JP5105428B2 - 電動機及び電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、固定子の電機子により生じる駆動磁界によって界磁側の変位子を変位させる電動機及びその制御装置に関する。
従来より、回転子の界磁コイルに対する給電をスリップリングによる摺動接触により行なって、回転子の界磁極を形成するようにした回転電動機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
そして、スリップリングにより回転子の界磁コイルに対する給電を行なうようにした場合、スリップリングの摺動部における電力損失が大きく、摺動部に生じるスパークによりスリップリングが損傷するおそれもある。さらに、スリップリングを備えることにより、電動機のサイズが大きくなるという不都合がある。
そこで、回転子の界磁コイルに対する給電を、回転子の界磁極と対向して間隔をもって設けられた界磁用の固定子コイルで生じる磁束を、誘導子により回転子に導くようにした構成が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2の構成によれば、スリップリングを用いることなく回転子の磁極を形成することができるため、上述したスリップリングを用いることにより生じる不都合を回避することができる。
特開昭和54−116610号公報 特開2006−204084号公報
上述した特許文献2に記載された電動機は、摺動接触によるスリップリングを用いずに回転子の界磁コイルに給電している点を除けば、一般的な回転電動機の構成を有するものであり、該電動機に供給される電力を動力に変換する力行運転と、該電動機に作用する動力を電力に変換する回生運転しか行うことができない。
そこで、本発明は、スリップリングを用いずに給電を行なうと共に、電力/動力の変換に加えて、動力の分配を行なうことができる電動機を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、同相の磁極を所定方向に形成した電機子を、該所定方向と直交する方向に多相分配置して有する電機子固定子と、前記電機子固定子に対して前記所定方向に相対的に変位自在に設けられ、前記所定方向にN極とS極が交互に配置された磁極を有する第1変位子と、前記電機子固定子と前記第1変位子との間に、前記電機子固定子及び前記第1変位子に対して前記所定方向に相対的に変位自在に設けられ、前記電機子固定子の前記各相の電機子と個別に対向して前記所定方向に形成された前記多相分の固定子側磁極部と、前記第1変位子の前記磁極と対向して、前記所定方向に所定順に配置された前記多相分の第1変位子側磁極部と、同相の前記固定子側磁極部と前記第1変位子側磁極部との間で、磁束を誘導する第2変位子誘導部とを有する第2変位子とを備えたことを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記第1変位子が前記電機子固定子に対して前記所定方向に変位自在に設けられると共に、前記第2変位子が前記電機子固定子と前記第1変位子とに対して前記所定方向に相対的に変位可能に設けられている。そして、前記第2変位子が変位中であるか否かに拘わらず、前記電機子固定子の前記多相の電機子で生じた磁束は、前記電機子固定子の電機子→記第2変位子の固定子側磁極部→第2変位子誘導部→第1変位子側磁極部の経路で誘導される。
また、前記第2変位子が変位中であるか否かに拘わらず、前記第1変位子の変位により生じる前記第2変位子の前記第1変位子側磁極部での磁束の変化は、前記第2変位子の第1変位子側磁極部→第2変位子誘導部→固定子側磁極部→前記電機子固定子の電機子の経路で誘導され、前記電機子に誘起電圧を生じさせる。
そのため、前記第2変位子の変位中に、前記電機子固定子の電機子に前記所定方向の位相を推移させる駆動電圧を生じる通電を行なうことにより、前記第2変位子に対する入力よりも第1変位子の出力を大きくすること、及び前記第1変位子に対する入力よりも前記第2変位子の出力を大きくすることができる。
また、前記第2変位子の変位中に、前記電機子固定子の電機子に生じる回生電力を回収することにより、前記第2変位子に対する入力よりも前記第1変位子の出力を小さくすること、及び前記第1変位子に対する入力よりも前記第2変位子の出力を小さくすることができる。そのため、前記電動機により、力行運転及び回生運転による電力/動力の変換のみならず、前記前記第1変位子又は前記第2変位子に入力される動力に対し、前記電機子固定子の電機子を介して動力の加算と減算を行なって、前記第1変位子と前記第2変位子間で動力を分配することができる。
また、前記所定方向は所定軸回りの周方向であり、前記電機子固定子の前記電機子は前記周方向に形成され、前記第1変位子は、前記電機子固定子に対して前記周方向に相対的に回転自在に設けられた回転子であって、前記磁極部は前記周方向にN極とS極が交互に配置され、前記第2変位子は、前記電機子固定子と前記第1変位子との間に、前記電機子固定子及び前記第1変位子に対して前記周方向に相対的に回転自在に設けられた回転子であって、前記多相分の固定子側磁極部は、前記電機子固定子の同相の電機子と個別に対向して前記周方向に形成され、前記第1変位子側磁極部は、前記第1変位子の前記磁極部と対向して前記周方向に形成されていることを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記第1変位子と前記第2変位子を回転子とする回転電動機の構成とすることによって、これら2個の回転子間で、動力の伝達を行うことができる。
また、前記第1変位子の前記磁極部が、永久磁石により形成されていることを特徴とする。かかる本発明によれば、前記第1変位子の界磁のための給電が不要となるので、電動機の運転効率を高めることができると共に、電動機の構成を簡素化することができる。
また、前記第1変位子の前記磁極部が磁性体で形成されて、前記第1変位子は、前記所定方向に形成されたN極の界磁入力部とS極の界磁入力部を前記所定方向と直交する方向に配置した界磁入力部と、同極の前記磁極部と前記界磁入力部との間で磁束を誘導する第1変位子誘導部とを有し、前記所定方向に形成されると共に、同極の前記界磁入力部と対向して配置されたN極電機子及びS極電機子を有する界磁固定子を備えたことを特徴とする。
