JP5109992B2 - 外燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、作動媒体の蒸気の体積変動によって生じる作動媒体の液体部分の変位を機械的エネルギに変換して出力する外燃機関に関する。
従来、この種の外燃機関が特許文献1、2に記載されている。特許文献1、2の従来技術では、管状の容器内に作動媒体を液体状態で封入し、容器の加熱部で液体状態の作動媒体の一部を加熱して気化させるとともに、その気化した作動媒体の蒸気を容器の冷却部で冷却して液化させることで作動媒体の蒸気の体積変動によって作動媒体の液体部分を液体ピストンとして変位させ、この液体ピストンの変位を機械的エネルギに変換して出力する。
また特許文献2の従来技術では、管状の容器が加熱部において円盤状に拡径されており、作動媒体の蒸気が冷却部で冷却されて液化すると、液体状態の作動媒体は加熱部の中心部から流入し、加熱部の中心部から外周部に向かって広がって流れる過程で加熱されて再び気化する。
この特許文献2の従来技術によると、液体状態の作動媒体が加熱部に流入する際に液体状態の作動媒体が加熱部の内壁面に衝突することとなるので、液体状態の作動媒体が撹拌されて乱流が生じて加熱部の内壁面近傍の温度境界層が破壊される。その結果、加熱部における熱交換効率を向上することができる。
特開2004−84523号公報 特開2007−247592号公報
本出願人は先に、特願2008−7263号(以下、先願例と言う。)において、加熱部内における作動媒体の流路を微細化したものを提案している。この先願例によると、加熱部内に配置された伝熱部材の内部に、作動媒体が流通可能な微細な流路が多数個形成されており、この伝熱部材によって液体状態の作動媒体の加熱が促進されるので、加熱部で作動媒体を確実に沸騰させて熱損失の低減を図ることができる。
しかしながら、本発明者の詳細な検討によると、この先願例には効率の低下を招く要因があることがわかった。以下、このことを詳細に説明する。
図8(a)は、本発明者が検討した検討例における加熱部の模式的な断面図であり、図8(b)は図8(a)の伝熱部材の温度分布を示すグラフである。この検討例は、上記先願例に対応するものである。
液体状態の作動媒体12は、まず図8(a)の矢印Z1のように加熱部11aの入口側から伝熱部材90に流入して加熱部11aの奥側に向かって流れ、伝熱部材90で加熱されて沸騰する。すると、作動媒体12の蒸気は蒸気溜め部91に溜まった後に膨張して液体状態の作動媒体12を図8(a)の矢印Z2のように加熱部11aの奥側から加熱部11aの入口側に向かって押し出す。これにより、液体状態の作動媒体12は伝熱部材90から加熱部11aの入口側に向かって流出する。
このことから明らかなように、伝熱部材90は、加熱部11a入口側に位置する部位ほど液体状態の作動媒体12との熱交換時間が長時間になる。その結果、図8(b)のように、伝熱部材90は、加熱部11a入口側に位置する部位ほど温度が低下して、伝熱部材90に温度分布が生じることとなる。
図8(c)は、検討例における模式的なPV線図である。図8(c)中、実線は図8(b)のように伝熱部材90に温度分布が生じているときの状態を示し、図8(c)中、2点鎖線は伝熱部材90の温度が一様になっている理想的な状態を示している。
この図8(c)からわかるように、伝熱部材90に温度分布が生じている場合には、最大圧力が低下してPV出力が低下することとなる。つまり、最大圧力は、伝熱部材90のうち最も温度の低い部位における温度での飽和蒸気圧とほぼ等しくなることから、伝熱部材90に温度分布が生じて加熱部11a入口側部位での温度が低下すると最大圧力も低下することとなり、ひいてはPV出力が低下し、効率も低下することとなるのである。
本発明は上記点に鑑みて、効率の向上を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、作動媒体(12)が液体状態で流動可能に封入された管状の容器(11)と、
