以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技管理システムのシステム構成図である。
遊技場の内部には内部ネットワークが設けられており、当該内部ネットワークには遊技場管理装置(ホールコンピュータ)1、ネットワーク管理装置5及び中継装置(ルータ)2が接続されている。遊技場内に設けられた内部ネットワークは、例えば、Ethernet(登録商標)によって構成されている。
当該内部ネットワークに接続されたネットワーク接続機器にはネットワーク通信アドレスが設定されており、機器間の通信(例えば、特定の機器に対するデータの転送や指令信号の送信)や、複数の機器に対する同報通信(例えば、マルチキャストやブロードキャスト)を行うことができる。
遊技場管理装置1は、情報収集端末装置3を介して遊技用装置4から遊技情報を収集して、各遊技機4a(図4参照)の動作状態を監視する。また、遊技用装置4から収集した遊技情報を、データベース(DB)に格納する。また、遊技媒体計数装置(ジェットカウンタ)(図示省略)から収集した精算球数を、データベースに格納する。
中継装置2は、遊技場内の島設備毎に設けられており、当該島設備に設置された各情報収集端末装置3からの情報を中継して、当該情報を内部ネットワークに向けて送信する。なお、中継装置2は、島設備毎に限られず、フロア毎、通路毎又は所定のブロック毎に設置してもよい。
情報収集端末装置3には、遊技用装置4が接続されている。情報収集端末装置3は、遊技用装置4から出力される遊技信号を収集して、所定期間の遊技情報の累積値(例えば、遊技用装置4から出力される回収信号又は賞球信号に基づいて算出されるアウト球数又はセーフ球数の累積値等)を生成する。また、情報収集端末装置3は、呼出しランプ6から出力される呼び出しに関する情報を収集するようにしてもよい。そして、当該累積値に基づいて遊技用装置4の稼動量を算出し、算出した稼動量を遊技場管理装置1に送信する。この情報収集端末装置3が生成する所定期間の遊技情報の累積値は、通常は一営業単位毎に累積算出される。
ここで営業単位とは一日の営業開始から営業終了までを意味し、開店時間より早く始まり閉店時間より遅く終わる。なお、一日の営業時間を午前及び午後等に分割して、一日に複数の営業単位を設定してもよい。また、営業単位を、複数日(例えば、一週間)にわたるものとしてもよい。
なお、複数(例えば、2台)の遊技用装置4に対して1台の情報収集端末装置3を接続する構成でもよい。ただし、複数の遊技用装置4に対して1台の情報収集端末装置3を接続する構成の場合、呼出しランプ6は各遊技機4aに一対一に対応して接続される。また、情報収集端末装置3と呼出しランプ6の機能を統合して一つの装置とすることもできる。
また、情報収集端末装置3は、遊技用装置4から出力された遊技情報を、呼出しランプ6経由で収集してもよい。
ここで、図1の中央下部に示す、バツ印(×)が付された情報収集端末装置3aは、故障している。そして、詳しくは後述するが、この故障した情報収集端末装置3aを、予備用の情報収集端末装置3bに交換する際に、情報収集端末装置3bを内部ネットワークに接続するための設定が行われる。
遊技用装置4は、島設備に複数台ずつ設置されており、遊技機4aに球貸ユニット4b及びアウトタンク4d等の周辺装置が付加されて構成されている(図4参照)。なお、球貸ユニット4bから、後述する球貸信号を出力するが、遊技機4aから、球貸信号を出力するように構成してもよい。遊技機4aは遊技制御装置を中心とする各種制御装置を備え、特図変動表示ゲームを実行する。
また、遊技場には、島端や遊技場内の適所に前述した遊技媒体計数装置が設けられている。遊技媒体計数装置は、遊技用装置4によって遊技者に払い出された遊技媒体の数を計数する装置である。遊技媒体計数装置は、内部ネットワークに接続されており、計数された精算球数は、遊技場管理装置1に送られる。
遊技媒体計数装置による計数の結果は、遊技媒体計数装置が備える7セグメントLED又は液晶ディスプレイよりなる球数表示器に表示され、球数表示器に表示された計数結果をプリントしたレシート(計数シート)が、遊技媒体計数装置が備えるレシート排出口から発券される。なお、当該計数の結果は、レシートに代えて情報記録媒体への新たな情報の付加として記録されてもよく、又は情報記録媒体を介しての新たな情報の付加として記録されてもよい。遊技者は、当該レシートを遊技場内の景品交換所に持っていくことによって、獲得した遊技球の数に応じた景品と交換できる。
ネットワーク管理装置5は、内部ネットワークに物理的に接続された、遊技場管理装置1及び情報収集端末装置3等の、ノード間におけるデータの通信を確保するために、所定の通信プロトコルに従って、遊技場管理装置1と各情報収集端末装置3との間等におけるネットワーク上の通信経路の接続を管理する。なお、通信プロトコルとして、TCP/IPを用いることができるが、これに限らず、他の通信プロトコルを用いてもよい。
呼出しランプ6は、内部ネットワークに直接接続され、内部ネットワークを通じて対応する情報収集端末装置3に論理的に接続されている。呼出しランプ6は、遊技者の所定の操作に応じて呼び出しに関する情報を出力する。
コーナーランプ8は、遊技場内の島設備毎に設けられる。コーナーランプ8は、対応する島設備に備えられる呼出しランプ6のいずれかで呼出し操作があったことを遊技場の従業員に速やかに報知する。また、特別遊技状態の発生によっても点灯し、遊技場の従業員に特別遊技状態の発生を報知する。なお、コーナーランプ8は、島設備毎に限られず、フロア毎、通路毎又は所定のブロック毎に設置されてもよい。
遊技場の外部には、遊技場外部管理装置10が設けられ、ネットワークを介して遊技場管理装置1と接続されており、遊技場管理装置1が遊技場に設置された装置から収集した遊技情報の送信を受け、受信した情報を管理する。各拠点間の通信は、VPN(Virtual Private Network)を利用し、公衆回線網で通信されるデータを暗号化する等によって、情報の漏洩、改ざん、盗聴を防止する。
なお、遊技場外部管理装置10は、遊技場チェーンを経営する本部、経営する本部が管轄する機関、遊技場の収集データの正当性を認証する公的機関その他の外部機関に設けることができる。
また、情報収集端末装置3のMACアドレスや製造固有番号等の情報収集端末装置3を一意に識別可能な情報を、遊技場から遊技場外部管理装置10に対して送信し、送信された情報を遊技場外部管理装置10が認証することによって、情報収集端末装置3が正当なものであるかを確認することができる。
本実施の形態では、情報収集端末装置3からの情報を中継する中継装置2を島設備毎に設けたが、中継装置2を設けることなく、情報収集端末装置3を内部ネットワークに直接接続するように構成してもよい。また、情報収集端末装置3の代わりにリモートIOを置き、中継装置2の代わりに複数の遊技用装置4に対応する情報収集端末装置3を設置することもできる。このように構成することで、従来、島コンピュータと称された方式での遊技管理システムにも対応することができる。
また、遊技場の内部ネットワークと遊技場外部管理装置10との間は、前述したようにVPNで接続したが、これに限らず、専用線で接続してもよい。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技場管理装置1の構成を示すブロック図である。
遊技場管理装置1には、CPU101、プログラム等を予め格納したROM102、CPUの動作時にワークエリアとして使用されるメモリであるRAM103、及び、各種データを記憶するハードディスク等の記憶装置(HDD)104が設けられている。
RAM103は、各種データ(例えば、遊技場の営業成績データ等)を一時的に記憶する記憶領域及びCPU101の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。従って、後述するHDD104に格納された各種のデータベースの値が、RAM103に記憶される場合もある。
これらのCPU101、ROM102、RAM103及びHDD104は、バス105によって接続されている。バス105は、CPU101がデータの読み書きのために使用するアドレスバス及びデータバスから構成されている。
CPU101は、ROM102に格納されているプログラムを読み込んで、それぞれのプログラムに規定された処理を実行する。なお,プログラムはROM102の代わりにPCで実施されているようにHDD104に格納し遊技場管理装置1の起動時にHDD104からRAM103に転送し、CPU101はRAM103に格納されたプログラムを読み込んで処理を実行する形態も当然可能である。
HDD104は、単位遊技情報を格納する。単位遊技情報とは、アウト球数、セーフ球数、特賞回数などの遊技情報を、遊技用装置毎かつ営業日毎に集計して記憶したデータであり、遊技場管理装置1で行われる演算処理の基本となるデータである。この単位遊技情報を遊技場全体で集計すれば、遊技場における終日の遊技情報(例えば、遊技場全体の売上等)を算出することができる。また、この単位遊技情報を機種別に集計すれば、機種毎の遊技情報(例えば、特定機種の大当り回数等)を算出することができる。また、営業日毎に集計すれば、営業日毎の遊技情報(例えば、○月○日の稼動率等)を算出することができる。従って、単位遊技情報だけを保持しておけば、演算によって他の遊技情報が自在に算出できるようになっている。また、HDD104は、遊技情報の集計結果を格納した各種のデータベースを格納する。
また、バス105には、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート106、I/Oポート107及び外部ネットワーク通信ポート(図示省略)が接続されている。
ネットワーク通信ポート106は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのデータ入出力部であり、内部ネットワークと接続されている。
I/Oポート107には、遊技用装置4から収集したデータや、遊技用装置4の稼動状態を表示するディスプレイ及び遊技機4aにおける特賞発生を報知するスピーカによって構成される出力装置110が接続される。また、I/Oポート107には、遊技場管理装置1を操作するための入力装置(キーボード、マウス等)109が接続される。
また、図示しない外部ネットワーク通信ポートは、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのデータ入出力部であり、遊技場の外部に設けられた外部ネットワークと接続されている。これにより、遊技場管理装置1は、外部ネットワークに接続された遊技場外部の通信機器と通信をすることができる。
次に、図1に示すネットワーク管理装置5の構成について説明する。
なお、ネットワーク管理装置5は、遊技場管理装置1とほぼ同一の構成である。このため、ネットワーク管理装置5の構成において、遊技場管理装置1と同一の構成についてはその説明を省略する。ネットワーク管理装置5は、ネットワーク通信ポートを介して遊技場内に設けられた各ノードと通信を行い、所定のプロトコルに従ってノード間の通信経路の接続を管理する。
