JP5096630B1 - バイオディーゼル燃料の製造方法、当該方法に使用する残留アルコール除去装置及びバイオディーゼル燃料の製造装置 - Google Patents

バイオディーゼル燃料の製造方法、当該方法に使用する残留アルコール除去装置及びバイオディーゼル燃料の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】バイオディーゼル燃料の製造工程において、エステル交換反応後の反応液から分離した軽液(粗バイオディーゼル燃料)に残留するアルコール、遊離グリセリン及びアルカリ金属などを高レベルに除去するために、多くのエネルギーコスト、長時間の処理、大掛かりな装置を必要としないバイオディーゼル燃料の製造方法、この方法に使用する残留アルコール除去装置及びバイオディーゼル燃料の製造装置を提供する。
【解決手段】油脂原料をアルカリ金属触媒下にアルコールと接触させてエステル交換反応を行う反応工程と、反応工程後の反応混合液を軽液と重液とに比重分離する分離工程と、分離工程後の軽液を加温して当該軽液中の残留アルコールを除去するアルコール除去工程とを有しており、アルコール除去工程において、軽液と回収用ガスとを気−液接触させて軽液中の残留アルコールを除去して回収用ガス中に回収する。
【選択図】図2

Description

本発明は、油脂類を原料とするバイオディーゼル燃料の製造方法、このバイオディーゼル燃料の製造方法に使用する残留アルコール除去装置、及び、この残留アルコール除去装置を組み込んだバイオディーゼル燃料の製造装置に関するものである。
バイオディーゼル燃料は、天然物である植物油脂或いは動物油脂を原料とすることから、環境対応型の軽油代替燃料として欧州を中心に普及が始まっている。また、石油価格高騰と地球温暖化ガス削減の要請を背景に、バイオディーゼル燃料の需要が今後、世界的に高まることが予想される。しかし、バイオディーゼル燃料を自動車用燃料などとして使用するには、例えば、JIS K2390などに規格されるような高品質とその安定性が要求される。
一方、バイオディーゼル燃料の製造方法は、例えば、下記特許文献1に従来技術として記載されているように広く知られている。まず、使用済み食用油(脂肪酸トリグセリド)などにメタノールと塩基性触媒を加えてエステル交換反応を起こし、脂肪酸メチルエステル(以下、「粗バイオディーゼル燃料」という)とグリセリンとに分離する。次に、分離した粗バイオディーゼル燃料に蒸留処理を行ってメタノールを除去した後、水を混合して粗バイオディーゼル燃料中に残存する水酸化ナトリウム(塩基性触媒)、残留グリセリン及び残留メタノールを洗浄する。その後、水に溶解したこれらの不純物を水層と共に分離除去してから、残留水分を乾燥除去することによりバイオディーゼル燃料が得られる。
ところが、このようにして製造されたバイオディーゼル燃料が上記JIS K2390などに定められる厳しい規格を満足することは容易ではない。これらの規格としては、例えば、脂肪酸メチルエステルが96.5質量%以上、残留メタノールが0.20質量%以下、遊離グリセリンが0.02質量%以下、更に、塩基性触媒からのアルカリ金属(Na+K)が5.0ppm以下というものがある。
これらの厳しい規格を満足するためには、上記製造工程において、エステル交換反応後に分離した粗バイオディーゼル燃料に対して、残留メタノールを除去するための高真空条件下での減圧蒸留処理を行う。しかし、この減圧蒸留処理においても、残留メタノールが0.20質量%以下という規格を満足するためには長時間の処理が必要となる。これらのことから、残留メタノールを除去するための減圧蒸留処理には、大掛かりな装置とこれに伴う多くのエネルギーコストが必要となる。
この減圧蒸留処理によって残留メタノールが0.20質量%以下となった粗バイオディーゼル燃料には、その他の不純物として遊離グリセリン、アルカリ金属及び遊離脂肪酸とアルカリ金属が反応した金属石鹸(アルカリ金属を含有する)などが含まれている。そこで、これらの不純物を除去するために、多量の水を混合して撹拌洗浄処理を行う。しかし、この撹拌洗浄処理においても、遊離グリセリンが0.02質量%以下、アルカリ金属(Na+K)が5.0ppm以下という規格を満足することは容易ではない。
そこで、撹拌洗浄処理でも除去しきれなかった遊離グリセリンや金属石鹸を除去するために、大掛かりな遠心分離処理を行う。これらのことから、遊離グリセリン、アルカリ金属及び金属石鹸を除去するための撹拌洗浄処理及び遠心分離処理には、大掛かりな装置とこれに伴う多くのエネルギーコストが必要となる。更に、多量の水による撹拌洗浄処理を行った場合には、その後の残留水分の除去も大きな問題となる。
このように、従来法は多くの製造工程で構成されており、高品質のバイオディーゼル燃料を得るためには、多種の大掛かりな装置を必要とし、製造時間が長く、多くのエネルギーコストを要するという問題があった。そこで、バイオディーゼル燃料の製造工程の簡略化、製造時間の短縮、エネルギーコストの削減及び品質の向上を目的として種々の方法が提案されている。例えば、下記特許文献1において特殊な液体処理装置が提案されている。
下記特許文献1に係る液体処理装置は、エステル交換反応後の液体を特殊処理装置の処理槽に収容し、その中に空気とオゾンの微細気泡を供給する。この処理槽中の処理液をろ過材が充填された浄化槽との間で循環させる。この循環を続けると、エステル交換反応後の液体から遊離脂肪酸が分離し、且つ、その反応機構は明確ではないが処理液中のグリセリンが減少するというものである。
特開2009−102582号公報
ところで、上記特許文献1の液体処理装置においては、特殊な装置を必要とし、危険なオゾンガスを使用する。また、どの程度の時間循環すればグルセリンがどの程度減少するのか明らかでない。更に、特に除去しにくい不純物であるメタノール、遊離グリセリン、アルカリ金属についての記述がなく、これらを従来法にならって除去しなければならないという問題があった。従って、依然として上述の高真空条件下で長時間の減圧蒸留処理、多量の水による撹拌洗浄処理、及び、大掛かりな遠心分離処理などが必要となる。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処して、バイオディーゼル燃料の製造工程において、エステル交換反応後の反応液から分離した軽液(粗バイオディーゼル燃料)に残留するアルコール、遊離グリセリン及びアルカリ金属などを高レベルに除去するために、多くのエネルギーコスト、長時間の処理、大掛かりな装置を必要としないバイオディーゼル燃料の製造方法及びこの方法に使用する残留アルコール除去装置を提供することを目的とする。また、本発明は、上記残留アルコール除去装置を備えたバイオディーゼル燃料の製造装置を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明者らは、鋭意研究の結果、エステル交換反応後の反応液から分離した軽液(脂肪酸メチルエステル層)を空気などの気体と気−液接触させることにより、特に高度な真空状態を必要とせず上記軽液中の残留アルコールを高レベルに短時間で除去できることを見出した。更に、本発明者らは、上記軽液中の残留アルコールを高レベルに除去することにより、アルコール以外の不純物の除去が更に容易となることを見出し本発明の完成に至った。
即ち、本発明に係るバイオディーゼル燃料の製造方法は、請求項1の記載によると、
油脂原料をアルカリ金属触媒下にアルコールと接触させてエステル交換反応を行う反応工程と、
前記反応工程で生成する反応混合液を軽液と重液とに比重分離する分離工程と、
前記分離工程から得られる軽液を洗浄することなく加温して当該軽液中の残留アルコールを除去するアルコール除去工程と
前記アルコール除去工程により残留アルコールを除去された軽液に対して、当該軽液中に残存する遊離グリセリン及びアルカリ金属を沈殿分離する沈殿分離工程とを有しており、
前記アルコール除去工程において、前記軽液と回収用ガスとを気−液接触させて前記軽液中の前記残留アルコールを除去して前記回収用ガス中に回収し、当該軽液中の残留アルコール濃度を0.05質量%以下とすることを特徴とする。