容器(11)の一端側部位に形成され、液体状態の作動媒体(12)の一部を加熱して気化させる加熱部(11a)と、
容器(11)のうち加熱部(11a)よりも他端側部位に形成され、加熱部(11a)で気化した作動媒体(12)の蒸気を冷却して液化させる冷却部(11b)と、
容器(11)の他端部と連通し、蒸気の体積変動によって生じる液体状態の作動媒体(12)の変位を機械的エネルギに変換して出力する出力部(15)とを備え、
加熱部(11a)は、蒸気を溜める蒸気溜め部(25、41、51)を有し、
加熱部(11a)内には、液体状態の作動媒体(12)の加熱を促進する伝熱部材(20)が配置され、
伝熱部材(20)内には、作動媒体(12)が流通可能な流路(21)が形成され、
さらに、加熱部(11a)内には、伝熱部材(20)の温度分布を均一化する温度分布均一化構造が設けられていることを特徴とする。
これによると、温度分布均一化構造によって伝熱部材(20、40、50)の温度分布が均一化されるので、伝熱部材(20、40、50)の温度分布が大きくなっている場合と比較して、伝熱部材(20、40、50)のうち最も温度の低い部位における温度を上昇させることができる。このため、最大圧力を上昇させてPV出力を向上させることができるので、効率を向上させることができる(図8を参照)。
また、請求項に記載の発明では、温度分布均一化構造は、伝熱部材(20)に対する液体状態の作動媒体(12)の供給を均一化する液供給構造で構成されていることを特徴とする。
これにより、伝熱部材(20)の各部位における液体状態の作動媒体(12)との熱交換時間を均一化することができるので、伝熱部材(20)の温度分布を良好に均一化することができる。
さらに、請求項に記載の発明では、加熱部(11a)は、容器(11)を拡径した円盤状に形成されており、
加熱部(11a)内には、伝熱部材(20)に液体状態の作動媒体(12)を供給する液供給通路(23)が形成されており、
液供給構造は、伝熱部材(20)および液供給通路(23)が加熱部(11a)の径方向に拡がる形状を有するとともに加熱部(11a)の軸方向に互いに積層されていることによって構成されており、
前記伝熱部材(20)は、多孔質体で形成され、その内部に形成された細孔によって前記流路(21)が多数個の微細な流路(21)として構成されており、
前記蒸気溜め部(25)は、前記伝熱部材(20)の径方向外側に前記伝熱部材(20)と隣接して形成され、前記伝熱部材(20)内の微細な流路(21)と直接連通しており、
前記蒸気溜め部(25)と前記液供給通路(23)との間には、液体状態の作動媒体(12)が前記液供給通路(23)から前記蒸気溜め部(25)に直接流入することを防止する環状部材(26)が配置されていることを特徴とする。
これにより、伝熱部材(20)に対する液体状態の作動媒体(12)の供給を良好に均一化することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態における外燃機関の概略構成を表す構成図である。 (a)は図1の加熱部の伝熱部材近傍部位の拡大図であり、(b)は(a)の金属粒子の拡大図である。 図1の加熱部の拡大図である。 (a)は金属粒子の積層厚さと伝熱部材の上下方向中心部の温度との関係を示すグラフであり、(b)は伝熱部材の上下方向中心部の温度とエンジン効率との関係を示すグラフである。 (a)は第2実施形態における加熱部の断面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 (a)は第3実施形態における加熱部の断面図であり、(b)は(a)の伝熱部材の粒子径および空隙率の分布を示すグラフである。 (a)は第4実施形態における加熱部の断面図であり、(b)は(a)の伝熱部材の粒子接合直径および見かけの熱伝導率を示すグラフである。 (a)は検討例における加熱部の断面図であり、(b)は(a)の加熱部の温度分布を示すグラフであり、(c)は検討例における模式的なPV線図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図4に基づいて説明する。図1〜図3中の上矢印は天地方向の上方、下矢印は天地方向の下方を示している。
