JP5110671B2 - 円筒形電池 - Google Patents
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Description
本発明は、円筒形電池に関し、特に円筒形電池の安全性を向上させるための封口構造の改良に関する。
円筒形電池は、一般に、開口部を有する、有底円筒形の金属製の電池ケースに発電要素を収容し、その開口部を金属製の封口板もしくは、封口ユニット(または組立封口体)により封口して構成される。リチウムイオン二次電池等の二次電池においては、発電要素は、電極群および電解質により構成される。電極群は、正極および負極を、その間にセパレータを挟んで渦巻き状に巻回して構成される。セパレータは、正極と負極との間を絶縁するとともに、電解質を保持する機能を有している。
封口ユニットは、電池の安全性を確保するための弁機構(安全弁)を有する。電池に異常が発生したようなときに、電池ケースの内部の圧力が異常に上昇すると安全弁が開き、電池ケースの内部のガスが放出される。また、安全弁の作動により、ガスの放出とともに、電流を遮断するように構成することも可能である。これにより、電池ケースの亀裂等の事故が防止される。
例えば、特許文献1の電池の封口ユニットは、中央部を互いに部分的に接合することで、電気的に接続された、それぞれが金属箔からなる上弁板と下弁板とを含む。下弁板は、相対的に低い圧力で破断する薄肉部を中央部に有する。上弁板は、相対的に高い圧力で破断する薄肉部を中央部に有する。この構造によれば、電池の内圧が高くなった場合、まず下弁板の薄肉部が破断することで、電流が遮断される。さらに圧力が高くなると、上弁板の薄肉部が破断することで、電池内部のガスを外部へ放出することができる。
近年、電子機器の多機能化に伴って、電池の益々の高容量化が推進されており、その結果、電池に異常が発生したときの電池ケース内部の圧力の上昇もますます大きくなる傾向がある。
つまり、電池の高容量化のために、電池ケース内部のデッドスペース(発電要素が設けられていない空間)を小さくすると、通常の使用状態で少量のガスが発生しただけでも、電池ケースの内圧が大きく上昇しやすくなる。その結果、特許文献1に記載されているような、薄肉部を含む安全弁は誤作動しやすくなる。したがって、上記安全弁の誤作動を防止するために、各弁板の破断圧力を増加させる必要性が生じている。
ところが、高容量化された電池においては、電池に発生した異常の程度、および種類によっては、ケース内圧の上昇が非常に急激になることがある。そのような場合には、誤作動を防止するために各弁板の薄肉部の破断圧力を増加させた安全弁では、十分な応答性で作動することができずに、異常状態の進展を早期に抑制し得ないことがある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、電池に発生する様々な種類、および程度の異常に対応して、安全弁を、適時に作動させることができる、円筒形電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の円筒形電池は、シート状正極、シート状負極、並びに、両電極間に介在するセパレータを捲回した円筒状の電極群と、
開口部を有し、前記電極群を収容する有底円筒形の電池ケースと、
前記開口部を封口する封口ユニットと、を含む円筒形電池であって、
前記電極群は、軸方向に沿って延びる空隙を中心に有しており、
前記封口ユニットは、ガス抜き孔を有する端子板と、弁板とを含んでおり、
前記弁板は、前記電池ケースの内圧の上昇により破断し得る第1破断可能部および第2破断可能部を含み、
前記第1破断可能部は、前記弁板の第1領域を囲うように設けられ、
前記第1領域は、前記空隙と対向しており、
前記第2破断可能部は、前記第1領域を内包する、前記弁板の第2領域を囲うように設けられており、
前記第1破断可能部の破断圧力が、前記第2破断可能部の破断圧力よりも大きい、ことを特徴とする。
開口部を有し、前記電極群を収容する有底円筒形の電池ケースと、
前記開口部を封口する封口ユニットと、を含む円筒形電池であって、
前記電極群は、軸方向に沿って延びる空隙を中心に有しており、
前記封口ユニットは、ガス抜き孔を有する端子板と、弁板とを含んでおり、
前記弁板は、前記電池ケースの内圧の上昇により破断し得る第1破断可能部および第2破断可能部を含み、
前記第1破断可能部は、前記弁板の第1領域を囲うように設けられ、
前記第1領域は、前記空隙と対向しており、
前記第2破断可能部は、前記第1領域を内包する、前記弁板の第2領域を囲うように設けられており、
前記第1破断可能部の破断圧力が、前記第2破断可能部の破断圧力よりも大きい、ことを特徴とする。
本発明によれば、円筒形電池に発生する様々な種類、および程度の異常に対応して、封口ユニットに設けられた安全弁を、適時に作動させることができる。これにより、高い安全性を有する円筒形電池が得られる。
本発明は、シート状正極、シート状負極、並びに、両電極間に介在するセパレータを捲回した円筒状の電極群と、開口部を有し、電極群を収容する有底円筒形の電池ケースと、電池ケースの開口部を封口する封口ユニットと、を含む円筒形電池に関する。電極群は、軸方向に沿って延びる空隙を中心に有している。封口ユニットは、ガス抜き孔を有する端子板と、弁板とを含んでいる。弁板は、電池ケースの内圧の上昇により破断し得る第1破断可能部および第2破断可能部を含む。第1破断可能部は、弁板の第1領域を囲うように設けられている。第1領域は、空隙と対向している。第2破断可能部は、第1領域を内包する、弁板の第2領域を囲うように設けられている。