また、本発明は、請求項2の記載によると、請求項1に記載のバイオディーゼル燃料の製造方法において、
前記アルコール除去工程において、
前記軽液を当該軽液1kg当り1.0L/分以上の前記回収用ガスと気−液接触させることを特徴とする。
また、本発明は、請求項3の記載によると、請求項1又は2に記載のバイオディーゼル燃料の製造方法において、
前記アルコール除去工程において、
前記軽液を軽液放出手段により前記回収用ガス中に放出して当該回収用ガスと気−液接触させることを特徴とする。
また、本発明は、請求項4の記載によると、請求項1又は2に記載のバイオディーゼル燃料の製造方法において、
前記アルコール除去工程において、
前記回収用ガスを発泡手段により前記軽液中に放出して当該軽液に気−液接触させることを特徴とする。
また、本発明は、請求項5の記載によると、請求項1〜4のいずれか1つに記載のバイオディーゼル燃料の製造方法において、
前記アルコール除去工程において、
前記残留アルコールを回収した前記回収用ガスから脱アルコール手段により前記残留アルコールを分離することを特徴とする。
また、本発明は、請求項6の記載によると、請求項5に記載のバイオディーゼル燃料の製造方法において、
前記アルコール除去工程において、
前記脱アルコール手段により前記残留アルコールを分離した前記回収用ガスを再度前記アルコール除去工程に使用することを特徴とする。
また、本発明は、請求項の記載によると、請求項1〜6のいずれか1つに記載のバイオディーゼル燃料の製造方法において、
前記沈殿分離工程後に、前記軽液中に残存する極微量の遊離グリセリン及びアルカリ金属を吸着除去する吸着除去工程を有しており、
前記吸着除去工程により前記軽液中の遊離グリセリン濃度を0.02質量%以下、前記アルカリ金属濃度を5.0ppm以下とすることを特徴とする。
また、本発明に係る残留アルコール除去装置は、請求項の記載によると、
バイオディーゼル燃料の製造に使用され、エステル交換反応で生成する反応混合液を軽液と重液とに比重分離して得られる軽液を洗浄することなく、当該軽液中の残留アルコールを除去する装置であって、
前記軽液を軽液層(111)として収容し、前記残留アルコールを回収するための回収用ガス(G1)を回収用ガス層(112)として収容するアルコール回収槽(110)と、
前記回収用ガス層に前記回収用ガスを供給するための回収用ガス供給手段(130)と、
前記軽液層に収容された前記軽液を加温するための加温手段(140)と、
加温後の前記軽液を前記軽液層と前記回収用ガス層との間で循環する軽液循環手段(150)と、
前記回収用ガス層において、前記軽液循環手段により供給された前記軽液と前記回収用ガス層中の前記回収用ガスとを気−液接触させるための気−液接触手段(160)と、
前記気−液接触手段により前記残留アルコールを回収した前記回収用ガス(G2)を前記回収用ガス層から排出する回収用ガス排出手段(170)とを備えており、
前記気−液接触手段は、前記軽液を前記回収用ガス層に放出するための軽液放出手段(160)であって、当該軽液放出手段による気−液接触により軽液中の残留アルコール濃度を0.05質量%以下とすることを特徴とする。
また、本発明は、請求項の記載によると、請求項に記載の残留アルコール除去装置において、
前記回収用ガス排出手段は、ガス吸引手段(172)を備え、前記アルコール回収槽の内部を300hPa〜1200hPaの範囲内の圧力に維持し、
前記加温手段は、前記アルコール回収槽中の前記軽液の温度を30℃〜80℃の範囲内に加温することを特徴とする。
また、本発明に係る残留アルコール除去装置は、請求項10の記載によると、
バイオディーゼル燃料の製造に使用され、エステル交換反応で生成する反応混合液を軽液と重液とに比重分離して得られる軽液を洗浄することなく、当該軽液中の残留アルコールを除去する装置であって、
前記軽液を軽液層(211)として収容し、前記残留アルコールを回収するための回収用ガス(G5)を回収用ガス層(212)として収容するアルコール回収槽と、
前記軽液層を経由して前記回収用ガス層に前記回収用ガスを供給するための回収用ガス供給手段(230)と、
前記軽液層に収容された前記軽液を加温するための加温手段(240)と、
前記軽液層において、前記回収用ガス供給手段から供給された前記回収用ガスと前記軽液層中の前記軽液とを気−液接触させるための気−液接触手段(260)と、
前記気−液接触手段により前記残留アルコールを回収した前記回収用ガスを前記回収用ガス層から排出する回収用ガス排出手段(270)とを備えており、
前記気−液接触手段は、前記回収用ガスを前記軽液層に放出するための発泡手段(260)であって、当該発泡手段による気−液接触により軽液中の残留アルコール濃度を0.05質量%以下とすることを特徴とする。
また、本発明は、請求項11の記載によると、請求項10に記載の残留アルコール除去装置において、
前記回収用ガス排出手段は、ガス吸引手段(272)を備え、前記アルコール回収槽の内部を100hPa〜1200hPaの範囲内の圧力に維持し、
前記加温手段は、前記アルコール回収槽中の前記軽液の温度を30℃〜80℃の範囲内に加温することを特徴とする。
また、本発明に係るバイオディーゼル燃料の製造装置は、請求項12の記載によると、
油脂原料をアルカリ金属触媒下にアルコールと接触させてエステル交換反応を行う反応装置(2)と、エステル交換反応で生成する反応混合液を軽液と重液とに比重分離する分離装置(4)と、請求項8〜11のいずれか1つに記載の残留アルコール除去装置(100、200)とを備え
前記比重分離から得られる軽液を洗浄する洗浄装置を備えていないことを特徴とする。
また、本発明は、請求項13の記載によると、請求項12に記載のバイオディーゼル燃料の製造装置において、
前記回収用ガス排出手段(170、270)に連接する脱アルコール装置(7)を備えて、
前記回収用ガス排出手段から排出される前記回収用ガス(G2、G5)に含有される前記残留アルコールを当該回収用ガスから分離することを特徴とする。
また、本発明は、請求項14の記載によると、請求項13に記載のバイオディーゼル燃料の製造装置において、
前記脱アルコール装置(7)と前記回収用ガス供給手段(230)とを連接することにより、
前記脱アルコール装置から排出される前記残留アルコールを分離した前記回収用ガス(G6)を再度前記残留アルコール除去装置中に供給することを特徴とする。
また、本発明は、請求項15の記載によると、請求項12〜14のいずれか1つに記載のバイオディーゼル燃料の製造装置において、
残留アルコール除去後の前記軽液中に残存する不純物を吸着除去するための吸着装置(10)を備えたことを特徴とする。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する各実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
上記構成によれば、アルコール除去工程において、エステル交換反応後の反応液から分離した軽液(粗バイオディーゼル燃料)と回収用ガスとを気−液接触させることにより、軽液中の残留アルコールを高レベルに除去することができる。この気−液接触操作は、軽液放出手段により軽液を回収用ガス中に放出するようにしてもよく、或いは、発泡手段により回収用ガスを軽液中に放出するようにしてもよい。いずれにしても、気−液接触を生じさせることにより、軽液中の残留アルコールが容易に回収用ガス中に回収される。
また、この気−液接触操作において、軽液と接触させる回収用ガスの量が軽液1kg当り1.0L/分以上であることが好ましい。このことにより、軽液中の残留アルコールを高レベルに、且つ、より短時間に除去することができる。更に、この気−液接触操作による残留アルコールの除去においては、従来の減圧蒸留処理では長時間を要しても到達できなかった、残留アルコール濃度が0.05質量%以下を可能とすることもできる。