ネットワーク管理装置5のRAM(図示省略)は、各種データ(例えば、内部ネットワークの接続アドレス情報)を一時的に記憶する記憶領域及びネットワーク管理装置5のCPU(図示省略)の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。
ネットワーク管理装置5のROM(図示省略)は、内部ネットワークの管理に必要なプログラム等を予め格納する。
ネットワーク管理装置5のHDD(図示省略)は、内部ネットワークの管理に必要な情報(例えば、アクセスログ)を記憶する。遊技場管理装置1及びネットワーク管理装置5は、遊技場管理サーバとして機能する。
なお、ネットワーク管理装置5は、独立して設けずに、遊技場管理装置1と一体に構成してもよい。この場合、ネットワーク管理装置5の機能は、遊技場管理装置1が併せ持つように構成される。また、遊技場管理装置1又はネットワーク管理装置5のそれぞれの機能を、複数台のコンピュータによって実現してもよい。
図3は、本発明の第1の実施の形態の情報収集端末装置3に設けられたマイクロプロセッサ300の構成を示すブロック図である。
情報収集端末装置3には、マイクロプロセッサ300、電源回路及びデータ入出力用端子が設けられている。
マイクロプロセッサ300は、3個のCPU301〜303を内蔵した1チップタイプのプロセッサであり、メディアアクセスコントロールCPU(MACCPU)301、ネットワークCPU302及びアプリケーションCPU303の三つのCPUを内蔵している。また、これらのCPU301〜303が接続されているアドレス及びデータのためのコモンバス304には、各CPUに共通して使用されるメモリとして、RAM305、EEPROM306及びROM307が接続されている。
RAM305は、各種データ(例えば、通常時データ又は特賞中データ等)を一時的に記憶する記憶領域及びアプリケーションCPU303の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。
EEPROM306は、不揮発性のメモリであって、情報収集端末装置3に接続される遊技用装置4の台番号、ネットワーク構成、ネットワーク通信アドレスの指定情報及び識別コード(チップID)等情報収集端末装置3に設定される情報や停電等でも保持する必要のある遊技データ等を記憶している。
EEPROM306のプログラムによって書き換え可能な領域及びROM307には、遊技信号の収集に用いられるプログラムが記憶されている。
また、コモンバス304には、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート308及びI/Oポート309が接続されている。
ネットワーク通信ポート308は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのポートである。ネットワーク通信ポート308は、ドライバを介してネットワーク接続端子に接続されており、当該ネットワーク接続端子はネットワークケーブルを介して中継装置2が接続され、さらに、内部ネットワークを通じて遊技場管理装置1と信号(データ信号、指令信号)を送受信する。
I/Oポート309は、パラレル又はシリアルの入出力ポートであり、ドライバを介して外部入出力端子に接続されている。この外部入出力端子には、遊技機4aから出力される賞球信号、特賞信号、確変信号、スタート信号や、アウトタンク4dから出力される回収信号、球貸ユニット4b及び補給計数装置(図示省略)等の周辺装置から出力される信号(球貸ユニット4bから出力される球貸信号及び補給計数装置から出力される補給信号)等の遊技信号(図4参照)が入力される。なお、賞球信号、特賞信号、確変信号及びスタート信号は、通信ポート310と、遊技機4aの遊技制御装置に備えられた遊技用マイクロコンピュータ401とにより直接通信することによって、受信することもできる。
また、外部入出力端子には、情報収集端末装置3を交換又は再設定する時に、遊技場の係員がネットワーク管理装置5に対して、新たに設定される情報収集端末装置3のネットワーク通信アドレスの割り当てを要求するためのアドレス要求スイッチ320が接続されている。
アドレス要求スイッチ320は、例えば、プッシュスイッチから構成することができる。詳しくは後述するが、このアドレス要求スイッチ320が操作されると、当該情報収集端末装置3からネットワーク通信アドレスの割り当てを要求するアドレス要求通知が出力される。このアドレス要求通知に基づいて、DHCP(動的ホスト構成プロトコル)を用いてネットワーク通信アドレスが割り当てられる。なお、ネットワーク通信アドレスと台番号との対応関係を確認する手段(例えば、係員が人為的に確認する等)を用意して、遊技用装置4の台番号と情報収集端末装置3のネットワーク通信アドレスとを対応付ける必要がある。
この場合、具体的には、遊技場管理装置1からの管理対象の遊技用装置4の台番号の応答要求に対して、情報収集端末装置3が予約した入力応答をすることで、応答のあったネットワーク通信アドレスと台番号とを対応付けることができる。また、遊技用装置4と1対1で接続されるCRユニット、呼出しランプ、会員端末などに設定されたMACアドレスやIPアドレスを介して、間接的に遊技用装置4の台番号と情報収集端末装置3との対応付けをすることもできる。
本実施の形態の情報収集端末装置3は、このアドレス要求スイッチの操作に基づいてアドレス要求通知が送信されることから、例えば、一度に複数の情報収集端末装置3にネットワーク通信アドレスを割り当てる際に、アドレス要求スイッチを操作する順序を調整することによって、アドレス要求通知を出す順序を容易に調整することが可能である。
なお、ネットワーク通信アドレスは、ネットワーク内で重複がなければどのように設定してもよいが、係員に理解しやすく重複のない、台番号(例えば、123)を使用するとよい。また、例えば、これにネットワーク通信アドレス(例えば、A)を連結して、遊技場内のローカルなアドレス(例えば、A:123)とすることもできる。さらに遊技場のアドレス(例えば、X)を連結して、当該システムのグローバルなアドレス(例えば、X:A:123)とすることもできる。
また、このとき、ネットワーク通信アドレスに重複があった場合は、当該ネットワーク通信アドレスの使用実績のない情報収集端末装置3の当該ネットワーク通信アドレスは有効化されない。したがって、当該情報収集端末装置3は設定されたネットワーク通信アドレスを用いて通信をすることがなく、正常に通信がなされている他の情報収集端末装置の通信を妨害することはない。
また、中継装置でネットワークをサブネットワークに分割している場合には、異なるサブネットワーク内での重複設定があっても、グローバルなアドレスは異なるのでネットワーク通信に支障を与えることはない。
なお、ネットワーク通信アドレスには、IPアドレスと同様のアドレス体系を用いてもよい。
情報収集端末装置3にネットワーク通信アドレスが設定されていない状態(あるいは設定されているネットワーク通信アドレスが失効(例えば、ネットワーク通信アドレスの貸し出し有効期間の経過)している状態)で、情報収集端末装置3が起動した場合(アドレス要求スイッチ320の検出トリガ)、情報収集端末装置3はアドレス要求スイッチ320の入力状態を、外部情報入出力端子を介して読み出す。つまり、遊技場の係員によるアドレス要求スイッチ320の操作があった後に、アドレス要求スイッチ320の検出トリガがあると、外部情報入出力端子を介して情報収集端末装置3に、アドレス要求操作信号が入力される。
なお、営業中の係員による誤操作に基づくネットワーク通信アドレスの設定変更を防止するため、ネットワーク通信アドレスが有効な状態ではアドレス要求スイッチ320の入力状態の監視をしないほうが望ましい。また、検出トリガは、上述の例に限らず、所定の入力による入力信号の変化や、タイマのタイムアップなど内部制御状態の変化、または入力信号の変化と内部制御状態の変化の組合せ等で発生するようにしてもよい。
通信ポート310は、遊技機4aに設けられた遊技用マイクロコンピュータ401の通信ポートとの間で、所定のプロトコルで通信を行う。通信ポート310は、遊技機4aの遊技制御基板上に設けられたコネクタと接続されている。
なお、遊技機4aの遊技制御基板上に備えられる遊技用ワンチップマイコンが有する一意の識別情報によってネットワーク通信アドレスと台番号とを対応付けることもできる(ネットワーク通信アドレスと遊技用ワンチップマイコンの識別情報をネットワーク管理装置に通知することで、ネットワーク管理装置は当該識別情報を有する遊技機に対応する台番号を特定できる)。
プロセッサには、CPU301〜303のクロックやリセット等の制御信号を出力する制御回路311も内蔵されている。
遊技用装置4から情報収集端末装置3に遊技信号が入力されると、アプリケーションCPU303によって遊技情報の累積値が算出される。そして、アプリケーションCPU303は、算出された遊技情報の累積値に基づいて、遊技用装置4の稼動状態を判定する。遊技情報の累積値は、RAM305に一定期間記憶され、例えば営業日の終了時に、当該累積値を、情報収集端末装置3がネットワーク通信ポート308から出力して、遊技場管理装置1に送信する。
また、情報収集端末装置3は、詳しくは図10等において後述するが、内部ネットワークに接続されたことを検知すると、ネットワーク管理装置5に対して、このアドレス要求スイッチ320によって設定されたネットワーク通信アドレス、この情報収集端末装置3に一意に定められ、各情報収集端末装置3を一意に識別可能な個体識別情報及び遊技情報の初期値を通知する初期化要求を行う。なお、本実施の形態では、個体識別情報として、各情報収集端末装置3が備えるMACアドレスを用いる。
図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技機4a周辺のブロック図であり、遊技用装置4が出力する遊技情報を示す。
遊技機4aに設けられた盤用外部情報から情報収集端末装置3のマイクロプロセッサ300のI/Oポート309には、以下のような遊技に関わる信号(遊技情報)が入力される。
遊技機4aは、始動入賞口、一般入賞口又は大入賞口に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を、排出装置から、遊技盤の下方に設けられた供給皿に排出する。そして、所定数の賞球を排出する毎に「賞球信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技情報として出力する。
また、遊技機4aは、特図変動表示ゲームの結果が特別遊技状態のときは、当該特別遊技状態中に「特賞信号」を遊技情報として出力する。
また、遊技機4aは、当該特別遊技状態が確変図柄による特別遊技のときは、当該特別遊技状態中、及び、その後発生する特定遊技状態(確率変動状態)中に、「確変信号」を遊技情報として出力する。
