URLで示されるコンテンツの受信に必要な通信速度を含む)およびプロバイダ情報について、詳細を説明する。図8は、上記サーバ90が保存しているURLに関する情報のデータ構造の一例を示す表である。図9は、上記サーバが保存するプロバイダに関する情報のデータ構造の一例を示す表である。
図8の表では、左の列から順に「番号」、「URL」、「コンテンツタイプ」、「コンテンツサイズ」、および「必要通信速度」が記載されている。「番号」は、URLを識別するための記号である。「URL」は、実際にデータが保存・公開されているウェブサイト(データ供給装置)のネットワーク上の場所を特定するアドレスである。「コンテンツタイプ」は、データの内容の分類名である。「コンテンツサイズ」は、当該URLで保存・公開されているデータのデータサイズを示している。「必要通信速度」は、当該URLで保存・公開されているデータを取得するために必要な通信速度を示している。また、それぞれの行は、複数存在するウェブサイト(データ供給装置)に対応している。
また、図9の表では、左の列から順に「番号」、「地域コード」、「ISP名称」、「ISPのURL」、「ISPの提供する通信速度」、「速度カテゴリ」、および「料金」が記載されている。「番号」は、プロバイダ(ISP)を識別するための記号である。「ISPのURL」は、プロバイダのホームページが存在するネットワーク上の場所を特定するアドレスである。「ISPの提供する通信速度」は、当該プロバイダが提供可能な通信速度を示している。「速度カテゴリ」は、「ISPの提供する通信速度」を所定の範囲ごとにランク分けした分類記号である。「料金」は、当該プロバイダの月額の使用料金である。また、それぞれの行は、複数存在するプロバイダに対応している。
以上のURLに関する情報、およびプロバイダに関する情報のデータを用いて、サーバ90はデータ受信装置10に指定されたデータに応じたプロバイダの情報を通知している。
上述のように、本発明のデータ受信システム1は、インターネット上のデータを取得して表示するデータ受信装置10と、プロバイダの情報や、URL毎のコンテンツサイズ、必要通信速度などの情報を格納しておいて、データ受信装置10からの問合せに対して応答するサーバ90とから構成される。なお、サーバ90のアドレスはあらかじめデータ受信装置10のシステム記憶部72に記憶することが好ましい。
データ受信装置10のユーザが所望のURLを指定すると、そのURLが指示するデータの取得に必要な必要通信速度をサーバ90に問い合わせて、それをデータ受信装置10の現在接続されている通信手段の通信速度と比較して、必要通信速度の方が大きければ、所望URLの要求する通信速度を提供できるプロバイダの情報をサーバ90から取得して表示し、適したプロバイダを選択させる。これにより、上記所望のURLで配信されるデータが取得される。
なお、上述の説明では、データ受信装置10がサーバ90にURLを送信することで、当該URLを表示することが可能な必要条件を満たすプロバイダの情報をサーバ90がデータ受信装置10に対して通知する構成としたが、データ受信装置10の位置する地域に基づいて、サーバ90はその地域をサービスエリアとするプロバイダを抽出してプロバイダの情報を通知する構成であってもよい。
または、サーバ90から通知された全プロバイダの情報の中から、データ受信装置10が自ら保存する地域情報に基づいて、自装置の位置する地域をサービスエリアとするプロバイダを抽出して表示する構成であってもよい。
あるいは、所望のURLの取得に必要とする必要通信速度を、URLに直接アクセスした結果に基づいて判定する構成であってもよい。さらに別の実現方法では、通信の確立のためのネゴシエーション情報から取得する。さらに別の方法では、通信速度不足に起因する通信エラーが発生した場合に、現状の通信手段はURL取得のためには通信速度が不足していると判断して、プロバイダの情報をサーバ90に問い合わせる構成であってもよい。
以上のように、本実施形態1のデータ受信装置10は、ネットワークを介してサイト401あるいはサイト402などからデータを受信するとともに、上記ネットワークに接続するためのプロバイダを、複数のプロバイダから選択可能なデータ受信装置10であって、上記データを受信するために必要なプロバイダの条件を示す必要プロバイダ条件情報を取得する必要プロバイダ条件情報取得部28と、自装置が接続可能なプロバイダおよび該プロバイダの特性を示すプロバイダに関する情報を取得するプロバイダ情報取得部24と、プロバイダ情報取得部24が取得したプロバイダに関する情報に基づいて、必要プロバイダ条件情報取得部28が取得した必要条件を満足する特性を有するプロバイダを抽出するプロバイダ抽出部22とを備えている。
