JP5097996B2 - オリゴメリックプロシアニジン(opc)の測定方法 - Google Patents

オリゴメリックプロシアニジン(opc)の測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、天然物、食品、化粧品、医薬部外品、医薬品、及びその他の分析試料中に含まれるオリゴメリックプロシアニジン(フラバン−3−オールのn+2重合体の混合物(nは整数))の含有量及び重合度を定量的かつ簡便に測定する方法に関する。
オリゴメリックプロシアニジン(OPC)は、ブドウ(赤ワイン)、ピーナッツ皮、松樹皮等に含まれている事が知られている天然植物由来の化学成分である。その有用性は様々な文献中で示唆されており、例えば抗酸化作用、末梢循環改善作用、コラーゲンの再生と合成の促進(非特許文献1)などの作用が知られている。
オリゴメリックプロシアニジン(OPC)は、重合体であり、様々な重合度が混在する混合物として植物体内に存在する。その生物活性を測定又は定義するためには、混合物としての総重量と重合度を定量的に測定することが不可欠である。
従来知られているオリゴメリックプロシアニジン(OPC)の定量的測定法は、質量分析検出器を用いた高速液体クロマトグラフィー(LC−MS)による方法が一般的であった(特許文献1並びに非特許文献2乃至5)。
但しこの方法は質量スペクトル検出器を使用し、異性体を含む重合度の異なるオリゴマーを標準物質として使用することなどから、簡易さ・迅速さに欠け、かつそれが主に適用される食品、化粧品、医薬部外品などが比較的安価な製品用途であることを考えると経済性にも欠けるものであった。また、質量分析では、分子量の大きなものほど検出感度が低いため定量性にも問題がある。
一方、オリゴメリックプロシアニジン(OPC)の総重量を対象試料の加水分解によって算出する方法が提案されている(特許文献2)。また、この特許文献では、重合度については高速液体クロマトグラフィーによるピーク面積比で算出する方法が採られている。
しかし、黒大豆皮エキス等、分析の対象となる試料は、通常、オリゴメリックプロシアニジン(OPC)以外の成分を含む。また、オリゴメリックプロシアニジン(OPC)自体も重合度の異なる成分の混合物であるばかりか、多数の構造異性体が存在する。
このため、この特許文献に記載の方法では、他の成分に由来するピークとの重なりが問題と成り得る。また、オリゴメリックプロシアニジン(OPC)の炭素−炭素結合の回転異性体等によるピークのブロード化が起こる。この結果この分析方法では、正確な定量が困難である。
加えて、オリゴメリックプロシアニジン(OPC)は、重合度により体内への吸収や組織への親和性が異なり、その生体作用を特徴付けるためには、重合度の分布が重要な情報と成り得るものの、従来の分析方法には、簡易に重合度の分布を測定できるものが存在しなかった。
特表2003−527418 特許公開2006−38763 特許公開2002−128689 「OPC IN PRACTICE」,Bert Schwitters,1997,フレグランスジャーナル社 1995、Clin.Chim.Acta.235,207−219 2004,ジャパンフードサイエンス,403、1月号、40−45 2003,Biosci.Biotechnol.Biochem.,67,(5),1140−1142 2003,J.Agric.Food Chem.,51,7513−7521 Tanaka,T.;Takahashi,R.;Kouno,I.;Nonaka,G.Chemical Evidence for the De−astringency(Insolubilization of Tannins)of Persimmon Fruit.J.Chem.Soc.Perkin Trans.1 1994,3013−3022. Zhang,Y.−J.;Nagao,T.;Tanaka,T,;Yang,C.−R.;Okabe,H.;Kouno,I.Antiproliferative Activity of the Main Constituents from Phyllanthus emblica.Biol.Pharm.Bull.2004,27,251−255.
