広視野角を達成し得る液晶表示装置として、一方の基板にのみ画素電極及び共通電極からなる一対の電極を備えたIPS(In-Plane Switching)モードないしFFSモードの液晶表示装置が知られている。
このうちIPSモードの液晶表示装置は、一対の電極を同一層に配置し、液晶に印加する電界の方向を基板にほぼ平行な方向として液晶分子を基板に平行な方向に再配列するものである。そのため、IPSモードの液晶表示装置は、横電界方式の液晶表示装置ともいわれ、従来の縦電界方式の液晶表示装置と比すると非常に広視野角であるという利点を有している。しかしながら、IPSモードの液晶表示装置は、液晶に電界を印加する一対の電極が同一層に設けられているため、画素電極の上側に位置する液晶分子は十分に駆動されず、透過率等の低下を招いてしまうといった問題点が存在している。
このようなIPSモードの液晶表示装置の問題点を解決するために、いわゆる斜め電界方式ともいうべきFFSモードの液晶表示装置が開発されている(下記特許文献1〜4参照)。FFSモードの液晶表示装置は液晶層に電界を印加する画素電極と共通電極をそれぞれ絶縁膜を挟んで異なる層に配置したものである。従来のFFSモードの液晶表示装置を図9を参照して説明する。
図9Aは従来の液晶表示装置の1サブ画素分の平面図であり、図9Bは図9AのIXB−IXB線に沿った断面図である。
この液晶表示装置10Eは、アレイ基板(第1基板)ARと、カラーフィルタ基板(第2基板)CFとを備えている。アレイ基板ARは、ガラス基板等の第1の透明基板11の表示領域の表面に、マトリクス状に複数の走査線GL及び信号線SLが互いにゲート絶縁膜12gによって絶縁された状態で交差するように形成されている。更に、表示領域の周縁部にはコモン配線(図示省略)が形成されている。これらの走査線GL及び信号線SLで囲まれたそれぞれの領域がサブ画素を形成する。また、第1の透明基板11にはサブ画素毎にスイッチング素子として例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下「TFT」という)素子が形成されており、TFTを含む第1の透明基板11の表面全体には、例えば窒化ケイ素層ないし酸化ケイ素層からなるパッシベーション膜12pが積層されている。
そして、パッシベーション膜12pの表面には有機材料からなる層間膜13(平坦化膜とも言われる)が形成されており、層間膜13及びパッシベーション膜12pにはTFTのドレイン電極Dに対応する位置にコンタクトホール14が形成されている。そして、それぞれのサブ画素毎にITO(Indium Tin Oxide)ないしIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電材料からなる下電極15eが形成され、それぞれの下電極15eは個別にコンタクトホール14部でTFTのドレイン電極Dに電気的に接続されている。従って、この下電極15eは画素電極として機能する。
更に、下電極15eが形成された第1の透明基板11の表面全体には窒化ケイ素層ないし酸化ケイ素層からなる絶縁膜16が形成されている。絶縁膜16の表面には、それぞれのサブ画素領域毎に複数のスリット17eが形成された上電極18eがベタ状に形成され、この上電極18eは表示領域の周縁部で図示しないがコモン配線に電気的に接続されている。したがって、この上電極18eは共通電極として機能する。また、表示領域の上電極18eを含む表面全体にラビング処理された配向膜(図示せず)が設けられている。なお、上電極18eをTFTのドレイン電極Dに接続して画素電極として機能させ、下電極15eをコモン配線に接続して共通電極として機能させる場合もある。
また、カラーフィルタ基板CFは、図9Bに示したように、ガラス基板等の第2の透明基板21の表面には、液晶表示装置10Eの個々の走査線GL、信号線SL及びTFTに対向する位置に遮光膜22が形成されている。更に、遮光膜22で囲まれた第2の透明基板21の表面には、所定の色のカラーフィルタ層23が形成されている。また、遮光膜22及びカラーフィルタ層23の表面を被覆するようにオーバーコート層24が形成されている。そして、オーバーコート層24の表面には配向膜(図示せず)が形成されている。
そして、アレイ基板ARの上電極18eとカラーフィルタ基板CFのカラーフィルタ層23とが互いに対向するように、アレイ基板AR及びカラーフィルタ基板CFが対向され、その間に液晶層25が封入されている。更に、アレイ基板ARの外側にバックライト装置(図示省略)が配置されてFFSモードの液晶表示装置10Eが完成される。
このようなFFSモードの液晶表示装置は、IPSモードの液晶表示装置よりも広視野角かつ高コントラストであり、更に低電圧駆動ができると共により高透過率であるために明るい表示が可能となるという特徴を備えている。加えて、FFSモードの液晶表示装置には、IPSモードの液晶表示装置よりも平面視で上電極と下電極との重複面積が大きいために、より大きな補助容量が副次的に生じるので、別途補助容量線を設ける必要がなくなるという長所も存在している。
特開2001−235763号公報
特開2002−182230号公報