外燃機関10は、液体ピストン式蒸気エンジンとも呼ばれるものであり、管状の圧力容器である容器11を備えている。容器11内には、作動媒体(本実施形態では水)12が液体状態で流動可能に封入されている。
また、外燃機関10は、容器11内の作動媒体12の一部を加熱して作動媒体12の蒸気を発生させる加熱器13と、加熱器13によって発生した作動媒体12の蒸気を冷却する冷却器14とを備えている。
本実施形態では、加熱器13の熱源として排気ガス等の高温ガスを用いている。また、本実施形態の冷却器14には冷却水が循環するようになっている。図示を省略しているが冷却水の循環回路中には、冷却水が作動媒体12の蒸気から奪った熱を放熱する放熱器が配置されている。
容器11は全体として略U字形状を有しており、屈曲部が天地方向の最下部に位置し、両端部が天地方向の上方側に向かって延びるように配置されている。この容器11の一端部に加熱器13が配置されている。また、容器11の一端側の部位であって、加熱器13よりも下方側の部位に冷却器14が配置されている。
本例では、作動媒体12を水としていることから、容器11をステンレス製としている。容器11のうち加熱器13と接触する加熱部11aおよび冷却器14と接触する冷却部11bを熱伝導率に優れた銅又はアルミニウム製としてもよい。
容器11の他端部(加熱部11aと反対側の端部)には、液体状態の作動媒体12の変位を機械的エネルギに変換して出力する出力部15が配置されている。出力部15は、液体状態の作動媒体12(液体ピストン)から圧力を受けて変位するピストン(固体ピストン)16と、ピストン16を摺動可能に支持するシリンダ部17を有している。
ピストン16は、発電機1の可動子2のシャフト2aに連結されており、可動子2を挟んでピストン16と反対側には、可動子2をピストン16側に押圧する弾性力を発生させる弾性手段をなすバネ18が設けられている。
可動子2には永久磁石が埋設されており、ピストン16が可動子2を振動変位させることによって発電機1を駆動して起電力を発生させる。
容器11は加熱部11aにおいて水平方向に拡径されている。これに伴い、加熱部11aの内部空間も水平方向に拡がる形状になっている。本例では、加熱部11aの外形が水平方向に拡がる円盤状になっており、加熱部11aの内部空間も水平方向に拡がる円盤形状になっている。図示を省略しているが、本例では加熱部11aを適宜分割して形成している。
加熱部11aの内部空間には、作動媒体12の加熱を促進する伝熱部材20が配置されている。図2(a)に示すように、伝熱部材20内には、作動媒体12が流通可能な流路21が形成されている。本例では、伝熱部材20が焼結金属からなる多孔質体で形成されており、この多孔質体の内部に形成された細孔によって多数個の微細な流路21が構成されている。
伝熱部材20を形成する多孔質体は、伝熱性能が高い金属(本例では、銅)によって球状に形成された金属粒子22同士をある程度潰して面接合させた構造になっている。球状の粒子22は、粒度分布が小さい均質な粒子である。本例では、この球状の粒子22を六方最密構造に充填している。
なお、図2(a)では、図示の都合上、球状の粒子22同士が点接合しているように示されているが、実際には図2(b)に示すように、球状の粒子22同士がある程度潰れた状態で面接合している。
図3に示すように、伝熱部材20は、加熱部11aの上壁面に沿って配置された第1伝熱部材20a、および加熱部11aの下壁面に沿って配置された第2伝熱部材20bで構成されている。