かかる本発明によれば、摺動接触によるスリップリングを用いずに前記界磁固定子から前記第1変位子の磁束を誘導して、前記第1変位子の界磁を行なうことができる。そのため、摺動接触による電力損失やスパークの発生等を回避しつつ、前記N極電機子及び前記S極電機子への給電を調節して前記第1変位子の前記磁極部の磁束を制御することができる。
次に、本発明の電動機の制御装置は、上述した本発明の電動機に対する通電制御を行うものである。そして、本発明の電動機の制御装置の第1の態様は、前記第1変位子と前記第2変位子の前記所定方向の相対位置を検出する変位子相対位置検出手段と、前記変位子相対位置検出手段により検出される前記相対位置に基いて、前記電機子固定子の前記多相の電機子に対する通電により生じさせる駆動電圧の前記所定方向の位相を制御することを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記相対位置検出手段により、前記第1変位子と前記第2変位子の前記所定方向の相対位置を検出することにより、該相対位置に基いて、変位子が1個であるときと同様にして、容易に前記電動機の通電制御を行うことができる。
また、本発明の電動機の制御装置の第2の態様は、前記第2変位子が外力により変位しているときに、前記電機子固定子の前記多相の電機子に、前記所定方向に位相を推移させる駆動磁界を生じさせる通電を行なうことによって、前記第2変位子に対する入力よりも、前記第1変位子の出力を大きくする第1の出力増加制御を行う通電制御手段を備えたことを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記電機子固定子の前記電機子に前記駆動磁界を生じさせる通電を行なうことによって、前記第2変位子に対する入力を増大させて前記第1変位子に伝達することができる。
また、本発明の電動機の制御装置の第3の態様は、前記第1変位子が外力により変位しているときに、前記電機子固定子の前記多相の電機子に、前記所定方向に位相を推移させる駆動磁界を生じさせる通電を行なうことによって、前記第1変位子に対する入力よりも、前記第2変位子の出力を大きくする第2の出力増加制御を行う通電制御手段を備えたことを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記電機子固定子の前記電機子に前記駆動磁界を生じさせる通電を行なうことによって、前記第1変位子に対する入力を増大させて前記第2変位子に伝達することができる。
また、本発明の電動機の制御装置の第4の態様は、前記第2変位子が外力により変位しているときに、前記電機子固定子の前記多相の電機子に生じる回生電力を回収することによって、前記第2変位子に対する入力よりも、前記第1変位子の出力を小さくする第1の出力減少制御を行う通電制御手段を備えたことを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記電機子固定子の前記電機子に生じる回生電力を回収することにより、前記第2変位子に入力される動力を電力に変換して回収しつつ、前記第2変位子に対する入力を減少させて前記第1変位子に伝達することができる。
また、本発明の電動機の制御装置の第5の態様は、前記第1変位子が外力により変位しているときに、前記電機子固定子の前記多相の電機子に生じる回生電力を回収することによって、前記第1変位子に対する入力よりも、前記第2変位子の出力を小さくする第2の出力減少制御を行う通電制御手段を備えたことを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記電機子固定子の前記電機子に生じる回生電力を回収することにより、前記第1変位子に入力される動力を電力に変換して回収しつつ、前記第1変位子に対する入力を減少させて前記第2変位子に伝達することができる。
本発明の実施形態について、図1〜図20を参照して説明する。
[第1の実施形態]先ず、図1〜図13を参照して第1の実施形態について説明する。
図1は本発明の電動機である回転電動機10及び回転電動機10を駆動するための周辺装置の構成を示したものであり、回転電動機10は縦断面図により示している。回転電動機10は、フレーム11に取り付けられた円環形状の電機子固定子20と、回転軸Xに取り付けられた円盤形状の第1回転子40(本発明の第1変位子に相当する)と、電機子固定子20と第1回転子40との間で回転軸Yに取り付けられた円盤形状の第2回転子(本発明の第2変位子に相当する)とにより構成されている。
回転軸Xと回転軸Yは軸心を共通にして配置され、第1回転子40は回転軸Xと共に軸周りに回転自在に設けられ、第2回転子30は回転軸Yと共に軸周りに回転自在に設けられている。また、第1回転子40の回転角度θ1を検出する角度センサ60と、第2回転子30の回転角度θ2を検出する角度センサ61と、回転角度θ1,θ2に基いて3相(U,V,W)電圧の指令値Vu_c,Vv_c,Vw_cを決定するECU(Electric Control Unit)50と、Vu_c,Vv_c,Vw_cに応じた3相電圧Vu,Vv,Vwを生成して回転電動機10の電機子固定子20に出力するPDU(Power Drive Unit)70と、PDU70に電力供給する電源71とが備えられている。なお、角度センサ60,61と、ECU50とにより、本発明の電動機の制御装置が構成される。
次に、図1及び図2を参照して、回転電動機10の構成について詳細に説明する。図2は回転電動機10の電機子固定子20、第2回転子30、及び第1回転子40の回転軸X,Yの軸方向の端面の構成を示したものである。
図1を参照して、電機子固定子20は、U相電機子コイル21a,V相電機子コイル21b,W相電機子コイル21cと、U相電機子磁極部23a,W相電機子磁極部23b,V相電機子磁極部23cと、U相電機子コイル21aにより生じる磁束をU相電機子磁極部23aに誘導するU相固定子誘導部22a,V相電機子21bにより生じる磁束をV相電機子磁極部23bに誘導するV相固定子誘導部22b,W相電機子21cにより生じる磁束をW相電機子磁極部23cに誘導するW相固定子誘導部22cとを有している。
