JP5096530B2 - ゼロ転移温度周辺の熱膨張係数に応じて温度の上昇に対する傾きの符号が異なる材料で構成されたミラーを備えたeuv投影レンズ - Google Patents

ゼロ転移温度周辺の熱膨張係数に応じて温度の上昇に対する傾きの符号が異なる材料で構成されたミラーを備えたeuv投影レンズ Download PDF

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本発明は、光軸との関係で正確に位置決め配置された複数のミラーを備えると共に、これらのミラーが多層膜を備えた、短波長、特に波長λ<157nmのための投影レンズに関する。本発明はまた、EUVリソグラフィのための投影露光装置、及び、波長λRのX線のためのX線光学サブシステムに関する。
極紫外線領域で使用される投影レンズは、軟X線放射により透過される。ここでの波長領域は10〜30nmである。光学系に従来使用可能な材料は、この場合に使用される極UV光を通さないため、結像ビームは、屈折作用によりレンズを通して進むことができず、ミラーを使用するしかない。使用されるミラーは、EUV領域における反射率ができるだけ高いものでなければならない。このようなミラーは、マルチレイヤとも称される、多層システムを備えた基板を有している。このことが、入射が傾斜していないときにX線領域における反射率の高いミラー、すなわち直入射ミラーの実装を可能にしている。例えば、40〜100対のMo/Si(モリブデン/シリコン)、Mo/Be(モリブデン/ベリリウム)、MoRu/Be積層を備えた層システムをこのような多層システムに使用することができる。この場合、λ=10〜20nmのEUV領域において、ピーク反射率70〜80%を達成できる。反射される光の波長に応じて、異なる層システムを使用してよい。
同相の重ね合わせ及び個々の層で反射される部分波面の構造的干渉により、積層の反射率を高くすることが可能である。この場合、層の厚さは、さらに、通常、サブオングストローム領域(<0.1nm)で調整されなければならない。
多層膜X線ミラーは、直入射付近で操作されており、好ましくは結像システムにおいて、わずかな収差のために高い結像品質が必要とされる場合、常に、より単純な層膜の斜入射ミラーより好まれる。しかしながら、それにもかかわらず、マルチレイヤを適用することにより、斜入射ミラーの反射率をさらに増加することができる。
EUVL投射レンズまたは投射システムのミラー、特にX線ミラーの場合、下記の特性は同時に満たされなければならない。これらの特性により、確実に、構造体は、マスクに忠実に、ウェハ上に運ばれて、像のコントラストを高めると共に、反射層の反射率を高くできる。
第1の特性として挙げられるのは、正確な数字、すなわち低空間周波数領域における誤差である。これは通常、ミラーの自由直径までの、個々のピクセルにより割り当てられるビーム断面積を超える1/10の間の構造上のサイズとして理解される。これは、誤差が、1ミリメータから数デシメータまでの規模の大きな横の広がりを持つことを意味している。このような誤差は収差の原因となり、その結果、結像品質を落とし、システム全体の解像限界を制限する。
さらに、X線ミラーは、MSFR(中空間周波数粗さ)領域(中空間周波数領域)にわずかな粗さを有している。このような空間波長は、通常、ほぼ1μm〜1mmの間の領域で発生し、像視野内部の散光の原因となり、したがって結像光学系におけるコントラストの喪失を引き起こす。
高反射率を達成するために必要不可欠な条件は、いわゆるHSFR(高空間周波数粗さ)領域における層及び基板の粗さが十分に小さいことである。視点によっては、HSFR領域は、光学系の像視野外での分散による、あるいは波列成分の微視的な同相の重ね合わせにおける干渉のために、光損失の原因となる。関連する空間波長領域は、像視野外での分散基準によって上方で境界され、応用によっては、数μmの領域のEUV波長に位置する。一般に、高周波限界では、境界は規定されない。このため、入射光の波長の半分の範囲に、妥当な指標を特定することが可能である。なぜなら、予備的知識によれば、空間周波数がもっと高い入射光子は、見ることができないからである。HSFRは、必要な水平垂直解像度を備えた周知の原子間力顕微鏡(AFM)により測定されてもよい。投影光学系においては、数字とMSFRとHSFRを数オングストロームrms(二乗平均平方根)内に調整する必要がある。