特開2001−083540号公報
特開2007−226175号公報
ところで、液晶表示装置は長時間一定条件で使用すると焼き付き現象が生じることが知られている。焼き付き現象は、IPSモードの液晶表示装置の場合においてもFFSモードの液晶表示装置の場合においても同様に生じる。しかしながら、上述のようなFFSモードの液晶表示装置においては、従来のIPSモードの液晶表示装置に比すると焼き付き現象が大きく表れることが見出されている。
焼き付き現象の原因の1つとして、FFSモードの液晶表示装置ではスリットを有する上電極が絶縁膜の表面に設けられているために段差が生じていることが挙げられる。すなわち、IPSモードの液晶表示装置は、画素電極及び共通電極共に同一平面に形成されているため、画素電極から液晶へ向かう電気力線の経路と液晶から共通電極へ向かう電気力線の経路は対称となる。それに対し、FFSモードの液晶表示装置では、上電極から液晶へ向かう電気力線の経路と液晶から下電極へ向かう電気力線の経路は非対称である。そのため、FFSモードの液晶表示装置はIPSモードの液晶表示装置よりも焼き付き現象が大きくなるのである。
焼き付き現象を抑制するには、上電極の段差を小さくすると解決できるため、上電極の厚さを薄くすることが行われている。しかしながら、上電極の厚さを薄くすると、上電極はITOやIZO等の抵抗値が高い透明導電材料から形成されているため、上電極の抵抗値はより高くなってしまう。しかも、上電極には画素領域毎に複数のスリットが形成されているので、上電極の抵抗値は上電極をベタ状に形成した場合よりも高くなる。そのため、特に上電極を共通電極として使用する場合、上電極の高抵抗化に起因して上電極に印加される信号が劣化してしまい、横クロストークの発生が見られるようになる。このような横クロストークの発生は、特にワイドサイズと称される横長の液晶表示装置の場合に大きく現れる。
本発明は、上述のようなFFSモードの液晶表示装置の問題点を解決すべくなされたものである。すなわち、本発明は、液晶層側の上電極に起因する焼き付き現象を抑制するとともに表示画質が良好なFFSモードの液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の液晶表示装置は、液晶層を挟持して対向配置された一対の基板を備え、前記一対の基板のそれぞれに複数のサブ画素がマトリクス状に配列された表示領域を有している液晶表示装置において、前記一対の基板のうちの一方の基板には、サブ画素毎に、スイッチング素子と、前記表示領域に形成された層間膜上に形成された第1電極と、前記第1電極上に絶縁膜を挟んで複数のストライプ状のスリットが形成された第2電極とが形成されており、前記絶縁膜の表面は前記第2電極に対応する位置に凹部が形成され、前記第2電極の表面と前記第2電極のスリット部分に位置する前記絶縁膜の表面とが同一平面となるように形成され、前記層間膜の表面は前記第2電極に対応する位置に凹部が形成され、前記第1電極及び前記絶縁膜はそれぞれ前記層間膜の表面の凹凸形状に倣うように一定の厚さに形成されていることを特徴とする。
本発明の液晶表示装置においては、絶縁膜の表面に設けられる第2電極(上電極)はサブ画素毎に複数のストライプ状のスリットが形成されている。本発明の液晶表示装置は、スリットを介してサブ画素領域毎に第1電極(下電極)と第2電極との間に印加される電界によってフリンジフィールド効果を発揮させることができる。複数のストライプ状のスリットは、互いに平行な方向に形成されている必要があるが、サブ画素の1つの周辺に対して、平行であっても、傾いていても、或いは直交していてもよい。更には、1つのサブ画素内で異なる複数の方向に傾いて形成されている群が存在していてもよい。このような構成とすると、視角による画質表示低下を低減することが可能となる。
また、上記のような構成とすると、アレイ基板の液晶に接する部分の平坦性が向上し、電荷の集中が緩和されるため、上述のような従来例のFFSモードの液晶表示装置に比すると焼き付き現象が大幅に低下する。加えて、特に第2電極の厚さを薄くしなくても済むため、第2電極としてITOやIZO等の抵抗値が高い透明導電材料を使用しても第2電極の抵抗値を低くすることができるので、横クロストークの発生が大幅に減少する。
なお、本発明においては、第1電極及び第2電極として、例えばITO又はIZO等の透明導電材料を使用しているが、第1電極及び第2電極とは同組成のものであっても異なる組成のものであってもよい。なお、第1電極は前記一方の基板の表面に直接形成してもよく、或いは前記一方の基板の表面に形成された層間膜上に形成してもよい。また、本発明においては、スイッチング素子として、p−Si(ポリシリコン)型のTFT素子、a−Si(アモルファスシリコン)型のTFT素子、低温ポリシリコン(LTPS:Low Temperature Poly Silicon)型のTFT素子などの三端子型素子、或いは薄膜ダイオード(TFD:Thin Film Diode)素子などに代表される二端子型非線形素子などを用いることができる。