なお、U相電機子コイル21aとU相固定子誘導部22aとU相電機子磁極部23aとにより、U相電機子が形成されている。同様に、V相電機子コイル21bとV相電機子誘導部22bとV相電機子磁極部23bとにより、V相電機子が形成され、W相電機子コイル21cとW相電機子誘導部22cとW相電機子磁極部23cとにより、W相電機子が形成されている。
そして、図2の電機子固定子20のA−A矢視図を参照して、電機子固定子20のU相電機子電極部23aと、V相電機子電極部23bと、W相電機子電極部23cとは、非磁性材料で形成された基体24に、回転軸Yの同心円環形状に間隔をもって形成されている。また、電機子固定子20のU相電機子磁極部23a,W相電機子磁極部23b,V相電機子磁極部23cと、U相固定子誘導部22a,V相固定子誘導部22b,W相固定子誘導部22cとは、磁性体で形成されている。
図2の第1回転子40のB−B矢視図を参照して、第1回転子40は、N極側を中間固定子30に向けたN極磁極部41aと、S極側を第2回転子30に向けたS極磁極部41bとを有している。N極磁極部41aとS極磁極部41bは扇形状の永久磁石であり、非磁性材料で形成された基体42に、間隔をもって回転軸X周りの円周方向に交互に配置されている。
また、図1を参照して、第2回転子30は、電機子固定子20のU相電機子磁極部23aと対向したU相固定子側磁極部31a、電機子固定子20のV相電機子磁極部23bと対向したV相固定子側磁極部31b、及び電機子固定子20のW相電機子磁極部23cと対向したW相固定子側磁極部31cと、第1回転子40のN極磁極部41a及びS極磁極部41bと対向したU相第1回転子側磁極部33a,V相第1回転子側磁極部33b,W相第1回転子側磁極部33cと、U相固定子側磁極部31aとU相第1回転子側磁極部33a間で磁束を誘導するU相第2回転子誘導部32aと、V相固定子側磁極部31bとV相第1回転子側磁極部33b間で磁束を誘導するV相第2回転子誘導部32bと、W相固定子側磁極部31cとW相第1回転子側磁極部33c間で磁束を誘導するW相第2回転子誘導部32cとを有している。
図2の第2回転子30のC−C矢視図を参照して、第2回転子30のU相固定子側磁極部31aは、電機子固定子20のU相電機子磁極部23aと略同一の円環形状を有してU相電機子磁極部23aと対向して配置され、第2回転子30のV相固定子側磁極部31bは、電機子固定子20のV相電機子磁極部23bと略同一の円環形状を有してV相電機子磁極部23bと対向して配置され、第2の回転子30のW相固定子側磁極部31cは、電機子固定子20のW相電機子磁極部23cと略同一の円環形状を有してW相電機子磁極部23cと対向して配置されている。
また、図2の第2回転子30のD−D矢視図を参照して、第2回転子30のU相第1回転子側磁極部33aとV相第1回転子側磁極部33bとW相第1回転子側磁極部33cは、磁性材料により扇形状に形成され、非磁性材料で形成された基体34の回転軸Y周りの円周方向に、U相第1回転子側磁極部33a→V相第1回転子側磁極部33b→W相第1回転子側磁極部33cの順に間隔をもって、第1回転子40のN極磁極部41a及びS極磁極部41bと対向して配置されている。
このように構成された回転電動機10に対し、ECU50からPDU70を介して電機子固定子20のU相電機子コイル21a,V相電機子コイル21b,W相電機子コイル21cに駆動電圧を印加することにより、U相電機子コイル21aで生じる磁束が、第2回転子30のU相第1回転子側磁極部33aに誘導される。
同様に、電機子固定子20のV相電機子コイル21bで生じる磁束が、第2回転子30のV相第1回転子側磁極部33bに誘導され、電機子固定子20のW相電機子コイル21cで生じる磁束が、第2回転子30のW相第1回転子側磁極部33cに誘導される。
そのため、PDU70から電機子固定子20のU相電機子コイル21a,V相電機子コイル21b,W相電機子コイル21cに3相(U,V,W相)交流電圧を給電して、3相間の給電の位相ずれによる回転磁界を生じさせることによって、第2回転子30から第1回転子40に対する相対的な回転トルクを増大させることができる。
また、回転軸X又は回転軸Yが外部から加わる力により回転しているときに、第2回転子30から電機子固定子20に誘導される磁束の変化によりU相電機子コイル21a,V相電機子コイル21b,W相電機子コイル21cに生じる回生電力をPDU70を介して回収することによって、第1回転子40から第2回転子30に対する相対的な回転トルクを減少させることができる。
次に、図3を参照して、ECU50の構成について説明する。EUC50は、マイクロコンピュータ等により構成される電子ユニットであり、電流センサ72a,72b,72cによる3相電流Iu,Iv,Iwの検出信号と、角度センサ60による第1回転子40の回転角度θ1の検出信号と、角度センサ61による第2回転子30の回転角度θ2とが入力される。
また、ECU50は、回転電動機10を、第1回転子40の磁極の磁束方向であるd軸上にあるd軸電機子と該d軸と直交するq軸上にあるq軸電機子とを有するdq座標系による等価回路に変換して扱う。
そして、ECU50は、θ1とθ2の差を第1回転子40と第2回転子30間の相対角度(相対位置)を算出する相対角度算出器55と、3相電流Iu,Iv,Iwを、d軸電機子に流れるd軸電流Id及びq軸電機子に流れるq軸電流Iqに変換する電流座標変換器56とを備えている。なお、角度センサ60,61と、相対角度算出器55とにより、本発明の変位子相対位置検出手段が構成される。
ここで、回転電動機10の電圧方程式は、以下の式(1)により表される。
Figure 0005105428
ただし、Vu:U相電機子コイル21aの端子間電圧、Vv:V相電機子コイル21bの端子間電圧、Vw:W相電機子コイル21cの端子間電圧、Iu:U相電機子コイル21aの通電電流、Iv:V相電機子コイル21bの通電電流、Iw:W相電機子コイル21cの通電電流、ω1:第1回転子40の角速度、ω2:第2回転子30の角速度、Ra:U相電機子コイル21a,V相電機子コイル21b,W相電機子21cの抵抗、sL:U相電機子コイル21a,V相電機子コイル21b,W相電機子コイル21cの自己インダクタンス、sM:U相電機子コイル21a,V相電機子コイル21b,W相電機子コイル21cの相互インダクタンス、Ψfa:U相電機子コイル21a,V相電機子コイル21b,W相電機子コイル21cの誘起電圧定数。
