JP5107488B2 - 孔版印刷装置における版胴装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版印刷装置における版胴装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
孔版印刷装置では、内部にインキ供給手段を備えた版胴の外周面に製版されたマスタ(以下、「製版済みのマスタ」という)を巻装し、例えばプレスローラ等の押圧部材で印刷用紙を版胴に押し付けて印刷することが行われている。版胴内部のプレスローラに対向する位置には、インキ供給手段を構成するインキローラが設けられており、インキローラから版胴の内周面に供給されたインキが押圧力(印圧)によって版胴の開孔を通って製版済みのマスタの穿孔部分から滲み出し、滲み出たインキが印刷用紙に転移してインキ画像が形成されるものである。
【0003】
図11および図12に示すように、版胴70は、一般に、版胴本体ないしベース部材としての円筒状の多孔性支持板または支持円筒体と呼ばれる部分と、この多孔性支持板の両端部を支持する、図11の紙面の手前側および奥側に一対設けられた端板としてのフランジ10a,10bと、上記多孔性支持板の外周面に巻装された図11に示すメッシュスクリーン11等とから構成されている。このメッシュスクリーン11の外周表面に製版済みのマスタ1が巻装される。メッシュスクリーン11は、上記多孔性支持板から出たインキを拡散させて図11に示すマスタ1に対するインキ供給を均一化するためのものであり、ポリエステル等の樹脂またはステンレススチール等の金属の細線等で織られて形成されており、通常1〜3層程度巻装されている。
【0004】
なお、版胴の名称は、印刷ドラムの外周部分のみを指すこともあるが、説明の簡明化を図るために、印刷ドラムの外周部分を含めた印刷ドラムの全体を版胴と呼ぶことにする。また、版胴としては、メッシュスクリーンを巻装していない上記多孔性支持板または上記支持円筒体のみからなるものもある。本発明は、後述するように開孔部における多数の開孔の配置状態に関するものであり、上記メッシュスクリーンの巻装有無は本発明には実質的に関係がなく、説明の簡明化を図る上から、以下、上記多孔性支持板または上記支持円筒体の部分を版胴と呼ぶことにする。
【0005】
上述したことを踏まえて、図8ないし図12を参照して、従来の孔版印刷装置における版胴装置について説明する。図11および図12に示すように、従来の孔版印刷装置における版胴装置350は、製版済みのマスタ1が巻装される外周面72、インキが供給される内周面73およびこの内周面73側からインキを通過させて外周面72上の製版済みのマスタ1に供給する多数の開孔4を備えた開孔部5を有する回転自在な版胴70と、この版胴70の内周面73にインキを供給するインキ供給部材としてのインキローラ21を備えたインキ供給手段20を具備するインキ供給装置19と、版胴70の内部に設けられ版胴70の内周面73に接触可能に配設された部材としての掻取ブレード13を備えたインキ回収手段12等とから主に構成されている。
【0006】
版胴70は、図示しない装置本体側板間に支持され自身の軸線方向に沿って延在した中空状の支軸8の周りに、フランジ対10a,10bおよび図示しない軸受等を介して、時計回り方向(以下、「回転方向40」という)に回転自在となっている。版胴70は、図示しない駆動手段としてのメインモータにより回転駆動される。図9および図10(a)において、符号41は、版胴70の回転方向40と直交する版胴70の軸線方向を示している。
【0007】
版胴70は、生産性やコストなどの観点より、例えばステンレススチール等の薄い金属製の多孔性の板を円筒形に丸めて形成されている。図9および図10(a),(b),(c)に示すように、図9中ハッチングで示す画像形成領域である開孔部5には、インキ通過用の多数の開孔4が規則的な整列状態に、すなわち特定の配置パターンをもって板厚方向に貫通形成されて配置されている。図10(c)において、符号Dは開孔4の孔径を、符号tは版胴70の板厚を示す。版胴70の板厚tは、例えば0.1〜0.2mmのものが用いられる。
【0008】
版胴70の開孔部5における多数の開孔4は、化学的腐食加工の一種であるエッチング加工により一挙的に形成することにより、低コストで多数の開孔形成を行うことができる。なお、多数の開孔4は、上記した方法に限らず、例えば電鋳加工によって母型に金属皮膜を形成する過程にて多数の開孔を形成する方法なども用いられている。
【0009】
図10(a),(b),(c)に示すように、多数の開孔4は、版胴70の開孔部5における単位当たりの面積にできるだけ多くの開孔4を効率よく密に配置するために、隣合う開孔4が互いにずれる亀甲模様の正六角形状の配置パターン15(以下、「六角形パターン15」という)が採用されている。
【0010】
図10(b)では、六角形パターン15の時計回り方向に配列された各開孔4にアラビア数字の添え字符号「−1〜−6」を付加して、六角形パターン15の各開孔4の配置位置状態を表すものとする。六角形パターン15の中心に位置する開孔4には、添え字を付加しないこととする。
六角形パターン15は、特定の対称線としての、互いに対向する頂点の開孔4−1中心と開孔4−4中心を結ぶ対角線16に対して線対称な図形をなしている。従来の通常の版胴70は、上述した理由から六角形パターン15をもって開孔部5に配置されていて、六角形パターン15の対角線16が版胴70の軸線方向41に沿って、すなわち版胴70の軸線方向41と平行になるように配置されていた。
【0011】
そして、六角形パターン15は、例えば各開孔4の孔径D=0.2mm、一辺の長さL(例えば開孔4−1中心と開孔4−2中心とを結ぶ長さL)=0.4mmという寸法関係で形成されていた。
【0012】
一方、版胴70の内部には、図11および図12に示すように、上記したインキローラ21を備えたインキ供給手段20と、インキ回収手段12とが配設されている。
インキ回収手段12は、例えば特開2000−177226号の図1ないし図3およびその明細書の段落番号(0026)〜(0030)に記載されているインキ回収手段8と同様の機能および類似の構成を有している。すなわち、インキ回収手段12は、印刷ニップ部42から版胴70の回転方向40の下流側へ僅かに離れた位置で、かつ、インキローラ21の近傍に設けられ、版胴70の内周面73に残った印刷直後のインキを回収してインキローラ21へ戻す機能および構成を有している。
【0013】
インキ回収手段12は、図11および図12に示すように、版胴70の内周面73に接触して梨地模様で示すインキを掻き取る掻取部材としての掻取ブレード13と、この掻取ブレード13によって掻き取られたインキをインキローラ21へ還流させる戻し部材14と、インキローラ21の外周面に近接し戻し部材14の内側面に沿って設けられていて、掻取ブレード13からのインキをインキローラ21へ効率よく戻すためのマイラー部材14Aとを有している。
掻取ブレード13の自由端部13bは、版胴70の軸線方向41と平行に軸線方向41に沿って延在して設けられていて、版胴70の内周面73との接触抵抗を少なくするために掻き取り性能が低下しないレベルで、その先端部分には丸みを付けられている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の版胴装置350では、図10(a),(b)に示すように、その版胴70における六角形パターン15の対角線16が版胴70の軸線方向41に沿って軸線方向41と平行に配置されていたので、図10(a)、図11および図12に示すように、版胴70が印刷時に回転方向40に回転する際、掻取ブレード13の自由端部13bが版胴70の内周面73に押し当たり、掻取ブレード13の自由端部13bの先端およびその角が、六角形パターン15における各開孔4の開孔縁部4aに同時に接触して引っ掛かる数が多くなり、そのために摺動騒音が大きくなってしまうという問題点があった。