第1電極を表示領域に形成された層間膜上に形成すると、スイッチング素子等と平面視で重なる部分の第1電極の表面、更には第1電極の表面に絶縁膜を挟んで形成される第2電極の表面に段差が形成されないようにできる。そのため、本発明の液晶表示装置によれば、液晶層の厚さ、すなわちセルギャップが一定となるようにすることができるので、表示画質が向上する。また、本発明における層間膜は、製造時に少なくとも表面が平坦性を有する透明な有機絶縁膜が得られるものであれば使用することができ、例えばアクリル樹脂やポリイミド等の透明樹脂を使用してもよい。
層間膜の第2電極に対応する位置に形成する凹部は、特に層間膜をフォトレジストで形成すると共に多階調マスクを用いて露光を行うことにより特に製造工数を増やすことなく容易に形成できる。そして、層間膜の表面の第2電極に対応する位置に凹部を形成した後は、CVD(chemical vapor deposition)法やスパッタ法により一定の厚さの窒化ケイ素等の無機絶縁材料からなる絶縁膜及び第2電極を順次形成できる。そのため、本発明の液晶表示装置の発明によれば、容易に焼き付き現象が生じないFFSモードの液晶表示装置を作製できるようになる。
また、本発明の液晶表示装置においては、前記絶縁膜は窒化ケイ素ないし酸化ケイ素層からなる無機材料からなるものとすることができる。
窒化ケイ素ないし酸化ケイ素層等の無機材料は絶縁性が非常に良好であるので、パッシベーション膜を兼ねることができる。無機材料からなる絶縁膜の第2電極に対応する位置に凹部を形成すると共にコンタクトホールを形成するには、リソグラフィー法により多階調マスクを用いて露光を行うことにより特に製造工数を増やすことなく形成することができる。また、この発明の液晶表示装置においては、第1電極は前記一方の基板の表面又はゲート絶縁膜の表面に直接形成することができる。従って、本発明の液晶表示装置によれば、層間膜を形成する必要がないために製造工数を少なくすることができ、焼き付き現象が生じないFFSモードの液晶表示装置を容易に作製できるようになる。
また、本発明の液晶表示装置においては、前記絶縁膜は有機材料からなるものとすることができる。
第1電極及び第2電極間に配置された絶縁膜は必ずしも高絶縁性が要求されるものではないので、酸化ケイ素ないし窒化ケイ素等の無機絶縁膜に換えて有機材料からなる絶縁物を使用してもよい。有機材料としてはフォトレジストを用い、多階調マスクを用いて露光を行うことにより特に製造工数を増やすことなく有機材料からなる絶縁膜の表面に第2電極に対応する位置に凹部を形成することができる。また、この発明の液晶表示装置においては、第1電極は前記一方の基板の表面、通常はパッシベーション膜の表面に直接形成することができる。従って、本発明の液晶表示装置によれば、層間膜を形成する必要がないために製造工数を少なくすることができ、焼き付き現象が生じないFFSモードの液晶表示装置を容易に作製できるようになる。
本発明の液晶表示装置においては、絶縁膜の厚さは2000Å〜4000Åとすることが好ましい。
絶縁膜の厚さが2000Å未満であると静電破壊し易くなり、また、絶縁膜の厚さが4000Åを超えると液晶を駆動するのに高い電圧が必要となるので好ましくない。なお、有機材料からなる絶縁膜をフォトレジストで直接形成すると、通常はμmオーダーの膜厚となるが、多階調マスクを用いて露光を行うことにより容易に2000Å〜4000Åの厚さとするとともに、第2電極に対応する位置に凹部を形成することができる。
また、本発明の液晶表示装置においては、前記第1電極はそれぞれのサブ画素毎に前記スイッチング素子の電極に電気的に接続されており、前記第2電極は前記表示領域の周縁部に形成されたコモン配線に接続されていることが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、第1電極が画素電極として作動し、第2電極が共通電極として作動する。FFSモードの液晶表示装置は、第1電極及び第2電極の何れをも画素電極ないし共通電極として作動させることができるが、本発明のように第1電極を画素電極として作動させると共に第2電極を共通電極として作動させるようにすると、第1電極を共通電極として作動させると共に第2電極を画素電極として作動させる場合と比すると、製造工数を減らすことができる。また、一般に、FFSモードの液晶表示装置は第2電極を共通電極として作動させると焼き付き現象が大きくなる。しかしながら、本発明の液晶表示装置によれば、第2電極を共通電極として作動させても焼き付き現象が大きく抑制されるため、効果が顕著に現れる。
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す各実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための液晶表示装置としてFFSモードの液晶表示装置を例示するものであって、本発明をこのFFSモードの液晶表示装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。また、この明細書における説明のために用いられた各図面においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせて表示しており、必ずしも実際の寸法に比例して表示されているものではない。