例えば、電池ケースの内圧が緩やかに上昇するような場合は、電池ケース内の各部分の圧力も均一に上昇する。しかしながら、電池に発生した異常の種類や、程度によっては(例えば大電流で電池を過充電したような場合には)、ケース内で非常に急激な圧力上昇が起こることがある。そのような場合には、瞬間的に、ケース内の特定の部分の圧力だけが高くなる。特に、帯状の電極を巻回して構成される円筒形の電極群は、その中央部に、軸方向に延びる空隙が存在するため、その空隙の圧力だけが急激に高くなりやすい。
その結果、弁板の、上記の空隙の端部と対向する中央よりの部分には非常に大きな圧力が掛かる。したがって、弁板の、上記の中央よりの部分にある第1領域(AR1、図2参照)を囲うように第1破断可能部を設けることで、第1破断可能部を、ケース内圧が急激に上昇したときに、十分な応答性で破断させることが可能となる。これにより、そのような破断可能部を含む安全弁が、その作動により電池電流をも遮断するような構造になっていれば、早期に電池電流を遮断することができ、異常の進展を早期に抑えることも可能となる。なお、その安全弁が、作動したときに電池電流を遮断しないような構造であっても、早期にケース内の圧力を下げることができるので、電池の安全性は向上する。
以上のように、ケース内圧が急激に上昇するようなタイプの異常が電池に発生したときには、第1破断可能部により囲われた第1領域(AR1)に大きな影響が及ぶ。よって、そのような場合に第1破断可能部が適時に破断するように、その破断圧力を設定することで、そのようなタイプの異常に対応して、適時に安全弁を作動させることができる。これにより安全弁の誤作動も抑えることができる。
一方、第1領域を内包する、弁板上の第2領域を囲うように、第2破断可能部を設けることで、第2破断可能部により囲われる第2領域(AR2、図1参照)の面積は、第1領域AR1の面積よりも大きくなる。その結果、空隙における圧力の急激な上昇による影響が緩和されて、第2領域AR2に及ぶ。したがって、第2破断可能部の破断圧力を適切に設定することで、電池ケースの内圧が緩やかに上昇するような場合に第2破断可能部を適時に破断させることができる。さらに、ケース内圧の上昇が急激である場合にも、その影響が第1領域よりも相対的に小さいことから、余りにも早期に第2破断可能部の方が破断してしまうような誤作動も防止することができる。
以上説明したように、囲む面積が異なる第1破断可能部および第2破断可能部を弁板に設けることで、様々な種類および程度の異常に対応して、適時に安全弁を作動させることができる。
上述の説明で明らかなように、第1破断可能部の破断圧力と、第2破断可能部の破断圧力とは異ならせるのが好ましい。なお、第1破断可能部の破断圧力と、第2破断可能部の破断圧力とが同じであっても、第1領域の面積と第2領域の面積とが異なることから、ケース内圧の上昇速度が異なる様々なタイプの異常にある程度対応して、適時に安全弁を作動させることも可能である。
また、上述の説明で明らかなように、第1破断可能部の破断圧力は、第2破断可能部の破断圧力よりも高く設定するのが好ましい。これにより、ケース内圧が緩やかに上昇する場合は、破断圧力が小さい第2破断可能部の方が、第1破断可能部よりも先に破断する。したがって、そのような場合に適時に破断するように第2破断可能部の破断圧力を設定する。
一方、ケース内圧の上昇が急激である場合には、ケースの中心にある上記の空隙の圧力が急激に上昇する。このため、第1破断可能部の方に、より大きな圧力が掛かる。その結果、第1破断可能部の破断圧力を、第2破断可能部の破断圧力よりも、誤作動を抑えることができる程度に高めに設定することで、ケース内圧が急激に上昇するタイプの異常に対しても、適時に安全弁を作動させることができる。
以上により、ケース内圧の上昇速度が異なる様々な種類および程度の異常に対応して、適時に安全弁を作動させることが可能となる。
ここで、第1破断可能部は、上記空隙の径よりも大きい径を有する円形であるのが好ましい。第1破断可能部の径を、上記の空隙の径よりも大きめに設定することで、空隙で急激な圧力の上昇が起こったような場合に、その上昇した圧力を効果的に第1領域(AR1)に掛けることができる。よって、ケース内圧の急激な上昇に追随して、より確実に、適時に安全弁を作動させることができる。なお、第1破断可能部および第2破断可能部は、円形に限らず、三角形以上の多角形とすることもできる。この場合にも角の数は多いほど好ましい。
上記空隙に、一端部が第1領域と対向している吹き抜け部を有する芯部材を配置することで、空隙において上昇した圧力を、吹き抜け部を通して、第1領域だけに集中させることが容易となる。よって、ケース内圧が急激に上昇したような場合に、より確実に、第1破断可能部を優先的に破断させることができる。このように、各破断可能部の破断時期のコントロールが確実となる。
