JP5094739B2 - 連続的なカラーグレーディングの方法 - Google Patents

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Description

本発明は、映画やテレビ番組のような視聴覚番組を制作する際の異なる局面を通じて、色のような、少なくとも一つの画像パラメタの整合性を保つ方法に関する。
映画やテレビ番組のような視聴覚番組の提供者は、一般に、よく知られた作業の流れに従い、かかる視聴覚番組を作成し、処理し、視聴者に配給する。番組の内容を作成する過程は、一般に、画像及び音声の記録を伴う。ただし音声は画像の記録後に追加及び/又は変更される場合もある。従来は、動画フィルムカメラを用いて画像を記録していた。フィルムカメラは現在でもよく好まれる装置だが、Thomson Grass Valley “Viper” FilmStream Cameraのようなデジタル映像カメラも人気を増やしている。フィルムカメラで記録した画像は、視覚効果を加えるなどの後続のデジタル処理のために、デジタル化しなければならないが、デジタル映像カメラを使用すれば、その手間を省けるという利点がある。
番組の内容を作成する過程では、製作責任者及び/又は撮影監督は、普通毎日、記録画像の全てか、少なくともその一部を見直したがるのが典型的である。「デジタルデイリーズ」又は「下見用映像」という語は、普通、そのように毎日見られる記録画像のことを言う。フィルムの場合、記録画像は通常、Thomson Grass Valley “Spirit”のようなテレシネ装置に送られる。テレシネ装置とは、フィルムを走査し、デジタル出力ファイル又はデジタル映像信号を作成するものである。デジタル出力ファイル又はデジタル映像信号は、保存され、テレビやデジタル映写機で表示される。かかるデジタル出力ファイルは、表示に先立って、まず処理を受けることもある。フィルムを走査する過程で、色彩専門家が色補正を施すことができる。これにより色決定リスト(CDL)が生成される。CDLは通常、テレシネ装置のデジタル出力ファイルに付随するメタデータとなる。かかるメタデータは、色彩専門家が行った色補正の結果を示すことになる。当然のことながら、Thomson Grass Valley “Viper”のようなデジタル映像カメラは、記録画像を表すデジタル出力ファイルを生成するので、テレシネ装置に出力ファイルを送る必要は無い。テレシネ装置からのデジタル出力ファイルと同様に、デジタル映像カメラからのデジタル出力ファイルは、記録画像を表すデジタルファイルであるデジタルデイリーズを作成する過程で、通常、色補正を受ける。
これまで、デジタルデイリーズを作成する過程で生成されたCDLは、デジタル中間ファイルの生成などの、それ以降の処理操作で役に立つことは、まずめったになかった。現在のところ、視聴覚番組の作成、処理、仕上げに関する作業の流れにおける継起する処理操作のそれぞれは、異なるCDLを生成する。それぞれのCDLは、それ以前の処理操作中に作成されたCDLとは、まずほとんど何の関係も持たない。継起する処理操作に付随する複数のCDLの間に関係を欠く理由の一つは、それぞれの処理操作について生成されるCDLに対して、首尾一貫した基準枠(基礎露出及び色、並びに最終的に意図する表示装置のエミュレーション)を規定できないことである。
従って、画像処理方法に対するある要求が存在する。すなわち、ある処理操作に付随するCDLのような(ただしこれに限定されない)画像処理情報を、後続する処理操作に引き継がせることを可能とする方法に対する要求である。
端的には、本願の原理の実施例によれば、ある画像処理操作に関連する少なくとも一つの画像決定リストを、少なくとも一つの後続する処理操作に引き継がせることを可能とする、画像情報を処理する方法を提供する。本願の原理の方法は、第1の画像処理操作中に調整される少なくとも一つの画像特性における変更を示す第1の画像決定リストを生成して開始する。例えば、第1の画像決定リストは、画像処理操作中に行われる色の調整を示す色決定リスト(CDL)を含みうる。この操作は最終的に意図する表示媒体をエミュレートしつつ画像を表示することを含みうる。第2の画像処理操作中に、第1の画像決定リストは変更を受け、第1工程で用いられた最終的に意図する表示媒体をエミュレートすることに従って、少なくとも一つの画像特性をさらに調整する。フィルムの場合は、フィルムを再走査しても、標準化された較正手続きを用いて、元の走査の符号化値に対する濃度と色の関連を同一に保たねばならない。
本願の原理の方法により、CDLのように、個々の画像処理操作中に作成される画像決定リストを、後続する処理操作中に引き継がせることが容易に可能となる。最終的に意図する表示媒体をエミュレートしながらの第1の処理操作に後続する画像の変換、及び後続する画像の調整を行う基礎としての同じエミュレーション(再走査が必要ならば標準化された較正手続きも)は、それぞれの処理操作中に作成される画像決定リストを正規化するための機構を提供する。このように、画像決定リストは後続する画像処理操作において、画像の調整を追跡することになる。