また、遊技機4aは、特図変動表示ゲームを開始すると、特図変動表示ゲームを開始する毎に「スタート信号」を遊技情報として出力する。
また、遊技機4aは、始動入賞口へ遊技球が入賞する毎に「始動入賞信号」を遊技情報として出力する。
また、遊技機4aの盤用外部情報から出力される信号(遊技情報)には、特図変動表示ゲームが終了したときに出力される「図柄確定信号」等がある。これらの信号は、盤用外部情報から、電圧出力形式又は接点出力形式で出力される。
なお、遊技情報を、遊技用マイクロコンピュータ401から情報収集端末装置3の通信ポート310に対して出力してもよい。この場合、所定のプロトコルを用いたデータ通信(例えば、暗号化通信)によって通信内容を秘匿でき、盤用外部情報から出力するよりも詳細な遊技情報(例えば、始動記憶数や抽出した乱数値など)を出力することができる。また、双方向通信によって接続相手のIDの認証を行い、不正な機器との接続を防止することができる。
球貸ユニット4bは、一単位(一度数)の売上(例えば、100円)が発生するごとに、又は所定数(例えば、25個)の遊技球を貸し出す毎に「球貸信号」を遊技情報として出力する。なお、「球貸信号」は、遊技機4aの盤用外部情報から出力してもよい。
これらの信号を受信した情報収集端末装置3は、これらの遊技情報を加算演算し、累積値を集計する。累積値は遊技状態に応じて区分けして演算集計することで,遊技場管理装置1での処理を簡易化することもできる。この累積値は、例えば、特別遊技状態発生などのイベント時に情報収集端末装置3が内部ネットワークを介して遊技場管理装置1に送信される。なお、所定時間経過毎又は遊技場管理装置1からのポーリングの応答時に送信されるように構成してもよい。
また、遊技機4aが設置される島設備には、遊技機4a(球貸ユニット4bから貸球が排出される場合は、遊技機4a及び球貸ユニット4b)に遊技球を補給する補給路及び遊技機4aからアウト球を回収する回収路を備えた補給回収機構が設けられている。
遊技機4aの上方に設けられる補給計数装置(図示省略)は、遊技機4aに補給された球数を計数し、補給球の計数結果である「補給信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技情報として出力する。なお、遊技機4aから賞球信号が出力されていれば、補給計数装置から補給信号を出力しなくてもよい。また、補給計数装置を設けなくてもよい。
アウトタンク4dは、アウトタンク計数部(図示省略)によって遊技機4aから回収されたアウト球(回収球)、すなわち、遊技者が遊技機4aの遊技領域に発射した球を計数し、アウト球の計数結果である「回収信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技情報として出力する。
この補給計数装置及びアウトタンク4dは情報収集端末装置3に接続されており、情報収集端末装置3が、補給計数装置及びアウトタンク4dから出力される遊技情報を加算演算し、累積値を集計する。なお、アウト球を計数して、回収信号を出力する機能を遊技機4aに設けてもよい。また、情報収集端末装置3は、回収信号及び球貸信号を遊技機4aから直接収集してもよい。
遊技用装置4に接続された情報収集端末装置3は、遊技機のアウト球数、遊技機のセーフ球数及び遊技機の貸球数を集計して、これらの集計結果を遊技場管理装置1に送信する。また、遊技媒体計数装置は、その営業日の全ての精算球数の累積値を遊技場管理装置1に送信する。
遊技場管理装置1は、これらの取得した情報を、前述した単位遊技情報としてHDD104に格納し、さらに、その営業日の最終結果となる、全ての遊技用装置4のアウト球数の合計値、全ての遊技用装置4のセーフ球数の合計値、全ての遊技用装置4の貸球数の合計値、及び全ての遊技媒体計数装置の精算球数の合計値を算出して、算出結果を遊技場の営業成績データとしてHDD104に格納する。
なお、アウト球数は、遊技者が遊技に使用した遊技媒体の使用数である。アウト球数は、遊技用装置4のアウトタンク4dから送信された回収信号によって計数される。セーフ球数は、入賞等によって遊技者が遊技を通じて獲得した遊技媒体の獲得数の累積値である。セーフ球数は、遊技用装置4から送信された賞球信号によって計数される。貸球数は、遊技場において遊技者に貸し出した遊技媒体の貸出数である。貸球数は、遊技用装置4の球貸ユニット4bから送信された球貸信号によって計数される。精算球数は、景品交換や貯球を行うために、遊技者が遊技を通じて獲得した遊技球を、遊技媒体計数装置によって計数した結果であり、遊技媒体計数装置からの信号によって計数される。
次に、ネットワーク通信アドレスの割り当て作業時における本実施の形態の遊技システムの動作を説明する。
図5は、本発明の第1の実施の形態のネットワーク管理装置5が格納するネットワーク通信アドレスの割り当て作業時の通信アドレス設定テーブルを説明する図である。
図5(A)に示すテーブルは、ネットワーク通信アドレスの割り当て作業前の通信アドレス設定テーブルである。また、図5(B)に示すテーブルは、ネットワーク通信アドレスの割り当て作業後の通信アドレス設定テーブルである。
本実施の形態の遊技システムでは、内部ネットワークの構成時(例えば遊技場における遊技システムの設置時等)に、各情報収集端末装置3に対し、ネットワーク通信アドレスを割り当てる作業を行う。なお、情報収集端末装置3は一度設置されると故障でもしない限り設置位置が変更されることはないので、通常はネットワーク通信アドレスの有効期限を無期限とする。なお、情報収集端末装置3の不正な交換を確認するために、一営業日を有効期限として、一営業日ごとに情報収集端末装置3の固体識別情報を確認してネットワーク通信アドレスを貸し出すようにしてもよい。なお、貸し出し期限は任意に設定可能である。
通信アドレス設定テーブルは、遊技場内に設置された各遊技用装置4の台番号及び当該遊技用装置4を管理する情報収集端末装置3に割り当てられたネットワーク通信アドレス及び当該情報収集端末装置3のMACアドレスを示すデータを格納するテーブルであり、ネットワーク管理装置5が備えるHDD(図示省略)に記憶される。
通信アドレス設定テーブルは、図に示すように、項目として、各遊技用装置4と一対一に対応付けられた「台番号」、当該遊技用装置4を管理する情報収集端末装置3に割り当てられたネットワーク通信アドレスを示す「通信アドレス」、当該情報収集端末装置3のMACアドレスを示す「MACアドレス」が設けられている。通信アドレス設定テーブルには、これらの項目が関連付けられて記憶されている。情報収集端末装置3のMACアドレスは、個体識別情報として機能する。
図5(A)に示す設定作業前の通信アドレス設定テーブルは、「台番号」及び「通信アドレス」のみが設定されており、「MACアドレス」は設定されていない。本実施の形態では、情報収集端末装置3の設定作業前に、このように、各遊技用装置4の台番号と当該遊技用装置4を管理する情報収集端末装置3に割り当てられたネットワーク通信アドレスとの対応関係を予め設定した通信アドレス設定テーブルを用意する。ネットワーク通信アドレスは、アドレスプールから選択して使用される。アドレスプールは、使用予定のネットワーク通信アドレス及び使用予定の情報収集端末装置3の個体識別情報(MACアドレス)が格納されており、ネットワーク管理装置5が備えるHDD(図示省略)に記憶されている。
一方、図5(B)に示す設定作業直後の通信アドレス設定テーブルは、「台番号」及び「通信アドレス」に加えて、「MACアドレス」が設定されている。本実施の形態では、情報収集端末装置3の設定作業完了後は、このように通信アドレス設定テーブルに、各情報収集端末装置3に設定されたネットワーク通信アドレスと当該情報収集端末装置3に固有のMACアドレスとが対応付けられる。そして、ネットワーク通信アドレスとMACアドレスとの対応付けが完了した通信アドレス設定テーブルは、遊技場管理装置1に送信される。これにより、遊技場管理装置1が各情報収集端末装置3を特定することが可能である。また、故障発生によって情報収集端末装置3が交換された場合にも、ネットワーク通信アドレスとMACアドレスとの対応関係の修正が遊技場管理装置1に通知される。これにより、遊技場管理装置1が情報収集端末装置3の交換を把握することができる。
なお、設置される情報収集端末装置3を、MACアドレスが予め登録されているものに限定し、予め登録されたMACアドレス以外のMACアドレスを持つ装置からのネットワーク通信アドレスの使用許可の要求があっても許可しないことで、未登録の情報収集端末装置のネットワーク接続を排除するようにしてもよい。
例えば、設定作業時等に、設置予定の情報収集端末装置3及び交換用の情報収集端末装置3のMACアドレスを全て遊技場管理装置1等に登録しておき、登録されたMACアドレスを持つ情報収集端末装置3等との通信は常に可能であるが、登録されていないMACアドレスを持つネットワーク接続機器との接続が検知された場合には、その旨を報知し及び当該機器との通信を行わなくてもよい。
また、遊技場がメーカの保守がなされない状態で長期間保管したソフトウェアバージョンの異なる情報収集端末装置3を接続することにより適切な情報収集ができないような不具合も、保守点検が適正になされている情報収集端末装置のMACアドレスを予め登録しておくことで防止できる。
これにより、予めMACアドレスが登録された予備用の情報収集端末装置3に交換されたときは、速やかに通信を開始することができ、MACアドレスが登録されておらず不正工作の可能性があるネットワーク接続機器が接続されたときには、当該機器の接続を検知し、異常を報知し又は通信を停止することによって、不正工作の発見又は不正工作による被害の防止を図ることができる。
また、本実施の形態では、個体識別情報としてMACアドレスを用いるが、これに限らず、例えばチップID等の、各情報収集端末装置3を識別可能でありユニークな識別記号を、個体識別情報として用いることができる。
また、本実施の形態では、ネットワーク管理装置5は、各情報収集端末装置3のネットワーク通信アドレスとMACアドレスの対応関係を、通信アドレス設定テーブルによって管理するが、これに限らず、ネットワーク通信アドレスとMACアドレスとの対応関係を、後述する通信アドレス設定ログによって管理してもよい。
図6及び図7は、本発明の第1の実施の形態のネットワーク管理装置5が記録する通信アドレス設定ログを説明する図である。図6(A)は、本実施の形態の電源投入時の通信アドレス設定ログを説明する図である。図6(B)は、本実施の形態の営業中の通信アドレス設定ログを説明する図である。図7(A)は、本実施の形態の情報収集端末装置3の故障発生時の通信アドレス設定ログを説明する図である。図7(B)は、本実施の形態の情報収集端末装置3の交換後の通信アドレス設定ログを説明する図である。
本実施の形態の遊技システムでは、ネットワーク管理装置5によって、遊技場の営業日毎の営業開始前の遊技システムの電源投入時に、各情報収集端末装置3の初期累積データが記録される。