第1、第2伝熱部材20a、20bの間には、加熱部11aの径方向に拡がる空隙23が形成されている。この空隙23は、第1、第2伝熱部材20a、20bに液体状態の作動媒体12を供給する液供給通路としての役割を果たすものである。
したがって、第1、第2伝熱部材20a、20bおよび液供給通路23は、いずれも加熱部11aの径方向に拡がる形状に形成されているとともに、加熱部11aの軸方向に互いに積層されていることとなる。
加熱部11a内をこのように構成することによって、加熱部11a内には、伝熱部材20に対する液体状態の作動媒体12の供給を均一化する液供給構造が設けられることとなる。そして、この液供給構造は、伝熱部材20の温度分布を均一化する温度分布均一化構造としての役割を果たすこととなる(詳細は後述)。
なお、必ずしも第1、第2伝熱部材20a、20bの両方を加熱部11a内に配置する必要はなく、第1、第2伝熱部材20a、20bのうちいずれか一方のみを加熱部11a内に配置するようにしてもよい。
本例では、第1、第2伝熱部材20a、20bおよび液供給通路23は、加熱部11aと同心の円盤状に形成されており、第2伝熱部材20bの中心部には、液供給通路23に液体状態の作動媒体12を流通させるための貫通穴が形成されている。
この第2伝熱部材20bの貫通穴の内周面には、加熱部11aと同様の材質にて形成された筒状部材24が配置されている。この筒状部材24は、液体状態の作動媒体12が第2伝熱部材20bに対して加熱部11aの径方向に流入することを防止する役割を果たすものである。
加熱部11a内において第1、第2伝熱部材20a、20bの径方向外側には、作動媒体13の蒸気を溜める蒸気溜め部25が形成されている。この蒸気溜め部25は、第1、第2伝熱部材20a、20bと隣接して形成されており、第1、第2伝熱部材20a、20b内の微細流路21と直接連通している。
蒸気溜め部25と液供給通路23との間には、加熱部11aと同様の材質にて形成された環状部材26が配置されている。この環状部材26は、液体状態の作動媒体12が液供給通路23から蒸気溜め部25に直接流入することを防止する役割を果たすものである。
次に、上記構成における基本作動を簡単に説明する。加熱器13及び冷却器14を動作させると、まず加熱器13により加熱部11a内の作動媒体(水)12が加熱されて気化し、加熱部11a内に高温・高圧の蒸気が蓄積されて、容器11の一端側(加熱部11a側)における作動媒体12の液面12aを押し下げる。すると、容器11内に封入された液体状態の作動媒体12は、容器11の一端側から他端側に変位して、発電機1側のピストン16を押し上げるとともに、バネ18を圧縮する。
容器11の一端側における作動媒体12の液面12aが冷却部11bまで下がり、冷却部11b内に作動媒体12の蒸気が進入すると、蒸気が冷却器14により冷却されて液化されるため、作動媒体12の液面12aを押し下げる力が消滅する。この結果、蒸気の膨張によって一旦押し上げられた発電機1側のピストン16がバネ18の弾性力によって下降し、容器11の一端側において作動媒体12の液面12aが上昇する。
そして、こうした動作は、加熱器13及び冷却器14の動作を停止させるまで繰り返し実行され、その間、容器11内において、液体状態の作動媒体12は液体ピストンとして周期的に変位(いわゆる自励振動)して発電機1の可動子2を上下動させることになる。
本実施形態では、微細流路21を有する伝熱部材20を加熱部11a内に配置しているので、加熱部11aに導入された作動媒体12が微細流路21内で加熱され沸騰する。このため、温度勾配の影響を排除して作動媒体12を確実に沸騰(気化)させることができる。しかも、微細流路21は、球状の粒子22に囲まれて形成されているので、微細流路21内で沸騰した蒸気がその周囲の液体状態の作動媒体12を飛ばしてしまうことを防止できる。
さらに、本実施形態では、伝熱部材20および液供給通路23が加熱部11aの径方向に拡がる形状を有するとともに加熱部11aの軸方向に互いに積層されているので、伝熱部材20の温度分布を均一化することができ、ひいては効率を向上させることができる。