さらに、例えばZERODUR(登録商標)またはULE(登録商標)などの、熱膨張係数ができるだけ小さな材料をX線ミラーに使用するべきである。この結果、熱負荷下の操作の間も、ミラーの表面形状を安定した状態に保つことができる。基板として単結晶シリコンを使用してもよい。単結晶シリコンであれば、粗さを非常に少なくできるからである。さらに、シリコンにおいては、かなり高い熱伝導率と適当な冷却により、熱膨張係数が高くても部分的に補正することができる。しかしながら、シリコンは、必要な単結晶性のために、機械的異方性を有しており、通常、ミラーサイズが小さい場合にのみ使用可能である。さらに、単結晶材料が比較的高額であることは、かなり不利である。このため、シリコンは、非常に熱負荷が高い場合にのみ、例えば照明システムにおいて、使用される。
これまでのところ、このようなミラーに適当なガラスセラミック材料として、例えばショット:ZERODUR(登録商標)、オハラ:CLEARCERAM−Z(登録商標)、または非晶質チタンケイ酸塩ガラス、例えばコーニング:ULE(登録商標)のみが考慮されていることがわかっている。なぜなら、これらの材料の熱膨張係数(CTE)は、ゼロ交差温度(ZT)とも称される特定の温度で消滅させることができるからである。しかしながら、操作温度の、ゼロ交差温度からの逸脱が有限、局所的及び大域的である場合、熱膨張係数は完全には消滅せず、その結果、表面変形が発生する。これらの変形の許容範囲は、ミラーの変形が大域的で、均質な場合、およそ100nmであり、変形が局所空間的に変化する場合、50pm−200pmの領域にある。シミュレーションの実施から、特に、投影レンズ、投影レンズに含まれているULE(登録商標)またはZERODUR(登録商標)のどちらかのみから構成されている光学コンポーネントの歪み誤差は、熱負荷に非常に敏感に反応するため、高価なマニピュレータを使用し、かつ、無駄時間を許容することにより、操作中に補正されなければならないことがわかっている。
現在使用されている材料を採用した場合、X線光学系に関して達成されることのできるシステム品質は、様々な面で大いに損なわれる。
使用するEUVリソグラフィのための投影光学系及びX線光学コンポーネントについては、本願にその内容が完全に組み込まれているドイツ特許公報DE10037870A1及び米国特許US6,353,470B1を参照されたい。
国際公開WO01/08163A1には、EUVリソグラフィにおける投影レンズとして、ULE(登録商標)としても知られているチタンケイ酸塩ガラスが具体的に明示されている。この文献は、非常に小さな寸法の集積回路及び作成パターンの製造のための投影リソグラフィ法について記載している。照明サブシステムは、X線放射によりマスクまたはレチクルを照明する。投影サブシステムは、欠陥のない表面を備えた、反射する、多層膜チタンケイ酸塩ガラスを有している。発明の方法では、チタンケイ酸塩ガラスは、X線放射により操作温度まで熱され、好ましくは、ガラスが操作温度においてゼロの熱膨張係数を持つように、チタンドーピング剤のレベルが調整される。したがって、ここで特定されるチタンケイ酸塩ガラスの熱膨張係数の変動は、≦10ppbの範囲である。
本発明の目的は、従来技術の不利益を回避する、上述のタイプの投影レンズを提供することである。本発明の場合には、温度が上昇した場合でも結像品質全体が改良され、散光特性が最適化される。
本発明によると、本目的は、熱膨張係数のゼロ交差温度付近の温度に応じて、熱膨張係数の傾き、具体的には、傾きの符号が異なる少なくとも2つの異なるミラー材料を使用することにより達成され、波長λ<20nmのEUV領域において有利に使用される。
波長λ<20nmの場合、投影レンズは、光学的放射を反射するミラーを使って構成される。熱膨張係数が非常に小さい少なくとも2つの異なるミラー材料を使用した投影レンズの構成は、個々のミラーに材料を適切に割り当てることにより、局所的及び大域的な温度上昇に関連する投影レンズの収差を相殺または補正することができ、結果として生じる影響が最小化される点で有利である。投影レンズにおけるミラー材料の適切な配置により、投影レンズを比較的強い光源を使って操作することができ、その結果、確実にウェハスループットが高められ、生産性が高まる。その一方で、一定の熱負荷があれば、材料の熱膨張係数(CTE)に課された要件を緩めることができ、その結果、確実に製品収量が高められ、材料をより経済的に利用できる。
本発明の有利な改良では、ガラスセラミック材料から作られた少なくとも1つのミラーと、非晶質チタンケイ酸塩ガラスから作られた少なくとも1つのミラーとが用いられる。
ガラスセラミック材料及び非晶質チタンケイ酸塩ガラスの熱膨張係数は、非常に小さいので特定の温度で消滅させることができる。このような材料をミラー基板として使用すると共に、それらの材料をミラーに正しく配分することにより、収差を大いに縮小し、システム品質全体を改良することができる。
