JP5098023B2 - 塗布装置 - Google Patents
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Description
フィードブロック22の上部で回転可能に支持されたバー29と、基準ベース21上に固定されバー29を回転可能に支持する一対の支持ブロック30、31と、バー29を回転駆動させる駆動モータ32と、バー29を駆動モータ32の回転軸へと継手するカップリング33とから基本的に構成されている。
尚、フィードブロック22において、特にバー29と対向する湾曲面35の材料はバーの寿命を考慮し、PTFE、MCナイロン、超高分子量PEを用いることが好ましい。また、湾曲面35の形状は本実施形態では半円形状に加工されているが、V字に加工されたものを使用しても良い。
同様に、下流キャビティーブロック24のフィードブロック22と対向する対向面にも所定形状の凹部が形成されており、フィードブロック22と組合せることによって下流液溜め39と下流供給溝40を形成する。
一方、下流キャビティーブロック24には供給タンク3から搬送ライン5を介して供給される塗布液12を下流液溜め39へと導く塗布液供給口47が形成されている。
そして、供給タンク3から上流液溜め36には塗布液供給口45を介して、計量された塗布液が供給ポンプ7により供給される。更に、上流液溜め36に供給された塗布液12は上流供給溝37に送液されて単位時間一定量で幅方向に均一な圧力で吐出され、バー29の外周面へと上流側(図4の右方向)から供給される。一方、供給タンク3から下流液溜め39には塗布液供給口47を介して、計量された塗布液が供給ポンプ8により供給される。更に、下流液溜め39に供給された塗布液12は下流供給溝40に送液されて単位時間一定量で幅方向に均一な圧力で吐出され、バー29の外周面へと下流側(図4の左方向)から供給される。尚、塗布液供給口45、47はダイ2の上流供給溝37及び下流供給溝40の長さ方向の中心位置(例えば、溝幅の長さが600mmである場合には左右端部から300mm)に設けられている。
上流ハイトブロック25及び下流ハイトブロック26は直方体形状を有するブロックである。そして、上流ハイトブロック25は上流キャビティーブロック23に形成された挿入凹部38に挿入された状態で上流キャビティーブロック23に対してボルト締結され、フィードブロック22と上流キャビティーブロック23とを組合せた際に各ブロックによって挟持される。一方、下流ハイトブロック26は下流キャビティーブロック24に形成された挿入凹部41に挿入された状態で下流キャビティーブロック24に対してボルト締結され、フィードブロック22と下流キャビティーブロック24とを組合せた際に各ブロックによって挟持される。また、挿入凹部38、41に挿入された上流ハイトブロック25及び下流ハイトブロック26は、バー29、上流供給溝37及び下流供給溝40の長手方向に平行となるように配置される。
そして、後述のように上流ハイトブロック25の上流供給溝37の溝幅方向に対するブロック幅に基づいて、上流供給溝37の溝幅t1が決定される。同じく、下流ハイトブロック26の下流供給溝40の溝幅方向に対するブロック幅に基づいて、下流供給溝40の溝幅t2が決定される。
例えば、ブロック幅T1が5mmの上流ハイトブロック25を用いた場合には上流供給溝37の溝幅t1は100μmに決定される。また、ブロック幅T1が5.1mmの上流ハイトブロック25を用いた場合には上流供給溝37の溝幅t1は200μmに決定される。また、ブロック幅T1が5.2mmの上流ハイトブロック25を用いた場合には上流供給溝37の溝幅t1は300μmに決定される。
尚、説明は省略したが、下流ハイトブロック26のブロック幅T2と下流供給溝40の溝幅t2についても同様の関係が成り立つ。
また、上流供給溝37と下流供給溝40における幅方向の塗布液の均一な分配には、上流供給溝37と下流供給溝40の加工精度が重要となる。従って、上流ハイトブロック25及び下流ハイトブロック26は、平面度が2/1000mm〜10/1000mm、好ましくは2/1000mm〜5/1000mmとなるように研削加工が施される。また、フィードブロック22、上流キャビティーブロック23及び下流キャビティーブロック24についても同様に平面度が2/1000mm〜10/1000mmとなるように研削加工が施される。そして、上流供給溝37の溝幅t1及び下流供給溝40の溝幅t2が、50μm±2.5μm単位で所定の溝幅となるようハイトブロックと締結し組み付ける。
