JP5104674B2 - 繊維強化材料製品とその製造方法 - Google Patents
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本発明は、上記の課題を解決するものであり、繊維基材の全体にマトリクス材料が含浸しているとともに、表面の意匠性が改善された繊維強化材料製品を製造するための技術を提供する。
繊維基材の全体にマトリクス材料を含浸させた後は、スペーサを構成する熱可塑性材料を加熱することによって軟化させ、スペーサを変形させながら上型と下型の間の距離を第2距離に調整する。それにより、完成した繊維強化材料製品における繊維の含有率を所望する値に調整する。そして、上型と下型の間の距離を第2距離に調整したまま、マトリクス材料を硬化させる。本発明では、成形キャビティの内面と繊維基材の間に拡散媒体を配置しないので、製造した繊維強化材料製品の表面に拡散媒体の跡が残らない。表面の意匠性が改善された繊維強化材料製品を製造することができる。
本明細書でいう「スペーサを加熱する」とは、スペーサを直接的に加熱することだけでなく、成形型を加熱して間接的にスペーサを加熱することや、成形キャビティ内に注入したマトリクス材料の熱による加熱も含む。
なお、繊維基材配置工程と第1距離調整工程は、個別に実施してもよいし、同時に実施してもよい。また、スペーサは、熱可塑性材料のみで構成されていてもよいし、スペーサの一部分だけが熱可塑性材料であり、他の部分が熱可塑性材料以外の材料で構成されていてもよい。スペーサの少なくとも一部を構成する材料は、加熱すると軟化するものであればよく、例えば熱可塑性樹脂を選択することができる。その材料は、スペーサを形成する際の加工性、軟化する温度、注入するマトリクス材料の特性等を考慮し、適宜選択することができる。
この製造方法によると、繊維基材と同じ空間内にスペーサが配置されることから、成形キャビティ内における上型と下型の間の距離を、所望する距離に調整し易い。
この製造方法によると、繊維基材を圧縮することもできる。完成した繊維強化材料製品における繊維の含有率を所望する値に調整し易い。
マトリクス材料が熱硬化性材料の場合、スペーサの少なくとも一部を構成している熱可塑性材料の軟化点は、マトリクス材料の硬化温度よりも低いことが好ましい。そして、マトリクス材料硬化工程では、成形型をマトリクス材料の硬化温度以上に加熱する。それにより、スペーサの少なくとも一部を構成している熱可塑性材料を、確実に軟化させることができる。熱硬化性のマトリクス材料の例として、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
(第1実施形態)第1実施例では、上型と下型を当接させることにより、繊維強化材料製品における繊維の含有率を調整する。
(第2実施形態)第2実施例では、スペーサを上型と下型の双方に当接させることにより、繊維強化材料製品における繊維の含有率を調整する。
図1は、成形型2の成形キャビティ8内に繊維基材12とスペーサ4が配置されている状態を示している。繊維基材12の詳細については後述する。成形型2は、上型2aと下型2bを有している。上型2aには、マトリクス材料注入孔6とマトリクス材料排出孔10が形成されている。マトリクス材料注入孔6から流動性のマトリクス材料を注入し、そのマトリクス材料を繊維基材12に含浸させ、マトリクス材料を硬化させることにより、繊維強化材料製品を製造することができる。なお、本実施例では、座標軸のY方向における上型2aの内面と下型2bの内面の間の距離のことを、上型2aと下型2bの距離と呼ぶ。また、上型2aと下型2bは座標軸のY方向に分割することができる。上型2aと下型2bが分割されている状態については、図示を省略する。以下に、本実施例における繊維強化材料製品の製造工程を説明する。
まず、上型2aと下型2bを分割した状態で、成形型2の成形キャビティ8内に、繊維基材12を配置する(繊維基材配置工程)。その後、上型2aと下型2bの間にスペーサ4を配置した状態で、上型2aと下型2bを閉じる。スペーサ4は、成形キャビティ8内に配置する。スペーサ4を上型2aと下型2bの双方に当接させることにより、上型2aと下型2bの間の距離を第1距離16aに調整する(第1距離調整工程:S2)。なお、成形キャビティ8内に、繊維基材12とスペーサ4を同時に配置してもよい。そのため、第1距離調整工程が完了するまでの工程を、1つの工程とみなすこともできる。
図1に示すように、上型2aと下型2bの間の距離を第1距離16aに調整すると、上型2aと繊維基材12の間に隙間が形成される。本実施例では、スペーサ4は、熱可塑性材料のみで形成されている。
マトリクス材料の注入量が所定量を超え、しかもマトリクス材料の注入圧力が所定圧力に至るまで注入を続けると、マトリクス材料が繊維基材12の全体に行き渡り、繊維基材12にマトリクス材料の未含浸部が存在しない。なお、マトリクス材料注入工程に先立って、成形キャビティ8内を減圧してもよい。
なお、図1に示すように、成形キャビティ8内にマトリクス材料を注入するときに、上型2aと下型2bは接していない。しかしながら、上型2aと下型2bの間にガスケット14が配置されているので、マトリクス材料が成形キャビティ8内から成形キャビティ8外に漏れることはない。
図2に、スペーサ4が変形し、上型2aと下型2bの間の距離が第2距離16bに調整された状態を示す。図2に示すように、成形キャビティ8の内面8aと繊維基材12が接触する。本実施例では、上型2aと下型2bを当接させることにより、第2距離16bを調整する。
