JP5100536B2 - 遅延プロファイル推定装置および遅延プロファイル推定方法 - Google Patents
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送信機で、既知の擬似ランダム(PN)系列における先頭の規定長の系列を該PN系列の後に付加し、該PN系列における末尾の規定長の系列を該PN系列の前に付加した構造を持つフレームヘッダと、送信すべき情報を含む有効シンボルとで構成される伝送シンボルを伝送単位として送信された信号を、伝送路を介して受信し、受信信号を所定のサンプリング周波数で標本化して得られる標本化系列から伝送路の遅延プロファイルを推定する遅延プロファイル推定装置において、
それぞれフレームヘッダの一部を構成する2つの異なるPN系列を生成する第1及び第2のPN系列生成手段と、
前記第1のPN系列生成手段によって生成されたPN系列と受信信号の標本化系列との相関を計算する第1の相関計算手段と、
前記第2のPN系列生成手段によって生成されたPN系列と受信信号の標本化系列との相関を計算する第2の相関計算手段と、
前記第1及び第2の相関計算手段で得られる2つの相関系列から遅延プロファイルを推定するプロファイル値計算手段を備え、
前記プロファイル値計算手段が、前記第1及び第2の相関計算手段から出力される2つの相関系列の互いに対応する相関値の瞬時電力を比較して瞬時電力の小さい相関値を選択し、選択した結果を遅延プロファイルとして出力する
ことを特徴とする。
図1はこの発明の実施の形態1に係わる遅延プロファイル推定法推定装置を示す。図示の遅延プロファイル推定装置は、第1のPN系列生成手段1と、第1の相関計算手段2と、第2のPN系列生成手段3と、第2の相関計算手段4と、遅延手段5と、第1の瞬時電力計算手段6と、第2の瞬時電力計算手段7と、最小電力探索手段8と、最小電力選択手段9を備える。
第1の相関計算手段2は、第1のPN系列生成手段1で生成されたPN系列Tfと受信信号Rsの標本化系列との相関を計算することで相関系列Rf(k)を得る。
第2のPN系列生成手段3は、図4(a)に示すように、フレームヘッダHfの末尾LmサンプルのPN系列Tbを生成する。
第2の相関計算手段4は、第2のPN系列生成手段3で生成されたPN系列Tbと受信信号Rsの標本化系列との相関を計算することで相関系列Rb(k)を得る。
第1の瞬時電力計算手段6は、遅延手段5から出力される相関系列Rf(k−d)の各相関値の瞬時電力(相関系列Rf(k−d)の各kの値についての相関値の2乗に比例する値)を計算する。
第2の瞬時電力計算手段7は、第2の相関計算手段4から出力される相関系列Rb(k)の各相関値の瞬時電力(相関系列Rb(k)の各kの値についての相関値の2乗に比例する値)を計算する。
最小電力選択手段9は、最小電力探索手段8における探索結果をもとに、遅延手段5から出力される相関系列Rf(k−d)と第2の相関計算手段4から出力される相関系列Rb(k)から瞬時電力が小さい相関値(相関系列Rf(k−d)及びRb(k)の当該kの値についての相関値のうちの一方)を選択し、推定遅延プロファイル(の当該kの値についての値)として出力する。
図5(a)に第1の相関計算手段2から出力される相関系列を示す。ここで、伝送路はマルチパスが存在しないとし、フレームヘッダHfの構造は非特許文献1と同様にLm=255、Lpre=82、Lpost=83としている。
Rf(k)は、図3(b)に示すように、PN系列Tfの先頭のサンプルを基準にして受信信号Rsに含まれるフレームヘッダHfの先頭サンプルがkサンプルだけシフトしたときに、これらの系列の相関を計算した結果である。
また、図3(b)おいてk=255のとき、受信信号Rsに含まれるPN系列の一部と第1のPN系列生成手段によって生成されたPN系列Tfの一部が一致するため、図5(a)においてk=255に不要な相関のピークが生じる。
図9はこの発明の実施の形態2に係わる遅延プロファイル推定装置を示す。図示の遅延プロファイル推定装置は、第1のPN系列生成手段11と、第2のPN系列生成手段12と、第3のPN系列生成手段13と、第1の相関計算手段14と、第2の相関計算手段15と、第3の相関計算手段16と、プロファイル値計算手段17を備える。
