JP5096916B2 - カルボニル化プロセス流からの触媒金属および促進剤金属の除去方法 - Google Patents

カルボニル化プロセス流からの触媒金属および促進剤金属の除去方法 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、カルボニル化プロセスにて得られたプロセス流からの第VIII族カルボニル化触媒金属および/または促進剤金属の回収に関するものである。
たとえばロジウムもしくはイリジウムまたはその混合物のような第VIII族金属触媒および触媒促進剤の存在下におけるアルコールもしくはその反応性誘導体のカルボニル化による、たとえばエステルおよび無水物のようなカルボン酸およびその誘導体の製造は周知されており、たとえば欧州特許出願公開第0144935号明細書、欧州特許出願公開第0643034号明細書および米国特許第6,211,405号明細書に記載されている。典型的には、触媒がイリジウムである場合、触媒促進剤はたとえばルテニウム、オスミウム、レニウム、タングステン、亜鉛、カドミウム、インジウム、ガリウムおよび水銀のような、たとえば欧州特許出願公開第0849248号明細書および欧州特許出願公開第0643034号明細書に記載されたような金属から選択することができる。触媒がロジウムである場合、触媒促進剤は典型的にはリチウムである。
典型的には、たとえば酢酸を製造するようなカルボニル化プロセスの操作において、反応器からの液体反応組成物が1つもしくはそれ以上のフラッシュ分離容器に移送され、ここで触媒成分は多くの揮発性成分から分離される。触媒成分を含有する液体フラクションは反応器に循環されると共に、酢酸と酢酸メチルと沃化メチルとを含む蒸気フラクションはプロセスの精製部門に移送される。しかしながら、低レベルの触媒および/または促進剤金属が蒸気フラクションに同伴され或いは含有され、従って各金属がこれらを廃棄物流としての酢酸生成物から除去されると共に最終的に廃棄されるプロセスの生成物精製セクションに移送されることが判明した。
触媒および促進剤金属はしばしば高価であると共に、この種の金属のプロセスからの損失を最小化させることにより、顕著なコスト上の利点を達成することができる。
カルボニル化反応生成物流からの金属成分の除去方法は当業界にて公知である。米国特許第6,627,770号明細書は、液相の均質触媒カルボニル化反応の生成物流から第VIII族金属を除去するための複素環式窒素含有反復単位を含む樹脂の使用を記載している。この方法においては、フラッシュ容器から発生する蒸気フラクションを前記樹脂と接触させて、そこに含有された同伴もしくは揮発性の第VIII族金属を除去する。
米国特許第6,329,435号明細書は、チオ尿素基を含有するモノ分散の架橋ビードポリマーの作成および金属化合物(特に重金属化合物もしくは貴金属化合物)を吸収するためのその使用を記載している。
欧州特許出願公開第1203777号明細書は、水素化されたニトリルゴムからの鉄およびロジウムの改良吸収のためのチオ尿素官能化樹脂を記載している。
欧州特許出願公開第618185号明細書は、カルボン酸もしくは無水カルボン酸を含む液体組成物からのキレート樹脂を用いる腐蝕金属汚染物の除去方法を開示している。
従って、カルボニル化プロセス流からの触媒および/または促進剤金属の回収方法につきニーズが残されている。特に触媒および/または促進剤金属をたとえば腐蝕金属および/または生成物精製を助けるべく添加されるアルカリ金属のようなカルボニル化プロセス流に典型的に含有される他の金属に優先して回収できれば有利である。典型的には、カルボニル化プロセス流に見られる腐蝕金属は鉄、ニッケル、クロムおよびモリブデンを包含する。
今回、チオに尿素官能基を有するキレート樹脂を使用して、カルボニル化プロセス流から第VIII族カルボニル化触媒金属および/または促進剤金属を選択的に除去することができ、特にカルボニル化プロセス流に含有される腐蝕金属に優先して触媒金属を除去しうることが判明した。