このことを詳細に説明すると、図3(a)の矢印のように、冷却部11b側から加熱部11aに流入した液体状態の作動媒体12は液供給通路23を加熱部11aの径方向に拡がって流れて液供給通路23全体に拡がる。この際、液体状態の作動媒体12はある程度加熱される。
液体状態の作動媒体12は、液供給通路23全体に拡がった後、加熱部11aの軸方向に流れて第1、第2伝熱部材20a、20bに供給され、第1、第2伝熱部材20a、20bで加熱されて沸騰する。そして、第1、第2伝熱部材20a、20b内の微細流路21で発生した蒸気は微細流路21を蒸気溜め部25に向かって流れて蒸気溜め部25に流出し、蒸気溜め部25に溜まることとなる。
このように、本実施形態では、伝熱部材20および液供給通路23が加熱部11aの径方向に拡がる形状を有するとともに加熱部11aの軸方向に互いに積層されているので、伝熱部材20に対する液体状態の作動媒体12の供給を均一化することができる。
このため、伝熱部材20と液体状態の作動媒体12との熱交換時間を伝熱部材20の入口側部位(径方向内側部位)と奥側部位(径方向外側部位)とで均一化できるので、伝熱部材20の温度分布を均一化することができる。その結果、伝熱部材20の温度分布が大きくなっている場合と比較して、伝熱部材20のうち最も温度の低い部位における温度を上昇させることができる。
ここで、上述のように、PV線図上の最大圧力は、伝熱部材20のうち最も温度の低い部位における温度での飽和蒸気圧とほぼ等しくなる。したがって、伝熱部材20のうち最も温度の低い部位における温度を上昇させることによって最大圧力を上昇させることができるので、PV出力を向上させることができ、ひいては効率を向上させることができる(図8を参照)。
次に、伝熱部材20の一設計例を示す。まず、球状の粒子22同士の接合面の直径(相当円直径)である接合直径dj(図2(b)を参照)について説明する。接合直径djを小さくした場合、すなわち粒子22同士の潰し量を小さくした場合には、流路21の断面積の相当円直径(以下、流路径と言う。)が大きくなるので作動媒体12の流通性が良好である反面、粒子22間の伝熱面積(接触面積)が小さくなるので伝熱性能が劣る。
これとは逆に、接合直径djを大きくした場合、すなわち粒子22同士の潰し量を大きくした場合には、粒子22間の伝熱面積が大きくなるので伝熱性能が良好である反面、流路径が小さくなるので作動媒体12の流通性が劣る。
そこで、作動媒体12の流通性と伝熱性能とを両立するために、接合直径djを粒子22の直径dの10%以上、50%以下にするのが望ましい。より望ましくは、接合直径djを粒子22の直径dの1/4に設定するのがよい(dj=d/4)。
なお、ここでいう粒子22の直径dとは、粒子22のうち、面接合することなく本来の球形状を有している部位で測った直径を意味するものである。
次に、粒子22の積層厚みL(図3を参照)について説明する。ここで、粒子22の積層厚みLとは、第1、第2伝熱部材20a、20bそれぞれの上下方向寸法のことを意味している。なお、図3では図示の都合上、第2伝熱部材20bにおける粒子22の積層厚みLのみを図示しており、第1伝熱部材20aにおける粒子22の積層厚みLの図示を省略している。
第1、第2伝熱部材20a、20bのそれぞれにおける粒子22の上下方向の積層個数をnとすると、粒子22の積層厚みLは次の数式1のように近似することができる。
(数1)
L=nd
加熱部11aの内壁面の温度をT1、第1、第2伝熱部材20a、20bの液供給通路23側端部の温度をT2としたとき、球状の粒子22の伝熱量Qinは、次の数式2で表される。
Figure 0005109992
但し、λは粒子22の熱伝導率、Sは球状の粒子22間の伝熱面積(接触面積)である。本例では、dj=d/4としているので、球状の粒子22間の伝熱面積Sは次の数式3で表される。
Figure 0005109992
