JP5104473B2 - 内燃機関の制御方法および同装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御方法および同装置に関し、概略的には内燃機関の吸気弁閉タイミング設定方法に関し、より具体的には、比較的高い圧縮比を持つ内燃機関に好適な吸気弁閉タイミング設定方法に関する。
吸気弁のバルブリフト量を機関運転条件に応じて変更することが、例えば特許文献1に開示されるように、知られている。機関速度が高いほど、吸気慣性力は大きい。従って、空気流量に応じて定まる所定以上のバルブリフト量があるならば、機関速度に応じて遅角する所定タイミングにおいて吸気弁が閉じるときに、充填効率が最大となる。この最大充填効率に対応する所定タイミングから吸気弁閉タイミングが離れるほど、つまり進角または遅角するほど、充填効率が少なくなる。この原理に従い、特許文献1に記載されたカム駆動式の可変動弁装置は、目標気筒空気量の増加に応じてバルブリフト量を増加するとともに、バルブリフト量の増加に応じて吸気弁閉タイミングを遅角するように構成されている。従って、特許文献1の構成では、吸気圧力を高く保った状態(吸気負圧を小さくした状態)で、気筒空気量を目標量に制御することができる。そして、このように吸気圧力を高く保つことで、ポンプ損失を低下させ、機関運転効率を向上することができる。
一方、機関運転効率を高める別の方策として、膨張比を高めることが知られている。膨張比は、ピストンが上死点にあるときの気筒容積に対するピストンが下死点にあるときの気筒容積の比である。従って、膨張比を高めるほど、混合気の持つエネルギーがピストンの仕事により高い効率で変換され、結果的に機関運転効率を向上させることができる。しかし、これは同時に圧縮比を高めることにもなる。
火花点火式内燃機関の圧縮比を高める場合、混合気の自着火やノッキング等の異常燃焼が発生する可能性が高まるという課題がある。それに対処するために、例えば、特許文献2には、自着火が生じやすい運転状態を検出した場合に、吸気弁の閉タイミングを遅角または進角させ、有効圧縮比すなわち充填効率を低減させる方法が開示されている。
特開2006−97647号公報 特開2001−159348号公報
特許文献1と特許文献2の方法を組み合わせて、高膨張比による機関運転効率を高める技術を開発する場合、目標気筒空気量が少ない運転領域では、吸気弁閉タイミングを、当該機関速度において充填効率が最大となるタイミングよりも進角側に設定し(このような設定による閉弁動作を「早閉じ」ともいう)、低負荷運転領域での機械的なロスを抑制するとともに、目標気筒空気量が多い運転領域では、吸気弁閉タイミングを、当該機関速度において充填効率が最大となるタイミングよりも遅角側に設定し(このような設定による閉弁動作を「遅閉じ」ともいう)、高負荷運転領域で充分な空気量を確保することが考えられる。
ところが、早閉じ動作と遅閉じ動作との間で吸気弁閉タイミングがシフトする間は、空気過剰になる傾向が高く、特に、高圧縮比エンジンでは、プリイグニション等の異常燃焼の懸念が高まる。
そこで、空気過剰になる傾向が生じるときに吸気圧力を低下させることが考えられるが、制御信号に対する吸気弁閉タイミングの変化の応答性と、吸気圧力の変化の応答性とは必ずしも一致しないため、吸気弁閉タイミングが変化する移行時に適切に気筒空気量を調整することが難しかった。
本発明は上記の事情に鑑み、早閉じ動作と遅閉じ動作との間で吸気弁閉タイミングがシフトする移行時に、気筒空気量を適切に調整し、異常燃焼を確実に防止することができる内燃機関の制御方法および同装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明の内燃機関の制御方法は、内燃機関のクランクシャフトの回転に同期して往復動して吸気通路を気筒から開閉遮断する吸気弁を備えるとともに、該吸気弁の閉タイミングが変更可能となっている内燃機関を制御する方法であって、気筒に充填される空気量の目標値である目標気筒空気量が所定空気量よりも小さいときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも進角側の第1閉タイミング範囲内に設定する早閉じ運転モードとし、上記目標気筒空気量が所定空気量以上のときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも遅角側の第2閉タイミング範囲内に設定する遅閉じ運転モードとして、運転モードに応じた吸気弁閉タイミングの制御を行う通常制御ステップと、上記早閉じ運転モードから目標気筒空気量の増加によって上記遅閉じ運転モードへ移行するときの制御を行う移行制御ステップとを有し、移行制御ステップは、目標気筒空気量の増加に応じ、吸気弁閉タイミングを所定タイミングまで遅角させるとともに、吸気圧力を所定圧力まで低下させる第1のステップと、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングとなり、かつ、吸気圧力が上記所定圧力まで低下してから、吸気弁閉タイミングをさらに遅角させるとともに吸気圧力を上昇させる第2のステップとを含んでおり、上記第1のステップにおいて、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに達した時点で吸気圧力が上記所定圧力に達していないときは、吸気圧力が上記所定圧力に達するまで、吸気弁閉タイミングを上記所定タイミングに維持するものである。
また、本発明の方法の別の態様は、内燃機関のクランクシャフトの回転に同期して往復動して吸気通路を気筒から開閉遮断する吸気弁を備えるとともに、該吸気弁の閉タイミングが変更可能となっている内燃機関を制御する方法であって、気筒に充填される空気量の目標値である目標気筒空気量が所定空気量よりも小さいときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも進角側の第1閉タイミング範囲内に設定する早閉じ運転モードとし、上記目標気筒空気量が所定空気量以上のときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも遅角側の第2閉タイミング範囲内に設定する遅閉じ運転モードとして、運転モードに応じた吸気弁閉タイミングの制御を行う通常制御ステップと、上記早閉じ運転モードから目標気筒空気量の増加によって上記遅閉じ運転モードへ移行するときの制御を行う移行制御ステップとを有し、移行制御ステップは、目標気筒空気量の増加に応じ、吸気弁閉タイミングを所定タイミングまで遅角させるとともに、吸気圧力を所定圧力まで低下させる第1のステップと、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングとなり、かつ、吸気圧力が上記所定圧力まで低下してから、吸気弁閉タイミングをさらに遅角させるとともに吸気圧力を上昇させる第2のステップとを含んでおり、上記第1のステップにおいて、吸気圧力が上記所定圧力まで低下した時点で吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングにまで達していないときは、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに達するまで、吸気圧力を上記所定圧力に維持するものである。
これらの方法によると、目標気筒空気量が所定空気量よりも小さいときには、吸気弁が早閉じとされることにより、吸気圧力を高く保った状態で気筒空気量を目標値に制御することができて、ポンプ損失を低減し得るとともに、バルブ動作量を少なくすることができて、機械損失を低減し得る。一方、目標気筒空気量が所定空気量以上のときには、吸気弁が遅閉じとされることにより、プリイグニッション等の異常燃焼を回避しつつ、必要な気筒空気量を確保することができる。
また、目標気筒空気量の増加によって早閉じ運転モードから遅閉じ運転モードに移行するときは、吸気弁閉タイミングが早閉じから遅閉じにシフトする途中で、充填効率が最大となる閉タイミングを通過するが、この吸気弁閉タイミングのシフト途中では吸気圧力が低下することにより、気筒空気量が過大になることが防止される。
この場合に、吸気弁閉タイミングの変化および吸気圧力の変化には応答遅れがあり、それぞれの応答性に差異があると、吸気弁閉タイミングが充填効率最大となる閉タイミングを通過する時期と、吸気圧力が所定圧力まで低下する時期とにずれが生じ、気筒空気量の増大を抑制する作用が損なわれる可能性がある。
このような問題に対して本発明では、上記第1のステップによって吸気弁閉タイミングが所定タイミングとなり、かつ、吸気圧力が上記所定圧力まで低下するという状態に至ってから、上記第2のステップに進むようにしているため、吸気弁閉タイミングが所定タイミングを通過する時期と、吸気圧力が所定圧力まで低下する時期との時間的ずれをなくし、吸気弁閉タイミングのシフトの途中で気筒空気量の増大を抑制する作用を確実に達成し、異常燃焼を確実に防止することができる。
また、上記第1のステップにおいて、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに達した時点で吸気圧力が上記所定圧力に達していないときは、吸気圧力が上記所定圧力に達するまで、吸気弁閉タイミングを上記所定タイミングに維持し、あるいは、吸気圧力が上記所定圧力まで低下した時点で吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングにまで達していないときは、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに達するまで、吸気圧力を上記所定圧力に維持するようにしたので、吸気弁閉タイミングが所定タイミングを通過する時期と、吸気圧力が所定圧力まで低下する時期との時間的ずれが是正される。
本発明の方法の別の態様は、内燃機関のクランクシャフトの回転に同期して往復動して吸気通路を気筒から開閉遮断する吸気弁を備えるとともに、該吸気弁の閉タイミングが変更可能となっている内燃機関を制御する方法であって、気筒に充填される空気量の目標値である目標気筒空気量が所定空気量よりも小さいときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも進角側の第1閉タイミング範囲内に設定する早閉じ運転モードとし、上記目標気筒空気量が所定空気量以上のときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも遅角側の第2閉タイミング範囲内に設定する遅閉じ運転モードとして、運転モードに応じた吸気弁閉タイミングの制御を行う通常制御ステップと、上記遅閉じ運転モードから目標気筒空気量の減少によって上記早閉じ運転モードへ移行するときの制御を行う移行制御ステップとを有し、移行制御ステップは、目標気筒空気量の減少に応じ、吸気弁閉タイミングを所定タイミングまで進角させるとともに、吸気圧力を所定圧力まで低下させる第1のステップと、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングとなり、かつ、吸気圧力が上記所定圧力まで低下してから、吸気弁閉タイミングをさらに進角させるとともに吸気圧力を上昇させる第2のステップとを含んでおり、上記第1のステップにおいて、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに達した時点で吸気圧力が上記所定圧力に達していないときは、吸気圧力が上記所定圧力に達するまで、吸気弁閉タイミングを上記所定タイミングに維持するものである。