通信アドレス設定ログは、図に示すように、項目として、各ネットワーク通信アドレスが設定された又は確認された日時(又は、設定を確認した日時)を示す「時刻」、前述した各情報収集端末装置3のネットワーク通信アドレスを示す「通信アドレス」、前述した各情報収集端末装置3のMACアドレスを示す「MACアドレス」、各情報収集端末装置3によって収集された遊技データ(例えば、アウト球数)の累積データを示す「累積データ」が設けられている。通信アドレス設定ログには、これらの項目が関連付けられて記憶されている。なお、通信アドレス設定ログに記憶されるデータの項目はこれらに限られず、例えば、当該遊技用装置4の遊技状態を示す「遊技状態」等を含めてもよい。
図6(A)に示す電源投入時の通信アドレス設定ログでは、営業開始前の電源投入時には遊技情報の集計が開始されていないので、「累積データ」は、初期化された値(すなわち、0)が記録されている。なお、初期化前であれば、前営業日の収集データが記録されている場合がある。
ここで、「累積データ」には、ネットワーク通信アドレス及びMACアドレスの対応関係の確認(以下、「アドレス対応関係の確認」とする)の都度、遊技データの累積値の現在値が記録される。
アドレス対応関係の確認は、毎営業日の営業開始前の電源投入時に行われる他、営業時間中における情報収集端末装置3の交換時にも行われる。詳しくは後述するが、この情報収集端末装置3の交換時のアドレス対応関係の確認によって、交換前後の情報収集端末装置3のネットワーク通信アドレス及びMACアドレスの対応関係の確認及び更新が行われる。
なお、本実施の形態では、情報収集端末装置3は、遊技データとしてアウト球数のみを収集するが、これに限らず、例えばセーフ球数やスタート信号等、他の遊技データを収集してもよく、必要に応じてこれらの遊技データを複数種類収集してもよい。
次に、情報収集端末装置3の交換時における本実施の形態の遊技システムの動作を説明する。
本実施の形態の遊技システムでは、ネットワーク管理装置5によって、故障による情報収集端末装置3の交換時に、通信アドレス設定テーブルのネットワーク通信アドレス及びMACアドレスの対応関係が修正され、各情報収集端末装置3の初期累積データが通信アドレス設定ログに記録される。
図6(B)に示す営業中の通信アドレス設定ログでは、遊技場に配置された各情報収集端末装置3から送信された遊技情報の累積データが、ネットワーク通信アドレス及びMACアドレスと対応付けられて記録される。
次に、台番号34の遊技機4aを管理する情報収集端末装置3が故障した場合に基づいて、情報収集端末装置3の交換時の通信アドレス設定ログを説明する。
情報収集端末装置3の故障発生時の通信アドレス設定ログ(図7(A))では、当該故障によって通信ができないため、累積データが送信されず、台番号34の遊技用装置4の遊技情報の最新データを集計することができない。
故障発生時には、台番号34を管理する情報収集端末装置3のネットワーク通信アドレスとして、XX:BB:34が設定されており、当該情報収集端末装置3のMACアドレスは、PP:QQ:RRであった(図7(A))。
このMACアドレスがPP:QQ:RRの情報収集端末装置3が故障したので、台番号34を管理し、ネットワーク通信アドレスとしてXX:BB:34が割り当てられた情報収集端末装置3は、MACアドレスがSS:TT:UUであるものに交換されたものとする。
そして、交換された情報収集端末装置3の設置後に、遊技場の係員等がアドレス要求スイッチ320を操作すると、ネットワーク通信アドレスの割り当てを要求するアドレス要求通知が出力される。
当該アドレス要求通知を検出したネットワーク管理装置5は、当該交換された情報収集端末装置3のMACアドレスを、新たな情報収集端末装置3のMACアドレス(SS:TT:UU)に更新する。
また、このときネットワーク管理装置5は、図7(B)に示すように、通信アドレス設定ログに、当該交換について、交換された日時、交換対象の情報収集端末装置3に割り当てられたネットワーク通信アドレス、交換後の情報収集端末装置3のMACアドレス及び累積データを記録する。なお、当該交換時に通信アドレス設定ログに記録される累積データは、故障した交換前の情報収集端末装置3の累積データの最新の値が継承される。また、当該継承された累積データの値は、交換後の情報収集端末装置3に送信される。
また、ネットワーク管理装置5は、この情報収集端末装置3の交換を検知すると、遊技場管理装置1に対して、当該交換があった旨及び当該交換の内容を通知する。これにより遊技場管理装置1は、当該交換があったことを認識でき、新たに設定されたネットワーク通信アドレスによって交換後の情報収集端末装置3と通信することができる。
このように、情報収集端末装置3が交換される都度、通信アドレス設定ログに当該交換内容を記録することにより、情報収集端末装置3の不正な交換を発見し易くなり、情報収集端末装置3の不正な交換をけん制することができる。
図8は、本発明の第1の実施の形態の情報収集端末装置3の故障発生に伴う交換を説明する図である。
図8(A)は、故障した情報収集端末装置3aを予備用の情報収集端末装置3bに交換したときのネットワーク通信アドレス、MACアドレス及び累積データを説明する図である。図8(B)は、累積データの集計結果を説明する図である。図8(C)は、通信アドレス設定ログに基づく交換前後の情報収集端末装置3のネットワーク通信アドレス及びMACアドレスの対応関係を説明する図である。図8(D)は、交換前後の累積データの対応関係に基づく遊技データの集計を説明する図である。
図8(A)に示すように、例えば遊技場の営業開始時等の、情報収集開始時には、MACアドレスとしてPP:QQ:RRを持つ情報収集端末装置3aに、ネットワーク通信アドレスとしてXX:BB:34が割り当てられている。また、情報収集端末装置3aの情報収集開始時点の遊技データの最新累積データは、初期値(初期累積データ(図8(B)):例えば、0)となる。
このとき、当該情報収集端末装置3aと遊技場管理装置1との間の通信には、設定されたネットワーク通信アドレスであるXX:BB:34が用いられる。そして、当該情報収集端末装置3aのMACアドレスであるPP:QQ:RRによって、遊技場管理装置1は、送信されてきた営業中データが正当なものであることを確認する。
そして、遊技場の営業中に情報収集端末装置3aが故障して情報収集が中断(又は異常終了)すると、情報収集端末装置3aの故障直前に遊技場管理装置1に通知された累積データ(承継累積データ:図中の1500)が最新の累積データとして遊技場管理装置1に記憶される。
そして、MACアドレスとしてSS:TT:UUを持つ予備用であった情報収集端末装置3bが故障した情報収集端末装置3aと交換され、ネットワーク通信アドレスとしてXX:BB:34が割り当てられたとき、情報収集端末装置3bの遊技データの交換時の最新累積データとして、故障した情報収集端末装置3aの交換直前の最新累積値(例えば、1500)が承継される。
このとき、当該情報収集端末装置3bと遊技場管理装置1との間の通信には、割り当てられた(前述のアドレス要求スイッチにより割り当てが要求され、後述するようにネットワーク管理装置5により使用が許可された)ネットワーク通信アドレスとしてXX:BB:34が用いられる。そして、当該情報収集端末装置3bのMACアドレスであるSS:TT:UUによって、遊技場管理装置1は、内部ネットワークに新たに接続された交換用の情報収集端末装置3bが正当なものであることを確認する。
その後、例えば、遊技場の営業が終了して情報収集端末装置3bの情報収集が終了すると、情報収集端末装置3bから遊技場管理装置1に通知された最新累積データ(図中の2000)が遊技場管理装置1に記憶される。
なお、この情報収集端末装置3aと情報収集端末装置3bとの交換は、図8(C)のアドレス対応表に示すように、ネットワーク通信アドレスの重複によって把握することができる。なお、この交換は、台番号の重複によっても把握することもできる。
このアドレス対応表は、通信アドレス設定ログから、ネットワーク通信アドレスが同一であってMACアドレスが異なるものを抽出し、これらに対応する台番号を読み出して作成したものである。このアドレス対応表により、当該営業日において、台番号34として設置された情報収集端末装置3は、MACアドレスがPP:QQ:RRのもの及びSS:TT:UUのものの2台あったことが把握できる。
次に、図8(C)に示すように、これらの台番号34として設定された2台の情報収集端末装置3の最新累積データを通信アドレス設定ログから関連付けて取得する。
そして、図8(D)のように、関連付けられた累積データ同士を加算(連結)することによって、図8(B)に示すように、当該営業日の台番号34の最新累積データを取得することができる。
なお、通信アドレス設定ログの時刻データから累積データの集計時間に重複がなかったことを確認してから、累積データを連結するとよい。累積データ改ざんの不正な工作を困難にすることができる。
次に、本実施の形態の遊技システムにおける情報収集端末装置3、ネットワーク管理装置5及び遊技場管理装置1の動作を説明する。
図9は、本発明の第1の実施の形態の遊技システムの遊技場の営業開始前に実施されるシステム構築時における情報収集端末装置3、ネットワーク管理装置5及び遊技場管理装置1の動作を説明する図である。図11は、本発明の第1の実施の形態の遊技システムの遊技場の営業中における情報収集端末装置3の故障発生によるネットワーク通信アドレスの解除時の情報収集端末装置3、ネットワーク管理装置5及び遊技場管理装置1の動作を説明する図である。図12は、本発明の第1の実施の形態の遊技システムの遊技場の営業中における情報収集端末装置3のアドレス要求スイッチ320の操作時の情報収集端末装置3、ネットワーク管理装置5及び遊技場管理装置1の動作を説明する図である。
まず、遊技場の営業開始前の本実施の形態の遊技システム構築時の動作を説明する。
本実施の形態の遊技システムは、図9に示すように、遊技場の営業開始前の情報収集端末装置3の電源投入後において、遊技場の係員等がアドレス要求スイッチ320を操作すると、情報収集端末装置3がネットワーク管理装置5に対して自身のMACアドレス及びネットワーク通信アドレスの割り当てを要求するアドレス要求通知を通知する。また、ここでのMACアドレスは固体識別情報としての通信データであって、Ethernet(登録商標)におけるハードウェアに依存したアドレスであるMACアドレスとは区別される。
ここで、アドレス要求通知時には、ネットワーク管理装置5に対してネットワーク通信アドレスの割り当てを要求する際に、情報収集端末装置3が自らのネットワーク通信アドレスとして仮通信アドレス(例えば、EE:FF:GG)を用いる。仮通信アドレスは形式的なネットワーク通信アドレスに過ぎず、ネットワーク通信アドレスとしては使用されない。実際にはブロードキャスト通信によりネットワーク管理装置5に情報が通知される。
情報収集端末装置3が発したブロードキャスト通信は、中継装置2により受信されネットワーク管理装置5に中継される。ネットワーク管理装置5からの承認通知は、ブロードキャスト通信を中継した中継装置2に通知され、中継装置2の属するサブネットワーク内にブロードキャスト通信される。このブロードキャスト通信を受信した情報収集端末装置3は、MACアドレスにより自分宛の通信であることを識別し、要求したネットワーク通信アドレスが承認・付与されたことを知ることができる。