そして、電流座標変換器56は、以下の式(2),式(3)により、3相電流Iu,Iv,Iwを、d軸電流Id,q軸電流Iqに変換する。
Figure 0005105428
但し、Id:d軸電流、Iq:q軸電流。
Figure 0005105428
ただし、θ:θ=θ1−θ2
さらに、ECU50は、外部から入力されるd軸電流の指令値Id_cと検出値Id_sとの偏差ΔIdを求める第1減算器51、外部から入力されるq軸電流の指令値Iq_cと検出値Iq_cとの偏差ΔIqを求める第2減算器52、ΔIdとΔIqを減少させるd軸電圧の指令値Vd_cとq軸電圧の指令値Vq_cとを決定する電流制御器53、及びVd_cとVq_cを以下の式(4)により3相電圧の指令値Vu_c,Vv_c,Vw_cに変換して、PDU70に出力する電圧座標変換器54を備えている。
Figure 0005105428
但し、CT:上記式(3)の行列Cの転置行列。
次に、図4〜図14を参照して、ECU50による第1回転子40と第2回転子30との間のエネルギーの伝達/回収処理の制御態様について説明する。
〔エネルギー加算(1)〕図4を参照して、外部からの回転軸Yに対する入力Pb1により、回転軸YがトルクT2(Nm)/回転数N2(rpm)で回転しているときに、PDU70から電機子固定子20の3相の電機子コイル(U相電機子コイル21a,V相電機子コイル21b,W相電機子コイル21c)に、回転軸Yの回転方向と同方向の回転磁界を生じさせる駆動電力Pd1を供給することにより、回転軸Xに入力Pb1による出力Pb1'に駆動電力Pd1による出力Pd1'を加算して、回転軸XをトルクT1(Nm)/回転数N1(rpm)で回転させることができる。
この場合、回転軸Xの出力P(kW)は、以下の式(5)で表され、N1>N2の力行制御(本発明の第1の出力増加制御に相当する)となる。
Figure 0005105428
〔エネルギー加算(2)〕図5を参照して、外部からの回転軸Xに対する入力Pa2により、回転軸XがトルクT1(Nm)/回転数N1(rpm)で回転しているときに、PDU70から電機子固定子20の3相の電機子コイル(U相電機子コイル21a,V相電機子コイル21b,W相電機子コイル21c)に、回転軸Xの回転方向と同方向の回転磁界を生じさせる駆動電力Pd2を供給することにより、回転軸Xに入力Pa2による出力Pa2'に駆動電力Pd2による出力Pd2'を加算して、回転軸YをトルクT2(Nm)/回転数N2(rpm)で回転させることができる。
この場合、回転軸Yの出力P(kW)は、以下の式(6)で表され、N1<N2の力行制御(本発明の第2の出力増加制御に相当する)となる。
Figure 0005105428
〔エネルギー減算(1)〕図6を参照して、外部からの回転軸Yに対する入力Pb3により、回転軸YがトルクT2(Nm)/回転数N2(rpm)で回転しているときに、電機子固定子20の3相の電機子コイル(U相電機子コイル21a,V相電機子コイル21b,W相電機子コイル21c)に生じる回生電力Pd3を、PDU70を介して回収することによって、入力Pb3から該回生電力の回収分のエネルギーを減算したPa3を回転軸Xに伝達し、回転軸XをトルクT1(Nm)/回転数N1(rpm)で回転させることができる。
この場合、回転軸Xの出力は以下の式(7)で表され、N1<N2の回生制御(本発明の第1の出力減少制御に相当する)となる。
Figure 0005105428
〔エネルギー減算(2)〕図7を参照して、外部からの回転軸Xに対する入力Pa4により、回転軸XがトルクT1(Nm)/回転数N1(rpm)で回転しているときに、電機子固定子20の3相の電機子コイル(U相電機子コイル21a,V相電機子コイル21b,W相電機子コイル21c)に生じる回生電力Pd4を、PDU70を介して回収することによって、入力Pa4から該回生電力の回収分のエネルギーを減算したPb4を回転軸Yに伝達し、回転軸YをトルクT2(Nm)/回転数N2(rpm)で回転させることができる。
この場合、回転軸Yの出力は以下の式(8)で表され、N1>N2の回生制御(本発明の第2の出力減少制御に相当する)となる。
Figure 0005105428
〔出力軸停止(1)〕図8を参照して、外部からの回転軸Yに対する入力Pb5により、回転軸YがトルクT2(Nm)/回転数N2(rpm)で回転しているときに、電機子固定子20の3相の電機子コイル(U相電機子コイル21a,V相電機子コイル21b,W相電機子コイル21c)に生じる回生電力Pd5をPDU70を介して回収し、入力Pa4の一部(回転軸Xの反力分)のみを回転軸Xに伝達することによって、回転軸Xを回転停止状態とすることができる。この場合、回転軸XのトルクT1(Nm)は回転軸Xの反力分となり、回転数N1はゼロであるため回転軸Xの出力はゼロとなる。
〔出力軸停止(2)〕図9を参照して、外部からの回転軸Xに対する入力Pa6により、回転軸XがトルクT1(Nm)/回転数N1(rpm)で回転しているときに、電機子固定子20の3相の電機子コイル(U相電機子コイル21a,V相電機子コイル21b,W相電機子コイル21c)に生じる回生電力Pd6をPDU70を介して回収し、入力Pa6の一部(回転軸Yの反力分)のみを回転軸Yに伝達することによって、回転軸Yを回転停止状態とすることができる。この場合、回転軸YのトルクT2(Nm)は回転軸Yの反力分となり、回転数N2はゼロであるため回転軸Yの出力はゼロとなる。
〔入力軸停止(1)〕図10を参照して、外部から回転軸Yに回転軸Yの反力分のトルクT2(Nm)が加えられて、回転軸Yが回転停止しているときに、電機子固定子20の3相の電機子コイル(U相電機子コイル21a,V相電機子コイル21b,W相電機子コイル21c)に、回転磁界を生じさせる駆動電力Pd7を供給することにより、回転軸Yを回転停止状態として、駆動電力Pd7による出力Pa7により、回転軸XをトルクT1(Nm)/回転数N1(rpm)で回転させることができる。この場合、回転軸Xの出力P(kW)は、以下の式(9)で表され、N1>N2の力行制御となる。
