JP5110288B2 - 過給機 - Google Patents

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Description

本発明は、流体を動翼に供給する渦巻き形状の流路を備えたスクロール部のスクロール部構造を備えた過給機に関し、特に、圧力損失を低減することができる過給機に関する。
流体を動翼に供給して、流体の運動エネルギーを回転運動に変換して動力を得る回転式原動機は、一般にタービンと呼ばれている。かかるタービンを利用した装置の一つに過給機がある。例えば、車両用の過給機(ターボチャージャー)は、排気ガスの供給によりタービン動翼を回転させるガスタービンと、前記タービン動翼と同軸に連結された羽根車により空気を吸入するコンプレッサと、を備えている。前記コンプレッサにより吸入された空気は、圧縮されてエンジンに供給され、燃料と混合されて燃焼される。燃焼後の排気ガスは、前記タービンに送られて仕事をした後、最終的に大気中に放出される。前記排気ガスを前記タービン動翼に供給する流路は、排気ガスを加速させるために、前記タービン動翼の回転軸周りに渦巻き形状に形成されたスクロール部を有し、前記タービン動翼の周方向端面から前記排気ガスを供給するように構成されている。
かかる過給機において、車両のエンジンの回転数に合わせて適切なタービン出力を得るために、スクロール部とタービン動翼との間の流路に複数の回動可能なベーン(翼)を配置した可変ノズル機構を備えた可変容量過給機が開発されている(例えば、特許文献1及び2参照)。近年、過給機の性能向上が益々要求されるようになっており、可変容量過給機における圧力損失をより低減したいというニーズがある。過給機の圧力損失を低減しようとした場合、同じ流量であれば流路断面積が大きい方が流速を抑えることができるため、圧力損失を低減させることができる。しかしながら、車載条件等との関係から、過給機又はタービンの設計において、スクロール部をある一定の大きさ以上に設計することができない。そこで、特許文献2に記載されたようなスクロール部を内側に拡径した過給機が提案されている。かかる過給機では、特許文献1の図5と特許文献2の図1を比較すると理解し易いように、可変ノズル機構の一部がスクロール部内に突出した構造になっている。
特開2002−206427号公報 特開2006−132386号公報
しかしながら、特許文献2に記載されたような可変容量過給機では、スクロール部内に突出した可変ノズル機構の一部が排気ガスの流れを阻害し、流路断面積を大きくしたことによる圧力損失の低減効果を減殺してしまう要因となっていた。
本発明は上述した問題点に鑑み創案されたものであり、可変ノズル機構の一部がスクロール部に突出した可変容量過給機であっても、動翼に供給される流体の圧力損失を低減することができる過給機を提供することを目的とする。
本発明によれば、排気ガスの供給によりタービン動翼を回転させるガスタービンと、前記タービン動翼と同軸に連結された羽根車により空気を吸入するコンプレッサと、を備えた過給機であって、前記ガスタービンは、前記タービン動翼の回転軸周りに渦巻き形状に形成された流路を備えたスクロール部を有し、前記スクロール部の外縁は、半径が一定に形成された円弧部と、該円弧部から前記スクロール部の終点に向かって半径が漸減した漸減部と、を有し、前記円弧部は、その接線方向と前記流体の前記スクロール部の入口における流れ方向とが一致する点を始点として形成されており、前記円弧部に対応する前記スクロール部の内縁は、半径が漸増するように形成されている、ことを特徴とする過給機が提供される。
前記円弧部は、中心角が180°以上であってもよい。
前記漸減部に対応する前記スクロール部の内縁は、半径が一定となるように形成されていてもよい。
前記ガスタービンは、前記スクロール部から前記タービン動翼に流体を供給する導入路に複数の回動可能なベーンを配置した可変ノズル機構を備え、該可変ノズル機構の一部が前記スクロール部に突出するように配置されていてもよい。
上述した本発明の過給機によれば、スクロール部の外縁が始点から半径が漸減した従来のスクロール構造に替えて、半径一定の円弧部を形成したことにより、スクロール部を流れる流体を速やかに円弧部に沿って外縁側に寄せることができるとともに、スクロール部と動翼との間の流路に対する流体の流入角度を小さくすることができ、圧力損失を低減することができる。特に、可変ノズル機構の一部がスクロール部に突出するように配置されたタービンにおいて、突出した部分を避けるように流体を流すことができ、圧力損失を効果的に低減することができる。