図10(a)において、符号13cで示す二点鎖線は、版胴70の軸線方向41に沿って軸線方向41と平行に配置された掻取ブレード13の自由端部13bの先端およびその角の何れかが、版胴70の内周面73に線接触的に当接している状態を簡明化して表した接触線を示す。図10(a)に示した掻取ブレード13の接触線13cでは、8箇所の開孔4の開孔縁部4aと同時に接触している状態を表している。また、版胴の開孔部5の領域境界を見やすくするために、図10(a)の版胴70を含め、後述する図1(a)、図2(a)、図3(a)、図6(a)、図7(a)に示されている各版胴7,7’,70,7B,70Bでは、各開孔部5の領域境界を二点鎖線を用いて表している。
【0015】
上記した大きな摺動騒音の主な音源は、上述したような固定式の掻取ブレード13(掻取部材)と六角形パターン15における各開孔4の開孔縁部4aとの接触・引っ掛かりによる摺動騒音であるが、可動式の掻取部材を有する版胴装置でも発生する。すなわち、可動式の掻取部材を有する版胴装置の例としては、例えば特開2000−326616号公報の図2等に示されているインキ回収部材としてのインキ回収ブレード(15)が挙げられる。
なお、この従来の技術欄を含め後述する発明の実施の形態欄において、従来技術例における部材等を引用して説明する符号には、本願発明の実施の形態における部材等との区別を明確にするために、括弧を付すこととする。
【0016】
版胴の内部に設けられ版胴の内周面に接触可能に配設された固定式の部材としては、上記掻取ブレード13に限らず、特開2000−177224号の図1ないし図3および図6等に示されているように、印刷ニップ部から版胴の回転方向の下流側近傍に設けられ、版胴の内方への変形を防止する版胴変形防止部材を挙げることができる。このような版胴変形防止部材を有する版胴装置でも、上記したと同様の大きな摺動騒音が生じてしまうことが確認されている。
【0017】
また、上述したような固定式の掻取ブレード13や可動式のインキ回収ブレード(15)を有していない図13に示す版胴装置350Aでも、インキローラ21の外周面が版胴70の軸線方向41に沿って軸線方向41と平行に配置されていたので、上述したと同様に、版胴70が印刷時に回転方向40に回転する際、インキローラ21の母線に沿う外周面が版胴70の内周面73に押し当たり、六角形パターン15における各開孔4の開孔縁部4aに同時に接触して引っ掛かる数が多くなり、そのために摺動騒音が大きくなってしまい、印刷騒音の原因の一つとなっていた。これは、インキの供給と消費とのバランスを考慮して、版胴70とインキローラ21との各周速度を異なった設定にしていること、および/または開孔4の単位面積当たりの密集度(密度)や印圧なども関係して発生するものである。
図13に示す版胴装置350Aは、図11および図12に示した版胴装置350と比較して、主として掻取ブレード13等を備えたインキ回収手段12を除去したことが相違する他、これに伴い、図13の紙面の手前側および奥側において、図11の掻取ブレード13の基端部13aを固定している一対のインキ側板28a,28bに代えて、その形状を変えた一対のインキ側板28Aa,28Abを有することが相違する。
【0018】
近年、例えばオフィスや学校等での孔版印刷装置を使用するユーザから、印刷騒音を低減してほしいという要望が高くなってきており、このような事情に鑑みて、本発明は印刷騒音の原因の一つである上記摺動騒音に着眼してこれを低減することを課題としている。
そこで、本発明は、上記した事情に鑑みて、版胴の内部に設けられ版胴の内周面に接触可能に配設された部材と多数の開孔の各開孔縁部とが、同時に(一度に)接触する数を減少させるように多数の開孔を版胴の開孔部に配置することにより、接触抵抗発生箇所を減らして大きな摺動騒音を低減することのできる版胴装置の提供を、第1の目的とする。加えて、摺動騒音の周波数域を高域へシフトさせることで耳障りな低周波音を低減することのできる版胴装置の提供を、第2の目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決すると共に上記目的を達成するために、請求項毎の発明では、以下の手段を採用している。
請求項1記載の発明は、製版されたマスタが巻装される外周面、インキが供給される内周面およびこの内周面側からインキを通過させて上記外周面上のマスタに供給する多数の開孔を備えた開孔部を有する回転自在な版胴と、この版胴の内部に設けられ該版胴の回転方向と直交する軸線方向に沿って上記内周面に接触可能に配設された部材とを具備し、上記多数の開孔は、特定の配置パターンとしての六角形パターンまたは四角形パターンをもって上記開孔部に配置されている孔版印刷装置における版胴装置において、上記多数の開孔における個々の開孔面積および上記開孔部からのインキ通過量の総量を変えない条件の下で、上記六角形パターンまたは上記四角形パターンの対向する上記開孔中心を結ぶ対角線が、上記軸線方向に対して一定の角度をなすように、上記六角形パターンまたは上記四角形パターンを回転させて上記開孔部に配置することにより、上記部材と上記多数の開孔の各開孔縁部とが同時に接触する数を減少させたことを特徴とする。
ここで、「上記開孔部からのインキ通過量の総量を変えない」とは、上記開孔部からのインキ通過量の総量を実質的に変えないという意味である。例えば、後述する第1の実施形態においては、特定の配置パターンとしての六角形パターンの対角線(対称線)を版胴の軸線方向に対して一定の角度をなすように版胴の開孔部に配置したときのその版胴の開孔部からのインキ通過量の総量と、従来の元の版胴の開孔部からのインキ通過量の総量とが、設計上許容される範囲内にあることを意味する。
請求項1記載の発明は、次のようにも表現できる。すなわち、製版されたマスタが巻装される外周面、インキが供給される内周面およびこの内周面側からインキを通過させて上記外周面上のマスタに供給する多数の開孔を備えた開孔部を有する回転自在な版胴と、この版胴の内部に設けられ該版胴の回転方向と直交する軸線方向に沿って上記内周面に接触可能に配設された部材とを具備し、上記多数の開孔は、特定の配置パターンとしての六角形パターンまたは四角形パターンをもって上記開孔部に配置されている孔版印刷装置における版胴装置において、上記多数の開孔における個々の開孔面積および上記開孔部からのインキ通過量の総量を変えない条件の下で、上記六角形パターンまたは上記四角形パターンは、特定の対称線に対して線対称であり、その対称線(上記対角線でもある)が上記軸線方向に対して一定の角度をなすように、上記六角形パターンまたは上記四角形パターンを回転させて上記開孔部に配置したことを特徴とする。
上記部材を、版胴の回転方向と直交する軸線方向に沿って配設するということは、通常の版胴は円筒状をなしていることより、上記部材が版胴の内周面の母線に沿って接触するような形状にすればよいから、設計的には最も単純な形状および低コストで済むという利点がある。
【0024】
請求項記載の発明は、請求項1記載の孔版印刷装置における版胴装置において、上記一定の角度は、上記版胴の回転方向における上記各開孔中心間のピッチが小さくなるように設定されていることを特徴とする。