Figure 0005105428
〔入力軸停止(2)〕図11を参照して、外部から回転軸Xに回転軸Xの反力分のトルクT1(Nm)が加えられて、回転軸Xが回転停止しているときに、電機子固定子20の3相の電機子コイル(U相電機子コイル21a,V相電機子コイル21b,W相電機子コイル21c)に、回転磁界を生じさせる駆動電力Pd8を供給することにより、回転軸Yを回転停止状態として、駆動電力Pd7による出力Pa7により、回転軸YをトルクT2(Nm)/回転数N2(rpm)で回転させることができる。この場合、回転軸Yの出力P(kW)は、以下の式(10)で表され、N1<N2の力行制御となる。
Figure 0005105428
〔直結相当(1)〕図12を参照して、外部から回転軸Yに対する入力Pb9により、回転軸YがトルクT2(Nm)/回転数N2(rpm)で回転しているときに、電機子固定子20の3相の電機子コイル(U相電機子コイル21a,V相電機子コイル21b,W相電機子コイル21c)に対する電力入力を、PDU70により3相短絡若しくは回転磁界を生じさせないストール相当通電としてゼロとすることにより、回転軸XにPb9をそのまま伝達させたPa9によって、回転軸XをトルクT1(Nm)/回転数N1(rpm)で回転させることができる(N2≒N1)。
〔直結相当(2)〕図13を参照して、外部から回転軸Xに対する入力Pa10により、回転軸XがトルクT1(Nm)/回転数N1(Nm)で回転しているときに、電機子固定子20の3相の電機子コイル(U相電機子コイル21a,V相電機子コイル21b,W相電機子コイル21c)に対する電力入力を、PDU70により3相短絡若しくは回転磁界を生じさせないストール相当通電としてゼロとすることにより、回転軸YにPa10をそのまま伝達させたPb10によって、回転軸YをトルクT2(Nm)/回転数N2(rpm)で回転させることができる(N2≒N1)。
[第2の実施形態]次に、図14を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、上述した第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本第2の実施形態の回転電動機10a(本発明の電動機に相当する)は、フレーム11に固定された円筒状の電機子固定子101の内側に、円筒状の第2回転子110を配置し、さらにその内側に円筒状の第1回転子120を配置して構成した、ラジアルギャップ型の回転電動機である。第1回転子120は回転軸Xと共に軸回りに回転自在に設けられ、第2回転子110は回転軸Xと軸心を共通にして配置された回転軸Yと共に軸回りに回転自在に設けられている。
電機子固定子100は、U相電機子コイル101a,V相電機子コイル101b,W相電機子コイル101cと、U相固定子誘導部102a,V相固定子誘導部102b,W相固定子誘導部102cと、U相電機子磁極部103a,V相電機子磁極部103b,W相電機子磁極部103cとを備えている。
なお、U相電機子コイル101aとU相固定子誘導部102aとU相電機子磁極部103aとにより、U相電機子が形成されている。同様に、V相電機子コイル101bとV相固定子誘導部102bとV相電機子磁極部103bとにより、V相電機子が形成され、W相電機子コイル101cとW相固定子誘導部102cとW相電機子磁極部103cとにより、W相電機子が形成されている。
第1回転子120は、回転軸Xの軸周りの周方向に沿って交互に配置されたN極磁極部121aとS極磁極部121bを備えている。
第2回転子110は、電機子固定子100のU相電機子磁極部103a,V相電機子磁極部103b,W相電機子磁極部103cと、それぞれ対向して回転軸Yの軸回りの周方向に配置されたU相固定子側磁極部111a,V相固定子側磁極部111b,W相固定子側磁極部111cと、第1回転子120のN極磁極部121a及びS極磁極部121bと対向して、U相→V相→W相の順に回転軸Yの軸回りの周方向に配置されたU相回転子側磁極部113a,V相回転子側磁極部113b,W相回転子側磁極部113cと、U相第2回転子誘導部112a,V相第2回転子誘導部112b,W相第2回転子誘導部112cとを備えている。
なお、回転電動機10aに対するECU50の制御態様は、上述した第1の実施形態の場合と同様である。
[第3の実施形態]次に、図15を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第3の実施形態の回転電動機10b(本発明の電動機に相当する)は、第1の実施形態の電機子固定子20を回転軸の放射方向に移動した構成を有しており、電機子固定子100は上記第2の実施形態と同様である。
第2回転子130は、U相固定子磁極部103a,V相固定子磁極部103b,W相固定子磁極部103cと、それぞれ対向したU相固定子側磁極部131a,V相固定子側磁極部131b,W相固定子側磁極部131cと、第1回転子40のN極磁極部41a及びS極磁極部41bと対向して、U相→V相→W相の順に回転軸Yの軸周りの周方向に配置されたU相第1回転子側磁極部133a,V相第1回転子側磁極部133b,W相第1回転子側磁極部133cと、U相第2回転子誘導部132a,V相第2回転子誘導部132b,W相第2回転子誘導部132cとを備えている。
なお、回転電動機10bに対するECU50の制御態様は、上述した第1の実施形態の場合と同様である。
[第4の実施形態]次に、図16を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、上述した第1の実施形態〜第3の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第4の実施形態の回転電動機10c(本発明の電動機に相当する)は、第2の実施形態の電機子固定子100の電機子磁極部(U相電機子磁極部103a,V相電機子磁極部103b,W相電機子磁極部103c)を回転軸X,Y軸の軸方向に向けた構成となっており、電機子固定子140は、周方向に配置されたU相電機子磁極部143a,V相電機子磁極部143b,W相電機子磁極部143cを備えている。
