JP5473409B2 - ガスタービン及びそれを備えるプラント - Google Patents
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Description
特許文献1には、圧縮機から抽気された空気を調整弁によって流量調整しタービンに導いて翼を空冷する発明が開示されている。
さらに、作動流体を抽気するために圧縮機には少なくとも2本の抽気配管が接続されるが、この抽気配管は、通過する作動流体の圧力に応じて複数の抽気配管から1本の抽気配管に合流される。合流されて1本になった抽気配管は、排気ダクトに接続される。複数の配管を合流させるため合流部では圧力損失が生じることや配管形状が複雑となるという問題があった。
すなわち、本発明にかかるガスタービンは、作動流体を圧縮する圧縮機と、燃料と前記圧縮された作動流体とを燃焼させる燃焼器と、前記燃焼器により生成された燃焼ガスにより回転駆動されるタービンと、該タービンを回転駆動させた前記燃焼ガスが導かれる排気ダクトと、前記作動流体が前記圧縮機の中段から導入されて前記排気ダクトに導出される抽気配管と、を備えるガスタービンにおいて、前記抽気配管は、曲がり部を有し、該曲がり部は上流側の前記抽気配管の軸方向に対して下流側の前記抽気配管の軸方向が90°未満の曲げ角度を有することを特徴とする。
曲がり部は、上流側の抽気配管の軸方向に対して下流側の抽気配管の軸方向の曲げ角度を90°未満としたので、曲がり部を通過する際における作動流体の圧力損失を低減することができる。そのため、同一抽気流量を確保しつつ抽気配管の小径化を図ることができる。従って、配管コスト及び配管メンテナンスコストの削減やコンパクトな配管の配置が可能となる。
なお、曲がり部は、一定の曲率半径によって規定される形状であり、曲げ角度は、例えば、30°以上70°未満、より好的な事例では45°以下であることが好ましい。
曲がり部の断面積は、上流側の抽気配管の断面積に比べて大きくしたので、曲がり部を通過する際における作動流体の圧力損失を低減することができる。そのため、曲がり部に接続される抽気配管を小径化することができる。従って、配管コスト及び配管メンテナンスコストの削減やコンパクトな配管の配置が可能となる。
曲がり部は、圧縮機と直接接続され、圧縮機から曲がり部へと向かって先広がりとなった円錐形状のネック部を有する。そのため、圧縮機から曲がり部へと導かれる作動流体の圧力損失が低減され、曲がり部に接続される下流側の抽気配管を小径化することができる。また、圧縮機と曲がり部とは、直接接続されるので、配管形状を単純化することができ抽気配管に接続される配管の数を減らすことができる。従って、配管コスト及び配管メンテナンスコストの削減やコンパクトな配管の配置が可能となる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る発電プラントは、図1に示すように、ガスタービン1とそのガスタービン1によって発電する発電機(図示せず)とを備えている。
ガスタービン1は、空気(作動流体)を圧縮する圧縮機2と、供給された燃料と圧縮された空気とを混合して燃焼させる燃焼器(図示せず)と、燃焼器により生成された燃焼ガスにより回転駆動されるタービン3と、タービン3を回転駆動させた燃焼ガスが導かれる排気ダクト4と、圧縮機2の中段とタービン3と排気ダクト4との間を接続している抽気配管5とを備えている。
ケーシング7内には、タービン回転軸6と、タービン回転軸6により回転駆動される複数の動翼と、ケーシング7の内側に固定配置されている複数の静翼とが収納されている。ケーシング7は、動翼の周囲に配置された円筒状の壁面である。圧縮機2の中段のケーシング7は、タービン回転軸6の中心軸線に対して対称の位置に1箇所ずつ抽気口8を有している。2箇所の抽気口8A,8Bは、圧縮機2内を通過する空気の流量が均一になるようにバランスをとるためにタービン回転軸6の中心軸線に対して対称の位置に開口している。抽気口8は、動翼を通過する空気の流量を調整するために、タービン回転軸6方向の各位置にて複数段に開口している。同図では、空気が圧縮機2を通過する上流から下流に向かって低圧20A、中圧20B、高圧20Cの順番に設けられた3領域に、合計6箇所の抽気口8A,8B,8C,8D,8E,8Fが開口している。