従来の元の版胴は、所定の解像度用に開発されており、その解像度用版胴を、本発明での版胴に代えると低騒音化が図れる。また、今後の高解像度要求にしたがい、版胴の配置パターンも高密度化するので、各開孔中心間のピッチ(以下、単に「開孔ピッチ」というときがある)が小さくなり、その結果として開孔縁部と上記部材との接触数が増えてしまい、騒音も増えることが予想される。
本発明は、このような版胴の高解像度化による騒音増大に対しても非常に有効なものである。
【0025】
請求項記載の孔版印刷装置における版胴装置においては、耳障りな低周波音を含む摺動騒音の周波数域を高域へシフトさせることで聴感上気にならない周波数領域や騒音レベルとする上から、上記ピッチが、上記六角形パターンまたは上記四角形パターンの一辺の長さの半分以下に設定されていることが好ましい(請求項記載の発明参照)。
【0026】
請求項記載の発明は、請求項1ないしの何れか一つに記載の孔版印刷装置における版胴装置において、上記版胴の内部に設けられ上記内周面にインキを供給するインキ供給部材を有し、上記部材は、印刷ニップ部から上記版胴の回転方向の下流側へ僅かに離れた位置で、かつ、上記インキ供給部材の近傍に設けられ、上記内周面に残った印刷直後のインキを回収して上記インキ供給部材へ戻すインキ回収手段の掻取部材であることを特徴とする。
【0027】
請求項記載の発明は、請求項1ないしの何れか一つに記載の孔版印刷装置における版胴装置において、上記部材は、印刷ニップ部から上記版胴の回転方向の下流側近傍に設けられ、上記版胴の内方への変形を防止する版胴変形防止部材であることを特徴とする。
【0028】
請求項記載の発明は、請求項1ないしの何れか一つに記載の孔版印刷装置における版胴装置において、上記部材は、上記内周面にインキを供給するインキ供給部材であることを特徴とする。
【0029】
請求項記載の発明は、請求項記載の孔版印刷装置における版胴装置において、上記インキ供給部材は、インキローラであることを特徴とする。
【0030】
請求項記載の発明は、請求項1ないしの何れか一つに記載の孔版印刷装置における版胴装置において、上記版胴の内部に設けられ上記内周面にインキを供給するインキ供給部材を有し、上記部材は、上記内周面および上記インキ供給部材の外周面より離間する第1の位置と上記内周面および上記インキ供給部材の外周面に接触する第2の位置とに移動自在であり、上記版胴および上記インキ供給部材と同方向に回転可能なインキ補充ローラであることを特徴とする。
【0031】
請求項記載の発明は、請求項記載の孔版印刷装置における版胴装置において、上記インキ補充ローラの回転方向下流側近傍に配設され該インキ補充ローラの移動と連動して移動可能なインキ回収部材を有することを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説明する。上述した従来の技術例および各実施形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、同一符号を付すことによりその説明を省略する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成要素は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がないものは適宜断わりなく省略することがある。
【0033】
まず、図8ないし図12を参照して、本発明を適用する孔版印刷装置における版胴装置周りについて、従来の技術例で説明しなかった構成を補足しながら動作について説明する。
図8ないし図12を参照して概略説明したように、本発明を適用する孔版印刷装置における版胴装置350は、上記した版胴70と、上記したインキローラ21を備えたインキ供給手段20を具備するインキ供給装置19と、上記した掻取ブレード13を備えたインキ回収手段12等とから主に構成されている。
【0034】
版胴70には、図11に示すように、上記した画像形成領域としての開孔部5と非画像形成領域としての非開孔部6とが形成されている。非開孔部6には、版胴70の一母線と平行な平面を有するステージ部30が配設されている。ステージ部30の上面には、マスタ1の先端部を係止するための開閉自在なクランパ29が配設されている。クランパ29は、版胴70の外周面72に近接可能に上記装置本体側板に設けられた図示しない開閉装置により、開閉される。
【0035】
インキ供給手段20は、版胴70の回転方向40と同方向に回転しながら版胴70の内周面73にインキを供給するインキローラ21と、インキローラ21と微小間隙を置いて平行に配置され、インキローラ21との間に断面略楔形状のインキ溜まり23を形成するドクターローラ22と、インキ溜まり23へインキを供給する複数のインキ分配管25とを有する。
【0036】
インキローラ21は、アルミニウム、ステンレススチールなどの金属またはゴムなどにより形成され、図示しないギヤ列により版胴70と共に回転方向40に回転する。インキローラ21は、版胴70の軸線方向41と平行に軸線方向41に沿って延在して設けられている。インキローラ21は、インキローラ軸21aと一体的に形成されていて、インキローラ軸21aおよび図示しない軸受を介して、図11および図12の紙面の手前側および奥側において支軸8に垂下されるように固設されたインキ側板対28a,28bに版胴70の回転方向40と同方向に回転自在に支持されている。
本実施例の孔版印刷装置においては、インキローラ21の周速度は、インキの供給と消費とのバランスを考慮して、版胴70の周速度以下となるように設定されている。つまり、版胴70とインキローラ21との各周速度は異なった設定になっている。
【0037】
ドクターローラ22は、鉄やステンレスなどの金属で形成され、図示しないギヤ列により反時計回り方向に回転する。ドクターローラ22も、インキ側板対28a,28bに回転自在に支持されている。なお、ドクターローラ22は、これに限らず、例えば固定式のものもある。
インキ溜まり23に溜まったインキは、後述する印刷時におけるインキローラ21の回転により練られ、ドクターローラ22によって層厚みを一定に規制されながらインキローラ21に供給される。インキローラ21は、図13を借りて説明すると、その外周面と版胴70の内周面73との間に僅かな隙間が存在するように配置されている。
なお、インキとしては、例えばW/O型のエマルションインキ系のものが好ましく使用されるが、勿論これに限られるものではない。
【0038】
インキ供給装置19は、上述したインキ供給手段20の他に、インキ溜まり23のインキの有無を検知するインキ検知手段としてのインキ検知針24と、インキ容器27を着脱自在に支持する図示しないインキ容器ホルダと、インキ容器27に収納されたインキをインキ送給管を介して複数のインキ分配管25へ圧送するインキポンプ26等とを具備している。
【0039】
インキ回収手段12の掻取ブレード13は、例えばその厚みが0.2mm程度の燐青銅板で矩形のプレート状に形成されており、その基端部13aは、ネジ挿通孔を有するアーム部材12Aに固定されている。掻取ブレード13は、アーム部材12Aを介して戻し部材14の基端部に挟まれる態様で、インキ側板対28a,28bの下端部に図示しないネジで固定されている。これにより、掻取ブレード13の自由端部13bは、自身の弾性力下で版胴70の内周面に圧接するように片持ち梁態様で支持されている。掻取ブレード13の自由端部13bは、版胴70の軸線方向41と平行に軸線方向41に沿って延在して設けられていて、版胴70の内周面73との接触抵抗を少なくするために掻き取り性能が低下しないレベルで、その先端部分には丸みを付けられている。
