JP5105173B2 - ボールジョイント - Google Patents

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Description

本発明は、ボールジョイントに関するものである。
一般にボールジョイントは、ボールスタッドの一端に設けた球頭部と、前記球頭部を覆う樹脂シートとを、ハウジングの、一端が封止され他端が樹脂シートおよび球頭部の入口とされた筒状の収容室に収容して構成される。また樹脂シートは、通常、筒状の周壁部の一端に収容室の底に対向する底部が設けられ、その反対側が開口されたカップ状に形成される。
例えば自動車のステアリング装置のインナーボールジョイント等は、前記樹脂シートと球頭部とを収容室に収容した状態で、入口をかしめて他の部分より小径とすることで球頭部を抜け止めすると共に、樹脂シートを与圧して構成される。
樹脂シートは、ボールジョイントに組み込まれて与圧された状態で、その底部側に、ボールスタッドの球頭部を収容室の底に押し付ける方向に力が働いたときに前記力を受ける第一受圧領域を含んでいると共に、開口側に、前記球頭部を収容室の外へ抜き出す方向に力が働いたときに前記力を受ける第二受圧領域を含んでいる。
この両領域を比較すると、第二受圧領域はボールスタッドの球頭部から突出するように延びるロッドが挿通される開口の周囲に設けられ、第一受圧領域よりも受圧面積が小さいため荷重負荷が高くなる傾向があり、この第二受圧領域において時間と共に樹脂シートの厚みが局所的に減少するいわゆるヘタリと、それに伴うガタによる異音とを生じやすいという問題がある。
樹脂シートを比較的硬い樹脂で形成するとヘタリを防止できるが、その場合には樹脂シートの弾力性が低くなるため、収容室の入口をかしめる際の加工寸法のバラツキを、樹脂シートの弾性変形によって十分に吸収することができず、樹脂シートの与圧のバラツキが大きくなって、例えばステアリング装置ではトルクを安定化させることができないという問題を生じる。そこで樹脂シートを、第一受圧領域を含む第一シートと、この第一シートより相対的に硬い樹脂からなり、第二受圧領域を含む第二シートからなる2つ割構造とすることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特公平6−8645号公報
樹脂シートを2つ割構造とすると、相対的に硬い第二シートによって第二受圧領域のヘタリを防止しながら、収容室の入口をかしめる際の加工寸法のバラツキを、相対的に軟らかい第一シートの弾性変形によって吸収して与圧のバラツキを小さくすることで、トルクをある程度は安定化することができる。しかしその効果は未だ十分でない上、2つ割構造とした場合には部品点数と組み立ての工数が増えるという問題もある。
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、部品点数と組み立ての工数を増加させることなく、異音の発生が長期に亘って防止されると共に、トルクの安定性にも優れたボールジョイントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、一端に球頭部(23)を有するボールスタッド(18)と、前記球頭部を覆う樹脂シート(17)と、前記樹脂シートと球頭部とを収容する収容室(19)を有し、収容室の底は封止され、入口は樹脂シートで覆われた球頭部を収容した後にかしめられて小径とされたハウジング(16)とを備え、前記樹脂シートは、収容室の底に対向する底部(22)を有し、その反対側が開口されたカップ状にワンピース形成され、前記樹脂シートは、前記底部側に、ボールスタッドの球頭部を収容室の底に押し付ける方向に力が働いたときに前記力を受ける第一受圧領域(55)、前記開口側に、前記球頭部を収容室の外へ抜き出す方向に力が働いたときに前記力を受ける第二受圧領域(56)を有し、前記収容室は、前記球頭部を取り囲む筒状の周壁(42)と、前記周壁の軸方向の一端に連なって筒の一端を封止して底を構成する底壁(43)とを含み、前記収容室の底は、前記底壁の一側面である内底面(45)と、前記内底面側から前記周壁の他端側へ向けて開口径が大きくなる略円錐状とされて、前記内底面および周壁の内周面(44)と連なり、かつ前記第一受圧領域に対向するテーパー面(46)とを含み、前記内底面、テーパー面、および内周面のうち前記テーパー面にのみ、前記第一受圧領域との間に空隙を作る凹部〈50〉が形成されているとともに、前記第二受圧領域は、前記収容室の内周面に密接されていることを特徴とするボールジョイントを提供するものである(請求項1)。なお、カッコ内の英数字は、後述の実施の形態における対応構成要素等を表す。
