JP2014122317A - バイオディーゼル燃料製造システム及びバイオディーゼル燃料製造方法 - Google Patents

バイオディーゼル燃料製造システム及びバイオディーゼル燃料製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
粗バイオディーゼル燃料の精製において水による洗浄が不要で、簡単な装置構成で効率的な精製を行うことができるバイオディーゼル燃料製造システム及びバイオディーゼル燃料製造方法を提供する。
【解決手段】
バイオディーゼル燃料製造システム1は、原料タンク10と、エステル交換反応装置20と、アルコールを除去する曝気装置30と、アルコール除去された粗バイオディーゼル燃料から不純物を除去する不純物除去装置40と、を備えている。曝気装置30は、粗バイオディーゼル燃料を貯留し、所定温度に加熱可能に構成され、ガスにより曝気を行う曝気槽31と、粗バイオディーゼル燃料にガスを供給するガス供給部32と、ガス供給部32に接続され、粗バイオディーゼル燃料に曝気するための曝気部33と、曝気後のガスを冷却し、アルコールを回収する冷却塔34と、を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バイオディーゼル燃料を製造するバイオディーゼル燃料製造システム及びバイオディーゼル燃料製造方法に関する。
従来より、植物性油脂、動物性油脂や廃食用油を原料とし、バイオディーゼル燃料を製造する方法として、油脂原料に過剰のアルコールを添加し、塩基性触媒のもとでエステル交換反応を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1)。エステル交換反応では、脂肪酸エステルと副生成物であるグリセリンが生成する。これからグリセリンを分離除去した脂肪酸エステルからなる粗バイオディーゼル燃料を精製してバイオディーゼル燃料を得る。ここで、粗バイオディーゼル燃料には、未反応のアルコール、触媒成分や少量のグリセリンや不純物が含まれているため、従来、水で洗浄することで不純物を除去する工程が採用されてきた。
特開平10−182518号公報
しかし、触媒成分や不純物を除去するために水による洗浄を行う際に、大量のアルカリ廃液が出てしまうので、その廃液を処理するために廃水処理設備を導入する必要であった。そして、廃水処理にはコストや処理時間が掛かるという問題もあった。また、アルコール除去に蒸留工程を採用する場合、容器内を減圧するために容器を耐圧構造にする必要があり、装置コストが増大し、小型化が困難であった。
そこで、本発明では、粗バイオディーゼル燃料の精製において水による洗浄が不要で、簡単な装置構成で効率的な精製を行うことができるバイオディーゼル燃料製造システム及びバイオディーゼル燃料製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明では、バイオディーゼル燃料製造システムが、油脂原料を貯蔵し、供給するための原料タンクと、油脂原料にアルコール及び触媒を添加し、エステル交換反応させて粗バイオディーゼル燃料を製造するエステル交換反応装置と、粗バイオディーゼル燃料にガスを曝気しアルコールを除去する曝気装置と、アルコールを除去した粗バイオディーゼル燃料から沈殿または浮遊する不純物を除去する第1の不純物除去装置と、を備えた、という技術的手段を用いる。
請求項1に記載の発明によれば、粗バイオディーゼル燃料の精製において、曝気装置により粗バイオディーゼル燃料にガスを曝気することにより、効率的にアルコールを除去することができる。また、蒸留処理のように容器内を減圧する必要がないため、装置コストを低減し、小型化することができる。また、十分なアルコール除去により粗バイオディーゼル燃料に沈殿または浮遊する不純物を第1の不純物除去装置を用いて除去することにより、水による洗浄が不要となるため、多量の排水を生じることない。これにより、環境負荷を小さくすることができる。また、大規模な廃水処理設備が不要であるため、装置コストを低減し、小型化することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のバイオディーゼル燃料製造システムにおいて、前記曝気装置は、油脂原料にガスを曝気し水分を除去可能に構成されている、という技術的手段を用いる。