掻取ブレード13は、上記材料および厚みで形成した物に限らず、耐インキ腐食性および可撓性ないし適度な弾性を有する物であれば何でもよく、例えばステンレススチールや樹脂、あるはポリウレタンゴムなどで形成してもよい。
掻取ブレード13は、特開2000−177226号の図1ないし図3に示されているように、アーム部材12Aを介さず、インキ側板対28a,28bに対して直接的に固定しても構わない。
【0040】
戻し部材14は、例えばステンレススチールで一体形成されていて、正面視で概略レ字状をなす。戻し部材14は、その自由端部が掻取ブレード13の自由端部13bよりもインキローラ21の回転方向40の下流側であって、インキローラ21の外周面に沿って近接して配置されている。
【0041】
戻し部材14は、上記材料および厚みで形成した物に限らず、耐インキ腐食性を有し上記機能を発揮する物であれば何でもよく、適宜の樹脂などで形成してもよい。
【0042】
マイラー部材14Aは、適度の可撓性を有するマイラーでできていて、掻取ブレード13によって掻き取られたインキの圧により弾性的な変形をするように設定されている。マイラー部材14Aは、その一端が掻取ブレード13の内側に固定され、他端が戻し部材14の内側面に沿って下流端側に延在し、版胴70の非回転時においてはインキローラ21の外周面に接触するように配置されている。戻し部材14の内側面に沿うマイラー部材14Aの内側面とインキローラ21の外周面との間隔は、約0.5mm程度に設定されている。
アーム部材12Aは、例えばステンレススチールで一体形成されているが、掻取ブレード13を支持・固定するだけの強度および耐インキ腐食性を有する物であれば何でもよく、適宜の樹脂などで形成してもよい。
【0043】
印刷時に使用されずに版胴70の内周面73に残ったインキは、印刷工程直後に掻取ブレード13によって掻き取られる。掻き取られたインキは掻取ブレード13の自由端部13b側とマイラー部材14Aとで区画される狭い空間内に一旦溜められながら戻し部材14およびマイラー部材14Aの作用によってインキローラ21の外周面に還流される。マイラー部材14Aの他端部は適度な可撓性ないし弾性を有しているので、インキローラ21上のインキを堰き止めることはなく、圧力や粘度の変動に対応して適度に変位し、溜められた回収インキをインキローラ21上に効率よく戻すようになっている。
【0044】
戻し部材14およびマイラー部材14Aが無くても、掻き取られたインキは掻取ブレード13を競り上がって溜まるため、インキローラ21への還流作用が生じるが、この場合にはそのインキ溜まり部分の容積が大きくなるので回収されたインキの粘度変化による不具合が生じる。
これに対し、この例では戻し部材14およびマイラー部材14Aを掻取ブレード13の自由端部13b近傍に設けて回収インキの貯留量が少なくなるようにしているので、粘度変化の影響を極力小さくすることができる。
掻取ブレード13は、片持ち梁方式で支持されているので、全体として弾性変形が可能であり、これによって自由端部13bは印刷時や芯振れによる版胴70の変形に追随でき、版胴70の変形時に急激な接触抵抗の変動が起こることが防止される。
【0045】
このように、インキ回収手段12によって印刷直後に版胴70の内周面73に残ったインキを回収することにより、インキ供給位置と回収位置が接近しているために、版胴70の内周面73の残存インキを極力少なくすることができる。このため、粘度低下したインキの量を減らすことができ、放置後の立ち上がり特性、すなわち、放置後における新たな製版・印刷後の印刷物に見られる滲みの回復期間を短くすることができる。
【0046】
版胴70の下方には、図11に示すように、製版済みのマスタ1およびメッシュスクリーン11を介して、版胴70の外周面72に対して接離自在に設けられた押圧部材としてのプレスローラ36が配設されている。プレスローラ36は、図示しない変位機構を介して上下に揺動し給送されてくる二点鎖線で示す印刷用紙38を版胴70の外周面72に押し付けるようになっている。
図11において、符号37は、版胴70の外周面72とプレスローラ36との間へ所定のタイミングを取って印刷用紙38を送り出すレジストローラ対を、符号39は、印刷用紙38を用紙搬送方向に案内するガイド板をそれぞれ示す。
【0047】
図11において、版胴装置350の上方には原稿の表面の画像を読み取る原稿読取装置(図示せず)が、版胴装置350の右上方にはロール状に巻かれたマスタ1を製版する製版装置(図示せず)が、この製版装置の下方には図示しない給紙台上に積載された印刷用紙38を給送する上記レジストローラ対37を備えた給紙装置(図示せず)が、この給紙装置に対向する版胴装置350の左下方には版胴装置350およびプレスローラ36で印刷された印刷用紙38を図示しない排紙台に排出する排紙装置(図示せず)が、この排紙装置と上記原稿読取装置との間には版胴70の外周面72から使用済みのマスタ1を剥離・排版する排版装置(図示せず)が、それぞれ配設されるようになっている。
上記原稿読取装置、上記製版装置、上記給紙装置、上記排紙装置および上記排版装置は、例えば、特開平5−229243号公報の図9およびその明細書の段落番号(0017)〜(0020)および(0022)〜(0024)に記載されている原稿読取部(4)、製版部(6)、給紙部(11)、排紙部(13)および排版部(15)と同様である。
【0048】
まず、上記原稿読取装置の図示しない原稿受け台上に原稿を配置し、図示しない製版スタートキーを押下すると、上記排版装置の作動によって先に使用した使用済みのマスタ1が版胴70の外周面72から剥離され、図示しない排版箱内に収容される。一方、排版動作と並行して、原稿画像の読み取り動作および上記製版装置で製版動作が行われる。
すなわち、上記製版装置では、画像情報に応じて、図示しないサーマルヘッドの複数の発熱素子が選択的に発熱されることで穿孔・製版され、こうして製版されたマスタが図示しないプラテンローラおよび図示しない給版ローラ対等により搬送され、版胴70の拡開したクランパ29に向かって送出される。
次いで、クランパ29が閉じられることにより、製版済みのマスタ1の先端部がクランプされ、次いで版胴70が回転方向40に回転することにより、製版済みのマスタ1は版胴70の外周面72に巻き付けられていく。そして、製版完了後に製版済みのマスタ1は上記製版装置の図示しないカッタにより所定の長さに切断され、この切断された製版済みのマスタ1が版胴70の外周面72に完全に巻装される。
【0049】
製版済みのマスタ1は版胴70の外周面72に巻装された後、印刷工程が開始される。まず、上記給紙装置の図示しない給紙コロおよび分離コロ等を備えた用紙分離装置が回転することにより、上記給紙台上に積載された印刷用紙38は1枚ずつ分離されてレジストローラ対37のニップ部に向けて送出される。次いで、レジストローラ対37により、版胴70の回転と同期した所定のタイミングで版胴70とプレスローラ36との間に印刷用紙38が給送される。そして、版胴70の外周面72から離間していたプレスローラ36が上方に変位し、回転方向40に回転する版胴70の外周面72に巻装された製版済みのマスタ1に印刷用紙38が押圧されることにより、製版済みのマスタ1の穿孔部分からインキが印刷用紙38の表面に転移されて印刷される。
