JP5102935B2 - 洗浄組成物及び該洗浄組成物を含浸させた拭き取り材 - Google Patents

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本発明は、二塩基酸エステルを含有する洗浄組成物及び前記組成物を含浸させた拭き取り材に関する。
従来、車体などへの塗装作業で誤って手に塗料等の汚れが付着した場合や壁への落書きがされた場合に、その汚れを落とす洗浄剤としてはいわゆるシンナーや溶剤及び研磨剤を含む洗浄剤が使用されていた。シンナーには、トルエンなどの芳香族炭化水素が含まれており塗料の粘度を下げる効果があるため、付着した塗料を容易に落とす性質がある。また、溶剤及びパーライトなどの研磨剤を含む洗浄剤は、手洗い用としてよく使用され、手をこすり合わせることで手と研磨剤との摩擦によって手に付着した塗料を落とすものである。上記の技術に関連する洗浄組成物の例としては、特許文献1に開示された洗浄組成物が公知である。
特開2001−240896号公報
しかしながら、従来のように付着した塗料等の汚れ落としの洗浄剤としてシンナーや溶剤及び研磨剤を含む洗浄剤が使用されると以下のような問題が生じていた。すなわち、シンナーを洗浄剤として使用すると付着した汚れはよく溶解するものの、溶解して希釈された汚れが伸びていわゆる拭き伸びが被塗装物に残ってしまうという問題がある。この拭き伸びを解決するためにシンナーと水とを併用して洗浄したとしても、シンナーは水が加わると塗料に対する溶解力が急激に低下する性質があり、完全に塗料を除去することはできない。例えば、塗料で壁にされた落書きをシンナーで落とすとその落書きは即座にシンナーで希釈されるが、壁には薄っすらと塗料が残ったままの状態となることがある。また、シンナーは人体に悪影響を及ぼすことが周知の事実である。例えば、手に付着した塗料をシンナーで手洗いを行うと手が荒れたり手が変色したりすることが知られている。
一方、溶剤及び研磨剤を含む洗浄剤を使用すると、被塗装物と研磨剤との摺り合わせによって被塗装物が傷ついてしまうという問題がある。また、溶剤及び研磨剤を含む洗浄剤を長期間の使用することにより研磨剤が排水管や下水管に堆積して排水効率が悪くなるという点も指摘されている。
本発明は上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、水との共存状態においても汚れへの溶解力を低下させず、被塗装物に拭き伸びを残さないことにある。また、被塗装物に傷をつけないで付着した汚れを落とすことにある。
本発明は前記課題を解決するために、次の手段をとる。
まず、第1の発明は、二塩基酸エステル、水溶性溶剤、界面活性剤および水を含有する洗浄組成物である。
この第1の発明によれば、水との共存状態においても汚れへの溶解力が低下しない洗浄組成物を得ることができる。また、洗浄した後においても被塗装物に拭き伸びは生じないし、被塗装物に傷をつけることなく汚れを落とすことができる。なお、汚れを効率よく落とすためには可溶化した洗浄組成物を用いることが好ましい。
ここで、本発明にいう「二塩基酸エステル」とは、ROOC(CHCOORで示される化合物で、式中のR、Rはアルキル基またはフェニル基、nは任意の整数を指している。例えば、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、グルタル酸ジメチルなどの内の1種化合物又は2種以上を混合物として選択することができる。この二塩基酸エステルを配合するに際しては、洗浄組成物の全重量に対して30重量部〜40重量部とすることが好ましい。さらに好ましくは34重量部〜38重量部である。
前記界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を使用することができる。例えば、アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩(セッケン)、アルファスルホ脂肪酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。両イオン性界面活性剤としては、アルキルカルボキシベタイン等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミド等が挙げられる。