本発明は、黒大豆種皮等に由来する試料中のオリゴメリックプロシアニジン(OPC)の総含有量、平均重合度又は重合度の分布を、簡便かつ経済的に、しかも比較的高い正確性をもって定量的に分析可能な方法を提供することを目的とする。
本発明の方法は、単離されたオリゴメリックプロシアニジン(OPC)又はOPCを含んだ黒大豆種皮エキスを用いて製造加工された食品、化粧品、又は医薬部外品中のOPCを定量的に分析可能である。さらに、その他の植物に由来するOPCも同様の方法で分析が可能である。
なお、最近の研究により、安価で栽培が容易な黒大豆皮に高い含有量でオリゴメリックプロシアニジン(OPC)が存在することが確認され、現時点で抽出法を含めてもっとも経済性が高いOPCを得ることができると考えられる。
本発明者等は、上記の課題を解決するために種々研究の結果、
(a)様々なポリフェノールを含む黒大豆皮エキス等の試料から、カラムクロマトグラフィーを用い移動層である溶媒を適切に切換えることにより、配糖体であるアントシアニンの分画に続いて、それぞれ、モノマー(エピカテキン)、ダイマー、トリマー、テトラー(およびそれ以上の重合体を含む)を主に含む各分画を、簡易な一連の操作で得られることを明らかにした。
(b)次に、アントシアニンの分画を排除し、他の各分画をチオール分解に供することで、各分画でn+2重合体(nは0、1、2、3、4、5等の整数であり、通常10以下である)1個からn+1個のチオエーテルと1個のエピカテキンとが生じ、このチオエーテルとエピカテキンとのモル比が、各分画に存在する重合体の平均重合度に対応することを見出した。この分解物のモル比に基づく平均重合度は、異性体の存在による誤差を完全に回避できるものである。そして、最終的には、得られた各分画のOPCの平均重合度と含有量から試料(例えば、黒大豆皮エキス)中のオリゴメリックプロシアニジン(OPC)の含有量、平均重合度、及びおおよその重合度分布を求めることができるものである。
本発明の方法は、単離されたオリゴメリックプロシアニジン(OPC)、またはOPCを含有する黒大豆種皮抽出物を用いて製造加工された食品、化粧品、又は医薬部外品中におけるOPCの総含有量及び平均重合度等を定量的に分析可能とする。さらに、その他の植物に由来するOPCも同様に分析可能である。すなわち、食品等におけるオリゴメリックプロシアニジン(OPC)の含有量及び平均重合度等を、質量スペクトル検出器を用いずに簡易かつ経済的な方法で定量可能とする。
本発明の方法によれば、天然の植物由来による抽出物及びその加工品から、混在する他の様々なポリフェノール化合物やモノマーの影響を避け、また、異性体の存在による誤差を回避しながら、オリゴメリックプロシアニジン(OPC)を定量ができる。また、本発明によれば、オリゴメリックプロシアニジン(OPC)の重合度プロファイルを分析可能であり、由来する天然植物についてオリゴメリックプロシアニジン(OPC)の重合度分布による特徴付けが可能となる。
本発明のカラムクロマトグラフィーを用いる工程の一例を示す模式図である。
1.分析試料
本発明の方法が対象とする主な試料は、天然の黒大豆種皮及びその粗抽出物、並びにそれらを加工若しくは利用して製造される食品、化粧品、医薬部外品及び医薬品である。
また、オリゴメリックプロシアニジン(OPC)を含有する事が既知または予想される天然の植物及びその粗抽出物、並びにそれらを加工若しくは利用して製造される食品、化粧品、医薬部外品及び医薬品を試料とすることもできる。
本特許請求が対象とするオリゴメリックプロシアニジン(OPC)は、一般的には次の構造式で示される化合物である。
Figure 0005097996

後で示されるように、テトラマーより重合度が高いOPCは、黒大豆皮エキス等の試料においては相対的に含有量が少ない。また、このような高重合度のOPCは、生体への吸収及び活性も低いと見られる。このため、後述するラムクロマトグラフィーによる分画工程においては、テトラマーより重合度が高いOPCを個別に扱わず、同一の分画として抽出することも実用上好ましい。もちろん、必要に応じてテトラマーより重合度が高いOPCを個別に分画してもよい。
また分析試料中に混在し得るカテキン・プロシアニジン類の異性体としては、主として次の化合物が挙げられる。
Figure 0005097996
分析試料に多く含まれる、カテキン・プロシアニジン類似外のフラボノイド類は配糖体であるアントシアニンであり、その大部分は以下に示すシアニジン−3−グルコシドと見られる(特許文献3)。
