JP5102635B2 - エンベロープウイルスの構成成分に親和性を有するポリペプチドと細胞内物質導入への使用 - Google Patents
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Description
より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
〔1〕(a)エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと(b)細胞内へ導入される外来物質と結合能のあるポリペプチドとを含むタンパク質。
〔2〕(a)のポリペプチドと(b)のポリペプチドとを含むタンパク質が融合タンパク質である〔1〕に記載のタンパク質。
〔3〕(a)のポリペプチドが、エンベロープ内側に存在する構成成分と親和性のあるポリペプチドである〔1〕または〔2〕に記載のタンパク質。
〔4〕(a)のポリペプチドが、
(1)配列番号:2に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
(2)該アミノ酸配列と実質的に同等のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、または
(3)それらの一部(部分ペプチド)
である〔1〕または〔2〕に記載のタンパク質。
〔5〕(b)のポリペプチドが、抗体と結合能のあるポリペプチドである〔1〕または〔2〕に記載のタンパク質。
〔6〕抗体と結合能のあるポリペプチドが、抗体のFc領域またはκ軽鎖と結合するポリペプチドである〔5〕に記載のタンパク質。
〔7〕抗体と結合能のあるポリペプチドが
(1)配列番号:4、49及び51からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
(2)該アミノ酸配列と実質的に同等のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、または
(3)それらの一部
である〔5〕に記載のタンパク質。
〔8〕エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと、抗体と結合能のあるポリペプチドとの融合タンパク質である以下(1)から(3)のいずれかのポリペプチドをコードするDNA。
(1)配列番号:2に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド若しくは該ポリペプチドと実質的に同等なポリペプチドまたはそれらの一部と、配列番号:4、49及び51からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド若しくは該ポリペプチドと実質的に同等なポリペプチドまたはそれらの一部との融合ポリペプチド、
(2)配列番号:6、13、55及び59からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
(3)配列番号:6、13、55及び59からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと実質的に同等なポリペプチド
〔9〕(a)エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと(b)細胞内へ導入される外来物質と結合能のあるポリペプチドとを含むタンパク質を含有するエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルス。
〔10〕エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと、抗体と結合能のあるポリペプチドとの融合タンパク質である以下(1)から(3)のいずれかのポリペプチドを含有する〔9〕に記載のエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルス。
(1)配列番号:2に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド若しくは該ポリペプチドと実質的に同等なポリペプチドまたはそれらの一部と、配列番号:4、49及び51からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド若しくは該ポリペプチドと実質的に同等なポリペプチドまたはそれらの一部との融合ポリペプチド、
(2)配列番号:6、13、55及び59からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
(3)配列番号:6、13、55及び59からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと実質的に同等なポリペプチド
〔11〕(a)のポリペプチドと(b)のポリペプチドとを含むタンパク質と、外来物質との複合体を含有するエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルス。
〔12〕外来物質が抗体である〔11〕に記載のエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルス。
〔13〕エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと、抗体と結合能のあるポリペプチドとの融合タンパク質である以下(1)から(3)のいずれかのポリペプチドと、抗体との複合体を含む〔12〕に記載のエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルス。
(1)配列番号:2に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド若しくは該ポリペプチドと実質的に同等なポリペプチドまたはそれらの一部と、配列番号:4、49及び51からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド若しくは該ポリペプチドと実質的に同等なポリペプチドまたはそれらの一部との融合ポリペプチド、
(2)配列番号:6、13、55及び59からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
(3)配列番号:6、13、55及び59からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと実質的に同等なポリペプチド
〔14〕エンベロープ中に外来物質を含むエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスを調製する方法であって、
(1)エンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスと、(a)エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと(b)細胞内へ導入される外来物質と結合能のあるポリペプチドとを含むタンパク質とを混合する工程、
(2)前記工程(1)で得られる混合物に対してエンベロープの透過性に影響を与える処理を行う工程、
(3)前記工程(2)で得られるものと外来物質を混合する工程を含む方法。
〔15〕エンベロープ中に外来物質を含むエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスを調製する方法であって、
(1)(a)エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと(b)細胞内へ導入される外来物質と結合能のあるポリペプチドとを含むタンパク質と、該外来物質とを混合し複合体を形成する工程、
(2)前記工程(1)の混合物にエンベロープウイルスを混合する工程、
(3)前記工程(2)で得られる混合物に対してエンベロープの透過性に影響を与える処理を行う工程とを含む方法。
〔16〕(a)のポリペプチドと(b)のポリペプチドとを含むタンパク質が融合タンパク質である〔14〕または〔15〕に記載の方法。
〔17〕外来物質が抗体である〔14〕または〔15〕に記載の方法。
〔18〕エンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスを用いて細胞内へ外来物質を導入する方法であって、
(1)エンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスと、(a)エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと(b)細胞内へ導入される外来物質と結合能のあるポリペプチドとを含むタンパク質とを混合する工程、
(2)前記工程(1)で得られる混合物に対してエンベロープの透過性に影響を与える処理を行う工程、
(3)前記工程(2)で得られるものと外来物質を混合する工程、
(4)前記工程(3)で得られる外来物質を含むエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスと細胞とを接触させる工程とを含む方法。
〔19〕エンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスを用いて細胞内へ外来物質を導入する方法であって、
(1)(a)エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと(b)細胞内へ導入される外来物質と結合能のあるポリペプチドとを含むタンパク質と、該外来物質とを混合し複合体を形成する工程、
(2)前記工程(1)の複合体にエンベロープウイルスを混合する工程、
(3)前記工程(2)で得られる混合物に対してエンベロープの透過性に影響を与える処理を行う工程、
(4)前記工程(3)で得られる外来物質を含むエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスと細胞とを接触させる工程とを含む方法。
〔20〕(a)エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと(b)細胞内へ導入される外来物質と結合能のあるポリペプチドとを含むタンパク質が融合タンパク質である〔18〕または〔19〕に記載の方法。
〔21〕外来物質が抗体である〔18〕または〔19〕に記載の方法。
〔22〕(a)エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと(b)細胞内へ導入される外来物質と結合能のあるポリペプチドとを含むタンパク質と、細胞内へ導入される外来物質との複合体。