また、本発明に係る洗浄組成物には、上記のような成分以外に香料、消臭剤、除菌剤、手荒れ防護剤及び防腐剤などの各種の添加剤を配合することもできる。
次に第2の発明は、上記した第1の発明に係る洗浄組成物において、前記二塩基酸エステルは、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル 、アジピン酸ジメチルのいずれか1種の化合物あるいは2種類以上の混合物であることを特徴とする。
この第2の発明によれば、広範囲のポリマーに対して高い溶解力を発揮し得るため洗浄組成物としての汎用性が広がるというメリットがある。また、使用してもオゾン層への影響が少ないので環境問題にも貢献できる。さらには、人体への危険性も少ないので使用環境の改善を図ることもできる。
次に第3の発明は、上記した第1の発明又は第2の発明に係る洗浄組成物において、前記水溶性溶剤は、アルコール、エーテル及びエステルのいずれか1種の化合物あるいは2種類以上の混合物であることを特徴とする。
この第3の発明によれば、洗浄組成物を構成する他の化合物を混合する際に最適な溶剤を選択することができる。
前記アルコールとしては、エタノール、プロパノールなどの1価アルコール、プロピレングリコールプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール等が挙げられる。
また、前記エーテルとしては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル等が挙げられる。
また、前記エステルとしては、酢酸イソアミル、酢酸アミル、酪酸エチル、酢酸オクチル等が挙げられる。
これらの水溶性溶剤は、塗料等の原材料として使用される樹脂に対して高い溶解力があると洗浄組成物自体の洗浄能力が向上する。
次に第4の発明は、上記した第1の発明から第3の発明のいずれかの発明に係る洗浄組成物を含浸させたことを特徴とする拭き取り材である。
この第4の発明によれば、被塗装物に付着した汚れを落とす手段が簡便となる。すなわち、洗浄組成物を液剤として使用しなくても塗料等の汚れを簡単に落とすことができる。また、拭き取り材に洗浄組成物を含浸させれば使用時の洗浄組成物の量がほぼ一定となるので、洗浄組成物の消費量を抑えることができる。例えば、箱型形状の入れ物に予め洗浄組成物を含浸させたシート状の拭き取り材を何枚か入れておき、使用時に必要な分だけ取り出して使用することができる。加えて、持ち運びの面においても携帯性がよくなり大変便利である。さらに、本発明に係る洗浄組成物は水への溶解性が高いため、拭き取り時に若干手に洗浄組成物が残っていたとしても簡単に水で洗い流すことができる。
次に第5の発明は、上記した第4の発明に係る拭き取り材において、前記拭き取り材は不織布で構成されており、該不織布は凹凸又は研磨性を有することを特徴とする。
この第5の発明によれば、被塗装物の表面が粗くザラザラしているような場合には、拭き取る際に表面に入り込んだ汚れと拭き取り材とが接触しやすくなるため洗浄能力が向上する。また、洗浄組成物自体の洗浄能力も高いので、軽く拭き取る程度の力量で難なく汚れを落とすことができる。すなわち、付着物の拭き取り時に被塗装物の表面を傷つけることを極力抑えることができる。さらに、拭き取り材を不織布で構成すると、使用済みの拭き取り材を洗浄して再利用ができるという利点もある。
次に第6の発明は、上記した第5の発明に係る拭き取り材において、前記不織布の素材は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン及びパルプのいずれか1種の化合物あるいは2種類以上の混合物を配合したことを特徴とする。
この第6の発明によれば、前記ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン及びパルプには親油性部分が存在し、拭き取りの際に汚れ部分がこの親油性部分に付着するため拭き取り材としての洗浄能力がさらに向上する。また、拭き取りに要する力量もさらに軽減される。そして、拭き取ることによって汚れが周囲に広がる拭き伸びや汚れの再付着の発生を防止することもできる。加えて、これらの素材は加工が容易で不織布を構成する素材として入手しやすいため、拭き取り材を大量生産できるというメリットがある。なお、前記パルプとして天然パルプを用いると柔らかくかつ耐久性の強い拭き取り材を得ることができる。