また、本実施形態のコンテンツ表示方法は、ネットワークを介してサイト401あるいはサイト402などからデータを受信するとともに、上記ネットワークに接続するためのプロバイダを、複数のプロバイダから選択可能なデータ受信装置10におけるコンテンツ表示方法であって、上記データを受信するために必要なプロバイダの条件を示す必要プロバイダ条件情報を取得する必要プロバイダ条件情報取得ステップと、自装置が接続可能なプロバイダおよび該プロバイダの特性を示すプロバイダ情報を取得するプロバイダ情報取得ステップと、上記プロバイダ情報取得ステップにおいて取得した上記プロバイダ情報に基づいて、上記必要プロバイダ条件情報取得ステップにおいて取得した上記必要プロバイダ条件情報が示す条件を満足する特性を有するプロバイダを抽出するプロバイダ抽出ステップとを含んでいる。
上記の構成によれば、ネットワークを介してデータを取得する際に、そのデータを取得するために必要なプロバイダの条件を示す必要プロバイダ条件情報を取得し、現在使用しているプロバイダ201が必要条件を満たしていない場合に、必要条件を満たすプロバイダ202をユーザに提示する。
すなわち、ユーザが取得を所望するデータを現在使用しているプロバイダでは取得できない場合であっても、取得するために必要な条件情報を取得して、その条件を満たすプロバイダを提示することができる。
これによって、ネットワークを介してデータを取得するために、適切なプロバイダを提示するデータ受信装置を実現できるので、ユーザは提示された情報を参照して、データを取得するために必要なプロバイダを確認し、必要条件を満たすプロバイダに切り換えたり、必要に応じて当該プロバイダとの接続契約を結んだり、任意の選択を行うための判断材料とすることができるという効果を奏する。
本実施形態1のデータ受信装置10では、上記必要プロバイダ条件情報は、上記データを取得するために必要な通信速度を示す通信速度情報である。
上記の構成によれば、必要プロバイダ条件情報としてデータを取得するために必要な通信速度を示す通信速度情報を取得している。このため、現在のプロバイダがデータを取得する際に必要とされる通信速度を満たしていない場合でも、ユーザに対してデータの取得が可能な通信速度を満たすプロバイダを提示できるので、データを取得するために必要な通信速度が上昇していても、データを取得できる最新のプロバイダを随時確認することができる。
これによって、ユーザはデータを取得するために必要な回線速度を満たすプロバイダを確認し、通信速度を満たすプロバイダに切り換えたり、必要に応じて当該プロバイダとの接続契約を結んだり、任意の選択を行うための判断材料とすることができる。
〔実施形態2〕
本実施形態のデータ受信システム2では、実施形態1で説明した図4から図10に示されるシステムに比べて、必要条件情報として考慮する情報が、プロバイダごとの通信速度情報に加えて、プロバイダのサービス地域を示す情報(エリア情報)がある点が異なり、その他の構成は同様である。
このため、本実施形態では、図4のステップS106に相当するS207でプロバイダ情報を問い合わせる処理の前に、データ受信装置10が設置されている地域に関する情報をサーバ90に送信する処理が追加されている構成としている(図12のS206参照。図12の詳細については後述する)。
なお、上記実施形態1で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。また、本実施形態を構成する場合、地域ごとに配信されているコンテンツ、具体例をあげれば、地元のニュースを伝える動画像などであることが好ましいが、これに限定されるものではない。
上記構成において、必要条件情報が提示される際の動作を、図11および図12に基づき説明すると、以下の通りである。図11は、本実施形態2においてデータ受信装置10で提示されるプロバイダ情報提示画面の一例である。図12は、本実施形態2におけるデータ受信装置10の情報提示動作の一例を示すフローチャートである。
