JP5101837B2 - 塗布用ライン及び同ラインにおけるベース材料と添加剤との混合方法 - Google Patents
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Description
このように材料毎に塗布用ガンまでの搬送経路を設けることは工場の敷地を無駄に使用することになり問題があった。また、例えば、特許文献1において開示されるように、複数の種類の材料の共通化を図っても、発泡剤を含有する材料と、含有しない材料とでは、そもそも別の機能を有するため困難であった。
即ち、本発明の塗布用ラインは、請求項1に記載の通り、ベース材料を塗布手段側に搬送する管路を、前記塗布手段側において、第1の管路及び第2の管路を含む複数に分岐し、第1の管路は、第1の塗布手段に接続され、第1の塗布手段の下流側は、前記ベース材料を塗布手段側に搬送する管路の分岐点の上流側に接続され、第2の管路は、添加剤投入手段及び混合手段を備え、且つ、第2の塗布手段と接続されたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の塗布用ラインにおいて、前記混合手段と第2の塗布手段との間に中継タンクを設け、第2の塗布手段の下流側は、前記中継タンクと接続したことを特徴とする。
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の塗布用ラインにおける前記ベース材料と添加剤との混合方法であって、前記ベース材料は、熱可塑性重合体粒子、可塑剤、無機充填材及び接着付与剤の少なくとも何れかを含むものとし、第2の管路において、前記添加剤投入手段から添加剤として、有機発泡剤、未膨張バルーン及び着色剤の少なくとも何れかを含むものを添加して、前記混合手段により前記ベース材料と前記添加剤とを混合することを特徴とする。
また、本発明によれば、塗料の種類を減らすことができるので、製品管理にかかる負荷を軽減することができる。
ベース材料は、熱可塑性重合体粒子、可塑剤、無機充填材及び接着付与剤の少なくとも何れかを含むことが好ましい。
前記熱可塑性重合体粒子としては、塩化ビニル系重合体やアクリル系重合体粒子を使用することができる。
前記可塑剤としては、フタル酸エステル等の1次可塑剤や、或いは、これにアジピン酸系、トリメリト酸系等の2次可塑剤を少量添加するようにしてもよいし、また、互いに混合してもよい。
前記無機質充填剤としては、表面処理炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク等を使用することができる。
前記接着付与剤としては、ポリアミド樹脂、ブロックドイソシアネート樹脂、エポキシ樹脂等を使用することができ、これらは、必要に応じて単独又は組み合わせて使用することができる。
ベース材料に機能を付加する場合には、例えば、有機発泡剤、未膨張バルーン又は着色剤を可塑剤中に分散させたゾルを使用することができる。
また、粘度調製を行う場合には、上記ベース材料と同じ材料で粘度を異なるように調製したものを使用することができる。具体的には、塩化ビニル樹脂(又はアクリル樹脂)若しくは炭酸カルシウムを可塑剤中に分散させたゾルを使用することができる。
尚、添加剤に使用する可塑剤は、ベース材料に使用する可塑剤と同じものを使用することが好ましいが、DINP、DOP等のフタル酸エステル等の一次可塑剤に加えて、ポリエステル系やエポキシ樹脂、スルフォン酸系、トリメリト酸エステル系等の二次可塑剤を使用するようにしてもよい。
自動車のボディの場合に、塗布される材料としては、以下に具体的に説明する、アンダーボディーコート材(以下、「UBC」とする。)、発泡UBC材、シール材及びストーンガードコート材がある。
膜厚300〜500μm、粘度30〜100Pa・S程度で、主に自動車の床裏等の自動車下部やホイールハウス等に石や砂等から保護するために塗布されるもので、例えば、特許文献1に開示される材料により構成される。
膜厚1000〜3000μm、粘度30〜100Pa・S程度で、主にホイールハウス等に石、砂、水等が衝突する際に生じる騒音を防ぐために塗布されるもので、例えば、特許文献1に開示される材料やPVC系の材料に、発泡剤や未膨張バルーンを添加して構成される。
膜厚1000〜2000μm、粘度50〜100Pa・S程度で、主にエンジンルーム、フード、ドア、トランクルーム等の鋼板の接合部に塗布されるもので、例えば、特許文献1に開示されるPVC系の材料により構成される。
膜厚50〜350μm、粘度3〜50Pa・S程度で、主にドア下部、サイドシル部に塗布されるもので、例えば、特許文献1に開示されるPVC系の材料により構成される。
ベース材料への添加剤の混合条件は、ベース材料又はベース材料に添加剤を加えた材料の使用目的に応じて適宜決めることができるが、混合比について、一例を挙げると、ベース材料の全重量に対して1〜10重量%程度の割合で混合する。
この場合、添加剤の粘度は、20±15Pa・Sとすることが好ましい。5Pa・S未満となると、添加剤の粘度が低すぎてベース材料の粘度の差が大きくなり、均一に混合することが難しく、35Pa・Sを超えると、粘度調整が困難となるからである。