また、本発明の方法のさらに別の態様は、内燃機関のクランクシャフトの回転に同期して往復動して吸気通路を気筒から開閉遮断する吸気弁を備えるとともに、該吸気弁の閉タイミングが変更可能となっている内燃機関を制御する方法であって、気筒に充填される空気量の目標値である目標気筒空気量が所定空気量よりも小さいときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも進角側の第1閉タイミング範囲内に設定する早閉じ運転モードとし、上記目標気筒空気量が所定空気量以上のときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも遅角側の第2閉タイミング範囲内に設定する遅閉じ運転モードとして、運転モードに応じた吸気弁閉タイミングの制御を行う通常制御ステップと、上記遅閉じ運転モードから目標気筒空気量の減少によって上記早閉じ運転モードへ移行するときの制御を行う移行制御ステップとを有し、移行制御ステップは、目標気筒空気量の減少に応じ、吸気弁閉タイミングを所定タイミングまで進角させるとともに、吸気圧力を所定圧力まで低下させる第1のステップと、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングとなり、かつ、吸気圧力が上記所定圧力まで低下してから、吸気弁閉タイミングをさらに進角させるとともに吸気圧力を上昇させる第2のステップとを含んでおり、上記第1のステップにおいて、吸気圧力が上記所定圧力まで低下した時点で吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングにまで達していないときは、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに達するまで、吸気圧力を上記所定圧力に維持するものである。
これらの態様によると、目標気筒空気量の減少によって遅閉じ運転モードから早閉じ運転モードに移行するときに、吸気弁閉タイミングのシフト途中で吸気圧力が低下することにより、気筒空気量が過大になることを防止し、とくに、吸気弁閉タイミングが所定タイミングを通過する時期と、吸気圧力が所定圧力まで低下する時期との時間的ずれをなくし、吸気弁閉タイミングのシフトの途中で気筒空気量の増大を抑制する作用を確実に達成し、異常燃焼を確実に防止することができる。
記通常制御ステップで、早閉じ運転モードにあるときは、上記所定空気量よりも小さい範囲内での目標気筒空気量の増減に応じ、吸気圧力を略一定に維持しつつ、吸気弁閉タイミングを変更することが好ましい。
このようにすると、早閉じ運転モードでは、吸気圧力が略一定の高い圧力に保たれることでポンプ損失が低減されつつ、吸気弁閉タイミングの変更により気筒空気量が調整される。
上記移行制御ステップの第1のステップでは、吸気圧力を低下させる期間に、目標気筒空気量の変化に応答制御処理を施すことが好ましい。
このようにすると、目標気筒空気量の変化に対する応答限界が低くなる期間に、目標気筒空気量の変化が適度に制限されることにより、制御性が向上されて、より確実に、吸気弁閉タイミングのシフトの途中における気筒空気量の増大を抑制することができる。
このように応答制御処理を施す場合に、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングとなり、かつ、吸気圧力が上記所定圧力まで低下した後は、上記応答制限処理を弱めるようにすればよい。
なお、上記所定タイミングは、充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングであればよい。
発明の内燃機関の制御装置は、内燃機関のクランクシャフトの回転に同期して往復動して吸気通路を気筒から開閉遮断する吸気弁と、該吸気弁の変位特性を調整する変位調整機構と、吸気圧力を調整する吸気圧力調整手段と、これら変位調整機構および吸気圧力調整手段を制御することによって吸気弁閉タイミングおよび吸気圧力を制御する制御器とを備え、上記制御器は、気筒に充填される空気量の目標値である目標気筒空気量が所定空気量よりも小さいときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも進角側の第1閉タイミング範囲内に設定する早閉じ運転モードとし、上記目標気筒空気量が所定空気量以上のときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも遅角側の第2閉タイミング範囲内に設定する遅閉じ運転モードとして、運転モードに応じた吸気弁閉タイミングの制御を行う手段と、上記早閉じ運転モードから目標気筒空気量の増加によって上記遅閉じ運転モードへ移行するときの制御を行う移行制御手段とを有し、移行制御手段は、目標気筒空気量の増加に応じ、吸気弁閉タイミングを所定タイミングまで遅角させるとともに、吸気圧力を所定圧力まで低下させる第1の制御と、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングとなり、かつ、吸気圧力が上記所定圧力まで低下してから、吸気弁閉タイミングをさらに遅角させるとともに吸気圧力を上昇させる第2の制御とを行うように構成されており、上記第1の制御において、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに達した時点で吸気圧力が上記所定圧力に達していないときは、吸気圧力が上記所定圧力に達するまで、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに維持されるものである。
また、本発明の装置の別の態様は、内燃機関のクランクシャフトの回転に同期して往復動して吸気通路を気筒から開閉遮断する吸気弁と、該吸気弁の変位特性を調整する変位調整機構と、吸気圧力を調整する吸気圧力調整手段と、これら変位調整機構および吸気圧力調整手段を制御することによって吸気弁閉タイミングおよび吸気圧力を制御する制御器とを備え、上記制御器は、気筒に充填される空気量の目標値である目標気筒空気量が所定空気量よりも小さいときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも進角側の第1閉タイミング範囲内に設定する早閉じ運転モードとし、上記目標気筒空気量が所定空気量以上のときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも遅角側の第2閉タイミング範囲内に設定する遅閉じ運転モードとして、運転モードに応じた吸気弁閉タイミングの制御を行う手段と、上記早閉じ運転モードから目標気筒空気量の増加によって上記遅閉じ運転モードへ移行するときの制御を行う移行制御手段とを有し、移行制御手段は、目標気筒空気量の増加に応じ、吸気弁閉タイミングを所定タイミングまで遅角させるとともに、吸気圧力を所定圧力まで低下させる第1の制御と、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングとなり、かつ、吸気圧力が上記所定圧力まで低下してから、吸気弁閉タイミングをさらに遅角させるとともに吸気圧力を上昇させる第2の制御とを行うように構成されており、上記第1の制御において、吸気圧力が上記所定圧力まで低下した時点で吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングにまで達していないときは、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに達するまで、吸気圧力が上記所定圧力に維持されるものである。
また、本発明の装置のさらに別の態様は、内燃機関のクランクシャフトの回転に同期して往復動して吸気通路を気筒から開閉遮断する吸気弁と、該吸気弁の変位特性を調整する変位調整機構と、吸気圧力を調整する吸気圧力調整手段と、これら変位調整機構および吸気圧力調整手段を制御することによって吸気弁閉タイミングおよび吸気圧力を制御する制御器とを備え、上記制御器は、気筒に充填される空気量の目標値である目標気筒空気量が所定空気量よりも小さいときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも進角側の第1閉タイミング範囲内に設定する早閉じ運転モードとし、上記目標気筒空気量が所定空気量以上のときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも遅角側の第2閉タイミング範囲内に設定する遅閉じ運転モードとして、運転モードに応じた吸気弁閉タイミングの制御を行う手段と、上記遅閉じ運転モードから目標気筒空気量の減少によって上記早閉じ運転モードへ移行するときの制御を行う移行制御手段とを有し、移行制御手段は、目標気筒空気量の減少に応じ、吸気弁閉タイミングを所定タイミングまで進角させるとともに、吸気圧力を所定圧力まで低下させる第1の制御と、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングとなり、かつ、吸気圧力が上記所定圧力まで低下してから、吸気弁閉タイミングをさらに進角させるとともに吸気圧力を上昇させる第2の制御とを行うように構成されており、上記第1の制御において、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに達した時点で吸気圧力が上記所定圧力に達していないときは、吸気圧力が上記所定圧力に達するまで、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに維持されるものである。