油脂原料が廃食用油である場合には、水分を多く含有していることが多く、エステル交換反応工程の前に水分を除去する必要がある。請求項2に記載の発明によれば、曝気装置により、廃食用油にガスを曝気し水分を効率的に除去して、エステル交換反応装置に供することができる。また、水分除去を行うための専用の装置を設ける必要がないので、システムのコストを低減し、小型化することができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載のバイオディーゼル燃料製造システムにおいて、前記第1の不純物除去装置により粗バイオディーゼル燃料から沈殿または浮遊する不純物を除去した後に、イオン交換樹脂または吸着剤を用いて更に不純物を除去する第2の不純物除去装置を備えた、という技術的手段を用いる。
請求項3に記載の発明によれば、第2の不純物除去装置により、第1の不純物除去装置で除去しきれなかった微量の不純物を除去することができ、高純度のバイオディーゼル燃料を得ることができる。
請求項4に記載の発明では、油脂原料をアルコールによりエステル交換反応させて粗バイオディーゼル燃料を製造するエステル交換反応工程と、粗バイオディーゼル燃料を精製する精製工程と、を備えたバイオディーゼル燃料の製造方法において、前記精製工程は、粗バイオディーゼル燃料をガスで曝気してアルコールを除去する工程と、アルコールを除去した粗バイオディーゼル燃料から沈殿または浮遊する不純物を除去する工程と、を含む、という技術的手段を用いる。
請求項4に記載の発明によれば、精製工程において、粗バイオディーゼル燃料をガスで曝気してアルコールを除去する工程を備えているため、効率的にアルコールを除去することができる。また、蒸留処理のように容器内を減圧する必要がないため、装置コストを低減し、小型化することができる。また、十分なアルコール除去により粗バイオディーゼル燃料に沈殿または浮遊する不純物を粗バイオディーゼル燃料から除去する工程を備えているため、水による洗浄が不要となるため、多量の排水を生じることない。これにより、環境負荷を小さくすることができる。また、大規模な廃水処理設備が不要であるため、装置コストを低減し、小型化することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載のバイオディーゼル燃料製造方法において、前記油脂原料が廃食用油である場合に、前記エステル交換反応工程の前に、前記油脂原料をガスで曝気して水分を除去する工程を更に備えた、という技術的手段を用いる。
油脂原料が廃食用油である場合には、水分を多く含有していることが多く、エステル交換反応工程の前に水分を除去する必要がある。請求項5に記載の発明によれば、エステル交換反応工程の前に、油脂原料をガスで曝気して水分を除去する工程を更に備えているので、廃食用油が含有する水分を効率的に除去して、エステル交換反応工程に供することができる。
請求項6に記載の発明では、請求項4または請求項5に記載のバイオディーゼル燃料製造方法において、前記精製工程は、アルコールを除去した粗バイオディーゼル燃料から沈殿または浮遊する不純物を除去する工程の後に、イオン交換樹脂または吸着剤を用いて更に不純物を除去する工程を含む、という技術的手段を用いる。
請求項6に記載の発明によれば、アルコールを除去した粗バイオディーゼル燃料から沈殿または浮遊する不純物を除去する工程の後に、イオン交換樹脂または吸着剤を用いて更に不純物を除去する工程を行うことにより、先の工程で除去しきれなかった微量の不純物を除去することができ、高純度のバイオディーゼル燃料を得ることができる。
バイオディーゼル燃料製造システムの構成を示す模式図である。 曝気装置の構成を示す説明図である。
本発明のバイオディーゼル燃料製造システムについて、図を参照して説明する。
図1に示すように、バイオディーゼル燃料製造システム1は、油脂原料を貯蔵し、供給するための原料タンク10と、油脂原料にアルコール及び触媒を添加し、エステル交換反応させて粗バイオディーゼル燃料を製造するエステル交換反応装置20と、粗バイオディーゼル燃料にガスを曝気しアルコールを除去する曝気装置30と、アルコール除去された粗バイオディーゼル燃料から不純物を除去する不純物除去装置40と、を備えている。
原料タンク10は公知の貯蔵タンクを用いることができ、固形の不純物除去を行うフィルター11を介して曝気装置30に送液可能に接続されている。
エステル交換反応装置20は、エステル交換反応を行うために油脂原料に添加するアルコールと触媒とを混合調整して供給するアルコール・触媒供給装置21と、エステル交換反応を行う反応装置本体22と、エステル交換反応の副生成物であるグリセリンを分離除去する分離装置23と、を備えている。本実施形態では、エステル交換反応装置20は、下流側に向かってアルコール・触媒供給装置21、反応装置本体22、分離装置23の順に接続されている。