本発明のその他の目的、特徴、優秀性及びその有する観点は、以下の記載より当業者にとっては明白であろう。しかしながら、以下の記載及び具体的な実施例等の記載を含めた本件明細書の記載は本発明の好ましい態様を示すものであり、説明のためにのみ示されているものであることを理解されたい。本明細書に開示した本発明の意図及び範囲内で、種々の変化及び/又は改変(あるいは修飾)をなすことは、以下の記載及び本明細書のその他の部分からの知識により、当業者には容易に明らかであろう。本明細書で引用されている全ての文献は、説明の目的で引用されているもので、それらは本明細書の一部としてその内容はここに含めて解釈されるべきものである。
(1)配列番号:2で表されるアミノ酸配列または該アミノ酸配列と実質的に同一なアミノ酸配列のN末端側に塩基性アミノ酸に富んだポリペプチドを有するもの。
(2)配列番号:2で表されるアミノ酸配列または該アミノ酸配列と実質的に同一なアミノ酸配列のN末端側にGAL4等のDNA結合配列を有するもの。
(3)配列番号:2で表されるアミノ酸配列または該アミノ酸配列と実質的に同一なアミノ酸配列のN末端側にアビジン類のアミノ酸配列を有するもの。
(4)配列番号:2で表されるアミノ酸配列または該アミノ酸配列と実質的に同一なアミノ酸配列のN末端側に抗体結合タンパク質またはその部分ペプチドを有するもの。
前記(4)の融合タンパク質の好ましい例として、配列番号:6、13、15、17、19、53、55、57、59で表されるアミノ酸配列または該アミノ酸配列と実質的に同一なアミノ酸配列を含んでいるタンパク質が挙げられ、更に好ましくは、配列番号:6、13、55、59で表されるアミノ酸配列または該アミノ酸配列と実質的に同一なアミノ酸配列を含んでいるタンパク質である。
クローン化されたDNAは、目的によりそのまま、または所望により制限酵素で消化するか、リンカーを付加した後に、使用することができる。該DNAはその5'末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、また3'末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加することができる。
宿主がエシェリヒア属菌である形質転換体を培養する場合の培地としては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journal of Experiments in Molecular Genetics), 431-433, Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1972〕が好ましい。必要により、プロモーターを効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルアクリル酸のような薬剤を培地に添加してもよい。宿主がエシェリヒア属菌である形質転換体の培養は、通常約15〜43℃で、約3〜24時間行なわれる。必要により、通気や撹拌を行ってもよい。
宿主がバチルス属菌である形質転換体の培養は、通常約30〜40℃で、約6〜24時間行なわれる。必要により、通気や撹拌を行ってもよい。
宿主が酵母である形質転換体を培養する場合の培地としては、例えば、バークホールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K.L.ら,プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA), 77巻, 4505(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地〔Bitter, G.A.ら,プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA), 81巻, 5330(1984)〕などが挙げられる。培地のpHは、好ましくは約5〜約8である。培養は、通常約20℃〜35℃で、約24〜72時間行なわれる。必要に応じて、通気や撹拌を行ってもよい。
宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する場合の培地としては、例えばGrace's Insect Medium〔Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature), 195巻, 788(1962)〕に非働化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。培地のpHは、好ましくは約6.2〜6.4である。培養は、通常約27℃で、約3〜5日間行なわれる。必要に応じて通気や撹拌を行ってもよい。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する場合の培地としては、例えば、約5〜20%の胎児ウシ血清を含む最小必須培地(MEM)〔サイエンス(Science), 122巻, 501(1952)〕,ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)〔ヴィロロジー(Virology), 8巻, 396(1959)〕, RPMI 1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(The Journal of the American Medical Association), 199巻, 519(1967)〕, 199培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding of the Society for the Biological Medicine), 73巻, 1(1950)〕などが用いられる。培地のpHは、好ましくは約6〜8である。培養は、通常約30℃〜40℃で、約15〜60時間行なわれる。必要に応じて通気や撹拌を行ってもよい。
前記形質転換体を培養して得られる培養物から本発明のタンパク質を自体公知の方法に従って分離精製することができる。例えば、本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞の細胞質から抽出する場合、培養物から公知の方法で集めた菌体あるいは細胞を適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊した後、遠心分離やろ過により可溶性タンパク質の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられる。該緩衝液は、尿素や塩酸グアニジンなどのタンパク質変性剤や、TritonX-100などの界面活性剤を含んでいてもよい。一方、膜画分から本発明のタンパク質を抽出する場合は、上記と同様に菌体あるいは細胞を破壊した後、低速遠心で細胞デブリスを沈澱除去し、上清を高速遠心して細胞膜含有画分を沈澱させる(必要に応じて密度勾配遠心などにより細胞膜画分を精製する)などの方法が用いられる。また、本発明タンパク質が菌体(細胞)外に分泌される場合には、培養物から遠心分離またはろ過等により培養上清を分取するなどの方法が用いられる。
このようにして得られた可溶性画分、膜画分あるいは培養上清中に含まれる本発明タンパク質の単離精製は、自体公知の方法に従って行うことができる。このような方法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法;透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方法;イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法;アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法;逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法;等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法;などが用いられる。これらの方法は、適宜組み合わせることもできる。
なお、形質転換体が産生する本発明のタンパク質を、精製前または精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去することもできる。該蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いられる。かくして得られる本発明のタンパク質の存在は、特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイやウエスタンブロッティングなどにより確認することができる。
また、本発明で用いられるタンパク質またはその部分ペプチド、抗体などは、必要に応じて標識することができる。標識方法としては、一般的な公知の方法であれば特に限定されないが、蛍光標識、オートラジオグラフィ、高電子密度物質、色素不溶化酵素であることが好ましい。好ましくは、蛍光標識を共有結合により標識することである。
蛍光標識に用いる蛍光物質としては、特に限定されないが、例えばピレン、アントラニロイル基、ダンシル基、フルオレセイン、ローダミン、ニトロベンゾキサジアゾール基等の蛍光団を有する化合物が挙げられる。上記の蛍光団を有する化合物は公知であり(例えば、平塚寿章、「蛋白質 核酸 酵素」、Vol.42,No.7(1997)等参照)、常法により蛋白質分子またはペプチド等に導入することができる。
1.本発明のタンパク質をエンベロープウイルス中に導入した後、外来物質と前記ウイルスを接触させる場合、
(1)エンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスと、(a)エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと(b)細胞内へ導入される外来物質と結合能のあるポリペプチドとを含むタンパク質とを混合する工程、
(2)前記工程(1)で得られる混合物に対してエンベロープの透過性に影響を与える処理を行う工程、
(3)前記工程(2)で得られるものと外来物質を混合する工程により、外来物質を含むエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスを得ることができる。
2.本発明のタンパク質と外来物質との複合体を形成させた後、エンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルス中に該複合体を導入する場合、
(1)(a)エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと(b)細胞内へ導入される外来物質と結合能のあるポリペプチドとを含むタンパク質と、該外来物質とを混合し複合体を形成する工程、