図1Aは第1の実施形態の液晶表示装置の1サブ画素分の平面図であり、図1Bは図1AのIB−IB線に沿った断面図である。図2A〜図2Fは第1の実施形態の液晶表示装置の製造工程を順を追って表した図1AのIB−IB線に対応する断面図である。図3Aは第2の実施形態の液晶表示装置の1サブ画素分の平面図であり、図3Bは図3AのIIIB−IIIB線に沿った断面図である。図4A〜図4Gは第2の実施形態の液晶表示装置の製造工程を順を追って表した図3AのIIIB−IIIB線に対応する断面図である。図5A第は3の実施形態の液晶表示装置の1サブ画素分の平面図であり、図5Bは図5AのVB−VB線に沿った断面図である。図6A〜図6Fは第3の実施形態の液晶表示装置の製造工程を順を追って表した図5AのVB−VB線に対応する断面図である。図7A第は4の実施形態の液晶表示装置の1サブ画素分の平面図であり、図7Bは図7AのVIIB−VIIB線に沿った断面図である。図8A〜図8Dは第4の実施形態の液晶表示装置の製造工程を順を追って表した図7AのVIIB−VIIB線に対応する断面図である。
[第1の実施形態]
この発明の第1の実施形態のFFSモードの液晶表示装置10Aを図1A及び図1B、図2A〜図2Fを用いて製造工程順にその構成を説明する。なお、第1の実施形態のFFSモードの液晶表示装置10Aにおいては、図9A及び図9Bに示した従来例の液晶表示装置と同一の構成部分には同一の参照符号を付与して説明する。
第1の実施形態のFFSモードの液晶表示装置10Aのアレイ基板ARは以下のようにして作製される。最初に、ガラス基板等の第1の透明基板11の表示領域に複数の走査線GLを互いに平行になるように形成し、次いで、この表面全体に窒化ケイ素層ないし酸化ケイ素層からなるゲート絶縁膜12gを被覆する。その後、TFT形成領域に例えばa−Si層からなる半導体層を形成する。この半導体層が形成されている位置の走査線GLの領域がTFTのゲート電極Gになる。
次いで、表示領域において走査線GLに交差するようにソース電極Sを含む信号線SLを形成し、TFT形成領域にドレイン電極Dを形成すると共に、表示領域の周囲に共通配線Com等を形成する。なお、コモン配線Comはゲート絶縁膜12gと第1の透明基板の間に形成してもよい。その後、上記工程で得られた第1の透明基板11の表面全体にパッシベーション膜12pを被覆する。このパッシベーション膜12pとしては、窒化ケイ素層ないし酸化ケイ素層からなるものを使用することができるが、絶縁性の観点からは窒化ケイ素層の方が望ましい。ここまでの行程は、従来のFFSモードの液晶表示装置の製造工程と同様であるので、その詳細な図示は省略してある。その後、パッシベーション膜12pの表面全体に例えばフォトレジストからなる層間膜13を積層する(図2A参照)。
次いで、多階調マスク、例えばハーフトーンマスク30を用いて露光及び現像処理を行う(図2B参照)。多階調マスクは、基板内で異なるフォトレジスト膜厚を残す目的で使用されているものであり、ハーフトーンマスク及びグレイトーンマスクが知られている。ハーフトーンマスク30は、バイナリーマスク31の光透過部そのものと同様の構成の部分が全光量透過部31aとなり、このバイナリーマスク31の光透過部に露光光の一部を吸収する光吸収部材32が設けられた部分が中間光量透過部31bとなる。そして、中間光量透過部31bの透過率は、光吸収部材32の吸光度を変えることによって種々の数値をとることができる。
中間光量透過部31bの吸光度が20%未満であると露光機の光源の輝度の変動を考慮すると実質的に全光量透過31aと変わらなくなる。また、中間光量透過部31bの吸光度が60%を超えると透過する光量が減少しすぎて薄いフォトレジスト層であっても完全露光に時間がかかるようになる。そのため、最適な中間光量透過部31bの吸光度は20%〜60%である。なお、多階調マスクとしてグレイトーンマスクも使用し得る。グレイトーンマスクは、前記中間光量透過部31bが解像限界以下のスリットパターンが複数個形成された部分からなるものであり、このスリットの幅や所定幅当たりのスリットの個数を変えることにより中間光量透過部31bの光透過率を変えることができる。
そして、第1の実施形態では、層間膜13の凹部13aは多階調マスクの中間光量を得る部分で、コンタクトホール14及び共通配線Comの形成位置を含む表示領域の周縁部の厚いフォトレジスト層は多階調マスクの全光量を得る部分で、それぞれ一括して露光する。そうすると、層間膜13の凹部13aのフォトレジスト層もコンタクトホール14及び表示領域の周縁部の厚いフォトレジスト層も、多階調マスクの中間光量を得る部分の光透過率を適宜に調整することにより、最適露光量で一括して露光させることができるようになる。その後に現像処理を行うことにより、層間膜13に凹部13aを形成すると共にコンタクトホール14の形成部分及び表示領域の周縁部のフォトレジスト層を除去することができる(図2C参照)。