本実施形態では、反応装置本体22は、油脂原料を貯留し、所定の温度条件で攪拌して反応させるバッチ式の攪拌槽からなるものを用いる。また、所定の反応温度に加熱可能に構成された流通式の反応管からなり、油脂原料を連続的に供給して、反応を起こしながら分離層に送液する構成のスタティックミキサーを用いることもできる。
本実施形態では、分離装置23は、静置により分離する分離槽を用いる。分離槽は、エステル交換反応の副生成物を含む分離下層を分離槽下部から外部に排出し、粗バイオディーゼル燃料である分離上層を曝気装置30に送液可能に構成されている。なお、分離装置23として、遠心分離により粗バイオディーゼル燃料とグリセリンとを分離する構成を採用することもできる。
曝気装置30は、粗バイオディーゼル燃料を貯留し、ヒーターなどの加熱手段を備え所定の温度に加熱可能に構成され、ガスにより曝気を行う曝気槽31と、粗バイオディーゼル燃料にガスを供給するガス供給部32と、ガス供給部32に接続され、粗バイオディーゼル燃料に曝気するための曝気部33と、曝気後のアルコールまたは水分を含んだガスを冷却し、アルコールまたは水分を回収する冷却塔34と、を備えている。ここで、曝気槽31には、撹拌手段を設けることもできる。
ガス供給部32は、ポンプを用いてガスを送る、ボンベに接続するなど、公知の構成を用いることができる。アルコールまたは水分の除去を効率的に行うためには、供給するガスは、乾燥ガスが好ましい。また、粗バイオディーゼル燃料の酸化を防止するために、窒素ガスなどの不活性ガスを用いることもできる。
曝気部33は、多孔質材料からなる散気板を好適に用いることができる。また、ガス供給部32を分岐させて、複数箇所から粗バイオディーゼル燃料にガスを吹き込むなど、十分な曝気ができれば、各種構成を採用することができる。
冷却塔34は、曝気槽31上部に設けられたガス排出部31aからガスを導入し、公知の冷却方法、例えば、クーラーや冷却媒体を流通させた冷却管などによりガスを冷却する冷却手段34aと、アルコールまたは水分を回収、貯留する貯留部34bと、を備えている。ここで、回収したアルコールを再利用するために、貯留部34bをアルコール・触媒供給装置21に送液可能に接続することもできる。冷却塔34において冷却されたガスは、再度ガス供給部32に送り、曝気に用いる構成とすることができる。これによれば、回収しきれずにガス中に微量に残ったアルコールが系外に放出されることはない。また、十分にアルコールを回収することができる場合やアルコールを吸収させるバブリング装置などを経て系外にガスを放出する構成も採用することができる。
不純物除去装置40は、遠心分離または濾過によりアルコール除去した粗バイオディーゼル燃料中に浮遊または沈殿する不純物を除去する第1不純物除去装置41と、イオン交換または吸着により第1不純物除去装置41で除去しきれなかった極微量の触媒とその他の不純物を除去する第2不純物除去装置42と、精製処理後のバイオディーゼル燃料を貯留する貯留タンク43と、を備えている。本実施形態では、不純物除去装置40は、曝気装置30から粗バイオディーゼル燃料を送液可能に、第1不純物除去装置41、第2不純物除去装置42、貯留タンク43の順に接続されている。
第1不純物除去装置41は、アルコール除去したバイオディーゼル燃料中に生成し、浮遊または沈殿する不純物を、濾過、遠心分離、膜分離などの物理的分離方法により除去可能に構成されている。
第2不純物除去装置42は、アルコール除去とそれに続く不純物除去後のバイオディーゼル燃料を、イオン交換樹脂または吸着剤に接触可能に構成されている。第2不純物除去装置42は、例えば、カラムにイオン交換樹脂または吸着剤を充填し、アルコール除去とそれに続く不純物除去後のバイオディーゼル燃料を通液させる構成や、吸着槽を設け、アルコール除去とそれに続く不純物除去後のバイオディーゼル燃料に吸着剤を添加し、攪拌させる構成、などを採用することができる。
次に、バイオディーゼル燃料の製造方法を説明する。バイオディーゼル燃料の油脂原料として、菜種油、大豆油、パーム油などの植物性油脂、牛脂、魚油などの動物性油脂や廃食用油を用いることができる。ここでは、コスト、環境保護の観点から、廃食用油を油脂原料とする場合について説明する。
本発明に係るバイオディーゼル燃料の製造方法は、油脂原料の水分や不純物除去を行う前処理工程と、油脂原料を低級アルコールでエステル交換反応させるエステル交換反応工程と、エステル交換反応工程で得られた脂肪酸エステルを精製する精製工程と、を備えている。