Figure 0005097996
2.オリゴメリックプロシアニジン(OPC)を含むポリフェノールのカラムクロマトグラフィーによる分画
本発明の方法では、まずカラムクロマトグラフィーにより様々なポリフェノールを含む黒大豆皮エキス等の分析試料を分画する。
より具体的には、移動層である溶媒を目的とする溶出物に応じて選択し切換えることにより、配糖体であるアントシアニンに続いて、モノマー(エピカテキン)、ダイマー、トリマー、テトラマー(およびそれ以上の重合体を含む)を主に含有する分画を得る。
例えば、図1に示すように、分析対象試料を、適切に選択したカラムに付し、まずトリフルオロ酢酸(TFA)0.5%を加えて酸性化した100%エタノールを用いてアントシアニン分画を溶離し、次に、順に100%エタノール、90%エタノール、80%エタノールを用いて、それぞれモノマー(エピカテキン)、ダイマー、トリマーを主に含有する分画を溶離し、最後に50%アセトンを用いてテトラマー(およびそれ以上の重合体を含む)を主に含有する分画を溶離する。
このような分配平衡を利用して選択的な吸収・脱着により目的物質の分離を行うためには、デキストラン系またはシリカゲル系カラムを利用することが好ましい。中でも上記の溶離溶媒の選択に対して順相系となる、化学的処理で架橋度を上げ強度を高めたデキストランで構成されるカラムが好ましく、特にSephadexLH−20カラムが好ましい。
TFAを含む溶媒は最初の分画のみに(カラム容量の1/2を)用いる事により、プロシアニジンの分解を抑える事ができる。逆にTFAを使用しないと、以後の分画の採取時にアントシアニンが少しずつ溶出されてしまう。
上記各分画を抽出する溶媒については、分子量と構造を考慮して種々検討したところ、100%エタノール、90%エタノール、80%エタノール、及び50%アセトンが、最も効率的に目的とする物質を各分画で溶離できることを見出したものである。
3.オリゴメリックプロシアニジン(OPC)を含む分画のチオール分解
本発明の方法では、次に、前述した工程により得られた分画をチオール分解反応に供し、オリゴメリックプロシアニジン(OPC)に由来するエピカテキンとエピカテキンチオエーテルを生じさせる。
すなわち、オリゴメリックプロシアニジン(OPC)の化学的特徴の1つは、カテキン分子が炭素−炭素結合してオリゴマーを形成していることであるが、結合様式の異なる様々な異性体が存在し、またユニット間結合の回転障害により単一成分でもピークの複雑化が起こり、すべてのOPCを高速液体クロマトグラフィーで標準品と比較定量するのは困難である。
そこで本発明では、2−スルファニルエタノールを用いたチオール分解(非特許文献6乃び7)を応用して、下記反応式に示すようにして、オリゴメリックプロシアニジン(OPC)を構成するカテキンのn+2重合体の混合物(nは、0、1、2、3、4等の整数)から、1つのカテキン単量体とn+1個のカテキン−チオエーテルを得ている。
Figure 0005097996
チオール分解反応の条件は、種々の条件を採用し得、ここでは、本発明の好ましい実施の形態における反応条件の一例を以下に示す。
すなわち、試料を10mg/mLになるように60%EtOHに溶解し、その200μLを800μLのME試薬(2−mercaptoethanol 2.5mL、ethanol 27.5mL、HO 16ml、濃塩酸を25倍に希釈したHCl 4mL:total 50mL)と混合して、60−70℃で4時間加熱し、反応液をろ過する。
また、チオール分解前後のカテキン単量体およびカテキン−チオエーテルの含有量も、種々の方法及び条件で測定でき、例えば、必要に応じて各分画を濃縮した後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)でエピカテキン(モノマー)及びエピカテキンメチルエーテルの標品を用いて容易に定量することができる。
各分画のエピカテキン(モノマー)及びエピカテキンメチルエーテルの含有量を分析するための高速液体クロマトグラフィーの条件も種々の条件を選択することができるが、好適な具体例としては、カラム:Cosmosil 5C18−ARII(4×250mm)、検出器:JASCO photodiode array detector MD−910、溶出液:50mMリン酸緩衝液に溶解した4〜30%アセトニトリル溶液(39分間)、次に50mMリン酸緩衝液に溶解した75%アセトニトリル溶液(15分間)、速度:0.8mL/分、温度:35℃、の条件を挙げることができる。