アドレス要求通知を受信したネットワーク管理装置5は、ネットワーク通信アドレスの割り当てを承認するか否かを決定するために、アドレス要求通知を通知した情報収集端末装置3の正当性の認証を試みる。
この情報収集端末装置3の正当性の認証は、具体的には、ネットワーク管理装置5は、当該遊技場で使用予定の情報収集端末装置3のMACアドレスが予め登録されたアドレスプールを検索し、アドレス要求通知を通知した情報収集端末装置3のMACアドレスが、このアドレスプールに登録されているか否かによって判断する。また、このときネットワーク管理装置5は、設定ログ生成処理を実行して、当該決定の結果を設定ログに記録する。認証方法についてはMACアドレスの事前登録以外にも、情報収集端末装置3のプログラムIDなどをアドレス要求通知に含ませることで確認するなどの方法も可能である。
当該情報収集端末装置3の認証に成功した場合は、割り当てを承認したネットワーク通信アドレスを、当該割り当てを要求した情報収集端末装置3に、当該情報収集端末装置3のMACアドレスを用いて送信する。なお、当該情報収集端末装置3の認証に失敗した場合は、図10において後述する。
割り当てられたネットワーク通信アドレスの通知を受信した情報収集端末装置3は、自アドレスとして通知されたネットワーク通信アドレスを設定した後、情報収集モードに遷移し、遊技場管理装置1の要求に基づいて、稼働中に収集した管理対象の遊技用装置4の遊技データを含んだ初期化データ通知又は営業中データ通知を遊技場管理装置1に送信する。また、これにより当該ネットワーク通信アドレスは割り当て済みとなるので、当該ネットワーク通信アドレスを割り当て不可能なネットワーク通信アドレスとする旨のアドレスプールの更新を行う。
なお、本実施の形態では、当該情報収集端末装置3を認証した場合は、当該情報収集端末装置3に設定されたネットワーク通信アドレスは、例えば不揮発性のメモリ(例えば、EEPROM306)に記憶され、電源を遮断しても失われることなく、再設定されるまで無期限に使用可能であるが、これに限らず、当該情報収集端末装置3を認証した場合には、当該情報収集端末装置3に設定されたネットワーク通信アドレスの有効期限(例えば、電源投入1回限り、一営業日、24時間等)を設定することができる。なお、ネットワーク通信アドレスに有効期限を設ける場合、その始期を設定時からとしてもよいし、最後の通信時からとしてもよい。最後の通信時からとすると、頻繁なアドレス要求を回避した上で、セキュリティ向上を図ることができる。
遊技場管理装置1から遊技場内の各情報収集端末装置3に対して、内部ネットワークを介して、ポーリングにより累積データの初期化及び初期化された累積データの送信を要求する営業開始前初期化指令を送信する。
この営業開始前初期化指令を受信した各情報収集端末装置3は、割り当てられたネットワーク通信アドレスを用いて、内部ネットワークを介してネットワーク管理装置5に初期化データを通知する。
この初期化データには、当該情報収集端末装置3のMACアドレス及び当該情報収集端末装置3の現在累積データの初期値(例えば、0)が含まれる。ここでは、累積データは、アウト球のみを図示しているが、スタート数や遊技状態等の、その他の遊技情報に関するデータを含んでもよい。
また、本実施の形態では、情報収集端末装置3は、ネットワーク管理装置5によるポーリングに応じて初期化データを通知するが、これに限らず、情報収集端末装置3の任意の契機(例えば、ネットワーク管理装置5によって当該情報収集端末装置3にネットワーク通信アドレスが割り当てられたとき等)に通知してもよい。
また、情報収集端末装置3は、ネットワーク管理装置5によるブロードキャストの初期化指令に応じて初期化データを通知するようにしてもよい。
なお、初期化要求は、ネットワーク管理装置5が情報収集端末装置3に営業開始前に累積データを初期化するように要求するものであり、情報収集端末装置3は当該指令に基づいて累積データを初期値に設定する。
このようにして、本実施の形態の情報収集端末装置3は、アドレス要求スイッチ320の操作に基づき、個体識別情報をネットワーク管理装置5に通知することで、ネットワーク通信アドレスを設定することができる。また、このアドレス要求通知をネットワーク管理装置5が確認することで、正規の情報収集端末装置3が接続されていること及び情報収集端末装置3が正常に作動していることを確認することができる。
次に、遊技場の営業中における情報収集端末装置3の交換時の本実施の形態の遊技システムの動作を説明する。
本実施の形態の遊技システムでは、図10に示すように、遊技場の営業中には、ポーリングにより、遊技場管理装置1から遊技場内の各情報収集端末装置3に対して、内部ネットワークを介して、営業中データの送信を要求するデータ要求指令が送信される。
情報収集端末装置3が正常に稼働している場合は、各情報収集端末装置3はデータ要求指令を受信すると、内部ネットワークを介して遊技場管理装置1に営業中データを通知する。
この営業中データには、初期化データと同様に、当該情報収集端末装置3のMACアドレス及び当該情報収集端末装置3が収集した遊技データの最新累積データが含まれる。なお、営業中データは、内部ネットワークの通信量の低減のため、最新累積データのみを通知して、MACアドレスを省略してもよい。
前述したように、情報収集端末装置3が正常に稼働している場合は、各情報収集端末装置3はデータ要求指令を受信すると、内部ネットワークを介して遊技場管理装置1に営業中データを通知する。
一方、情報収集端末装置3が故障している場合は、遊技場管理装置1やネットワーク管理装置5によるデータ要求に対して、故障した情報収集端末装置3からの正常な応答(すなわち、営業中データの通知)が検出されないときがある。
遊技場管理装置1やネットワーク管理装置5は、特定の情報収集端末装置3からの営業中データを検出できなかったときには、当該情報収集端末装置3が故障していると判断して、遊技場管理装置1やネットワーク管理装置5は、故障と判断された情報収集端末装置3の故障を記録する(例えば、通信アドレス設定テーブルに故障フラグ欄を設け、情報収集端末装置3のデータに故障フラグを設定する)。
なお、当該情報収集端末装置3が通信不能な程度に故障した場合には通信の成否により故障を判断し、正常な情報収集ができないが通信可能な故障をした場合には通知してくる情報の正当性あるいは当該情報収集端末装置3の自己診断情報により故障を判断してもよい。
当該情報収集端末装置3が故障していると判断したとき、ネットワーク管理装置5は、当該情報収集端末装置3に割り当てたネットワーク通信アドレスを解除する。当該解除については、図11において後述する。また、このとき、遊技場管理装置1は、接続された表示装置等の出力装置109によって、その旨を遊技場の係員等に報知する。この報知に従って、遊技場の係員は当該情報収集端末装置3の故障を認識し、当該情報収集端末装置3を予備用の情報収集端末装置3と交換する。当該交換については、図12において後述する。
なお、本実施の形態の遊技システムは、前述したMACアドレスによる情報収集端末装置3の認証に失敗した場合は、図10に示すように、当該割り当てを要求した情報収集端末装置3に、当該情報収集端末装置3のMACアドレスを用いて、ネットワーク通信アドレスを含めずに送信することによって、ネットワーク通信アドレスの割り当てを承認しない旨を示す不承認通知する。
不承認通知を受信した情報収集端末装置3は、通常は動作を停止するが、管理対象として設定された遊技用装置4が稼働している場合は、遊技場の内部ネットワークと接続をすることなく稼働中に収集した管理対象の遊技用装置4の遊技データを送信せずに内部に記憶する(待機モード)。情報収集端末装置3の故障が通信系統の故障である場合には、通信障害中に収集した遊技情報を後に復旧可能な点で有利である。
当該情報収集端末装置3へのネットワーク通信アドレスの割り当てが不承認とされたことは、ネットワーク管理装置5によって遊技場の係員に報知される。この報知によって当該情報収集端末装置3への割り当てが不承認とされたことを知った遊技場の係員は、当該情報収集端末装置3の不正の有無を確認して適切に対処することができる。また、プログラムバージョンの不一致や環境設定(情報収集のための各種パラメータ)が適切であるかを確認して対処することができる。
当該情報収集端末装置3によって収集された遊技データは、例えば、遊技場の営業終了後等に、遊技場の係員が不正の有無や故障に基づく誤った遊技情報の収集を確認することができる。
なお、情報収集端末装置3へのネットワーク通信アドレスの割り当てが不承認とされた場合には、当該情報収集端末装置3は、承認を要求したネットワーク通信アドレスとは異なるネットワーク通信アドレス(不承認時ネットワーク通信アドレス)を用いる等によって、承認されたネットワーク通信アドレスによる通信と区別可能な状態で営業中データ通知を遊技場管理装置1に送信してもよい。
なお、不承認時ネットワーク通信アドレスは、不承認時に利用するネットワーク通信アドレスとして情報収集端末装置3に予め設定されているネットワーク通信アドレスを用いてもよいし、ネットワーク管理装置5が所定のネットワーク通信アドレスを指定して通知するようにしてもよい。
また、不承認時ネットワーク通信アドレスの使用が営業中の遊技場の内部ネットワークに障害をもたらさないように、営業終了後にのみ不承認時ネットワーク通信アドレスによる遊技場の内部ネットワーク接続を許可し、このときに不承認とされた情報収集端末装置3によって収集された遊技データを収集するようにしてもよい。
なお、情報収集端末装置3の不承認時ネットワーク通信アドレスの使用により通知される遊技情報は正当なネットワーク通信アドレスの使用により通知される遊技情報とは区別可能にして集計することで、不正の有無や故障に基づく誤った遊技情報の収集の確認を容易にすることができる。
なお、本実施の形態では、情報収集端末装置3は、ネットワーク管理装置5によるポーリングに応じて営業中データを通知するが、これに限らず、情報収集端末装置3の任意の契機(例えば、一定時間毎、累積値が一定数増加する毎、所定のイベントが発生する毎、または所定のイベントが終了する毎等)によって通知してもよい。
次に、本実施の形態の遊技システムの、故障した情報収集端末装置3に割り当てられていたネットワーク通信アドレスの解除時の動作について、図11を用いて説明する。
ネットワーク管理装置5は、交換された情報収集端末装置3に対する新たなネットワーク通信アドレスの割り当ての際、当該情報収集端末装置3に割り当てる予定のネットワーク通信アドレスを解除するために、アドレス解除通知を送信する。このアドレス解除通知は、MACアドレス及びネットワーク通信アドレスを含む。当該MACアドレスは、ネットワーク通信アドレスの解除が行われる情報収集端末装置3(すなわち、故障した情報収集端末装置3)のMACアドレスである。当該ネットワーク通信アドレスは、当該情報収集端末装置3に割り当てられており、解除されるネットワーク通信アドレスである。