第1のPN系列生成手段11は、図10(d)に示すように、図10(a)のフレームヘッダHfの先頭から数えて第1の所定数C1a番目、例えば15サンプル目から、第2の所定数C1b番目、例えば305サンプル目までの長さ(サンプル数で数えた長さ)S1b、例えば290サンプルのPN系列T1を生成する。PN系列T1の後端からフレームヘッダHfの後端までの長さ(サンプル数で数えた長さ)をS1cで表す。S1cは、
S1c=Lm+Lpre+Lpost−C1a−S1b …(1a)
で与えられる。
S2c=Lm+Lpre+Lpost−C2a−S2b …(1b)
で与えられる。
S3c=Lm+Lpre+Lpost−C3a−S3b …(1c)
で与えられる。
S1b>(Lm−Lpre−Lpost) …(2a)
S2b>(Lm−Lpre−Lpost) …(2b)
S3b>(Lm−Lpre−Lpost) …(2c)
C1a+S1b>Lm …(3a)
C2a+S2b>Lm …(3b)
C3a+S3b>Lm …(3c)
S1b+S1c>Lm …(4a)
S2b+S2c>Lm …(4b)
S3b+S3c>Lm …(4c)
図11(a)乃至(c)から、到来波に応じた相関のピークR1a、R2a、R3aが存在する位置k=0を中心に、255サンプル離れた位置k=±255に不要な相関のピークR1b、R1c、R2b、R2c、R3b、R3cが生じることがわかる。
不要な相関のピークR1c、R2c、R3cは、フレームヘッダHfの構成の際、PN系列の先頭から規定長Lpreの系列を該PN系列の後に付加しているために生じるものであり、
不要な相関のピークR1b、R2b、R3bは、フレームヘッダHfの構成の際、PN系列の末尾から規定長Lpostの系列を該PN系列の前に付加しているために生じるものである。
R1a=S1b …(5a)
R1b=Lpre+Lpost−C1a …(5b)
R1c=Lpre+Lpost−S1c …(5c)
R2a=S2b …(6a)
R2b=Lpre+Lpost−C2a …(6b)
R2c=Lpre+Lpost−S2c …(6c)
R3a=S3b …(7a)
R3b=Lpre+Lpost−C3a …(7b)
R3c=Lpre+Lpost−S3c …(7c)
また、図11(b)に示すように、受信信号RsとPN系列T2との相関系列R2(k)における到来波に応じたピークの値R2aは250、不要なピークの値R2c、R2bは50と110であり、
図11(c)に示すように、受信信号RsとPN系列T3との相関系列R3(k)における到来波に応じたピークの値R3aは200、不要なピークの値R3c、R3bは25と85である。
ここで、3波モデル伝送路を想定し、受信する到来波として、主波と、主波に対して規定のPN系列Tdの長さ(255サンプル)だけ遅れて受信する第1の遅延波と、主波に対して規定のPN系列Tdの長さの2倍(510サンプル)だけ遅れて受信する第2の遅延波が存在する場合を想定する。このような場合を想定するのは、発明が解決しようとする課題の欄で述べたように、主波の到来時刻を基準にして遅延時間差が既知のPN系列の長さと等しい先行波、及び遅延波が存在する場合、従来手法で検出する主波に応じた相関のピーク値に、先行波、及び遅延波による不要な相関のピーク値が加算されるため、遅延プロファイルの推定精度が劣化するという問題があったが、本発明では、そのような問題が解決できることを示すためである。
主波、第1の遅延波、及び第2の遅延波の受信レベルをそれぞれα、β、γとする。
また、k=0の相関値R1(0)は、主波に応じた相関のピーク値290αと、第1の遅延波による不要な相関のピーク値50βの和(200α+50β)で表され、k=510の相関値R1(510)は、第2の遅延波に応じた相関のピーク値290γと第1の遅延波による不要な相関のピーク値150βとの和(150β+290γ)で表される。
同様にして、図14(a)に示した相関系列R3(k)は、図14(b)〜(d)に示すような3つの到来波(主波、第1の遅延波、第2の遅延波)とPN系列T3とのそれぞれの相関系列の和で表される。
85x+200y+25z=R3(k) …(9c)
式(9a)、(9b)、(9c)は、x、y、zを未知の変数とする連立方程式として扱える。
R1b・x+R1a・y+R1c・z=R1(k) …(10a)
R2b・x+R2a・y+R2c・z=R2(k) …(10b)
R3b・x+R3a・y+R3c・z=R3(k) …(10c)