なお、後述する表1に示す通り、アントシアニン分画(1)およびモノマー分画(2)には通常OPCは含まれない。また、ダイマー分画(3)に含まれるエピカテキン(モノマー)は通常極めて少なく、トリマー分画(4)以降の分画にはエピカテキン(モノマー)は含まれない。
従って、本発明においては、通常、ダイマー分画(3)、トリマー分画(4)、及びテトラマー以上の分画(5)(テトラマー以上を個別の分画として分取した場合はその分画)について、チオール分解後に生じるエピカテキン(モノマー)及びエピカテキンメチルエーテルの含有量を測定すればよい。また、ダイマー分画(3)にチオール分解前に存在するエピカテキン(モノマー)を考慮する必要がある場合には、同様のHPLCによる方法や吸光度法で、チオール分解前のダイマー分画(3)等の分画についてエピカテキン(モノマー)を測定し、その分を差し引けばよい。
4.オリゴメリックプロシアニジン(OPC)の含有量及び平均集合度の算出
本発明の方法においては、次に、得られた各分画のエピカテキンとエピカテキンチオエーテルの含有量から、試料中のOPCの総重量及び/又は平均重合度を算出する。
ここで、上記チオール分解工程の前後において各分画に含まれるポリフェノール成分を以下に示す。
Figure 0005097996

* Cy−3−G:シアニジン−3−グルコシド(アントシアニン)
* EC:分解により生じたエピカテキン(モノマー)
EC:元々存在していたエピカテキン(モノマー)
* PCB2:プロシアニジン B2(ダイマー)
* PCC1:プロシアニジン C1(トリマー)
* EC−ME:エピカテキンメチルエーテル
前記反応式から明らかなように、チオール分解により生じた各分画中のカテキン単量体及びカテキン−チオエーテルの総重量(メチルエーテル分を除く)は、そのまま、各分画中に存在していたオリゴメリックプロシアニジン(OPC)の総重量に対応する。
また、上記表1より明らかなように、アントシアニン分画(1)およびモノマー分画(2)には通常OPCは含まれず、ダイマー分画(3)、トリマー分画(4)、及びテトラマー以上の分画(5)に総てのOPCが含まれる。
従って、チオール分解後のダイマー分画(3)以降の分画におけるエピカテキン(モノマー)及びエピカテキンメチルエーテルの含有量の合計(メチルエーテル分を除く)は、チオール分解前にそれぞれの分画に存在していたオリゴメリックプロシアニジン(OPC)の総重量に対応し、それらの総和は、元の試料中に存在していたオリゴメリックプロシアニジン(OPC)の総重量に対応する。
そこで、本発明においては、下記式(1)及び(2)に従って、試料中にn+2重合体の混合物(nは0、1、2、3、4、5等の整数)として存在するOPCの含有量(g)を算出する。
<式(1)>
各分画中のOPCの含有量(g)=X+(Y×290.27/366.39)・・・(1)
[式中、Xは各分画中のエピカテキン(分子量:290.27)の含有量(g)を表し、Yは各分画中のエピカテキンチオエーテル(分子量:366.39)の含有量(g)を表す]
<式(2)>
試料中のOPCの含有量(g)=式(1)の各分画(アントシアニン分画及びモノマー分画を除く)中のOPC含有量の総和(g)・・(2)
なお、チオール分解前にダイマー分画(3)等に含まれるエピカテキン(モノマー)を考慮する場合には、前記のような高速液体クロマトグラフィーや吸光度法でチオール分解前に分画に含まれるエピカテキン(モノマー)の含有量(mol)を測定しておき、チオール分解後の含有量(mol)から差し引けばよい。
本発明の方法においては、さらに、チオール分解により生じた各分画中のカテキン単量体(エピカテキン)とカテキン−チオエーテルのモル数から試料中のOPCの平均重合度を算出することができる。
すなわち、前記反応式及び表1から明らかなように、チオール分解により生じた各分画中のカテキン単量体(エピカテキン)とカテキン−チオエーテルとのモル比は、各分画中に存在していたOPCの平均重合度に対応する。より具体的には、理論上、チオール分解によりダイマー1モルからエピカテキン(モノマー)とエピカテキンメチルエーテルとが1モルずつ生じ、トリマー1モルからエピカテキン(モノマー)1モルとエピカテキンメチルエーテル2モルが生じ、テトラマー1モルからエピカテキン(モノマー)1モルとエピカテキンメチルエーテル3モルが生じる。
従って、下記式(4)に従ってチオール分解により生じた各分画中のエピカテキン(必要に応じてチオール分解後に各分画中に存在するエピカテキンの含有量からチオール分解前に存在するエピカテキンの含有量を引く)とエピカテキンチオエーテルとのモル比から、各分画中に存在していたOPCの平均重合度を算出することができる。