一方、1周期中に球状の粒子22から流路21内の作動媒体12に与えられる熱量Qoutは、次の数式4で表される。
(数4)
Qout=Vhfgεf
但し、Vは流路21内の作動媒体12の体積であり、hfgは潜熱であり、εは1周期のうち加熱部11a内に液体状態の作動媒体12が入っている時間の割合であり、fは液体ピストン式蒸気エンジンの駆動周波数である。
このうち、流路21内の作動媒体12の体積Vは、次の数式5で表される。
Figure 0005109992
但し、ηは伝熱部材20の空隙率である。
そして、次の数式6に示すように、上述の伝熱量Qinと熱量Qoutは同じであるから、数1〜数6により次の数式7が導かれる。
(数6)
Qin=Qout
Figure 0005109992
図4(a)は、この数式7をグラフに表したものであり、粒子22の積層厚みLが大きいほど、伝熱部材20の上下方向中心部の温度T2が低下することがわかる。なお、図4(b)は、伝熱部材20の上下方向中心部の温度T2と液体ピストン式蒸気エンジンの効率との関係を示すグラフである。図4(b)中のT3は冷却部11bの内壁面の温度である。
図4(b)からわかるように、伝熱部材20の上下方向中心部の温度T2は、加熱部11aの内壁面の温度T1と冷却部11bの内壁面の温度温度T3の平均値以上であるのが望ましい。すなわち、伝熱部材20の軸方向中心部の温度T2は、次の数式8を満たすのが望ましい。
Figure 0005109992
よって、数式7、8により、次の数式9が導かれる。
Figure 0005109992
したがって、粒子22の積層厚みLがこの数式9を満たすように伝熱部材20を設計すれば、流路21内の液相状態の作動媒体12を良好に蒸発させることができ、液体ピストン式蒸気エンジンを高効率化できる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、蒸気溜め部25が第1、第2伝熱部材20a、20bと隣接して形成されて第1、第2伝熱部材20a、20b内の微細流路21と直接連通しているが、本第2実施形態では、図5に示すように、蒸気溜め部25が第1、第2伝熱部材20a、20bと離間して形成され、かつ第1、第2伝熱部材20a、20b内の微細流路21と蒸気通路30、31を介して連通している。
本例では、蒸気通路30、31は、第1、第2伝熱部材20a、20bの軸方向外側の端面(本例では、第1伝熱部材20aの上端面および第2伝熱部材20bの下端面)から加熱部11aの軸方向に延びる複数個の分岐通路部30a、31aと、加熱部11aの径方向に拡がって複数個の分岐通路部30a、31aと連通する集合通路部30b、31bとで構成されている。
本例では、図5(b)に示すように、複数個の分岐通路部30a、31aの断面形状を加熱部11aと同心の環状にしている。したがって、加熱部11aのうち複数個の分岐通路部30a、31a同士の間の部位は、複数個の環状部32、33に分割されることとなる。
複数個の環状部32、33は、第1、第2伝熱部材20a、20bを加熱部11aに固定するための固定部としての役割と、加熱部11aの熱を第1、第2伝熱部材20a、20bに伝えるための伝熱部としての役割を果たしている。
本例では、図示を省略しているが、集合通路部30b、31bの平面形状を加熱部11aと同心の円形状にしている。また、図示を省略しているが、加熱部11aには、集合通路部30b、31b内にて上下方向に延びる柱状部が形成されている。
集合通路部30b内の柱状部は、複数個に分割された環状部32を、加熱部11aのうち集合通路部30bよりも上方側の部位と繋ぐ役割を果たすものである。同様に、集合通路部31b内の柱状部は、複数個に分割された環状部33を、加熱部11aのうち集合通路部31bよりも下方側の部位と繋ぐ役割を果たしている。