本発明は上述した手段をとることにより、次の効果を得ることができる。
まず、第1の発明においては、水との共存状態においても溶解力が急激に低下することがない洗浄組成物を得ることができる。つまり、被塗装物に付着した塗料等の汚れを水とともに洗浄しても拭き伸びを起こさないでしかも付着した汚れを再付着することなくきれいに落とすことができる。また、研磨材を積極的に用いていないので、被塗装物の表面が傷つくことがなく、洗い流しても下水管や配水管が詰まるという問題が生じない。
次に第2の発明によれば、洗浄組成物として汎用性が向上し、しかも安全性の高い洗浄組成物を得ることができる。
次に第3の発明によれば、洗浄組成物を構成する他の化合物の組成に応じて最適な溶剤を選択することができる。例えば、配合する二塩基酸エステルの性質に応じてアルコールの配合比を多くしたり、アルコール、エーテル及びエステルの配合比を適宜選択したりして調製することができる。
次に第4の発明によれば、被塗装物に付着した汚れを落とす手段が簡便となる。例えば、手についた塗料などの汚れを拭き取り材で軽く拭き取るだけで汚れを落とすことができる。また、壁等にされた落書きに対してはその落書き部分を軽く拭き取るだけで簡単に落書きを落とすことができる。
次に第5の発明によれば、被塗装物に付着した汚れと拭き取り材が接触しやすくなるので、拭き取り材としての洗浄能力を向上する効果がある。
次に第6の発明によれば、拭き取り材としての洗浄力がさらに向上し、加えて拭き取り材を大量生産できるという利点がある。また、汚れが拭き取り材に充分に付着されるので被塗装物への再付着も防止され得る。
本発明に係る洗浄組成物は、塗装作業等で手などに誤ってついた塗料等の汚れに対して顕著な洗浄効果を示す洗浄組成物である。この洗浄効果が高くなる理由は、塗料等の溶剤に対して高い溶解力を持つ二塩基酸エステルが、水溶性溶剤、界面活性剤及び水とバランスよく配合されているからであると考えられる。また、水洗いと併用して洗浄しても洗浄組成物自体に水が配合された安定した組成物となっているため、洗浄時に水と共存しても急激に洗浄能力が低下しないからであると考えられる。
本発明の実施例として、上述した洗浄組成物を下記に示す配合にて調製を行った。まず、二塩基酸エステル及び水溶性溶剤を混合し、界面活性剤を加えて攪拌した。次に、水を加えてさらに攪拌して可溶化し澄明な液剤として本実施例の洗浄組成物とした。これにより安定かつ分離性の少ない洗浄組成物を得ることができる。洗浄組成物の調製はいずれも重量パーセント濃度換算で行った。なお、下記二塩基酸エステルはコハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチルの3種類の混合物を選択し、二塩基酸エステルの濃度はこれらの総重量と示した。
(実施例1)
二塩基酸エステル 35g
ジエチレングリコールブチルエーテル 15g
ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミド 25g
水 25g
(実施例2)
二塩基酸エステル 35g
プロパノール 20g
脂肪酸ジエタノールアミド 25g
水 20g
本実施例の効果を示すために、上記実施例1及び実施例2の洗浄組成物と、シンナー(比較例1)及び市販の塗料用研磨材入り洗浄剤(比較例2)との洗浄比較試験を行った。
図1は、本実施例の効果を示す洗浄比較試験に用いた試験用塗板1の斜視図である。この試験用塗板1は、長方形状の鉄板に白色のアクリルウレタン塗料2を塗装し完全にその塗料を硬化させた塗装面にアクリル変性の青色ラッカースプレー(塗装物)3を塗装し、72時間自然乾燥させたものを用いた。図1で見て手前から順に比較例1、比較例2、実施例1及び実施例2となるように試験箇所を設定した。
試験項目及び評価方法は、下記に示す通りである。
(1)初期溶解力確認試験