<式(4)>
各分画(アントシアニン分画及びモノマー分画を除く)のOPCの平均重合度={各分画中のエピカテキンチオエーテルの含有量(g)/366.39}/{各分画中のエピカテキンの含有量(g)/290.27)}+1・・・(4)
また、上記式(4)で算出した各分画中に存在していたOPCの平均重合度の平均は、元の試料中にn+2重合体の混合物(nは0、1、2、3、4、5等の整数)として存在するOPCの平均重合度を意味する。
従って、下記式(3)により、元の試料中に存在するOPCの平均重合度を算出することができる。
<式(3)>
試料中のOPCの平均重合度={各分画(アントシアニン分画及びモノマー分画を除く)中のエピカテキンチオエーテルの含有量の総和(g)/366.39}/{各分画(アントシアニン分画及びモノマー分画を除く)中のエピカテキンの含有量の総和(g)/290.27)}+1・・・(3)
本発明においては、前記式(2)から求められる各分画中のOPCの含有量(g)と、前記下記式(4)に従って算出される各分画中のOPCの平均重合度から、前記試料のオリゴメリックプロシアニジンの重合度分布を求めることができ、対象試料についてオリゴメリックプロシアニジン(OPC)の重合度分布による特徴付けを可能とする。

Claims (6)

  1. 試料中に含まれる、オリゴメリックプロシアニジン(以下OPCという)の総含有量および/又は平均重合度を定量する方法であって、
    固定相として順相デキストラン系カラムを用い、流動相として酸性化エタノール、濃度勾配を付けたエタノール及びアセトンを用いるカラムクロマトグラフィーに、該試料を供して、各流動相による溶離液を採取し、
    次いで得られた各分画をチオール分解に供した後、生じたエピカテキン及びエピカテキンチオエーテルの各分画における含有量を測定し、
    得られた各分画のエピカテキンとエピカテキンチオエーテルの含有量から、下記式(1)乃至(3)に従って、該試料中のOPCの総重量及び/又は平均重合度を算出する、方法。
    <式1>
    各分画中のOPCの含有量(g)=X+(Y×290.27/366.39)・・・(1)
    [式中、Xは各分画中のエピカテキン(分子量:290.27)の含有量(g)を表し、Yは各分画中のエピカテキンチオエーテル(分子量:366.39)の含有量(g)を表す]
    <式2>
    試料中のOPCの含有量(g)=式(1)の各分画(アントシアニン分画及びモノマー分画を除く)中のOPC含有量の総和(g)・・(2)
    <式3>
    試料中のOPCの平均重合度={各分画(アントシアニン分画及びモノマー分画を除く)中のエピカテキンチオエーテルの含有量の総和(g)/366.39}/{各分画(アントシアニン分画及びモノマー分画を除く)中のエピカテキンの含有量の総和(g)/290.27)}+1・・・(3)
  2. 前記式(2)から求められる各分画中のOPCの含有量(g)と、下記式(4)に従って算出される各分画中のOPCの平均重合度から、前記試料のオリゴメリックプロシアニジンの重合度分布を求める、請求項1に記載の方法。
    <式4>
    各分画(アントシアニン分画及びモノマー分画を除く)のOPCの平均重合度={各分画中のエピカテキンチオエーテルの含有量(g)/366.39}/{各分画中のエピカテキンの含有量(g)/290.27)}+1・・・(4)
  3. 前記固定相として、Sephadex LH−20を用いる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記流動相として、それぞれ0.5%トリフルオロ酢酸で酸性化した100%エタノール、100%エタノール、90%エタノール、80%エタノール及び50%アセトンを用いる、請求項1から3の何れか1項に記載の方法。
  5. 前記チオール分解を、各分画を60%エタノールに溶解し、ME試薬と混合して60−70℃で4時間加熱して行う、請求項1から4の何れか1項に記載の方法。
  6. 前記試料が、ブドウ、ピーナッツ皮、松樹皮及び黒大豆種皮を含む天然物、或いはオリゴメリックプロシアニジン(OPC)を含有する、飲食物、医薬品又は化粧品である、請求項1から5の何れか1項に記載の方法。
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