また、本発明の装置のさらに別の態様は、内燃機関のクランクシャフトの回転に同期して往復動して吸気通路を気筒から開閉遮断する吸気弁と、該吸気弁の変位特性を調整する変位調整機構と、吸気圧力を調整する吸気圧力調整手段と、これら変位調整機構および吸気圧力調整手段を制御することによって吸気弁閉タイミングおよび吸気圧力を制御する制御器とを備え、上記制御器は、気筒に充填される空気量の目標値である目標気筒空気量が所定空気量よりも小さいときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも進角側の第1閉タイミング範囲内に設定する早閉じ運転モードとし、上記目標気筒空気量が所定空気量以上のときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも遅角側の第2閉タイミング範囲内に設定する遅閉じ運転モードとして、運転モードに応じた吸気弁閉タイミングの制御を行う手段と、上記遅閉じ運転モードから目標気筒空気量の減少によって上記早閉じ運転モードへ移行するときの制御を行う移行制御手段とを有し、移行制御手段は、目標気筒空気量の減少に応じ、吸気弁閉タイミングを所定タイミングまで進角させるとともに、吸気圧力を所定圧力まで低下させる第1の制御と、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングとなり、かつ、吸気圧力が上記所定圧力まで低下してから、吸気弁閉タイミングをさらに進角させるとともに吸気圧力を上昇させる第2の制御とを行うように構成されており、上記第1の制御において、吸気圧力が上記所定圧力まで低下した時点で吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングにまで達していないときは、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに達するまで、吸気圧力が上記所定圧力に維持されるものである。
このような制御装置によると、上記変位調整機構、吸気圧力調整手段および制御器により、上述の本発明の制御方法を効果的に実施することができる。
この制御装置において、上記変位調整機構は、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を変更可能にした位相可変機構と、吸気弁のリフト量を連続的に変更可能にした可変バルブリフト機構とで構成されていることが好ましい。
このようにすると、上記変位調整機構により、吸気弁閉タイミングの調整とともにバルブリフト量、開弁期間などを適切に調整することができる。
以上説明したように、本発明は、早閉じ運転モードから遅閉じ運転モードへの移行時、または遅閉じモードから早閉じ運転モードへの移行時に、先ず吸気弁閉タイミングを所定タイミングまで遅角または進角させるとともに、吸気圧力を所定圧力まで低下させ、吸気弁閉タイミングが所定タイミングに達し、かつ、吸気圧力が所定圧力まで低下した状態に至ってから、吸気弁閉タイミングをさらに遅角または進角させるとともに吸気圧力を上昇させるようにしているため、吸気弁閉タイミングのシフトの途中で気筒空気量が過大になることを確実に防止し、異常燃焼を確実に防止することができるものである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る制御装置を含む内燃機関システムの概略構成図である。
図1を参照して、内燃機関システムは、エンジン1、エンジン1に付随する様々なアクチュエータ、様々なセンサ、およびセンサからの信号に基づきアクチュエータを制御する制御器としてのエンジン制御ユニット100を有する。
エンジン1は、火花点火式内燃機関であって、第1〜第4の4つの気筒11、11、…を有するものであるが、いかなる数の気筒を有するものであってもよい。エンジン1は、自動車等の車両に搭載され、そのクランクシャフト14は、変速機を介して駆動輪に連結され、車両を推進する。
本実施形態に係るエンジン1は、13以上の幾何学的圧縮比をもち、幾何学的圧縮比は、14以上16以下であるのが好ましい。
すなわち、幾何学的圧縮比が大きいことは、膨張比が大きいことを意味するので、大きいほど、機関効率は上がる。そこで、本実施形態では、幾何学的圧縮比を13以上に設定し、点火リタード等の方法によってノッキングを回避しつつ高トルクと燃費の大幅な低減を図ることとしている。
尤も、圧縮比が高いほど、異常燃焼発生の可能性が高まるので、有効圧縮比を小さくして充填効率を下げる必要が生じる。そうなると、気筒容積の割りに得られる出力が低下するために、機関の重量比で見たときの効率は低下する。他方、エンジン1を自動車等の車両に搭載する際に、エンジンルーム内への搭載性に問題を生じる。従って、幾何学的圧縮比の上限は、16以下にするのが好ましい。
エンジン1は、シリンダブロック12と、その上に載置されるシリンダヘッド13とを備えており、それらの内部に気筒11、11、…が形成されている。シリンダブロック12には、クランクシャフト14が回転自在に支持されており、このクランクシャフト14がピストン15に対し、コネクティングロッド16を介して連結されている。
ピストン15は、各気筒11内に摺動自在に嵌挿されて燃焼室17を区画している。シリンダヘッド13には、吸気ポート18および排気ポート19が気筒11毎に2つずつ形成され(図には各1つのみ示す)、それぞれ燃焼室17に連通している。図に示すように、吸気ポート18および排気ポート19に対し、これらを燃焼室17から遮断(閉)できるように吸気弁21および排気弁22が配設されている。吸気弁21は、動弁装置としての吸気弁駆動機構30により、排気弁22は排気弁駆動機構40により、それぞれ駆動されて、所定のタイミングで往復動し、吸気ポート18および排気ポート19を開閉するものである。
吸気弁駆動機構30は、吸気カムシャフト31を有し、排気弁駆動機構40は、排気カムシャフト41を有する。カムシャフト31、41は、クランクシャフト14により、周知のチェーン/スプロケット機構等の動力伝達機構を介して連結される。動力伝達機構は、周知のように、クランクシャフト14が二回転する間に、カムシャフト31、41が一回転するように構成される。
カムシャフトの位相角は、カム位相センサ35により検出され、その検出信号θVCT_Aがエンジン制御ユニット100に入力される。
点火プラグ51は、シリンダヘッド13に取り付けられている。点火システム52は、エンジン制御ユニット100からの制御信号SADを受けて、点火プラグ51が所望の点火タイミングで火花を発生するよう、それに通電する。
燃料噴射弁53は、シリンダヘッド13の一側(図例では吸気側)に取り付けられている。燃料噴射弁53の先端は、上下方向については2つの吸気ポート18の下方に、また、水平方向についてはそれら2つの吸気ポート18の中間に位置して、燃焼室17内に臨んでいる。
燃料供給システム54は、図示は省略するが、燃料噴射弁53に燃料を昇圧して供給する高圧ポンプと、この高圧ポンプに燃料タンクから燃料を送給する配管やホース等と、燃料噴射弁53を駆動する電気回路とを備えている。この電気回路は、エンジン制御ユニット100からの制御信号FPDを受けて燃料噴射弁53のソレノイドを作動させ、所定のタイミングで所望量の燃料を噴射させる。
吸気ポート18は、吸気マニホールド55内の吸気経路55bによってサージタンク55aに連通している。図示しないエアクリーナからの吸気流はスロットルボデー56を通過してサージタンク55aに供給される。スロットルボデー56にはスロットル弁57が配置されており、周知のようにサージタンク55aに向かう吸気流を絞って、その流量を調整する。スロットルアクチュエータ58が、エンジン制御ユニット100からの制御信号TVODを受けて、スロットル弁57の開度を調整する。
排気ポート19は、排気マニホールド60内の排気経路によって周知のように排気管内の通路に連通している。排気マニホールド60よりも下流の排気通路には、一つ以上の触媒コンバータ61を有する排気ガス浄化システムが配置される。触媒コンバータ61は、周知の三元触媒、リーンNOx触媒、酸化触媒等とすることができ、それ以外にも、特定の燃料制御手法による排気ガス浄化の目的にかなうものであれば、いかなるタイプの触媒としてもよい。
エンジン制御ユニット100には、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラであって、プログラムを実行する中央算出処理装置(CPU)と、例えばRAMやROMにより構成されてプログラムおよびデータを格納するメモリと、電気信号の入出力をする入出力(I/O)バスとを備えている。
エンジン制御ユニット100は、エアフローセンサ71から吸気流量AF、吸気圧センサ72から吸気マニホールド圧MAP、クランク角センサ73からクランク角パルス信号、というように種々の入力を受け入れる。エンジン制御ユニット100は、例えば、クランク角パルス信号に基づいて、エンジン回転速度NENGを計算する。また、エンジン制御ユニット100は、酸素濃度センサ74から排気ガスの酸素濃度EGOについての入力も受け入れる。さらに、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ75からのアクセル制御信号αを受け入れる。またエンジン制御ユニット100は、変速機の出力軸の回転速度を検出する車速センサ76からの車速信号VSPを受け入れる。
より具体的に、エンジン制御ユニット100は前記のような入力に基づいて、以下のようなエンジン1の制御パラメータを計算する。例えば、所望のスロットル開度TVO、燃料噴射量FP、点火タイミングSA、バルブ位相角θVCT、バルブリフト量θVVL等である。そして、それら制御パラメータに基づいて、対応する制御信号として、スロットル制御信号TVOD、燃料噴射パルス信号FPD、点火パルス信号SAD、バルブ位相角信号θVCT_D、バルブリフト量信号θVVL_D等を、スロットルアクチュエータ58、燃料供給システム54、点火システム52および吸気カムシャフト位相可変機構32等に出力する。
次に、図2以下を参照して、本実施形態に係る吸気弁駆動機構30の詳細について説明する。図2は、図1の実施形態に係る吸気弁駆動機構30の具体的な構成を示す斜視図であり、図3は、図1の吸気弁駆動機構30の要部を示す断面図である。図3において、(A)は大リフト制御状態においてバルブリフト量が0のときを示し、(B)は大リフト制御状態においてバルブリフト量が最大のときを示し、(C)は小リフト制御状態においてバルブリフト量が0のときを示し、(D)は小リフト制御状態においてバルブリフト量が最大のときを示している。
本実施形態の吸気弁駆動機構30は、吸気弁21の変位特性を調整する変位調整機構を備えている。この変位調整機構は、クランクシャフト14に対するカムシャフト31の回転位相を変更可能にした位相可変機構(VCT機構)32と、吸気弁のリフト量を連続的に変更可能にした可変バルブリフト機構(VVL機構)33とで構成されている。
上記VCT機構32はチェーンドライブ機構によってクランクシャフト14に駆動連結されている。チェーンドライブ機構は、ドリブンスプロケット104の他に、図示しないが、クランクシャフト14のドライブスプロケットと、それら両スプロケットに巻き掛けられたチェーンとを備える。