また、円弧部の始点を外縁の接線方向とスクロール部の入口における流体の流れ方向と一致する点としたことにより、実質的に圧力損失が問題となる部分に円弧部を形成することができ、効果的に圧力損失を低減することができる。また、円弧部の中心角を180°以上とすることにより、十分な圧力損失効果を発揮させることができる。
また、円弧部に対応する内縁の半径を漸増させることにより、円弧部において、流路断面積が漸減するスクロール部を形成することができる。また、漸減部に対応する内縁の半径を一定に形成することにより、漸減部において、流路断面積が漸減するスクロール部を形成することができる。なお、漸減部に対応する内縁の半径を漸増させることによっても、流路断面積が漸減するスクロール部を形成することができることは言うまでもない。
以下、本発明の実施形態について図1〜図7を用いて説明する。ここで、図1は、本発明のスクロール部構造に係る第一実施形態を示す平面図であり、(A)は本発明のスクロール部構造、(B)は従来技術のスクロール部構造である。
図1(A)に示すように、本発明のスクロール部構造は、流体Gを動翼に供給して動力を得るタービンの動翼の回転軸周りに渦巻き形状に形成された流路を備えたスクロール部1のスクロール部構造であって、スクロール部1の外縁2は、半径Rが一定に形成された円弧部2aと、円弧部2aの終点P2からスクロール部1の終点P3に向かって半径Rが漸減した漸減部2bと、を有することを特徴とする。なお、図1(A)において点線で示す構成部品は、タービンの動翼が立設されるタービンディスク4を示している。
前記円弧部2aは、外縁2の接線方向とスクロール部1の入口における流体Gの流れ方向と一致する点である始点P1から形成されている。ここで、説明の便宜上、始点P1の位置を0°と規定する。したがって、図1(A)に示した円弧部2aの終点P2の位相は約250°に設定され、スクロール部1の終点P3の位相は約310°に設定されている。すなわち、ここでは円弧部2aの中心角は、約250°に設定されていることとなる。そして、本発明のスクロール部構造では、始点P1から終点P2の間における外縁2の半径Rが一定の大きさに形成されている。この半径Rの円C1は、スクロール部1の設計時に与えられる最大外形を規定するフレームサイズであり、適用されるタービン又は過給機の種類や出力に応じて異なるものである。なお、円弧部2aの上流側には、流体Gをスクロール部1に導入するための直線部2cが形成されている。
前記漸減部2bは、円弧部2aの終点P2からスクロール部1の終点P3を結ぶ曲線であり、外縁2の半径Rが徐々に減っていくように形成されている。この漸減部2bの半径Rの変化量は、円弧部2aの終点P2の位相によって変化するものであるが、変化量が大きくなるとスクロール部1を流れる流体Gの流れを阻害する抵抗となり易い。一方で、円弧部2aを長く(終点P2の位相を大きく)した方が圧力損失を低減し易い。そこで、本発明のスクロール部構造を採用する場合には、適用されるタービン又は過給機の種類や出力に応じて円弧部2aの終点P2の位相を設定する必要がある。種々のタービンや過給機を想定したうえで、円弧部2aの終点P2の位相を設定する際の指針を経験的に示すとすれば、好ましくは180°以上であり、好ましくは180°以上270°以下であり、好ましくは225°以上270°以下である。
前記内縁3は、外縁2の始点P1に対応する始点Q1からスクロール部1の終点P3に向けて半径rが漸増するように形成されている。ここで、スクロール部1の終点P3を通る円C2を描くと、内縁3は円C2に漸近する曲線により形成される。ここで、内縁3と外縁2の同位相における中心点の軌跡を考えると、図1(A)から明らかなように、円C2よりも外側を通る曲線となる。なお、内縁3の始点Q1の上流側には、流体をスクロール部1に導入するための直線部3cが形成されている。
一方、図1(B)に示すように、従来技術におけるスクロール部11のスクロール部構造は、外縁12の半径R´が始点P1から終点P3に向けて漸減するように形成されており、内縁13の半径r´が始点Q1から終点P3に向けて漸増するように形成されている。すなわち、従来のスクロール部11は、同位相における外縁12と内縁13の中心点の軌跡が終点P3を通る円C2と一致するように形成されている。