次いで、コンタクトホール14を形成する部分のパッシベーション膜12pをエッチング法によって除去する。このコンタクトホール14の形成には、乾式エッチング法の1種であるプラズマエッチング法を採用し得る。更に、スパッタ法等によりITOないしIZOからなる下側の透明導電層を積層する。このとき、形成された透明導電層は、層間膜13の凹部13aの内部に対しても一定の厚さで積層されるため、層間膜13の凹部13aの形状が正確に反映された形状に形成され、また、ドレイン電極Dと電気的に接続される。この後、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によって、表示領域のサブ画素毎に下電極15aを所定のパターンに形成する(図2D参照)。この第1の実施形態の液晶表示装置10Aにおいては、下電極15aは、本発明の第1電極に対応し、画素電極として機能する。
更に、下電極15aが形成された透明基板11の表面全体に窒化ケイ素層ないし酸化ケイ素層からなる絶縁膜16を所定の厚さ、例えば2000Å〜4000Åに形成する。絶縁膜16は、層間膜13や下電極15aの表面を荒らさないようにするため、ゲート絶縁膜12gやパッシベーション膜12pの形成条件よりも穏やかなプラズマCVD条件、いわゆる低温成膜条件で形成する。このとき、形成された絶縁膜16は、下電極15aの凹凸部の内部にも一定の厚さで積層されるため、層間膜13の凹部13aの形状が正確に反映された形状に形成される(図2E参照)。次いで、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によって、表示領域の周辺部のコンタクトホール14a形成部分の絶縁膜16及びパッシベーション膜12p等を除去してコモン配線Comを露出させる。
更に、スパッタ法等によりITOないしIZOからなる上側の透明導電層を絶縁膜16の表面に形成された凹部16aを埋めるように積層する。このとき、透明導電層と共通配線Comとは表示領域の周辺部のコンタクトホール14a部で電気的に接続された状態となると共に、絶縁膜16の表面も透明導電層によって被覆される。その後、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によって、表示領域においては上電極18aのスリット17aに対応する位置の絶縁膜16の表面が露出するように、表示領域の周辺部では所定のパターンとなるように、透明導電層をエッチングする。表示領域において露出した絶縁膜16の表面は、上電極18aの表面と同じ高さとなり、フリンジフィールド効果を発生させる複数のスリット17aとして機能する。また、上電極18aは、表示領域の全体を被覆しており、コンタクトホール14a部で共通配線Comと電気的に接続された状態となる(図2F参照)。
従って、この第1の実施形態の液晶表示装置10Aにおいては、この上電極18aは、本発明の第2電極に対応し、共通電極として機能する。この後、上電極18a側の表面全体に配向膜(図示せず)を設けることにより第1の実施形態の液晶表示装置10Aのアレイ基板ARが完成される。
上記のアレイ基板ARに対向するカラーフィルタ基板CFは、図9に示した従来のFFSモードの液晶表示装置用のカラーフィルタ基板と同様のものを使用してもよい。すなわち、カラーフィルタ基板CFは、ガラス基板等の第2の透明基板21の表面に、液晶表示装置10Aの個々の走査線GL、信号線SL及びTFTに対応する位置を被覆するように遮光膜22が形成されている。更に、遮光膜22で囲まれた第2の透明基板21の表面には、所定の色のカラーフィルタ層23が形成されている。また、遮光膜22及びカラーフィルタ層23の表面を被覆するようにオーバーコート層24が形成されている。そして、オーバーコート層24の表面には配向膜(図示せず)が形成されている。次いで、上述のアレイ基板AR及びカラーフィルタ基板CFを対向させて内部に液晶を封入することにより、図1A及び図1Bに示したように、第1の実施形態の液晶表示装置10Aが得られる。
このようにして製造された第1の実施形態の液晶表示装置10Aによれば、上電極18aは絶縁膜16の凹部に埋め込まれた状態となっているため、上電極18aの表面と露出している絶縁膜16の表面は平らになる。そのため、アレイ基板ARの液晶25に接する部分の平坦性が向上し、電荷の集中が緩和されるため、従来例のFFSモードの液晶表示装置に比すると焼き付き現象が大幅に低下する。しかも、上電極18aの厚さを厚くすることができるので、上電極18aがITOやIZO等の抵抗値が高い透明導電材料からなるものであっても、上電極18aの抵抗値は非常に小さくなる。そのため、第1の実施形態の液晶表示装置10Aによれば、焼き付き現象が十分に抑制されるとともに、共通電極として機能する上電極18aに印加される信号が劣化することがなくなり、たとえ横長の液晶表示装置であっても横クロストークが少なく、表示画質が良好な液晶表示装置となる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態の液晶表示装置10Bとしては、下電極と上電極との間の絶縁膜をフォトレジスト層によって形成した。この第2の実施形態の液晶表示装置を図3A及び図3B、図4A〜図4Gを用いて製造工程順にその構成を説明する。なお、第2の実施形態のFFSモードの液晶表示装置10Bにおいては、第1の実施形態の液晶表示装置10Aと同一の構成部分には同一の参照符号を付与して説明する。