発明を実施するための最良の形態を次の実施例に示す。
図1は、本願の原理の好適な実施例による、視聴覚作品の制作に関する作業の流れ10の要素を示す。図1に示されている通り、視聴覚作品は予め記録されたDVD(デジタル多目的ディスク、しばしばデジタル映像ディスクとも呼ばれる)の形を取る。DVDは、映画やテレビ番組のような、少なくとも一つの上映作品を含む。予め記録されたDVDの代わりに、又はそれに加えて、視聴覚番組は劇場での上映のための、デジタル又はアナログ形式の映画の形を取ることもできる。
作業の流れ10は、画像記録のような、内容の作成から始まる。これは工程12のデジタル制作において、Thomson Grass Valley “Viper” FilmStream Cameraのようなデジタル画像記録装置を一つ以上用いて行う。画像記録は、工程14のフィルム制作において、一つ以上のフィルムカメラを用いて行うこともできる。実際、デジタル制作とフィルム制作の両方を行う場合もある。工程12又は14のどちらかで、同時に音声情報の記録を行うこともできる。画像記録と同時の音声記録の代わりに、又はそれに加えて、音声の記録及び/又は処理は、後続の処理操作中で行うこともできる。
工程12のデジタル制作において、記録された画像に対する予備的な調整を行うこともある。それは例えば色の調整だが、これに限定されない。色の調整は、デジタル画像記録装置のデジタル映像出力の信号/ファイルを、色補正器(図示されていない)を通して送ることにより行われる。この方法の詳細を次に述べる。色の調整の場合は、デジタル出力の信号/ファイルを、色補正器を通して送信することにより、色決定リスト(CDL)を生成する。CDLは実施された色の調整を反映するメタデータの形式を取る。
工程14のフィルム制作の場合、フィルムは典型的にはThomson Grass Valley “Spirit”フィルム走査器のようなテレシネ装置(図示されていない)に送られる。テレシネ装置は基準フィルムに合わせて較正されており、継起する走査の併行精度を保証する。テレシネ装置に送られたフィルムからデジタル出力の信号/ファイルが生成される。その詳細を次に述べる。工程12のデジタル制作において生成されたデジタル出力の信号/ファイルが色の補正を受けられるのと全く同様に、工程14においてテレシネ装置が生成したデジタル出力の信号/ファイルも、色補正器を通して送ることができる。これにより、実施された色の調整を示すCDLを生成する。
工程12又は14に続いて、工程16においては、通常毎日、内容の作成に責任を持つ製作責任者及び/又は撮影監督のような人は、しばしば記録画像の全てか一部を閲覧したがる。日々見られることになる記録画像の部分は「デイリーズ」又は「下見用映像」と呼ばれる。工程12のデジタル制作において、デジタル画像記録装置で記録された画像の場合、工程16におけるデイリーズの閲覧は、(画像、例えば色、の補正があるならばその後の)デジタル出力ファイルを、テレビ表示器又はデジタル映写機などの表示装置に単に送るだけで行うことができる。フィルム製作の場合、工程16におけるデイリーズの閲覧は、フィルム走査器からのデジタル出力の信号/ファイルを(画像、例えば色、の補正があるならばその後)表示装置に送ることで行う。
工程16のデイリーズの閲覧中で、製作責任者及び/又は撮影監督は、以前に工程12又は14において実施された色の補正のような画像の調整に加えて、さらなる画像の調整を行いたいかもしれない。典型的には、色の調整は色補正器(図示されていない)を用いて実施できる。従来は、工程12及び14において第1に得られたCDLは、工程16には渡されなかったので、それ以降のいかなる処理操作にも渡されなかった。CDLを継起する処理操作に引き渡せないのは、共通の基準枠が存在しないためである。例えば、工程12及び14の完了時に生成されるデジタル映像出力の信号/ファイルは、ある型のデジタル出力装置で表示される際に、工程16において閲覧される色補正されたデイリーズと同じ表象であるとは限らない、つまり同じく見えるとは限らない。これは、第1に得られたCDLが、工程16におけるデイリーズの閲覧に関連するCDLに対応して調整されたとしても同様である。
次に詳細に述べるように、本願の原理の方法が前述の欠点を克服するのは、継起する処理操作中に作成されるCDLに対して共通の基準枠を提供することによる。工程12及び14のそれぞれの中で作成されるデジタル出力の信号/ファイルは、次に述べる参照表(LUT)を経由して変換を受ける。これにより「標準」映写フィルムをエミュレートする画像のデジタル出力の信号/ファイルを生成する。従って、工程12及び14のそれぞれの中で作成されるCDLは、エミュレートされた映写フィルムと相関するようになる。