第2回転子150は、電機子固定子140と第1回転子120との間に間隔をもって設けられており、U相電機子磁極部143a,V相電機子磁極部143b,W相電機子磁極部143cとそれぞれ対向して、回転軸Yの軸回りの周方向に延設されたU相固定子側磁極部151a,V相固定子側磁極部151b,W相固定子側磁極部151cと、第1回転子120のN極磁極部121及びS極磁極部121bと対向してU相→V相→W相の順に回転軸Yの軸周りの周方向に配置されたU相第1回転子側磁極部153a,V相第1回転子側磁極153b,W相第1回転子側磁極153cと、U相第2回転子誘導部152a,V相第2回転子側誘導部152b,W相第2回転子側誘導部152cとを備えている。
なお、回転電動機10cに対するECU50の制御態様は、上述した第1の実施形態の場合と同様である。
[第5の実施形態]次に、図17を参照して、本発明の第5の実施形態について説明する。なお、上述した第1の実施形態〜第4の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第5の実施形態の回転電動機10dは、第1の実施形態の第1回転子40を、N極コイル181a,S極コイル181bにより磁極を生じさせる第1回転子170に置き換えたものであり、N極コイル181aとS極コイル181bを有する界磁固定子180を備えている。N極コイル181aで生じる磁束は、N極界磁誘導部182aを介してN極界磁出力部183aに誘導される。同様に、S極コイル181bで生じる磁束は、S極界磁誘導部182bを介してS極界磁出力部183bに誘導される。
なお、N極コイル181aとN極界磁誘導部182aとN極界磁出力部183aとにより、本発明のN極電機子が構成される。また、S極コイル181bとS極界磁誘導部182bとS極界磁出力部183bとにより、本発明のS極電機子が構成される。
また、第1回転子170は、界磁固定子180のN極界磁出力部183aと対向して、X軸周りの周方向に配置されたN極界磁入力部171aと、界磁固定子180のS極界磁出力部183bと対向して、X軸周りの周方向に配置されたS極界磁入力部171bと、第2回転子30のU相第1回転子側磁極部33a,V相第1回転子側磁極部33b,W相第1回転子側磁極部33cと対向して、回転軸Xの軸回りの周方向に交互に配置されたN極磁極部173a及びS極磁極部173bと、N極界磁入力部171aとN極磁極部173a間で磁束を誘導するN極第1回転子誘導部172aと、S極界磁入力部171bとS極磁極部173b間で磁束を誘導するS極第1回転子誘導部172bとを備えている。
界磁固定子180のN極コイル181aで生じた磁束は、N極コイル181a→N極界磁誘導部182a→N極界磁出力部183a→第1回転子のN極界磁入力部171a→N極第1回転子誘導部172b→N極磁極部173aの順に誘導される。
同様に、界磁固定子180のS極コイル181bで生じた磁束は、S極コイル181b→S極界磁誘導部182b→S極界磁出力部183b→第1回転子170のS極界磁入力部171b→S極第1回転子誘導部172b→S極磁極部173bの順に誘導される。
N極コイル181aとS極コイル181bには、電源71から直流電流が供給される。なお、回転電動機10dに対するECU50の制御態様は、上述した第1の実施形態の場合と同様である。
[第6の実施形態]次に、図18を参照して、本発明の第6の実施形態について説明する。なお、上述した第1の実施形態〜第5の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第6の実施形態の回転電動機10eは、第3の実施形態の回転電動機10bの第1ロータ40を、N極コイル201a,S極コイル201bにより界磁極を生じさせる第1回転子190に置き換えたものであり、N極コイル201aとS極コイル201bを有する界磁固定子200を備えている。N極コイル201aで生じる磁束は、N極界磁誘導部192aを介してN極界磁出力部203aに誘導される。同様に、S極界磁コイル201bで生じる磁束は、S極界磁誘導部202bを介してS極界磁出力部203bに誘導される。
なお、N極コイル201aとN極界磁誘導部202aとN極界磁出力部203aとにより、本発明のN極電機子が構成される。また、S極コイル201bとS極界磁誘導部202bとS極界磁出力部203bとにより、本発明のS極電機子が構成される。
また、第1回転子190は、界磁固定子200のN極界磁出力部203aと対向して、X軸回りの周方向に延設されたN極界磁入力部191aと、界磁固定子200のS極界磁出力部203bと対向して、X軸回りの周方向に延設されたS極界磁入力部191bと、第2回転子130のU相第1回転子側磁極部133a,V相第1回転子側磁極部133b,W相第1回転子側磁極部133cと対向して、回転軸Xの軸回りの周方向に交互に配置されたN極磁極部193a及びS極磁極部193bと、N極界磁入力部191aとN極磁極部193a間で磁束を誘導するN極第1回転子誘導部192aと、S極界磁入力部191bとS極磁極部193b間で磁束を誘導するS極第1回転子誘導部192bとを備えている。
界磁固定子200のN極コイル201aで生じた磁束は、N極コイル201a→N極界磁誘導部202a→N極界磁出力部203a→第1回転子190のN極界磁入力部191a→N極第1回転子誘導部192a→N極磁極部193aの順に誘導される。
同様に、界磁固定子200のS極コイル201bで生じた磁束は、S極コイル201b→S極界磁誘導部202b→S極界磁出力部203b→第1回転子190のS極界磁入力部191b→S極第1回転子誘導部192b→S極磁極部193bの順に誘導される。
N極コイル201aとS極コイル201bには、電源71から直流電流が供給される。なお、回転電動機10eに対するECU50の制御態様は、上述した第1の実施形態の場合と同様である。