実施形態1ではサーバ90は通信速度が該当すれば全てのプロバイダの情報を通知していたが、本実施形態2では、データ受信装置10が設置されている地域をサービスエリアとするプロバイダの中から選択して通知する例を示す。
所望のURLや現状の通信回線、プロバイダ、サーバ90などの環境は実施形態1と同じであるとする。また、データ受信装置10は、地域コード「A地域」で示される地域に設置されており、地域コード「A地域」がデータ受信装置10の地域情報記憶部76に格納されているものとする。
図12は、データ受信装置10における動作の一例を示すフローチャートである。
なお、ステップS201からステップS205までの処理は、図4で示したステップS101からステップS105と同じなので省略する。ここで、プロバイダの条件は実施形態1と同様に、現在のプロバイダの通信速度である「56kbps」に対して、所望のURLの要求する通信速度は「100Mbps」なので、ステップS204の判断結果はNOとなって、処理はステップS206へ移る。
ステップS206において、データ受信装置10は、自身が置かれている場所を示す地域コード「A地域」をサーバ90へ送信する。前述のように地域コードは、データ受信装置10の地域情報記憶部76に格納されている。ステップS207において、ユーザが所望するデータの要求する通信速度を提供できるプロバイダの情報を問い合わせると、サーバ90は、速度の条件「100Mbps」と先程受信した地域コード「A地域」とを合わせて実現できるプロバイダを検索して送信する。
その結果を、データ受信装置10のプロバイダ情報取得部24が、ステップS208において受信して、画面に表示させる。図11に、取得した結果の表示画面の一例を示す。実施形態1における表示例では地域を限定せずに5件のプロバイダが表示されていたが、本実施形態2では、データ受信装置10が設置されている地域「A地域」で利用できるプロバイダの3件のみが表示される。従って、ユーザが選択する際の利便性が増す利点がある。ステップS209において、ユーザは速度、料金などを勘案して所望のプロバイダを選択して契約する。
このとき、データ受信装置10が設置されている地域の条件はプロバイダの情報を取得する際に自動的に加味されており、表示されたプロバイダは全て自地域をサービス地域にしているので、ユーザはプロバイダを選択するときにそのプロバイダが自地域をサービス地域にしているかどうかについて悩む必要は無い。
以上のように、本実施形態2のデータ受信装置10には、必要条件情報に、データを取得するために必要な通信エリアを示す地域コードが含まれている。
そのため、現在のプロバイダがデータを取得する際に必要とされる通信エリアを満たしていない場合でも、ユーザに対してデータの取得が可能な通信エリアを満たすプロバイダを提示することができる。このため、データを取得するために必要なエリア情報が異なっている場合でも、データを取得できるエリアのプロバイダを随時確認することができる。
これによって、ユーザはデータを取得するために必要なエリア情報を満たすプロバイダを確認し、通信速度を満たすプロバイダに切り換えたり、必要に応じてプロバイダとの接続契約を結んだり、任意の選択を行うための判断材料とすることができる。
〔実施形態3〕
本実施形態3のデータ受信システム3では、図11および図12に示される実施形態2のデータ受信システム2に比べて、プロバイダを抽出する方法が異なるが、その他の構成は同様である。
このため、本実施形態3では、図12のステップS208でプロバイダを抽出する処理の代わりに、S308でプロバイダを抽出する処理がおこなわれている(図13参照。図13の詳細については後述する)。
なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。上記構成において、必要条件情報が提示される際の動作を、図13に基づき説明すると、以下の通りである。なお、本実施形態3でも前提の条件は実施形態1および2と同様とし、またステップS301からステップS305まではステップS101からステップS105と同じなので省略する。
実施形態1と同様に、現状のプロバイダにおける通信速度「56kbps」に対して、所望のURLの要求する通信速度は「100Mbps」なので、ステップS304の判断結果はNOとなって、処理はステップS306へ移る。
