JP5106842B2 - エレベータ改修工法 - Google Patents

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Description

この発明は、既設のエレベータの一部を新規な機器で代替して改修するエレベータ改修工法に関する。
近年エレベータの改修のメニュの多様化に伴い、制御盤など主要機器のみ新規品に取り替え、それ以外の昇降路、かご周りの機器などは既設の機器を流用して改修工事を進めるケースが多くなってきている。
この改修工事において昇降路やかご周りの機器から新規な制御盤に接続されるケーブルや電線も既設のものを使用するために、既設のケーブルや電線の芯線を一本ずつ判別し接続し直す作業が必要になる。
そこで、一方の相手側とコネクタ接続可能なコネクタ構成部を一方端に、他方の相手側と線接続可能な接続端末を他方端に備えた複数の線から成る仮設介在用接続線を予め用意しておき、エレベータシステムにおける所要機器の取替にあたって、コネクタ接続可能なコネクタ構成部を有する新設された新機器と、線接続可能な端子を備えた既設の旧機器とを、仮設介在用接続線を用いて接続することも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−137876号公報
しかし、既設のケーブルや電線の芯線の判別は容易ではなく、作業に長時間を要し、改修工事の時間が長くなるという問題がある。
また、限られた時間内での作業完了を求められるため、焦りから誤結線が生じ易く、機器の損傷を招いたり、誤結線の解消に余分の時間が掛かってしまうという問題がある。
この発明の目的は、エレベータを改修するときエレベータを連続して停止する時間を短縮するとともに施工時の誤結線を防止するエレベータ改修工法を提供することである。
この発明に係わるエレベータ改修工法は、既設のエレベータの既設の機器の一部を新規の機器に代替するエレベータ改修工法において、上記新規の機器に代替される既設の機器に接続されている既設ケーブルの途中に上記既設ケーブルを切断することなく上記既設ケーブルの途中の被覆の一部をはぎ取ったとき表れる芯線と、新規ケーブルの端の被覆をはぎ取ったとき表れる芯線とを電気的に接続する分岐コネクタを新たに設ける事前工事を本番工事の前に施工する。
この発明に係わるエレベータ改修工法の効果は、新規の機器に代替される既設の機器に接続されている既設ケーブルの途中に既設ケーブルを切断することなく既設ケーブルに新規ケーブルを接続することのできる分岐コネクタを設ける工事はエレベータを停止することなく施工でき、且つ新規ケーブルの接続先を事前に判別することができるので、本番工事では接続先の判明している新規ケーブルを接続し既設ケーブルを切断するだけとなり、エレベータを停止する時間を短縮することができることである。
この発明に係わるエレベータ改修工法は、既設のエレベータの既設の機器の一部を新規の機器を用いて代替することによりエレベータの性能を向上したり、新たな機能を追加したりするときに採用する工法である。
次に、既設のエレベータの一例を挙げてこの発明に係わるエレベータ改修工法を説明する。図1は、この発明に係わるエレベータ改修工法を説明するための既設のエレベータの構成図である。
既設のエレベータは、図1に示すように、図示しないエレベータかごに配設された既設かご周り機器3、図示しない乗場に配設された既設乗場機器4、エレベータを制御する既設制御盤1、既設制御盤1と既設かご周り機器3および既設乗場機器4を接続する既設ケーブル2を少なくとも備えている。なお、既設ケーブル2には、ケーブル以外に電線も含まれており、既設ケーブル2は、既設制御盤1と既設かご周り機器3および既設乗場機器4の間で必要な本数の絶縁被膜で覆われた芯線からなる。
図2は、図1に示すエレベータを改修した後のエレベータの構成図である。
この既設のエレベータに対して既設制御盤1の代わりに新規制御盤11を取り付ける改修工事を計画する。この改修工事の内容として、図2に示すように、既設制御盤1を新規制御盤11で代替するが、他の既設かご周り機器3および既設乗場機器4はそのまま使用を継続する。また、既設ケーブル2は、既設ケーブル2の接続点5と新規制御盤11の間を除いて活用する。それゆえ、既設ケーブル2と既設かご周り機器3および既設乗場機器4の接続には手を付けない。また、既設ケーブル2の接続点5と新規制御盤11は、新規ケーブル12で接続される。
また、新規制御盤11の入出力端子では、コネクタ接続が採用され、新規制御盤11の入出力端子として新規制御盤接続用コネクタ16の雌16aが設けられている。
また、新規制御盤11の入出力端子への接続はコネクタ接続となっているので、既設ケーブル2を直接新規制御盤11に接続することはできないため、新規ケーブル12の新規制御盤11側の端には、新規制御盤接続用コネクタ16の雄16bが設けられる。
この発明に係わる改修工法を採用する改修工事では、改修工事を事前工事と本番工事の2段階に分けて施工する。図3は、この発明に係わる改修工法を採用する事前工事時のケーブル接続の状態を示す図である。
事前工事では、準備として既設ケーブル2の本数の分岐コネクタ15、新規ケーブル12、新規制御盤接続用コネクタ16の雄16bを用意する。この分岐コネクタは、既設ケーブル2の途中の被覆の一部をはぎ取ったとき表れる芯線を電気的に接続でき、且つ新規ケーブル12の端の被覆をはぎ取ったとき表れる芯線を電気的に接続できるコンタクトを有している。このように分岐コネクタ15は、接続される方のケーブルにその接続される方のケーブルを切断することなく接続するケーブルを接続するコネクタである。