ドイツ特許公報DE10037870A1から周知の、6枚ミラー投影レンズの概略図を示す。 ゼロ交差温度(ZCT)領域におけるCTE(T)の温度依存度の説明図を示す。 マニピュレータによる補正がない場合の収差の感度のグラフを示す。 マニピュレータを使用した場合の、熱により誘導される収差の補正のグラフを示す。 歪み(NCE)のための材料配合最適化のグラフを示す。
本発明の典型的な実施例を、概略図を用いて、以下に詳細に説明する。
図1は、波長λ<157nm、具体的にはλ<20nmのEUV領域において使用される場合の、例えばドイツ特許公報DE10037870A1に基づく、従来技術から周知の、典型的な6枚ミラー投影レンズ1を示しており、ここでは、物体Oが、対物面2に配置されている。ここでは、結像される物体Oは、リソグラフィにおけるマスクまたはレチクルを構成している。物体Oは、第1ミラーM1、第2ミラーM2、第3ミラーM3、第4ミラーM4、第5ミラーM5、第6ミラーM6を介して像面3に結像される。リソグラフィにおいては、ウェハが、例えば像面3に配置される。6枚のミラーM1,M2,M3,M4,M5,M6は、非球面ミラーであって、第1ミラーM1は、凸面ミラーとして設計される。
絞りBは、システム1を横断するビーム4を制限する。ここでは、絞りBは、第2ミラーM2上に直接またはミラーM2のすぐ近くに配置される。システム全体が、光軸5を中心に配置され、像面3にテレセントリックビーム路を備える。さらに、図1から明らかなように、中間像Zが、第4ミラーM4と第5ミラーM5との間に形成される。この中間像Zは、次に、ミラーM5及びM6を介して像面3に結像される。
例えばZERODUR(登録商標)またはClearCeram−Z(登録商標)のような適当なガラスセラミック材料、および、例えばULE(登録商標)のような非晶質チタンケイ酸塩ガラスの熱膨張係数(CTE)は、図2に概略的に示すように、一定の領域、特にゼロ交差温度(ZCT)に設定可能な特定の温度で消滅させることができる。しかしながら、この2つの材料区分は、特に、ゼロ交差温度付近の温度に対する熱膨張係数の依存性において、互いに異なる。同様に、熱膨張係数の特殊関数プロファイルは、温度及び不均質性の分布に関して異なる。ゼロ交差温度は、0℃と100℃の間に存在しなければならず、有利であるのは10℃と50℃の間である。ZERODUR(登録商標)の場合、ZCT付近で項
Figure 0005096530
はマイナスであり、ULE(登録商標)の場合、項
Figure 0005096530
はプラスである。この変数の絶対値の典型的な目標値は
Figure 0005096530
である。しかしながら、この場合、これらの項の厳密値は、ここに記載の厳密値から逸脱してもよい。ここで、注意してもらいたいのは、ゼロ交差温度(ZCT)の領域での2つのCTEの傾きの符号が異なることである。絶対項における熱膨張係数の傾きが100ppb/K2未満、特に10ppb/K2未満の材料を使用すると有利である。しかしながら、例えばZERODUR(登録商標)またはULE(登録商標)のような、絶対項におけるCTEの傾きが2ppb/K2未満の材料が特に好ましい。
ガラスセラミック材料、および非晶質チタンケイ酸塩ガラスのこれらの特性は、大域的及び局所的な温度上昇を補正する目的のために使用されて、結果として生じる効果及び現存する収差を最小化することができる。これは、温度に応じて、熱膨張係数の傾き、特にその数値の符号が互いに異なる2つの異なるミラー材料を個々のミラーM1,M2,M3,M4,M5,M6に適切に配分することにより行われる。この目的で、有限要素解析が、まず、予想される温度分布を決定するために、次に、その結果として生じる表面変形を決定するために使用される。その後、これらの表面変形は、ビーム追跡プログラム(例えばコードV)の仮想表面上に重ね合わされ、結果として生じる収差が決定される。正しい材料からなるミラーを選択することにより、歪み(NCE)、像視野曲率(FPD)、非点収差(AST)、コマ収差(ゼルニケ係数7/8)、球面収差(ゼルニケ係数Z9)、波面誤差のRMSが影響され、そこから派生する効果を最小化することができる。
ZERODUR(登録商標)及びULE(登録商標)をミラーに使用することで、温度により誘導された収差を相殺することにより、投影レンズ1全体を比較的強力な光源に対して使用して操作することができ、その結果、確実にウェハスループットが高められ、生産性を高めることができる。これにより、ミラー材料に関して熱により誘導された収差を最小化するように配置されたミラーM1,M2,M3,M4,M5,M6から投影レンズ1を組み立てることができる。