また、未膨張バルーン(有機発泡剤)と可塑剤との混合比率は、未膨張バルーン(有機発泡剤):可塑剤=3〜5:4〜6とすることが好ましい。可塑剤の比率が極端に高い場合、添加剤の粘度が低下し、ベース材料との混合性に問題が生じるからである。また、逆に未膨張バルーン(有機発泡剤)の比率が高い場合には、単位当たりの発泡剤濃度が高くなり、多段階的に発泡率を調整しづらくなるという問題がある。従って、ベース材料との混合性と発泡UBC材へ展開する際の発泡率の調整のし易さから、前記比率は4:5とすることが更に好ましい。
尚、ここでいう未膨張バルーンとしては、膨張剤である低沸点炭化水素(コア)をマイクロカプセル化した熱膨張性微少球をいい、松本油脂製薬(株)のマツモトマイクロスフェアーや積水化学工業(株)のADBANCELL等を使用することができる。また、有機発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)やオキシビスベンゼンスホニルヒドラジド(OBSH)に代表される物質をいい、永和化学工業(株)のビニホール、ネオセルボン、スパンセル、大塚化学のユニフォーム等を使用することができる。
尚、高物性UBC材を構成する材料に、発泡剤又は未膨張バルーンを分散させた添加剤を添加し、撹拌して発泡UBC材とする場合には、単純な添加撹拌ではエアーを巻き込んでしまい、焼き付け時に膨れ等の外観異常が生じる。つまり、中継タンクへ直接添加剤成分を投入したところでの撹拌では、中継タンク内では随時に供給と排出が起こり、均一な混合物を得ることはできず、発泡UBC材焼き付け時の異常発泡となる。別途に、撹拌用タンクを設置したとして均一な混合物を得られても、エアーの巻き込みにより焼き付け時の異常発泡が生じる。このため、混合手段を設ける位置については、分岐された管路の塗布手段側であって、混合された材料を収容する中継タンクの上流側に設けることが好ましい。
また、混合時には、エアーを巻き込まない方式のものを選択することが好ましく、例えば、スタッティックミキサー((株)ノリタケカンパニー)を使用することができる。これにより、エアーをかむことなく、均一な混合物とすることができる。このスタティックミキサーへの電気制御等による供給量調整によって添加剤の添加量を調整し、それにより多段階的に発泡率を変えた発泡UBC材を調整することが可能となる。
本実施例の塗布用ラインは、図1に示すように、容積10tの一次受け入れタンク1を備え、この中に、製品コンテナ2からベース材料が収容される。このベース材料は、ポンプ3により、長さ100m、内径75mmの管路4を経由して容積1tの中継タンク5に圧送される。この先、管路4は、長さ35m、内径75mmの発泡UBC材用の管路4aと、長さ35m、内径75mmの高物性UBC材用の管路4bの2本に分岐される。発泡UBC材用の管路4aには、分岐点5の下流側において、添加剤投入手段であるホッパー6が設けられ、混合手段であるスタティックミキサー7により混合された後、容積1tの中継タンク8に収容され、ここから塗布用ガン9により塗布される。一方、高物性UBC材用の管路4bは、塗布用ガン10に接続される。
図2の塗布用ラインでは、発泡UBC材及び高物性UBC材を構成する材料が、それぞれが容積10tの受け入れタンク1,1に収容される。両材料は、それぞれ、受け入れタンク1,1から長さ100m、内径75mmの管路4,4、容積1tの中継タンク8,8及び長さ20m、内径75mmの管路11,11を経由して塗布用ガンに接続される。
実施例の場合、総管路長は170mであり、容積10tの一次受け入れタンクは1個であり、容積1tの中継タンクは2個である。
これに対して、従来例の場合、総管路長は、240mであり、容積10tの一次受け入れタンクは2個であり、容積1tの中継タンクは2個である。
従って、本実施例は、従来例に対して、総管路長を70m短縮でき、容積10tの一次受け入れタンクを1個減量することができ、容積1tの中継タンクを1個減量することができた。
2 製品コンテナ
3 ポンプ
4 管路
4a,4b 分岐された管路
5 分岐点
6 ホッパー(添加剤投入手段)
7 スタティックミキサー(混合手段)
8 中継タンク
9 塗布用ガン
10 塗布用ガン
11 管路
Claims (3)
- ベース材料を塗布手段側に搬送する管路を、前記塗布手段側において、第1の管路及び第2の管路を含む複数に分岐し、第1の管路は、第1の塗布手段に接続され、第1の塗布手段の下流側は、前記ベース材料を塗布手段側に搬送する管路の分岐点の上流側に接続され、第2の管路は、添加剤投入手段及び混合手段を備え、且つ、第2の塗布手段と接続されたことを特徴とする塗布用ライン。
- 前記混合手段と第2の塗布手段との間に中継タンクを設け、第2の塗布手段の下流側は、前記中継タンクと接続したことを特徴とする請求項1に記載の塗布用ライン。
- 請求項1又は2に記載の塗布用ラインにおける前記ベース材料と添加剤との混合方法であって、前記ベース材料は、熱可塑性重合体粒子、可塑剤、無機充填材及び接着付与剤の少なくとも何れかを含むものとし、第2の管路において、前記添加剤投入手段から添加剤として、有機発泡剤、未膨張バルーン及び着色剤の少なくとも何れかを含むものを添加して、前記混合手段により前記ベース材料と前記添加剤とを混合することを特徴とするベース材料と添加剤との混合方法。
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