x={15×R1(k)−11×R2(k)−8×R3(k)}/360 …(11a)
y={−3×R1(k)+R2(k)+4×R3(k)}/180 …(11b)
z={−15×R1(k)+107×R2(k)−112×R3(k)}/1800
…(11c)
また、k=255における相関結果R1(255)、R2(255)、R3(255)を式(11a)、(11b)、(11c)に代入すると、x=α、y=β、z=γとなり、yが第1の遅延波の受信レベルとなる。
k=510における相関結果R1(510)、R2(510)、R3(510)を式(11a)、(11b)、(11c)に代入すると、x=β、y=γ、z=0となり、yが第2の遅延波の受信レベルとなる。
また、相関のピークが存在しない範囲では、相関結果が非常に小さな値となるので、x、y、zはすべて0近傍の小さな値となる。
Claims (8)
- 送信機で、既知の擬似ランダム(PN)系列における先頭の規定長の系列を該PN系列の後に付加し、該PN系列における末尾の規定長の系列を該PN系列の前に付加した構造を持つフレームヘッダと、送信すべき情報を含む有効シンボルとで構成される伝送シンボルを伝送単位として送信された信号を、伝送路を介して受信し、受信信号を所定のサンプリング周波数で標本化して得られる標本化系列から伝送路の遅延プロファイルを推定する遅延プロファイル推定装置において、
それぞれフレームヘッダの一部を構成する2つの異なるPN系列を生成する第1及び第2のPN系列生成手段と、
前記第1のPN系列生成手段によって生成されたPN系列と受信信号の標本化系列との相関を計算する第1の相関計算手段と、
前記第2のPN系列生成手段によって生成されたPN系列と受信信号の標本化系列との相関を計算する第2の相関計算手段と、
前記第1及び第2の相関計算手段で得られる2つの相関系列から遅延プロファイルを推定するプロファイル値計算手段を備え、
前記プロファイル値計算手段が、前記第1及び第2の相関計算手段から出力される2つの相関系列の互いに対応する相関値の瞬時電力を比較して瞬時電力の小さい相関値を選択し、選択した結果を遅延プロファイルとして出力する
ことを特徴とする遅延プロファイル推定装置。 - 前記第1及び第2のPN系列生成手段が生成するPN系列がともに所定の長さを有することを特徴とする請求項1に記載の遅延プロファイル推定装置。
- 前記第1のPN系列生成手段が生成するPN系列が、フレームヘッダの先頭から前記所定の長さのPN系列と同じものであり、
前記第2のPN系列生成手段が生成するPN系列が、フレームヘッダの後端から前記所定の長さのPN系列と同じものである
ことを特徴とする請求項1に記載の遅延プロファイル推定装置。 - 送信機で、既知の擬似ランダム(PN)系列における先頭の規定長の系列を該PN系列の後に付加し、該PN系列における末尾の規定長の系列を該PN系列の前に付加した構造を持つフレームヘッダと、送信すべき情報を含む有効シンボルとで構成される伝送シンボルを伝送単位として送信された信号を、伝送路を介して受信し、受信信号を所定のサンプリング周波数で標本化して得られる標本化系列から伝送路の遅延プロファイルを推定する遅延プロファイル推定装置において、
それぞれフレームヘッダの一部を構成する3つの異なるPN系列を生成する第1、第2及び第3のPN系列生成手段と、
前記第1のPN系列生成手段で生成されるPN系列と受信信号の標本化系列との相関を計算する第1の相関計算手段と、
前記第2のPN系列生成手段で生成されるPN系列と受信信号の標本化系列との相関を計算する第2の相関計算手段と、
前記第3のPN系列生成手段で生成されるPN系列と受信信号の標本化系列との相関を計算する第3の相関計算手段と、
前記第1、第2及び第3の相関計算手段で得られる3つの相関系列から遅延プロファイルを推定するプロファイル値計算手段を備え、
前記プロファイル値計算手段が、前記第1、第2及び第3の相関計算手段から出力される3つの相関系列の互いに対応する相関値をもとに遅延プロファイルを推定する
ことを特徴とする遅延プロファイル推定装置。 - 前記プロファイル値計算手段は、
前記第1の相関計算手段から出力される相関系列の到来波に応じた相関のピーク及び第1及び第2の不要な相関のピークと、
前記第2の相関計算手段から出力される相関系列の到来波に応じた相関のピーク及び第1及び第2の不要な相関のピークと、