ULE(登録商標)は、その方法により生じたような、層状材料である。少なくとも湾曲した表面上で、状況によっては、ULE(登録商標)の使用が、それにより発生する線条のために、小角散乱の原因となる低周波数MSFRを引き起こす。このような散乱は、瞳に近いミラー群に特に強い干渉を引き起こす。なぜなら、その効果は、ウェハ上のまたは像面3における輝度の、視野に依存する不均一性であるからである。視野に近いミラー上では、小角散乱は、瞳における輝度の不均一性、すなわち視野点での光ビームの角分布の不均一性、の原因となる。この効果は、ウェハ上の輝度の不均一性に比べれば、あまり重要でないとされている。
ガラスセラミック材料、特にZERODUR(登録商標)の結晶構造は、特別な製造法(これについては国際公開WO03/16233A1またはドイツ特許公報DE10127086A1を参照)を使って準備され、高周波数MSFRコンポーネント及びHSFRコンポーネントに寄与すること、すなわち広角散乱が引き起こされることが好ましい。この結果、口径食またはストップアウトのために、ガラスセラミック材料またはZERODUR(登録商標)が、好ましくは、HSFRコンポーネントがウェハに達しない角領域において空間周波数を散乱するミラーにおいて使用されると有利である。ここでは、その材料は、ビーム断面積が大きなミラーに使用されるのが好ましく、その場合、ミラーをレンズ1の前部、すなわち、ウェハから離れた領域に配置することも可能である。それにより散光が、絞りBまたはその他のミラーによってストップアウトされ、ウェハ面3に到達しなくなるかまたは最小限度しか到達しなくなる。したがって、ミラー材料の適切な組み合わせにより、ウェハ面において散光分布の最適化を図ることが可能である。
上述した収差の感度を、適切に規定された許容範囲に関連する例示のレンズとしての個々のミラーM1,M2,M3,M4,M5,M6への材料の配分と共に、図3に示す。絶対誤差の感度は、ZERODUR(登録商標)及びULE(登録商標)材料の組み合わせ順に、nmで特定されている。組み合わせは、全てのミラーM1,M2,M3,M4,M5,M6上で、CTE(T)の傾きの符号の共通の変化について対称である。それぞれに配置されたミラーにおいて、プラス符号は、ULE(登録商標)材料を示し、マイナス符号は、ZERODUR(登録商標)材料を示す。
各ミラーの吸収電力を構成する、以下の典型的ではあるが実際的な熱負荷により、解析が行われた。
Figure 0005096530
CTE不均質性(空間的変動)は、この計算では考慮されなかった。
図3を見ると、ミラーM1,M2,M3,M4,M5上では、「+++++−」の組み合わせが、
Figure 0005096530
であり、ミラーM6上では、
Figure 0005096530
である。全てのミラーM1,M2,M3,M4,M5,M6に同一の材料が使用されていると仮定すると、修正不能な誤差の視点から、これは、できる限りうまくこの収差を修正するには不十分な開始位置を構成する。「++++++」及び「−−−−−−」の組み合わせは、ほぼ2.5倍、許容範囲外である。しかしながら、適切に材料を配合すれば、ほぼ5倍よいシステム品質を達成できる。
材料配合のさらなる最適化は、瞳に近い領域ではなく、視野に近い領域にULE(登録商標)ミラーを配置することにより行うことができる。このような6枚ミラー投影レンズ1においては、ミラーM1,M3,M4に、ULE(登録商標)材料を使用するのが好ましい。
図4は、操作中の個々のミラーM1,M2,M3,M4,M5,M6の全体運動を可能にするマニピュレータの使用による、熱により誘導される収差の補正を示す。材料の組み合わせが任意の場合、図4は、ミラーM1,M2,M3,M4,M5,M6の間隔、偏心、傾きを変更することにより、全ての収差を特定の許容範囲内に調整できることを示している。
収差の測定及び補正による操作中に引き起こされるウェハ露光装置の無駄時間と同様に、通常、遠隔制御により真空で操作される必要のあるマニピュレータが高額であることが、この補正法の欠点である。無駄時間は、生産の損失の原因となり、よって、かなりの経済的損失を招く。
図5は、歪み(NCE)のための材料配合最適化のグラフである。ここでは、図4のマニピュレータによる補正を行わない感度をNCE残差に従って配置したものを表示している。図5のグラフの左側は、NCEが最も小さい材料配合を示している。ここから、例えば、「+++−+−」または「−−−+−+」の配合が、最もNCEが小さいことがわかる。このようなULE(登録商標)−ZERODUR(登録商標)の組み合わせの場合、図5から明白であるように、全ての収差NCE、FPD、AST,Z7/8、Z9、RMSが、高価なマニピュレータによる補正なしで許容範囲内に見つかることが特に明白である。