ステップS306において、所望URLの要求する通信速度の情報をサーバ90へ送信して、該当するプロバイダがあるかどうかを問い合わせる。サーバ90は、地域の条件を考慮せずに、指定されたURLの要求する通信速度を提供できるプロバイダの情報を全て通知するので、ステップS307において、データ受信装置10は、送信されたプロバイダの情報を取得する。ステップS307で受信したプロバイダの情報は、図7に示すように、他地域をサービスエリアとするプロバイダも混じっている。
ステップS308において、データ受信装置10は、受信した全プロバイダの情報の中から地域情報記憶部76に保存してある自装置の位置する地域コードである「A地域」を参照して、自装置の位置する地域に該当するプロバイダをユーザの手を煩わさずに自動的に抽出して表示する。
S307で受信したプロバイダ情報リストは、地域「A地域」をサービスエリアとするものが「Cネット」、「Dネット」、「Eネット」、地域「B地域」をサービスエリアとするものが「Hネット」、地域「C地域」をサービスエリアとするものが「Iネット」の合計5件である。
いずれも、要求される通信速度「100Mbps」を提供できるプロバイダである。これら5件の中から自装置の地域「A地域」をサービスエリアとする「Cネット」、「Dネット」、「Eネット」の3件を自動的に抽出して表示する。表示例は結果的に図11と同じとなる。
〔実施形態4〕
本実施形態4のデータ受信システム4では、実施形態3で説明した図13のフローで示される処理と比べて、図13のステップS308における処理の後に、最も安価なプロバイダを選択する処理(図14のステップS409参照。図14の詳細については後述する)が追加される点が異なるが、その他の構成は同様である。
なお、上記実施形態3で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。上記構成において、必要条件情報が提示される際の動作を、図14および図15に基づき説明すると、以下の通りである。
実施形態1から実施形態3では、表示された複数のプロバイダからユーザがプロバイダを選択したが、本実施形態4では、データ受信装置10が表示された自地域をサービス地域にする複数のプロバイダの中から最も料金の安いプロバイダを自動的に選択している。上記の処理について、図14のフローチャートを参照して説明する。
なお、ステップS401からステップS405は前述の実施形態と同じなので、説明は省略する。上記のステップS401からS405の処理に続いて、現状のプロバイダでは必要な通信速度が確保できないとき、すなわち、ステップS404でNOのとき、処理はステップS406へ進み、ステップS406、ステップS407の処理でサーバ90からプロバイダの情報を取得する。上述の処理も実施形態3と同様である。
ステップS408において、自地域にサービスエリアを持つプロバイダを抽出する。抽出されたプロバイダは、図11の表示例のように「Cネット」、「Dネット」、「Eネット」の3件である。しかし、抽出したプロバイダは画面に表示されず、処理はステップS409に移る。
ステップS409では、この3件の中から最も料金の安い「Cネット」を選択して表示する。その表示例を図15に示す。図15のように抽出された最安価な1件だけが表示されるのでユーザはそのプロバイダに切り替えを行えばよい。ユーザは、所望のURLの情報を取得する際に、最も安価なプロバイダを容易に選択することができる。
以上のように、本実施形態4のデータ受信装置10では、プロバイダ情報取得部24は、プロバイダにおける月極めの固定料金あるいは通信データ量に課金される費用などの通信費用を示す通信費情報を取得し、プロバイダ抽出部22は、上記必要条件を満たすプロバイダのうち、通信費が最も低いプロバイダをユーザに提示している。
上記の構成によれば、取得したプロバイダ情報に付加されているプロバイダにおける通信費用を示す通信費情報を基に、自動的に通信費が最も低いプロバイダを提示するので、ユーザに余計な迷いを与えずに効率的な情報を提示することができる。
〔実施形態5〕
本実施形態5のデータ受信システムは、図1から図14に示されるシステムに比べて、サーバ90に対してデータの必要通信速度を問い合わせるか、データに接続する際のネゴシエーション情報から必要通信速度の情報を抽出するかという点が異なり、その他の構成は同様である。