従って本発明は、カルボニル化生成物と少なくとも1種の第VIII族カルボニル化触媒金属および/または促進剤金属と腐食金属と必要に応じアルカリもしくはアルカリ土類金属とを含む液体組成物からの第VIII族カルボニル化触媒金属および/または促進剤金属の選択的除去方法を提供し、この方法は、前記液体組成物をキレート樹脂と接触させて液体組成物に含有された第VIII族カルボニル化触媒金属および/または促進剤金属の少なくとも1部を除去すると共にキレート樹脂が少なくとも1個のチオ尿素官能基を含むことを特徴とする。
キレート樹脂は、除去せねばならない金属に付着した官能基を有する。本発明の方法に使用するのに適するキレート樹脂は少なくとも1個のチオ尿素官能基を有する。次のキレート樹脂を本発明の方法に使用することができる:
Figure 0005096916
[式中、Pは化学骨格を示す]。
化学骨格は有機もしくは無機とすることができる。好適には有機骨格はポリマー骨格、たとえばポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレンもしくはポリプロピレン、好ましくはポリスチレンとすることができる。たとえばポリスチレンのようなポリマー骨格は必要に応じたとえばジビニルベンゼン、ジビニルトルエンおよびトリビニルベンゼン(特にジビニルベンゼン)で架橋させることができる。
キレート樹脂は巨孔質とすることができ、或いはゲル型とすることもできる。多孔質かつ相互連結されたゲル相を含んで巨孔質構造をもたらすマクロレチキュラ樹脂も用いることもできる。
本発明の方法にて使用する適するポリマー骨格を持ったキレートチオ尿素−官能化樹脂の例は、シブロン・ケミカルズ社から入手しうるレバチットTP214(登録商標)である。
無機骨格を有するキレート樹脂も使用することができる。適する無機骨格の例はシリカ、アルミナ、チタニア、セリア、ジルコニア、粘土およびゼオライト(たとえばアルミノシリケートおよびアルミノホスフェート)を包含する。
無機および有機成分を持った骨格を有するキレート樹脂も本発明の方法にて用いることができる。
本発明の方法にて使用するのに好適なキレート樹脂はポリマー骨格を有する。
液体組成物の処理は一般に、液体組成物を樹脂の固定床に通過させて行われる。液体組成物の処理はバッチ式、半連続式または連続式の操作とし、キレート樹脂の技術で周知された方法および技術を用いて行うことができる。連続操作が好適である。
液体組成物は、この液体組成物の凍結点より高くかつ樹脂および/または液体組成物が許容し得ない分解を示す温度より低い任意適する温度にてキレート樹脂と接触させることができる。好適には、このプロセスは0〜100℃、好ましくは5〜80℃の範囲の温度で行うことができる。
圧力は臨界的でなく可変であって、一般に大気圧または大気圧より若干高い圧力も用いることができる。しかしながら超大気圧もしくは大気圧以下も所望に応じ用いることができる。
キレート樹脂の固定床を通過する液体組成物の流速(液体空時速度)は一般に1〜20h−1の範囲、たとえば1〜12h−1の範囲である。
本発明の方法により処理すべき液体組成物はその場で処理することができ、或いはオフラインで処理することもできる。
液体組成物の接触は、キレート樹脂が触媒および促進剤金属に対するその能力に達した際またはその前に停止される。次いで、キレート樹脂は金属を回収する任意適する手段で処理することができる。キレート樹脂の再生は、業者により推奨された方法により達成することができる。
2つ以上のキレート樹脂床を使用して、液体組成物が1つの樹脂床を通過している間に1つもしくはそれ以上の他の樹脂床を再生させることができる。
代案として、キレート樹脂を破壊プロセスにかけて金属を回収することもできる。この種の破壊方法は樹脂の燃焼、熱分解または化学分解を包含する。得られた残渣をたとえばブレンステッド酸のような適する溶解媒体で処理し或いは蒸解させて、触媒およびプロモータ金属を回収のため可溶化させることができる。
本発明の方法はたとえばイリジウム、ロジウムおよびその混合物のような第VIII族カルボニル化触媒並びにたとえばルテニウム、オスミウム、レニウムおよび水銀のようなその関連促進剤金属をたとえば鉄、ニッケル、クロム、マンガン、亜鉛およびモリブデン(特に鉄およびニッケル)のようなカルボニル化プロセスにて典型的に見られる腐食金属を含む液体組成物から除去するのに特に適用しうる。