本発明によれば、カップの開口側の第二受圧領域を含む樹脂シートの全体を、相対的に硬い樹脂によって形成できる。そのため、前記第二受圧領域においてヘタリが生じたり、全体が摩耗したりするのを抑制して、ガタによる異音の発生を長期に亘って防止できる。
またハウジングの底を構成し、かつ第一受圧領域に対向するテーパー面にのみ選択的に凹部を設けることで樹脂シートの前記第一受圧領域底部との間に形成した空隙によって、樹脂シートの底部側の剛性を低下できる。そのため、樹脂シートの全体を相対的に硬い樹脂でワンピース形成しているにも拘らず、従来の2つ割構造のものよりも、収容室の入口をかしめて小径とする際の加工寸法のバラツキを、弾性変形によって良好に吸収して与圧のバラツキを小さくでき、例えばステアリング装置のトルクをこれまでよりも安定化できる。
また本発明によれば、樹脂シートはワンピース形成されるため、部品点数や組み立ての工数が増加するのを防止できる。
本発明によれば、凹部を収容室の中心軸線と同心の環状に形成できる(請求項2)。
この場合、例えば旋削によってハウジングを製作する工程内で凹部を形成できるため、凹部形成のための新たな工程を追加する必要がなく、ハウジングの生産性を向上できる。
なお本発明によれば、凹部を内底面から径方向外方へ向けて放射状に延びる複数の直線状に形成することもできる(請求項3)。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るボールジョイントを備えるステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。ステアリング装置1は、操舵部材としてのステアリングホイール2と、転舵輪(図示せず)を転舵する転舵機構としてのラックアンドピニオン機構3とを備えている。
ステアリングホイール2は、ステアリングシャフト4および中間軸5を介して、ラックアンドピニオン機構3に連結されている。ステアリングホイール2の回転は、ステアリングシャフト4および中間軸5を介してラックアンドピニオン機構3に伝達される。
ラックアンドピニオン機構3は、ピニオン軸6およびラック軸7を備えている。ピニオン軸6は、中間軸5に連結された軸部8と、この軸部8の先端に連結されたピニオン9とを含む。ステアリングホイール2の回転は、ステアリングシャフト4および中間軸5を介してピニオン軸6に伝達される。
ラック軸7は、車両の左右方向に沿って延びている。ラック軸7には、ラック10が形成されている。ピニオン9およびラック10は、互いに噛み合わされている。ピニオン軸6の回転は、ラック10およびピニオン9により、ラック軸7の軸方向移動に変換される。
ラック軸7は筒状のハウジング11に挿通されている。ラック軸7の両端部は、それぞれハウジング11から突出している。ラック軸7の各端部には、インナーボールジョイント12を介して、タイロッド14の一端が連結されている。また、タイロッド14の他端(いわゆるタイロッドエンド)には、アウターボールジョイント13が設けられている。図示はしないが、転舵輪は、ナックルアームを介してアウターボールジョイント13に連結されている。
また、ハウジング11の各端部には、筒状のラックブーツ15が配置されている。各ラックブーツ15の一端は、ハウジング11の端部に外嵌しており、当該端部に固定されている。また、各ラックブーツ15の他端は、タイロッド14に外嵌しており、当該タイロッド14に固定されている。ハウジング11の端部およびインナーボールジョイント12は、対応するラックブーツ15により覆われている。このラックブーツ15によって、水や埃などの異物が、ハウジング11内やインナーボールジョイント12内に進入することが防止されている。
操舵操作(回転操作)では、前述したように、ステアリングホイール2の回転がステアリングシャフト4および中間軸5によってピニオン軸6に伝達され、ピニオン9の回転がラック10を通じてラック軸7の軸方向移動に変換される。そのときのラック軸7の軸方向移動は、インナーボールジョイント12を介してタイロッド14に伝えられ、さらに、タイロッド14の動きがアウターボールジョイント13を介してナックルアームへと伝えられる。
図2は、インナーボールジョイント12およびアウターボールジョイント13を含むステアリング装置1の一部の断面図である。
インナーボールジョイント12は、ラック軸7の端部に連結されるハウジング16と、このハウジング16に保持された樹脂シート17およびボールスタッド18とを備えている。ハウジング16は、樹脂シート17およびボールスタッド18を収容する収容室19と、ラック軸7の端部に連結される連結部20とを含む。収容室19は、底が封止された筒状であり、入口を有している。また、樹脂シート17は、カップ状であり、周壁部21と底部22とを含む。樹脂シート17は、底部22が収容室19の底に対向するように配置されている。