図1(A)及び(B)を比較すると、本発明における外縁2及び内縁3は、従来技術における外縁12及び内縁13よりもフレームサイズ(円C1)に接近するように形成されている。したがって、本発明のスクロール部1では、流体Gは外縁2の円弧部2aに沿って円滑に流れ、漸減部2bで徐々に終点P3に向かって流れる。一方、従来技術のスクロール部11では、外縁12の全域に渡って半径が漸減しているため、流体Gを内側に曲げようとする力が作用しており、外縁12そのものが流体Gの流れを阻害する抵抗となっている。なお、CFD(Computational fluid dynamics;数値流体力学)による全圧分布の解析結果については後述する。
ここで、図2は、図1(A)及び(B)における流路断面S1〜S10を積層して表示した断層図であり、(A)は本発明、(B)は従来技術を示している。なお、図2(A)及び(B)に示したスクロール部構造は、可変ノズル機構の一部がスクロール部1,11内に突出した突出部5,15を有している。ただし、導入路6,16に回動可能に配置されたベーンの図は省略してある。
本発明のスクロール部1は、流路断面S1〜S5における外縁2が半径一定に形成された円弧部2aを形成しているため、図2(A)に示すように、外縁2が図の上側に寄せられた状態となる。同様に、内縁3も図の上側に寄せられることとなる。したがって、流路断面S1〜S10の中心点の軌跡Lは、図示したように、外縁2に向かって上側に凸な曲線となる。したがって、流体Gがスクロール部1から導入路6に流入するときの流入角度θを小さくすることができ、突出部5の表面に負圧となる部分が形成され難い。また、本発明のスクロール部1では、流路が外側に寄せられているため、流路断面S5の時点において、内縁3は既に突出部5と略同じ位置に設定されており、流路断面S5〜S10を流れる流体Gに対して突出部5が流れを阻害することがなく、圧力損失を低減することができる。
また、図2(A)に示したスクロール部1では、タービン軸方向の幅Wを従来技術の幅W´よりも大きくして、スクロール部1の流路断面積を大きくしている。一般に、流路断面積を大きくすると圧力損失を低減することができるが、本発明のスクロール部構造を採用することにより、スクロール部1内に突出部5が存在する場合であっても、突出部5に起因する圧力損失を低減することができ、スクロール部1の流路断面積を大きくしたことによる圧力損失の低減効果の減殺を抑制することができる。また、本発明の幅Wと従来技術の幅W´とが等しい長さ(W=W´)の場合であっても、突出部5に起因する圧力損失を低減することができ、スクロール部1の圧力損失を低減することができる。さらに、突出部5を有しないスクロール部構造の場合であっても、流体Gを円弧部2aを有する外縁2に沿わせて流すことができること及び導入路6への流入角度をより小さくできることから、スクロール部1の圧力損失を低減することができる。
一方、従来技術のスクロール部11は、外縁12と内縁13の中心点の軌跡が円C2上に配置されているため、図2(B)に示すように、流路断面S1〜S10の中心点の軌跡L´は略直線となる。したがって、流体Gがスクロール部11から導入路16に流入するときの流入角度θが大きく、突出部15の表面に負圧となる部分が形成され易い。また、従来技術のスクロール部11では、流路断面S8の時点において、内縁13が突出部15と略同じ位置に設定されており、本発明のスクロール部1と比較して、突出部15がスクロール部11の内部に突出している状態が長く続いている。したがって、従来技術のスクロール部11では、突出部15が流体Gに対して流れを阻害している時間が長い。
ここで、図3は、スクロール部の流路断面形状を示すグラフであり、(A)は流路断面中心位置、(B)は流路断面積、を示している。各図において、□は本発明、○は従来技術の数値を示している。
図3(A)において、縦軸は流路断面中心位置(mm)、横軸は位相(°)を示している。本図に示すように、従来技術のスクロール部11における流路断面中心位置は、位相0°の始点P1から略一定の値を示しているのに対して、本発明のスクロール部1における流路断面中心位置は、位相0°の始点P1から徐々に大きくなり、位相180°近辺で最大値となる凸な形状を示している。これは上述した本発明のスクロール部1の構造を数値的に裏付けるものである。