本発明の方法は、たとえばメタノールのようなアルコールおよび/またはその反応性誘導体の、第VIII族カルボニル化触媒、ハロゲン化アルキル助触媒、触媒促進剤および必要に応じ有限濃度の水の存在下におけるカルボニル化から得られるカルボニル化プロセス流より第VIII族金属および/または促進剤金属を除去するのに特に適用することができる。
本発明の方法で処理される液体組成物はたとえばリチウム、ナトリウムおよび/またはカリウムのようなアルカリもしくはアルカリ土類金属を含むこともできる。アルカリ/アルカリ土類金属の塩は典型的には触媒補助促進剤/安定化剤としてロジウム触媒のカルボニル化プロセスに用いられ、或いは精製助剤として蒸留カラムに添加される。
本発明の方法にて処理すべき液体組成物は未改変カルボニル化反応体、たとえばアルコール、エーテル、ハライドおよび/またはエステルをも含むことができる。好適には、カルボニル化反応体はC〜C10アルコール(たとえばメタノール);ジアルキルエーテル(ここでアルキル基は独立して1〜10個の炭素原子を有し、たとえばジメチルエーテルである);1〜10個の炭素原子を有するハロゲン化アルキル、たとえば沃化メチルおよびC〜C10アルコールとC〜C11カルボン酸とのエステル(たとえば酢酸メチル)を含むことができる。更に液体組成物は第四級アミン、ホスフィン、砒素化合物もしくはアンチモン化合物の沃化物またはアルカリもしくはアルカリ土類金属の沃素塩をも含むことができる。適する第四級ホスフィン沃素塩は米国特許第4,333,884号明細書に記載されている。適する第四級アミン沃素塩は米国特許第4,333,884号明細書、米国特許第4,430,273号明細書および欧州特許出願公開第0479463号明細書に記載されている。本発明の方法にて処理される液体組成物は、この液体組成物が誘導されるカルボニル化プロセスに対し適合しうる溶剤をも含むことができる。液体組成物がカルボン酸を生成させるカルボニル化プロセスから誘導される場合、この液体組成物は水をも含むことができる。
好適には液体組成物は、カルボン酸および/または無水カルボン酸(好ましくは酢酸および/または無水酢酸)の製造に関するロジウムもしくはイリジウムカルボニル化触媒とハロゲン含有カルボニル化助触媒とカルボニル化触媒促進剤/安定化剤の存在下におけるアルコール、エーテル、エステルおよび/またはハライドのカルボニル化による液相カルボニル化反応の液体反応組成物から得られる。
適するロジウム触媒によるカルボニル化プロセスはたとえば英国特許第2146637号明細書、米国特許第4,994,608号明細書、米国特許第5,001,259号明細書、米国特許第5,026,908号明細書、欧州特許出願公開第0144936号明細書および欧州特許出願公開第0144935号明細書(これらはカルボニル化によるカルボン酸の製造に関する);カルボン酸および無水カルボン酸の製造に関するカルボニル化プロセスを記載した米国特許第5,003,104号明細書;カルボニル化による無水酢酸の製造を記載する米国特許第4,374,070号明細書;酢酸の正味の生成を伴うまたは伴わない無水酢酸の製造を記載した欧州特許出願公開第0087870号明細書に記載されている。
無水カルボン酸を製造するための適するイリジウム触媒によるカルボニル化プロセスは英国特許第2,333,773号明細書に記載されている。
適するロジウムカルボニル化触媒はたとえば欧州特許出願公開第0161874号明細書、米国特許第6,211,405号明細書および欧州特許出願公開第0728727号明細書に記載されている。適するイリジウムカルボニル化触媒はたとえば英国特許第2,333,773号明細書に記載されている。
好ましくは、液体反応組成物におけるロジウム触媒濃度は100〜2500重量ppmのロジウムの範囲である。