ここで、情報収集端末装置3の故障による不具合が、通信機能は正常であって通信可能である場合及び通信機能自体に不具合が生じていて通信不能である場合の二つのケースに分けて説明する。
まず、故障した情報収集端末装置3が通信可能である場合について説明する。この場合は、当該アドレス解除通知を受信した情報収集端末装置3は、自らに割り当てられていたネットワーク通信アドレス(XX:BB:34)を解除し、アドレス解除通知を受信した旨を示す解除応答をネットワーク管理装置5に通知する。解除応答を受信したネットワーク管理装置5は、当該ネットワーク通信アドレスを解除する。これにより当該ネットワーク通信アドレスは使用中でなくなったので、当該ネットワーク通信アドレスを割り当て可能なネットワーク通信アドレスとする旨のアドレスプールの更新を行い、アドレス要求通知を通知するMACアドレスを受信するための待機を行う。
また、アドレス解除通知を受信した情報収集端末装置3は、動作を停止するが、管理対象として設定された遊技用装置4が稼働している場合は、前述した不承認の場合と同様に待機モードとなり遊技情報の収集を継続してもよい。
次に、故障した情報収集端末装置3が通信不能である場合について説明する。この場合は、当該情報収集端末装置3の不具合により、自らに対するアドレス解除通知を受信できないため、又は、当該アドレス解除通知に対して応答することができないため、当該情報収集端末装置3からネットワーク管理装置5に解除応答が送信されない。アドレス解除通知を送信したネットワーク管理装置5は、当該アドレス解除通知に対応する解除応答を受信していない場合、所定時間の待機の後、所定回数のアドレス解除通知の送信(リトライ)を試みる。
当該所定回数のアドレス解除通知の送信後、所定時間が経過しても対応する解除応答を受信していない場合、当該ネットワーク通信アドレスは無応答であると判定する。これにより当該ネットワーク通信アドレスは不使用であるとみなし、当該ネットワーク通信アドレスを割り当て可能なネットワーク通信アドレスとする旨のアドレスプールの更新を行い、当該ネットワーク通信アドレスを解除し、アドレス要求通知を通知するMACアドレスを受信するための待機を行う。
ここで、ネットワーク管理装置5は、ネットワーク通信アドレスを一意に割り当てるべく、故障した情報収集端末装置3に割り当てられていたネットワーク通信アドレスを解除してから、当該ネットワーク通信アドレスを交換された情報収集端末装置3に対して割り当てる。
次に、図12を用いて、本実施の形態の遊技システムの交換された情報収集端末装置3の動作について説明する。交換された情報収集端末装置3が物理的に設置されてから、内部ネットワークへの接続のためのネットワーク通信アドレスの割り当てが承認され、情報収集の準備段階を経て、遊技情報の収集が可能になるまで、本実施の形態の遊技システムは、以下のように動作する。
遊技場の係員等によって、故障した情報収集端末装置3と交換された予備用の情報収集端末装置3の内部ネットワークへの物理的な接続が完了した後、アドレス要求スイッチ320が操作されると、当該情報収集端末装置3からネットワーク管理装置5にアドレス要求通知としてMACアドレスが送信される。
このアドレス要求通知を受信したネットワーク管理装置5は、遊技場の営業開始時と同様、ネットワーク通信アドレスの割り当てを承認するか否かを決定するために、アドレス要求通知を通知した情報収集端末装置3の正当性の認証を試み、認証に成功すれば、当該ネットワーク通信アドレスは割り当てられるので、当該ネットワーク通信アドレスを割り当て不可能なネットワーク通信アドレスとする旨のアドレスプールの更新を行い、ネットワーク通信アドレスの割り当ての承認及び割り当てたネットワーク通信アドレスを通知する。
次に、ネットワーク管理装置5は、遊技情報の収集の準備のために、当該情報収集端末装置3に対して、当該情報収集端末装置の初期設定のための環境情報通知を送信する。この環境情報通知は、当該情報収集端末装置3が管理対象とする遊技用装置4の種類(例えば、パチンコ機か又はパチスロ機か、パチンコ機であれば1種〜3種のいずれであるか、機種は何であるか等)、通信に用いるポートの割付等の設定を当該情報収集端末装置3に知らせるための通知である。
なお、本実施の形態では、環境情報通知は、ネットワーク管理装置5から情報収集端末装置3に対して送信されるが、これに限らず、情報収集端末装置3から当該情報収集端末装置3の設定を環境情報通知として送信し、これを受信したネットワーク管理装置5が確認してもよい。また、正しく設定されていなければネットワーク管理装置5が正しい設定を通知してもよい。
次に、ネットワーク管理装置5は、故障した情報収集端末装置3によって故障直前に送信された累積データ(承継累積データ)を、遊技場管理装置1から取得して交換された情報収集端末装置3に送信し、通信アドレス設定ログを生成して当該ネットワーク通信アドレスの割り当てを記録する。これによって、ネットワーク通信アドレスの割り当てが完了し、遊技情報の収集が可能になる。
そして、交換された情報収集端末装置3による遊技情報の収集が可能になった後は、遊技場管理装置1のポーリングに基づいて営業中の遊技情報を通知する累積データの最新値が、当該情報収集端末装置3から遊技場管理装置1に対して送信される。
このようにして情報収集端末装置3は、故障発生による情報収集端末装置3の交換時に、個体識別情報をネットワーク管理装置5に通知することで、物理的な交換作業が終了したことを通知することができる。また、この通知をネットワーク管理装置5が確認することで、正規の情報収集端末装置3が接続されているか及び情報収集端末装置3が正常に作動しているかを確認することができる。
次に、遊技場外部管理装置10による情報収集端末装置3の交換の確認について説明する。
図13は、本発明の第1の実施の形態の遊技場外部管理装置10による情報収集端末装置3の交換の確認を説明する図である。
情報収集端末装置3からのアドレス要求通知を受信したネットワーク管理装置5は、詳しくは図14に示す通信アドレス更新処理1において後述するように、当該情報収集端末装置3の要求するネットワーク通信アドレスの割り当てを行うか否かを決定する。
本実施の形態の遊技システムは、このとき遊技場の外部に設けられた遊技場外部管理装置10に対して、故障した交換前の情報収集端末装置3に割り当てられていたネットワーク通信アドレス、当該情報収集端末装置3のMACアドレス(個体識別情報)及び当該情報収集端末装置3が収集した最新累積データ、並びに、交換後の情報収集端末装置3のMACアドレス等の交換情報を送信して、交換の確認を求める。
交換の確認を求められた遊技場外部管理装置10は、送信された情報に基づいて交換を確認するか否かを決定し、決定結果をネットワーク管理装置5に送信する。また、遊技場外部管理装置10は、送信された交換情報及び判定結果を交換ログに記録する。ここで、当該判定は、MACアドレスがアドレスプールに登録された正当なものであるか、ネットワーク通信アドレスや累積データが異常でないか等によって判定する。
このように、遊技場外部管理装置10によって情報収集端末装置3の交換の確認を行なうか否かを決定することによって、交換時に異常が発見されて当該交換を確認しないとする決定がされた場合には、ネットワーク管理装置5によって新たなネットワーク通信アドレスの割り当てが行なわれず、当該交換後の情報収集端末装置3が内部ネットワークに接続されることを防止できる。
また、当該決定結果を受信したネットワーク管理装置5は、当該決定結果を通信アドレス設定ログに記録する。これにより、交換された情報収集端末装置3のネットワーク通信アドレス及び当該情報収集端末装置3のMACアドレスの事後的な検証が可能となるため、故障交換の正当性の担保が可能となる。
なお、本実施の形態の遊技場外部管理装置10は、ネットワーク管理装置5からの情報を受信して交換を確認するか否かを決定するが、これに限らず、遊技場外部管理装置10は、当該確認の決定は行わず、ネットワーク管理装置5から送信された交換情報を交換ログに記録するのみで、常に交換の確認を行うものであってもよい。
図14は、本発明の第1の実施の形態のネットワーク管理装置5が備えるCPUで実行される通信アドレス更新処理1のフローチャートである。
本処理は、図9乃至図12において前述したように、遊技場の営業開始時に遊技場に設置された各情報収集端末装置3にネットワーク通信アドレスを割り当てるとき及び情報収集端末装置3の故障発生によって交換された予備用の情報収集端末装置3にネットワーク通信アドレスを割り当てるときに、ネットワーク管理装置5において実行される。
まず、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、遊技場に設置された情報収集端末装置3の交換の有無を判定する(S101)。情報収集端末装置3の交換の有無は、当該交換の際に遊技場の係員が遊技場に設置された情報収集端末装置3から送信されるアドレス要求を受信したか否かによって判定される。交換された情報収集端末装置3がなければ、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、通信アドレス更新処理1を終了する。一方、交換された情報収集端末装置3があれば、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、ステップS102に処理を進める。
ステップS102では、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、故障した情報収集端末装置3の有無を判定する(S102)。故障した情報収集端末装置3の有無は、図10に前述したように、遊技場管理装置1からのポーリングに対する応答の有無等によって検知され、故障を検知した遊技場管理装置1からネットワーク管理装置5に、当該故障が通知される。なお、該情報収集端末装置3に接続される遊技機の固有情報(制御CPUに設定されたチップID)や周辺機器(台間玉貸し機等)の固有情報を、交換後の情報収集端末装置3からネットワーク管理装置5に通知し、該通知された固有情報と関連付けられるネットワーク通信アドレス(台番号等により間接的に関連付けされている場合を含む)を特定し、該特定されたネットワーク通信アドレスで通信を試みることによって、該特定されたネットワーク通信アドレスの応答を確認して、故障端末の有無を調べてもよい。また、係員が、ネットワーク管理装置5に故障端末を特定する情報を直接入力することもできる。例えば、故障端末の故障内容が筐体の損傷等、情報収集や通信機能に影響しないために、通信によって故障が検知ができない場合に便利である。ネットワーク管理装置5が当該故障を自ら検知してもよい。故障した情報収集端末装置3がなければ、ステップS101で受信したと判定したアドレス要求通知は、アドレス要求スイッチ320の誤操作又は情報収集端末装置3等の誤作動による誤報であると判断して、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、通信アドレス更新処理1を終了する。一方、交換された情報収集端末装置3があれば、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、故障した情報収集端末装置3のネットワーク通信アドレスを解除し(S103)、ステップS104に処理を進める。