第2の実施形態のFFSモードの液晶表示装置10Bのアレイ基板ARは以下のようにして作製される。最初に、ガラス基板等の透明基板11の表示領域に複数の走査線GLを互いに平行になるように形成すると共に、表示領域の周囲にコモン配線Com等を形成し、次いで、この表面全体に窒化ケイ素層ないし酸化ケイ素層からなるゲート絶縁膜12gを被覆する。その後、TFT形成領域に例えばa−Si層からなる半導体層を形成する。この半導体層が形成されている位置の走査線GLの領域がTFTのゲート電極Gになる。次いで、表示領域において走査線GLに交差するようにソース電極Sを含む信号線SLを形成し、TFT形成領域にドレイン電極Dを形成すると共に、表示領域の周囲に共通配線Com等を形成する。なお、コモン配線Comはゲート絶縁膜12gと第1の透明基板の間に形成してもよい。その後、上記工程で得られた第1の透明基板11の表面全体にパッシベーション膜12pを被覆する(図4A参照)。ここまでの工程は、従来例のFFSモードの液晶表示装置の製造工程と同様であるので、その詳細な図示は省略してある。
その後、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によってTFTのドレイン電極Dの部分のパッシベーション膜12pにコンタクトホール14を形成する(図4B参照)。次いで、スパッタ法等によりITOないしIZOからなる下側の透明導電層を積層する。このとき、形成された透明導電層はドレイン電極Dと電気的に接続される。この後、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によって、表示領域のサブ画素毎に下電極15bを所定のパターンに形成する(図4C参照)。この第2の実施形態の液晶表示装置10Bにおいては、下電極15bは、本発明の第1電極に対応し、画素電極として機能する。
更に、下電極15bが形成された第1の透明基板11の表面全体に亘りフォトレジストからなる絶縁膜13'を形成する(図4D参照)。次いで、多階調マスク、例えばハーフトーンマスク30を用い、後述する上電極18bに対応する位置の絶縁膜13'の凹部13'bはその中間光量を得る部分で、以下に述べる共通配線Com上のコンタクトホール14b形成位置の厚いフォトレジスト層はその全光量を得る部分で、それぞれ一括して露光する(図4E参照)。更に、現像処理を行い、絶縁膜13'の表面に凹部13'bを形成すると同時に、共通配線Com上のコンタクトホール14b形成部分の絶縁膜13'を除去する。
なお、このフォトレジストからなる絶縁膜13'の厚さは、μmオーダーの膜厚となるが、この状態でも正常に動作する。しかしながら、膜厚が厚すぎて低電圧駆動というFFSモードの液晶表示装置10Bの特徴を生かし切れないため、このフォトレジストからなる絶縁膜13'の厚さを2000Å〜4000Åとすることが好ましい。この場合、ハーフトーンマスク30として3段階の階調のものを使用し、絶縁膜13'の凹部13'bはその中間光量を得る部分で、コンタクトホール14bの厚いフォトレジスト層はその全光量を得る部分で、その他の部分は低光量を得る部分で、それぞれ一括して露光すればよい。このようにすると、特に製造工数を増やすことなく、絶縁膜13'の厚さを2000Å〜4000Åとすることができるので、低い電圧で液晶を駆動することができるようになる。次いで、コンタクトホール14b形成部分のパッシベーション膜12pをエッチングして除去することによりコモン配線Comを露出させる(図4F参照)。
更に、スパッタ法等によりITOないしIZOからなる上側の透明導電層を絶縁膜13'の表面に形成された凹部13'bを埋めるように積層する。このとき、透明導電層によって表示領域の周辺部のコンタクトホール14bを介して共通配線Comは電気的に接続された状態となると共に、絶縁膜13'の表面も透明導電層によって被覆される。その後、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によって、表示領域においては上電極18bのスリット17bに対応する位置の絶縁膜13'の表面が露出するように、表示領域の周辺部では所定のパターンとなるように、前記透明導電層をエッチングする。そうすると、この表示領域において露出した絶縁膜13'の表面は、上電極18bの表面と同じ高さとなり、フリンジフィールド効果を発生させる複数のスリット17bとして機能する。また、上電極18bは、表示領域の実質的に全体を被覆しており、コンタクトホール14bを経て共通配線Comと電気的に接続された状態となる(図4G参照)。
従って、この第2の実施形態の液晶表示装置10Bにおいては、この上電極18bは、本発明の第2電極に対応し、共通電極として機能する。この後、上電極18b側の表面全体に配向膜(図示せず)を設けることにより第2の実施形態の液晶表示装置10Bのアレイ基板ARが完成される。次いで、上述の第1の実施形態で用いたものと同様のカラーフィルタ基板CFを用い、上述のようにして得られたアレイ基板AR及びカラーフィルタ基板CFをそれぞれ対向させて内部に液晶を封入することにより、図3A及び図3Bに示したように、第2の実施形態の液晶表示装置10Bが得られる。