さらに、芯部材を、例えば、Cの字状の横断面を有するように形成することで、側壁にスリットを形成することができ、そのスリットを通して、各電極で発生したガスを吹き抜け部に容易に集中させることができる。その結果、上記の効果がより確実となる。または、例えば、芯部材の側壁に、吹き抜け部と連通する1以上の通気孔を設けることによっても、同様の理由で、各電極で発生したガスを吹き抜け部に容易に集中させることができる。
本発明の一形態においては、封口ユニットは、それぞれが導電性を有する2つの弁板を含んでいる。2つの弁板の一方は、第1破断可能部および第2破断可能部を含む上記の弁板である。2つの弁板の他方は、第1領域と対向する第3領域を囲うように設けられた第3破断可能部を含んでいる。そして、第3領域の少なくとも一部が第1領域と接触することで、2つの弁板は互いに導通している。このように、封口ユニットに2つの弁板を含ませることで、安全弁が作動したときに、電池電流を遮断することも可能となる。なお、封口ユニットに含まれる弁板の数は2に限らず、3以上とすることもできる。
そして、例えば、2つの弁板の一方を正極または負極と導通させ、2つの弁板の他方を端子板と導通させ、第1領域と第3領域とを溶接することで、第1破断可能部および第3破断可能部の少なくとも一方の破断により、2つの弁板の間の導通を遮断することができる。これにより、ケース内圧が急激に上昇するような異常が電池に発生したときに、異常の進展を止めることができる。よって、より確実に電池の安全を確保することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1に本発明の一実施形態に係る円筒形電池の概略構成を断面図により示す。図示例の電池10は、円筒形のリチウムイオン二次電池であり、正極2と、負極3と、それらの間に介在されるセパレータ4とを渦巻き状に捲回して構成された電極群20を備えている。
電極群20は、非水電解質(図示せず)とともに、開口部を有する有底円筒形の金属製の電池ケース1に収納される。電極群20は、中心に、軸方向に沿って延びる円筒状の空隙20aを有している。空隙20aには、内部に吹き抜け部23aが形成された、中空円筒状の芯部材23が、空隙20aと同軸に配置されている。
電池ケース1の開口部は封口ユニット(ないしは組立封口体)5により封口され、これにより電極群20および非水電解質は電池ケース1の内部に密閉されている。電池ケース1の内部において、電極群20の上側および下側には、それぞれ絶縁板8Aおよび8Bが配設されている。
封口ユニット5は、導体からなるハット状の端子板11、環状のPTC(positive temperature coefficient:正温度係数)サーミスタ板12、導体からなる円形の上弁板13および下弁板15、導体からなる基板16、並びに、絶縁体からなるガスケット14を含んでいる。ガスケット14は、上弁板13の周辺部と下弁板15の周辺部との間に一部分が挟まれており、これにより、上弁板13の周辺部と下弁板15の周辺部とが接触するのを防いでいる。ガスケット14の他の部分は、後で説明する基板16の円筒部16bと、端子板11、PTCサーミスタ板12および上弁板13の周縁部と、が接触しないように、それらの間に挟まれている。
封口ユニット5の周縁部と電池ケース1の開口部との間には、絶縁体からなる他のガスケット9が配設される。ガスケット9は、封口ユニット5と電池ケース1との間を封止するとともに、それらの間を絶縁している。
端子板11とPTCサーミスタ板12とはそれらの周縁部で接触している。PTCサーミスタ板12と上弁板13とはそれらの周縁部で接触している。上弁板13と下弁板15とはそれらの中央部で接触している。下弁板15と基板16とはそれらの周縁部で接触している。以上の結果、端子板11と基板16とは導通している。
さらに、基板16と、正極2とは、正極リード6を介して導通している。その結果、端子板11と正極2とが導通しており、端子板11が、正極外部端子として機能する。一方、電池ケース1が、負極3と負極リード7を介して導通しており、電池10の負極外部端子として機能する。なお、正極2と電池ケース1とを導通させ、負極3と基板16とを導通させることにより、端子板11を負極外部端子とし、電池ケース1を正極外部端子とすることもできる。
円形の上弁板13の上側(端子板11側)の面には、上弁板13と同軸心に、環状の溝13aが形成されている。これにより、上弁板13には環状の薄肉部(第3破断可能部)が形成されている。その薄肉部が、ケース内圧の上昇により破断することで、上弁板13の中央部に例えば円形の弁孔が形成される。なお、薄肉部の一部分だけが破断した場合にも、その破断した部分が弁孔として機能する。
図2に、下弁板を下側(基板16側)から見た底面図を示す。同図に示すように、円形の下弁板15の下面にも、下弁板15と同軸心に、径が互いに異なる2つの環状の溝15a(第1破断可能部と対応している)および15b(第2破断可能部と対応している)が形成されている。これにより、下弁板15には、径が互いに異なる2つの環状の薄肉部(第1破断可能部および第2破断可能部)が同軸心に形成されている。それらの薄肉部が、ケース内圧の上昇により破断することで、下弁板15の中央部に、径の異なる円形の2種類の弁孔が形成可能である。なお、それぞれの薄肉部の一部分だけが破断した場合にも、その破断した部分がそれぞれ弁孔として機能する。