VCT機構32は、ドリブンスプロケット104に一体に回転するように固定されたケースと、それに収容されるとともにインナシャフト105に一体に回転するように固定されたロータとを有する。ケースとロータとの間には複数の液圧室が、中心軸X(図3に示す)の周りに(周方向に)並んで形成される。そして、ポンプにより加圧された液体(例えばエンジンオイル)が各々の液圧室に選択的に供給されて、互いに対向する液圧室の間に圧力差を形成する。
VCT制御ユニットとしてのエンジン制御ユニット100がVCT機構32の電磁バルブ32aに制御信号(バルブ位相角信号)θVCT_Dを出力し、この制御信号θVCT_Dを受けて、電磁バルブ32aが液圧のデューティ制御をすることで、前記液圧室に供給する液体の流量や圧力等を調整する。これによりスプロケット104とインナシャフト105との間の実際の位相差が変更され、それによって、周知のようにインナシャフト105の所望の回転位相が達成される。なお、エンジン制御ユニット100と別構成のユニットでVCT制御ユニットを構成してもよい。
VVL機構33は、図3(A)〜(D)に示すように各々の気筒11に対応してインナシャフト105に設けられたディスク形状のカム106を有する。このカム106は、インナシャフト105の軸芯から偏心して設けられ、VCT機構32により規定される位相で回転する。この偏心カム106の外周にはリング状アーム107の内周が回転自在に嵌め合わされており、インナシャフト105がその中心軸X周りに回転すると、リング状アーム107は、同じ中心軸Xの回りを公転しながら偏心カム106の中心の周りを回動する。
また、前記インナシャフト105には、気筒11毎にロッカーコネクタ110が配設されている。このロッカーコネクタ110は円筒状で、インナシャフト105に外挿されて同軸に軸支され、換言すれば、その中心軸X周りに回動可能に支持されている一方、該ロッカーコネクタ110の外周面はベアリングジャーナルとされ、シリンダヘッド13に配設されたベアリングキャップ(図示せず)によって回転可能に支持されている。
前記ロッカーコネクタ110には、第1および第2のロッカーカム111、112が一体的に設けられている。両者の構成は同じなので、図3(A)〜(D)にはロッカーカム111について示すが、このロッカーカム111は、カム面111aと円周状のベース面111bとを有し(図3(D)参照)、それらはいずれもタペット115の上面に摺接するようになっている。ロッカーカム111は、連続的には回転せず、揺動運動することを除いては、一般的な吸気弁駆動機構のカムと同様にタペット115を押圧してバルブを開くものである。タペット115はバルブスプリング116で支えられている。バルブスプリング116は、周知のように保持器117、118の間に支持されている。
再度、図2を参照すると、インナシャフト105およびロッカーカム部品110〜112の組立体と並んで、その上方にコントロールシャフト120が配置されている。このコントロールシャフト120は、図示しないベアリングによって回転可能に支持されており、その長手方向の中央付近には、外周面から突出する同軸状のウォームギヤ121が一体的に設けられている。
ウォームギヤ121はウォーム122と噛合している。このウォーム122は、VVL機構33のアクチュエータである例えばステッピングモータ123の出力軸に固定されている。よって、エンジン制御ユニット100からの制御信号(バルブリフト量信号)θVVL_Dを受けたステッピングモータ123の作動により、コントロールシャフト120を所望の位置に回動させることができる。こうして回動されるコントロールシャフト120には、気筒11毎のコントロールアーム131が取り付けられており、これらコントロールアーム131は、コントロールシャフト120の回動によって一体的に回動される。
また、そうして回動されるコントロールアーム131は、コントロールリンク132によってリング状アーム107に連結されている。すなわち、コントロールリンク132の一端部はコントロールピボット133によってコントロールアーム131の先端部に回転自在に連結され、該コントロールリンク132の他端部はコモンピボット134によってリング状アーム107に回転自在に連結されている。
ここで、コモンピボット134は、前記のようにコントロールリンク132の他端部をリング状アーム107に連結するとともに、このリング状アーム107を貫通してそれをロッカーリンク135の一端部にも回転自在に連結している。そして、このロッカーリンク135の他端部がロッカーピボット136によってロッカーカム111に回転自在に連結されており、これによりリング状アーム107の回転がロッカーカム111に伝えられるようになっている。
より具体的に、インナシャフト105が回転して、これと一体に偏心カム106が回転するとき、図3(A)(C)に示すように偏心カム106が下側に位置すれば、リング状アーム107も下側に位置するようになり、一方、図3(B)(D)に示すように偏心カム106が上側に位置すれば、リング状アーム107も上側に位置するようになる。
その際、リング状アーム107とコントロールリンク132とを連結するコモンピボット134の位置は、コントロールピボット133の位置と、偏心カム106およびリング状アーム107の共通中心位置との、3者相互の位置関係によって規定されるから、図示のようにコントロールピボット133の位置が変化しない(コントロールシャフト120が回動しない)とすれば、コモンピボット134は、偏心カム106およびリング状アーム107の共通中心周りの回転のみに対応して概略上下に往復動作するようになる。
そのようなコモンピボット134の往復動作はロッカーリンク135によって第1のロッカーカム111に伝えられ、該第1のロッカーカム111を、ロッカーコネクタ110で連結された第2のロッカーカム112と共に中心軸X周りに揺動させる。こうして揺動するロッカーカム111は、図3(B)(C)に示すように、カム面111aがタペット115の上面に接触する間は、当該タペット115をバルブスプリング116のばね力に抗して押し下げ、このタペット115が吸気弁21を押し下げて、吸気ポート18を開かせる。
一方、図3(A)(C)に示すように、ロッカーカム111のベース面111bがタペット115の上面に接触するとき、タペット115は押し下げられない。これは、中心軸Xを中心とするロッカーカム111のベース面111bの半径が、その中心軸Xとタペット115の上面との間隔以下に設定されているからである。
上述の如きコントロールピボット133と、コモンピボット134と、偏心カム106およびリング状アーム107の共通中心との相互の位置関係において、コントロールピボット133の位置が変化すれば、これにより3者相互の位置関係に変化が生じ、コモンピボット134は前記とは異なる軌跡を描いて往復動作するようになる。
よって、モータ123の作動によりコントロールシャフト120およびコントロールアーム131を回転させて、コントロールピボット133の位置を変えることにより、ロッカーカム111、112の揺動範囲を変更することができる。例えば、コントロールアーム131を図3において時計回りに回動させて、コントロールピボット133を図3(A)に示す位置から図3(C)に示すように左斜め上側にずらすと、ロッカーカム111の揺動範囲は、相対的にベース面111bがタペット115の上面に接触する傾向の強いものとなる。
図4は、本実施形態に係る吸気弁駆動機構30の設定例を示す図である。
この図に示すように、本実施形態では、上述した吸気弁駆動機構30およびこれに関連する構成部品により、バルブリフト量θVVLは、例えばθVVL_minからθVVLmaxまでの範囲で、目標気筒空気量(各気筒11に充填される空気量の目標値)の増加に応じて増加するように制御されるとともに、吸気弁閉タイミングは、バルブリフト量θVVLの増加に応じてθVCT_minからθVCTmaxの範囲で遅角する。
本実施形態では、例えばエンジン回転速度(機関速度)NENGが1500rpmの時の吸気行程において吸気弁21を開閉する際、吸気弁21の開タイミングについては、殆どの運転領域で排気上死点直前から開弁を開始し、要求トルクに応じて閉タイミングを変更するようにしている。
ここで、本実施形態では、吸気弁21の閉タイミングとして、当該エンジン回転速度(機関速度)NENGにおいて充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも進角側に設定される第1閉弁タイミング範囲IVC1stと、当該エンジン回転速度(機関速度)NENGにおいて充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも遅角側に設定され、且つ第1閉弁タイミング範囲IVC1stから離間した第2閉弁タイミング範囲IVC2ndとが設定されており、吸気弁21が第1閉弁タイミング範囲IVC1stで閉じるように運転される早閉じ運転モードMEIVCと、吸気弁21が第2閉弁タイミング範囲IVC2ndで閉じるように運転される遅閉じ運転モードMLIVCとを設定可能に構成されている。
早閉じ運転モードMEIVCは、気筒空気量(気筒に充填される空気量)が少ない低負荷時に選択されるモードである。他方、遅閉じ運転モードMLIVCは、気筒空気量が多い高負荷時に選択されるモードである。
ここで、本実施形態において、遅閉じ運転モードMLIVCが設定される第2閉弁タイミング範囲IVC2ndは、早閉じ運転モードMEIVCが設定される第1閉弁タイミング範囲IVC1stよりも遅角し且つ離間している。従って、各閉弁タイミング範囲IVC1st、IVC2ndの間には、定常運転時であれば吸気弁21が閉じることのない中間閉弁タイミング範囲(異常燃焼懸念範囲)IVCIMがあり、この中間閉弁タイミング範囲IVCIMの中の下死点BDC付近に、充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングが存在している。
次に、上述のような運転モードを設定している理由について説明する。
エンジン1の出力を高め、燃費を低減するために、吸気弁21の閉タイミングを吸気下死点よりも進角または遅角させて、膨張比を高くする方法として、吸気弁21の閉タイミングを吸気下死点よりも進角する早閉じでエンジン1を運転制御する場合には、図3(C)(D)から明らかなように、ロッカーカム111の揺動量は、小さくなり、バルブスプリング116の抵抗も小さくなるので、低負荷側では好ましいものとなる。しかし、要求負荷の増加に応じて、吸気弁21の閉タイミングを吸気下死点付近まで遅角すると、上述のような高圧縮比に設定されたエンジン1では、プリイグニション等の異常燃焼が生じる可能性が高まる。また、単に、異常燃焼が懸念される運転領域を回避して吸気弁21の早閉じ制御をすれば、要求負荷が高くなるにつれて気筒空気量を確保できなくなり、必要な出力を得ることができなくなる。