前記第3の相関計算手段から出力される相関系列の到来波に応じた相関のピーク及び第1及び第2の不要な相関のピークと
に基づいて前記遅延プロファイルを推定するものであり、
前記第1の不要な相関のピークは、前記フレームヘッダの構成に際し、前記PN系列における末尾の規定長の系列を該PN系列の前に付加しているために生じるものであり、
前記第2の不要な相関のピークは、前記フレームヘッダの構成に際し、前記PN系列における先頭の規定長の系列を該PN系列の後に付加しているために生じるものである
ことを特徴とする請求項4に記載の遅延プロファイル推定装置。 - 前記プロファイル値計算手段は、
前記第1の相関計算手段から出力される相関系列R1(k)の到来波に応じた相関のピークR1a及び第1及び第2の不要な相関のピークR1b、R1cと、
前記第2の相関計算手段から出力される相関系列R2(k)の到来波に応じた相関のピークR2a及び第1及び第2の不要な相関のピークR2b、R2cと、
前記第3の相関計算手段から出力される相関系列R3(k)の到来波に応じた相関のピークR3a及び第1及び第2の不要な相関のピークR3b、R3cとを関係付ける下記の式、
R1b・x+R1a・y+R1c・z=R1(k)
R2b・x+R2a・y+R2c・z=R2(k)
R3b・x+R3a・y+R3c・z=R3(k)
を連立で解いたときのyの値を、前記遅延プロファイルの値として算出する
ことを特徴とする請求項4に記載の遅延プロファイル推定装置。 - 送信機で、既知の擬似ランダム(PN)系列における先頭の規定長の系列を該PN系列の後に付加し、該PN系列における末尾の規定長の系列を該PN系列の前に付加した構造を持つフレームヘッダと、送信すべき情報を含む有効シンボルとで構成される伝送シンボルを伝送単位として送信された信号を、伝送路を介して受信し、受信信号を所定のサンプリング周波数で標本化して得られる標本化系列から伝送路の遅延プロファイルを推定する遅延プロファイル推定方法において、
それぞれフレームヘッダの一部を構成する2つの異なるPN系列を生成する第1及び第2のPN系列生成ステップと、
前記第1のPN系列生成ステップによって生成されたPN系列と受信信号の標本化系列との相関を計算する第1の相関計算ステップと、
前記第2のPN系列生成ステップによって生成されたPN系列と受信信号の標本化系列との相関を計算する第2の相関計算ステップと、
前記第1及び第2の相関計算ステップで得られる2つの相関系列から遅延プロファイルを推定するプロファイル値計算ステップを備え、
前記プロファイル値計算ステップが、前記第1及び第2の相関計算ステップから出力される2つの相関系列の互いに対応する相関値の瞬時電力を比較して瞬時電力の小さい相関値を選択し、選択した結果を遅延プロファイルとして出力する
ことを特徴とする遅延プロファイル推定方法。 - 送信機で、既知の擬似ランダム(PN)系列における先頭の規定長の系列を該PN系列の後に付加し、該PN系列における末尾の規定長の系列を該PN系列の前に付加した構造を持つフレームヘッダと、送信すべき情報を含む有効シンボルとで構成される伝送シンボルを伝送単位として送信された信号を、伝送路を介して受信し、受信信号を所定のサンプリング周波数で標本化して得られる標本化系列から伝送路の遅延プロファイルを推定する遅延プロファイル推定方法において、
それぞれフレームヘッダの一部を構成する3つの異なるPN系列を生成する第1、第2及び第3のPN系列生成ステップと、
前記第1のPN系列生成ステップで生成されるPN系列と受信信号の標本化系列との相関を計算する第1の相関計算ステップと、
前記第2のPN系列生成ステップで生成されるPN系列と受信信号の標本化系列との相関を計算する第2の相関計算ステップと、
前記第3のPN系列生成ステップで生成されるPN系列と受信信号の標本化系列との相関を計算する第3の相関計算ステップと、
前記第1、第2及び第3の相関計算ステップで得られる3つの相関系列から遅延プロファイルを推定するプロファイル値計算ステップを備え、
前記プロファイル値計算ステップが、前記第1、第2及び第3の相関計算ステップから出力される3つの相関系列の互いに対応する相関値をもとに遅延プロファイルを推定する
ことを特徴とする遅延プロファイル推定方法。
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