本例では、図示を省略しているが、蒸気溜め部25を加熱部11aの周方向の全域にわたって形成し、蒸気溜め部25の断面形状を加熱部11aと同心の円筒状にしている。なお、必ずしも蒸気溜め部25を加熱部11aの周方向の全域にわたって形成する必要はなく、例えば蒸気溜め部25を加熱部11aの周方向の一部のみに形成し、蒸気溜め部25の断面形状を円弧状にしてもよい。
本実施形態によると、第1、第2伝熱部材20a、20b内の微細流路21で発生した蒸気は、第1、第2伝熱部材20a、20bの軸方向外側の端面に略均等に配置された蒸気通路30、31を通って蒸気溜め部25に溜まることとなる。
このため、上記第1実施形態と比較して、第1、第2伝熱部材20a、20b内の各部位において液体状態の作動媒体12の流れを均一化できるので、第1、第2伝熱部材20a、20b内の各部位を流れる液体状態の作動媒体12の流量を均一化できる。その結果、伝熱部材20の温度分布をより均一化することができる。
(第3実施形態)
上記第1実施形態では、伝熱部材20に対する液体状態の作動媒体12の供給を均一化する液供給構造によって、伝熱部材20の温度分布を均一化する温度分布均一化構造を構成しているが、本第3実施形態では、伝熱部材40の熱容量を加熱部11a入口側に向かうほど増大させる熱容量増大構造によって当該温度分布均一化構造を構成している。
本実施形態では、図6(a)に示すように、伝熱部材40は、加熱部11a内に一体的に配置されている。したがって、蒸気溜め部41は加熱部11aの内部空間のうち径方向最外側部位のみに形成されている。
そして、図6(b)に示すように、伝熱部材40内の空隙率が加熱部11a入口側に向かうほど減少するように伝熱部材40が形成されている。これにより、伝熱部材40の熱容量を加熱部11a入口側に向かうほど増大させている。
つまり、伝熱部材40と液体状態の作動媒体12との熱交換時間が加熱部11a入口側に向かうほど長くなることに鑑みて、伝熱部材40の熱容量を、当該熱交換時間の分布と同様に、加熱部11a入口側に向かうほど増大させている。
このため、伝熱部材40のうち加熱部11a入口側部位における温度低下を抑制することができるので、上記第1実施形態と同様に、伝熱部材40の温度分布を均一化することができる。
より好ましくは、伝熱部材40の空隙率が液体状態の作動媒体12との熱交換時間に反比例していれば、伝熱部材40の熱容量が当該熱交換時間に比例することとなるので、伝熱部材40の温度分布をより均一化できる。
(第4実施形態)
上記第3実施形態では、伝熱部材40の熱容量を加熱部11a入口側に向かうほど増大させる熱容量増大構造によって、伝熱部材40の温度分布を均一化する温度分布均一化構造を構成しているが、本第5実施形態では、図7に示すように、伝熱部材50の見かけの熱伝導率を加熱部11a入口側に向かうほど増大させる熱伝導促進構造によって当該温度分布均一化構造を構成している。
本実施形態では、上記第3実施形態と同様に、伝熱部材50は、加熱部11a内に一体的に配置されている。したがって、蒸気溜め部51は加熱部11aの内部空間のうち径方向最外側部位のみに形成されている。
そして、伝熱部材50を形成する金属粒子同士の接合直径(図2(b)を参照)を加熱部11aの入口側に向かうほど大きくすることによって、伝熱部材50の見かけの熱伝導率を加熱部11a入口側に向かうほど増大させる熱伝導促進構造を構成している。
つまり、金属粒子の接合直径を大きくするほど伝熱部材50内部の伝熱量が増加するので、伝熱部材50のうち加熱部11a壁面から離れた部位(図7(b)の例では、上下方向中心部)まで加熱部11aからもらった熱を良好に伝えることができる。このため、金属粒子の接合直径を大きくするほど、伝熱部材50の見かけの熱伝導率が増大することとなる。
本実施形態によると、伝熱部材50の見かけの熱伝導率を加熱部11a入口側に向かうほど増大させているので、伝熱部材50のうち加熱部11a入口側部位における温度低下を抑制することができる。このため、上記第3実施形態と同様に、伝熱部材50の温度分布を均一化することができる。