このようにして製造された第2の実施形態の液晶表示装置10Bは、第1の実施形態の液晶表示装置10A同様の作用・効果を奏する他、製造工数は第1の実施形態の液晶表示装置10Aよりも少なくなるので、安価に、容易に製造し得るようになる。
[第3の実施形態]
この発明の第3の実施形態のFFSモードの液晶表示装置10Cを図5A及び図5B、図6A〜図6Fを用いて製造工程順にその構成を説明する。なお、第2の実施形態のFFSモードの液晶表示装置10Bにおいては、第1の実施形態の液晶表示装置10Aと同一の構成部分には同一の参照符号を付与して説明する。また、アレイ基板ARの製造工程として、ガラス基板等の第1の透明基板11の表面に、走査線GL、信号線SL、TFT部分、ドレイン電極D、共通配線Com、パッシベーション膜12p及び層間膜13を製造する工程まで(図6A参照)は第1の実施形態の場合と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
次いで、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によって、ドレイン電極Dに対応する位置の層間膜13にコンタクトホール14を形成すると共に、共通配線Comの形成位置を含む表示領域の周辺部の層間膜13を除去する(図6B参照)。次いで、ドレイン電極D上のコンタクトホール14を形成する部分のパッシベーション膜12pをエッチング法によって除去する。このコンタクトホール14の形成には乾式エッチング法の1種であるプラズマエッチング法を採用し得る。
次いで、スパッタ法等によりITOないしIZOからなる下側の透明導電層を積層し、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によって、透明導電層を所定のパターンに形成し、表示領域のサブ画素毎に下電極15cを所定のパターンに形成する(図6C参照)。この第3の実施形態の液晶表示装置10Cにおいては、下電極15cは、本発明の第1電極に対応し、画素電極として機能する。
更に、下電極15cが形成された第1の透明基板11の表面全体に亘り窒化ケイ素層ないし酸化ケイ素層からなる絶縁膜16を所定の厚さに被覆する。この絶縁膜16は、層間膜13や下電極15cの表面を荒らさないようにするため、ゲート絶縁膜12gやパッシベーション膜12pの形成条件よりも穏やかなプラズマCVD条件、いわゆる低温成膜条件で形成する。次いで、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によって、後述する第2電極18cに対応する位置の絶縁膜16の表面に凹部16aを形成すると共に、表示領域の周辺部のコンタクトホール14a形成部分の絶縁膜16及びパッシベーション膜12p等を除去してコモン配線Comを露出させる。
更に、スパッタ法等によりITOないしIZOからなる上側の透明導電層を絶縁膜16の表面に形成された凹部16aを埋めるように積層する。このとき、透明導電層と共通配線Comとは表示領域の周辺部のコンタクトホール14aを経て電気的に接続された状態となると共に、絶縁膜16の表面も透明導電層によって被覆される。その後、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によって、表示領域においては上電極18cのスリット17cに対応する位置の絶縁膜16の表面が露出するように、表示領域の周辺部では所定のパターンとなるように、前記透明導電層をエッチングする。そうすると、この表示領域において露出した絶縁膜16の表面は、上電極18cの表面と同じ高さとなり、フリンジフィールド効果を発生させる複数のスリット17cとして機能する。また、上電極18cは、表示領域の実質的に全体を被覆し、コンタクトホール14aを経て共通配線Comと電気的に接続された状態となる(図6F参照)。従って、この第3の実施形態の液晶表示装置10Cにおいては、この上電極18cは、本発明の第2電極に対応し、共通電極として機能する。
この後、上電極18c側の表面全体に配向膜(図示せず)を設けることにより第3の実施形態の液晶表示装置10Cのアレイ基板ARが完成される。次いで、上述の第1の実施形態で用いたものと同様のカラーフィルタ基板CFを用い、上述のようにして得られたアレイ基板AR及びカラーフィルタ基板CFをそれぞれ対向させて内部に液晶を封入することにより、図5A及び図5Bに示したように、第3の実施形態の液晶表示装置10Cが得られる。
このようにして製造された第3の実施形態の液晶表示装置10Cは、第1の実施形態の液晶表示装置10Aと同様の作用・効果を奏する他、製造工数は第1の実施形態の液晶表示装置10Aよりも多くなるが、上電極18cを高精度に形成できるようになるために表示画質が非常に良好となる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態の液晶表示装置10Dとしては、下電極と上電極との間の絶縁膜を無機絶縁膜によって形成した。この第4の実施形態の液晶表示装置を図7A及び図7B、図8A〜図8Dを用いて製造工程順にその構成を説明する。なお、第4の実施形態のFFSモードの液晶表示装置10Dにおいては、第1の実施形態の液晶表示装置10Aと同一の構成部分には同一の参照符号を付与して説明する。