本実施形態5では、所望のURLを取得するのに必要な通信速度の判断を、サーバ90から取得するのではなく、所望のURLのサイトに直接アクセスすることで行う例を図16のフローチャート示す。ここでも環境条件は前述の実施形態と同様として詳細は繰り返さない。
処理が開始されると、まず、ステップS501で所望のURLを指定する。次に、ステップS502でURLに、現状の回線とプロバイダ1を介して直接アクセスする。するとそのURLから情報送信のための通信方式を確立するために通信のネゴシエーションが実行される。
ステップS503では、その過程でもたらされるコンテンツデータのタイプやサイズの情報を抽出する。ステップS504で、通信ネゴシエーションの経過の中で得られた速度に関連する情報から現状のプロバイダの速度で所望のデータが取得可能かどうかを判断する。
現状の通信速度は56kbpsであることは回線設定記憶部74に格納されているので、対象のコンテンツデータが動画であると正常な通信はできないと判断する。一方、対象のコンテンツデータが56kbps以下の通信速度で取得可能なデータ(例えばテキストデータ)である場合には、現状の回線とプロバイダで対応できることをユーザに提示してもよい。
ステップS504の判定に従って、ステップS505でそのまま現状の回線で通信を続行するか、あるいは、ステップS506以下に移って必要なプロバイダの情報を取得するかに分かれるが、前述の実施形態と同様なので説明は省略する。
以上のように、本実施形態5のデータ受信装置10では、通信速度判定部26は、プロバイダを介してデータを取得する際の接続手順において、当該プロバイダが必要条件情報を満たすか否かを示す必要条件可否情報を取得している。
上記の構成によれば、プロバイダを介してデータを取得する際の接続手順、具体的には、ハンドシェーキングやユーザ認証処理において、プロバイダの必要条件を問い合わせ、必要条件を満たすか否かを示す必要条件可否情報を、上記プロバイダを介して受信しているので、プロバイダに接続して通信を開始する前に、当該プロバイダが必要条件を満たすか否かを判断することができる。
これによって、必要条件を満たさないプロバイダでネットワークに接続して無駄な通信料金を発生させることを防ぎ、効率的なプロバイダの選択が可能になる。図6は上記実施の形態5で行われる処理の流れを示すタイムチャート及び各装置間の情報の流れを示す図であり、図16のフローチャートに対応している。
図6(1)はユーザの指定したURLのコンテンツに必要な速度が、現状接続している低速ISP201の提供する通信速度に比して低速である場合の情報の流れであり、図6(2)はユーザの指定したURLのコンテンツに必要な速度が、現状接続している低速ISP201の提供する通信速度に比して高速である場合の情報の流れである。
図6(1)においては、先ずステップLで、低速ISP201を介して指定されたURLのコンテンツを保存しているサイト401へ直接アクセスして通信開始のためのネゴシエーションを開始する。これまでの実施形態とは違ってネットワーク情報提供サーバ90にはアクセスしない点に留意する。
ここでこのときのネゴシエーションから得られる通信速度の情報は、現状接続している低速ISP201の提供する通信速度に比べて低速であるとする。次にステップMでデータ受信装置10は、取得した通信速度を現状接続している低速ISP201の提供している通信速度と比較し、指定されたURLのコンテンツは現状接続している低速ISP201を介して受信できるものであると判断する。
そこで、次にステップNで、現状接続している低速ISP201を介して指定されたコンテンツを保持しているサイト401にそのままアクセスしてコンテンツを受信し、ステップOで表示する。ここではネットワーク情報提供サーバ90にはアクセスしない。
図6(2)においては、ステップPで、(1)と同様に低速ISP201を介して指定されたURLのコンテンツを保存しているサイト402へ直接アクセスして通信開始のためのネゴシエーションを開始する。ここで、このときのネゴシエーションから得られる通信速度の情報は、現状接続している低速ISP201の提供する通信速度に比べて低速であるとする。
次に、ステップQで、データ受信装置10は、取得した通信速度を現状接続している低速ISP201の提供している通信速度と比較して、指定されたURLのコンテンツは現状接続している低速ISP201を介して受信できるものであると判断する。