他方、吸気弁閉タイミングIVCを、当該エンジン回転速度NENGにおいて充填効率が最大となるタイミングよりも遅角側に設定した場合、ピストン15が下死点に移動するまで気筒11内に空気を導入することができるため、有効圧縮比が低減するところで吸気弁21を閉じても比較的充分な気筒空気量を確保することができる反面、図3(A)(B)に示したように、低速低負荷時の目標気筒空気量が小さい運転領域では、吸気弁21のバルブリフト量、動弁範囲を最大値近傍まで大きく設定する必要があり、機械的損失が大きくなる等の不具合を回避することができない。
そこで、本実施形態では、高圧縮比エンジンにおいて、可及的に連続的な運転領域で膨張比を高めつつ、ノッキングを回避するとともに、ポンプ損失低減、目標気筒空気量が小さい運転領域での機械的損失の低減、目標気筒空気量が大きい運転領域での出力確保等のため、上記のように第1閉弁タイミング範囲IVC1stと第2閉弁タイミング範囲IVC2ndとを設定している。
また、第1閉弁タイミング範囲IVC1stとされる早閉じ運転モードMEIVCから第2閉弁タイミング範囲IVC2ndとされる遅閉じ運転モードMLIVCへの移行、あるいは遅閉じ運転モードMLIVCから早閉じ運転モードMEIVCへの移行が行われるときには、吸気弁閉タイミングが中間閉弁タイミング範囲IVCIMを通るが、このときには吸気圧力が低くされることにより、空気過剰になる傾向が抑制される。
図5は、運転モード設定のための運転領域の例を示す特性図である。
この図に示すように、本実施形態では、高負荷側の特性L1以上の高負荷側である運転領域RLIVCでは遅閉じ運転モードMLIVCが、低負荷側の特性L2以下の低負荷側である運転領域REIVCでは、早閉じ運転モードMEIVCが、それぞれ選定されるように設定されている。図示の例において、特性L1と特性L2の間の運転領域RTRは、ヒステリシスを設けて運転モードの切換に用いられる領域であり、運転領域REIVCから要求負荷が高くなっても、特性L1を越えるまでは、運転モードは早閉じ運転モードMEIVCが維持され、運転領域RLIVCから要求負荷が低くなっても、特性L2を越えるまでは、運転モードは運転領域RLIVCが維持される。
運転モードM_nowが早閉じ運転モードMEIVCである場合、例えば図6(A)(B)に示す制御例で吸気弁閉タイミングIVCやスロットル開度TVOが制御される。
すなわち、早閉じ運転モードMEIVCの場合の吸気弁閉タイミングIVCの制御としては、第1閉弁タイミング範囲IVC1stの範囲内で、図6(A)のように、エンジン回転速度NENGが高くなるほど、吸気弁21の閉タイミングは遅角する。また、目標気筒空気量が増加するほど、吸気弁21の閉タイミングは遅角する。この結果、第1閉弁タイミング範囲IVC1stで運転される場合では、吸気弁21の閉タイミングが遅角することによって、充填効率を増加させ、要求トルクに見合うトルクを出力できるようになっている。
早閉じ運転モードMEIVCの場合のスロットル開度TVOの制御としては、図6(B)のように、特性L1と平行にエンジン回転速度NENGに比例する特性L3が低負荷側に設定され、この特性L3よりも低負荷側の運転領域では、スロットル開度TVOは、全開もしくは全開相当になっており、気筒空気量(気筒に充填される空気量)は、専ら、吸気弁21の閉タイミングで制御されるようになっている。このため、気筒空気量を調整しつつ、ポンプ損失が生じないように制御することが可能になる。他方、特性L1から特性L3の間では、要求負荷が高まるにつれて、或いはエンジン回転速度NENGが低減するにつれて、スロットル開度TVOを小さくするように制御される。このため、運転状態が、中高速低中負荷運転領域から運転モードMを遅閉じ運転モードMLIVCに設定する必要のある低速高負荷運転領域に近づくにつれて、気筒空気量を低減することができるので、高圧縮比エンジンを採用した本実施形態において、運転モードMの切り換え点に近い不安定な運転領域であっても、プリイグニション等の異常燃焼を回避しつつ、気筒空気量を調整することができる。なお、特性L3は、図5の特性L2よりも低負荷側であってもよく、特性L2以上であってもよい。
また、運転モードM_nowが遅閉じ運転モードMLIVCである場合、例えば図7(A)(B)に示す制御例で吸気弁閉タイミングIVCやスロットル開度TVOが制御される。
すなわち、遅閉じ運転モードMLIVCの場合の吸気弁閉タイミングIVCの制御としては、第2閉弁タイミング範囲IVC2ndの範囲内で、図7(A)のように、エンジン回転速度NENGが高くなるほど吸気弁21の閉タイミングは遅角し、また、目標気筒空気量が増加するほど吸気弁21の閉タイミングは進角する。一方、スロットル開度TVOの制御としては、図7(B)のように、目標気筒空気量の変化に対してはスロットル開度TVOを一定とし、エンジン回転速度NENGが増加するにつれてスロットル開度TVOを大きくしている。
このようにして遅閉じ運転モードMLIVCでは、遅閉じによってノッキングを抑制しつつ、所要の気筒空気量を確保することができるようにしている。
図8は、エンジン制御ユニット100による制御のアルゴリズムを示すブロック図である。
この図に示すように、エンジン制御ユニットは、目標トルク(TQ)演算部201、目標燃焼トルク(Pi_t)演算部202、運転領域切換しきい値演算部203および制御量演算部204を有する。
上記目標トルク演算部201は、アクセル開度センサ75からのアクセル制御信号α、クランク角パルス信号に基づくエンジン回転速度NENG、および車速センサ76からの車速信号VSPに基づいて、目標トルクTQを演算する。目標燃焼トルク演算部202は、上記目標トルクTQに、トルク損失要素pfを加えて、実際にエンジンが発生すべきトルクである目標燃焼トルクPi_tを演算する。この目標燃焼トルクPi_tは、具体的には図示平均有効圧力Piの目標値であり、目標気筒空気量に相当する。
運転領域切換しきい値演算部203は、前述の図5に示す運転領域のマップ中の運転領域RLIVC、RTR、REIVCの境界に相当するしきい値、つまり、この図の中の特性ラインL1および特性ラインL2上でその時のエンジン回転速度NENGに応じた値を演算する。
そして、制御量演算部204では、運転領域切換しきい値演算部203により求められたしきい値と、上記目標燃焼トルクPi_tとから、目標運転領域R_tを算出するとともに、その目標運転領域R_tおよび上記目標燃焼トルクPi_t等に基づき、目標ブーストBt_tおよび目標吸気弁閉タイミングIVC_tを算出する。
さらに、エンジン制御ユニットは、運転モード判別部205、実閉タイミング演算部206、移行時制御量演算部207、および制御信号出力処理部208を有する。
上記運転モード判別部205は、現在の運転モードおよび目標運転モードを判別するとともに、運転モードの切換えが必要かどうかを判断する。
運転モードの切換えが必要となったときは、移行時制御量演算部207により、目標燃焼トルクPi_t、目標ブーストBt_t、目標吸気弁閉タイミングIVC_t、吸気マニホールド圧MAP、実閉タイミング演算部206により演算される実吸気弁閉タイミングIVC_e等の信号に基づき、運転モード移行時における制御量の演算を行う。この場合、目標燃焼トルクPi_tについては後述のように応答制限処理を行い、この応答制限処理後の目標燃焼トルクPi_tに応じて目標ブーストBt_t、目標吸気弁閉タイミングIVC_t等の制御量が演算される。なお、実閉タイミング演算部206は、バルブ位相角θVCTおよびバルブリフト量θVVLに基づいて実吸気弁閉タイミングIVC_eを演算する。
そして、移行時制御量演算部207により演算された運転モード移行時の目標ブーストBt_t、目標吸気弁閉タイミングIVC_t等の制御量が制御信号出力処理部208に与えられる。なお、運転モード移行時以外は、制御量演算204で演算された制御量が制御信号出力処理部208に与えられる。
制御信号出力処理部208は、制御量演算部204または移行時制御量演算部207により演算された制御量と、エンジン回転数NENGおよび目標燃焼トルクPi_tに基づいて求められる燃料噴射量や点火時期の制御量等に基づき、制御信号FPD、SAD、θVVL-D、θVCT-D、TVODをそれぞれに応じたアクチュエータに出力する。
上記移行時制御量演算部207において行われる運転モード移行時の演算処理を、図9を参照しつつ説明する。
図9(A)は、本実施形態による場合の運転モード移行時の処理を示しており、目標トルクが変化して運転モードが切換わるとき、ブースト変化や吸気弁閉タイミングの変化の応答遅れを考慮し、目標燃焼トルクPi_tに応答制限処理を施すとともに、ブースト変化と吸気弁閉タイミングの変化とを時間的に調整するようにしている。また、図9(B)は、比較例であって、上記の応答遅れを考慮せずに単に要求に応じて目標燃焼トルクPi_t、目標ブーストBt_t、目標吸気弁閉タイミングIVC_t等を変化させた場合を示している。なお、この図は、早閉じ運転モードから目標トルクが増加して遅閉じ運転モードに移行する場合を示している。
この図では、目標トルクTQ、エリア判定フラグ、目標トルク応答限界、目標トルクの変化率(傾き)dTQ、燃焼トルクPi、スロットル開度TVO、ブーストBt、吸気弁閉タイミングIVC、バルブリフト量θVVLおよびバルブ位相角θVCTの時間的変化を示している。燃焼トルクPiについては一点鎖線が応答制限処理を施す前の目標値、破線が応答処理を施した後の目標値、実線が実際値である。また、スロットル開度TVO、ブーストBt、吸気弁閉タイミングIVC、バルブリフト量θVCT、バルブ位相角θVVLについては、破線が目標値、実線が実際値である。
この図のように、早閉じ運転モードでは、ポンプ損失低減のため、スロットル開度が一定開度(低速域では全開と同等の吸気流通量を確保し得る開度)に保たれ、ブーストは0(大気圧)とされ、吸気弁閉タイミングIVCは第1タイミング(早閉じ)の範囲内で目標トルク等に応じて調整されている。
早閉じ運転モードにある運転領域からアクセルペダルが踏み込まれることによって目標トルクTQが増加すると、それに対応して燃焼トルクPiの目標値が増加するが、この目標値が所定のしきい値Pi0に達すると、移行制御手段の機能を果たす処理(移行制御ステップ)が開始される。そして、移行制御処理の第1のステップとして、吸気弁閉タイミングIVCの目標値が次第に遅角されるとともに、ブーストBtの目標値が所定圧力までいったん低下される。
この場合、燃焼トルクPiの変化には応答限界があり、とくに上記の移行制御でブーストBtが低くされるときにはトルク応答限界が低下し、目標トルクの変化率dTQよりも低くなるため、目標トルクTQの変化に対応させて燃焼トルクPiの目標値を変化させても、実際の燃焼トルクPiは目標値に追随し得ず、目標値に対する実際値の応答遅れが大きくなる。