液体組成物は好適には更に、イリジウムカルボニル化触媒またはロジウムとイリジウムとのカルボニル化触媒の混合物、ハロゲン化アルキル助触媒、触媒促進剤および有限濃度の水の存在下におけるアルコール、エーテル、エステルおよび/またはハライドのカルボニル化によるカルボン酸(好ましくは酢酸)の製造に関する液相カルボニル化反応の液体反応組成物からも得ることができる。
たとえば酢酸のようなカルボン酸の製造に適するイリジウム触媒によるカルボニル化プロセスは、たとえば欧州特許出願公開第0643034号明細書、欧州特許出願公開第0752406号明細書、欧州特許出願公開第0846674号明細書、欧州特許出願公開第0849249号明細書、欧州特許出願公開第0849251号明細書および欧州特許出願公開第0849248号明細書に記載されている。
適するイリジウムカルボニル化触媒はたとえば欧州特許出願公開第0643034号明細書および欧州特許第0752406号明細書に記載されている。
好ましくは、液体反応組成物におけるイリジウム触媒濃度は100〜6000重量ppmの範囲のイリジウムである。
適するイリジウムカルボニル化触媒促進剤はたとえばルテニウム、オスミウム、レニウムおよび水銀、好ましくはルテニウムおよびオスミウムである。
適するイリジウム促進剤濃度は400〜5000ppmである。
液体カルボニル化反応組成物は更にハロゲン化アルキル助触媒(たとえば沃化メチル)をも含むことができる。好ましくは液体カルボニル化反応組成物におけるハロゲン化アルキル助触媒(たとえば沃化メチル)の濃度は1〜20重量%、好ましくは2〜16重量%の範囲である。
液体反応組成物には水がその場で生成され、或いは反応組成物の他の成分と一緒に或いはそれらとは別途にカルボニル化反応器に導入することもできる。好ましくは液体反応組成物における水の濃度は0.1〜15重量%、より好ましくは1〜15重量%、特に1〜10重量%の範囲である。
無水カルボン酸がカルボニル化生成物である場合、液体反応組成物は実質的に無水である。実質的に無水とは0.1重量%未満の水を意味する。
カルボニル化生成物は1〜10個の炭素原子を有するカルボン酸もしくはその無水カルボン酸とすることができ、好ましくは酢酸および/または無水酢酸である。
典型的には、カルボニル化プロセスは100〜300℃および2〜30気圧の一酸化炭素の分圧を有する高められた圧力(15〜200barg)にて操作され、1つもしくはそれ以上の反応帯域にて行うことができる。
本発明の方法を適用しうる典型的液相カルボニル化プロセスにおいて液体反応組成物は1つもしくはそれ以上のカルボニル化反応器から抜き取られると共に、熱の添加と共に或いは添加なしにカルボニル化触媒の大半および使用する場合は促進剤の大半を含む液体フラクションが同伴もしくは含有カルボニル化触媒および/または触媒促進剤物質、カルボニル化生成物、カルボニル化しうる反応体、水およびハロゲン化アルキル助触媒、並びにたとえば窒素、一酸化炭素、水素および二酸化炭素のような非凝縮性ガスを含む蒸気フラクションから分離される反応器の圧力より低い圧力にてフラッシュ帯域に移送される。液体フラクションの少なくとも1部はカルボニル化反応器に循環されると共に、蒸気フラクションは一般に1つもしくはそれ以上の蒸留帯域を含む生成物精製セクションに移送される。第1蒸留カラム(一般にライトエンドカラムと称する)にて、カルボニル化生成物はライト成分(ハロゲン化アルキル助触媒および未変換反応体)から分離される。これらライト成分は頭上で除去されると共に、カルボニル化反応器に循環される。粗製カルボニル化生成物流は第1蒸留カラムから除去されて1つもしくはそれ以上の更なる蒸留カラムに供給され、市販入手しうる品質のカルボニル化生成物を得る。カルボニル化生成物のカルボン酸である場合、ライトエンドカラムからの粗製カルボン酸は乾燥カラムに供給されて乾燥粗製酸生成物を得ることができ、次いでこれをヘビーエンド蒸留カラムに供給して、たとえばプロピオン酸のような高沸点不純物をカラムからボトムとして除去すると共に、カルボン酸生成物を回収することができる。幾つかのカルボン酸プロセスにて、ライトエンド除去および乾燥は単一の組合せカラムにて行うことができる。
生成物精製セクションに流入する触媒および/または促進剤金属の量は、たとえばカルボニル化反応条件のような各種の因子および更にカルボニル化プロセス装置の構成に依存する。