第4の実施形態のFFSモードの液晶表示装置10Dのアレイ基板ARは以下のようにして作製される。最初に、ガラス基板等の透明基板11の表示領域に複数の走査線GL及びコモン配線Comを互いに平行になるように形成する。次いで、スパッタ法等によりITOないしIZOからなる下側の透明導電層を形成した後、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によって表示領域のサブ画素毎に独立した下電極15dを形成する。この下電極15は、サブ画素毎にコモン配線Comと電気的に接続された状態となり、本発明の第1電極に対応し、共通電極として機能する。次いで、この表面全体に窒化ケイ素層ないし酸化ケイ素層からなるゲート絶縁膜12gを被覆する。その後、TFT形成領域に例えばa−Si層からなる半導体層を形成する。この半導体層が形成されている位置の走査線の領域がTFTのゲート電極Gになる。次いで、表示領域において走査線GLに交差するようにソース電極Sを含む信号線SLを形成し、TFT形成領域にドレイン電極Dを形成する。(図8A参照)。ここまでの工程は、従来例の層間膜を備えていないFFSモードの液晶表示装置の製造工程と同様であるので、その詳細な図示は省略してある。
その後、上記工程で得られた第1の透明基板11の表面全体に例えば窒化ケイ素層からなる絶縁膜16'を所定厚さに被覆する(図8B参照)。この窒化ケイ素層からなる絶縁膜16'は、特に低温成膜条件とする必要はなく、パッシベーション膜の成膜条件で製膜できるため、絶縁性が良好となる。そのため、この絶縁膜16'はパッシベーション膜としての性質も備えさせることができる。次いで、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によってTFTのドレイン電極Dの部分のこの絶縁膜16'にコンタクトホール14を形成すると共に、後述する第2電極18dに対応する位置の絶縁膜16'の表面に凹部16'dを形成する(図8C参照)。
更に、スパッタ法等によりITOないしIZOからなる上側の透明導電層を絶縁膜16'の表面に形成された凹部16'dを埋めるように積層する。このとき、透明導電層とTFTのドレイン電極Dはコンタクトホール14を経て電気的に接続された状態となると共に、絶縁膜16'の表面も透明導電層によって被覆される。その後、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によって、表示領域においては上電極18dのスリット17dに対応する位置の絶縁膜16の表面が露出するように前記透明導電層をエッチングする。そうすると、この表示領域において露出した絶縁膜16'の表面は、上電極18dの表面と同じ高さとなり、フリンジフィールド効果を発生させる複数のスリット17dとして機能する。また、上電極18dはコンタクトホール14を経てTFTのドレイン電極Dと電気的に接続された状態となる(図8D参照)。従って、第4の実施形態の液晶表示装置10Dにおいては、上電極18dは、本発明の第2電極に対応し、画素電極として機能する。
この後、上電極18d側の表面全体に配向膜(図示せず)を設けることにより第4の実施形態の液晶表示装置10Dのアレイ基板ARが完成される。次いで、上述の第1の実施形態で用いたものと同様のカラーフィルタ基板CFを用い、上述のようにして得られたアレイ基板AR及びカラーフィルタ基板CFをそれぞれ対向させて内部に液晶を封入することにより、図7A及び図7Bに示したように、第4の実施形態の液晶表示装置10Dが得られる。
このようにして製造された第3の実施形態の液晶表示装置10Dは、第1の実施形態の液晶表示装置10Aと同様の作用・効果を奏する他、製造工数は第1の実施形態の液晶表示装置10Aよりも少なくなるので安価に製造できるようになり、しかも上電極18dを高精度に形成できるようになるために表示画質が非常に良好となる。
以上、本発明の各実施形態としてFFSモードの液晶表示装置の例を説明した。このような本発明の液晶表示装置は、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、携帯情報端末、携帯音楽再生機などの電子機器に使用することができる。ただし、これらの電子機器の基本的構成は当業者に周知であるので、詳細な説明は省略する。
10A〜10E:液晶表示装置 11:第1の透明基板 12:パッシベーション膜 13:層間膜 13a:凹部 14:コンタクトホール 15a〜15d:下電極 16、16':絶縁膜 16a、16'd:凹部 17a〜17d:スリット 18a〜18d:上電極 21:第2の透明基板 22:遮光膜 23:カラーフィルタ層 24:オーバーコート層 25:液晶層 30:ハーフトーンマスク 31:バイナリーマスク 31a:全光量透過部 31b:中間光量透過部 32:光吸収部材 Com:共通配線 GL:走査線 SL:信号線