図3(B)において、縦軸は流路断面積(mm)、横軸は位相(°)を示している。本図に示すように、従来技術のスクロール部11及び本発明のスクロール部1の流路断面積は、位相が大きくなるに連れて小さくなるように形成されている。ここで、本発明のスクロール部1の流路断面積は、同位相における従来技術のスクロール部11の流路断面積よりも大きく形成されているが、これは図2(A)及び(B)に示したように、本発明のスクロール部1の幅Wを従来技術のスクロール部11の幅W´よりも大きく形成したことに基づくものである。
続いて、図1及び図2に示した本発明のスクロール部構造に係る第一実施形態の効果について、図4及び図5を用いて説明する。ここで、図4は、スクロール部のCFD(Computational fluid dynamics;数値流体力学)による全圧分布の解析結果を示す圧力分布図であり、(A)は本発明、(B)は従来技術を示している。なお、実際のCFD解析結果の圧力分布図では、圧力分布がカラー表示されており、圧力が高い方から順に、赤色(レベル1)→橙色(レベル2)→黄色(レベル3)→緑色(レベル4)→青色(レベル5)と表示されている。
図4(B)に示すように、従来技術のスクロール部11におけるCFD解析結果の圧力分布図によれば、スクロール部11内において圧力損失が生じている部分を大きく3つに分類することができる。1つは外縁12に沿った部分であるα部、1つはスクロール部11の入口近傍の内縁13に沿った部分であるβ部、1つはスクロール部11の中間部から終点の内縁13に沿った部分であるγ部である。このα〜γ部は、α部→β部→γ部の順に圧力が低下しており、実際には、α部は橙色(レベル2)、β部は黄色(レベル3)、γ部は緑色(レベル4)でカラー表示されている。
一方、図4(A)に示すように、本発明のスクロール部1におけるCFD解析結果の圧力分布図によれば、全体的に色が濃い部分(カラー表示では赤色の部分)が増加しており、圧力損失が低減できていることが視覚的に理解することができる。また、α〜γ部の圧力分布は、α部は赤色(レベル1)、β部は橙色(レベル2)、γ部は黄色(レベル3)を示しており、従来技術の圧力分布よりも1段階ずつ圧力が高い状態を示しており、圧力損失が効果的に低減されている。
また、図5は、スクロール部構造の圧力分布を示すグラフであり、(A)はスクロール部、(B)は導入路入口部を示している。各図において、実線は本発明、点線は従来技術のグラフを示している。
図5(A)において、縦軸は全圧(Pa)、横軸は位相(°)を示している。本図に示すように、本発明のスクロール部1の全圧は、従来技術のスクロール部11と比較して、始点P1から終点P3の全域に渡って大きい数値を示しており、特に、位相が約135°〜約310°(終点P3)の範囲で圧力損失の低減効果が高いことが理解できる。
図5(B)において、縦軸は全圧(Pa)、横軸は計測位置(%)を示している。ここで、導入路入口部とは、図2(A)及び(B)において点線で囲んだV部を意味している。そして、グラフの左端が突出部5,15の表面(0%)を示しており、右端が導入路6,16の中心部(導入路6,16の幅の50%)を示している。このV部では、図2(B)に示したように、従来技術における流入角度θは大きくなってしまうため、突出部15の表面に負圧となる部分が形成され易く、圧力損失が大きくなる。一方、図2(A)に示したように、本発明では流入角度θを小さくすることができる。したがって、図5(B)に示すように、突出部5の表面近傍(0〜20%程度の範囲)における全圧を高くすることができる。すなわち、本発明のスクロール部構造では導入路6の入口部において負圧となる部分が形成され難いため、圧力損失を効果的に低減することができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。ここで、図6は、本発明のスクロール部構造に係る他の実施形態を示す平面図であり、(A)は第二実施形態、(B)は第三実施形態、(C)は第四実施形態を示している。なお、図1(A)に示した第一実施形態と同じ部分には同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