このように、気−液接触操作においては、高真空条件下での減圧蒸留処理と異なり、大掛かりな装置や多くのエネルギーコストを必要としない。また、回収用ガス中に回収した残留アルコールは、回収用ガスから脱アルコールすることにより、再度、エステル交換反応に使用することができる。一方、脱アルコール後の回収用ガスは、再度、アルコール除去工程に使用するようにしてもよい。これらのことより、アルコール除去工程のコストを更に削減することができる。
また、上記構成によれば、アルコール除去工程後に沈殿分離工程を行うことにより、残留アルコールが高レベルに除去された軽液から遊離グリセリンやアルカリ金属を沈殿分離することができる。この沈殿分離工程には、遠心分離装置など大掛かりな装置を必要とせず、静置分離操作により遊離グリセリンやアルカリ金属を高レベルに除去することができる。
更に、上記静置分離操作において、なお、遊離グリセリンやアルカリ金属がJIS K2390などの厳しい規格値に至らないこととなっても、その差異は非常に僅かである。従って、遠心分離装置など大掛かりな装置を必要とせず、簡易な吸着操作により上述の厳しい企画を満足することができる。
よって、本発明においては、バイオディーゼル燃料の製造工程において、エステル交換反応後の反応液から分離した軽液(粗バイオディーゼル燃料)に残留するアルコール、遊離グリセリン及びアルカリ金属などを高レベルに除去するために、多くのエネルギーコスト、長時間の処理、大掛かりな装置を必要としないバイオディーゼル燃料の製造方法を提供することができる。また、本発明においては、上記バイオディーゼル燃料の製造方法に使用する残留アルコール除去装置を提供することができる。更に、本発明においては、上記残留アルコール除去装置を備えたバイオディーゼル燃料の製造装置を提供することができる。
第1実施形態に係るバイオディーゼル燃料の製造装置を示すブロック図である。 第1実施形態に係る残留メタノール除去装置の概要を示す断面図である。 第2実施形態に係るバイオディーゼル燃料の製造装置を示すブロック図である。 第2実施形態に係る残留メタノール除去装置の概要を示す断面図である。
以下、本発明に係るバイオディーゼル燃料の製造方法及び製造装置を詳細に説明する。本発明において、バイオディーゼル燃料の原料となる油脂原料とは、食品、化粧品及び医薬品などに使用される天然油脂類をいう。これらの天然油脂類は、脂肪酸トリグリセリドを主成分とし、エステル交換反応によりバイオディーゼル燃料の主成分である脂肪酸アルキルエステルに変換することができる。具体的には、菜種油、ゴマ油、大豆油、コーン油、ヒマワリ油、パーム油、綿実油、米油、ヤシ油、紅花油などの植物油脂類、牛脂、豚脂、鶏脂、魚油などの動物油脂類、及び、これらの用途からの廃油脂類を挙げることができる。特に、油脂原料として廃油脂類を使用することにより、環境保護と資源の有効利用を図ることができる。
また、本発明において、エステル交換反応とは、油脂原料の主成分である脂肪酸トリグリセリドにアルコールを作用させて、当該アルコールと脂肪酸とのエステル及び遊離グリセリンに変換する反応をいう。本発明においては、エステル交換反応の方法及び条件を特に限定するものではなく、一般に行われるアルカリ触媒法、酸触媒法、或いは、無触媒の超臨界メタノール法など、どのような方法によるものであってもよい。以下に、本発明を各実施形態により詳細に説明する。
(第1実施形態)
本第1実施形態においては、上記油脂原料のうち、食品工場や外食産業などから多量に廃棄される使用済み食用油(以下「廃食油」という)をバイオディーゼル燃料の油脂原料とする。また、エステル交換反応は、上記各方法のうち一般的なアルカリ触媒法を採用する。
図1は、本第1実施形態に係るバイオディーゼル燃料の製造装置M1の概要を示すブロック図である。図1において、バイオディーゼル燃料の製造装置M1は、残留メタノール除去装置100を有しており、この残留メタノール除去装置100の前工程部として、貯留槽1、反応装置2、薬剤槽3、分離装置4、回収グリセリン槽5及び粗バイオディーゼル燃料槽6(以下「粗BDF槽6」という。なお「BDF」は登録商標である)を有している。また、バイオディーゼル燃料の製造装置M1は、残留メタノール除去装置100の後工程部として、凝縮装置7、回収メタノール槽8、沈殿装置9、吸着装置10及び精製BDF槽11を備えている。
以下、バイオディーゼル燃料の製造方法の各工程に沿ってバイオディーゼル燃料の製造装置M1を説明する。図1において、食品工場や外食産業などから集められた廃食油は、メッシュフィルターなどにより固形不純物を取り除いた後、貯留槽1に蓄えられる。貯留槽1に蓄えられた廃食油は、貯留槽1内で所定時間、静置して水分や高比重不純物などを比重差で沈降させて除去する。
このようにして前処理された廃食油は、反応装置2に送られてエステル交換反応が行われる。この反応装置2では、廃食油にエステル交換反応のためのアルコールと反応触媒とが混合される。ここで、エステル交換反応に使用されるアルコールには、一般にメタノール、エタノールなどの低級アルコールが使用され、本第1実施形態においては、メタノールを使用する。一方、反応触媒には、一般に水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物が使用され、本第1実施形態においては、水酸化カリウムを使用する。
なお、メタノールと水酸化カリウムとは別々に廃食油に混合してもよいが、本第1実施形態においては、予め水酸化カリウムをメタノールに反応させた状態(カリウムメチラート)で薬剤槽3に準備しておき、エステル交換反応の際に薬剤槽3から反応装置2に送られる。一般に、使用するメタノールの量は、反応させる廃食油に対して、エステル交換反応に必要な当量以上の過剰量を使用する。
反応装置2内におけるエステル交換反応は、通常のアルカリ触媒法に準じて行えばよく、廃食油とメタノールと水酸化カリウムの混合物を通常50〜60℃に加温した状態で撹拌しながらエステル交換反応させる。エステル交換反応が平衡に達した後、反応液を分離装置4に送り分離操作を行う。この分離操作には、通常、比重分離が行われ、遠心分離など機械的分離操作或いは静置による分離操作など、どのような方法によるものであってもよい。本第1実施形態においては、分離装置4内における静置による分離操作を行う。なお、静置による分離操作を行う場合には、分離装置4を使用することなく、反応装置2の内部で撹拌を停止して静置による分離を行うようにしてもよい。
分離装置4内での静置により、反応液は、遊離グリセリンからなる沈殿層(重液)と脂肪酸メチルエステルからなる上澄み層(軽液)に分離する。以後、この軽液を「粗バイオディーゼル燃料」または「粗BDF」という。分離装置4内の重液(遊離グリセリン)は、回収グリセリン槽5に回収し、その後、精製して有効利用する。一方、軽液(粗BDF)は、粗BDF槽6に回収する。
この粗BDFには、エステル交換反応の際に過剰量に混合された余剰のメタノール(以下「残留メタノール」という)、触媒に起因するアルカリ金属(カリウム)、このアルカリ金属と廃食油中の遊離脂肪酸とが反応した金属石鹸、及び、この金属石鹸の作用で分離しきれず残留した一部の遊離グリセリンなどが不純物として残留する。
従って、これらの不純物を除去して、上記JIS K2390などの規格を満足しなければ、精製バイオディーゼル燃料(または「精製BDF」という)として使用することはできない。そこで、従来のバイオディーゼル燃料の製造方法においては、上述のように、高真空条件下での長時間の減圧蒸留操作及びその後の遠心分離操作により上記不純物の除去を行っていた。
本第1実施形態においては、粗BDF槽6に回収した粗BDFは、次に、残留メタノール除去装置100に供給される。図1において、残留メタノール除去装置100は、粗BDF槽6から供給された粗BDF中の残留メタノールを外部から供給される回収用ガス(後述する)中に回収する。
ここで、残留メタノール除去装置100について詳細に説明する。図2は、残留メタノール除去装置100の概要を示す断面図である。本第1実施形態においては、残留メタノール除去装置100は、回収用ガス中に粗BDFを放出して気−液接触することにより、粗BDF中に含まれる残留メタノールを回収するものである。ここで、回収用ガスには、空気或いは窒素ガスなどの不活性ガスを使用することができる。本第1実施形態においては、回収用ガスとして空気を採用する。なお、本第1実施形態においては、残留メタノールを回収する前の空気を「空気G1」という。