ケーシング9は、タービン回転軸6と静翼と動翼とが交互に配置されている周囲を覆う円筒状の壁面を有する壁面である。ケーシング9は、タービン回転軸6の中心軸線に対して対称の位置に1箇所ずつ冷却空気取込口10を有している。圧縮機2から抽気された圧縮空気の一部は、冷却空気取込口10よりタービン3内に導かれる。導かれた圧縮空気は、燃焼器からの高温の燃焼ガスが通過することによって高温になった静翼と動翼とを冷却する。冷却空気取込口10は、静翼と動翼とによって構成される段に応じてタービン回転軸6方向の各位置にて複数開口している。同図では、燃焼ガスがタービン3内を流れる上流から下流に向かって第1領域21A、第2領域21B、第3領域21Cの順番に設けられた3領域に、合計6箇所の冷却空気取込口10A,10B,10C,10D,10E,10Fが開口している。
なお、同図においては、圧縮機2の低圧領域20Aと、タービン3の第3領域21Cと、排気ダクト4の低圧領域22Cとの間に接続されている2本の抽気配管5のうちの1本について説明する。
圧縮機側抽気配管5Aと排気ダクト側抽気配管5Bとは、内径が軸線方向に略一定とされた直状配管を有している。圧縮機側抽気配管5A及び排気ダクト側抽気配管5Bの一端は、抽気弁12に接続されている。
抽気管15の一端は、圧縮機2の抽気口8と同径を有し、他端は曲がり部18Aと同径を有し、抽気口8から曲がり部18Aに向かってテーパー状に先広がりの円錐形状となっている。抽気管15の小径側の一端は、抽気口8に対して垂直に接続されている。抽気管15の大径側の一端は、曲がり部18Aに接続されている。
吸入管17は、直状配管である。吸入管17の一端には、曲がり部18Bが接続され、他端には、排気ダクト4の吸入口11が接続されている。
圧縮機2の低圧領域20Aの抽出口8A,8Bには、タービン回転軸6の径方向に伸びる抽気管15がタービン回転軸6の中心軸線に対して対称の位置に接続されている。抽気管15には、タービン回転軸6の中心軸線に対して対称の位置に抽気配管5が平行に接続されている。
圧縮機2の中圧領域20B及び高圧領域20Cを横断面図で表した場合にも、同様に抽気配管5がタービン回転軸6の中心軸線に対して対称の位置に平行に接続されている。
排気ダクト側抽気配管5Bの軸方向に対して吸入管17の軸方向の曲げ角度が90°未満の場合には、具体的には60°とされているので、排気ダクト側抽気配管5Bの軸方向に対して吸入管17の軸方向の曲げ角度が90°以上の場合と比べて排気ダクト側の曲がり部18Bを通過する空気の圧力損失が低減される。
排気ダクト側の曲がり部18Bは、排気ダクト側抽気配管5Bの軸方向に対して吸入管17の軸方向の曲げ角度を90°未満とし、具体的には60°とされているので、排気ダクト側の曲がり部18Bを通過する際における空気の圧力損失を低減することができる。そのため、同一抽気流量を確保しつつ抽気配管5の小径化を図ることができる。従って、配管コスト及び配管メンテナンスコストの削減やコンパクトな配管の配置が可能となる。
なお、排気ダクト側の曲がり部18Bは、一定の曲率半径によって規定される形状であり、曲げ角度は、本実施形態においては60°として説明したが、30°以上70°未満の範囲で適宜変更可能であり、より好的な事例では45°以下であることが好ましい。
以下、本発明の第2実施形態について、図4に基づき説明する。本実施形態の発電プラン及びガスタービン1の構成は、曲がり部18の形状が異なる点と抽気管15及び吸入管17が不要な点において第1実施形態と相違し、そのほかは同様である。したがって、同一の構成については同一符号を付し、その説明を省略する。
また、図2と同様に、圧縮機2の低圧領域20Aと、タービン3の第3領域21Cと、排気ダクト4の低圧領域22Cとの間に接続されている2本の抽気配管5のうちの1本について説明する。
曲がり部18は、圧縮機側の曲がり部18Aと排気ダクト側の曲がり部18Bの2つを有している。
圧縮機側の曲がり部18Aは、一端にネック部を有している。ネック部は、直接抽気口8に接続されている。ネック部は、抽気口8から圧縮機側の曲がり部18Aに向かって先広がりのテーパー状の円錐形状を形成している。圧縮機側の曲がり部18Aは、抽気口8から圧縮機側の曲がり部18Aに向う空気の軸方向と、圧縮機側抽気配管5Aの軸方向とが30°となる曲げ角度を有している。また、圧縮機側の曲がり部18Aの断面積は、ネック部の最大断面積に比べて大きな断面積を有し、その曲率半径は、ネック部の最大断面積部における外径の3倍以上である。圧縮機側の曲がり部18Aの他端は、圧縮機側の曲がり部18Aから圧縮機側抽気配管5Aに向かって先細りとなるテーパー状の円錐形状によって圧縮機側抽気配管5Aに接続されている。通過する空気の圧力損失は、一般的に管の断面積が大きくなると低減されるが、ここでは圧縮機側の曲がり部18Aからその下流側に接続されている圧縮機側抽気配管5Aに向かって空気が通過しても圧力損失の変化が生じないように考慮した形状としている。