前処理工程では、原料タンク10から油脂原料を供給する際に、フィルター11により固形の不純物を除去する。廃食用油はバージンオイルに比べ水分を多く含有しているため、エステル交換反応を行う前に脱水を行う必要があるため、曝気装置30において、脱水処理を行う。
脱水処理は、油脂原料を曝気装置30の曝気槽31に送液し、曝気槽31において常圧下で油脂原料を加熱して、ガス供給部32により油脂原料中の曝気部33にガスを供給する。ここで、用いるガスは、油脂原料と反応しないものであればよく、例えば圧縮エアや窒素などを用いることができる。
曝気部33から油脂原料中に吹き込まれたガスは、多量の微細な気泡(例えば数ミリ以下)となり油脂原料中を上昇する。油脂原料は加熱されて含有する水分の蒸気圧が上昇しているため、気泡が油脂原料中を上昇する間に気泡中に水分が放散され、脱水される。水分を含んだガスは、ガス排出部31aから冷却塔34に導入され、冷却手段34aにより冷却されて、貯留部34bにおいて水分が回収、貯留される。
曝気条件は、水分の蒸気圧が高く気泡への放散が起こりやすい温度、気泡発生が十分なガス流量、十分な水分除去が可能な時間とすることが好ましく、油脂原料の種類や含有する水分量に応じて適宜設定可能である。例えば、油脂原料を1気圧における水の沸点である100℃に加熱し、0.4L/minの乾燥エアを1時間導入する。
曝気部33からは微細な気泡が多量に発生するため、油脂原料と気泡との気液界面が増大し、水分の効率的な放散が可能となり、効率的な水分除去が可能となる。また、蒸留処理のように容器内を減圧する必要がないため、装置コストを低減し、小型化することができる。
続く、エステル交換反応工程では、油脂原料にアルコールと触媒とを添加しエステル交換反応を起こし、グリセリンを分離除去して脂肪酸エステルを得る。
前処理工程を経た油脂原料は、曝気装置30からエステル交換反応装置20に送液される。まず、油脂原料にアルコール・触媒供給装置21において調整された触媒を含有するアルコール溶液が添加され、反応装置本体22に送液される。ここで、エステル交換反応に用いられるアルコールは、メチルアルコール、エチルアルコールなどの低級アルコールであり、メチルアルコールが好適に用いられる。アルコールはエステル交換反応が十分に進行するように、過剰に添加される。また、触媒は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属塩の水酸化物等であり、水酸化カリウムが好適に用いられる。
反応装置本体22では、所定の温度条件でエステル交換反応を行う。エステル交換反応が完了した反応生成物は、分離装置23に送られる。反応生成物は、脂肪酸エステル及びエステル交換反応により副生したグリセリンを主成分とする混合物である。
分離装置23では、反応生成物を静置して、脂肪酸エステルを主成分とする分離上層と、グリセリンを主成分とする分離下層とに分離する。そして、グリセリンを主成分とする分離下層を外部に排出し、分離上層を回収することにより、反応生成物からグリセリンを分離し、未反応のアルコールや触媒などを含む脂肪酸アルキルエステルからなる粗バイオディーゼル燃料を得る。
続く精製工程では、粗バイオディーゼル燃料からアルコール、触媒成分、グリセリンなどの不純物を除去し、バイオディーゼル燃料を得る。
まず、粗バイオディーゼル燃料からアルコールを除去する。エステル交換反応工程で得られた粗バイオディーゼル燃料は、分離装置23から曝気装置30に送られる。ここで、前処理工程同様の曝気処理を行うことにより、粗バイオディーゼル燃料からアルコールを除去することができる。曝気条件は、アルコールの蒸気圧が高く気泡への放散が起こりやすい温度、気泡発生が十分なガス流量、十分なアルコール分除去が可能な時間とすることが好ましく、粗バイオディーゼル燃料に残存するアルコール量などに応じて適宜設定可能である。例えば、粗バイオディーゼル燃料を1気圧におけるメタノールの沸点である65℃に加熱し、0.3L/minの乾燥エアを2時間導入する。冷却塔34において回収されたアルコールは、貯留部34bからアルコール・触媒供給装置21に戻して再利用することができる。
アルコール除去された粗バイオディーゼル燃料は、不純物除去装置40に送られる。十分なアルコール除去により粗バイオディーゼル燃料には、不純物が沈殿または浮遊している。不純物除去装置40では、まず、第1不純物除去装置41において、粗バイオディーゼル燃料から遠心分離または濾過により沈殿または浮遊する不純物を除去する。