図2において、残留メタノール除去装置100は、メタノール回収槽110、撹拌機120、回収ガス供給配管130、ジャケットヒーター140、粗バイオディーゼル燃料循環配管150(以下「粗BDF循環配管150」という)粗BDF循環配管150、シャワーヘッド160、及び、回収ガス排出配管170を備えている。
メタノール回収槽110は、ステンレス製タンクからなり、その内部には粗BDF槽6から供給された粗BDFが収容されて液層(粗BDF層111)が形成されている。また、粗BDF層111の上方空間には気層(空気層112)が形成されている。この空気層112には、粗BDF層111の残留メタノールを回収するための空気G1が収容されている。
撹拌機120は、モーター121、回転軸122及び撹拌子123を備えている。メタノール回収槽110の上部に設置されたモーター121の駆動が回転軸122を介して下方部に固定された撹拌子123を回転し、粗BDF層111を撹拌する。なお、本第1実施形態においては撹拌機120を用いたが、特に粗BDF層111を撹拌することなく残留アルコールを回収するようにしてもよい。
回収ガス供給配管130は、メタノール回収槽110内の空気層112に空気G1を供給する。回収ガス供給配管130による空気層112への空気G1の供給は、専用の回収ガス供給ポンプによる圧送であってもよく、或いは、メタノール回収槽110内を負圧とすることによる自然供給であってもよい。本第1実施形態においては、後述の回収ガス排出配管170からの吸引によるメタノール回収槽110内の負圧を利用した自然供給を行った。空気G1の供給量については後述する。
図2において、回収ガス供給配管130は、その出口末端部131をメタノール回収槽110内の空気層112に開口する。この出口末端部131の位置は、どのような部位にあってもよいが、本第1実施形態においては、メタノール回収槽110の上下方向中央部の空気層112下方部に開口している。これは、後述の回収ガス排出配管170の入口末端部171が、メタノール回収槽110の上部の空気層112最上部に開口していることに対応したものであり、空気G1の流路を大きく確保して気−液接触のタイミングを長くするためのものである。
ジャケットヒーター140は、メタノール回収槽110の外側の中央部から下方部にかけて備えられ、メタノール回収槽110内の粗BDFを間接的に加温する。粗BDFが加温されることにより、気−液接触による残留メタノールの除去効率が向上する。ジャケットヒーター140の熱源は、電気、ガス、蒸気など、どのようなものであってもよい。加温による粗BDFの温度は、どのような範囲であってもよいが、30〜80℃の範囲であることが好ましい。このように、粗BDFの温度は、大気圧におけるメタノールの沸点前後の温度であってもよく、或いは、沸点以下の温度であっても差し支えない。粗BDFの温度が30℃より低い場合には、残留メタノールの除去効率が低下する。一方、粗BDFの温度が80℃より高い場合には、加温に必要なエネルギーコストが高くなり好ましくない。
粗BDF循環配管150は、循環ポンプ151を備え、メタノール回収槽110下部とメタノール回収槽110上部とを外部から連接する。この粗BDF循環配管150の入口末端部152は、メタノール回収槽110下部に開口する。一方、粗BDF循環配管150の出口末端部153は、メタノール回収槽110上部から空気層112上部に導入され、後述するシャワーヘッド160に連接する。このように配設された粗BDF循環配管150は、入口末端部152から加温された粗BDFを吸引し、循環ポンプ151の圧送によりシャワーヘッド160に粗BDFを供給する。粗BDFの供給量については後述する。
シャワーヘッド160は、メタノール回収槽110内の空気層112上部に配設され、下方に向けて多孔を有する放出面161を備えて粗BDF循環配管150から供給される加温された粗BDFを空気層112に放出する。シャワーヘッド160から放出された粗BDFは、多数の液滴Sとなり表面積を大きくして空気層112内の空気G1と気−液接触する。このことにより、残留メタノールの除去効率が向上する。ここで、シャワーヘッド160の放出面161の孔径及び孔数、並びに、放出された液滴Sの液滴径については、特に限定するものではない。また、本第1実施形態においては、粗BDF放出手段としてシャワーヘッド160を採用するが、これに限るものではなく、シャワーボール、スプレー、複数本のノズルなど、どのようなものであってもよい。
このように、粗BDF循環配管150及びシャワーヘッド160の作用により、粗BDF層111の加温された粗BDFが空気層112に供給されて放出される。この供給と放出を繰り返すようにして粗BDFを粗BDF層111と空気層112との間で複数回循環することが好ましい。ここで、回収ガス供給配管130から供給される空気G1の供給量と粗BDF循環配管150から供給される粗BDFの供給量との関係については、特に限定するものではない。なお、粗BDFと気−液接触する空気G1は、回収ガス供給配管130から供給され残留メタノールを含んでいないことが好ましい。そこで、残留メタノールの除去効率を向上するためには、粗BDFの循環量1kg当り1.0L/分以上の空気G1を供給することが好ましく、また、1.3L/分以上の空気G1を供給することがより好ましい。
図2において、回収ガス排出配管170は、回収ガス排出ポンプ172を備え、その入口末端部171をメタノール回収槽110の上部の空気層112最上部に開口している。一方、回収ガス排出配管170の出口端部(図示しない)は、凝縮装置7の回収用ガス導入口(図示しない)と連接する(図1参照)。この回収ガス排出配管170は、気−液接触により残留メタノールを回収した空気(以下、「空気G2」という)をメタノール回収槽110内の空気層112から外部へ排出し、凝縮装置7に供給する。
回収ガス排出配管170による空気G2の排出は、専用の回収ガス排出ポンプによる圧送であってもよく、或いは、メタノール回収槽110内の正圧にすることによる自然排出であってもよい。本第1実施形態においては、回収ガス排出ポンプ172による圧送を行った。この回収ガス排出ポンプ172による空気G2の圧送(排出)により、メタノール回収槽110内が負圧となり、上述のように、残留メタノールを含んでいない空気G1が回収ガス供給配管130から自然に供給される。また、回収ガス排出ポンプ172の出力の制御により、回収ガス供給配管130から供給される空気G1の供給量を上述の粗BDFの循環量1kg当り1.0L/分以上の範囲に調整することができる。
なお、本第1実施形態においては、回収ガス排出配管170に回収ガス排出ポンプ172を備えてメタノール回収槽110内を負圧に制御した。一方、上述のように、回収ガス供給配管130の回収ガス供給ポンプによる圧送を行い、メタノール回収槽110内を正圧に制御してもよい。いずれのばあいにおいても、メタノール回収槽110内の圧力を300hPa〜1200hPaの範囲内に制御することが好ましい。メタノール回収槽110内の圧力を上記範囲内に制御することにより、空気G1の供給及び空気G2の排出に要するエネルギーコストを低く抑えることができる。また、メタノール回収槽110内の圧力を300hPa以下に減圧すると、空気層112内の空気G1の量が少なくなり、気−液接触の機会が減少して残留メタノールの回収効率が低下する。
上述のように、残留メタノール除去装置100における残留メタノール除去により、粗BDF中の残留メタノールは、その殆どが空気G2中に回収される。残留メタノールを回収した空気G2は、残留メタノール除去装置100の回収ガス排出配管170に連接する凝縮装置7に送られる(図1参照)。
図1において、凝縮装置7は、残留メタノールを回収し残留メタノール除去装置100から排出された空気G2に含まれるメタノールガスを凝縮液状化して空気G2から除去する。この凝縮装置7の種類については特に限定するものではなく、一般の冷却、圧縮などによる凝縮装置を使用すればよい。凝縮装置7により液状化したメタノールは、回収メタノール槽8に回収する。一方、メタノールガスを凝縮して除去された空気(「空気G3」という)は、本第1実施形態においては大気層に放出される(図1参照)。