より好ましくは、伝熱部材50の見かけの熱伝導率が当該熱交換時間に比例するように金属粒子同士の接合直径を設定すれば、伝熱部材50の温度分布をより均一化できる。
(他の実施形態)
(1)上記各実施形態は、加熱部11aの内部空間の平面形状の一例を示したものに過ぎず、これに限定されることなく、加熱部11aの内部空間の平面形状を種々変更可能である。
(2)上記各実施形態では、加熱器13と容器11とを別体に形成しているが、加熱器13と容器11のうち加熱部11aとを一体に形成してもよい。
(3)上記各実施形態では、加熱器13の熱源として高温ガスを用いているが、加熱器13を電気ヒータで構成してもよい。
(4)上記各実施形態では、本発明を発電装置の駆動源に適用した場合について説明したが、本発明の外燃機関は、発電装置以外の駆動源としても利用することができる。
(5)上記各実施形態では、容器11が加熱部11aにおいて水平方向に拡径されており、加熱部11aが水平方向に拡がる円盤状になっているが、これに限定されるものではなく、例えば容器11が水平方向に拡径されておらず、加熱部11aが上下方向に直線状に延びる管状になっていてもよい。
(6)上記各実施形態では、作動媒体として水を用いているが、これに限定されるものではなく、例えば作動媒体として冷媒を用いてもよい。
11 容器
11a 加熱部
12 作動媒体
20 伝熱部材
23 液供給通路
25 蒸気溜め部

Claims (1)

  1. 作動媒体(12)が液体状態で流動可能に封入された管状の容器(11)と、
    前記容器(11)の一端側部位に形成され、前記液体状態の前記作動媒体(12)の一部を加熱して気化させる加熱部(11a)と、
    前記容器(11)のうち前記加熱部(11a)よりも他端側部位に形成され、前記加熱部(11a)で気化した前記作動媒体(12)の蒸気を冷却して液化させる冷却部(11b)と、
    前記容器(11)の他端部と連通し、前記蒸気の体積変動によって生じる前記液体状態の前記作動媒体(12)の変位を機械的エネルギに変換して出力する出力部(15)とを備え、
    前記加熱部(11a)は、前記蒸気を溜める蒸気溜め部(25、41、51)を有し、
    前記加熱部(11a)内には、前記液体状態の前記作動媒体(12)の加熱を促進する伝熱部材(20)が配置され、
    前記伝熱部材(20)には、前記作動媒体(12)が流通可能な流路(21)が形成され、
    さらに、前記加熱部(11a)内には、前記伝熱部材(20)の温度分布を均一化する温度分布均一化構造が設けられている外燃機関であって、
    前記温度分布均一化構造は、前記伝熱部材(20)に対する液体状態の作動媒体(12)の供給を均一化する液供給構造で構成されており、
    前記加熱部(11a)は、前記容器(11)を拡径した円盤状に形成されており、
    前記加熱部(11a)内には、前記伝熱部材(20)に前記液体状態の前記作動媒体(12)を供給する液供給通路(23)が形成されており、
    前記液供給構造は、前記伝熱部材(20)および前記液供給通路(23)が前記加熱部(11a)の径方向に拡がる形状を有するとともに前記加熱部(11a)の軸方向に互いに積層されていることによって構成されており、
    前記伝熱部材(20)は、多孔質体で形成され、その内部に形成された細孔によって前記流路(21)が多数個の微細な流路(21)として構成されており、
    前記蒸気溜め部(25)は、前記伝熱部材(20)の径方向外側に前記伝熱部材(20)と隣接して形成され、前記伝熱部材(20)内の微細な流路(21)と直接連通しており、
    前記蒸気溜め部(25)と前記液供給通路(23)との間には、液体状態の作動媒体(12)が前記液供給通路(23)から前記蒸気溜め部(25)に直接流入することを防止する環状部材(26)が配置されていることを特徴とする外燃機関。
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