[第7の実施形態]次に、図19を参照して、本発明の第7の実施形態について説明する。なお、上述した第1の実施形態〜第6の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第7の実施形態の電動機はリニアモータ10fであり、図19では、リニアモータ10fを移動方向に対する縦断面図で示している。リニアモータ10fは、フレーム240に固定して設けられた電機子固定子210と、電機子固定子210と対向して、電機子固定子210に対して相対的に電機子固定子210の形成方向(本発明の所定方向に相当する)に移動自在に配置された第1可動子230(本発明の第1変位子に相当する)と、電機子固定子210と第1可動子220との間に間隔をもって、電機子固定子210及び第1可動子230に対して相対的に移動自在に配置された第2移動子(本発明の第2変位子に相当する)とを備えている。また、図20は、リニアモータ10fの電機子固定子210、第2可動子220、及び第1可動子230を、側面から見た矢視図である。
電機子固定子210は、U相電機子コイル211a,V相電機子コイル211b,W相電機子コイル211cと、設置方向に間隔をもって配置されたU相電機子磁極部213a,V相電機子磁極部213b,W相電機子磁極部213cと、U相電機子コイル211aで生じる磁束をU相電機子磁極部213aに誘導するU相固定子誘導部212aと、V相電機子コイル211bで生じる磁束をV相電機子磁極部213bに誘導するV相固定子誘導部212bと、W相電機子コイル211cで生じる磁束をW相電機子磁極部213cに誘導するW相固定子誘導部212cとを備えている。
図20のA−A矢視図を参照して、電機子固定子210のU相電機子磁極部213a,V相電機子磁極部213b,W相電機子磁極部213cは、第1可動子230及び第2可動子220の移動方向に間隔をもって形成されている。
また、図20の第1可動子230のB−B矢視図を参照して、第1可動子230は、N極側を第2可動子220に向けたN極磁極部231aと、S極側を第2可動子220に向けたS極磁極部231bとを有している。N極磁極部231aとS極磁極部231bは直方体形状の永久磁石であり、非磁性材料で形成された基体に、間隔をもって移動方向に交互に配置されている。
また、図19を参照して、第2可動子220は、電機子固定子210のU相電機子磁極部213aと対向したU相固定子側磁極部221a、電機子固定子210のV相電機子磁極部213bと対向したV相固定子側磁極部221b、電機子固定子210のW相電機子磁極部213cと対向したW相固定子側磁極部221cと、第1可動子230のN極磁極部231a及びS極磁極部231bと対向したU相第1可動子側磁極部223a,V相第1可動子側磁極部223b,W相第1可動子側磁極部223cと、U相固定子側磁極部221aとU相第1可動子側磁極部223a間で磁束を誘導するU相第2可動子誘導部222aと、V相固定子側磁極部221bとV相第1可動子側磁極部223b間で磁束を誘導するV相第2可動子誘導部222bと、W相固定子側磁極部221cとW相第1可動子側磁極部223c間で磁束を誘導するW相第2可動子誘導部222cとを備えている。
図20の第2可動部220のC−C矢視図を参照して、第2可動子220のU相固定子側磁極部221aは、電機子固定子210のU相電機子磁極部213aと略同一の形状を有してU相電機子磁極部213aと対向して形成され、第2可動子220のV相固定子側磁極部221bは、電機子固定子210のV相電機子磁極部213bと略同一の形状を有してV相電機子磁極部213bと対向して形成され、第2可動子220のW相固定子側磁極部221cは、電機子固定子210のW相電機子磁極部213cと略同一の形状を有してW相電機子磁極部213cと対向して形成されている。
また、図20の第2可動子220のD−D矢視図を参照して、第2可動子220のU相第1回転子側磁極部223a,V相第1回転子側磁極部223b,W相第1回転子側磁極部223cは、磁性材料により長方形形状に形成され、非磁性材料で形成された基体に、第2可動子220の移動方向に、U相第1回転子側磁極部223a→V相第1回転子側磁極部223b→W相第1回転子側磁極部223cの順に間隔をもって、第1可動子230のN極磁極部231a及びS極磁極部231bと対向して配置されている。
そして、第1可動子230の移動位置r1を検出する位置センサ250と、第2可動子220の移動位置r2を検出する位置センサ251が設けられ、ECU50は、r1とr2の差により第1可動子230と第2可動子220の相対位置を検出し、該相対位置に応じた3相(U,V,W相)の交流電圧をPDU70を介して電機子固定子210の3相の電機子コイル(U相電機子コイル211a,V相電機子コイル211b,W相電機子コイル211c)に印加することにより、移動磁界を生じさせてリニアモータ10fの力行制御を行う。
なお、位置センサ250,251と、ECU50により、位置センサ250により検出される第1可動子の移動位置r1と、位置センサ251により検出される第2可動子の移動位置r2の差により第1可動子230と第2可動子220の相対位置を検出する構成が、本発明の相対位置検出手段に相当する。
また、ECU50は、第1可動子230の第2可動子220に対する相対的な移動により、電機子固定子210の3相の電機子コイル(U相電機子コイル211a,V相電機子コイル211b,W相電機子コイル211c)に生じる回生電力をPDU70を介して回収することにより、リニアモータ10fの回生制御を行う。
そして、このように、リニアモータ10fの力行制御と回生制御を行うことにより、上述した第1の実施形態の場合の第1回転子40及び第2回転子30と同様に、リニアモータ10fの第1可動子230と第2可動子220との間の動力伝達を、エネルギーの加算又は減算を伴なって行なうことができる。
なお、上記各実施の形態においては、3相の電機子コイルを有する電機子固定子を示したが、4相以上の電機子コイルを有して駆動磁界を生じさせる場合であっても、本発明の適用が可能である。
本発明の電動機である回転電動機及びその周辺装置の構成図。 図1に示した回転電動機の構成図。 図1に示したECUの構成図。 第1の実施形態におけるエネルギー加算の制御の説明図。 第1の実施形態におけるエネルギー加算の制御の説明図。 第1の実施形態におけるエネルギー減算の制御の説明図。 第1の実施形態におけるエネルギー減算の制御の説明図。 第1の実施形態における出力軸停止の制御の説明図。 第1の実施形態における出力軸停止の制御の説明図。 第1の実施形態における入力軸停止の制御の説明図。 第1の実施形態における入力軸停止の制御の説明図。 第1の実施形態における直結相当の制御の説明図。 第1の実施形態における直結相当の制御の説明図。 第2の実施形態における回転電動機の構成図。 第3の実施形態における回転電動機の構成図。 第4の実施形態における回転電動機の構成図。 第5の実施形態における回転電動機の構成図。 第6の実施形態における回転電動機の構成図。 第7の実施形態におけるリニアモータの構成図。 第7の実施形態におけるリニアモータの構成図。