一方、残留メタノール除去装置100における残留メタノール除去により、粗BDF中の残留メタノール濃度は非常に低い値となる。ここで、従来法の高真空条件下での長時間の減圧蒸留操作においては、粗BDF中の残留メタノール濃度を0.2質量%まで下げるのが限界であった。これに対して、本第1実施形態に係る方法においては、粗BDF中の残留メタノール濃度を0.05質量%以下、更には、0.02質量%以下まで下げることができる。
しかし、残留メタノール以外の不純物であるアルカリ金属(カリウム)、金属石鹸、及び、一部の遊離グリセリンなどは、未だ不純物として粗BDF中に残留している。従って、これらの不純物を除去するために、残留メタノール除去後の粗BDFは、沈殿装置9に送り不純物を沈殿させる沈殿操作を行う。この沈殿操作には、通常、比重分離が行われる。
ここで、従来法においては、上述のように、粗BDF中の残留メタノール濃度が0.2質量%程度残っており、この残留メタノールの作用により不純物が粗BDF中に安定に存在することとなる。そこで、従来法においては単なる静置操作だけでは分離することができず、大掛かりな遠心分離操作が必要であった。
これに対して、本第1実施形態に係る方法においては、上述のように、粗BDF中の残留メタノール濃度が0.05質量%以下に低下する。このことにより、不純物が粗BDF中に安定に存在することができず、静置操作だけで分離することができる。そこで、本第1実施形態においては、沈殿装置9内における静置による沈殿操作を行った。なお、静置による沈殿操作を行う場合には、沈殿装置9を使用することなく、メタノール回収槽110の内部で撹拌を停止して静置による沈殿を行うようにしてもよい。
沈殿装置9内での静置により、粗BDF中の不純物はその殆どが沈殿層に沈殿する。従って、上澄み層を分離することにより、精製BDFを得ることができる。なお、本第1実施形態においては、沈殿操作後の精製BDFに僅かに残留するアルカリ金属(カリウム)を除去するために、沈殿操作後の精製BDFは、吸着装置10に送り微量の不純物を吸着除去するための吸着操作を行う。ここで、吸着装置10は、どのような装置を使用してもよいが、通常、アルカリ金属(カリウム)などの吸着に適した活性白土槽或いはイオン交換樹脂槽などのろ過槽を使用するようにしてもよい。
このようにして精製された精製BDFは、精製BDF槽11に回収する。この精製BDFは、脂肪酸メチルエステル96.5質量%以上、残留アルコール濃度0.02質量%以下、遊離グリセリン濃度0.02質量%以下、アルカリ金属濃度5.0ppm以下となり、JIS K2390などの厳しい規格を十分に満足するものとなる。
(第2実施形態)
本第2実施形態においては、上記第1実施形態と同様、廃食油をバイオディーゼル燃料の油脂原料とし、エステル交換反応は、メタノールと水酸化カリウムを使用したアルカリ触媒法を採用する。
図3は、本第2実施形態に係るバイオディーゼル燃料の製造装置M2の概要を示すブロック図である。図3において、バイオディーゼル燃料の製造装置M2は、残留メタノール除去装置200を有しており、この残留メタノール除去装置200の前工程部及び後工程部の各装置の構成は、上記第1実施形態と同様である。但し、本第2実施形態においては、図3に示すように、凝縮装置7から排出される回収用ガス(上記第1実施形態においては大気中に放出、図1参照)を残留メタノール除去装置200に供給するようにして、残留メタノール除去装置200と凝縮装置7との間で回収用ガスを循環している。
以下、バイオディーゼル燃料の製造方法の各工程に沿ってバイオディーゼル燃料の製造装置M2を説明する。なお、上記第1実施形態と同様の部分については詳細な説明を省略する。貯留槽1に蓄えられ前処理された廃食油は、反応装置2に送られてエステル交換反応が行われる。この反応装置2でのエステル交換反応は、上記第1実施形態と同様である。エステル交換反応が平衡に達した後、反応液を分離装置4に送り分離操作を行う。この分離操作も上記第1実施形態と同様にして行い、軽液(粗BDF)を粗BDF槽6に回収する。
本第2実施形態において、粗BDF槽6に回収した粗BDFは、次に、残留メタノール除去装置200に供給される。この残留メタノール除去装置200は、粗BDF槽6から供給された粗BDF中の残留メタノールを外部から供給される回収用ガス(後述する)中に回収する。
ここで、残留メタノール除去装置200について詳細に説明する。図4は、残留メタノール除去装置200の概要を示す断面図である。本第2実施形態においては、残留メタノール除去装置200は、上記第1実施形態と異なり、粗BDF中に回収用ガスを放出して気−液接触することにより、粗BDF中に含まれる残留メタノールを回収するものである。ここで、回収用ガスには、空気或いは窒素ガスなどの不活性ガスを使用することができる。本第2実施形態においては、回収用ガスとして窒素ガスを採用する。なお、本第2実施形態においては、残留メタノールを回収する前の窒素ガスを「窒素ガスG4」という。
図4において、残留メタノール除去装置200は、メタノール回収槽210、回収ガス供給配管230、ジャケットヒーター240、発泡ノズル260、及び、回収ガス排出配管270を備えている。
メタノール回収槽210は、ステンレス製タンクからなり、その内部には粗BDF槽6から供給された粗BDFが収容されて液層(粗バイオディーゼル燃料層211(以下「粗BDF層211」という))が形成されている。また、粗BDF層211の上方空間には気層(窒素ガス層212)が形成されている。本第2実施形態においては、この窒素ガス層212には、粗BDF層211での気−液接触により残留メタノールを回収した後の窒素ガス(以下「窒素ガスG5」という)が収容されている。
本第2実施形態においては、上記第1実施形態と異なり、粗BDF層211を撹拌するための撹拌機を用いていない。粗BDF層211は、後述の発泡ノズル260からの窒素ガスG4の放出により十分に撹拌されるからである。
図4において、回収ガス供給配管230は、回収ガス供給ポンプ232を備え、その出口末端部231をメタノール回収槽210下部から粗BDF層211下部に導入され、後述する発泡ノズル260に連接する。一方、回収ガス供給配管230の入口端部(図示しない)は、凝縮装置7の回収用ガス排出口(図示しない)と連接する(図3参照)。
このように配設された回収ガス供給配管230は、発泡ノズル260を介してメタノール回収槽210内の粗BDF層211に窒素ガスG4を供給する。回収ガス供給配管230による粗BDF層211への窒素ガスG4の供給は、専用の回収ガス供給ポンプによる圧送であってもよく、或いは、メタノール回収槽210内を負圧にすることによる自然供給であってもよい。本第2実施形態においては、回収ガス供給ポンプ232による圧送を行った。この回収ガス供給ポンプ232による窒素ガスG4の圧送の出力を制御することにより、後述の窒素ガスG4の供給量を調整することができる。
ジャケットヒーター240は、メタノール回収槽210の外側の中央部から下方部にかけて備えられ、メタノール回収槽210内の粗BDFを間接的に加温する。粗BDFが加温されることにより、気−液接触による残留メタノールの除去効率が向上する。ジャケットヒーター240の熱源は、電気、ガス、蒸気など、どのようなものであってもよい。加温による粗BDFの温度は、上記第1実施形態と同様、30〜80℃の範囲であることが好ましい。
発泡ノズル260は、メタノール回収槽210内の粗BDF層211下部に配設され、上方側に多孔質の放出面261を備えて回収ガス供給配管230から供給される窒素ガスG4を発泡して加温された粗BDF層211に放出する。発泡ノズル260から放出された窒素ガスG4は、多数の気泡Bとなり表面積を大きくして粗BDFと気−液接触する。このことにより、残留メタノールの除去効率が向上する。ここで、発泡ノズル260の放出面261の細孔径及び細孔数、並びに、後出された気泡Bの気泡径については、特に限定するものではない。本第2実施形態においては、放出面261に120μmの細孔径をもつ発泡ノズル260を採用したが、これに限るものではなく、発泡ノズル以外にスプレーノズルなど、どのようなものであってもよい。