比較例1及び比較例2を布に含浸させ、実施例1及び実施例2をポリエステル製の不織布に含浸させて、試験用塗板1の各試験箇所の塗装物を軽く1回拭き取り塗装物に対する溶解力を確認した。評価方法は、溶解が良好に行われた場合には「○」、あまり良好でない場合には「△」、溶解が不完全な場合には「×」として評価した。
(2)拭き取り試験
比較例1及び比較例2を布に含浸させ、実施例1及び実施例2をポリエステル製の不織布に含浸させて、試験用塗板1の各試験箇所において下地の白色のアクリルウレタン塗料2が見えてくる程度までの塗装物3を拭き取る試験を行った。評価方法は、塗装物が良好に落ちた場合には「○」、やや拭き伸びや再付着が見られた場合には「△」、拭き伸びや再付着が目立つ場合には「×」として評価した。
(3)水洗い試験
上記拭き取り試験と同じ方法で、数回の拭き取りと塗装物への水洗いを交互に繰り返し塗装物を洗浄する試験を行った。評価方法は、水洗いとの併用で塗装物が良好に落ちた場合には「○」、水洗いとの併用であまり効果が見られない場合には「△」、水洗いとの併用で全く効果が見られない場合には「×」として評価した。
(4)表面確認試験
上記拭き取り試験後に試験用塗板1の各試験箇所の表面を確認する試験を行った。評価方法は、表面に拭き取りによるキズがほとんど認められない場合には「○」、表面に拭き取りによるキズが若干認められる場合には「△」、表面に拭き取りによるキズが著しく認められる場合には「×」として評価した。
これらの各試験結果を以下の表1に示す。
Figure 0005102935
(1)初期溶解力確認試験では、表1に示すように、各実施例では溶解が良好に行われたのに対し、市販の塗料用研磨材入り洗浄剤を用いた比較例2は、各実施例の洗浄組成物よりも溶解力は低いことが確認された。これは市販の塗料用研磨材入り洗浄剤は塗装物を溶解するに際し、その溶解力が研磨剤の摺り合わせによる効果に依存するところが大きいからであると思われる。なお、シンナーは塗装物に対して溶解力が高いことが確認された。このことから、本実施例に係る洗浄組成物はシンナーと同等程度の溶解力を有することが確認された。
(2)拭き取り試験では、表1に示すように、各実施例では塗装物が良好に洗浄されたのに対し、シンナーを用いた比較例1は表面上に拭き伸びや再付着が顕著に見られた。これはシンナーにより溶解した塗装物が布に充分に付着されないからであると思われる。また、市販の塗料用研磨材入り洗浄剤を用いた比較例2ではシンナーを用いた比較例1に比べて拭き伸びや再付着はさほど見られなかったが、表面に研磨剤が若干残存じていた。
(3)水洗い試験では、表1に示すように、各実施例では水洗いとの併用でも塗装物が良好に落ちたのに対し、シンナーを用いた比較例1では水洗いとの併用で全く効果が見られなかった。つまり、本実施例に係る洗浄組成物は、水との共存状態においても汚れへの溶解力が低下しないことが確認された。一方、シンナーは水と共存した場合に急激に溶解力が低下する性質があるため水洗いとの併用による洗浄はほとんど効果がないことが確認された。
(4)表面確認試験では、表1に示すように、各実施例では表面に拭き取りによるキズがほとんど認められなかったのに対し、市販の塗料用研磨材入り洗浄剤を用いた比較例2では、表面に拭き取りによるキズが著しく認められた。これは、上述した表面に残存した研磨剤が試験用塗板1と布との間で摺り合わされて拭き取り時にキズとなって発生したものと考えられる。
以上の結果から、各実施例は全ての試験において良好な結果が得られた。つまり、各実施例に係る洗浄組成物を用いると、塗装物へいわゆる拭き伸びや再付着を起こすことなく、しかも被塗装物に傷をつけないで塗装物を効率よく洗浄できることが確認された。
図2は、本実施例に係る洗浄組成物4を噴霧器5に収容し、その噴霧器5により洗浄組成物4を塗料6の付着箇所(手)に直接噴霧している状態を示している。洗浄組成物4を塗料の付着箇所に対して均一に適用するためには、図2に示すように、洗浄組成物4を噴霧器5に収容しておくのが便利である。洗浄組成物4を噴霧器5に収容することにより、洗浄組成物4を塗料の付着箇所に対して均一に適用することが可能になる。