なお、複数の故障端末がある場合には、対応する台番号を遊技場係員に通知して係員が、対応する情報収集端末装置から応答入力(再度のアドレス要求スイッチの操作など)をするなどの運用によって、判定対象となる故障端末を特定することができる。また、該情報収集端末装置3に接続される遊技機や周辺機器の固有情報を、交換後の情報収集端末装置3からネットワーク管理装置5に通知し、該通知された固有情報と関連付けられるネットワーク通信アドレスを特定し、該特定されたネットワーク通信アドレスで通信を試みることによって、該特定されたネットワーク通信アドレスの応答を確認して、いずれの故障端末であるかを調べてもよい。また、係員が、ネットワーク管理装置5に故障端末を特定する情報を直接入力することもできる。
ステップS104では、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、交換された情報収集端末装置3へのネットワーク通信アドレスの割り当てを承認するか否かを決定する。この情報収集端末装置3へのネットワーク通信アドレスの割り当ての承認の決定は、各情報収集端末装置3に一意に定められたMACアドレスが正当なものであるか、すなわち、所定の条件を満たすか否かによって決定される。本実施の形態では、交換された情報収集端末装置3のMACアドレスが、遊技場外部管理装置10に予め登録されたものであるか否かによって決定される。
すなわち、この遊技場内に設置予定の情報収集端末装置3、予備用の情報収集端末装置3及びその他の内部ネットワークに接続されるネットワーク接続機器のMACアドレスのリストを、予め遊技場外部管理装置10に登録しておく。そして、このリストに登録されているMACアドレス以外のMACアドレスを持った情報収集端末装置3を検出したときは、不正工作の可能性があると判定する。
なお、情報収集端末装置3のMACアドレスの正当性の判定に用いるリストは、正当なMACアドレスを一つずつ個別に指定するものであってもよく、又は、例えばPP:QQ:XX〜PP:QQ:YYのように、正当なMACアドレスを範囲で指定するものであってもよい。
また、情報収集端末装置3の正当性の判定には、MACアドレス以外の情報収集端末装置3を一意に識別可能な情報であればよく、例えば、IDチップから読み出した識別情報等を用いることができる。また、情報収集端末装置3のMACアドレスの正当性の判定に用いるリストは、例えば遊技場内部の遊技場管理装置1やネットワーク管理装置5等に記憶されてもよい。また、情報収集端末装置3の正当性の判定の際に、プログラムバージョンの確認、情報収集を適正に行うための設定情報(環境変数)の確認を併せて行うようにしてもよい。
当該情報収集端末装置3が正当であると判定されなければ、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、交換された情報収集端末装置3にネットワーク通信アドレスの割り当てを承認せずに、通信アドレス更新処理1を終了する。一方、当該情報収集端末装置3が正当であると判定されれば、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、交換された情報収集端末装置3に、故障した情報収集端末装置3に割り当てられていたネットワーク通信アドレスを割り当て、割り当てたネットワーク通信アドレスを通知する(S105)。
次に、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、交換された情報収集端末装置3に故障した情報収集端末装置3によって収集された遊技情報の最新の累積データを送信し(S106)、通信アドレス設定ログ(図6)に、交換された情報収集端末装置3の交換日時、MACアドレス、割り当てられたネットワーク通信アドレス及び送信された遊技情報の累積データを通信アドレス設定ログに記録し(S107)、通信アドレス更新処理1を終了する。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によると、情報収集端末装置3は、ネットワーク通信アドレスの割り当ての要求をネットワーク管理装置5に通知するためのアドレス要求スイッチ320によるネットワーク通信アドレスの割り当ての要求及び情報収集端末装置3の個体識別情報をネットワーク管理装置5に通知し、累積データを遊技場管理装置1及びネットワーク管理装置5に通知する。そして、ネットワーク管理装置5は、情報収集端末装置3から通知された個体識別情報(MACアドレス)と遊技用装置4に一意に対応する遊技用装置4の台番号と情報収集端末装置3に配布したネットワーク通信アドレスとを対応付けた通信アドレステーブルを記憶し、情報収集端末装置3からネットワーク通信アドレスの要求があった場合に、交換するネットワーク通信アドレスを割り当て、割り当てられたネットワーク通信アドレス及びこのネットワーク通信アドレスと対応付けて記憶されている累積データを、ネットワーク通信アドレスの要求があった情報収集端末装置3に通知するので、遊技場内の通信設備についての高度な知識を持つ係員を遊技場に常駐させることができない場合であっても、迅速な故障対応が可能となる。
また、アドレス要求スイッチ320は、通知されたネットワーク通信アドレスの受け入れをネットワーク管理装置5に通知するための操作を受け付け、情報収集端末装置3は、操作に基づいてネットワーク通信アドレスの受け入れ及びMACアドレスを通知し、ネットワーク管理装置5は、割り当てるネットワーク通信アドレスを通知するので、遊技場設備の知識が十分にない遊技場係員を有する遊技場においても迅速な故障対応が可能となる。また、遊技場データの改ざんの疑いの余地を生じさせることのない公正な遊技情報の収集が可能となる。さらに、遊技場管理装置1が交換前後で集計データの累積値が承継されるので情報収集端末装置3の集計データの累積値を意識せずに、連続的にデータの集計が可能となるため、遊技場管理装置1の処理負担が増大することがない。
また、遊技場外部管理装置10は、遊技場外部に設置され、情報収集端末装置3から通知されたMACアドレスと、当該情報収集端末装置3に通知した累積データと、を記録するので、情報収集端末装置3の故障による交換の正当性が担保可能となる。
また、遊技場内部に設置された遊技場管理装置1又はネットワーク管理装置5によって、情報収集端末装置3から通知されたMACアドレスと、当該情報収集端末装置3に通知した累積データと、を記録してもよく、このようにして、情報収集端末装置の故障による交換の正当性を担保可能にすることもできる。
また、ネットワーク管理装置5は、ネットワーク通信アドレスの割り当てを、所定の条件に基づいて承認するので、条件を適切に定めることによって、情報収集端末装置3の不正な交換を排除できる。
また、ネットワーク管理装置5が、情報収集端末装置3に対して使用を許可したネットワーク通信アドレス、この情報収集端末装置3によって遊技情報が収集される遊技用装置4の台番号、及びこの情報収集端末装置3の個体識別情報の対応関係を記録することによって、事後的に当該情報収集端末装置3が使用許可を受けたネットワーク通信アドレス及び当該情報収集端末装置3のMACアドレスの検証が可能となるため、故障交換の正当性を担保可能にする。
また、ネットワーク管理装置5は、遊技場外部管理装置10による確認に基づいてネットワーク通信アドレスの割り当てを承認することによって、情報収集端末装置3の交換時に遊技場外部管理装置10による確認がなければ、交換された情報収集端末装置3にネットワーク通信アドレスが割り当てられないことにより、情報収集端末装置3の故障による交換の正当性を担保可能にする。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態は、第1の実施の形態では個体識別情報(MACアドレス)から構成されていたアドレス要求通知に、スイッチ操作フラグが付加されている点が異なる。なお、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、情報収集端末装置3の交換時における本実施の形態の遊技システムの動作を説明する。
図15は、本発明の第2の実施の形態の遊技システムの営業中の情報収集端末装置3の故障発生による交換時における遊技場管理装置1、ネットワーク管理装置5及び情報収集端末装置3の動作を説明する図である。
交換された情報収集端末装置3が物理的に設置されてから、内部ネットワークへの接続のためのネットワーク通信アドレスの割り当てが承認され、情報収集の準備段階を経て、遊技情報の収集が可能になるまで、本実施の形態の遊技システムは、以下のように動作する。
遊技場の係員等によって、故障した情報収集端末装置3と交換された予備用の情報収集端末装置3の内部ネットワークへの物理的な接続が完了した後、アドレス要求スイッチ320が操作されると、当該情報収集端末装置3からネットワーク管理装置5にアドレス要求通知として、当該情報収集端末装置3のMACアドレスとともに、本実施の形態では第1の実施の形態と異なり、スイッチ操作フラグが送信される。
本実施の形態のネットワーク管理装置5は、このスイッチ操作フラグの検出によって、アドレス要求通知があったことを判断する。
このアドレス要求通知を受信したネットワーク管理装置5は、遊技場の営業開始時と同様、ネットワーク通信アドレスの割り当てを承認するか否かを決定するために、アドレス要求通知を通知した情報収集端末装置3の正当性の認証を試み、認証に成功すれば、当該ネットワーク通信アドレスが割り当てられるので、当該ネットワーク通信アドレスを割り当て不可能なネットワーク通信アドレスとする旨のアドレスプールの更新を行い、ネットワーク通信アドレスの割り当ての承認及び割り当てたネットワーク通信アドレスを通知する。
次に、ネットワーク管理装置5は、故障した情報収集端末装置3によって故障直前に送信された累積データ(承継累積データ)を、遊技場管理装置1から取得して交換された情報収集端末装置3に送信する。これにより、通信アドレス設定ログを生成して当該ネットワーク通信アドレスの割り当てを記録する。これによって、ネットワーク通信アドレスの割り当てが完了し、遊技情報の収集が可能になる。
そして、交換された情報収集端末装置3による遊技情報の収集が可能になった後は、遊技場管理装置1のポーリングに基づいて営業中の遊技情報を通知する累積データの最新値が、当該情報収集端末装置3から遊技場管理装置1に対して送信される。
このようにして、本実施の形態の情報収集端末装置3は、故障発生による情報収集端末装置3の交換時に、個体識別情報及びスイッチ操作フラグをネットワーク管理装置5に通知することで、物理的な交換作業が終了したことを通知することができる。また、この通知をネットワーク管理装置5が確認することで、ネットワーク通信アドレスの割り当て要求があったこと、正規の情報収集端末装置3が接続されていること及び情報収集端末装置3が正常に作動していることを確認することができる。