そこで、トルク応答限界が目標トルクの変化率dTQよりも低くなる期間は、燃焼トルクPiの目標値の変化が制限され(破線)、つまり、燃焼トルクPiの目標値が目標トルクTQに対応した値(一点鎖線)よりも緩やかに変化するように制限される。
移行制御処理が開始されると、ブーストBtを低下させるためにスロットル開度TVOは小さくされる。なお、本実施形態では、スロットル制御の応答性を高めるため、スロットル開度TVOの目標値は進み補正される。
また、ブーストBtの目標値が所定圧力まで低下するとともに、吸気弁閉タイミングIVCの目標値は遅角され、この場合に、トルク応答制限処理が施されていない比較例では、ブーストBtおよび吸気弁閉タイミングIVCの各目標値に対してそれぞれの実際値に大きな応答遅れが生じるが、本実施形態では、応答制限処理が施された燃焼トルクPiに対応してブーストBtの目標値および吸気弁閉タイミングIVCの目標値が変化するため、これらの目標値(破線)に対する実際値(実線)の追随性が高められる。
なお、吸気弁閉タイミングIVCはバルブリフト量θVVLおよびバルブ位相角θVCTによって定まるので、吸気弁閉タイミングIVCの目標値に対応してバルブリフト量θVVLおよびバルブ位相角θVVLの目標値が変化し、これらバルブリフト量θVVLおよびバルブ位相角θVCTについても、本実施形態によれば目標値(破線)に対する実際値(実線)の追随性が高められる。
移行制御処理が進行すると、吸気弁閉タイミングIVCの実際値が所定タイミング(充填効率が最大となる閉タイミング)になることと、ブーストBtの実際値が所定圧力まで低下することとを制限解除条件とし、この制限解除条件が成立したとき、エリア判定フラグが遅閉じに切換えられるとともに、上記応答制限が解除されて、燃焼トルクPiの目標値が急速に増加する。そして、第2のステップの処理として、スロットル開度TVOの目標値が大きくされ、ブーストBtの目標値が上昇されるとともに、吸気弁閉タイミングIVCが上記所定タイミングよりもさらに遅角される。そして、燃焼トルクPi、ブーストBt、吸気弁閉タイミングIVC等が移行後の運転モードにおける目標トルク等に応じた値に達すれば、移行制御処理が終了する。
以上のようなエンジン制御ユニット100により行われる処理をフローチャートで示すと、図10および図11のようになる。
まず、図10を参照して、エンジン制御ユニット100は、各種信号を読み込み(ステップS1)。次いで、アクセル制御信号α、車速信号VSPおよびエンジン回転速度NENGに基づいて、目標トルクTQを算出する(ステップS2)。さらに、算出された目標トルクTQと、予め想定されているトルク損失要素pfとに基づき、目標燃焼トルクPi_tを算出する(ステップS3)。このトルク損失要素pfは、機械抵抗やポンプ損失であり、運転状態(エンジン回転速度NENGや、筒内温度等)に基づいて予め実験等で求められたデータをマップ化したものである。
次いで、エンジン制御ユニット100は、エンジン回転速度NENGに基づき、運転領域切換しきい値L1、L2を算出する(ステップS4)。そして、この運転領域切換しきい値L1、L2と目標燃焼トルクPi_t等に基づき、目標運転領域を算出するとともに、目標運転領域に応じた運転モードを判別する(ステップS5)。さらに、運転モードと目標燃焼トルクPi_t、エンジン回転速度NENG等に基づき、目標ブーストBt_tおよび目標吸気弁閉タイミングIVC_tを算出する(ステップS6)。
次いで、エンジン制御ユニット100は、算出されたパラメータに基づき、運転モードの切換が必要か否かを判定する(ステップS7)。すなわち、現在の運転モードが早閉じモードであって、目標トルクTQの増加により遅閉じモードにすべき運転領域に移行することが予測される場合、あるいは逆に、現在の運転モードが遅閉じモードであって、目標トルクTQの減少により早閉じモードにすべき運転領域に移行することが予測される場合には、運転モードの切換が必要と判断する。
運転モードの切換が不要である場合(ステップS7においてNOの場合)、エンジン制御ユニット100は、通常制御ステップに相当する処理として、現在の運転モードM_nowに対応する制御信号FPD、SAD、θVVL-D、θVCT-D、TVODを出力することによって、吸気弁駆動機構30やスロットル弁57の各アクチュエータを制御する(ステップS8)。その後、リターンし、ステップS1からの処理を繰り返す。
一方、ステップ7で運転モードの切換が必要であると判定した場合(ステップS7においてYESの場合)、エンジン制御ユニット100は、目標燃焼トルクPi_tが所定のしきい値Pi0に達したか否かを判定し(ステップS9)、所定のしきい値Pi0に達すれば、ステップS10以降の、移行制御ステップとしての処理を行なう。
この移行制御ステップとしての処理を、早閉じ運転モードから目標トルクの増加によって遅閉じ運転モードへ移行する場合について説明すると、エンジン制御ユニット100は、目標燃焼トルクPi_tが所定のしきい値Pi0に達した時点から、目標燃焼トルクPi_tの増加を制限し(ステップS10)、つまり、図9中に示すように目標燃焼トルクPi_tの増加を緩やかにする。このように目標燃焼トルクPi_tの増加を制限しつつ、その目標燃焼トルクPi_tの増加に応じて目標吸気弁閉タイミングIVC_tを遅角させる(ステップS11)とともに、目標燃焼トルクPi_tの増加に応じて目標ブーストBt_tを低下させる(ステップS12)。そして、ステップS10〜ステップS12で求められた移行制御中の目標燃焼トルクPi_t、目標吸気弁閉タイミングIVC_tおよび目標ブーストBt_tやその他の制御量に基づき、制御信号FPD、SAD、θVVL-D、θVCT-D、TVODを各アクチュエータに出力する(ステップS13)。
次いでエンジン制御ユニット100は、バルブ位相角θVCTおよびバルブリフト量θVVLに基づいて実吸気弁閉タイミングIVC_eを演算するとともに、吸気圧センサ72により検出される吸気マニホールド圧MAPに基づいて実ブーストBt_eを演算する(ステップS14)。
そして、実吸気弁閉タイミングIVC_eが所定タイミング(充填効率が最大となる閉タイミング)に到達したか否かの判定(ステップS15)と、実ブーストBt_eが所定圧力まで低下したか否かの判定(ステップS16,S17)を行う。
これらの判定に基づき、エンジン制御ユニット100は、実吸気弁閉タイミングIVC_eが所定タイミングに達しておらず、かつ、実ブーストBt_eが所定圧力まで低下していないとき(ステップS15とステップS17がともにNOの場合)は、ステップS10からの処理を繰り返す。実吸気弁閉タイミングIVC_eが所定タイミングに達したが実ブーストBt_eが所定圧力まで低下していないとき(ステップS15がYESでステップS16がNOの場合)は、目標吸気弁閉タイミングIVC_tを所定タイミングに維持してこれと実吸気弁閉タイミングIVC_eとが一致する状態とし(ステップS18)、ブーストのみ変化させるようにしつつ、ステップS13からの処理を繰り返す。また、吸気弁閉タイミングIVC_eが所定タイミングに達していないが実ブーストBt_eが所定圧力まで低下したとき(ステップS15がNOでステップS17がYESの場合)は、目標ブーストBt_tを所定圧力に維持してこれと実ブーストBt_eとが一致する状態とし(ステップS19)、吸気弁閉タイミングのみ変化させるようにしつつ、ステップS13からの処理を繰り返す。
実吸気弁閉タイミングIVC_eが所定タイミングに達し、かつ、実ブーストBt_eが所定圧力まで低下したとき(ステップS15とステップS16がともにYESの場合)、エンジン制御ユニット100は、目標燃焼トルクPi_tの変化の制限を解除する(ステップS20)とともに、目標燃焼トルクPi_tの増加に応じて目標吸気弁閉タイミングIVC_tをさらに遅角し(ステップS21)、かつ、目標燃焼トルクPi_tの増加に応じて目標ブーストBt_tを上昇させる(ステップS22)。
次いで、エンジン制御ユニット100は、モード移行が終了したか否かを判定し(ステップS23)、終了していなければステップS21からの処理を繰り返し、終了すればリターンする。
なお、上記ステップS9〜S23の処理は、遅閉じ運転モードから目標トルクの減少によって早閉じ運転モードへ移行する場合にも適用される。ただしこの場合、上記フローチャート中に括弧書きで示すように、ステップS10では目標燃焼トルクPi_tの減少を制限し、ステップS11では目標燃焼トルクPi_tの減少に応じて目標吸気弁閉タイミングIVC_tを進角させ、ステップS12では目標燃焼トルクPi_tの減少に応じて目標ブーストBt_tを低下させる。また、ステップS21では目標燃焼トルクPi_tの減少に応じて目標吸気弁閉タイミングIVC_tを進角させ、ステップS22では目標燃焼トルクPi_tの減少に応じて目標ブーストBt_tを上昇させることとなる。
以上のような本実施形態の方法および装置によると、目標気筒空気量が所定空気量よりも小さいときは、早閉じ動作によって第1閉弁タイミング範囲IVC1st内で吸気弁21が閉じられる一方、目標気筒空気量が所定空気量以上のときは、遅閉じ動作によって第1閉弁タイミング範囲IVC1stよりも遅角し、且つ離間した第2閉弁タイミング範囲IVC2nd内で吸気弁21が閉じられる。従って、目標気筒空気量が比較的小さい運転領域では、早閉じ動作によって、要求される空気量に相応した小さな開弁量によって内燃機関を運転し、過大な動弁動作による機械損失を低減することができるとともに、スロットル弁57が全開若しくは全開相当の開度とされて吸気圧力が大気圧程度に高くされることでポンプ損失が低減される。
一方、目標気筒空気量が高い運転領域では、遅閉じ動作によって、プリイグニション等の異常燃焼を回避しつつ、必要な気筒空気量を確保し、高い機関出力を得ることができる。また、目標気筒空気量の高い機関高負荷状態では、機関出力が高まるので、その後エンジン回転速度NENGが上昇する可能性が高く、エンジン回転速度NENGが高いほど一定の充填効率を得る吸気弁閉タイミングIVCが遅くなるので、遅閉じとすることは高速域での気筒空気量の確保に有利である。また、遅閉じとすることで有効圧縮比を低下させて、ポンプ損失を低減するとともに、高圧縮比に伴う問題の発生を防止しつつ、膨張比を高めて、機関運転効率を向上させることができる。
また、早閉じ運転モードから遅閉じ運転モードへの移行時、あるいは遅閉じ運転モードから早閉じ運転モードへの移行時に行われる移行制御ステップとしての処理(ステップS10〜S22)では、先ず第1のステップで、目標燃焼トルクの増加(または減少)に応じ、吸気弁閉タイミングを所定タイミングまで遅角(または進角)させるとともに、吸気圧力を所定圧力まで低下させ、次に第2のステップで、吸気弁閉タイミングをさらに遅角(進角)させるとともに吸気圧力を上昇させるため、吸気弁閉タイミングが所定タイミング(充填効率が最大となる吸気弁閉タイミング)を通過するときに気筒空気量が増大する傾向を吸気圧力の低下により打ち消して、プリイグニッション等の異常燃焼を防止することができる。