符号の説明
10…回転電動機、20…電機子固定子、21a…U相電機子コイル、21b…V相電機子コイル、21c…W相電機子コイル、22a…U相固定子誘導部、22b…V相固定子誘導部、22c…W相固定子誘導部、23a…U相電機子磁極部、23b…V相電機子磁極部、23c…W相電機子磁極部、30…第2回転子(第2変位子)、31a…U相固定子側磁極部、31b…V相固定子側磁極部、31c…W相固定子側磁極部、32a…U相固定子誘導部、32b…V相固定子誘導部、32c…W相固定子誘導部、33a…U相第1回転子側磁極部、33b…V相第1回転子側磁極部、33c…W相第1回転子側磁極部、40…第1回転子(第1変位子)、41a…N極磁極部、41b…S極磁極部、50…ECU、60…(第1回転子の)角度センサ、61…(第2回転子の)角度センサ、70…PDU

Claims (9)

  1. 同相の磁極を所定方向に形成した電機子を、該所定方向と直交する方向に多相分配置して有する電機子固定子と、
    前記電機子固定子に対して前記所定方向に相対的に変位自在に設けられ、前記所定方向にN極とS極が交互に配置された磁極を有する第1変位子と、
    前記電機子固定子と前記第1変位子との間に、前記電機子固定子及び前記第1変位子に対して前記所定方向に相対的に変位自在に設けられ、前記電機子固定子の前記各相の電機子と個別に対向して前記所定方向に形成された前記多相分の固定子側磁極部と、前記第1変位子の前記磁極と対向して、前記所定方向に所定順に配置された前記多相分の第1変位子側磁極部と、同相の前記固定子側磁極部と前記第1変位子側磁極部との間で、磁束を誘導する第2変位子誘導部とを有する第2変位子とを備えたことを特徴とする電動機。
  2. 前記所定方向は所定軸回りの周方向であり、
    前記電機子固定子の前記電機子は前記周方向に形成され、
    前記第1変位子は、前記電機子固定子に対して前記周方向に相対的に回転自在に設けられた回転子であって、前記磁極部は前記周方向にN極とS極が交互に配置され、
    前記第2変位子は、前記電機子固定子と前記第1変位子との間に、前記電機子固定子及び前記第1変位子に対して前記周方向に相対的に回転自在に設けられた回転子であって、前記多相分の固定子側磁極部は、前記電機子固定子の同相の電機子と個別に対向して前記周方向に形成され、前記第1変位子側磁極部は、前記第1変位子の前記磁極部と対向して前記周方向に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電動機。
  3. 前記第1変位子の前記磁極部が、永久磁石により形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電動機。
  4. 前記第1変位子の前記磁極部が磁性体で形成されて、前記第1変位子は、前記所定方向に形成されたN極の界磁入力部とS極の界磁入力部を前記所定方向と直交する方向に配置した界磁入力部と、同極の前記磁極部と前記界磁入力部との間で磁束を誘導する第1変位子誘導部とを有し、
    前記所定方向に形成されると共に、同極の前記界磁入力部と対向して配置されたN極電機子及びS極電機子を有する界磁固定子を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電動機。
  5. 請求項1から請求項4のうちいずれか1項記載の電動機に対する通電制御を行う電動機の制御装置であって、
    前記第1変位子と前記第2変位子の前記所定方向の相対位置を検出する変位子相対位置検出手段と、
    前記変位子相対位置検出手段により検出される前記相対位置に基いて、前記電機子固定子の前記多相の電機子に対する通電により生じさせる駆動電圧の前記所定方向の位相を制御することを特徴とする電動機の制御装置。
  6. 請求項1から請求項4のうちいずれか1項記載の電動機に対する通電制御を行う電動機の制御装置であって、
    前記第2変位子が外力により変位しているときに、前記電機子固定子の前記多相の電機子に、前記所定方向に位相を推移させる駆動磁界を生じさせる通電を行なうことによって、前記第2変位子に対する入力よりも、前記第1変位子の出力を大きくする第1の出力増加制御を行う通電制御手段を備えたことを特徴とする電動機の制御装置。
  7. 請求項1から請求項4のうちいずれか1項記載の電動機に対する通電制御を行う電動機の制御装置であって、
    前記第1変位子が外力により変位しているときに、前記電機子固定子の前記多相の電機子に、前記所定方向に位相を推移させる駆動磁界を生じさせる通電を行なうことによって、前記第1変位子に対する入力よりも、前記第2変位子の出力を大きくする第2の出力増加制御を行う通電制御手段を備えたことを特徴とする電動機の制御装置。
  8. 請求項1から請求項4のうちいずれか1項記載の電動機に対する通電制御を行う電動機の制御装置であって、
    前記第2変位子が外力により変位しているときに、前記電機子固定子の前記多相の電機子に生じる回生電力を回収することによって、前記第2変位子に対する入力よりも、前記第1変位子の出力を小さくする第1の出力減少制御を行う通電制御手段を備えたことを特徴とする電動機の制御装置。
  9. 請求項1から請求項4のうちいずれか1項記載の電動機に対する通電制御を行う電動機の制御装置であって、
    前記第1変位子が外力により変位しているときに、前記電機子固定子の前記多相の電機子に生じる回生電力を回収することによって、前記第1変位子に対する入力よりも、前記第2変位子の出力を小さくする第2の出力減少制御を行う通電制御手段を備えたことを特徴とする電動機の制御装置。
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