次に、第2不純物除去装置42において、イオン交換樹脂または吸着剤を用いて、アルコール除去とそれに続く不純物除去で除去しきれなかった微量の触媒成分(例えば、カリウム)、その他の不純物(グリセリン、各種グリセライド、遊離脂肪酸など)を除去する。ここで、イオン交換樹脂としては、例えば、三菱化学(株)製ダイヤイオン(登録商標)(イオン型はH型)のようなカチオン交換樹脂を好適に用いることができる。吸着剤としては、活性白土、活性炭など公知のものを用いることができ、活性白土を好適に用いることができる。イオン交換樹脂または吸着剤は、粗バイオディーゼル燃料に対して、数重量部を接触させる。これにより、水による洗浄を行うことなく、精製されたバイオディーゼル燃料を得ることができる。なお、第1不純物除去装置41により、十分に純度の高いバイオディーゼル燃料が得られる場合には、第2不純物除去装置42及び第2不純物除去装置42で行う工程を省くことができる。
得られたバイオディーゼル燃料は、貯留タンク43に貯留され、軽油と適宜混合して、または単独で用いられる。
[実施形態の効果]
本発明のバイオディーゼル燃料製造システム及びバイオディーゼル燃料製造方法によれば、粗バイオディーゼル燃料の精製工程において、曝気装置30により粗バイオディーゼル燃料にガスを曝気することにより、効率的にアルコールを除去することができる。また、蒸留処理のように容器内を減圧する必要がないため、装置コストを低減し、小型化することができる。また、不純物除去装置40を用いて触媒成分、不純物などを除去することにより、水による洗浄が不要となるため、多量の排水を生じることない。これにより、環境負荷を小さくすることができる。また、大規模な廃水処理設備が不要であるため、装置コストを低減し、小型化することができる。
脱水及びアルコール除去をともに曝気装置30で行うことができるので、装置コストを低減し、小型化することができる。
(水分除去)
植物油を主体とする廃食用油の水分除去を行った。水分除去は、曝気装置を用い、廃食用油200gを常圧下で100℃に加熱し、乾燥エアを0.4L/minで1時間吹き込んで曝気することにより行った。曝気装置から排出されるエアを冷却し、水蒸気を凝縮した。エアの冷却は、ジムロート冷却器を用い、0℃の氷水を循環して行った。水分を凝縮除去したエアは、再び曝気に用いた。水分の測定はJIS
K2275に準拠して行った。測定結果を表1に示す。短時間で十分な水分除去が可能であることが確認された。
Figure 2014122317
(アルコール除去)
油脂原料としてナタネ油と廃食用油を用い、エステル交換反応を行い、得られた粗バイオディーゼル燃料についてアルコール除去を行った。
アルコールとしてメチルアルコール、触媒としてKOHを用いた。表2に原料と使用メタノール量とを示す。油脂原料はそれぞれ170g、KOHは3.41gとし、メチルアルコールは化学量論比であるモル比3、及びその2倍、3倍、4倍である6、9、12の4水準とした。エステル交換反応は、邪魔板付のトールビーカーを用いて、60℃で2時間、攪拌速度1000rpmの条件で行った。得られた生成物を分液ロートに入れて室温で一晩静置し、グリセリン(下層)を除去した後に得られる粗バイオディーゼル燃料(上層)からアルコールを除去した。
Figure 2014122317
アルコール除去は、曝気装置を用い、前工程で得られた粗バイオディーゼル燃料全量を常圧下で65℃に加熱し、乾燥エアを0.3L/minで2時間吹き込んで曝気することにより行った。曝気装置から排出されるエアを冷却して、アルコールを凝縮し回収した。エアの冷却は、ジムロート冷却器を用い、0℃の氷水を循環して行った。アルコールを凝縮除去したエアは、再び曝気に用いた。
アルコール除去後に、生じた沈殿物や浮遊物を遠心分離した粗バイオディーゼル燃料について、メタノール濃度、K濃度及びグリセリン濃度(遊離グリセロール濃度)を測定した。メタノール濃度は水抽出ガスクロマトグラフィー法、K濃度は水抽出陽イオンメータ法、グリセリン濃度は水抽出酵素法(市販のキットを使用)によりそれぞれ測定した。測定結果を表3に示す。アルコール除去前の粗バイオディーゼル燃料ではメタノール濃度は7〜10wt%であり、メタノール濃度は極めて少ない値まで低減することができ、JIS K2390に定める規定値を大幅に下回る値とすることができた。また、アルコール除去前の粗バイオディーゼル燃料ではK濃度は700〜800mg/kgであり、K濃度も大幅に低減することができた。更に、グリセリン濃度も規格値以下または規格値をわずかに超える程度まで低減することができた。
Figure 2014122317
(触媒成分等除去)