ここで、従来ではダイ2手前に設けたバルブの開度で調整を行われてきた。しかし、その場合、設定した溝幅に対して流量が低い場合は、塗布液を幅方向に分配できず、膜厚が不均一になる。それに対して、本実施形態による構造では、流量に合わせて上流、下流それぞれの溝幅を容易に調整することが可能となり、膜厚の均一性を保つことができる。
尚、バー29の直径は6mm〜20mmの範囲のものを用いることが望ましい。また、材質はステンレス鋼を用いることが多く、SUS304又は耐食性を考慮したSUS316が用いられる。
更に、バー29にワイヤを巻き付けたものを使用することも可能である。その場合に使用されるワイヤ径は、20μm〜150μmのワイヤを用いる。尚、本実施形態ではバー29は駆動モータ32の駆動に基づいてウェブに対して逆転方向に回転するが、バーの回転方向はウェブ11に対して正転方向とすることもできる。また、回転数は10rpm〜500rpmの間で使用される。
そして、搬送ライン4と搬送ライン5とにそれぞれに供給される流量は流量計51、53で管理される。供給された塗布液は前記したようにバー29によりウェブ11に転写される。また、流量計55の指示値と供給系の流量との差分により、転写された塗布液厚みを管理することができる。また、供給系に設けられた圧力計52、54で上流、下流それぞれのブロックの圧力損失を管理する。
次に、上流供給溝37及び下流供給溝40の溝幅と、塗布面状態との関係について、本発明に係る実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例3の塗布装置により製造した積層シートの評価結果を比較して説明する。尚、実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例3のいずれについても、上記説明した塗布装置1を用いる。
以下の塗布条件にてポリエステルフィルムに粘度30msPasのアクリル系粘着剤を塗布した。塗布液送液流量は上流側3000cc/min、下流側2000cc/minとした。上流供給溝37及び下流供給溝40のそれぞれの溝幅t1、t2は流量に合わせて、上流側0.5mm、下流側0.5mmとなるように上流ハイトブロック25及び下流ハイトブロック26をセットした。
ライン速度・・・100m/min
塗布厚み ・・・50cc/m2
バー直径 ・・・10mm
回転数 ・・・−50rpm(逆回転)
塗布幅 ・・・600mm
実施例1の条件を基準に塗布厚みを20cc/m2とするため流量を変更した。溝幅は実施例1と同じ上流側0.5mm、下流側0.5mmで塗布を行った。
溝幅を上流側0.45mm、下流側0.4mmに変更した以外は比較例1と同じ条件で塗布を行った。
溝幅を上流側0.4mm、下流側0.35mmとした以外は比較例1と同じ条件で塗布を行った。
ポリエステルフィルムに粘度10mPasの長鎖アルキル系剥離剤を塗布するため、実施例1と同じ塗布条件にて塗布を試みた。このときの上流供給溝37及び下流供給溝40のそれぞれの溝幅は上流側0.3mm、下流側0.3mmとなるようにハイトブロックをセットした。
塗布厚みを20cc/m2とした以外は実施例3と同じ塗布条件で塗布を行った。
溝幅を上流側0.25mm、下流側0.2mmとした以外は比較例3と同じ条件で塗布を行った。
上記実施例1〜4および比較例1〜3にて塗布テストを実施した結果を図5に示す。
実施例1では,塗布量50cc/m2に対して溝幅0.5mmで液切れやスジなく塗布が可能であったが、比較例2では塗布厚みを20cc/m2へと変更したために、部分的に液ガレによるスジが発生した。一方、比較例3でも同様の欠陥が発生したが、実施例2と同じサイズの溝幅とすることで塗布欠陥なく塗布することができた。
同様に、実施例3、4及び比較例3の場合も粘度の異なる塗布液を塗布した例で、溝幅を変えることで塗布厚みが変わった場合でも50μm単位で溝幅を調整することで良好な塗布面を得ることができた。
このことは,ライン速度を変えるときも同様のことが言え、所定の塗布液流量に対して最適な溝幅を調整することで、良好な塗布が可能となることが言える。
従って、これらのことから塗布条件変更が必要になった場合にも、本発明の塗布装置1を用いることによって一の塗布装置により生産することが可能であり、大幅なイニシャルコストの削減と効率化が見込まれることは明確である。
また、上流供給溝37及び下流供給溝40の溝幅を50μm単位で調整でき、且つ溝幅の寸法公差が±2.5μm以内であるので、様々な塗布条件及び使用する塗布液の種類に対応させることができるとともに、幅方向で均一な塗布が可能となる。
また、上流ハイトブロック25及び下流ハイトブロック26は上流供給溝37及び下流供給溝40の溝幅方向に対する厚みが5〜20mmで、且つ平面度が2/1000〜1/100mmであるので、従来技術と比較して、機械精度、かつ繰返し再現性に優れた溝幅の変更を可能とする。