ボールスタッド18は、球面状の外表面を有する球頭部23と、この球頭部23から突出するように延びるロッド24とが一体的に形成されている。球頭部23は、樹脂シート17に覆われており、ロッド24は、収容室19から突出している。タイロッド14の一部は、ボールスタッド18によって構成されている。すなわち、タイロッド14は、ボールスタッド18と、このボールスタッド18のロッド24に連結された連結軸25とによって構成されている。
収容室19の入口は、樹脂シート17で覆われた球頭部23を収容した後にかしめられて小径とされて、上記球頭部23および樹脂シート17が抜け止めされている。
ロッド24の先端部(図2では右端部)には、雄ねじ部26が形成されている。雄ねじ部26は、連結軸25に形成された雌ねじ孔27に螺合されている。雄ねじ部26が雌ねじ孔27に螺合されることにより、連結軸25がボールスタッド18に同軸的に連結されている。
また、雄ねじ部26にはロックナット28が螺合されている。ボールスタッド18および連結軸25は、ロックナット28によって互いに固定されている。また、雌ねじ孔27に対する雄ねじ部26のねじ込み量は、ロックナット28によって調節されている。雌ねじ孔27に対する雄ねじ部26のねじ込み量を調節することにより、転舵輪のトー角を調節することができる。
球頭部23は、樹脂シート17を介して収容室19に包み込まれるように保持されている。樹脂シート17の内周面は、球頭部23の外表面に沿う形状とされている。球頭部23は、樹脂シート17に対して摺動可能となっている。樹脂シート17と球頭部23との間には、グリース等の潤滑剤が充填されている。ボールスタッド18は、球頭部23を支点として、ハウジング16に対して揺動可能となっている。したがって、ラック軸7(図1参照)の軸方向への動きは、軸方向へ直線的にタイロッド14に伝達されるのではなく、インナーボールジョイント12によって揺動する角度方向へ伝達される。
一方、アウターボールジョイント13は、ハウジング29と、このハウジング29に保持された樹脂シート30およびボールスタッド31とを備えている。ハウジング29は、樹脂シート30がその内側に配置された筒状部材32と、この筒状部材32の一端(図2では下端)を塞ぐように当該一端に固定された閉鎖板33とを含む。筒状部材32は、例えば連結軸25の先端部に一体的に形成されている。
樹脂シート30は、カップ状の第一シート34と、板状の第二シート35とを含む。第一シート34は、周壁部36と底部37とを一体的に備えている。第一シート34は、周壁部36が筒状部材32の内周面に沿うように配置されている。また、第二シート35は、第一シート34の底部37と閉鎖板33との間に介在している。樹脂シート30は、筒状部材32の他端(図2では上端)からその内側に突出する環状の鍔部38と、閉鎖板33との間で保持されている。
ボールスタッド31は、球面状の外表面を有する球頭部39と、この球頭部39から上方へ突出するロッド40とが一体的に形成されている。球頭部39は、第一シート34に覆われており、ロッド40は、筒状部材32から突出している。球頭部39は、第一シート34を介してハウジング29に保持されている。すなわち、ボールスタッド31は、第一シート34を介してハウジング29に保持されている。
第一シート34の内周面は、球頭部39の外表面に沿う形状とされている。球頭部39は、樹脂シート30に対して摺動可能となっている。第一シート34と球頭部39との間には、グリース等の潤滑剤が充填されている。ボールスタッド31は、球頭部39を支点としてハウジング29に対して揺動可能となっている。また、ボールスタッド31は、ロッド40の中心軸線まわりに回転可能となっている。アウターボールジョイント13により、タイロッド14の動きをその揺動する角度方向へ向けてナックルアームに伝達する。
ハウジング29およびボールスタッド31には、筒状のカバー41が取り付けられている。カバー41の一端は、筒状部材32の端部に外嵌しており、当該端部に固定されている。また、カバー41の他端は、ロッド40に外嵌しており、当該ロッド40に固定されている。筒状部材32の端部およびロッド40の一部は、カバー41によって覆われている。このカバー41によって、水や埃などの異物が、アウターボールジョイント13内に進入することが防止されている。
次に、この実施形態に係るボールジョイントの具体的構成について、インナーボールジョイント12を例にとって説明する。
図3は、本発明の一実施の形態にかかるインナーボールジョイント12の概略構成を示す一部断面図である。図4は、インナーボールジョイント12の組み立て中の状態を示す一部断面図である。図5は、ハウジングの外観を示す一部切欠斜視図である。