別途上記の各実施例の効果を確認する試験として、上述のようにして得られた各実施例の洗浄組成物を手に付着した塗料に噴霧して手をこすり合わせて、その後水道水で手を洗ったところ、いずれの実施例に係る洗浄組成物においても付着した塗料をほぼ完全に落とすことができた。この際、手に洗浄組成物が残っているような嫌なベトツキ感や手が荒れたり手が変色するような外傷は見られなかった。これは、本実施例に係る洗浄組成物の洗浄能力が高く、手に直接作用させた場合においても安全性が高い洗浄剤だからであると考えられる。しかも、この洗浄組成物は水にも溶解する性質を有しているため、使用後に洗浄組成物が手の表面に残存するといった問題がないことが示唆された。また、積極的に研磨材を使用していないことから下水管や配水管が詰まるという問題も生じない。
図3は、本実施例に係る洗浄組成物を含浸させたシート状の拭き取り材7を長方形箱型形状の収容容器8に収容されている状態を示している。このシート状の拭き取り材7は収容容器8内に積層して収容されており1枚ずつ取り出し可能な構成となっている。このような構成とすると、拭き取り材の持ち運びが便利であるし、必要最小限の拭き取り材を使用することができる。また、このシート状の拭き取り材7は、不織布で構成されており、しかも研磨性を有している。そして、この不織布の素材は、ポリエステルを採用しているため、加工しやすく大量生産に資するものである。
別途上記の各実施例の効果を確認する試験として、上述のようにして得られた各実施例の洗浄組成物を含浸させた拭き取り材で壁に塗料でされた落書きを拭き取ったところ、数回の拭き取りで簡便に塗料を落とすことができた。また、拭き取り作業後の壁にはいわゆる拭き伸びや再付着は見られず、壁に目立った摺り傷は見られなかった。これは、本実施例に係る洗浄組成物の洗浄能力が高く、拭き取り材の素材の性質から塗料が拭き取り材に充分に付着されていることに起因するものだからと考えられる。しかも、拭き取り材が研磨性を有していても被塗装物の表面を傷つけることなく塗料を洗浄できることが確認された。この拭き取った後の拭き取り材は固形物のゴミとして処理すれば、塗料等の汚れが排水管や下水管に流出することもない。
本実施例で用いた試験塗装板を示す斜視図である。 本実施例に係る洗浄組成物を噴霧器に収容して、その噴霧器により洗浄組成物を塗料の付着箇所(手)に直接噴霧している状態を示す説明図である。 本実施例に係る洗浄組成物を含浸させたシート状の拭き取り材が収容容器に収容されている状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 試験塗装板
2 アクリルウレタン塗料
3 塗装物(青色ラッカースプレー)
4 洗浄組成物
5 噴霧器
6 塗料
7 拭き取り材
8 収容容器

Claims (4)

  1. 二塩基酸エステル、水溶性溶剤、界面活性剤および水を含有する洗浄組成物であって、
    前記二塩基酸エステルは、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル 、アジピン酸ジメチルのいずれか1種の化合物あるいは2種類以上含む混合物であり、
    前記水溶性溶剤は、アルコール、エーテル及びエステルのいずれか1種の化合物あるいは2種類以上の混合物であり、
    ピロリドン誘導体を含有せず、
    当該洗浄組成物の全重量に対して、前記二塩基酸エステルは30〜40重量部、前記水溶性溶剤は15〜20重量部、前記水は20〜25重量部配合されて可溶化していることを特徴とする塗料汚れ用洗浄組成物。
  2. 請求項1に記載された塗料汚れ用洗浄組成物を含浸させたことを特徴とする拭き取り材。
  3. 請求項2記載の拭き取り材であって、
    前記拭き取り材は不織布で構成されており、該不織布は凹凸又は研磨性を有することを特徴とする拭き取り材。
  4. 請求項3記載の拭き取り材であって、
    前記不織布の素材は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン及びパルプのいずれか1種の化合物あるいは2種類以上の混合物を配合したことを特徴とする拭き取り材。
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