したがって、特に歪み(NCE)が、ULE(登録商標)/ZERODUR(登録商標)の材料配合により影響されることは明らかである。同様に、他の収差もまた、そのような材料の組み合わせにより影響されて最小化される。
明示した材料分布は、典型的な温度分布を備えた典型的なシステムのために決定されたものであり、それに限定されるものではない。他の光学システムまたは温度分布の場合には、本発明の意味で互いに異なる、材料の最適な組み合わせがあってよい。
CTE分布の空間的不均質性が、温度変化の際の表面変形の原因であることが予想される。この空間的不均質性は、CTE変動の周波数応答を多かれ少なかれシミュレートする。しかしながら、シミュレーションの実施により、関連しているのは、かなり低い周波数及び中間的な周波数の誤差(>1mm、MSFRまたはフォーム誤差)であることがわかっている。このような関連誤差の考えられる原因の例は、ドメインサイズに比例する熱変形である。その一方で、その原因は、固体それ自身の弾性的機械的特性に存在することもあり、これが、より高い空間周波数でのより強い減衰の原因となっている。この不均質性の周波数分布は、材料に応じたものであるため、ここでも最適化を行うことができる。
もちろん、他の材料も、このような収差を最適化すると考えられる。同様に、本発明は、EUVLコンポーネントにのみ制限されるべきではない。熱仕様及び散光仕様に応じて、例えば157nmリソグラフィシステムにおいて、これらの視点から選択的に反射コンポーネントを最適化するのが有利である。

Claims (17)

  1. それぞれが基板材料から作られた1つの基板を含む複数の多層膜を有するミラー(M1、M2、M3、M4、M5、M6)を有する、EUVリソグラフィのための投影レンズであって、
    前記複数のミラーの基板材料はガラスセラミック材料又は非晶質チタンケイ酸塩ガラスのいずれかであり、さらに温度の関数としての基板材料の熱膨張係数の傾きの符号がゼロ交差の領域において異なるという態様で、前記複数のミラーの基板材料が少なくとも2つのミラーにおいて異なっており、さらに、上記異なる基板材料からなる少なくとも2つのミラーが、局所的及び大域的な温度上昇の結果として生じる投影レンズの像の誤差が上記複数のミラーが同じ材料で作られた場合に生じる像の誤差よりも小さくなるように、投影レンズに配置されており、
    結像の方向に連続して配置された6個のミラー(M1、M2、M3、M4、M5、M6)が物体を像面に表示し、ここで、ガラスセラミック材料(-)が前記温度の関数としての基板材料の熱膨張係数の負の傾きを示す基板材料であり、非晶質チタンケイ酸塩ガラス(+)が前記温度の関数としての基板材料の熱膨張係数の正の傾きを示す基板材料であって、それぞれに前記基板材料のいずれかが割り当てられた6個のミラー(M1、M2、M3、M4、M5、M6)の配置が、ASTが小さくなる順番に並べたときに小さい方から選んだ組み合わせとして、[(+,+,-,-,-,-); (-,-,+,+,+,+); (+,-,-,-,-,-); (-,+,+,+,+,+); (+,+,-,-,-,+); (-,-,+,+,+,-); (+,-,-,-,-,+); (-,+,+,+,+,-); (+,+,+,+,+,-); (-,-,-,-,-,+); (+,-,+,+,+,-); (-,+,-,-,-,+); (+,-,+,+,+,+); (-,+,-,-,-,-); (+,+,-,+,+,-); (-,-,+,-,-,+); (+,-,-,+,+,-); (-,+,+,-,-,+); (+,+,+,+,-,-); (-,-,-,-,+,+); (+,-,+,+,-,-); (-,+,-,-,+,+); (+,+,-,+,+,+); (-,-,+,-,-,-); (+,-,-,+,+,+); (-,+,+,-,-,-); (+,+,+,+,-,+); (-,-,-,-,+,-); (+,-,+,+,-,+); (-,+,-,-,+,-); (+,+,-,+,-,-); (-,-,+,-,+,+); (+,-,-,+,-,-); (-,+,+,-,+,+); (+,+,-,+,-,-); (-,-,+,-,+,-); (+,-,-,+,-,+); (-,+,+,-,+,-)]というグループの中の基板材料の組み合わせの1つとなるように配置されていることを特徴とする、EUVリソグラフィのための投影レンズ。