とくに、上記第1のステップで、吸気弁閉タイミングが所定タイミングに達したがブーストが所定圧力まで低下していないときには、ブーストが所定圧力に低下するまで待ち、また、ブーストが所定圧力まで低下したが吸気弁閉タイミングが所定タイミングに達していないときには、吸気弁閉タイミングが所定タイミングに達するのを待つようにして、吸気弁閉タイミングが所定タイミングに達するという条件とブーストが所定圧力まで低下するという条件の両方が成立してから、上記第2のステップの処理を行なうようにしている。このため吸気弁閉タイミングが所定タイミングを通過する時期と、ブーストが所定圧力まで低下する時期との時間的ずれをなくし、吸気弁閉タイミングの変化の途中で気筒空気量が増大する傾向を打ち消す作用を確実に達成し、異常燃焼を確実に防止することができる。
さらに、上記第1のステップでブーストを低下させる期間に、目標燃焼トルクの変化率を制限する応答制限処理を施し、この応答制限処理を施した目標燃焼トルクの変化に応じて目標吸気弁閉タイミングおよび目標ブーストを変化させるようにしているため、吸気弁閉タイミングおよびブーストの目標値に対する実際値の追随性を高め、制御性を向上することができる。従って、より確実に、吸気弁閉タイミングの変化とブーストの変化の応答性のずれをなくし、異常燃焼を防止する作用を高めることができる。
なお、上述した実施の形態は、本発明の好ましい具体例を例示したものに過ぎず、本発明は上述した実施形態に限定されない。本発明の特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
本発明の実施の一形態に係る内燃機関の概略構成図である。 図1の実施形態に係る吸気弁駆動機構の具体的な構成を示す斜視図である。 図2の吸気弁駆動機構の要部を示す断面図であり、(A)は大リフト制御状態においてバルブリフト量が0のときを示し、(B)は大リフト制御状態においてバルブリフト量が最大のときを示し、(C)は小リフト制御状態においてバルブリフト量が0のときを示し、(D)は小リフト制御状態においてバルブリフト量が最大のときを示している。 本実施形態に係る吸気弁駆動機構の設定例を示す図である。 運転領域の設定例を示す特性図である。 早閉じ運転モードでの制御例を示す図であり、(A)は、吸気弁閉タイミングの制御例、(B)はスロットル開度の制御例である。 遅閉じ運転モードでの制御例を示す図であり、(A)は、吸気弁閉タイミングの制御例、(B)は、スロットル開度の制御例である。 エンジン制御ユニットによる制御の具体的なアルゴリズムの一例を示すブロック図である。 移行制御ステップを実行した場合の一例を示すタイミングチャートである。 エンジン制御ユニットにより行われる演算制御処理の一例を示すフローチャートである。 エンジン制御ユニットにより行われる演算制御処理の一例を示すフローチャートである。
1 エンジン(内燃機関)
11 シリンダ
21 吸気弁
30 吸気弁駆動機構
32 位相可変機構
33 可変バルブリフト機構
57 スロットル弁
100 エンジン制御ユニット(制御器)
IVC1st 第1閉弁タイミング範囲
IVC2nd 第2閉弁タイミング範囲
IVCIM 中間閉弁タイミング範囲
EIVC 早閉じ運転モード
LIVC 遅閉じ運転モード
EIVC 早閉じモード運転領域
LIVC 遅閉じモード運転領域

Claims (13)

  1. 内燃機関のクランクシャフトの回転に同期して往復動して吸気通路を気筒から開閉遮断する吸気弁を備えるとともに、該吸気弁の閉タイミングが変更可能となっている内燃機関を制御する方法であって、
    気筒に充填される空気量の目標値である目標気筒空気量が所定空気量よりも小さいときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも進角側の第1閉タイミング範囲内に設定する早閉じ運転モードとし、上記目標気筒空気量が所定空気量以上のときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも遅角側の第2閉タイミング範囲内に設定する遅閉じ運転モードとして、運転モードに応じた吸気弁閉タイミングの制御を行う通常制御ステップと、
    上記早閉じ運転モードから目標気筒空気量の増加によって上記遅閉じ運転モードへ移行するときの制御を行う移行制御ステップとを有し、
    移行制御ステップは、目標気筒空気量の増加に応じ、吸気弁閉タイミングを所定タイミングまで遅角させるとともに、吸気圧力を所定圧力まで低下させる第1のステップと、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングとなり、かつ、吸気圧力が上記所定圧力まで低下してから、吸気弁閉タイミングをさらに遅角させるとともに吸気圧力を上昇させる第2のステップとを含んでおり、
    上記第1のステップにおいて、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに達した時点で吸気圧力が上記所定圧力に達していないときは、吸気圧力が上記所定圧力に達するまで、吸気弁閉タイミングを上記所定タイミングに維持する
    ことを特徴とする内燃機関の制御方法。
  2. 内燃機関のクランクシャフトの回転に同期して往復動して吸気通路を気筒から開閉遮断する吸気弁を備えるとともに、該吸気弁の閉タイミングが変更可能となっている内燃機関を制御する方法であって、
    気筒に充填される空気量の目標値である目標気筒空気量が所定空気量よりも小さいときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも進角側の第1閉タイミング範囲内に設定する早閉じ運転モードとし、上記目標気筒空気量が所定空気量以上のときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも遅角側の第2閉タイミング範囲内に設定する遅閉じ運転モードとして、運転モードに応じた吸気弁閉タイミングの制御を行う通常制御ステップと、
    上記早閉じ運転モードから目標気筒空気量の増加によって上記遅閉じ運転モードへ移行するときの制御を行う移行制御ステップとを有し、
    移行制御ステップは、目標気筒空気量の増加に応じ、吸気弁閉タイミングを所定タイミングまで遅角させるとともに、吸気圧力を所定圧力まで低下させる第1のステップと、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングとなり、かつ、吸気圧力が上記所定圧力まで低下してから、吸気弁閉タイミングをさらに遅角させるとともに吸気圧力を上昇させる第2のステップとを含んでおり、
    上記第1のステップにおいて、吸気圧力が上記所定圧力まで低下した時点で吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングにまで達していないときは、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに達するまで、吸気圧力を上記所定圧力に維持する
    ことを特徴とする内燃機関の制御方法。
  3. 内燃機関のクランクシャフトの回転に同期して往復動して吸気通路を気筒から開閉遮断する吸気弁を備えるとともに、該吸気弁の閉タイミングが変更可能となっている内燃機関を制御する方法であって、
    気筒に充填される空気量の目標値である目標気筒空気量が所定空気量よりも小さいときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも進角側の第1閉タイミング範囲内に設定する早閉じ運転モードとし、上記目標気筒空気量が所定空気量以上のときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも遅角側の第2閉タイミング範囲内に設定する遅閉じ運転モードとして、運転モードに応じた吸気弁閉タイミングの制御を行う通常制御ステップと、
    上記遅閉じ運転モードから目標気筒空気量の減少によって上記早閉じ運転モードへ移行するときの制御を行う移行制御ステップとを有し、
    移行制御ステップは、目標気筒空気量の減少に応じ、吸気弁閉タイミングを所定タイミングまで進角させるとともに、吸気圧力を所定圧力まで低下させる第1のステップと、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングとなり、かつ、吸気圧力が上記所定圧力まで低下してから、吸気弁閉タイミングをさらに進角させるとともに吸気圧力を上昇させる第2のステップとを含んでおり、
    上記第1のステップにおいて、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに達した時点で吸気圧力が上記所定圧力に達していないときは、吸気圧力が上記所定圧力に達するまで、吸気弁閉タイミングを上記所定タイミングに維持する
    ことを特徴とする内燃機関の制御方法。
  4. 内燃機関のクランクシャフトの回転に同期して往復動して吸気通路を気筒から開閉遮断する吸気弁を備えるとともに、該吸気弁の閉タイミングが変更可能となっている内燃機関を制御する方法であって、
    気筒に充填される空気量の目標値である目標気筒空気量が所定空気量よりも小さいときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも進角側の第1閉タイミング範囲内に設定する早閉じ運転モードとし、上記目標気筒空気量が所定空気量以上のときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも遅角側の第2閉タイミング範囲内に設定する遅閉じ運転モードとして、運転モードに応じた吸気弁閉タイミングの制御を行う通常制御ステップと、
    上記遅閉じ運転モードから目標気筒空気量の減少によって上記早閉じ運転モードへ移行するときの制御を行う移行制御ステップとを有し、
    移行制御ステップは、目標気筒空気量の減少に応じ、吸気弁閉タイミングを所定タイミングまで進角させるとともに、吸気圧力を所定圧力まで低下させる第1のステップと、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングとなり、かつ、吸気圧力が上記所定圧力まで低下してから、吸気弁閉タイミングをさらに進角させるとともに吸気圧力を上昇させる第2のステップとを含んでおり、
    上記第1のステップにおいて、吸気圧力が上記所定圧力まで低下した時点で吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングにまで達していないときは、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに達するまで、吸気圧力を上記所定圧力に維持する