本実施例の製造方法では、成形キャビティ8と繊維基材12の間に、マトリクス材料の流動性を向上させる拡散媒体を配置しない。そして、マトリクス材料を硬化させるときに、成形キャビティ8の内面8aと繊維基材12を当接させる。そのため、完成した繊維強化材料製品7の表面に、その繊維強化材料製品7の意匠性を悪化させる跡が存在しない。すなわち、本実施例の製造方法によると、表面の意匠性が向上した繊維強化材料製品7を製造することができる。
破線30は、上型2aと下型2bの間の距離が第1距離16aのとき(マトリクス材料注入工程S4終了時)の繊維基材12の体積含有率Vfを示している。破線32は、上型2aと下型2bの間距離が第2距離16bのとき(第2距離調整工程S10終了時)の繊維基材12の体積含有率Vfを示している。破線34は、第2距離調整工程S10終了時のマトリクス材料の流動性を示している。破線36は、繊維基材12の全体にマトリクス材料が行き渡るために必要な流動性を示している。
また、上記実施例では、スペーサ4を成形型2の成形キャビティ8内に配置している。成形型2の外面と成形キャビティ8の間にスペーサ4を配置する空間を設け、その空間内にスペーサ4を配置してもよい。スペーサ4を構成している材料が、繊維強化材料製品7に混入することを防止することができる。
繊維基材12は、基材下層12cと基材中層12bと基材上層12aが順に積層されている。基材下層12cと基材上層12aは、炭素繊維が座標Z方向に並んで形成されている。基材中層12bは、炭素繊維が座標X方向に並んで形成されている。すなわち、並ぶ方向が異なる炭素繊維が交互に積層されている。炭素繊維は、軽量であるとともに強度が強い。そのため、軽量で高強度の繊維強化材料製品7を得ることができる。なお、図1では並ぶ方向が異なる炭素繊維が3層積層されているが、積層する数は任意である。また、炭素繊維が一方向に並んでいてもよい。炭素繊維に代えて、ガラス繊維、アラミド繊維を使用することもできる。
スペーサは、熱可塑性材料以外の構成を備えていてもよい。すなわち、スペーサの一部だけが熱可塑性材料で構成されていてもよい。図5に、成形型2の成形キャビティ8内に、繊維基材12とスペーサ54を配置した状態を示している。スペーサ54は、金属部54bと熱可塑性材料部54aを備えている。スペーサ54によって、上型2aと下型2bの間の距離が第1距離16aに調整されている。
図6に、スペーサ54を加熱し、熱可塑性材料部54aを軟化させた状態を示している。なお、図6では、軟化した熱可塑性材料部54aの図示を省略している。金属部54bが、上型2aと下型2bの双方に接している。すなわち、金属部54bによって、上型2aと下型2bの間の距離が第2距離16bに調整される。なお、金属部54bの長さは、繊維強化材料製品7における繊維基材12の含有率Vfが所望する値になるように調整されている。また、上型2aと下型2bは直接接していない。
2a:上型
2b:下型
4,54:スペーサ
8:成形キャビティ
12:繊維基材
16a:第1距離
16b:第2距離
Claims (6)
- 少なくとも上型と下型によって成形キャビティが形成される成形型を用いて繊維強化材料製品を製造する方法であって、
成形型の成形キャビティ内に繊維基材を配置する繊維基材配置工程と、
少なくとも一部が熱可塑性材料によって構成されているスペーサを上型と下型の間に配置し、上型と下型との間の距離を第1距離に調整する第1距離調整工程と、
上型と下型との間の距離を第1距離に調整した状態で、成形キャビティ内に流動性のマトリクス材料を注入するマトリクス材料注入工程と、
上型と下型の間に配置したスペーサを加熱し、スペーサを変形させながら上型と下型との間の距離を第1距離よりも短い第2距離に調整する第2距離調整工程と、
上型と下型との間の距離を第2距離に調整した状態で、マトリクス材料を硬化させるマトリクス材料硬化工程と、
を備えていることを特徴とする繊維強化材料製品の製造方法。 - 第1距離調整工程では、スペーサを成形型の成形キャビティ内に配置することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 第2距離調整工程では、スペーサを加熱した状態で、上型と下型に型締力を付与することを特徴とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
- マトリクス材料が熱硬化性材料であり、
スペーサの少なくとも一部を構成している熱可塑性材料の軟化点は、マトリクス材料の硬化温度よりも低く、
マトリクス材料硬化工程では、成形型をマトリクス材料の硬化温度以上に加熱することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。 - マトリクス材料が熱可塑性材料であり、
スペーサの少なくとも一部を構成している熱可塑性材料の軟化点は、マトリクス材料の融点よりも低く、
マトリクス材料硬化工程では、成形型をマトリクス材料の融点未満に維持することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の製造方法によって製造された繊維強化材料製品。
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