  2. ガラスセラミック材料はZERODUR又はClearCeram−Zであり、チタンケイ酸塩ガラスはULEであることを特徴とする請求項1に記載のEUVリソグラフィのための投影レンズ。
  3. 前記像の誤差が最小化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のEUVリソグラフィのための投影レンズ。
  4. 絶対項における前記熱膨張係数の傾きの大きさが、100ppb/K2未満、特に10ppb/K2未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のEUVリソグラフィのための投影レンズ。
  5. ゼロ交差温度は、0℃と100℃の間に存在することを特徴とする、請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載のEUVリソグラフィのための投影レンズ。
  6. EUVリソグラフィのための投影レンズにおける温度上昇による像の誤差を補正する方法であって、
    多層膜を有する複数のミラーを含み、前記ミラーにはガラスセラミック材料及び非晶質チタンケイ酸塩ガラスのいずれかが基板材料として割り当てられ、前記2つの基板材料は、温度の関数としての基板材料の熱膨張係数の傾きの符号がゼロ交差温度の領域において異なり、像の誤差が上記複数のミラーがすべて同じ基板材料とされた場合よりも小さくなるように、上記複数のミラーに基板材料が割り当てられていることを特徴とする方法。
  7. 前記像の誤差が最小化されていることを特徴とする、請求項6に記載のEUVリソグラフィのための投影レンズにおける温度上昇による像の誤差を補正する方法。
  8. 前記ガラスセラミック材料としてZERODUR又はClearCeram−Zを用いたことを特徴とする請求項6又は7に記載のEUVリソグラフィのための投影レンズにおける温度上昇による像の誤差を補正する方法。
  9. 前記チタンケイ酸塩ガラスとしてULEを用いたことを特徴とする請求項6乃至8のうちいずれか一項に記載のEUVリソグラフィのための投影レンズにおける温度上昇による像の誤差を補正する方法。
  10. 有限要素解析により前記多層膜を有する複数のミラーの推定される温度分布を決定するステップと、
    前記温度分布の結果として推定される前記複数のミラーの表面変形を決定するステップと、
    前記表面変形のそれぞれをミラーの仮想表面に重ね合わせ、ビーム追跡プログラム(ray-tracing-program)によって像の誤差を決定するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項6乃至9のうちいずれか一項に記載のEUVリソグラフィのための投影レンズにおける温度上昇による像の誤差を補正する方法。
  11. 絶対項における熱膨張係数の傾きの大きさが、100ppb/K2未満、特に10ppb/K2未満に選択されたことを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. ゼロ交差温度が、0℃と100℃の範囲を有することを特徴とする請求項10又は11に記載の方法。
  13. 前記多層膜を有する複数のミラーは、それらの基板材料に関してウェハ面(3)における散光分布が最適化されるように配置されていることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  14. 前記多層膜を有する複数のミラーは、それらの基板材料に関して、CTE不均質性によって生じる波面誤差が最小化されるように配置されていることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  15. 大きなビーム断面積を有するミラーにZERODURが用いられていることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  16. ウェハから離れた領域に配置されたミラーにZERODURが用いられていることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  17. 前記複数のミラー(M1,M2,M3,M4,M5,M6)の間隔、偏心、及び、傾きの変更は、任意の材料の組み合わせに対して実行されることを特徴とする請求項10乃至16のいずれか一項に記載の方法。
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