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態によると、アドレス要求通知にスイッチ操作フラグが付加されているので、このアドレス要求通知のスイッチ操作フラグをネットワーク管理装置5が確認することで、ネットワーク通信アドレスの割り当て要求があったことを確実に確認することができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態は、第1の実施の形態では交換された情報収集端末装置3からのネットワーク通信アドレスの割り当て要求に基づいてネットワーク管理装置5によるネットワーク通信アドレスの割り当てが行われていたが、情報収集端末装置3の故障を検知したネットワーク管理装置5によって交換後の情報収集端末装置3の個体識別情報(MACアドレス)を要求する点が異なる。また、アドレス要求スイッチ320の操作に基づいて送信されるアドレス要求通知が、ネットワーク管理装置5によって割り当てられたネットワーク通信アドレスを含む点が異なる。なお、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、情報収集端末装置3の交換時における本実施の形態の遊技システムの動作を説明する。
図16は、本発明の第3の実施の形態の遊技システムの営業中の情報収集端末装置3の故障発生による交換時における遊技場管理装置1、ネットワーク管理装置5及び情報収集端末装置3の動作を説明する図である。
交換された情報収集端末装置3が物理的に設置されてから、内部ネットワークへの接続のためのネットワーク通信アドレスの割り当てが承認され、情報収集の準備段階を経て、遊技情報の収集が可能になるまで、本実施の形態の遊技システムは、以下のように動作する。
本実施のネットワーク管理装置5は、遊技場管理装置1やネットワーク管理装置5によるデータ要求に対して、故障した情報収集端末装置3からの正常な応答(例えば、営業中データの送信)が検出されないときは、情報収集端末装置3が故障していると判断する。
当該情報収集端末装置3が故障していると判断したとき、ネットワーク管理装置5は、当該情報収集端末装置3に割り当てたネットワーク通信アドレスを解除する。また、このとき、遊技場管理装置1は、接続された表示装置等の出力装置109によって、その旨を遊技場の係員等に報知する。この報知に従って、遊技場の係員は当該情報収集端末装置3の故障を認識し、当該情報収集端末装置3を予備用の情報収集端末装置3と交換する。また、ネットワーク管理装置5は、交換後の情報収集端末装置3のMACアドレスを要求する。このとき、故障した情報収集端末装置3に割り当てられていたネットワーク通信アドレスを通知し、当該ネットワーク通信アドレスの受入の是非の応答を要求する。この要求は、後述する交換された情報収集端末装置3の応答があるまで所定回数繰り返される。
遊技場の係員等によって、故障した情報収集端末装置3と交換された予備用の情報収集端末装置3の内部ネットワークへの物理的な接続が完了した後、アドレス要求スイッチ320が操作されると、当該情報収集端末装置3からネットワーク管理装置5に、前述したネットワーク管理装置5による要求に対する交換端末応答として、当該情報収集端末装置3のMACアドレスとともに、本実施の形態では第1の実施の形態と異なり、当該要求に含まれていたネットワーク通信アドレスが当該ネットワーク通信アドレスを受け入れることの応答としてスイッチ操作フラグとともに送信される。
この交換端末応答を受信したネットワーク管理装置5は、前述した要求に含めて送信したネットワーク通信アドレスの受入応答に対して、当該ネットワーク通信アドレスの割り当てを承認するか否かを決定するために、アドレス要求通知を通知した情報収集端末装置3の正当性の認証を試み、認証に成功すれば、当該ネットワーク通信アドレスが割り当てられるので、当該ネットワーク通信アドレスを割り当て不可能なネットワーク通信アドレスとする旨のアドレスプールの更新を行い、ネットワーク通信アドレスの割り当ての承認及び割り当てたネットワーク通信アドレスを通知する。
次に、ネットワーク管理装置5は、故障した情報収集端末装置3によって故障直前に送信された累積データ(承継累積データ)を、遊技場管理装置1から取得して交換された情報収集端末装置3に送信する。これにより、通信アドレス設定ログを生成して当該ネットワーク通信アドレスの割り当てを記録する。これによって、ネットワーク通信アドレスの割り当てが完了し、遊技情報の収集が可能になる。
そして、交換された情報収集端末装置3による遊技情報の収集が可能になった後は、遊技場管理装置1のポーリングに基づいて営業中の遊技情報を通知する累積データの最新値が、当該情報収集端末装置3から遊技場管理装置1に対して送信される。
図17は、本発明の第3の実施の形態のネットワーク管理装置5が備えるCPUで実行される通信アドレス更新処理2のフローチャートである。
本処理は、情報収集端末装置3の故障発生によって交換された予備用の情報収集端末装置3にネットワーク通信アドレスを割り当てるときに、ネットワーク管理装置5において実行される。
まず、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、故障した情報収集端末装置3の有無を判定する(S201)。故障した情報収集端末装置3の有無は、遊技場管理装置1からのポーリングに対する応答の有無によって検知され、故障を検知した遊技場管理装置1からネットワーク管理装置5に、当該故障が通知される。ネットワーク管理装置5が当該故障を自ら検知してもよい。また、遊技場係員の入力により交換対象の情報収集端末装置を検知してもよい。故障した情報収集端末装置3がなければ、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、通信アドレス更新処理2を終了する。一方、故障した情報収集端末装置3があれば、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、故障した情報収集端末装置3のネットワーク通信アドレスを解除し(S202)、ステップS203に処理を進める。
ステップS203では、故障した情報収集端末装置3と交換されて遊技場に設置された情報収集端末装置3に対して故障した情報収集端末装置3に割り当てられていたネットワーク通信アドレスをブロードキャスト通信で通知することによって、当該情報収集端末装置3のMACアドレスの通知である交換端末応答を要求する。
次に、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、この交換された情報収集端末装置3からの交換端末応答の有無をスイッチ操作フラグにより判定する(S204)。交換端末応答がなければ、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、ステップS203の処理を繰り返す。一方、交換端末応答があれば、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、ステップS205に処理を進める。
ステップS205では、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、交換された情報収集端末装置3へのネットワーク通信アドレスの割り当てを承認するか否かを決定する。この情報収集端末装置3へのネットワーク通信アドレスの割り当ての承認の決定は、各情報収集端末装置3に一意に定められたMACアドレスが正当なものであるか、すなわち、所定の条件を満たすか否かによって決定される。本実施の形態では、交換された情報収集端末装置3のMACアドレスが、遊技場外部管理装置10に予め登録されたものであるか否かによって決定される。
すなわち、この遊技場内に設置予定の情報収集端末装置3、予備用の情報収集端末装置3及びその他の内部ネットワークに接続されるネットワーク接続機器のMACアドレスのリストを、予め遊技場外部管理装置10に登録しておく。そして、このリストに登録されているMACアドレス以外のMACアドレスを持った情報収集端末装置3を検出したときは、不正工作の可能性があると判定する。
なお、情報収集端末装置3のMACアドレスの正当性の判定に用いるリストは、正当なMACアドレスを一つずつ個別に指定するものであってもよく、又は、例えばPP:QQ:XX〜PP:QQ:YYのように、正当なMACアドレスを範囲で指定するものであってもよい。
また、情報収集端末装置3の正当性の判定には、MACアドレス以外の情報収集端末装置3を一意に識別可能な情報を用いることができる。また、情報収集端末装置3のMACアドレスの正当性の判定に用いるリストは、例えば遊技場内部の遊技場管理装置1やネットワーク管理装置5等に記憶されてもよい。また、情報収集端末装置3の正当性の検査に加えて、プログラムバージョンの確認、情報収集を適正に行うための設定情報(環境変数)の確認を行うようにしてもよい。
MACアドレスが正当であると判定されなければ、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、交換された情報収集端末装置3にネットワーク通信アドレスの割り当てを承認せずに、通信アドレス更新処理2を終了する。一方、MACアドレスが正当であると判定されれば、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、交換された情報収集端末装置3に、故障した情報収集端末装置3に割り当てられていたネットワーク通信アドレスを割り当てる(S206)。
次に、ネットワーク管理装置5が備えるCPUは、交換された情報収集端末装置3に故障した情報収集端末装置3によって収集された遊技情報の最新の累積データを送信し(S207)、通信アドレス設定ログに、交換された情報収集端末装置3の交換日時、MACアドレス、割り当てられたネットワーク通信アドレス及び送信された遊技情報の累積データを通信アドレス設定ログに記録し(S208)、通信アドレス更新処理2を終了する。
このようにして、本実施の形態のネットワーク管理装置5は、遊技場管理装置1又はネットワーク管理装置5と情報収集端末装置3との間の通信の不具合から情報収集端末装置3の故障発生を自ら検知し、この故障の検知に基づいて交換後の情報収集端末装置3のMACアドレスを要求する。
以上説明したように、本発明の第3の実施の形態によると、通信状況を監視することによって情報収集端末装置3の故障をネットワーク管理装置5が検知して交換後の情報収集端末装置3の個体識別情報(MACアドレス)を要求するとともに割り当てる予定のネットワーク通信アドレスを通知し、当該情報収集端末装置3による応答を受信することによって、ネットワーク通信アドレスを容易に割り当てることができる。
今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。