このように、回収ガス供給配管230及び発泡ノズル260の作用により、窒素ガスG4が加温された粗BDF層211に供給されて放出される。この放出された窒素ガスG4は、粗BDF層211の粗BDFと気−液接触した後、上部の窒素ガス層212に収容される。ここで、回収ガス供給配管230を介して発泡ノズル260から供給される窒素ガスG4の供給量と粗BDF層211内に収容された粗BDFの収容量との関係については、特に限定するものではない。なお、残留メタノールの除去効率を向上するためには、粗BDFの収容量1kg当り1.0L/分以上の窒素ガスG4を供給することが好ましく、また、1.3L/分以上の窒素ガスG4を供給することがより好ましい。
図4において、回収ガス排出配管270は、回収ガス排出ポンプ272を備え、その入口末端部271をメタノール回収槽210の上部の窒素ガス層212最上部に開口している。一方、回収ガス排出配管270の出口端部(図示しない)は、凝縮装置7の回収用ガス導入口(図示しない)と連接する(図3参照)。この回収ガス排出配管270は、粗BDF層211内での気−液接触により残留メタノールを回収した窒素ガスG5をメタノール回収槽210内の窒素ガス層212から外部へ排出し、凝縮装置7に供給する。
回収ガス排出配管270による窒素ガスG5の排出は、専用の回収ガス排出ポンプによる圧送であってもよく、或いは、メタノール回収槽210内を正圧にすることによる自然排出であってもよい。本第2実施形態においては、回収ガス排出ポンプ272による圧送を行った。
なお、本第2実施形態においては、上述のように、残留メタノール除去装置200と凝縮装置7との間で回収用ガスを循環している(図3参照)。このことにより、回収ガス供給配管230、メタノール回収槽210、回収ガス排出配管270及び凝縮装置7が窒素ガスの循環流路を形成する。そこで、回収ガス供給ポンプ232の出力と回収ガス排出ポンプ272の出力とを制御することにより、メタノール回収槽210に供給される窒素ガスG4の供給量とメタノール回収槽210から排出される窒素ガスG5の排出量とを同時に調整することができる。この場合には、メタノール回収槽210内の圧力を100hPa〜1200hPaの範囲内に制御することが好ましい。メタノール回収槽210内の圧力を上記範囲内に制御することにより、窒素ガスG4の供給及び窒素ガスG5の排出に要するエネルギーコストを低く抑えることができる。
上述のように、残留メタノール除去装置200における残留メタノール除去により、粗BDF中の残留メタノールは、その殆どが窒素ガスG5中に回収される。残留メタノールを回収した窒素ガスG5は、残留メタノール除去装置200の回収ガス排出配管270に連接する凝縮装置7に送られる(図3参照)。
図3において、凝縮装置7は、上記第1実施形態と同様、残留メタノールを回収し残留メタノール除去装置200から排出された窒素ガスG5に含まれるメタノールガスを凝縮液状化して窒素ガスG5から除去する。凝縮装置7により液状化したメタノールは、回収メタノール槽8に回収する。一方、メタノールガスを凝縮除去された窒素ガス(「窒素ガスG6」という)は、凝縮装置7の回収用ガス排出口と連接する回収ガス供給配管230を介して、再度、窒素ガスG4としてメタノール回収槽210に供給される。このことにより、回収用ガスとしての窒素ガスのコストが低減される。
このようにして、残留メタノール除去装置200での残留メタノール除去により、粗BDF中の残留メタノール濃度は非常に低い値となる。本第2実施形態においても、粗BDF中の残留メタノール濃度を0.05質量%以下、更には、0.02質量%以下まで下げることができる。
しかし、残留メタノール以外の不純物であるアルカリ金属(カリウム)、金属石鹸、及び、一部の遊離グリセリンなどは、本第2実施形態においても、未だ不純物として粗BDF中に残留している。従って、これらの不純物を除去するために、残留メタノール除去後の粗BDFに対して、上記第1実施形態と同様、沈殿装置9による静置での沈殿操作、及び、吸着装置10による吸着操作を行う。なお、これらの沈殿操作及び吸着操作は、上記第1実施形態と同様にして行った。
このようにして精製された精製BDFは、精製BDF槽11に回収する。この精製BDFは、脂肪酸メチルエステル96.5質量%以上、残留アルコール濃度0.02質量%以下、遊離グリセリン濃度0.02質量%以下、アルカリ金属濃度5.0ppm以下となり、上記JIS K2390などの厳しい規格を十分に満足するものとなる。
次に、上記各実施形態に係る残留メタノール除去装置を使用して、実際に粗BDF中の残留メタノールを除去した実施例について説明する。
本実施例1は、上記第1実施形態に係る残留メタノール除去装置100を使用し、回収用ガスとして空気を用いて粗BDF中の残留メタノールの除去を行った。なお、粗BDFは、予めエステル交換反応と比重分離を行ったものを使用した。
本実施例1における実施条件及び残留メタノール濃度の継時的変化を表1に示す。表1において、粗BDF量(kg)は、1回の実施に使用した粗BDFの量を表している。粗BDF循環流量(kg/分)は、メタノール回収槽内の空気層に1分間に放出される粗BDFの量を表している。単位空気流量(L/分)は、粗BDF循環量1kg/分当りに供給した空気の供給量を表している。温度(℃)と圧力(hPa)は、メタノール回収槽内の窒素ガス層の内圧を表している。本実施例1においては、回収ガス排出ポンプの出力を低くして大気圧に近い条件で実施した。
この実施例1に対して、次のような比較例1の実施を行った。本比較例1は、回収ガス供給配管を封鎖し、回収ガス排出ポンプの出力を高くして従来法の減圧蒸留に近い真空条件下でメタノール除去を実施した。また、本比較例1においては、上記実施例1と同様に粗BDFを循環した。メタノール回収槽内の空気層への放出はスプレー方式を用いて液滴径20μmの粗BDFを放出した。本比較例1における実施条件及び残留メタノール濃度の継時的変化を表1に示す。
Figure 0005096630

表1から分かるように、実施例1においては、2時間の処理で粗BDF中の残留メタノール濃度を0.01質量%のオーダーまで大幅に減少することができる。これに対して、比較例1においては、2時間の処理では粗BDF中の残留メタノール濃度を1質量%のオーダーにしか減少することができなかった。そこで、比較例1の処理時間を7時間、更に14時間と実施したが、粗BDF中の残留メタノール濃度を0.1質量%のオーダーまでにしか減少することができなかった。
比較例1においては、真空条件下でメタノール除去が行われており、実施例1のような粗BDFと空気との気−液接触が行われず粗BDF中の残留アルコールの除去効率が下がるものと考えられる。このように、本発明に係る残留メタノール除去装置は、従来法に比べ、エネルギーコストが低く短時間の処理で高いメタノール除去効率を達成することができる。
本実施例2は、上記第2実施形態に係る残留メタノール除去装置200を使用し、回収用ガスとして窒素ガスを循環して粗BDF中の残留メタノールの除去を行った。なお、本実施例2においては、小規模設備を用いて窒素ガスの供給量及びメタノール回収槽内の減圧度を変化させて実施した。なお、粗BDFは、予めエステル交換反応と比重分離を行い初期メタノール濃度が異なる3種類を使用した。
本実施例2における実施条件及び残留メタノール濃度の継時的変化を表2に示す。表2において、粗BDF量(g)は、1回の実施に使用した粗BDFの量を表している。単位N流量(L/分)は、粗BDFの収容量1kg当りに換算した窒素ガスの供給量を表している。温度(℃)と圧力(hPa)は、メタノール回収槽内の窒素ガス層の内圧を表している。
Figure 0005096630