(2)前記工程(1)の混合物にエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスを混合する工程、
(3)前記工程(2)で得られる混合物に対してエンベロープの透過性に影響を与える処理を行う工程により、外来物質を含むエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスを得ることができる。
以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
抗体結合能を有するZ領域を利用するため、該領域が2つ連続したZZ領域をコードするDNA断片を、誘導発現型であるpET28a(Novagen社)のT7プロモーター下流に挿入した。前記ZZ領域DNA断片は、pEZZ18(Amersham Biosciences社)を鋳型にPCRを行うことにより調製した。
プライマーとしてprimer 1 (5'-GCAAATGCCATGGAACACGATGAAGCCGTAGACAA-3';配列番号:7)とprimer 2 (5'-GGATCACCAAGCTTTTAGCTCGAATTCGCGTCTAC-3';配列番号:8)を使用し、得られるDNA断片において、ZZ領域の前後に制限酵素NcoI、Hind IIIの切断部位が生じるようにした。前記PCRは、Ex TaqTM (Takara社)を使用し、約1ngのpEZZ18を反応液50μl(付属の反応バッファー、各200μMのdATP、dTTP、dCTP、dGTP、前記各プライマー400nM)加えて行った。GeneAmp PCR system 9700(PE Applied Biosystems社)を使用し、94℃を30秒、60℃を30秒、72℃を30秒のステップを30サイクル繰り返した。得られたDNA断片を制限酵素NcoI、Hind IIIで切断し、同じくNcoI、Hind IIIでpET28a(Novagen社)切断して生成される部位に挿入することにより誘導発現型のpETZZを得た。
HVJのヌクレオキャプシドタンパク質をコードするDNAは、HVJのZ株(大阪大学金田教授より分譲)のゲノムRNAを逆転写し、得られたcDNAを鋳型としてPCRを行うことにより得た。前記ウイルスとしては、米国公開2004/253272Aの実施例1に記載の方法と同様にして得られるHVJ接種鶏卵の漿尿液中のHVJウイルスを使用することができる。
総RNAをウイルス感染鶏卵漿尿液中から、Viral RNA Mini(Viogene社)を用いて精製した。精製した総RNAとウイルスゲノムRNA特異的プライマーであるprimer 3 (5'-ACCAAACAAGAGAAAAAACATGTAT-3';配列番号:9)とを使用し、Ready-To-GoTM You-Prime First-Strand Beads(Amersham Biosciences社)により逆転写反応を行った。該反応では、16ng/μlの総RNA溶液10μlにRnase free水20μlを加え、65℃10分、氷上2分置いた。これをFirst-Strand Reaction Mix Beadsに加え、さらに10μMのprimer 3を3μl加え1時間37℃で静置し、これをウイルスゲノムcDNA溶液とした。
前記反応で得られたウイルスゲノムcDNAを鋳型として、プライマーprimer 4 (5'-TGCCAAAGGATCCGATGGCCGGGTTGTTGAGCACC-3';配列番号:10)、primer 5 (5'-GCCTCGTCTCGAGCTAGATTCCTCCTACCCCAGCT-3';配列番号:11)を用いてPCRを行い、得られるDNA断片において、ヌクレオキャプシドタンパク質をコードするDNA領域の前後に制限酵素BamH I、Xho Iの切断部位がそれぞれ生じるようにした。PCR反応は、Ex TaqTM(Takara社)を使用し、ウイルスゲノムcDNA溶液1μlを反応液49μl(付属反応バッファー、各200μMのdATP、dTTP、dCTP、dGTP、各400nMの前記プライマー)に加えて行った。GeneAmp PCR system 9700(PE Applied Biosystems社)を用いて94℃30秒、60℃30秒、72℃2分 のステップを30サイクル繰り返すPCR反応を行って、ヌクレオキャプシドタンパク質をコードするDNAを含む1μgのDNAが得られた。
前記実施例1で得られたpETZZのZZタンパク質をコードするDNA配列の下流に、HVJヌクレオキャプシドタンパク質をコードするDNAを挿入することにより融合タンパクを発現するためのプラスミドpETZZNPを構築した。前記実施例2で得られたDNA断片をBamH I、Xho Iで切断し、pETZZをBamH I、Xho Iで切断して生成される部位に挿入し、ZZタンパク質のC末端側にHVJヌクレオキャプシッドタンパク質を有する融合タンパク質(ZZ-NP)を発現するプラスミドpETZZNPを得た。
T7 RNA ポリメラーゼを利用した大腸菌発現系で融合タンパクZZ-NPの発現誘導を行った。前記実施例3で得られたpETZZNPを用いて大腸菌ロゼッタ(DE3)(Novagen社)を形質転換し、この形質転換体をカナマイシン20μg/ml、クロラムフェニコール34μg/ml終濃度で含むLB培養液30mlで1晩37℃で培養したものを前培養液とした。この前培養液をカナマイシン20μg/ml、クロラムフェニコール34μg/ml終濃度で含むLB培養液1Lに移し、培養した。該培養液の濁度がOD600=0.6となった時点でIPTG 1M溶液を1ml添加し、発現誘導を行った。更に37℃で4時間培養した後、遠心(4℃、6,000rpm 15分間)により集菌し、ひと晩、-20℃で保存した。この菌体をTST溶液(50mM Tris,pH7.6,150mM NaCl,0.05% Tween 20)20mlに懸濁後、超音波で破砕した。この菌体破砕液を遠心(4℃ 20,000g 30分)して得られた上清を、IgG SepharoseTM 6 Fast Flow (Amersham Biosciences社)を用いて、付属説明書に従いアフィニティー精製した。カラムを0.5M 酢酸(pH3.4)、TST(50mM Tris buffer, pH7.6, 150mM NaCl, 0.05% Tween 20)で平衡化した後、前記上清をカラムにロードした。カラムをTST, 5mM NH4Ac(pH5.0)で洗浄した後、0.5M酢酸(pH3.4)で溶出した。融合タンパク質を含む溶出液2 mlをSpectra/Por Membrane MWCO: 1,000(Spectrum社)透析膜を用いて300mLのPBSに対して2時間透析し、さらに300mlのPBSに1晩透析した。透析後得られた融合タンパク質溶液2mlを0.22μmフィルターでろ過滅菌した。融合タンパク質ZZ-NPの濃度が2mg/mLの溶液を2ml得た。
前記実施例4で得られた融合タンパク質ZZ-NPの溶液20μl(2mg/mlに調製された)を不活性化HVJエンベロープ(GenomONE登録商標、石原産業)25HAU/μlの溶液20μlに加え混合した。該混合液に4μlのTritonX-100 2%溶液を添加し、直ちに遠心(4℃、10,000g、5分間)した。遠心後、上清を除去し、静かにPBSを20μl加え、再び遠心(4℃、10,000g、5分間)した。遠心後、上清を除去して、遊離しているZZ-NPを取り除いた。得られたペレットにPBS 10μlを加え懸濁液とした。
上記懸濁液に更に10μlの2×sample bufferを加え、5分間煮沸した。得られた混合物に対してSDS-PAGE(10%アクリルアミドゲル)を行い、泳動後CBB染色を行った(図1、Lane 2)。対照区として、ZZ-NP使用しないこと以外、同様の操作を行なった不活性化HVJエンベロープ(図1、lane 1)、ZZ-NPのみ(同図、lane 3)を泳動した。lane1では、ZZ-NPに相当するバンドが見られない。一方、lane 2ではZZ-NPに相当するバンドが確認され、上記処理により融合タンパク質ZZ-NPを含む不活性化HVJエンベロープが得られることが示された。
不活性化HVJエンベロープ(GenomONE:登録商標 石原産業)25HAU/μlの懸濁液10μlに対して所定の濃度(0.08〜2mg/ml)のZZ-NP溶液を10μl加え混合した。更にTritonX-100 2%溶液を2μl添加し、直ちに遠心(4℃、10,000g、5分間)し、上清を除去した。得られたZZ-NPを含む不活性化HVJエンベロープを10μlの抗体溶液(Mouse IgG(SIGMA社) 1mg/ml、PBS)で懸濁し、5分氷上に静置した。前記懸濁液を遠心(4℃、10,000g、5分間)し、上清を除去した。得られたペレットに20μlのPBSを静かに加え、遠心(4℃、10,000g、5分間)し、上清を除去した。得られたペレットに10μlのPBSを加え懸濁液とした。上記懸濁液に更に2×sample bufferを10μl加え5分間煮沸した。得られた混合物に対して、SDS-PAGE(10%アクリルアミドゲル)を行った。泳動後、PVDF膜(ATTO社)へエレクトロブロット(60分間、2mA/cm2)した。ブロット後、このPVDF膜を5%スキムミルクを含むTBS-T(0.1% Tween20含むTBS)溶液で1時間浸し、ブロッキング操作を行った。次にこのブロッキングされたPVDF膜をTBS-Tで5分間洗浄後、抗Mouse Ig 抗体溶液(Anti-Mouse Ig HRP-Linked Whole Ab(Amersham Biosciences社)、0.1%BSAを含むTBS-T溶液に1時間浸した。その後、TBS-T溶液で5分間の洗浄を3回繰り返した後、ECL PLUS western blotting detection reagentsキット(Amersham Biosciences社)でMouse IgGを検出した(図2)。前記処理を行った不活性化HVJエンベロープのペレット中には、Mouse IgGが存在することが明らかになった。使用したZZ-NPの量(lane 4: 0.8μg、lane 5: 4μg、lane 6: 20μg)に比例し、含まれる抗体の量が増加した。
不活性化HVJエンベロープ(GenomONE:登録商標 石原産業)25HAU/μlの懸濁液10μlにZZ-NP 2mg/ml溶液10μlを加え混合した。更にTritonX-100 2%溶液を2μl添加し、直ちに遠心(4℃、10,000g、5分間)し、上清を除去した。得られたペレットを、10μlのAnti-NPC抗体(SIGMA社) 1mg/ml溶液で懸濁した。氷上に5分間静置した後、遠心(4℃、10,000g、5分間)し、上清を除去した。得られたAnti-NPC(Nuclear Pore Complex)抗体を含む不活性化HVJエンベロープに11.25μlのPBSを加え、更に1.25μlのprotamine sulfate 10mg/ml溶液を加え、懸濁液とした。