図3を参照して、インナーボールジョイント12は、ボールスタッド18と、ハウジング16と、樹脂シート17とを備えている。ボールスタッド18は、例えば鋼等の金属製の単一の部材を用いた一体成形品であり、球頭部23とロッド24とを含んでいる。ロッド24の中心軸線L1上に球頭部23の中心Cが配置されている。
ハウジング16は、球頭部23を収容し、かつボールスタッド18を、樹脂シート17を介して、上記球頭部23を支点として揺動可能に支持するものである。ハウジング16は、例えば鋼等の金属製の単一の部材を用いた一体成形品であり、収容室19と連結部20とを含んでいる。収容室19は、球頭部23を取り囲む筒状の周壁42と、周壁42の軸方向の一端に連なって筒の一端を封止して底を構成する底壁43とを含んでいる。
収容室19の底は、底壁43の一側面(内底面)45と、この内底面45側から周壁42の他端(先端)側へ向けて開口径が大きくなる略円錐状とされたテーパー面46とを含み、テーパー面46が内底面45および周壁42の内周面44と連なって、これら内底面45、テーパー面46および内周面44によって、球頭部23および樹脂シート17を収容する収容空間47が区画されている。内周面44およびテーパー面46は、球頭部23の表面に対向している。底壁43には連結部20が一体的に形成されている。
周壁42の他端(先端)には開口部48が形成されており、開口部48を通して球頭部23が収容空間47に収容されている。開口部48にはロッド24が挿通されている。周壁42の開口部48の周縁部49は、周壁42の他の部分に比べて小径とされており、球頭部23および樹脂シート17が収容室19から抜け止めされている。図3および図4を参照して、この周縁部49は、外径が略一定に形成された周壁42の、開口部48側の他端(先端)をかしめる(塑性変形させる)ことにより小径とされている。
図4および図5を参照して、収容室19の底のうちテーパー面46には、大小2本の環状の凹部50が、収容室19の中心軸線L2と同心に形成されている。上記凹部50は、例えば旋削によってハウジング16を製作する工程内で形成できる。
図4を参照して、樹脂シート17は、外周が収容室19の内周面44に沿う筒状とされた周壁部21の一端に、収容室19の底に対向する底部22が設けられ、他端が、ロッド24が挿通される開口部51とされたカップ状にワンピース形成されている。底部22は、収容室19の底のうちテーパー面46に沿うテーパー状に形成されている。
底部22の中心には通孔52が形成されている。通孔52は、樹脂シート17の中心軸線L2と同心に形成されている。通孔52が設けられていることにより、球頭部23から樹脂シート17に力が作用したときにその変形を促して衝撃を緩和することができる。凹部50および通孔52にはグリース等の潤滑剤が充填される。
図3を参照して、収容室19の収容空間47に樹脂シート17と球頭部23とを収容した状態で周壁42の開口部48側の他端(先端)をかしめて周縁部49を小径とすることにより、カップ状の樹脂シート17が、収容室19と球頭部23との隙間を充填するように弾性変形されると共に与圧される。
変形された樹脂シート17の内周面53は、球頭部23の表面に沿う形状に形成され、球頭部23を摺動可能に支持する。樹脂シート17の外周面54は、収容室19の内周面44およびテーパー面46に沿う形状に形成され、この内周面44およびテーパー面46に支持される。テーパー面46のうち凹部50が形成された部分には、樹脂シート17との間に空隙が形成されている。
ロッド24の中心軸線L1と樹脂シート17の中心軸線L2とが一致している状態(図3の状態)において、樹脂シート17のうち、球頭部23の中心Cを通り中心軸線L1に直交する平面Aよりも収容室19の開口部48から遠い側に位置している領域が、第一受圧領域55とされている。凹部50は、前記テーパー面46に、前記第一受圧領域55と対向させて形成されている。
第一受圧領域55は、ロッド24を介して球頭部23を収容室19の底に押し付ける方向(例えば、樹脂シート17の中心軸線L2に沿う方向の一方U1)に力F1が働いたときに、この力F1を受ける領域である。
上記中心軸線L1、L2が一致しているときにおいて、樹脂シート17のうち、平面Aよりも収容室19の開口部48に近い側に位置している領域が、第二受圧領域56とされている。
第二受圧領域56は、ロッド24を介して球頭部23を開口部48から抜く方向(例えば、樹脂シート17の中心軸線L2に沿う方向の他方U2)に力F2が働いたときに、この力F2を受ける領域である。第二受圧領域56は、収容室19の内周面44に密接されている。