表2から分かるように、実施例2の各実施No.2−1〜No.2−6においては、いずれも、60分間の処理で粗BDF中の残留メタノール濃度を0.01質量%のオーダーまで減少することができる。また、実施No.2−5及びNo.2−6に示すように、90分間の処理で粗BDF中の残留メタノール濃度が更に減少し0.001質量%のオーダーまで大幅に減少することができる。このように、本発明に係る残留メタノール除去装置は、従来法に比べ、エネルギーコストが低く短時間の処理で高いメタノール除去効率を達成することができる。
上記各実施例及び比較例でメタノール除去した粗BDF中には、上述のように、触媒に起因するアルカリ金属(カリウム)、このアルカリ金属と廃食油中の遊離脂肪酸とが反応した金属石鹸(カリウム石鹸)、及び、この金属石鹸の作用で分離しきれず残留した一部の遊離グリセリンなどが不純物として残留している。そこで、本実施例3においては、実施例1(2時間処理液)、実施例2の実施No.2−2(60分間処理液)、実施例2の実施No.2−6(90分間処理液)及び比較例1(14時間処理液)に対して、後工程である沈殿処理と吸着処理を行い、処理液中の遊離グリセリン及びカリウムの濃度を測定した。
まず、沈殿処理は、メタノール除去処理後の粗BDFを24時間静置した。24時間静置することにより不純物(カリウム、カリウム石鹸、遊離グリセリン)が沈殿し、上澄み液を回収した。一方、24時間静置では残留する不純物が沈殿しきれなかった比較例1の処理液に対して、別途、従来法である遠心分離処理(15,000rpm×3分)を行い比較例2とした。これらの上澄み液中の遊離グリセリン及びカリウムの濃度を表3に示す。
次に、沈殿処理後の上澄み液に対してイオン交換樹脂による吸着処理を行い精製BDFを得た。イオン交換樹脂による吸着処理の条件は、従来法に準拠して行った。吸着処理後の精製BDF中の遊離グリセリン及びカリウムの濃度を表3に示す。また、本実施例3の条件でイオン交換樹脂による吸着処理を連続して行った場合について、当該イオン交換樹脂の使用積算時間による使用限界(寿命)を表3に示す。
Figure 0005096630

表3から分かるように、実施例1及び実施例2においては、いずれも、残留メタノール濃度が0.01質量%以下のオーダーに減少しており、不純物が粗BDF中に安定に存在することができなくなっている。このことにより、静置分離だけで従来法の遠心分離処理に匹敵する程度まで不純物を除去することができた。なお、表3には示していないが、残留メタノール濃度が0.05質量%以下に減少していれば静置分離だけで大部分の不純物を除去することができる。
これに対して、比較例1においては、残留メタノール濃度が0.1質量%のオーダーにしか減少しておらず、この残留メタノールの作用により不純物が粗BDF中に安定に存在している。このことにより、比較例1においては、単なる静置分離だけでは処理しきれず、比較例2のように遠心分離処理が必要であった。
また、これらの静置分離においてもJIS K2390などの厳しい規格を超える濃度の不純物が極微量に残留することがある。表3においても、実施例1及び実施例2において規格を若干超えていた。そこで、イオン交換樹脂による吸着処理を実施したところ、規格を大幅に上回る高水準の精製BDFを得ることができた。なお、イオン交換樹脂による吸着処理を行う場合においても、処理液中に残存する不純物の濃度が非常に低いため、イオン交換樹脂などの使用積算時間による使用限界(寿命)を長く保つことができる。表3に示すように実施例1及び実施例2においては、イオン交換樹脂の使用積算時間が250時間を超えてもなお吸着活性を有していた。
これに対して、比較例1においては、規格を超える濃度の不純物が多量に残留する。そこで、イオン交換樹脂による吸着処理を実施したところ、比較例1においても実施例1及び実施例2と同様のレベルにまで不純物を除去することができた。しかし、イオン交換樹脂の使用積算時間が24時間で吸着活性を失っていた。一方、比較例2においては、遠心分離処理後の不純物の量が実施例1及び実施例2と同レベルであり、吸着処理後の不純物の量とイオン交換樹脂の使用積算時間も実施例1及び実施例2と同様であった。しかし、比較例2においては、遠心分離処理という大掛かりな工程を必要とする。
このように、実施例1及び実施例2においては、残留メタノール濃度が0.01質量%以下のオーダーに減少しており、静置分離による沈殿処理だけで従来法の遠心分離処理に匹敵する程度まで不純物を除去することができた。更に、その後に吸着処理を行う場合においても、処理液中に残存する不純物の濃度が非常に低いため、イオン交換樹脂などの使用積算時間による使用限界(寿命)を長く保つことができ、従来法に比べ生産コストが大幅に削減できる。
以上説明したように、本発明に係るバイオディーゼル燃料の製造方法及び製造装置においては、エステル交換反応後の反応液から分離した粗BDFと回収用ガスとを気−液接触させることにより、粗BDF中の残留アルコールを短時間で高レベルに除去することができる。また、回収用ガスとして窒素ガスなどを使用した場合には、脱アルコール後の回収用ガスを再度、アルコール除去工程に使用することができる。このことにより、アルコール除去工程のコストを削減することができる。
また、本発明に係るバイオディーゼル燃料の製造方法及び製造装置においては、残留アルコールが高レベルに除去されているので、その後に遠心分離装置など大掛かりな装置を必要とせず静置分離を行うだけで遊離グリセリンやアルカリ金属を簡単に除去することができる。
よって、本発明においては、バイオディーゼル燃料の製造工程において、エステル交換反応後の反応液から分離した軽液(粗バイオディーゼル燃料)に残留するアルコール、遊離グリセリン及びアルカリ金属などを高レベルに除去するために、多くのエネルギーコスト、長時間の処理、大掛かりな装置を必要としないバイオディーゼル燃料の製造方法を提供することができる。また、本発明においては、上記バイオディーゼル燃料の製造方法に使用する残留アルコール除去装置を提供することができる。更に、本発明においては、上記残留アルコール除去装置を備えたバイオディーゼル燃料の製造装置を提供することができる。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施例に限らず次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上記第1実施形態においては、回収ガス排出配管に回収ガス排出ポンプを備えて強制排出し、一方、回収ガス供給配管からは自然流による空気の供給を行ったが、これとは逆に、回収ガス供給配管に回収ガス供給ポンプを備えて強制供給し、一方、回収ガス排出配管からは自然流による空気の排出を行うようにしてもよい。
(2)上記第1実施形態においては、回収ガス供給手段としての回収ガス供給配管と回収ガス排出手段としての回収ガス排出配管を設けて空気の給排出を行ったが、これに限るものではなく、メタノール回収槽の上方を開放し、この解放口を回収ガス供給手段兼回収ガス排出手段として自然対流による空気の給排出を行うようにしてもよい。
(3)上記第2実施形態においては、回収用ガスとして窒素ガスを用いメタノール回収槽と凝縮装置との間で窒素ガスを循環するようにしたが、これに限るものではなく、回収ガス排出配管から窒素ガスを大気中に放出するようにしてもよい。
(4)上記第2実施形態においては、回収ガス供給配管に回収ガス供給ポンプを備えて強制供給し、一方、回収ガス排出配管にも回収ガス排出ポンプを備えて強制排出したが、これに限るものではなく、回収ガス供給ポンプ或いは回収ガス排出ポンプのいずれか一方のみで窒素ガスの給排出を行うようにしてもよい。
(5)上記実施例3においては、沈殿処理後の上澄み液に対してイオン交換樹脂による吸着処理を行ったが、イオン交換樹脂に限るものではなく、遊離グリセリン及びカリウムなどの不純物を吸着する能力を有する物を使用すればよい。イオン交換樹脂以外の吸着剤には、例えば、活性白土、活性アルミナ、活性シリカ、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、各種金属酸化物などが挙げられる。
1…貯留槽、2…反応装置、3…薬剤槽、4…分離装置、5…回収グリセリン槽、