HeLa S3細胞(大阪大学 金田教授より分譲)を1×104cells/0.7cm2となるように播種し、翌日まで炭酸ガスインキュベータで培養した。この培養細胞に対して、前記実施例7で得られたAnti-NPC抗体を含む不活性化HVJエンベロープ懸濁液5μlを添加し炭酸ガスインキュベータに静置した。4時間後PBSで2回洗浄した後、4%パラホルムアルデヒドを含むPBS溶液で15分間処理し細胞を固定した。次に、PBSで2回洗浄した後、0.2% Triton X-100を含むPBS溶液で5分間浸透処理を行った。処理後、PBSで5分間の洗浄を2回し、1% BSAを含むPBS溶液で10分間処理した。次に1% BSAと4μg/ml Alexa Fluor 488標識Goat Anti-Mouse IgG,F(ab')2 fragment(Invitrogen社)とを含むPBS溶液中で1時間静置した。
最後にPBSで5分間の洗浄を3回繰返した後、共焦点レーザー顕微鏡FV300(OLYMPUS社)を用いてアルゴンレーザーで細胞を観察した(図3)。Anti-NPC抗体を含む不活性化HVJエンベロープによってトランスフェクションされた細胞質では標識化二次抗体により核膜が識別された〔図3(1)〕。細胞内に導入されたAnti-NPC抗体は核膜を認識する機能を保持していることが示された。
前記実施例3で得たpETZZNPのヌクレオキャプシドをコードするDNAを一部分欠損させることによりpET-ZZK1〜4を構築した。
(1)pET-ZZK1、pET-ZZK2、pET-ZZK3の作製
鋳型としてpET-ZZNP、プライマーとして各々primer 6 (5'-TAGCTCGAGCACCACCAC-3';配列番号:20)とprimer 7 (5'-GTTTGCCAGATGATGTCT-3';配列番号:21)、primer 6 (5'-TAGCTCGAGCACCACCAC-3';配列番号:20)とprimer 8 (5'-AAGGTATGTCCTCCCTGT-3';配列番号:22)、primer 6(5'-TAGCTCGAGCACCACCAC-3';配列番号:20)とprimer 9(5'-AACTATCTGGATGTTCTT-3';配列番号:23)の組み合わせを用いてPCR反応を行った。
PCR反応は、PyrobestTM DNA Polymerase (Takara社) を使用し、約1ngのpETZZNPを反応液50μl (付属の反応バッファー、各200μMのdATP、dTTP、dCTP、dGTP、前記各プライマー400nM) を加えて行った。GeneAmp PCR system 9700 (PE Applied Biosystems社) を使用し、98℃を10秒、60℃を30秒、72℃を7分のステップを30サイクル繰り返した。得られたDNA断片をセルフライゲーションすることにより、pET-ZZK1、pET-ZZK2 及びpET-ZZK3を作製した。
(2)pET-ZZK4の作製
鋳型としてpET-ZZK1、プライマーとしてprimer 10 (5'-CGGATCCCCGGGTACCGAGCTCGAATT-3';配列番号:24)とprimer 11 (5'-GGGAACTACATCCGAGATGCAG-3';配列番号:25)を使用して前記(1)と同様の方法でPCR反応を行い、pET-ZZK4を作製した。
T7 RNAポリメラーゼを利用した大腸菌発現系で融合タンパク質ZZ-NPK1、ZZ-NPK2、ZZ-NPK3、ZZ-NPK4の発現誘導を行った。具体的には、前記実施例9で得られたpET-ZZK1、pET-ZZK2、pET-ZZK3、pET-ZZK4を用いて大腸菌ロゼッタ(DE3)(Novagen社)をそれぞれ形質転換し、この形質転換体をカナマイシン20μg/ml、クロラムフェニコール34μg/ml終濃度で含むLB培養液30mlで1晩37℃で培養したものを前培養液とした。この前培養液をカナマイシン20μg/ml、クロラムフェニコール34μg/ml終濃度で含むLB培養液1Lに移し、培養した。該培養液の濁度がOD600=0.6となった時点でIPTG 1M溶液を1ml添加し、発現誘導を行った。更に37℃で4時間培養した後、遠心(4℃、6,000rpm、15分間)により集菌し、一晩、-20℃で保存した。この菌体をTST溶液 (50mM Tris,pH7.6,150mM NaCl,0.05% Tween 20) 20mlに懸濁後、超音波で破砕した。この菌体破砕液を遠心(4℃、20,000g、30分)し、得られた上清を、IgG SepharoseTM 6 Fast Flow(Amersham Biosciences社)を用いて、付属説明書に従いアフィニティー精製した。即ち、カラムを0.5M 酢酸(pH3.4)、TST(50mM Tris buffer,pH7.6,150mM NaCl,0.05% Tween 20)で平衡化した後、前記上清をカラムにロードした。カラムをTST、5mM NH4Ac(pH5.0)で洗浄した後、目的物を0.5M 酢酸(pH3.4)で溶出した。融合タンパク質を含む溶出液2mlをSpectra/Por Membrane MWCO:1,000(Spectrum社)透析膜を用いて300mlのPBSに対して2時間透析し、さらに300mlのPBSに1晩透析した。透析後得られた融合タンパク質溶液2mlを0.22μmフィルターでろ過滅菌し、目的の融合たんぱく質 ZZ-NPK1、ZZ-NPK2、ZZ-NPK3、ZZ-NPK4 をそれぞれ得た。
尚、本実験で得られた部分欠損したヌクレオキャプシドタンパク質部分の配列を、各々NPK1が配列番号:26及び27、NPK2が配列番号:28及び29、NPK3が配列番号:30及び31、NPK4が配列番号:32及び33で示した。
実施例10で得たZZ-NPK1、ZZ-NPK2、ZZ-NPK3、ZZ-NPK4及び実施例4で得たZZ-NPの溶液10μl(1mg/mlに調製された)をそれぞれ不活性化HVJエンベロープ(GenomONE:登録商標 石原産業)25HAU/μlの懸濁液10μlに加え、混合した。次にTritonX-100 2%溶液を2μl添加し、直ちに遠心(4℃、10,000g、5分間)し、上清を除去した。得られた各ZZ融合タンパク質を含む不活性化HVJエンベロープを10μlの抗体溶液(Mouse IgG(SIGMA社) 1mg/ml、PBS)で懸濁し、5分氷上に静置した。この懸濁液を遠心(4℃、10,000g、5分間)し、上清を除去した。得られたペレットに10μlのPBSを静かに加え、再度遠心(4℃、10,000g、5分間)し、上清を除去した。得られたペレットに10μlのPBSを加え懸濁液とした後、2×sample bufferを10μl加え5分間煮沸した。得られた混合物に対して、SDS-PAGE(10%アクリルアミドゲル)を行った。泳動後、PVDF膜(ATTO社)へエレクトロブロット(60分間、2mA/cm2)した。ブロット後、このPVDF膜を5%スキムミルクを含むTBS-T(0.1% Tween20含むTBS)溶液で1時間浸し、ブロッキング操作を行った。次にこのブロッキングされたPVDF膜をTBS-Tで5分間洗浄後、Peroxidase-conjugated AffiniPure F(ab')2 Fragment Goat Anti-Mouse IgG(H+L)(Jackson Immuno Research Laboratories社)、0.1%BSAを含むTBS-T溶液に1時間浸した。その後、TBS-T溶液で5分間の洗浄を3回繰り返した後、ECL PLUS western blotting detection reagentsキット(Amersham Biosciences社)でMouse IgGを検出した(図4)。
融合タンパク質を用いて前記処理を行った不活性化HVJエンベロープのペレット中には、Mouse IgGが存在することが明らかとなった。使用した融合タンパク質の内、ZZ-NPK1を用いた場合に最も多くのMouse IgGが不活性化HVJエンベロープ内に取り込まれた。
不活化HVJエンベロープ(GenomONE 登録商標 石原産業)25HAU/μlの懸濁液5μlにZZ-NPK1 0.5mg/ml溶液5μl を加え混合した。更にTritonX-100 2%溶液を1μl添加し、直ちに遠心(4℃、10,000g、5分間)し、上清を除去した。得られたペレットを、5μlのAnti-NPC抗体(SIGMA社) 0.25mg/ml 溶液で懸濁した。氷上に5分間静置した後、遠心(4℃、10,000g、5分間)し、上清を除去した。得られたAnti-NPC(Nuclear Pore Complex)抗体を含む不活化HVJエンベロープに6.25μlのPBSを加え、更に6.25μlのprotamine sulfate 1mg/ml溶液を加え、懸濁液とした。
HeLa S3細胞(大阪大学 金田教授より分譲)を1×104cells/0.7cm2となるように播種し、翌日まで炭酸ガスインキュベータで培養した。この培養細胞に対して、前記実施例12で得られたAnti-NPC抗体を含む不活化HVJエンベロープ懸濁液10μlを添加し炭酸ガスインキュベータに静置した。4時間後PBSで2回洗浄した後、4% パラホルムアルデヒドを含むPBS溶液で15分間処理し細胞を固定した。次に、PBSで2回洗浄した後、0.2% Triton X-100を含むPBS溶液で5分間浸透処理を行った。処理後、PBSで5分間の洗浄を2回し、1% BSAを含むPBS溶液で10分間処理した。次に1% BSAと4μg/ml Alexa Fluor 488標識Goat Anti-Mouse IgG,F(ab')2 fragment(Invitrogen社)を含むPBS溶液中で1時間静置した。最後にPBSで5分間の洗浄を3回繰返した後、共焦点レーザー顕微鏡FV300(OLYMPUS社)を用いてアルゴンレーザーで細胞を観察した。また、対照として前記Anti-NPC抗体を含む不活化HVJエンベロープ懸濁液の代わりにAnti-NPC抗体のみの溶液を用いて同様の処理を行なった。
Anti-NPC抗体のみでは細胞内への抗体導入は認められないが、ZZ-NPK1を含む不活化HVJエンベロープによってAnti-NPC抗体がトランスフェクションされた細胞では標識化二次抗体により核膜が識別された。(図5)