この時、インキローラ21も版胴70の回転方向40と同一方向に回転し、インキ溜まり23に溜まったインキが練られ、ドクターローラ22によって層厚みを一定に規制されながらインキローラ21に供給される。また、プレスローラ36が印刷ニップ部42を形成すべく、製版済みのマスタ1およびメッシュスクリーン11を介して上方に変位して版胴70の外周面72を押圧したとき、その押圧力により、版胴70の内周面73が、図12に示したようにインキローラ21の外周面に圧接する向きに弾性変形を生じ、これによりインキローラ21に供給されたインキは版胴70の内周面73に供給されると共に、絞り出すように版胴70の開孔4から滲み出させることとなる。
【0050】
また、印刷時においては、インキ回収手段12によって、版胴70の内周面73に残った印刷直後のインキが回収されてインキローラ21へ戻す上述した特有の動作も行われる。
印刷された印刷用紙38は図示しない剥離爪によって版胴70の外周面72から剥離され、上記排紙装置の図示しない吸着吸引装置により吸着されつつ図示しない排紙台上に順次排出される。
【0051】
図1ないし図5を参照して、第1の実施形態を説明する。
第1の実施形態は、上述した従来の孔版印刷装置における版胴装置350と比較すると、版胴装置350に代えて、図11に括弧を付して示す版胴装置35を有することが主に相違する。版胴装置35は、版胴装置350と比較して、図3、図10および図11に示す従来の版胴70に代えて、図1(a)に示す実施例1の版胴7または図2(a)に示す実施例2の版胴7’を有することのみ相違する。なお、各版胴7,7’の符号は、図11に括弧を付して示すと共に、実施例1と実施例2とを明確に区別するために用いたものであり、後述する図4や図5の内容を説明するときには区別しないで単に版胴7というときがある。
【0052】
図1(a)および図2(a)において、符号2は、製版済みのマスタ1が巻装される各版胴7,7’の外周面を、符号3は、インキが供給される各版胴7,7’の内周面を、それぞれ示す。なお、図10(a)に示した従来の版胴70は、図3(a)に比較例として示す従来の版胴70と実質的に同じであり、二点鎖線で示す開孔部5の領域ラインに対する六角形パターン15の繰り返しの始まり方のみが相違する。
【0053】
各版胴7,7’は、図3(a)および図10(a)に示す従来の版胴70と比較して、多数の開孔4における個々の開孔面積および開孔部5からのインキ通過量の総量を実質的に変えない条件の下で、つまり従来の版胴70による所定の印刷画質等の印刷性能を確保した上で、図11および図12に示す掻取ブレード13の自由端部13bの先端およびその角と、多数の開孔4の各開孔縁部4aとが同時に接触する数を減少させるように、多数の開孔4を開孔部5に配置したことが主に相違する。
【0054】
さらに具体的には、各版胴7,7’は、六角形パターン15の対角線16が、各版胴7,7’の軸線方向41に対して一定の角度をなすように、軸線方向41に対して六角形パターン15を時計回り方向に回転させて開孔部5に配置したことを特徴としている。なお、軸線方向41に対して六角形パターン15を反時計回り方向に回転させて開孔部5に配置してもよく、時計回り方向に回転させて配置したと同様に後述する効果を奏する。
加えて、上記一定の角度は、各版胴7,7’の回転方向40における各開孔4中心間のピッチが小さくなるように設定されていることを特徴としている。
【0055】
各版胴7,7’の六角形パターン15の寸法は、実施例的に言うと、従来の版胴70と同様に、図10(c)を借りて説明すると各開孔4の孔径D=0.2mm、図1(b)および図2(b)に示すように一辺の長さL=0.4mmという関係で形成されている。
(実施例1)
実施例1の版胴7は、図1(a),(b)に示すように、六角形パターン15の対角線16が、版胴7の軸線方向41に対して一定の角度、すなわち回転角度θ=15°(度)をなすように、六角形パターン15を時計回り方向に回転させて開孔部5に配置したものである。
加えて、六角形パターン15の回転角度θ=15°は、版胴7の回転方向40における各開孔4中心間のピッチが小さくなるように設定されている。版胴7の回転方向40における各開孔4中心間のピッチPは、図4に示すように約0.04mmである。
図1(a)に示すように、版胴装置35における掻取ブレード13の接触線13cは、版胴7の内周面3において、4〜5箇所の開孔4の開孔縁部4aと同時に接触している状態を表している。
【0056】
ちなみに、比較例として図3(a)に示す版胴装置350の版胴70における六角形パターン15の回転角度θは0°である。また、版胴70の回転方向40における各開孔4中心間のピッチPは、図4に示すように約0.34mmである。版胴装置350における掻取ブレード13の接触線13cは、図3(a)に示す版胴70の内周面73において、8箇所の開孔4の開孔縁部4aと同時に接触している状態を表している。
(実施例2)
実施例2の版胴7’は、図2(a),(b)に示すように、六角形パターン15の対角線16が、版胴7’の軸線方向41に対して一定の角度、すなわち回転角度θ=30°をなすように、六角形パターン15を時計回り方向に回転させて開孔部5に配置したものである。
加えて、六角形パターン15の回転角度θ=30°は、版胴7’の回転方向40における各開孔4中心間のピッチが小さくなるように設定されている。版胴7’の回転方向40における各開孔4中心間のピッチPは、図4に示すように約0.2mmである。
図2(a)に示すように、版胴装置35における掻取ブレード13の接触線13cは、実施例2の版胴7’の内周面3において、略5箇所の開孔4の開孔縁部4aと同時に接触している状態を表している。
【0057】
図4は、実施例1および実施例2の各版胴7,7’を含め、版胴7の六角形パターン15を時計回り方向に15°ずつ回転させた場合の回転角度θに対する、版胴7の回転方向40における各開孔4中心間のピッチ(図4では開孔ピッチと記載している)の変化の状態を示している。図4に示されているように、六角形パターン15が上述したように正六角形をなしていることにより、六角形パターン15の回転角度θに対する各開孔4中心間の開孔ピッチは、規則正しい周期性をもっていることが分かり、六角形パターン15の回転角度θが60°で0°と同じ状態、つまり図3(a)に示す版胴装置350の版胴70における六角形パターン15と同じになることが容易に分かる。そして、図4において、六角形パターン15の回転角度θが15°および45°のときに、各開孔4中心間のピッチが約0.04mmとなる極小値をとることが分かる。
【0058】
図5は、従来の版胴70における六角形パターン15の回転角度θ=0°を基準として、実施例1および実施例2の各版胴7,7’を含め、版胴7の六角形パターン15を時計回り方向に15°ずつ回転させた場合の回転角度θにおいて、掻取ブレード13の摺動騒音を含む印刷騒音を実機で測定した結果を示す。
図5において、六角形パターン15の回転角度θ[°(度)]を横軸に、騒音レベル[dB(デシベル)]を縦軸に、それぞれ取っている。騒音レベル[dB]は、音の大きさの感覚が周波数によって異なることを考慮して設定されたもので、騒音の周波数に応じて騒音計の規格に規定されているA特性の相対レスポンス(デシベルまたはホン)を音圧レベルに加算して算出される数値である。
【0059】
上記印刷騒音の測定に用いた実機としては、プリポートVT6000(デジタル感熱式の孔版印刷装置)を使用し、印刷速度:120枚/min:(120rpm)の条件で、サウンドボード取り付けたPCを用いて測定した。
【0060】