空気の圧力損失は、テーパー状に先広がりとなった円錐形状を通過する場合には、直管形状の管と内径を直管形状の管よりも大きくした曲がり部とからなる不連続な形状を空気が通過する場合に比べて空気の流れによる圧力損失を低減することができる。
圧縮機側の曲がり部18Aは、圧縮機2と直接接続され、圧縮機2から圧縮機側の曲がり部18Aへと向かって先広がりとなった円錐形状のネック部を有する。そのため、圧縮機2から圧縮機側の曲がり部18Aへと導かれる空気の圧力損失が低減され、圧縮機側の曲がり部18Aに接続されている圧縮機側抽気配管5Aを小径化することができる。また、圧縮機2と圧縮機側の曲がり部18Aとは、直接接続されているので、配管形状を単純化することができ抽気配管5に接続されている配管の数を減らすことができる。従って、配管コスト及び配管メンテナンスコストの削減やコンパクトな配管の配置が可能となる。
さらに、本実施形態では、発電プラントを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばガスタービン1を有する動力発生用ガスタービンプラントであっても良い。
また、本実施形態では、圧縮機2から3段階20A,20B,20Cにわたって抽気するとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば圧縮機の流量の調整具合に応じて抽気領域を増減させても良い。
2 圧縮機
3 タービン
4 排気ダクト
5 抽気配管
18 曲がり部
Claims (6)
- 作動流体を圧縮する圧縮機と、
燃料と前記圧縮された作動流体とを燃焼させる燃焼器と、
前記燃焼器により生成された燃焼ガスにより回転駆動されるタービンと、
該タービンを回転駆動させた前記燃焼ガスが導かれる排気ダクトと、
前記作動流体が前記圧縮機の中段から導入されて前記排気ダクトに導出される抽気配管と、を備えるガスタービンにおいて、
前記抽気配管は、曲がり部を有し、該曲がり部は上流側に接続される前記抽気配管の軸方向に対して下流側に接続される前記抽気配管の軸方向が90°未満の曲げ角度を有し、
前記曲がり部は、上流側に接続される前記抽気配管の断面積に比べて大きな断面積を有することを特徴とするガスタービン。 - 前記曲がり部は、前記圧縮機の中段に直接接続されているネック部を一端に有し、該ネック部は、前記圧縮機の中段から前記曲がり部に向かってテーパー状に先広がりとなった円錐形状であることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン。
- 前記曲がり部は、前記排気ダクトに直接接続されるネック部を一端に有し、該ネック部は、前記曲がり部の上流側に接続される前記抽気配管の断面積よりも大きな断面積を有することを特徴とする請求項1に記載のガスタービン。
- 前記抽気配管は、複数備えられ、それぞれ前記抽気配管は、前記圧縮機と前記排気ダクトとの間で互いに独立して設けられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のガスタービン。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載のガスタービンを備えていることを特徴とするプラント。
- 作動流体を圧縮する圧縮機と、
燃料と前記圧縮された作動流体とを燃焼させる燃焼器と、
前記燃焼器により生成された燃焼ガスにより回転駆動されるタービンと、
該タービンを回転駆動させた前記燃焼ガスが導かれる排気ダクトと、
前記作動流体が前記圧縮機の中段から導入されて前記排気ダクトに導出される抽気配管と、を備えるガスタービンにおいて、
前記抽気配管は、曲がり部を有し、
前記曲がり部は、上流側に接続される前記抽気配管の断面積に比べて大きな断面積を有することを特徴とするガスタービン。
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