次に、既設ケーブル2の既設制御盤1に近い接続点5で、ケーブルの被覆を一部はぎ取り芯線を露出する。それから、既設制御盤1と接続点5に露出した芯線との間で導通チェックし芯線を判別する。
次に、芯線が露出した既設ケーブル2に分岐コネクタ15を取り付ける。それから分岐コネクタ15に新規ケーブル12を接続する。このとき判別した結果を分岐コネクタ15に会符を付ける。
次に、会符を参照して新規ケーブル12を新規制御盤接続用コネクタの雄16bの正しいピンに接続する。
この時点では、既設ケーブル2は事前工事前と変わらずに一端は既設制御盤1に、他端は既設かご周り機器3および既設乗場機器4に接続されている。
一方、新規ケーブル12は一端は分岐コネクタ15を介して既設ケーブル2に、他端は新規制御盤接続用コネクタの雄16bが接続されている。そして、この新規制御盤接続用コネクタの雄16bの先には何も接続されていないので、新規ケーブル12の他端は開放状態であり、既設ケーブル2に影響を与えない。
このように、分岐コネクタ15を取り付けるときだけ既設制御盤1、既設かご周り機器3および既設乗場機器4の電源を切ればいいので、例えば夜間の短時間の間だけエレベータが停止する。また、分岐コネクタ15の取り付ける点数が多いときには複数の日に分けて作業を行えばよい。
また、分岐コネクタ15に新規ケーブル12の接続、新規ケーブル12に新規制御盤接続用コネクタの雄16bの接続は、既設ケーブル2を活線状態のときも行うことができる。
また、新規ケーブル12の接続先を既設制御盤1との間で導通チェックを行って判別する作業を本番工事の前に行えるので、この作業に掛けられる時間に余裕があり、誤判別の可能性を極端に減らすことができる。
また、新規ケーブル12の接続先を判別した後で、新規制御盤接続用コネクタの雄16bに新規ケーブル12を接続するので、新規ケーブル12のケーブル数が多くても間違うことがなくなる。
次に、改修工事の本番工事について説明する。この本番工事を始めるときには、新規制御盤接続用コネクタの雄16bには、新規制御盤接続用コネクタ16に割り付けられた信号に対応する既設ケーブル2のケーブルが接続されているので、新規制御盤接続用コネクタ16の雄雌を接続することができる。図4は、この発明に係わる改修工法を採用する本番工事時のケーブル接続の状態を示す図である。
そこで、既設制御盤1、既設かご周り機器3、既設乗場機器4の電源を切りエレベータの運転を停止する。
次に、接続点5に対して既設制御盤1側で既設ケーブル2を切断する。
次に、切り離された既設制御盤1側の既設ケーブル2と一緒に既設制御盤1を撤去する。
次に、新規制御盤11を所定の位置に設置し、新規制御盤接続用コネクタ16の雄雌を接続する。
最後に、新規制御盤11、既設かご周り機器3、既設乗場機器4の電源を入れてエレベータの運転を再開する。
このように本番工事は既設ケーブル2の切断、既設制御盤1の撤去および新規制御盤11の設置、新規制御盤接続用コネクタ16の接続という簡単な施工内容であるので、エレベータの運転を停止する時間は短時間で済むという効果が得られる。
なお、この発明に係わる改修工法と比較するために従来の改修工法を説明する。
図5は、従来の改修工法を採用した改修工事施工後のケーブル接続の状態を示す図である。
接続点5では、既設ケーブル2と新規ケーブル12の芯線が1本ずつ閉端接続子17で接続される。実際の施工工事においては、新規に接続する新規ケーブル12の芯線に対応する既設のケーブルの芯線を既設ケーブル2の中から探し出している。この既設ケーブル2の芯線の判別は容易ではなく、作業に時間を要し、工事期間(エレベータ停止時間)が長くなる。
また、限られた時間内で作業完了を求められるため、焦りから誤結線が生じ易く、機器の損傷を招いたり、誤結線の解消に時間を要する。
この発明に係わるエレベータ改修工法を説明するための既設のエレベータの構成図である。 図1に示すエレベータを改修した後のエレベータの構成図である。 この発明に係わる改修工法を採用する事前工事時のケーブル接続の状態を示す図である。 この発明に係わる改修工法を採用する本番工事時のケーブル接続の状態を示す図である。 従来の改修工法を採用した改修工事施工後のケーブル接続の状態を示す図である。
符号の説明
1 既設制御盤、2 既設ケーブル、3 既設かご周り機器、4 既設乗場機器、5 接続点、11 新規制御盤、12 新規ケーブル、15 分岐コネクタ、16 新規制御盤接続用コネクタ、16a (新規制御盤接続用コネクタの)雌、16b (新規制御盤接続用コネクタの)雄、17 閉端接続子。

Claims (2)

  1. 既設のエレベータの既設の機器の一部を新規の機器に代替するエレベータ改修工法において、
    上記新規の機器に代替される既設の機器に接続されている既設ケーブルの途中に上記既設ケーブルを切断することなく上記既設ケーブルの途中の被覆の一部をはぎ取ったとき表れる芯線と、新規ケーブルの端の被覆をはぎ取ったとき表れる芯線とを電気的に接続する分岐コネクタを新たに設ける事前工事を本番工事の前に施工することを特徴とするエレベータ改修工法。
  2. 上記新規の機器に代替される既設の機器に接続されている既設ケーブルを上記分岐コネクタが設けられたところより上記新規の機器に代替される既設の機器側で切断することにより上記新規の機器に代替される既設の機器を切り離す本番工事を施工することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ改修工法。
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