アルコール除去後に沈殿物や浮遊物を遠心分離で除去した粗バイオディーゼル燃料のうち、実験番号2、6について触媒成分除去を行った。触媒成分除去は、粗バイオディーゼル燃料25gに活性白土またはカチオン交換樹脂(三菱化学(株)製ダイヤイオン(登録商標)Hタイプ、SK−104H)を0.1,1,10wt%添加し、室温で30分間攪拌することにより行い、固形物を遠心分離したバイオディーゼル燃料についてメタノール濃度、K濃度及びグリセリン濃度を測定した。メタノール濃度はいずれも検出下限(0.001wt%)以下であった。K濃度(mg/kg)の測定結果を表4、5に、グリセリン濃度(重量%)の測定結果を表6、7にそれぞれ示す。K濃度はいずれも規格値以下であるが、特に活性白土を用いるとほとんどが検出下限値以下の濃度となっており、高い除去効果が認められた。また、グリセリン濃度もいずれも規格値以下となり、高い除去効果が認められた。これにより、触媒成分などを十分に除去することができることが確認された。
Figure 2014122317
Figure 2014122317
Figure 2014122317
Figure 2014122317
以上より、本発明のバイオディーゼル燃料製造方法により、純度の高いバイオディーゼル燃料を得ることができることが確認された。
1…バイオディーゼル燃料製造システム
10…原料タンク
11…フィルター
20…エステル交換反応装置
21…アルコール・触媒供給装置
22…反応装置本体
23…分離装置
30…曝気装置
31…曝気槽
31a…ガス排出部
32…ガス供給部
33…曝気部
34…冷却塔
34a…冷却手段
34b…貯留部
40…不純物除去装置
41…第1不純物除去装置
42…第2不純物除去装置
43…貯留タンク

Claims (6)

  1. 油脂原料を貯蔵し、供給するための原料タンクと、
    油脂原料にアルコール及び触媒を添加し、エステル交換反応させて粗バイオディーゼル燃料を製造するエステル交換反応装置と、
    粗バイオディーゼル燃料にガスを曝気しアルコールを除去する曝気装置と、
    アルコールを除去した粗バイオディーゼル燃料から沈殿または浮遊する不純物を除去する第1の不純物除去装置と、
    を備えたことを特徴とするバイオディーゼル燃料製造システム。
  2. 前記曝気装置は、油脂原料にガスを曝気し水分を除去可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のバイオディーゼル燃料製造システム。
  3. 前記第1の不純物除去装置により粗バイオディーゼル燃料から沈殿または浮遊する不純物を除去した後に、イオン交換樹脂または吸着剤を用いて更に不純物を除去する第2の不純物除去装置を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバイオディーゼル燃料製造システム。
  4. 油脂原料をアルコールによりエステル交換反応させて粗バイオディーゼル燃料を製造するエステル交換反応工程と、
    粗バイオディーゼル燃料を精製する精製工程と、
    を備えたバイオディーゼル燃料の製造方法において、
    前記精製工程は、粗バイオディーゼル燃料をガスで曝気してアルコールを除去する工程と、
    アルコールを除去した粗バイオディーゼル燃料から沈殿または浮遊する不純物を除去する工程と、を含むことを特徴とするバイオディーゼル燃料製造方法。
  5. 前記油脂原料が廃食用油である場合に、
    前記エステル交換反応工程の前に、前記油脂原料をガスで曝気して水分を除去する工程を更に備えたことを特徴とする請求項4に記載のバイオディーゼル燃料製造方法。
  6. 前記精製工程は、アルコールを除去した粗バイオディーゼル燃料から沈殿または浮遊する不純物を除去する工程の後に、イオン交換樹脂または吸着剤を用いて更に不純物を除去する工程を含むことを特徴とする請求項4または請求項5に記載のバイオディーゼル燃料製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105647657A (zh) * 2016-01-25 2016-06-08 山东岩海建设资源有限公司 一种生物柴油甲酯化装置及其生产工艺
CN108949366A (zh) * 2018-07-13 2018-12-07 中国科学院青岛生物能源与过程研究所 一种可用于生产生物柴油的酯交换工艺与装置

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CN105647657A (zh) * 2016-01-25 2016-06-08 山东岩海建设资源有限公司 一种生物柴油甲酯化装置及其生产工艺
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