内側の溝15aにより囲われた第1領域AR1は円形であり、その径は、空隙20aの横断面の径よりも所定割合(例えば、5〜25%)だけ大きくするのが好ましい。上記割合を、25%以下に設定することで、第1領域AR1の面積が大きくなり過ぎるのを避けることができ、空隙20aで圧力が急激に上昇したときに、その圧力上昇による影響が均されるのを防止することができる。よって、十分な応答性で、溝15aを含む安全弁を作動させることができる。つまり、上記割合が大きすぎると、第1領域AR1の面積が大きくなり、圧力がその大きな面積で平均化されるために、空隙20aでの圧力の急激な上昇による影響が相対的に小さくなるからである。一方、上記割合を5%以上に設定することで、あらかじめ設定される破断圧力でより正確に溝15aを破断させることが容易となる。つまり、第1領域AR1の面積が小さすぎると、溝15aが実際に破断するときの圧力が変動しやすくなるからである。
ここで、溝13aと対応する薄肉部(第3破断可能部)の破断圧力(以下、単に溝13aの破断圧力ともいう)P1、溝15aと対応する薄肉部(第1破断可能部)の破断圧力(以下、単に溝15aの破断圧力ともいう)P2、溝15bと対応する薄肉部(第2破断可能部)の破断圧力(以下、単に溝15bの破断圧力ともいう)P3は、互いに異ならせることができる。後で述べる理由により、例えば、溝15aの破断圧力P2は、溝15bの破断圧力P3よりも大きくするのが好ましい。溝13aの破断圧力P1は、破断圧力P2およびP3よりも大きくするのが好ましい。つまり、不等式:P1>P2>P3を満足するようにそれぞれの破断圧力を設定するのが好ましい。ここで、各溝の破断圧力とは、それぞれの溝により囲まれた領域に均一な圧力が掛かった状態で、各溝と対応する薄肉部が破断する(以下、溝が破断する、ともいう)ときの圧力をいう。なお、P1>P2が好ましい理由は、P1>P2とすることにより、溝15aが破断したときに溝13aが同時に破断してしまうのを防止することができるからである。これにより、漏液を防止することができる。したがって、電池の安全性を高めることができる。
上記各溝の破断圧力は、以下のようにして調整することができる。例えば、下弁板15を円状の刻印型でプレスすることで、溝15aおよび15bを形成することが可能である。このとき、その溝の深さを変化させることで破断圧力を変化させることができる。また、第1領域AR1および、溝15bにより囲われた第2領域AR2(ただし、第2領域AR2は、第1領域AR1を内包している)の面積を変化させることでも、溝15aおよび溝15bの破断圧力を変化させることが可能である。下弁板の素材としては、アルミニウムなどの加工性に優れ、高い強度を持つ金属が好ましい。上弁板13に対しても、上記の刻印形を使用して、同様にして溝13aを形成することができる。また、上弁板13も下弁板15と同様の金属で構成することができる。
基板16は、薄い円皿状の本体16aと、その周縁部から立ち上がる円筒部16bとを有している。本体16aの中央部で、空隙20aの端部と対向する位置には、円形のガス抜き孔21が設けられている。これにより、空隙20aおよび芯部材23のそれぞれの一端部は、下弁板15の中央部(第1領域AR1)と直接的に対向している。端子板11も複数のガス抜き孔22を有しており、溝13aと、溝15aまたは15bとが破断することで、ケース内部のガスが外部に放出される。
円筒部16bは、上端に、内側に向かって折り曲げられた折り曲げ部を有している。この折り曲げ部により、端子板11、PTCサーミスタ板12、上弁板13、ガスケット14、および下弁板15が、本体16に保持される。
なお、環状のPTCサーミスタ板12の中央の孔の内径は、上弁板13の溝13aの径よりもわずかに大きくされている。そして、上弁板13の溝13aにより囲まれた領域(第3領域)は、全体がPTCサーミスタ板12の中央の孔の投射形状と重なっている。ガスケット14の中央の孔の内径はPTCサーミスタ板12の中央の孔の内径よりも大きくされている。PTCサーミスタ板12の中央の孔の投射形状は、全体がガスケット14の中央の孔の投射形状と重なっている。基板16のガス抜き孔21の径は下弁板15に設けられた外側の環状の溝15bの径よりも十分に大きくされている。
なお、図1では明らかではないが、図3に誇張して示すように、上弁板13は、中央部が下側(基板16側)に向かって突き出た形状を有している。一方、下弁板15は、中央部が上側(端子板11側)に向かって突き出た形状を有している。そして、上弁板13で溝13aにより囲われた領域の中央部と、下弁板15で内側の溝15aにより囲われた第1領域AR1の中央部とが互いに溶接されて、上弁板13と下弁板15とが導通している。
そして、図4に示すように、下弁板15の溝15aまたは溝15bが、ケース内圧の上昇により破断する(図示例では、内側の溝15aが破断している)と、破断した溝15aまたは15bにより囲われた領域に弁孔が形成される。それと同時に、上弁板13の中央部で下側に向かって突き出ていた部分が、下側から押されて反転して、上側に向かって突き出た形状になる。その結果、上弁板13と下弁板15との導通状態が解除されて、電池10の電流が遮断される。