その後、ステップRで、低速ISP201を介して指定されたURLのコンテンツを受信できる通信速度を提供するプロバイダを探る為に、プロバイダ情報をサーバ90に問い合わせる。サーバ90は指定されたURLのコンテンツを送受信できる通信速度を提供できるプロバイダの一覧を通知するので、ステップSで、データ受信装置10は、受信したプロバイダ情報のリストを表示する。
次に、ステップTで、ユーザは、表示されたプロバイダの中から所望のプロバイダ:高速ISP202を選択する。この選択された高速プロバイダ202と契約などの諸手続の完了後、ステップUで、その高速ISP202を介して指定されたURLのサイト402へアクセスする。サイト402は高速ISP202を介して指定されたコンテンツを送信するので、データ受信装置10は受信してステップVで表示する。
〔実施形態6〕
本実施形態6では、所望のURLを取得するのに必要な通信速度の判断を行うときに、直接URLにアクセスする例を示す。すなわち、実施形態5では通信のネゴシエーション情報から通信速度に関連する情報を抽出したが、本実施形態6では実際に所望のコンテンツデータを取得する通信を行い、通信エラーの状況に基づいて通信速度の適正かどうかを判断する。その動きを図17のフローチャートで説明する。
まず、ステップS601でURLを指定し、ステップS602でそのURLにアクセスする。すると通信が開始され、ステップS603で通信エラーの発生の有無をチェックする。エラーが発生していなければステップS603でNOとなり、ステップS604へ移ってデータを表示する。エラーが発生していればステップS603でYESとなり、ステップS605に移る。
ステップS605では、通信エラーが通信速度に起因するものであるかどうかを判定する。通信エラーが通信速度に起因するものでなければ、ステップS605でNOとなり、処理はステップS606へ移り通信エラーが通信速度に起因するものでないのでリトライを行うと判断する。そして、リトライを行うためステップS602へ戻って再度アクセスする。
エラーが通信速度に起因するものであれば、ステップS605でYESとなり、処理はステップS607以下へ移って前述の実施形態1〜4のようにサーバ90から所望のURLに適したプロバイダの情報を取得する。ステップS607以降の処理は同様であるので詳細は省略する。
以上のように、本実施形態のデータ受信装置10では、上記プロバイダ抽出手段は、ウェブサイト(データ供給装置)からデータを受信する際にエラーが発生した場合に、当該データを受信するために必要な条件を現在使用しているプロバイダが満たしていないと判断し、上記必要条件情報が示す条件を満足する特性を有するプロバイダを抽出することが好ましい。
上記の構成によれば、プロバイダ201を介してデータを取得する際にエラーが発生した場合には、プロバイダ201が、コンテンツを取得するための必要な通信条件を満たしていないと判断し、必要な通信条件を満たしているプロバイダ、例えば、プロバイダ202を抽出する。
したがって、現在データを取得しているプロバイダが201データを取得するための必要条件を満たしているかを問い合わせる手順を省略してデータを取得する処理を行えると共に、データの取得に失敗した場合であっても、他のプロバイダ202を用いたデータの取得をユーザに提示できる。これによって、ユーザは余計な手順を踏まずにデータの取得が可能である共に、必要通信条件を満たしていない場合でも他のプロバイダの提示を受けることができる。
〔実施形態7〕
ここまで述べてきた実施の形態1から6までは、指定されたコンテンツのサイトのURLをサーバ90に送信してそのコンテンツの受信に必要な通信速度を満たすプロバイダの情報をサーバ90から取得してデータ受信装置10に表示し、ユーザに選択させることを基本にした実施例について、説明してきた。あるいは、直接所定サイトのURLにアクセスした際にその通信状況(ネゴシエーション、通信エラーの有無など)から現状のプロバイダがデータ取得に必要な通信速度を満たしていないと通信速度判定部26で判断した場合、当該URLをサーバ90に送信して、やはりサーバ90からプロバイダの情報を取得する例について、説明してきた。