第二受圧領域56は、ボールスタッド18の球頭部23から突出するように延びるロッド24が挿通される開口部51の周囲に設けられる関係上、第一受圧領域55よりも受圧面積が小さくなっている。そのため荷重負荷が高くなる傾向がある。
しかし、第二受圧領域56を含む樹脂シート17の全体を、相対的に硬い樹脂によって構成することによって、この第二受圧領域56においてヘタリが生じたり、樹脂シート17の全体が摩耗したりするのを抑制して、ガタによる異音の発生を長期に亘って防止できる。
またハウジング16の底に凹部50を設けることで樹脂シート17の底部22との間に形成した空隙によって、樹脂シート17の底部22側の剛性を低下できる。そのため、樹脂シート17の全体を相対的に硬い樹脂でワンピース形成しているにも拘らず、従来の2つ割構造のものよりも、収容室19の開口部48側の他端をかしめて小径とする際の加工寸法のバラツキを、弾性変形によって良好に吸収して与圧のバラツキを小さくでき、例えばステアリング装置のトルクをこれまでよりも安定化できる。
また本発明によれば、樹脂シート17はワンピース形成されるため、部品点数や組み立ての工数が増加するのを防止できる。
さらに実施の形態では大小2本の環状の凹部50を、収容室19の中心軸線L2と同心に形成している。この場合、例えば旋削によってハウジング16を製作する工程内で凹部50を形成できるため、凹部形成のための新たな工程を追加する必要がなく、ハウジング16の生産性を向上できる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。なお、以下では、図1〜図5に示す実施の形態と異なる点について主に説明し、同様の構成には同様の符号を付してその説明を省略する。
例えば図4に二点鎖線で示すようにハウジング16の内底面45に凹部57を設けてもよい。この凹部57にはグリース等の潤滑剤が充填される。また図6に示すように、凹部50を環状ではなく、内底面45から径方向外方へ向けて放射状に延びる複数(図の場合は6本)の直線状に形成してもよい。
その他、本発明のボールジョイントは、ラック軸とタイロッドとを連結する用途以外の用途に用いることができる。
本発明の一実施形態に係るボールジョイントを備えるステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 インナーボールジョイントおよびアウターボールジョイントを含むステアリング装置の一部の断面図である。 本発明の一実施の形態にかかるインナーボールジョイントの概略構成を示す一部断面図である。 インナーボールジョイントの組み立て中の状態を示す一部断面図である。 ハウジングの外観を示す一部切欠斜視図である。 ハウジングの変形例の外観を示す、開口部側から見た正面図である。
符号の説明
12:ボールジョイント(インナーボールジョイント)、16:ハウジング、17:樹脂シート、18:ボールスタッド、19:収容室、21:周壁部、22:底部、23:球頭部、50凹部。

Claims (3)

  1. 一端に球頭部を有するボールスタッドと、
    前記球頭部を覆う樹脂シートと、
    前記樹脂シートと球頭部とを収容する収容室を有し、収容室の底は封止され、入口は樹脂シートで覆われた球頭部を収容した後にかしめられて小径とされたハウジングとを備え、
    前記樹脂シートは、収容室の底に対向する底部を有し、その反対側が開口されたカップ状にワンピース形成され、
    前記樹脂シートは、前記底部側に、ボールスタッドの球頭部を収容室の底に押し付ける方向に力が働いたときに前記力を受ける第一受圧領域、前記開口側に、前記球頭部を収容室の外へ抜き出す方向に力が働いたときに前記力を受ける第二受圧領域を有し、
    前記収容室は、前記球頭部を取り囲む筒状の周壁と、前記周壁の軸方向の一端に連なって筒の一端を封止して底を構成する底壁とを含み、前記収容室の底は、前記底壁の一側面である内底面と、前記内底面側から前記周壁の他端側へ向けて開口径が大きくなる略円錐状とされて、前記内底面および周壁の内周面と連なり、かつ前記第一受圧領域に対向するテーパー面とを含み、前記内底面、テーパー面、および内周面のうち前記テーパー面にのみ、前記第一受圧領域との間に空隙を作る凹部が形成されているとともに、
    前記第二受圧領域は、前記収容室の内周面に密接されていることを特徴とするボールジョイント。
  2. 請求項1において、前記凹部は、収容室の中心軸線と同心の環状に形成されているボールジョイント。
  3. 請求項1において、前記凹部は、前記内底面から径方向外方へ向けて放射状に延びる複数の直線状に形成されているボールジョイント。
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