その状態で、さらにケース内圧が上昇すると、図5に示すように、上弁板13の溝13aが破断し、その破断した溝13aにより囲われた領域に弁孔が形成される。その結果、ケース内で発生したガスが、基板16のガス抜き孔21、上弁板13および下弁板15にそれぞれ形成された弁孔、ならびに、端子板11のガス抜き孔22を通過して外部に放出される。このとき、PTCサーミスタ板12は、過大な電流が流れると温度が上昇し、電流を遮断するように機能する。
次に、上記構成の電池10の安全弁の動作を説明する。
電極群20の各電極で発生したガスは、各電極の隙間を通って、電極群20の上方および下方に抜ける。電極群20の下方に抜けたガスは、電池ケース1の底部に沿って、電極群20の中心の空隙20aに流れ込む。空隙20aに流れ込んだガスは、空隙20a、または芯部材23の吹き抜け部23bを通って上昇し、下弁板15へ向かって放出される。
電極群20の各電極で発生したガスは、各電極の隙間を通って、電極群20の上方および下方に抜ける。電極群20の下方に抜けたガスは、電池ケース1の底部に沿って、電極群20の中心の空隙20aに流れ込む。空隙20aに流れ込んだガスは、空隙20a、または芯部材23の吹き抜け部23bを通って上昇し、下弁板15へ向かって放出される。
よって、電池10に異常が発生し、ケース内圧が急激に上昇したような場合には、下弁板15の中央部に対して、局所的に非常に大きな圧力が掛かる。これにより、特に、空隙20aと対応して設けられている第1領域AR1に非常に大きな圧力が掛かる。その結果、溝15aの破断圧力がより大きな圧力に設定されているにも拘わらず、ケース内圧の急激な上昇に追随して、安全弁が作動する。このとき、芯部材23の吹き抜け部23bにより、電池ケース内部で発生したガスが効率よく収集され、第1領域AR1に向かって放出されるために、第1領域AR1に、局所的に大きな圧力が確実に掛かる。したがって、溝15aが、より確実に破断する。
これにより、図4に示したように、上弁板13と下弁板15との間の導通状態が解除されて、電池10の電流が早期に遮断される。よって、異常の進展が阻止されるので、電池の安全性を向上させることができる。しかも、溝15aの破断圧力が比較的高めに設定されていることから、軽微な異常(例えば、ごく短時間の短絡、軽微な過充電状態)の発生等に起因して、空隙20aの圧力が比較的大きく上昇したような場合にも、溝15aが破断して、安全弁が誤作動するのを防止することができる。
一方、ケース内圧が緩やかに上昇したような場合には、破断圧力がより小さな圧力に設定されている外側の溝15bが内側の溝15aよりも先に破断する。よって、外側の溝15bの破断圧力を適切に設定することにより、ケース内圧が緩やかに上昇するような異常が電池10に生じた場合に、適時に外側の溝15bを破断させることができる。
以上の結果、内部圧力の上昇速度が異なる様々なタイプの電池の異常に対応して、適時に安全弁を作動させることができる。これにより、電池の安全性が向上する。なお、溝15aおよび溝15bの破断圧力を同じにした場合にも、内部圧力の上昇が急激であるような異常に対応しつつ、安全弁の誤作動を抑えることが可能である。
次に、本発明の実施形態2を説明する。
(実施形態2)
図6に、本発明の実施形態2の円筒形電池に使用される芯部材を、横断面図により示す。図示例の芯部材24もまた中空であり、吹き抜け部24aを有するとともに、横断面がCの字状に形成されている。その結果、側壁にスリット24bが形成されており、吹き抜け部24aは、スリット24bを介して外部と連通している。スリット24bを通して、吹き抜け部24a内にガスが流入するので、より効率的にケース内部のガスを吹き抜け部24aに集めることができる。
(実施形態2)
図6に、本発明の実施形態2の円筒形電池に使用される芯部材を、横断面図により示す。図示例の芯部材24もまた中空であり、吹き抜け部24aを有するとともに、横断面がCの字状に形成されている。その結果、側壁にスリット24bが形成されており、吹き抜け部24aは、スリット24bを介して外部と連通している。スリット24bを通して、吹き抜け部24a内にガスが流入するので、より効率的にケース内部のガスを吹き抜け部24aに集めることができる。
次に、本発明の実施形態3を説明する。
(実施形態3)
図7に、本発明の実施形態3の円筒形電池に使用される芯部材を、正面図により示す。図示例の芯部材25もまた中空であり、吹き抜け部25aを有するとともに、側壁に1以上の通気孔25bが形成されている。したがって、芯部材25の吹き抜け部25aは、通気孔25bを介して外部と連通しており、吹き抜け部25aに、より効率的にケース内部のガスを集めることができる。なお、図示例では、9個の通気孔25bが一列に並んでいるが、これに限らず、さらに多数の通気孔25bを、芯部材25の側壁の全体に分散して設けてもよい。
(実施形態3)
図7に、本発明の実施形態3の円筒形電池に使用される芯部材を、正面図により示す。図示例の芯部材25もまた中空であり、吹き抜け部25aを有するとともに、側壁に1以上の通気孔25bが形成されている。したがって、芯部材25の吹き抜け部25aは、通気孔25bを介して外部と連通しており、吹き抜け部25aに、より効率的にケース内部のガスを集めることができる。なお、図示例では、9個の通気孔25bが一列に並んでいるが、これに限らず、さらに多数の通気孔25bを、芯部材25の側壁の全体に分散して設けてもよい。
次に、本発明の実施例を説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