これに対して、本実施形態7では、指定されたURLのコンテンツの提供者、またはコンテンツ管理者が推奨するプロバイダ、またはそのコンテンツを格納しているデータ供給装置(ウェブサイト401、402など)の管理者などが推奨するプロバイダから選択する例を説明する。
図19において、まず、S701でユーザにより所望のコンテンツのURLが指定される。S702でサーバ90にこのURLを送信して当該コンテンツに関する必要プロバイダ条件情報を問い合わせる。本実施形態7では、取得する必要プロバイダ条件情報は具体的には推奨プロバイダ情報となる。
S703でサーバ90から当該URLで指定されるコンテンツに対応する推奨プロバイダの情報を取得する。サーバ90はURL毎にまたはデータ供給装置毎に推奨されるプロバイダをコンテンツURLに関連付けて保存している。
この推奨プロバイダは、コンテンツの作成者、或いはこのコンテンツを格納しているデータ提供装置(ウェブサイト401、402など)の管理者などが、コンテンツの内容に応じてその送信に必要な通信速度を提供可能なものや通信の安定度の実績、或いはビジネス上の理由(プロバイダが関連子会社である、或いは業務提携している会社であるなど)から推奨しているものである。
また、この推奨プロバイダであれば当該コンテンツの受信に問題がないことを示しているともいえる。この情報に基づいてS704で、現状接続しているプロバイダが推奨プロバイダになっているかどうかを判断する。S704でYESなら現状のプロバイダが推奨されているのでS705へ移って、そのまま現状のプロバイダを介して当該コンテンツを取得して表示する。S704でNOなら現状のプロバイダは推奨されていないのでS706へ移る。
S706で、S703で取得した推奨プロバイダを表示する。次にS707でユーザは、表示された推奨プロバイダの中から適当なものを選択し契約する。但し、推奨プロバイダが1社の場合は選択の余地無くそれに決めることになる。
以上のS706からS707の各ステップを自動化することも可能である。つまりS706で推奨プロバイダを表示せずに予め決めた条件に基づいて、例えば最も料金の安いプロバイダに決め、自動的に契約のための手続に入ることもできる。こうすればプロバイダ選択に際してユーザの手を煩わせずに済む利点がある。
次に、サーバ90に格納されている、コンテンツに対応した推奨プロバイダを含む一覧リストの構造の例を図20に示す。コンテンツ毎に推奨プロバイダが、名称、月毎の料金、プロバイダのURLと共に記載されている。コンテンツによっては「2」のように1社のみ推奨されている場合もある。
ここでは説明の簡略のために最大でも2社の推奨に留めているが2社に限定されるもので無いことは当然である。このデータを基にして取得された推奨プロバイダがデータ受信装置10に表示される例を図21に示す。ユーザがコンテンツ4を指定したとするとS702でサーバ90に当該コンテンツのURL(http://www.video3/)を送信して、推奨プロバイダの状況を問い合わせる。
サーバ90は送信されてきたURLを基にそれに該当する「コンテンツ4」を参照してそのデータを通知する。データ受信装置10は通知された推奨プロバイダ「Oネット」と「Rネット」の双方を図21のように表示する。推奨プロバイダとして「Oネット」と「Rネット」が表示されるのでユーザは好みのプロバイダを選択して契約すれば良い。あるいは上述例のようにデータ受信装置10は通知されたデータを表示せずに、「Oネット」を料金が安いと言う理由から自動的に選択するようにしてもよい。
〔実施形態8〕
URLで指定されたデータへのアクセスには、通信経費を削減するために通信速度が遅くても、そのとき適用できる最も安価なプロバイダを採用するのがよい。その際、採用しているプロバイダの許容通信速度を超えたURLにアクセスする場合には、前述の実施形態で述べたように、それに適した高速の通信速度を提供できるプロバイダを選択することが好ましい。
上述の処理で新たに選択したプロバイダと、LAN通信部84を介してインターネットに接続する。上記の通信経費を削減するために、回線通信部82はダイヤルアップ回線とし、LAN通信部84はLANポートとする。そして、LANポートの先には新たなプロバイダに適合するルータをその都度接続する構成とすることが好ましい。
一方、ネットワーク技術の進展に伴い低速で安価な回線は淘汰され、あるいは、データの内容も高速回線が必要なものが多くなり、低速な回線では満足にデータにアクセスできなくなることが想定される。そこで、回線通信部82に採用する回線は技術の進展と共に更新することが好ましい。