また、塗布液12として、粘着剤、帯電防止剤、剥離処理剤、又は防汚処理剤を用いることにより、様々な用途に用いる積層シートを製造することが可能となる。
また、塗布装置1で製造した積層シートでは、一の塗布装置のみを用いることによって、様々な種類の積層シートでも幅方向に均一に塗布した状態とすることが可能となり、品質保持と製造コストの削減を図ることができる。
2 ダイ
11 ウェブ
12 塗布液
22 フィードブロック
23 上流キャビティーブロック
24 下流キャビティーブロック
25 上流ハイトブロック
26 下流ハイトブロック
29 バー
30、31 支持ブロック
33 駆動モータ
37 上流供給溝
40 下流供給溝
Claims (6)
- 連続走行するウェブに塗布液を塗布する塗布装置において、
フィードブロックと、
前記フィードブロックの前記ウェブの搬送方向の上流側面と下流側面にそれぞれ対向して配置された上流キャビティーブロック及び下流キャビティーブロックと、
前記フィードブロックと前記上流キャビティーブロックとの間隙によって形成され、前記ウェブの搬送方向の上流側から塗布液を供給する上流供給溝と、
前記フィードブロックと前記下流キャビティーブロックとの間隙によって形成され、前記ウェブの搬送方向の下流側から塗布液を供給する下流供給溝と、
前記フィードブロックと前記ウェブとの間に回転可能に支持され、前記上流供給溝及び前記下流供給溝から供給される塗布液を回転運動に伴ってウェブに塗布するバーと、
前記バーを回転可能に支持する支持部材と、
前記バーを回転駆動させる駆動装置と、
前記フィードブロックと前記上流キャビティーブロックによって挟持され、前記上流供給溝の溝幅方向に対するブロック幅に基づいて前記上流供給溝の溝幅を決定する上流ハイトブロックと、
前記フィードブロックと前記下流キャビティーブロックによって挟持され、前記下流供給溝の溝幅方向に対するブロック幅に基づいて前記下流供給溝の溝幅を決定する下流ハイトブロックと、
前記上流キャビティーブロックの前記フィードブロックと対向する面に対して設けられ、前記上流ハイトブロックを収容する第1挿入凹部と、
前記下流キャビティーブロックの前記フィードブロックと対向する面に対して設けられ、前記下流ハイトブロックを収容する第2挿入凹部と、を有し、
前記上流ハイトブロックが前記第1挿入凹部に収容された状態で前記上流キャビティーブロックと前記上流ハイトブロックとが固定され、
前記下流ハイトブロックが前記第2挿入凹部に収容された状態で前記下流キャビティーブロックと前記下流ハイトブロックとが固定されることを特徴とする塗布装置。 - 前記上流ハイトブロック及び前記下流ハイトブロックは前記供給溝の溝幅方向に対するブロック幅が異なる複数種類のブロックからなり、
複数種類の前記上流ハイトブロックの内、いずれか一の前記上流ハイトブロックが前記第1挿入凹部に対して挿入された状態で前記上流キャビティーブロックに固定され、
複数種類の前記下流ハイトブロックの内、いずれか一の前記下流ハイトブロックが前記第2挿入凹部に対して挿入された状態で前記下流キャビティーブロックに固定され、
固定された前記上流ハイトブロック及び前記下流ハイトブロックの前記ブロック幅によって前記上流供給溝及び前記下流供給溝の溝幅がそれぞれ決定されることを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。 - 前記上流供給溝及び前記下流供給溝の溝幅を50μm単位で調整でき、且つ溝幅の寸法公差が±2.5μm以内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗布装置。
- 前記上流ハイトブロック及び前記下流ハイトブロックは前記上流供給溝及び前記下流供給溝の溝幅方向に対する厚みが5〜20mmで、且つ平面度が2/1000〜1/100mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の塗布装置。
- 前記塗布される塗布液は、粘着剤、帯電防止剤、剥離処理剤、又は防汚処理剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の塗布装置。
- 前記上流供給溝の溝幅と前記下流供給溝の溝幅とを異なる幅にすることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の塗布装置。
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