図5の印刷騒音の測定結果から、六角形パターン15の回転角度θが15°および45°のときに、騒音レベルが極小値の−69dBであることが、六角形パターン15の回転角度θが0°および60°のときに、騒音レベルが極大値の−46dBであることが、六角形パターン15の回転角度θが30°のときに、騒音レベルが上記極小値と極大値の略中間値の−56dBであることが、それぞれ分かる。六角形パターン15の回転角度θが30°のときの騒音レベル:−56dB以下であれば、実用的に略満足できる騒音レベルであることが確認されている。
【0061】
上記印刷騒音の測定結果からは、以下のことも分かる。すなわち、各版胴7,7’の回転方向40における各開孔4中心間のピッチが小さくなると、必然的に摺動騒音の周波数域が高域へシフトすると共に、各版胴7,7’が印刷時に回転方向40に回転する際、掻取ブレード13の自由端部13bおよびインキローラ21の外周面が各版胴7,7’の内周面3に押し当たり、掻取ブレード13の自由端部13bの先端およびその角ならびにインキローラ21の外周面が、六角形パターン15における各開孔4の開孔縁部4aに同時に接触して引っ掛かる数がそれぞれ減少するから、その接触抵抗が相対的に減少して騒音レベルが下がるものと推察される。
【0062】
上述した実施例1,2および上記印刷騒音の測定結果等から総合的に判断すると、各開孔4の孔径D=0.2mm、一辺の長さL=0.4mmという六角形パターン15においては、六角形パターン15の回転角度θを15°付近に設定するのが、最も摺動騒音を小さくするので好ましい。また、実用的に略満足できる上記印刷騒音の測定結果から、六角形パターン15の回転角度θを30°付近に設定し、換言すれば各開孔4中心間のピッチがP=0.2mm以下に設定されていればよいと言える。
ここで、従来の元の版胴としてその六角形パターン15の寸法が、各開孔4の孔径D=0.2mm、一辺の長さL=0.6mmという関係の版胴では、各開孔4中心間のピッチが、0.3mm以下に設定されていればよい。したがって、一般的には、各開孔中心間のピッチが、特定の配置パターンの一辺の長さの半分以下に設定されていればよいと言える。
【0063】
但し、他の条件、例えば掻取ブレード13の押し付け圧や開孔4の孔径等によっては、各開孔4中心間のピッチがある開孔ピッチ以下になると、聴感上気にならない周波数領域(つまり高い周波数領域)や騒音レベルになるので、六角形パターン15の回転角度θは、上記条件等を考慮しながら状況に応じて設定するとよい。
【0064】
また、各版胴7,7’を製作する観点から考察すると、版胴7は、その開孔部5の六角形パターン15自体の寸法関係を何ら変えずに、その六角形パターン15を、各版胴7,7’の軸線方向41に対して回転角度θ=15°,30°だけ時計回り方向に回転させて開孔部5に配置したものであるから、例えばエッチング装置の一部を変更することにより、容易かつ低コストで製作できる。
【0065】
本発明の実施形態は、第1の実施形態に限らず、図13に示した版胴70を有する版胴装置350Aに代えて、図13に括弧を付して示す版胴7を有する版胴装置35Aとすることにより、印刷騒音における上記摺動騒音を低減することができることは明らかである。版胴装置35Aは、版胴装置350Aと比較して、版胴70に代えて、版胴7を有することのみ相違する。
【0066】
第1の実施形態の版胴7は、第1の実施形態に限らず、例えば特開2000−177226号の図1ないし図3およびその明細書の段落番号(0026)〜(0030)に記載されているインキ回収手段(8)と同様の機能および同様の構成を有している版胴装置にも勿論適用できる。
第1の実施形態の版胴7は、第1の実施形態に限らず、図11および図12に示した固定式の掻取ブレード13を備えたインキ回収手段12を有する版胴装置35に代えて、可動式のインキ回収部材を有する版胴装置にも適用できる。すなわち、可動式のインキ回収部材を有する版胴装置としては、版胴7の内周面3およびインキローラ21の外周面より離間する第1の位置と版胴7の内周面3およびインキローラ21の外周面に接触する第2の位置とに移動自在であり、版胴7およびインキローラ21と同方向に回転可能なインキ補充ローラ(図示せず)と、該インキ補充ローラの回転方向下流側近傍に配設され該インキ補充ローラの移動と連動して移動可能なインキ回収部材とを有する版胴装置である。
このようなインキ補充ローラおよび上記可動式のインキ回収部材を有する版胴装置の例としては、例えば特開2000−326616号公報の図2等に示されているインキ補充ローラー(14)およびインキ回収部材としてのインキ回収ブレード(15)が挙げられる。この他、例えば特開平11−180026号公報に開示されているようなインキ補充ローラを有する版胴装置にも適用できる。
【0067】
また第1の実施形態の版胴7は、第1の実施形態に限らず、図11および図12に示した固定式の掻取ブレード13を備えたインキ回収手段12を有する版胴装置35に代えて、印刷ニップ部42から版胴7の回転方向40の下流側近傍に設けられ、版胴7の内方への変形を防止する版胴変形防止部材を有する版胴装置にも適用できる。
このような版胴変形防止部材としては、例えば特開2000−177224号の図1ないし図3および図6等に示されている例を挙げることができる。
【0068】
図6および図7を参照して、第2の実施形態を説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態の孔版印刷装置における版胴装置35と比較すると、版胴装置35に代えて、図11に括弧を付して示す版胴装置35Bを有することが主に相違する。版胴装置35Bは、版胴装置35と比較して、図1(a)、図2(a)および図11に示した各版胴7,7’に代えて、図6(a)に示す版胴7Bを有することのみ相違する。
なお、図7(a)には、第2の実施形態における版胴装置35Bの版胴7Bと比較するための、従来例としての版胴装置350Bの版胴70Bを示す。
【0069】
各版胴7B,70Bは、第1の実施形態の各版胴7,7’と比較して、六角形パターン15に代えて、特定の配置パターンとしての四角形パターン18をもって開孔部5に配置されていることが主に相違する。
【0070】
図6(b)および図7(b)では、四角形パターン18の時計回り方向に配列された各開孔4にアラビア数字の添え字符号「−1〜−4」を付加して、四角形パターン18の各開孔4の配置位置状態を表すものとする。
四角形パターン18は、特定の対称線としての、互いに対向する頂点の開孔4−1中心と開孔4−3中心を結ぶ対角線16に対して線対称な図形をなしている。従来の版胴70Bは、四角形パターン18の対角線16が版胴70Bの軸線方向41に沿って、すなわち版胴70Bの軸線方向41と平行になるように配置されていた。
【0071】
図6(a)に示す版胴7Bは、従来例の版胴70Bと比較して、多数の開孔4における個々の開孔面積および開孔部5からのインキ通過量の総量を実質的に変えない条件の下で、図11および図12に示す掻取ブレード13の自由端部13bの先端およびその角と、多数の開孔4の各開孔縁部4aとが同時に接触する数を減少させるように、多数の開孔4を開孔部5に配置したことが主に相違する。
【0072】
さらに具体的には、版胴7Bは、四角形パターン18の対角線16が、版胴7Bの軸線方向41に対して一定の角度をなすように、軸線方向41に対して四角形パターン18を時計回り方向に回転させて開孔部5に配置したことを特徴としている。なお、軸線方向41に対して四角形パターン18を反時計回り方向に回転させて開孔部5に配置してもよく、時計回り方向に回転させて配置したと同様に後述する効果を奏する。