    ことを特徴とする内燃機関の制御方法。
  5. 請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の内燃機関の制御方法において、
    上記通常制御ステップで、早閉じ運転モードにあるときは、上記所定空気量よりも小さい範囲内での目標気筒空気量の増減に応じ、吸気圧力を略一定に維持しつつ、吸気弁閉タイミングを変更することを特徴とする内燃機関の制御方法。
  6. 請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の内燃機関の制御方法において、
    上記移行制御ステップの第1のステップでは、吸気圧力を低下させる期間に、目標気筒空気量の変化に応答制御処理を施すことを特徴とする内燃機関の制御方法。
  7. 請求項6記載の内燃機関の制御方法において、
    上記移行制御ステップは、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングとなり、かつ、吸気圧力が上記所定圧力まで低下した後は、上記応答制限処理を弱めることを特徴とする内燃機関の制御方法。
  8. 請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の内燃機関の制御方法において、
    上記所定タイミングは、充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングであることを特徴とする内燃機関の制御方法。
  9. 内燃機関のクランクシャフトの回転に同期して往復動して吸気通路を気筒から開閉遮断する吸気弁と、該吸気弁の変位特性を調整する変位調整機構と、吸気圧力を調整する吸気圧力調整手段と、これら変位調整機構および吸気圧力調整手段を制御することによって吸気弁閉タイミングおよび吸気圧力を制御する制御器とを備え、
    上記制御器は、
    気筒に充填される空気量の目標値である目標気筒空気量が所定空気量よりも小さいときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも進角側の第1閉タイミング範囲内に設定する早閉じ運転モードとし、上記目標気筒空気量が所定空気量以上のときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも遅角側の第2閉タイミング範囲内に設定する遅閉じ運転モードとして、運転モードに応じた吸気弁閉タイミングの制御を行う手段と、
    上記早閉じ運転モードから目標気筒空気量の増加によって上記遅閉じ運転モードへ移行するときの制御を行う移行制御手段とを有し、
    移行制御手段は、目標気筒空気量の増加に応じ、吸気弁閉タイミングを所定タイミングまで遅角させるとともに、吸気圧力を所定圧力まで低下させる第1の制御と、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングとなり、かつ、吸気圧力が上記所定圧力まで低下してから、吸気弁閉タイミングをさらに遅角させるとともに吸気圧力を上昇させる第2の制御とを行うように構成されており、
    上記第1の制御において、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに達した時点で吸気圧力が上記所定圧力に達していないときは、吸気圧力が上記所定圧力に達するまで、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに維持される
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  10. 内燃機関のクランクシャフトの回転に同期して往復動して吸気通路を気筒から開閉遮断する吸気弁と、該吸気弁の変位特性を調整する変位調整機構と、吸気圧力を調整する吸気圧力調整手段と、これら変位調整機構および吸気圧力調整手段を制御することによって吸気弁閉タイミングおよび吸気圧力を制御する制御器とを備え、
    上記制御器は、
    気筒に充填される空気量の目標値である目標気筒空気量が所定空気量よりも小さいときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも進角側の第1閉タイミング範囲内に設定する早閉じ運転モードとし、上記目標気筒空気量が所定空気量以上のときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも遅角側の第2閉タイミング範囲内に設定する遅閉じ運転モードとして、運転モードに応じた吸気弁閉タイミングの制御を行う手段と、
    上記早閉じ運転モードから目標気筒空気量の増加によって上記遅閉じ運転モードへ移行するときの制御を行う移行制御手段とを有し、
    移行制御手段は、目標気筒空気量の増加に応じ、吸気弁閉タイミングを所定タイミングまで遅角させるとともに、吸気圧力を所定圧力まで低下させる第1の制御と、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングとなり、かつ、吸気圧力が上記所定圧力まで低下してから、吸気弁閉タイミングをさらに遅角させるとともに吸気圧力を上昇させる第2の制御とを行うように構成されており、
    上記第1の制御において、吸気圧力が上記所定圧力まで低下した時点で吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングにまで達していないときは、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに達するまで、吸気圧力が上記所定圧力に維持される
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  11. 内燃機関のクランクシャフトの回転に同期して往復動して吸気通路を気筒から開閉遮断する吸気弁と、該吸気弁の変位特性を調整する変位調整機構と、吸気圧力を調整する吸気圧力調整手段と、これら変位調整機構および吸気圧力調整手段を制御することによって吸気弁閉タイミングおよび吸気圧力を制御する制御器とを備え、
    上記制御器は、
    気筒に充填される空気量の目標値である目標気筒空気量が所定空気量よりも小さいときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも進角側の第1閉タイミング範囲内に設定する早閉じ運転モードとし、上記目標気筒空気量が所定空気量以上のときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも遅角側の第2閉タイミング範囲内に設定する遅閉じ運転モードとして、運転モードに応じた吸気弁閉タイミングの制御を行う手段と、
    上記遅閉じ運転モードから目標気筒空気量の減少によって上記早閉じ運転モードへ移行するときの制御を行う移行制御手段とを有し、
    移行制御手段は、目標気筒空気量の減少に応じ、吸気弁閉タイミングを所定タイミングまで進角させるとともに、吸気圧力を所定圧力まで低下させる第1の制御と、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングとなり、かつ、吸気圧力が上記所定圧力まで低下してから、吸気弁閉タイミングをさらに進角させるとともに吸気圧力を上昇させる第2の制御とを行うように構成されており、
    上記第1の制御において、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに達した時点で吸気圧力が上記所定圧力に達していないときは、吸気圧力が上記所定圧力に達するまで、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに維持される
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  12. 内燃機関のクランクシャフトの回転に同期して往復動して吸気通路を気筒から開閉遮断する吸気弁と、該吸気弁の変位特性を調整する変位調整機構と、吸気圧力を調整する吸気圧力調整手段と、これら変位調整機構および吸気圧力調整手段を制御することによって吸気弁閉タイミングおよび吸気圧力を制御する制御器とを備え、
    上記制御器は、
    気筒に充填される空気量の目標値である目標気筒空気量が所定空気量よりも小さいときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも進角側の第1閉タイミング範囲内に設定する早閉じ運転モードとし、上記目標気筒空気量が所定空気量以上のときには、吸気弁閉タイミングを充填効率が最大となる吸気弁閉タイミングよりも遅角側の第2閉タイミング範囲内に設定する遅閉じ運転モードとして、運転モードに応じた吸気弁閉タイミングの制御を行う手段と、
    上記遅閉じ運転モードから目標気筒空気量の減少によって上記早閉じ運転モードへ移行するときの制御を行う移行制御手段とを有し、
    移行制御手段は、目標気筒空気量の減少に応じ、吸気弁閉タイミングを所定タイミングまで進角させるとともに、吸気圧力を所定圧力まで低下させる第1の制御と、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングとなり、かつ、吸気圧力が上記所定圧力まで低下してから、吸気弁閉タイミングをさらに進角させるとともに吸気圧力を上昇させる第2の制御とを行うように構成されており、
    上記第1の制御において、吸気圧力が上記所定圧力まで低下した時点で吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングにまで達していないときは、吸気弁閉タイミングが上記所定タイミングに達するまで、吸気圧力が上記所定圧力に維持される
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  13. 請求項9乃至12のうちのいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、上記変位調整機構は、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を変更可能にした位相可変機構と、吸気弁のリフト量を連続的に変更可能にした可変バルブリフト機構とで構成されている
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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