JPH0660738U - ガスタービン空気圧縮機の抽気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスタービン空気圧縮機を排気ダクトに噴出
させる際の騒音・振動の発生を防止する。 【構成】 キャップ１４でその一端縁が掩蔽され、か
つ、上半部に多数の抽気噴出孔１５が穿設された多孔管
１６のキャップ１４で掩蔽された端縁と反対側の端縁が
空気圧縮機中間段からの抽気管１３の出口部１３ａに接
続し、前記多孔管１６を排気ダクト６の内面に排気ダク
ト６の長手方向に設けた。空気圧縮機中間段からの抽気
空気は、多孔管６の軸方向に直交する方向に分散されて
抽気噴出孔１５から噴出され、かつ、排気ダクト６の内
面に衝突することがなく、排気ダクト６の内面への衝撃
力が低下し、騒音・振動が減少する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ガスタービンの起動・停止時に適用されるガスタービン空気圧縮機 の抽気装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図４はガスタービン・排気ガスボイラ複合プラントの系統図である。空気圧縮 機１で圧縮された空気は、燃焼器２で燃料を燃焼して燃焼ガスとなってタービン ３へ流入する。空気圧縮機１、燃焼器２及びタービン３は単純１軸ガスタービン ４を構成して、発電機５を駆動する。ガスタービン３の排気は、ガスタービン３ の排気ダクト６と開かれたダンパ７を経て排ガスボイラ８へ流入し、蒸気発生に 供される。ガスタービンの単独運転時にはダンパ７を閉じ、ダンパ９を開いて、 排気はバイパス煙突１０から大気へ放出される。

【０００３】 ガスタービンの起動・停止時には、空気圧縮機１のサージングを防止するため 、圧縮空気の一部は、空気圧縮機１の中間段から抽気され、抽気弁１１及び抽気 管１２を経て排気ダクト６内へ放出されて、バイパス煙突１０から大気へ流出す る。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記の従来の排気ガスタービン・排ガスボイラ複合プラント等のガスタービン プラントにおいて、ガスタービンの抽気は高温であり、かつ、騒音を伴うために 、排気ダクト内へ放出される。排気ダクト内の圧力はほぼ大気圧であるため、空 気圧縮機からの抽気を行う場合には、その抽気圧力が臨界圧力比（空気の場合１ ／０．５２８３）以上のときには噴出速度が音速を超える。このとき衝撃波が発 生し、振動を伴なった衝撃力による低サイクル疲労によって、ダクトが損傷する 場合があった。

【０００５】 本考案は、以上の問題点を解決することができるガスタービンの抽気管を提供 しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案のガスタービン空気圧縮機の抽気装置は、キャップでその一端縁が掩蔽 され、かつ、上半部に多数個の抽気噴出孔が穿設された多孔管の前記キャップで 掩蔽された端縁と反対側の端縁を空気圧縮機中間段からの抽気管出口部に接続し 、前記多孔管を排気ダクトの内面に排気ダクトの長手方向に設置したことを特徴 とする。

【０００７】

【作用】

本考案では、ガスタービンの起動・停止時等に空気圧縮機の中間段から抽気さ れる抽気空気は、軸方向に発生する速度エネルギが多孔管によって多孔管の軸方 向に対し直角方向に分散されて抽気噴出孔から排出ダクト内に噴出され、かつ、 前記抽気噴出孔は多孔管の上半部に設けられているために多孔管から排気ダクト 内に噴出する抽気空気は直接排気ダクト内面に衝突することがない。従って、抽 気空気の噴流による排気ダクト内面への衝撃力が低下し、騒音・振動が減少する 。

【０００８】

【実施例】

本考案の一実施例を、図１ないし図３によって説明する。

【０００９】 図１は本実施例の抽気管出口部付近の多孔管が設けられた部分の外形図、図２ は図１のII−II断面図、図３は本実施例の排気ダクト内配置図である。

【００１０】 本実施例は、図４に示す型式のガスタービン・排ガスボイラ複合プラントのガ スタービンの空気圧縮機の抽気装置に係るものであり、空気圧縮機１の中間段か らの抽気管１３の出口部１３ａには、キャップ１４でその一端縁が掩蔽され、か つ上半部に多数個の抽気噴出孔１５が穿設され水平に配置された円筒状の多孔管 １６の前記キャップで掩蔽された端縁と反対側の端縁が拡がり管１７を介して接 続されている。また、多孔管１６は断面が矩形のガスタービンの排気ダクト６の 内面に排気ダクト６の長手方向に設置されている。