pET28a(Novagen社)を鋳型に、プライマーとしてprimer 12 (5'- GAAGCGGTTGATGCTGCT ACCGCAGAAAAAGTTTTCAAACAGTACGCTAACAGCATGACTGGTGGACAG-3':配列番号:34)とprimer 13 (5'- AGTAGTGGTTTCGCCTTTCAAGGTTTTACCATTCAGGATTAATTT GTAGGTCATGGTATATCTCCTTCT-3':配列番号:35)でPCR反応を行った。PCR反応は、Pyrobest DNA Polymerase(Takara社)を使用し、約1ngの鋳型プラスミドをそれぞれ反応液50μl (付属の反応バッファー、各200μMのdATP、dTTP、dCTP、dGTP、前記各プライマー400nM)に加えて行った。GeneAmp PCR system 9700(PE Applied Biosystems社)を使用し、98℃を10秒、58℃を30秒、72℃を6分のステップを30サイクル繰り返した。得られたDNA断片をセルフライゲーションすることによりプロテインGのC1領域の半分(N末端側)をコードしたpETG1を作製した。さらに、pETG1を鋳型に、プライマーとしてprimer 14 (5'- GTTACTGAAAAACCGGAA GTGATCGATGCGTCTGAATTAACCCCGGCGGTGACCCTGAGATCCGGCTGCTAA-3':配列番号:36)とprimer 15 (5'- GGTAAAGGTTTTAGTCGCATCGTCGTAGGTCCATTCACCGTC AACACCGTTGTCGTTAGCGTACTGTTTGAA-3' ;配列番号:37)でそれぞれPCR反応を行った。PCR反応は上述の通り行い、セルフライゲーションすることによりプロテインGのC1領域の完全長をコードしているpETG2を得た。
次に、pETG2を鋳型にプライマーとしてprimer 16 (5'- ATGCGTCCGGCGTAGA-3';配列番号:38)とprimer 17(5'- TAGCAGTTGGAATTCGCGGTCACCGCCGGGGTTAA-3';配列番号:39)でPCR反応を行った。PCR反応は、Ex Taq(Takara社)を使用し、約1ngの鋳型プラスミドを反応液50μl (付属の反応バッファー、各200μMのdATP、dTTP、dCTP、dGTP、前記各プライマー400nM)を加えて行った。GeneAmp PCR system 9700(PE Applied Biosystems社)を使用し、94℃を30秒、58℃を30秒、72℃を1分のステップを30サイクル繰り返した。得られたDNA断片を制限酵素Xba I、EcoR Iで切断し、pET-ZZNPK1をXba I、EcoR Iで切断して生成される部位に挿入することにより、プロテインGのC1領域とNPK1との融合タンパク質を発現するためのプラスミド pET-GNPK1を作製した。
pETG2を鋳型にプライマーとしてprimer 18(5'- AGGAGATAGAATTCTACCTACAAATTAATC CTGAA-3';配列番号:40)とprimer 17 (5'- AAGGTATGTCCTCCCTGT-3' ;配列番号:39)でPCR反応を行った。PCR反応は上述の通り行い、得られたDNA断片を制限酵素EcoR Iで切断し、pET-GNPK1をEcoR Iで切断して生成される部位に挿入することにより、プロテインGのC1領域の2連結体とNPK1との融合タンパク質を発現するためのプラスミド pET-GGNPK1を作製した。
pET28a(Novagen社)を鋳型に、プライマーとしてprimer 19 (5'- AACCTGATCTTTGCGAAC GGCAGCACCCAGACCGCGGAATTTAAAGGCACCTTTGAAAAAAGCATGACTGGTGGACAG-3' ;配列番号:41)とprimer 20(5'- CGCTTTGATGGTCACTTCTTCTTCGCTATCGGTTTC CGGGGTTTCCGGGGTTTCTTCTTTCATGGTATATCTCCTTCT-3';配列番号:42)でPCR反応を行った。PCR反応は、Pyrobest DNA Polymerase(Takara社)を使用し、約1ngの鋳型プラスミドを反応液50μl (付属の反応バッファー、各200μMのdATP、dTTP、dCTP、dGTP、前記各プライマー400nM)を加えて行った。GeneAmp PCR system 9700(PE Applied Biosystems社)を使用し、98℃を10秒、58℃を30秒、72℃を6分のステップを30サイクル繰り返した。得られたDNA断片をセルフライゲーションすることによりプロテインLのB1領域の半分(N末端側)をコードしているpETL1を作製した。次に、pETL1を鋳型にプライマーとして、primer 21 (5'- TGAATATACCGTGGATGTGGCGGATAAA GGTTATACCCTGAACATTAAATTTGCGGGTTTTTTGCTGAAAGGA-3' ;配列番号:43)とprimer 22 (5'- CCGTTATCTTTTTTCAGGGTATCC GCATACGCATACGCTTCGCTGGTCGCTTTTTCAA AGGTACCTTTAA-3' ;配列番号:44)でPCR反応を行った。PCR反応は上述の通り行い、セルフライゲーションすることによりプロテインLのB1領域の完全長をコードしているpETL2を得た。
さらに、pETL2を鋳型にプライマーとしてprimer 23 (5'- ATGCGTCCGGCGTAGA-3' ;配列番号:45)とprimer 24 (5'- TCCCCTGTCGAATTCGCACCCGCAAATTTAATGT-3' ;配列番号:46)でPCR反応を行った。PCR反応は、Ex Taq(Takara社)を使用し、約1ngの鋳型プラスミドを反応液50μl (付属の反応バッファー、各200μMのdATP、dTTP、dCTP、dGTP、前記各プライマー400nM)を加えて行った。GeneAmp PCR system 9700(PE Applied Biosystems社)を使用し、94℃を30秒、58℃を30秒、72℃を1分のステップを30サイクル繰り返した。得られたDNA断片を制限酵素Xba I、EcoR Iで切断し、pET-ZZNPK1をXba I、EcoR Iで切断して生成される部位に挿入することにより、プロテインLのB1領域とNPK1との融合タンパク質を発現するためのプラスミドpET-LNPK1を作製した。
又、pETL2を鋳型にプライマーとして、primer 25 (5'- AGGAGATAGAATTCTAAAGAA GAAACCCCGGAAAC-3' ;配列番号:47)と primer 24 (5'- AAGGTATGTCCTCCCTGT-3' ;配列番号:46)でPCR反応を行った。PCR反応は上述の通り行い、得られたDNA断片を制限酵素EcoR Iで切断し、pET-LNPK1をEcoR Iで切断して生成される部位に挿入することにより、プロテインLのB1領域の2連結体とNPK1との融合タンパク質を発現するためのプラスミド pET-LLNPK1をそれぞれ作製した。
T7 RNAポリメラーゼを利用した大腸菌発現系で融合タンパク質G-NPK1、GG-NPK1、L-NPK1及びLL-NPK1の発現誘導を行った。前記実施例14で得られたpET-GNPK1及びpET-GGNPK1並びに、前記実施例15で得られたpET-LNPK1及びpET-LLNPK1を用いて大腸菌ロゼッタ(DE3)(Novagen社)を形質転換し、実施例10と同様の方法にて目的の融合タンパク質G-NPK1、GG-NPK1、L-NPK1及びLL-NPK1それぞれを得た。但し、G-NPK1及びGG-NPK1のアフィニティー精製の際の溶離液としては0.5M 酢酸(pH3.4)の代わりに0.1M glycine-HCl(pH2.7)を用いた。
実施例16で得られた各G-NPK1、GG-NPK1、L-NPK1及びLL-NPK1溶液10μl(1/2mg/mlに調製された)をそれぞれ不活性化HVJエンベロープ(GenomONE:登録商標 石原産業)25HAU/μlの懸濁液10μlに加え、混合した。更に2% TritonX-100 溶液を2μl添加し、直ちに遠心(4℃、10,000g、5分間)し、上清を除去した。G-NPK1、GG-NPK1、L-NPK1及びLL-NPK1それぞれを含む不活性化HVJエンベロープを5μlの抗体溶液( ラット IgG2b(R&D systems社)、1mg/ml)で懸濁し、5分氷上に静置した。前記懸濁液を遠心(4℃、10,000g、5分間)し、上清を除去した。得られたペレットに20μlのPBSを静かに加え、遠心(4℃、10,000g、5分間)し、上清を除去した。得られたペレットに10μlのPBSを加え懸濁液とした。上記懸濁液に更に2×sample bufferを10μl加え5分間煮沸した。得られた混合物に対してSDS-PAGE(15%アクリルアミドゲル)を行い、泳動後CBB染色を行った(図6及び図7)。
前記処理を行なった不活性化エンベロープウイルスのペレット中には、ラットIgG2bが存在することが明らかとなった。
実施例16で得られた各G-NPK1、GG-NPK1、L-NPK1及びLL-NPK1溶液10μl(1/2mg/mlに調製された)をそれぞれ不活性化HVJエンベロープ(GenomONE:登録商標 石原産業)25HAU/μlの懸濁液10μlに加え、混合した。更に2% TritonX-100 溶液を2μl添加し、直ちに遠心(4℃、10,000g、5分間)し、上清を除去した。G-NPK1、GG-NPK1、L-NPK1及びLL-NPK1それぞれを含む不活性化HVJエンベロープを5μlの抗体溶液( ラット IgG2b(R&D systems社)、1mg/ml)で懸濁した。氷上に5分間静置した後、遠心(4℃、10,000g、5分間)し、上清を除去した。得られたラットIgG2bを含む不活性化HVJエンベロープに12.5μlのPBSを加え、更に12.5μlのprotamine sulfate 1mg/ml溶液を加え懸濁液とした。
HeLa S3細胞(大阪大学 金田教授より分譲)を1×104 cells/0.7cm2となるように播種し、翌日まで炭酸ガスインキュベータ(5%CO2、37℃)で培養した。この培養細胞に対して前記実施例18で得られたラットIgG2bを含む不活性化HVJエンベロープ懸濁液10μlを添加し炭酸ガスインキュベータに静置した。4時間後PBSで2回洗浄した後、4%パラホルムアルデヒドを含むPBS溶液で15分間処理し細胞を固定した。次にPBSで2回洗浄した後、0.2% Triton X-100を含むPBS溶液で5分間浸透処理を行った。処理後、PBSで5分間の洗浄を2回し、1% BSAを含むPBS溶液で10分間処理した。次に1% BSAと4μg/ml Alexa Fluor 488標識chicken Anti-rat IgG(Invitrogen社)とを含むPBS溶液で室温下、1時間静置した。
最後にPBSで5分間の洗浄を3回繰り返した後、共焦点レーザー顕微鏡FV300(OLYMPUS社)を用いてアルゴンレーザーで細胞を観察した(図8)。