工程16において、色補正されたデジタル出力の信号/ファイルも同様に変換を受け、映写フィルムをエミュレートする。さらに、表示に供される装置とは、デジタルテレビやデジタル映写機などだが、これは較正装置を含む。従って、映写フィルムをエミュレートする画像のデジタル出力の信号/ファイルは、表示装置にかかわらず、同一の表象を持つことになる。これにより、工程16におけるデイリーズの閲覧に関連するCDLを、工程12又は14において得られる第1のCDLを所定の方法で変更することにより、得ることができる。言い換えれば、工程12又は14において得られたCDLが、後続する調整の出発点の役割を果たすことができる。
工程16において、デジタル映像出力の信号/ファイルも同様に変換を受け、映写フィルムをエミュレートする。かかる変換の後に生成されるデジタル出力の信号/ファイルは、工程18で実行されるオフライン編集操作への入力の信号/ファイルの役割を果たす。工程18において、受け取った入力の信号/ファイルは、典型的には、画像編集、音声の追加、及び/又は圧縮を含む(ただしこれらに限定されない)後続の処理を受ける。前段の画像処理操作と同様に、デジタル映像出力の信号/ファイルは、工程18の最後で映写フィルムをエミュレートする変換を受けてから、工程20のデジタル試写が受け取る。工程20においては試写のスクリーニングが行われる。
工程20の試写のスクリーニング操作が同様に入力として受け取るのは、工程22において作成された視覚効果である。実際には、工程12及び14において生成されたデジタル映像出力の信号/ファイルは、第1のCDL及び三次元のLUTと共に特殊効果施設に送られる。このLUTにより、工程22における特殊効果の作成の過程で完成したデジタル出力の信号/ファイルを、映写フィルムをエミュレートするように変換することが可能となる。工程20において、工程22の完了時点で作成された特殊効果と、工程18においてオフライン編集操作の後で作成されたデジタル出力の信号/ファイルが、整形を受ける。かかる整形は、映画フィルムを作成するために原カメラネガフィルム(OCN)を分割し再配列する従来の手法に対応する。工程20の試写のスクリーニングにおいて、一人以上の色彩専門家が、以前の処理操作工程において生成されたCDLを用いて、最後に色の調整を行うことになる。これが、最終的な色調整のための出発点となる。LUTを用いて、デジタル出力の信号/ファイルを、各処理操作で、映写フィルムをエミュレートするように変換するので、このことが可能になる。最終的な色調整に引き続き、主CDLは保存され、補正が施された新しいファイルがLUT経由で演出と変換を加えられる。これにより、工程20の完了時点で、スクリーニングのために映写フィルムをエミュレートする画像の出力ファイルが出来上がる。
工程22において生成された特殊効果に加えて、工程20において生成された変換済みのデジタル出力の信号/ファイルが、工程24においてデジタル中間ファイル(たとえばデジタル視聴覚番組)を作成する手続きへの入力の役割を果たす。工程24においては、受け取ったデジタルの信号/ファイルはさらに整形される。更に、工程20において作成された主CDLがデジタル中間ファイルの色補正システム(図示されていない)に読み込まれる。デジタル中間ファイルの色補正システムは、工程20における整形のための色補正システムと同じ形を取ることができる。記録画像が工程14のフィルム制作から始まったものであるならば、その原ネガフィルムは通常2Kないし4Kのより高い解像度で較正された走査を受けることになる。この、より高い解像度のデジタル映像出力ファイルは、整形され、デジタル中間ファイルの色補正システムに読み込まれる。これにより、最終的な色調整及びその後の演出が行われ、この間に最終的な色調整が適用される。前述と同様に、かかる色調整中に作成された主CDLは保存される。工程24において作成されたデジタル映像出力の信号/ファイルは、LUTを経由して、映写フィルムをエミュレートする変換を受ける。これは、インターネット、衛星通信、ディスクのような格納媒体による物理的な配送など、様々な方法で、一つ以上のデジタル映画館に配給できる。
工程24の完了時点で生成されるデジタル映像出力ファイルは、また、工程26において家庭用映像のデジタル多目的ディスク(DVD)を作成するための最終デジタル中間ファイル(デジタル原盤)の役割も果たす。工程26において、一般消費者向け表示機器用のさらなる色調整を行うこともできる。前述と同様に、最終的な調整の後に生成されるデジタル出力ファイルは、映写フィルムをエミュレートする変換を受ける。最終的な色調整が施された状態で、HD(高解像度)又はSD(標準解像度)への下方変換も行われる。