以下のようにして、リチウムイオン二次電池を作製した。
以下のようにして、リチウムイオン二次電池を作製した。
(1−1)正極活物質の作製
NiSO4の水溶液に、所定比率のCo2(SO4)3およびAl3(SO4)2を加え、飽和水溶液を調製した。この飽和水溶液を攪拌しながら、それに水酸化ナトリウム水溶液をゆっくりと滴下し、飽和水溶液を中和することで、共沈法により水酸化物Ni0.8Co0.15Al0.05(OH)2の沈殿を得た。得られた沈殿物を、ろ過し、水洗した後、80℃で乾燥した。この水酸化物に、Ni、CoおよびAlのモル数の和とLiのモル数とが等量になるように水酸化リチウム1水和物を加え、その混合物を、乾燥空気中にて800℃で10時間熱処理した。以上のようにして、正極活物質としてのLiNi0.8Co0.15Al0.05O2を製造した。
NiSO4の水溶液に、所定比率のCo2(SO4)3およびAl3(SO4)2を加え、飽和水溶液を調製した。この飽和水溶液を攪拌しながら、それに水酸化ナトリウム水溶液をゆっくりと滴下し、飽和水溶液を中和することで、共沈法により水酸化物Ni0.8Co0.15Al0.05(OH)2の沈殿を得た。得られた沈殿物を、ろ過し、水洗した後、80℃で乾燥した。この水酸化物に、Ni、CoおよびAlのモル数の和とLiのモル数とが等量になるように水酸化リチウム1水和物を加え、その混合物を、乾燥空気中にて800℃で10時間熱処理した。以上のようにして、正極活物質としてのLiNi0.8Co0.15Al0.05O2を製造した。
(1−2)正極の作製
次に、上記で得られた正極活物質100重量部と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン1.7重量部と、導電材としてのアセチレンブラック2.5重量部と、適量のN−メチル−2−ピロリドンとを、双腕式練合機により攪拌して混合することで、正極ペーストを得た。この正極ペーストを、厚み15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布し、それを乾燥することで、正極集電体の両面に正極活物質層を形成した。正極活物質層が両面に形成された正極集電体を圧延した後、裁断することで、帯状の正極(厚み0.128mm、幅57mm、長さ667mm)を得た。
次に、上記で得られた正極活物質100重量部と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン1.7重量部と、導電材としてのアセチレンブラック2.5重量部と、適量のN−メチル−2−ピロリドンとを、双腕式練合機により攪拌して混合することで、正極ペーストを得た。この正極ペーストを、厚み15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布し、それを乾燥することで、正極集電体の両面に正極活物質層を形成した。正極活物質層が両面に形成された正極集電体を圧延した後、裁断することで、帯状の正極(厚み0.128mm、幅57mm、長さ667mm)を得た。
(2)負極の作製
負極活物質としてのグラファイト100重量部と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン0.6重量部と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース1重量部と、適量の水とを、双腕式練合機により攪拌して混合することで、負極ペーストを得た。この負極ペーストを厚み8μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥することで、負極集電体の両面に負極活物質層を形成した。負極活物質層が両面に形成された負極集電体を圧延した後、裁断することで、帯状の負極(厚み0.155mm、幅58.5mm、長さ745mm)を得た。
負極活物質としてのグラファイト100重量部と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン0.6重量部と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース1重量部と、適量の水とを、双腕式練合機により攪拌して混合することで、負極ペーストを得た。この負極ペーストを厚み8μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥することで、負極集電体の両面に負極活物質層を形成した。負極活物質層が両面に形成された負極集電体を圧延した後、裁断することで、帯状の負極(厚み0.155mm、幅58.5mm、長さ745mm)を得た。
(3)非水電解液の調整
エチレンカーボネートと、メチルエチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとを体積比1:1:8の割合で混合した非水溶媒に、LiPF6を1mol/Lの濃度で溶解して非水電解液を調製した。
エチレンカーボネートと、メチルエチルカーボネートと、ジメチルカーボネートとを体積比1:1:8の割合で混合した非水溶媒に、LiPF6を1mol/Lの濃度で溶解して非水電解液を調製した。
(4)封口ユニットの作製