図6(A)に示した第二実施形態のスクロール部1の外縁2は、円弧部2aと漸減部2bとを有し、円弧部2aは中心角が180°に設定されている。すなわち、円弧部2aの終点P2の位相は180°に設定されている。そして、漸減部2bは、円弧部2aの終点P2からスクロール部1の終点P3の間に形成されている。かかる形状の第二実施形態であっても、流体Gがスクロール部1の入口から半周するまでの間における圧力損失を効果的に低減することができる。
図6(B)に示した第三実施形態のスクロール部1の外縁2は、円弧部2aと漸減部2bとを有し、円弧部2aは中心角が270°に設定されている。すなわち、円弧部2aの終点P2の位相は270°に設定されている。そして、漸減部2bは、円弧部2aの終点P2からスクロール部1の終点P3の間に形成されている。かかる形状の第三実施形態であっても、流体Gがスクロール部1の入口から3/4周するまでの間における圧力損失を効果的に低減することができる。
図6(C)に示した第四実施形態のスクロール部1の内縁3は、漸増部3aと円弧部3bとを有し、円弧部3bの始点Q2の位相は、外縁2における円弧部2aの終点P2の位相と一致するように設定されている。ここでは、円弧部3bの始点Q2の位相は約250°に設定されている。この第四実施形態では、外縁2の半径Rが一定の円弧部2aに対応する内縁3の漸増部3aでは半径rを漸増させ、外縁2の半径Rが漸減する漸減部2bに対応する内縁3の円弧部3bでは半径rを一定としている。このように外縁2の形状に合わせて内縁3の形状を切り替えることによっても流路断面積を徐々に縮小した一連のスクロール部構造を構成することができ、第一実施形態のスクロール部構造と同様の効果を奏する。
続いて、本発明のスクロール部構造を採用した過給機について図7を参照しつつ説明する。ここで、図7は、本発明のスクロール部構造を採用した過給機の断面図である。なお、図1(A)及び図2(A)に示した本発明のスクロール部構造と同じ構成部品には同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
本発明の過給機は、排気ガスの供給によりタービン動翼71aを回転させるガスタービン71と、タービン動翼71aと同軸に連結された羽根車72aにより空気を吸入するコンプレッサ72と、を備えた過給機であり、ガスタービン71は、タービン動翼71aの回転軸周りに渦巻き形状に形成された流路を備えたスクロール部1を有し、スクロール部1の外縁2は、図1(A)及び図2(A)に示したように、半径Rが一定に形成された円弧部2aと、円弧部2aからスクロール部1の終点P3に向かって半径Rが漸減した漸減部2bと、を有している。なお、タービン動翼71aは、タービンディスク4に立設されており、タービン動翼71a及びタービンディスク4によりタービン71の羽根車が構成されている。
かかる過給機の外形は、タービン71の筐体を構成するタービンハウジング73と、コンプレッサ72の筐体を構成するコンプレッサハウジング74と、タービンディスク4と羽根車72aを連結する回転軸75を支持するセンターハウジング76と、により構成されている。そして、スクロール部1は、タービンハウジング73の一部を構成している。また、図示した過給機は、いわゆる車両用過給機であり、車両のエンジンの回転数に合わせて適切なタービン71の出力を得るために、スクロール部1とタービン動翼71aとの間の流路に複数の回動可能なベーン77aを配置した可変ノズル機構77を備えた可変容量過給機である。
ここで、可変ノズル機構77は、タービンハウジング73に固定された環状のシュラウド77bと、タービンハウジング73及びセンターハウジング76の間に支持された環状の支持リング77cと、シュラウド77b及び支持リング77cの間で回動可能に支持された複数のベーン77aと、ベーン77aを回動させる駆動機構77dと、シュラウド77bと支持リング77cとの間隔を保持するピン77eと、から構成されている。したがって、シュラウド77bと支持リング77cとにより囲まれた部分が、スクロール部1を流れる排気ガスをタービン動翼71aに供給する導入路6を構成し、シュラウド77bの一部が図2(A)に示した突出部5に相当する。また、駆動機構77dは、例えば、リンク機構により構成されており、過給機の外部に配置されたアクチュエータ(図示せず)により動力が与えられ、複数のベーン77aを同期させながら角度を変更できるように構成されている。