例えば、図10に示す例に従って進展すると仮定した場合には、そのときの技術動向に応じて経費の安い通信回線を選択して、本発明の回線通信部の回線として採用すればよい。これにより、基本構成の経費を削減することができる。そして、技術の進展に応じて、漸次切り換えを進めればよい(図10参照)。
具体的には、2008年を中心にして2010年位までダイヤルアップ回線を採用し、2010年辺りから一部重畳しながら徐々にADSLブロードバンド回線に切り換えていく。以下同様にそのときの技術動向に対応したプロバイダを適用する。
〔実施形態9〕
上述のデータ受信装置10の機能は、テレビジョン装置20に搭載されてもよい。最近のテレビはネットワークの機能を搭載しテレビをネットワークの表示装置としても使用するモデルも増えている。テレビにデータ受信装置10の各手段を搭載しテレビ視聴とインターネットアクセスの融合を実現しユーザの便宜を図る。図18にテレビジョン装置20にデータ受信装置の機能を組み込んだ例を示す。
図18では各機能部18として示してある部分がデータ受信装置の図2における破線で囲まれた部分18に相当する部分である。各部の番号は図2のデータ受信装置10の各部分に対応しており、その機能も同様である。但し、プロバイダ抽出部22、プロバイダ情報取得部24、通信速度判定部26、必要プロバイダ条件情報取得部28をまとめて各機能部18として記載している。
このようなデータ受信装置10の機能を搭載する装置は上記テレビジョン装置に限らず、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ、テレビジョン装置、ゲーム機、携帯電話機、およびその他の端末に対しても可能である。また、表示画面を持たずコンテンツの中継を行うような、例えばセットトップボックスに対しても適用可能である。
ここで、本システムの運用形態の一例について述べる。プロバイダ201とサーバ90はテレビメーカーの運営とする。そしてテレビを購入すれば無料でプロバイダ201への接続が無料で提供される仕組みをテレビに組み込んでおく。この仕組みによって、テレビ購入者は基本的なインターネットを無料で利用できることになり、テレビメーカーはこれを販売促進策の一つとして推進することもできる。
サーバ90もテレビメーカーの運営として登録するプロバイダ情報の更新などを行い、最新の情報を提供する。そしてそこに登録するプロバイダから広告料として費用を徴収してシステムの運営費用に充てる。
プロバイダは、このシステムに参加すれば、プロバイダを新規に選択しようとするユーザに向けた効率的な宣伝効果が期待出来るメリットがある。また、このテレビ購入者には、所望のコンテンツの要求する通信速度がそのとき接続している通信回線では不足のとき、それを満足する常に最新のプロバイダ情報を入手できるし、所望のコンテンツの要求する通信速度が購入時に設定されている規定の通信回線でクリアできるときは、インターネットを無料で利用できるメリットがある。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、データ受信装置10、テレビジョン装置20、およびサーバ90の各ブロック、特に、プロバイダ抽出部22、プロバイダ情報取得部24、通信速度判定部26、必要プロバイダ条件情報取得部28、および制御部92は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、データ受信装置10、テレビジョン装置20、およびサーバ90は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるデータ受信装置10、テレビジョン装置20、およびサーバ90の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記データ受信装置10、テレビジョン装置20、およびサーバ90に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、データ受信装置10、テレビジョン装置20、およびサーバ90を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。