6…粗バイオディーゼル燃料槽(粗BDF槽)、7…凝縮装置、8…回収メタノール槽、
9…沈殿装置、10…吸着装置、11…精製BDF槽11、
100、200…残留メタノール除去装置、110、210…メタノール回収槽、
111、211…粗バイオディーゼル燃料層(粗BDF層)、112…空気層、
212…窒素ガス層、120…撹拌機、121…モーター、122…回転軸、
123…撹拌子、130、230…回収ガス供給配管、131、231…出口末端部、
232…回収ガス供給ポンプ、140、240…ジャケットヒーター、
150…粗バイオディーゼル燃料循環配管(粗BDF循環配管)、151…循環ポンプ、152…入口末端部、153…出口末端部、160…シャワーヘッド、
260…発泡ノズル、161、261…放出面、170、270…回収ガス排出配管、
171、271…入口末端部、172、272…回収ガス排出ポンプ、
B…気泡、S…シャワー、G1〜G3…空気、G4〜G6…窒素ガス、
M1、M2…バイオディーゼル燃料の製造装置。

Claims (15)

  1. 油脂原料をアルカリ金属触媒下にアルコールと接触させてエステル交換反応を行う反応工程と、
    前記反応工程で生成する反応混合液を軽液と重液とに比重分離する分離工程と、
    前記分離工程から得られる軽液を洗浄することなく加温して当該軽液中の残留アルコールを除去するアルコール除去工程と
    前記アルコール除去工程により残留アルコールを除去された軽液に対して、当該軽液中に残存する遊離グリセリン及びアルカリ金属を沈殿分離する沈殿分離工程とを有しており、
    前記アルコール除去工程において、前記軽液と回収用ガスとを気−液接触させて前記軽液中の前記残留アルコールを除去して前記回収用ガス中に回収し、当該軽液中の残留アルコール濃度を0.05質量%以下とすることを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造方法。
  2. 前記アルコール除去工程において、
    前記軽液を当該軽液1kg当り1.0L/分以上の前記回収用ガスと気−液接触させることを特徴とする請求項1に記載のバイオディーゼル燃料の製造方法。
  3. 前記アルコール除去工程において、
    前記軽液を軽液放出手段により前記回収用ガス中に放出して当該回収用ガスと気−液接触させることを特徴とする請求項1又は2に記載のバイオディーゼル燃料の製造方法。
  4. 前記アルコール除去工程において、
    前記回収用ガスを発泡手段により前記軽液中に放出して当該軽液に気−液接触させることを特徴とする請求項1又は2に記載のバイオディーゼル燃料の製造方法。
  5. 前記アルコール除去工程において、
    前記残留アルコールを回収した前記回収用ガスから脱アルコール手段により前記残留アルコールを分離することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のバイオディーゼル燃料の製造方法。
  6. 前記アルコール除去工程において、
    前記脱アルコール手段により前記残留アルコールを分離した前記回収用ガスを再度前記アルコール除去工程に使用することを特徴とする請求項5に記載のバイオディーゼル燃料の製造方法。
  7. 前記沈殿分離工程後に、前記軽液中に残存する極微量の遊離グリセリン及びアルカリ金属を吸着除去する吸着除去工程を有しており、
    前記吸着除去工程により前記軽液中の遊離グリセリン濃度を0.02質量%以下、前記アルカリ金属濃度を5.0ppm以下とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のバイオディーゼル燃料の製造方法。
  8. バイオディーゼル燃料の製造に使用され、エステル交換反応で生成する反応混合液を軽液と重液とに比重分離して得られる軽液を洗浄することなく、当該軽液中の残留アルコールを除去する装置であって、
    前記軽液を軽液層として収容し、前記残留アルコールを回収するための回収用ガスを回収用ガス層として収容するアルコール回収槽と、
    前記回収用ガス層に前記回収用ガスを供給するための回収用ガス供給手段と、
    前記軽液層に収容された前記軽液を加温するための加温手段と、
    加温後の前記軽液を前記軽液層と前記回収用ガス層との間で循環する軽液循環手段と、
    前記回収用ガス層において、前記軽液循環手段により供給された前記軽液と前記回収用ガス層中の前記回収用ガスとを気−液接触させるための気−液接触手段と、
    前記気−液接触手段により前記残留アルコールを回収した前記回収用ガスを前記回収用ガス層から排出する回収用ガス排出手段とを備えており、
    前記気−液接触手段は、前記軽液を前記回収用ガス層に放出するための軽液放出手段であって、当該軽液放出手段による気−液接触により軽液中の残留アルコール濃度を0.05質量%以下とすることを特徴とする残留アルコール除去装置。
  9. 前記回収用ガス排出手段は、ガス吸引手段を備え、前記アルコール回収槽の内部を300hPa〜1200hPaの範囲内の圧力に維持し、
    前記加温手段は、前記アルコール回収槽中の前記軽液の温度を30℃〜80℃の範囲内に加温することを特徴とする請求項8に記載の残留アルコール除去装置。
  10. バイオディーゼル燃料の製造に使用され、エステル交換反応で生成する反応混合液を軽液と重液とに比重分離して得られる軽液を洗浄することなく、当該軽液中の残留アルコールを除去する装置であって、
    前記軽液を軽液層として収容し、前記残留アルコールを回収するための回収用ガスを回収用ガス層として収容するアルコール回収槽と、
    前記軽液層を経由して前記回収用ガス層に前記回収用ガスを供給するための回収用ガス供給手段と、
    前記軽液層に収容された前記軽液を加温するための加温手段と、
    前記軽液層において、前記回収用ガス供給手段から供給された前記回収用ガスと前記軽液層中の前記軽液とを気−液接触させるための気−液接触手段と、
    前記気−液接触手段により前記残留アルコールを回収した前記回収用ガスを前記回収用ガス層から排出する回収用ガス排出手段とを備えており、
    前記気−液接触手段は、前記回収用ガスを前記軽液層に放出するための発泡手段であって、当該発泡手段による気−液接触により軽液中の残留アルコール濃度を0.05質量%以下とすることを特徴とする残留アルコール除去装置。
  11. 前記回収用ガス排出手段は、ガス吸引手段を備え、前記アルコール回収槽の内部を100hPa〜1200hPaの範囲内の圧力に維持し、
    前記加温手段は、前記アルコール回収槽中の前記軽液の温度を30℃〜80℃の範囲内に加温することを特徴とする請求項10に記載の残留アルコール除去装置。
  12. 油脂原料をアルカリ金属触媒下にアルコールと接触させてエステル交換反応を行う反応装置と、エステル交換反応で生成する反応混合液を軽液と重液とに比重分離する分離装置と、請求項8〜11のいずれか1つに記載の残留アルコール除去装置とを備え、
    前記比重分離から得られる軽液を洗浄する洗浄装置を備えていないことを特徴とするバイオディーゼル燃料の製造装置。
  13. 前記回収用ガス排出手段に連接する脱アルコール装置を備えて、
    前記回収用ガス排出手段から排出される前記回収用ガスに含有される前記残留アルコールを当該回収用ガスから分離することを特徴とする請求項12に記載のバイオディーゼル燃料の製造装置。
  14. 前記脱アルコール装置と前記回収用ガス供給手段とを連接することにより、
    前記脱アルコール装置から排出される前記残留アルコールを分離した前記回収用ガスを再度前記残留アルコール除去装置中に供給することを特徴とする請求項13に記載のバイオディーゼル燃料の製造装置。
  15. 残留アルコール除去後の前記軽液中に残存する不純物を吸着除去するための吸着装置を備えたことを特徴とする請求項12〜14のいずれか1つに記載のバイオディーゼル燃料の製造装置。
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