上述した本発明の過給機では、スクロール部1に図1(A)及び図2(B)に示したスクロール部構造を採用しているため、スクロール部1を流れる排気ガスを速やかに外縁2側に寄せることができること及び導入路6に対する排気ガスの流入角度を小さくすることができることにより、スクロール部1の圧力損失を低減することができる。特に、図7に示したように、可変ノズル機構77の一部がスクロール部1に突出するように配置されたタービン73において、突出した部分(シュラウド77b)を避けるように排気ガスを流すことができ、圧力損失を効果的に低減することができる。
なお、本発明の過給機は、図示した構造のものに限定されるものではなく、可変ノズル機構77の構成が異なる過給機や可変ノズル機構77を有しない過給機であってもよいし、車両用以外の過給機であってもよいし、排気ガス以外の気体や水等の液体により駆動されるタービン71を有するものであってもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
本発明のスクロール部構造に係る第一実施形態を示す平面図であり、(A)は本発明のスクロール部構造、(B)は従来技術のスクロール部構造である。 図1(A)及び(B)における断面S1〜S10を積層して表示した断層図であり、(A)は本発明の断層図、(B)は従来技術の断層図を示している。 スクロール部の流路断面形状を示すグラフであり、(A)は流路断面中心位置、(B)は流路断面積を示している。 スクロール部のCFDによる全圧分布の解析結果を示す圧力分布図であり、(A)は本発明、(B)は従来技術を示している。 スクロール部構造の圧力分布を示すグラフであり、(A)はスクロール部、(B)は導入路入口部を示している。 本発明のスクロール部構造に係る他の実施形態を示す平面図であり、(A)は第二実施形態、(B)は第三実施形態、(C)は第四実施形態を示している。 本発明のスクロール部構造を採用した過給機の断面図である。
符号の説明
1,11 スクロール部構造
2,12 外縁
2a 円弧部
2b 漸減部
2c 直線部
3,13 内縁
3c 直線部
4,14 タービンディスク
5,15 突出部
6,16 導入路
71 タービン
71a タービン動翼
72 コンプレッサ
72a 羽根車
73 タービンハウジング
74 コンプレッサハウジング
75 回転軸
76 センターハウジング
77 可変ノズル機構
77a ベーン
77b シュラウド
77c 支持リング
77d 駆動機構
77e ピン

Claims (4)

  1. 排気ガスの供給によりタービン動翼を回転させるガスタービンと、前記タービン動翼と同軸に連結された羽根車により空気を吸入するコンプレッサと、を備えた過給機であって、
    前記ガスタービンは、前記タービン動翼の回転軸周りに渦巻き形状に形成された流路を備えたスクロール部を有し、
    前記スクロール部の外縁は、半径が一定に形成された円弧部と、該円弧部から前記スクロール部の終点に向かって半径が漸減した漸減部と、を有し、
    前記円弧部は、その接線方向と前記流体の前記スクロール部の入口における流れ方向とが一致する点を始点として形成されており、
    前記円弧部に対応する前記スクロール部の内縁は、半径が漸増するように形成されている、
    ことを特徴とする過給機
  2. 前記円弧部は、中心角が180°以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の過給機
  3. 前記漸減部に対応する前記スクロール部の内縁は、半径が一定となるように形成されている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の過給機
  4. 前記ガスタービンは、前記スクロール部から前記タービン動翼に流体を供給する導入路に複数の回動可能なベーンを配置した可変ノズル機構を備え、該可変ノズル機構の一部が前記スクロール部に突出するように配置されている、ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の過給機
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