ラット IgG2b抗体を含む不活性化HVJエンベロープを用いてトランスフェクションされた細胞質内には、ラット IgG2b抗体が均一に存在することが確認された。
実施例16で得られた各G-NPK1、GG-NPK1、L-NPK1及びLL-NPK1溶液10μl(1/2mg/mlに調製された)をそれぞれ不活性化HVJエンベロープ(GenomONE:登録商標 石原産業)25HAU/μlの懸濁液10μlに加え、混合した。更にTritonX-100 2%溶液を2μl添加し、直ちに遠心(4℃、10,000g、5分間)し、上清を除去した。G-NPK1、GG-NPK1、L-NPK1及びLL-NPK1それぞれを含む不活性化HVJエンベロープを5μlの抗体溶液( Anti-NPC抗体、1mg/ml)で懸濁した。氷上に5分間静置した後、遠心(4℃、10,000g、5分間)し、上清を除去した。得られたAnti-NPC抗体を含む不活性化HVJエンベロープに12.5μlのPBSを加え、更に12.5μlのprotamine sullfate 1mg/ml溶液を加え懸濁液とした。
実施例20で得たAnti-NPC(Nuclear Pore Complex)抗体を含む不活性化HVJエンベロープを用いて実施例13と同様の方法でAnti-NPC抗体の培養細胞への導入試験を行なった。Anti-NPC抗体を含む不活性化HVJエンベロープによってトランスフェクションされた細胞質では標識化二次抗体により核膜が識別された〔図9(1)及び(2)〕。細胞内に導入されたAnti-NPC抗体は核膜を認識する機能を保持していることが示された。
本発明により、接着性・浮遊性の各種培養細胞、初代培養細胞を含めた広範な細胞をターゲットとし、また、動物個体(in vivo)への適用も可能な技術、さらに、導入分子の種類と導入ターゲットとの組み合わせで、様々な用途に適用できる技術が提供される。
かくして、本発明を利用し、未知の遺伝子の生体内・外での機能解析、目的タンパク質の生体内・外での機能解析、遺伝子治療の基礎研究・応用研究、疾患の発症メカニズム及び発症予防の研究、DDS(Drug Delivery System)の研究・利用、新規有用物質、新薬候補物質の機能検証・応用研究、Drug Discoveryへの応用を行うことができる。より具体的な態様では、本発明を利用し、抗腫瘍作用、細胞傷害作用、遺伝子発現などの制御作用などを調査研究できる。
本発明は、前述の説明及び実施例に特に記載した以外も、実行できることは明らかである。上述の教示に鑑みて、本発明の多くの改変及び変形が可能であり、従ってそれらも本件添付の請求の範囲の範囲内のものである。
SEQ ID NO:4,Modified antigen binding amino acid sequence derived from B domain of Protein A (Staphylococcus aureus)
SEQ ID NO:5,Fusion protein includes antibody binding amino acid sequence and Sendai virus nucleocapsid protein (ZZ-NP)
SEQ ID NO:6,Fusion protein includes antibody binding amino acid sequence and Sendai virus nucleocapsid protein (ZZ-NP)
SEQ ID NO:7,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:8,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:9,Oligonucleotide to act as a primer for reverse transcription
SEQ ID NO:10,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:11,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:12,Fusion protein includes antibody binding amino acid sequence and Sendai virus nucleocapsid protein (ZZ-NPK1)
SEQ ID NO:13,Fusion protein includes antibody binding amino acid sequence and Sendai virus nucleocapsid protein (ZZ-NPK1)
SEQ ID NO:14,Fusion protein includes antibody binding amino acid sequence and Sendai virus nucleocapsid protein (ZZ-NPK2)
SEQ ID NO:15,Fusion protein includes antibody binding amino acid sequence and Sendai virus nucleocapsid protein (ZZ-NPK2)
SEQ ID NO:16,Fusion protein includes antibody binding amino acid sequence and Sendai virus nucleocapsid protein (ZZ-NPK3)
SEQ ID NO:17,Fusion protein includes antibody binding amino acid sequence and Sendai virus nucleocapsid protein (ZZ-NPK3)
SEQ ID NO:18,Fusion protein includes antibody binding amino acid sequence and Sendai virus nucleocapsid protein (ZZ-NPK4)
SEQ ID NO:19,Fusion protein includes antibody binding amino acid sequence and Sendai virus nucleocapsid protein (ZZ-NPK4)
SEQ ID NO:20,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:21,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:22,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:23,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:24,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:25,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:26,Sendai virus nucleocapsid protein (NPK1)
SEQ ID NO:27,Sendai virus nucleocapsid protein (NPK1)
SEQ ID NO:28,Sendai virus nucleocapsid protein (NPK2)
SEQ ID NO:29,Sendai virus nucleocapsid protein (NPK2)
SEQ ID NO:30,Sendai virus nucleocapsid protein (NPK3)
SEQ ID NO:31,Sendai virus nucleocapsid protein (NPK3)
SEQ ID NO:32,Sendai virus nucleocapsid protein (NPK4)
SEQ ID NO:33,Sendai virus nucleocapsid protein (NPK4)
SEQ ID NO:34,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:35,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:36,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:37,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:38,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:39,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:40,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:41,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:42,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:43,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:44,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:45,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:46,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:47,Oligonucleotide to act as a primer for PCR
SEQ ID NO:48,Antigen binding amino acid sequence derived from C1 domain of Protein G (Streptococcus G148)
SEQ ID NO:49,Antigen binding amino acid sequence derived from C1 domain of Protein G (Streptococcus G148)
SEQ ID NO:50,Antigen binding amino acid sequence derived from B1 domain of Protein L (Peptostreptococcus magnus)
SEQ ID NO:51,Antigen binding amino acid sequence derived from B1 domain of Protein L (Peptostreptococcus magnus)