図1に示した構造の封口ユニット5を作製した。上弁板13および下弁板15はアルミニウム製とした。端子板11は鉄製とし、基板16はアルミニウム製とした。ガスケット14はポリプロピレン製とした。下弁板15を、径の異なる2つの刻印型でプレスすることにより、直径4mmの溝15bと、その内部の直径2.6mmの溝15aとを、形成した。このとき、破断圧力が1.23MPaとなるように、厚み0.10mmの下弁板に、深さ0.05mmの溝15bを形成した。一方、破断圧力が1.81MPaとなるように、同じ下弁板に、0.02mmの溝15aを形成した。開口部における溝15aの幅は0.02mmであった。開口部における溝15bの幅は0.05mmであった。
各溝の幅は、0.05mmと0.02mmであった。
図1に示した構造の封口ユニット5を作製した。上弁板13および下弁板15はアルミニウム製とした。端子板11は鉄製とし、基板16はアルミニウム製とした。ガスケット14はポリプロピレン製とした。下弁板15を、径の異なる2つの刻印型でプレスすることにより、直径4mmの溝15bと、その内部の直径2.6mmの溝15aとを、形成した。このとき、破断圧力が1.23MPaとなるように、厚み0.10mmの下弁板に、深さ0.05mmの溝15bを形成した。一方、破断圧力が1.81MPaとなるように、同じ下弁板に、0.02mmの溝15aを形成した。開口部における溝15aの幅は0.02mmであった。開口部における溝15bの幅は0.05mmであった。
各溝の幅は、0.05mmと0.02mmであった。
同様に、上弁板13を、刻印型でプレスすることにより、直径4mmの溝13aを形成した。このとき、破断圧力が2.35MPaとなるように0.15mmの厚みの上弁板13に、深さ0.05mmの溝13aを形成した。溝の幅は、0.05mmであった。
(5)電池の組立
上記で得られた正極2と負極3と、両電極を隔離するセパレータ4とを渦巻き状に巻回して電極群20を構成した。セパレータには、厚み16μmのポリプロピレン製の微多孔膜を用いた。この電極群を有底円筒形の電池ケース1(径18mm、高さ65mm)内に挿入した。このとき、電極群20の上部および下部にはそれぞれ絶縁板8Aおよび8Bを配した。
上記で得られた正極2と負極3と、両電極を隔離するセパレータ4とを渦巻き状に巻回して電極群20を構成した。セパレータには、厚み16μmのポリプロピレン製の微多孔膜を用いた。この電極群を有底円筒形の電池ケース1(径18mm、高さ65mm)内に挿入した。このとき、電極群20の上部および下部にはそれぞれ絶縁板8Aおよび8Bを配した。
上記で得られた非水電解液を電池ケース内に注入した。負極より引き出された負極リード7を電池ケース1の内底面に溶接し、正極より引き出された正極リード6を封口ユニット5の下面に溶接した。電池ケース1の開口端部を、ガスケット9を介して封口ユニット5の周縁部にかしめつけ、電池ケース1の開口部を封口した。このようにして、18650サイズの円筒形リチウムイオン二次電池(径18mm、高さ65mm)を20個作製した。
(実施例2)
下弁板15の溝15aおよび溝15bの破断圧力が、ともに1.23MPaとなるように、それぞれの深さを0.05mmに設定した。それ以外は、実施例1と同様にして、20個の電池を作製した。
下弁板15の溝15aおよび溝15bの破断圧力が、ともに1.23MPaとなるように、それぞれの深さを0.05mmに設定した。それ以外は、実施例1と同様にして、20個の電池を作製した。
(比較例1)
下弁板15に溝15bのみを設けたこと以外は、実施例1と同様にして、20個の電池を作製した。
下弁板15に溝15bのみを設けたこと以外は、実施例1と同様にして、20個の電池を作製した。
以上のようにして作製された実施例1、2および比較例1の各20個の電池に対して以下のような試験を実施した。
(過充電試験A)
25℃の環境の下で、実施例1、2および比較例1の各10個の電池を、500mA(0.3C相当の電流。ただし、1Cは、公称容量に相当する電気量を1時間で充電し得る電流値である)の電流で、電流が遮断するか、もしくは端子板11の孔22付近に発煙が認められるまで充電した。そして、発煙した電池の個数をカウントした。その結果を、下記表1に示す。
25℃の環境の下で、実施例1、2および比較例1の各10個の電池を、500mA(0.3C相当の電流。ただし、1Cは、公称容量に相当する電気量を1時間で充電し得る電流値である)の電流で、電流が遮断するか、もしくは端子板11の孔22付近に発煙が認められるまで充電した。そして、発煙した電池の個数をカウントした。その結果を、下記表1に示す。
(過充電試験B)
25℃の環境の下で、実施例1、2および比較例1の各10個の電池を、5000mA(3C相当の電流)の電流で、電流が遮断するか、もしくは端子板11の孔22付近に発煙が認められるまで充電した。そして、発煙した電池の個数をカウントした。その結果を、下記表1に示す。
25℃の環境の下で、実施例1、2および比較例1の各10個の電池を、5000mA(3C相当の電流)の電流で、電流が遮断するか、もしくは端子板11の孔22付近に発煙が認められるまで充電した。そして、発煙した電池の個数をカウントした。その結果を、下記表1に示す。