加えて、上記一定の角度は、版胴7Bの回転方向40における各開孔4中心間のピッチPが小さくなるように、実施例的に言えば、四角形パターン18の回転角度θ=15°をもって設定されている。図6(a)に示すように、版胴装置35Bにおける掻取ブレード13の接触線13cは、版胴7Bの内周面3Bにおいて、略3箇所の開孔4の開孔縁部4aと同時に接触している状態を表している。図6(a)において、符号2Bは、版胴7Bの外周面を示す。
【0073】
比較例として図7(a)に示す従来の版胴70Bにおける四角形パターン18の回転角度θは0°である。また、版胴70Bの回転方向40における各開孔4中心間のピッチPは、当然の事ながら版胴7BのピッチPよりも大きく設定されていることが分かる。版胴装置350Bにおける掻取ブレード13の接触線13cは、図7(a)に示す版胴70Bの内周面73Bにおいて、4箇所の開孔4の開孔縁部4aと同時に接触している。図7(a)において、符号72Bは、版胴70Bの外周面を示す。
【0074】
第1の実施形態から類推して、第2の実施形態でも直ちに以下のことが言える。すなわち、版胴7Bの回転方向40における各開孔4中心間のピッチが小さくなると、必然的に摺動騒音の周波数域が高域へシフトすると共に、各版胴7Bが印刷時に回転方向40に回転する際、掻取ブレード13の自由端部13bおよびインキローラ21の外周面が版胴7Bの内周面3Aに押し当たり、掻取ブレード13の自由端部13bの先端およびその角ならびにインキローラ21の外周面が、四角形パターン18における各開孔4の開孔縁部4aに同時に接触して引っ掛かる数がそれぞれ減少するから、その接触抵抗が相対的に減少して騒音レベルが下がる。
但し、第2の実施形態においても他の条件、例えば掻取ブレード13の押し付け圧や開孔4の孔径等によっては、各開孔4中心間のピッチがある開孔ピッチ以下になると、聴感上気にならない周波数領域(つまり高い周波数領域)や騒音レベルになるので、四角形パターン18の回転角度θは、上記条件等を考慮しながら状況に応じて設定するとよい。
【0075】
第2の実施形態の版胴7Bは、第2の実施形態に限らず、例えば特開2000−177226号の図1ないし図3およびその明細書の段落番号(0026)〜(0030)に記載されているインキ回収手段(8)と同様の機能および同様の構成を有している版胴装置にも勿論適用できる。
第2の実施形態の版胴7Bは、第2の実施形態に限らず、図13に示した版胴70を有する版胴装置350Aに代えて、図13に括弧を付して示す版胴7Bを有する版胴装置35B’とすることにより、印刷騒音における上記摺動騒音を低減することができることは明らかである。なお、版胴装置35B’は、版胴装置350Aと比較して、版胴70に代えて、版胴7Bを有することのみが相違する。
【0076】
第2の実施形態の版胴7Bは、第2の実施形態に限らず、図11および図12に示した固定式の掻取ブレード13を備えたインキ回収手段12を有する版胴装置35Bに代えて、可動式のインキ回収部材を有する版胴装置にも適用できる。すなわち、可動式のインキ回収部材を有する版胴装置としては、版胴7Bの内周面3Bおよびインキローラ21の外周面より離間する第1の位置と版胴7の内周面3Bおよびインキローラ21の外周面に接触する第2の位置とに移動自在であり、版胴7およびインキローラ21と同方向に回転可能なインキ補充ローラ(図示せず)と、該インキ補充ローラの回転方向下流側近傍に配設され該インキ補充ローラの移動と連動して移動可能なインキ回収部材とを有する版胴装置である。
このようなインキ補充ローラおよび上記可動式のインキ回収部材を有する版胴装置の例としては、例えば特開2000−326616号公報の図2等に示されているインキ補充ローラー(14)およびインキ回収部材としてのインキ回収ブレード(15)が挙げられる。この他、例えば特開平11−180026号公報に開示されているようなインキ補充ローラを有する版胴装置にも適用できる。
【0077】
また第2の実施形態の版胴7Bは、第2の実施形態に限らず、図11および図12に示した固定式の掻取ブレード13を備えたインキ回収手段12を有する版胴装置35に代えて、印刷ニップ部42から版胴7Bの回転方向40の下流側近傍に設けられ、版胴7Bの内方への変形を防止する版胴変形防止部材を有する版胴装置にも適用できる。
このような版胴変形防止部材としては、例えば特開2000−177224号の図1ないし図3および図6等に示されている例を挙げることができる。
なお、請求項1記載の上記技術事項から、直ちに次のことが想定される。すなわち、現状の版胴装置では、上記したような設計上の理由から上記部材が配設されているのであるが、版胴の内周面と上記部材との接触・配置位置関係は相対的な関係にあるとみなすことができる。したがって、例えば上記部材の方だけを請求項1記載の条件を満足するように上記一定の角度をもって配設したり、あるいは版胴の特定の配置パターンと上記部材との双方で上記一定の角度を分担して配設したりするようなことも、本発明から容易に導き出せる技術事項に過ぎないと言える。
【0078】
以上述べたとおり、本発明を実施例を含む特定の実施形態等について説明したが、本発明の構成は、上述した各実施形態等に限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0079】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、上述したような従来の孔版印刷装置における版胴装置の有する諸問題点を解決して新規な孔版印刷装置における版胴装置を提供することができる。請求項毎の効果を挙げれば次のとおりである。
請求項1記載の発明によれば、上記構成により、部材と多数の開孔の各開孔縁部とが同時に接触する際の接触抵抗が低減するので、大きな摺動騒音レベルを低減することができる。また、部材を版胴の内周面の母線に沿って接触するような形状にすればよいから、部材を最も単純な形状で設計・製作することができると共に、低コストで製作できる。また、特定の配置パターンを六角形パターンで構成した場合には、版胴の開孔部における単位当たりの面積にできるだけ多くの開孔を効率よく密に配置することができる。
【0083】
請求項記載の発明によれば、角形パターンまたは四角形パターンの対向する開孔中心を結ぶ対角線が、版胴の軸線方向に対してなす一定の角度は、版胴の回転方向における各開孔中心間のピッチが小さくなるように設定されているので、請求項1記載の発明の効果に加えて、摺動騒音の周波数域を高域へシフトさせることができ、これにより耳障りな低周波音を低減することができる。
【0084】
請求項記載の発明によれば、版胴の回転方向における各開孔中心間のピッチが、六角形パターンまたは四角形パターンの一辺の長さの半分以下に設定されているので、実用面から、聴感上気にならない周波数領域や騒音レベルにすることができる。
【0085】
請求項記載の発明によれば、版胴の内部に設けられ版胴の内周面にインキを供給するインキ供給部材を有し、版胴の内部に設けられ版胴の内周面に接触可能に配設された部材は、印刷ニップ部から版胴の回転方向の下流側へ僅かに離れた位置で、かつ、インキ供給部材の近傍に設けられ、版胴の内周面に残った印刷直後のインキを回収してインキ供給部材へ戻すインキ回収手段の掻取部材である場合においても、上記各発明の効果を奏する。
【0086】