【００１１】 空気圧縮機の中間段からの抽気管１３としては、空気圧縮機の両側面の各々に 接続された２個の抽気管１３が設けられており、従って、図３に示すように、各 抽気管１３の出口部１３ａに接続された２個の多孔管１６が排気ダクト６内に設 置される。

【００１２】 各多孔管１６は、排気ダクト６内の下方の部分に上方に間隔をおくように配置 されている。各多孔管１６の両端部に近い下部がサポート１８ａ、１８ｂを介し て排気ダクト６に支持されており、抽気管１３の出口部１３ａに近いサポート１ ８ａは多孔管１６と排気ダクト６に固定されて固定サポートとなっており、反対 側のサポート１８ｂは多孔管１６と排気ダクト６との間に多孔管１６の長手方向 にスライドを許容して熱伸びを吸収するスライドサポートとなっている。

【００１３】 また、多孔管１６に穿設された多数個の抽気噴出孔１５は、図２及び図３に示 すように、多孔管１６の縦断面の上半部の中心角αの部分に設けられ、抽気噴出 孔１５を経て多孔管１６から噴出される抽気は直接に排気ダクト６内面に衝突し ないようになっている。

【００１４】 以上のように構成された本実施例では、ガスタービンの起動・停止時等に空気 圧縮機の中間段から抽気される抽気空気は、抽気管１３から多孔管１６へ入り、 同多孔管１６の抽気噴出孔１５から排気ダクト６内へ多孔管１６の軸方向に対し て直角方向に分散されて噴出される。また、抽気噴出孔１５は、多孔管１６の上 半部に設けられているために、噴出される抽気空気の流れが制限されて直接排気 ダクト６の内面に衝突することがない。従って、抽気空気の前記噴流による排気 ダクト６内面への衝撃力が低下し、騒音・振動を減少させることができる。

【００１５】 なお、前記実施例では、ガスタービンの排気ダクト内に多孔管を設けて空気圧 縮機中間段からの抽気空気を同排気ダクト内に噴出させるようにしているが、ガ スタービンの排気ダクトの外に前記空気圧縮機中間段からの抽気空気用に専用の 排気ダクトを設け、この排気ダクト内に多孔管より前記抽気空気を噴出させるよ うにしてもよい。

【００１６】

【考案の効果】

本考案によれば、ガスタービン空気圧縮機の中間段からの抽気空気は多孔管の 上半部に設けられた抽気噴出孔から多孔管の軸方向に対して直角方向に分散され て噴出されるために、排気ダクト内へ噴出されるガスタービン空気圧縮機の抽気 空気が、排気ダクトの内面に衝撃力を与えてダクトを損傷することがなくなり、 ガスタービンの信頼性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の抽気管出口部付近の多孔管
が設けられた部分の外形図である。

【図２】図１のII−II矢視断面図である。

【図３】同実施例の多孔管の排気ダクト内の配置図であ
る。

【図４】従来のガスタービン・ボイラ複合プラントの系
統図である。

【符号の説明】

１ 空気圧縮機 ４ ガスタービン ６ 排気ダクト １３ 抽気管 １３ａ 抽気管の出口部 １４ キャップ １５ 抽気噴出孔 １６ 多孔管 １７ 拡がり管 １８ａ，１８ｂ サポート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャップでその一端縁が掩蔽され、か
   つ、上半部に多数個の抽気噴出孔が穿設された多孔管の
   前記キャップで掩蔽された端縁と反対側の端縁を空気圧
   縮機中間段からの抽気管出口部に接続し、前記多孔管を
   排気ダクトの内面に排気ダクトの長手方向に設置したこ
   とを特徴とするガスタービン空気圧縮機の抽気装置。