表1から明らかなように、過充電試験Aにおいては、実施例1、実施例2、および比較例1のいずれにおいても、発煙した電池はなかった。これは充電電流が小さい過充電試験Aでは、ケース内圧が緩やかに上昇したために、下弁板にかかる圧力も均一であったためと考えられる。その結果、全ての電池において、ケース内圧が溝15bの破断圧力に達したときに安全弁が正常に作動したものと考えられる。
一方、大電流で充電した過充電試験Bにおいては、実施例1および実施例2では発煙した電池はなかったものの、比較例1では、10個のうち7個の電池が発煙した。これは過充電試験Bでは、ケース内圧の上昇が急激であったために、比較例1では、発煙を防止するように、十分な応答性で安全弁が作動しなかったものと考えられる。これに対して、実施例1および実施例2では、ケース内圧の急激な上昇により、ガスが電極群の中心部の空隙に集中し、そのガスが芯部材の吹き抜け部等を通り抜けて、第1領域AR1に集中的に吹き付けたものと考えられる。その結果、内側の溝15aを含む安全弁が比較例1の安全弁(溝15bを含む安全弁)よりも早い時期に作動して、電池電流が遮断されたためであると考えられる。
また、実施例2は、過充電試験Bで発煙した電池はなかったものの、通常の充電停止電圧(例えば4.2V)よりも少し高い4.4V付近まで電池を充電したときに、安全弁が作動した電池が3個あった。一方、実施例1では、その程度の電圧で安全弁が作動した電池はなかった。このような差異は、実施例2の溝15aの破断圧力が実施例1のそれよりも低かったために、比較的に低い電圧(通常の充電停止電圧を超えてはいる)でも、電極群の空隙での急激な圧力の上昇により、溝15aを含む安全弁が作動してしまったものと考えられる。この点で実施例1の方が、安全弁の誤作動を抑える能力は高いといえる。しかしながら、通常の電池の使用では、充電停止電圧を超えて充電が行われることはないので、実施例2の電池でも、十分に本発明の効果が得られるものと考えられる。
上記結果より、本発明の円筒形電池は、従来の円筒形電池に比較して、安全性が向上していることがわかる。
本発明によれば、安全性がさらに向上された円筒形電池を提供することができる。このような本発明の円筒形電池は、特にパーソナルコンピュータ、携帯電話、モバイル機器、携帯情報端末(PDA)、携帯用ゲーム機器並びにビデオカメラ等の携帯用電子機器の電源として有用である。また、ハイブリッドカー、電気自動車、燃料電池自動車等の交通用機器において、その電動機の駆動を補助する電源としても有用である。また、電動工具、掃除機、およびロボット等の駆動用電源としても有用であり、プラグインHEVの動力源としても有用である。
1 電池ケース
2 正極
3 負極
4 セパレータ
5 封口ユニット
9、14 ガスケット
10 電池
11 端子板
13 上弁板
15 下弁板
20 電極群
21 内部ガス抜き孔
22 外部ガス抜き孔
23 芯部材
2 正極
3 負極
4 セパレータ
5 封口ユニット
9、14 ガスケット
10 電池
11 端子板
13 上弁板
15 下弁板
20 電極群
21 内部ガス抜き孔
22 外部ガス抜き孔
23 芯部材
Claims (7)
- シート状正極、シート状負極、並びに、両電極間に介在するセパレータを捲回した円筒状の電極群と、
開口部を有し、前記電極群を収容する有底円筒形の電池ケースと、
前記開口部を封口する封口ユニットと、を含む円筒形電池であって、
前記電極群は、軸方向に沿って延びる空隙を中心に有しており、
前記封口ユニットは、ガス抜き孔を有する端子板と、弁板とを含んでおり、
前記弁板は、前記電池ケースの内圧の上昇により破断し得る第1破断可能部および第2破断可能部を含み、
前記第1破断可能部は、前記弁板の第1領域を囲うように設けられ、
前記第1領域は、前記空隙と対向しており、
前記第2破断可能部は、前記第1領域を内包する、前記弁板の第2領域を囲うように設けられており、
前記第1破断可能部の破断圧力が、前記第2破断可能部の破断圧力よりも大きい、円筒形電池。 - 前記第1破断部が、前記空隙の径よりも大きい径を有する円形である、請求項1記載の円筒形電池。
- 前記空隙に、一端部が前記第1領域と対向している吹き抜け部、を有する芯部材が配置されている、請求項1または2記載の円筒形電池。
- 前記芯部材が、Cの字状の横断面を有している、請求項3記載の円筒形電池。
- 前記芯部材が、前記吹き抜け部と連通する1以上の通気孔が設けられた側壁を有している、請求項3記載の円筒形電池。
- 前記封口ユニットが、それぞれ導電性を有する2つの弁板を含んでおり、
前記2つの弁板の一方は、前記第1破断可能部および前記第2破断可能部を含む前記弁板であり、
前記2つの弁板の他方は、前記第1領域と対向する第3領域を囲うように設けられた第3破断可能部を含み、
前記第3領域の少なくとも一部が前記第1領域と接触して、前記2つの弁板が互いに導通している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の円筒形電池。 - 前記2つの弁板の一方が、前記正極または前記負極と導通しており、
前記2つの弁板の他方が、前記端子板と導通しており、
前記第1領域が、前記第3領域と溶接されており、
前記第1破断可能部および前記第3破断可能部の少なくとも一方の破断により、前記2つの弁板の間の導通が遮断可能である、請求項6記載の円筒形電池。
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