本発明の方法により処理すべき液体組成物は、カルボニル化触媒および/または促進剤を含む任意のプロセス流から得ることができる。好適には本発明の方法により処理すべき液体組成物は蒸留カラム流から、たとえばヘビーエンドカラムの底部から或いは組合せライトエンドおよび乾燥カラムの底部から或いは乾燥カラムから得ることができる。
更に本発明の方法を用いて、第VIII族カルボニル化触媒金属および/または促進剤金属[気相(不均質)カルボニル化プロセスから得られる]を含有する液体組成物を処理することもできる。
以下、本発明を例示の目的で以下の実施例を参照しながら説明する。
実施例1
使用したキレート樹脂はレバチットTP207、TP260およびTP214(シブロン・ケミカルズ・インコーポレイテッド)とした。これら樹脂は架橋したマクロレチキュラポリスチレン樹脂であって異なるキレート官能基、すなわちイミノアセテート(TP207)、アミノホスフェート(TP260)およびチオ尿素(TP214)を含有する。使用に先立ち、これら樹脂を酢酸中で予備膨潤させた。更に、鉱酸予備処理を酢酸での処理に先立ちTP207で行ってナトリウムイオンを除去した。
処理すべき液体組成物を酢酸製造のためのカルボニル化プロセスから得ると共に、酢酸と酢酸メチルと沃化メチルと水と約2000ppmのIrと4300ppmのRuと90ppmのLiと種々のレベルの腐蝕金属[これらは次の範囲内に入る:Fe 14−60ppm;Ni 14−92ppm;Cr 8−20ppm;Mo 18−60ppm;Zn 4−6ppm]とで構成した。
この液体組成物を30mlの樹脂の固定床に20℃の温度、1.5bargの圧力および10の液体空時速度(LHSV)にて通過させた。樹脂を容器から取り出し、水で洗浄すると共に80℃のオーブン内で16時間にわたり乾燥させた。次いで、樹脂により保持された金属含有量をイリジウムおよびルテニウムにつきX線蛍光分析により、リチウムにつき原子吸収スペクトロスコピーによりおよび腐食金属につき誘導カップルプラスマ−原子放出スペクトロスコピーにより測定した。それらの結果を表1示す。
Figure 0005096916
表1における結果は、本発明のキレート樹脂(TP214)がカルボニル化触媒および促進剤金属の選択的除去につきチオ尿素官能基を持たないキレート樹脂よりも優れることを示す。
実施例2
この実施例にて処理すべき液体組成物は、酢酸を製造するためのカルボニル化プロセスにおけるヘビーエンド蒸留カラムの底部から得た。液体組成物の金属含有量を表2に示す。氷酢酸に浸漬させた150mlの液体組成物と15mlのレバチットTP214(シブロン・ケミカルズ・インコーポレイテッド)を丸底フラスコに充填すると共に、磁気ホロワーを用いて室温にて全部で48時間にわたり攪拌した。10mlの液体部分をフラスコから定期的間隔で抜き取り、その金属含有量につき分析した。その結果を表2に示す。
Figure 0005096916
表2における結果は、本発明のチオ尿素官能化キレート樹脂が腐食金属およびアルカリ金属より優先してカルボニル化触媒金属および促進剤金属を保持することを示す。

Claims (26)

  1. カルボニル化生成物とイリジウムおよびイリジウムとロジウムの混合物から選択されるカルボニル化触媒金属および/またはルテニウム、オスミウムおよびレニウムから選択される促進剤金属と腐食金属とを含む液体組成物から前記カルボニル化触媒金属および/または少なくとも1個の前記促進剤金属の選択的除去方法であって、前記液体組成物をキレート樹脂と接触させて液体組成物に含有された前記カルボニル化触媒金属および/または少なくとも1個のルテニウム、オスミウムおよびレニウムから選択される促進剤金属の少なくとも1部を除去すると共に、キレート樹脂が少なくとも1個のチオ尿素官能基を含むことを特徴とする選択的除去方法。
  2. 液体組成物がアルカリもしくはアルカリ土類金属をさらに含む請求項1に記載の方法。
  3. アルカリ金属をリチウム、ナトリウムおよびカリウムから選択する請求項2に記載の方法。
  4. キレート樹脂が式:
    Figure 0005096916
    [式中、Pは化学骨格を示す]
    を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 化学骨格Pがポリマーである請求項4に記載の方法。
  6. ポリマーをポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレンおよびポリプロピレンよりなる群から選択する請求項5に記載の方法。
  7. ポリマーが架橋ポリマーである請求項5または6に記載の方法。
  8. 架橋ポリマーが架橋ポリスチレンである請求項7に記載の方法。
  9. 架橋ポリスチレンがジビニルベンゼンポリスチレンである請求項8に記載の方法。
  10. 化学骨格Pをシリカ、アルミナ、チタニア、セリア、ジルコニア、粘土およびゼオライトよりなる群から選択する請求項4に記載の方法。
  11. 化学骨格Pが無機および有機成分を有する請求項4に記載の方法。
  12. キレート樹脂が巨孔質樹脂またはゲル樹脂である請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. カルボニル化触媒金属がイリジウムとロジウムの混合物である請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. プロセスをバッチ式、半連続式もしくは連続式プロセスとして操作する請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 液体組成物を0〜100℃の範囲の温度にてキレート樹脂と接触させる請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 液体組成物の液体空時速度が1〜20h−1の範囲である請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 液体組成物をその場でまたはオフラインで処理する請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 液体組成物がカルボニル化生成物すなわちカルボン酸を製造するためのカルボニル化プロセスから得られたプロセス流である請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. カルボン酸が酢酸である請求項18に記載の方法。
  20. 液体組成物が更に未変換カルボニル化性反応体、溶剤、水および沃素イオンよりなる群から選択される1種もしくはそれ以上の成分をも含む請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 液体組成物が、イリジウムカルボニル化触媒とハロゲン化アルキル助触媒とルテニウム、オスミウムおよびレニウムから選択される触媒促進剤との存在下におけるアルコールおよび/またはその反応性誘導体のカルボニル化から得られたプロセス流である請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. アルコールがメタノールであり、ハロゲン化アルキルが沃化メチルであり、カルボニル化を有限濃度の水で行う請求項21に記載の方法。
  23. 処理すべき液体組成物を蒸留カラム流から得る請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 蒸留カラム流がヘビーエンドカラムの底部からの流れ、組合せライトエンドおよび乾燥カラムの底部からの流れおよび乾燥カラムからの流れよりなる群から選択される請求項23に記載の方法。
  25. 液体組成物を気相カルボニル化プロセスから得られる請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 腐食金属が鉄、ニッケル、クロム、マンガン、亜鉛、モリブデンおよびその混合物よりなる群から選択される請求項1〜25のいずれか一項に記載の方法。
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