SEQ ID NO:52,Fusion protein includes antibody binding amino acid sequence and Sendai virus nucleocapsid protein (G-NPK1)
SEQ ID NO:53,Fusion protein includes antibody binding amino acid sequence and Sendai virus nucleocapsid protein (G-NPK1)
SEQ ID NO:54,Fusion protein includes antibody binding amino acid sequence and Sendai virus nucleocapsid protein (GG-NPK1)
SEQ ID NO:55,Fusion protein includes antibody binding amino acid sequence and Sendai virus nucleocapsid protein (GG-NPK1)
SEQ ID NO:56,Fusion protein includes antibody binding amino acid sequence and Sendai virus nucleocapsid protein (L-NPK1)
SEQ ID NO:57,Fusion protein includes antibody binding amino acid sequence and Sendai virus nucleocapsid protein (L-NPK1)
SEQ ID NO:58,Fusion protein includes antibody binding amino acid sequence and Sendai virus nucleocapsid protein (LL-NPK1)
SEQ ID NO:59,Fusion protein includes antibody binding amino acid sequence and Sendai virus nucleocapsid protein (LL-NPK1)
Claims (18)
- (a)エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと(b)細胞内へ導入される外来物質と結合能のあるポリペプチドとを含むタンパク質であって、
(a)のポリペプチドが、
(1)配列番号:2に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
(2)該アミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド、または
(3)配列番号:27、29、31及び33からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
であり、
(b)のポリペプチドが、
(1)プロテインA、プロテインG、プロテインA/G、プロテインL、
(2)プロテインAのA、B、C、D、E領域、該B領域由来のZ領域、プロテインGのC1、C2、C3領域、プロテインLのB1、B2、B3、B4、B5領域、並びに
(3)該(1)及び(2)と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
からなる群より選択される一つ又は二以上の配列を組み合わせたものであるタンパク質。 - (a)のポリペプチドと(b)のポリペプチドとを含むタンパク質が融合タンパク質である請求項1に記載のタンパク質。
- (b)のポリペプチドが、
(1)配列番号:4、49及び51からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、並びに
(2)該アミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド、からなる群より選択される一つ又は二以上の配列を組み合わせたものである請求項1又は2に記載のタンパク質。 - エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと、抗体と結合能のあるポリペプチドとの融合タンパク質である以下(1)から(3)のいずれかのポリペプチドをコードするDNA。
(1)配列番号:2に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド若しくは該ポリペプチドと90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチドまたは配列番号:27、29、31及び33からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと、配列番号:4、49及び51からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド並びに該ポリペプチドと90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチドからなる群より選択される一つ又は二以上の配列を組み合わせたものであるポリペプチドとの融合ポリペプチド、
(2)配列番号:6、13、55及び59からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
(3)配列番号:6、13、55及び59からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド。 - (a)エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと(b)細胞内へ導入される外来物質と結合能のあるポリペプチドとを含むタンパク質を含有するエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスであって、
(a)のポリペプチドが、
(1)配列番号:2に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
(2)該アミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド、または
(3)配列番号:27、29、31及び33からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
であり、
(b)のポリペプチドが、
(1)プロテインA、プロテインG、プロテインA/G、プロテインL、
(2)プロテインAのA、B、C、D、E領域、該B領域由来のZ領域、プロテインGのC1、C2、C3領域、プロテインLのB1、B2、B3、B4、B5領域、並びに
(3)該(1)及び(2)と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
からなる群より選択される一つ又は二以上の配列を組み合わせたものであるエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルス。 - エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと、抗体と結合能のあるポリペプチドとの融合タンパク質である以下(1)から(3)のいずれかのポリペプチドを含有する請求項5に記載のエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルス。
(1)配列番号:2に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド若しくは該ポリペプチドと90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチドまたは配列番号:27、29、31及び33からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと、配列番号:4、49及び51からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド並びに該ポリペプチドと90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチドからなる群より選択される一つ又は二以上の配列を組み合わせたものであるポリペプチドとの融合ポリペプチド、
(2)配列番号:6、13、55及び59からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
(3)配列番号:6、13、55及び59からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド。 - (a)エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと(b)細胞内へ導入される外来物質と結合能のあるポリペプチドとを含むタンパク質と、外来物質との複合体を含有するエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスであって、
(a)のポリペプチドが、
(1)配列番号:2に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
(2)該アミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド、または
(3)配列番号:27、29、31及び33からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
であり、
(b)のポリペプチドが、
(1)プロテインA、プロテインG、プロテインA/G、プロテインL、
(2)プロテインAのA、B、C、D、E領域、該B領域由来のZ領域、プロテインGのC1、C2、C3領域、プロテインLのB1、B2、B3、B4、B5領域、並びに
(3)該(1)及び(2)と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
からなる群より選択される一つ又は二以上の配列を組み合わせたものであるエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルス。 - 外来物質が抗体である請求項7に記載のエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルス。
- エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと、抗体と結合能のあるポリペプチドとの融合タンパク質である以下(1)から(3)のいずれかのポリペプチドと、抗体との複合体を含む請求項8に記載のエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルス。
(1)配列番号:2に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド若しくは該ポリペプチドと90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチドまたは配列番号:27、29、31及び33からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと、配列番号:4、49及び51からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド並びに該ポリペプチドと90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチドからなる群より選択される一つ又は二以上の配列を組み合わせたものであるポリペプチドとの融合ポリペプチド、
(2)配列番号:6、13、55及び59からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
(3)配列番号:6、13、55及び59からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド。 - エンベロープ中に外来物質を含むエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスを調製する方法であって、
(1)エンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスと、(a)エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと(b)細胞内へ導入される外来物質と結合能のあるポリペプチドとを含むタンパク質とを混合する工程、
(2)前記工程(1)で得られる混合物に対してエンベロープの透過性に影響を与える処理を行う工程、
(3)前記工程(2)で得られるものと外来物質を混合する工程とを含み、
(a)のポリペプチドが、
(1)配列番号:2に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
(2)該アミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド、または
(3)配列番号:27、29、31及び33からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
であり、
(b)のポリペプチドが、
(1)プロテインA、プロテインG、プロテインA/G、プロテインL、
(2)プロテインAのA、B、C、D、E領域、該B領域由来のZ領域、プロテインGのC1、C2、C3領域、プロテインLのB1、B2、B3、B4、B5領域、並びに
(3)該(1)及び(2)と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
からなる群より選択される一つ又は二以上の配列を組み合わせたものである方法。 - エンベロープ中に外来物質を含むエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスを調製する方法であって、
(1)(a)エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと(b)細胞内へ導入される外来物質と結合能のあるポリペプチドとを含むタンパク質と、外来物質とを混合し複合体を形成する工程、
(2)前記工程(1)の混合物にエンベロープウイルスを混合する工程、
(3)前記工程(2)で得られる混合物に対してエンベロープの透過性に影響を与える処理を行う工程とを含み、
(a)のポリペプチドが、
(1)配列番号:2に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
(2)該アミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド、または
(3)配列番号:27、29、31及び33からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
であり、
(b)のポリペプチドが、
(1)プロテインA、プロテインG、プロテインA/G、プロテインL、
(2)プロテインAのA、B、C、D、E領域、該B領域由来のZ領域、プロテインGのC1、C2、C3領域、プロテインLのB1、B2、B3、B4、B5領域、並びに
(3)該(1)及び(2)と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
からなる群より選択される一つ又は二以上の配列を組み合わせたものである方法。 - (a)のポリペプチドと(b)のポリペプチドとを含むタンパク質が融合タンパク質である請求項10または11に記載の方法。
- 外来物質が抗体である請求項10または11に記載の方法。
- エンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスを用いて細胞内へ外来物質を導入する方法であって、
(1)エンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスと、(a)エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと(b)細胞内へ導入される外来物質と結合能のあるポリペプチドとを含むタンパク質とを混合する工程、
(2)前記工程(1)で得られる混合物に対してエンベロープの透過性に影響を与える処理を行う工程、
(3)前記工程(2)で得られるものと外来物質を混合する工程、
(4)前記工程(3)で得られる外来物質を含むエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスと細胞とを接触させる工程とを含み、
(a)のポリペプチドが、
(1)配列番号:2に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
(2)該アミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド、または
(3)配列番号:27、29、31及び33からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
であり、
(b)のポリペプチドが、
(1)プロテインA、プロテインG、プロテインA/G、プロテインL、
(2)プロテインAのA、B、C、D、E領域、該B領域由来のZ領域、プロテインGのC1、C2、C3領域、プロテインLのB1、B2、B3、B4、B5領域、並びに
(3)該(1)及び(2)と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
からなる群より選択される一つ又は二以上の配列を組み合わせたものである方法(但し、ヒト個体に適用する場合を除く)。 - エンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスを用いて細胞内へ外来物質を導入する方法であって、
(1)(a)エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと(b)細胞内へ導入される外来物質と結合能のあるポリペプチドとを含むタンパク質と、外来物質とを混合し複合体を形成する工程、
(2)前記工程(1)の複合体にエンベロープウイルスを混合する工程、
(3)前記工程(2)で得られる混合物に対してエンベロープの透過性に影響を与える処理を行う工程、
(4)前記工程(3)で得られる外来物質を含むエンベロープウイルスまたは不活性化エンベロープウイルスと細胞とを接触させる工程とを含み、
(a)のポリペプチドが、
(1)配列番号:2に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
(2)該アミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド、または
(3)配列番号:27、29、31及び33からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
であり、
(b)のポリペプチドが、
(1)プロテインA、プロテインG、プロテインA/G、プロテインL、
(2)プロテインAのA、B、C、D、E領域、該B領域由来のZ領域、プロテインGのC1、C2、C3領域、プロテインLのB1、B2、B3、B4、B5領域、並びに
(3)該(1)及び(2)と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
からなる群より選択される一つ又は二以上の配列を組み合わせたものである方法(但し、ヒト個体に適用する場合を除く)。 - (a)エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと(b)細胞内へ導入される外来物質と結合能のあるポリペプチドとを含むタンパク質が融合タンパク質である請求項14または15に記載の方法。
- 外来物質が抗体である請求項14または15に記載の方法。
- (a)エンベロープウイルスの構成成分と親和性のあるポリペプチドと(b)細胞内へ導入される外来物質と結合能のあるポリペプチドとを含むタンパク質と、細胞内へ導入される外来物質との複合体であって、
(a)のポリペプチドが、
(1)配列番号:2に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
(2)該アミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド、または
(3)配列番号:27、29、31及び33からなる群から選択された配列番号に記載のアミノ酸配列で表されるポリペプチド
であり、
(b)のポリペプチドが、
(1)プロテインA、プロテインG、プロテインA/G、プロテインL、
(2)プロテインAのA、B、C、D、E領域、該B領域由来のZ領域、プロテインGのC1、C2、C3領域、プロテインLのB1、B2、B3、B4、B5領域、並びに
(3)該(1)及び(2)と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列で表されるポリペプチド、
からなる群より選択される一つ又は二以上の配列を組み合わせたものである複合体。
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