請求項記載の発明によれば、版胴の内部に設けられ版胴の内周面に接触可能に配設された部材は、印刷ニップ部から版胴の回転方向の下流側近傍に設けられ、版胴の内方への変形を防止する版胴変形防止部材である場合においても、上記各発明の効果を奏する。
【0087】
請求項または記載の発明によれば、版胴の内部に設けられ版胴の内周面に接触可能に配設された部材は、版胴の内周面にインキを供給するインキ供給部材またはインキ供給部材としてのインキローラである場合においても、上記各発明の効果を奏する。
【0088】
請求項8記載の発明によれば、版胴の内部に設けられ版胴の内周面に接触可能に配設された部材は、版胴の内周面およびインキ供給部材の外周面より離間する第1の位置と版胴の内周面およびインキ供給部材の外周面に接触する第2の位置とに移動自在であり、版胴およびインキ供給部材と同方向に回転可能なインキ補充ローラである場合においても、上記各発明の効果を奏する。
【0089】
請求項記載の発明によれば、インキ補充ローラの回転方向下流側近傍に配設され該インキ補充ローラの移動と連動して移動可能なインキ回収部材を有する場合においても、請求項記載の発明の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施形態の実施例1に係る版胴装置の版胴を回転方向に展開した平面図、(b)は、(a)の平面図における六角形パターンの回転角度が15°の場合であることを示す平面図である。
【図2】(a)は、本発明の第1の実施形態の実施例2に係る版胴装置の版胴を回転方向に展開した平面図、(b)は、(a)の平面図における六角形パターンの回転角度が30°の場合であることを示す平面図である。
【図3】(a)は、従来における版胴装置の版胴を回転方向に展開した平面図、(b)は、(a)の平面図における六角形パターンの回転角度が0°の場合であることを示す平面図である。
【図4】従来、実施例1および実施例2の版胴装置における版胴の六角形パターンを時計回り方向に15°ずつ回転させた場合の回転角度θに対する、版胴の回転方向における各開孔中心間の開孔ピッチの変化の状態を示すグラフである。
【図5】従来、実施例1および実施例2の版胴装置における版胴の六角形パターンを時計回り方向に15°ずつ回転させた場合の回転角度θに対する、騒音レベルの測定結果を示すグラフである。
【図6】(a)は、本発明の第2の実施形態に係る実施例を示す版胴装置の版胴を回転方向に展開した平面図、(b)は、(a)の平面図における四角形パターンの回転角度が15°の場合であることを示す平面図である。
【図7】(a)は、従来における版胴装置の版胴を回転方向に展開した平面図、(b)は、(a)の平面図における四角形パターンの回転角度が0°の場合であることを示す平面図である。
【図8】従来における版胴装置の版胴構成を示す概略的な正面図である。
【図9】図8に示す従来の版胴をA矢視およびその回転方向に展開したときの平面図である。
【図10】(a)は、図9に示す従来の版胴のB部を拡大して回転方向に展開した平面図、(b)は、(a)の版胴の平面図における四角形パターンの平面図、(c)は、(a)のSc−Sc線断面図である。
【図11】従来等の孔版印刷装置における版胴装置の構成を示す一部断面正面図である。
【図12】図11のインキローラおよびインキ回収手段周りを拡大して示す一部断面正面図である。
【図13】図11および図12に示したとは別の従来等の孔版印刷装置における版胴装置の構成を示す一部断面正面図である。
【符号の説明】
1 マスタ
2,2B 版胴の外周面
3,3B 版胴の内周面
4 開孔
4a 開孔縁部
5 版胴の開孔部
7,7’,7B 版胴
12 インキ回収手段
13 掻取部材としての掻取ブレード
14 戻し部材
14A 戻し部材を構成するマイラー部材
15 六角形パターン
16 対角線
18 四角形パターン
21 インキ供給部材としてのインキローラ
35,35A,35B,35B’ 版胴装置
40 版胴の回転方向
41 版胴の軸線方向
42 印刷ニップ部

Claims (9)

  1. 製版されたマスタが巻装される外周面、インキが供給される内周面およびこの内周面側からインキを通過させて上記外周面上のマスタに供給する多数の開孔を備えた開孔部を有する回転自在な版胴と、この版胴の内部に設けられ該版胴の回転方向と直交する軸線方向に沿って上記内周面に接触可能に配設された部材とを具備し、上記多数の開孔は、特定の配置パターンとしての六角形パターンまたは四角形パターンをもって上記開孔部に配置されている孔版印刷装置における版胴装置において、
    上記多数の開孔における個々の開孔面積および上記開孔部からのインキ通過量の総量を変えない条件の下で、上記六角形パターンまたは上記四角形パターンの対向する上記開孔中心を結ぶ対角線が、上記軸線方向に対して一定の角度をなすように、上記六角形パターンまたは上記四角形パターンを回転させて上記開孔部に配置することにより、上記部材と上記多数の開孔の各開孔縁部とが同時に接触する数を減少させたことを特徴とする孔版印刷装置における版胴装置。
  2. 請求項1記載の孔版印刷装置における版胴装置において、
    上記一定の角度は、上記版胴の回転方向における上記各開孔中心間のピッチが小さくなるように設定されていることを特徴とする孔版印刷装置における版胴装置。
  3. 請求項2記載の孔版印刷装置における版胴装置において、
    上記ピッチが、上記六角形パターンまたは上記四角形パターンの一辺の長さの半分以下に設定されていることを特徴とする孔版印刷装置における版胴装置。
  4. 請求項1ないしの何れか一つに記載の孔版印刷装置における版胴装置において、
    上記版胴の内部に設けられ上記内周面にインキを供給するインキ供給部材を有し、
    上記部材は、印刷ニップ部から上記版胴の回転方向の下流側へ僅かに離れた位置で、かつ、上記インキ供給部材の近傍に設けられ、上記内周面に残った印刷直後のインキを回収して上記インキ供給部材へ戻すインキ回収手段の掻取部材であることを特徴とする孔版印刷装置における版胴装置。
  5. 請求項1ないしの何れか一つに記載の孔版印刷装置における版胴装置において、
    上記部材は、印刷ニップ部から上記版胴の回転方向の下流側近傍に設けられ、上記版胴の内方への変形を防止する版胴変形防止部材であることを特徴とする孔版印刷装置における版胴装置。
  6. 請求項1ないしの何れか一つに記載の孔版印刷装置における版胴装置において、
    上記部材は、上記内周面にインキを供給するインキ供給部材であることを特徴とする孔版印刷装置における版胴装置。
  7. 請求項6記載の孔版印刷装置における版胴装置において、
    上記インキ供給部材は、インキローラであることを特徴とする孔版印刷装置における版胴装置。
  8. 請求項1ないし3の何れか一つに記載の孔版印刷装置における版胴装置において、
    上記版胴の内部に設けられ上記内周面にインキを供給するインキ供給部材を有し、
    上記部材は、上記内周面および上記インキ供給部材の外周面より離間する第1の位置と上記内周面および上記インキ供給部材の外周面に接触する第2の位置とに移動自在であり、上記版胴および上記インキ供給部材と同方向に回転可能なインキ補充ローラであることを特徴とする孔版印刷装置における版胴装置。
  9. 請求項8記載の孔版印刷装置における版胴装置において、
    上記インキ補充ローラの回転方向下流側近傍に配設され該インキ補充ローラの移動と連動して移動可能なインキ回収部材を有することを特徴とする孔版印刷装置における版胴装置。
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