図2は、図1の工程12におけるデジタル制作のための作業の流れの要素を示すブロック概略図である。図2に示す通り、少なくとも一つのデジタル画像記録装置としてのデジタルカメラ200が、デジタル形式(例えばデジタル映像のデータの流れ)で画像を記録する役割を果たす。この例示的な実施例では、デジタル画像記録装置は一つ以上のデジタルテレビカメラを含む。例えば、Thomson Grass Valley “Viper” FilmStream Cameraを含む。格納装置としてのディスクパック202は、画像記録装置としてのデジタルカメラ200によって生成されたデジタル映像出力の信号/ファイル、並びに、時間符号の知識、同期用の信号/ファイル及びメタデータを格納する。格納装置としてのディスクパック202は典型的にはアレイに配列された一つ以上の磁気ディスクドライブを含む。例えば、格納装置としてのディスクパック202は、Thomson Grass Valley “Venom”格納パックを含むことができる。実際には、時間符号の知識、同期用の信号/ファイル及びメタデータは、デジタル画像記録装置としてのデジタルカメラ200によって生成されるデジタル映像の信号/ファイルの帯域とは別の経路(IP)で格納装置としてのディスクパック202に伝達される。
制作システム206は、時間符号の知識、同期用の信号/ファイル及びメタデータを、デジタル画像記録装置としてのデジタルカメラ200より受け取り、それを、デジタル音声記録装置208によって記録される音声に埋め込む。制作システム206は、また、後述するようにこの後生成される色決定リスト(CDL)及び/又は自動連関使用可能性データ(ALE)を収集する。これは、他のシステム(図示されていない)で使用するために、後で書き出すためである。実際には、デジタル音声記録装置208は、デジタル画像記録装置としてのデジタルカメラ200が記録する画像情報に関連した音声を記録する。デジタル音声記録装置208からの音声は、記録された画像を表現するデジタル出力の信号/ファイル、並びに、時間符号の知識、同期用の信号/ファイル及びメタデータと共に、格納装置としてのディスクパック202に格納される。
制作システム206は、時間符号の知識、同期用の信号/ファイル及びメタデータを埋め込むことに加え、色決定リスト(CDL)及び/又はアビッドログ交換(ALE)データのように、作業者が鍵盤210を通して入力する外部情報も埋め込むことができる。典型的には、鍵盤210は、制作システム206に、汎用シリアルバス(USB)接続を用いて結合する。他の周知のプロトコルも、鍵盤210を制作システム206に接続するために用いることができる。
処理システム212は、格納装置としてのディスクパック202からのデジタル出力の信号/ファイルを、随伴する時間符号の知識、同期用の信号/ファイル及びメタデータを用いて処理する。加えて、処理システム212は、色の調整を可能にするために、CDL入力装置としてのCDLパネル214から得たCDLデータを利用することができる。実際には、通常「色彩専門家」と呼ばれる作業者が、CDL入力装置としてのCDLパネル214を用いて、記録された画像の色に対する調整を行うことになる。かかる調整により、製作責任者及び/又は撮影監督が、記録された映像から制作される視聴覚番組の最終版に、対応する色の調整がどのように影響を与えうるかを調べることが可能となる。色以外の画像パラメタに対する調整も、CDL入力装置としてのCDLパネル214に類似の入力装置(図示されていない)を用いて、同様に行うことができる。
処理システム212は、典型的には、一つ以上のプログラムされた計算機を含む。この計算機は、一つ以上の参照表(LUT)を含むか、利用することができる。LUTは、デジタル画像記録デバイスが生成したデジタル出力の信号/ファイルに含まれる記録画像情報を、映写フィルムをエミュレートするように変換することができる。これは前述の通りである。LUTは動的に変化しうる。とりわけ、CDL入力装置としてのCDLパネル214経由で入力される色の調整に反応して変化しうる。このように、処理システム212は、デジタル出力の信号/ファイルに含まれる記録画像を、映写フィルムをエミュレートするようにも、また、記録画像の全体的な表象を変更するようにも、変換することができる。これは記録画像の色及び/又は他の画像特性を変更することによってなどで行う。
処理システム212が変換したデジタル映像出力の信号/ファイルは、典型的には、映像表示器などの表示装置としての画像表示器216に表示される。最適な画像品質を保証するために、自動較正システム218は、例えば色、線形性、収束及び明暗などの様々な設定に関して、表示装置としての画像表示器216を定期的に較正することになる。
図3は、図1の工程16におけるデイリーズの閲覧に関連して、即席のデイリーズを作成するための作業の流れの要素を示すブロック概略図である。図3に示す通り、少なくとも一つの格納設備300(典型的にはストーレジ域ネットワーク(SAN)の形態である)が受け取るのは、デジタル映像出力の信号/ファイルとしての、ディスクパックからのデジタルファイル301である。これは、図2の処理システム212が映写フィルムをエミュレートするように変換した後のものである。好適には、SAN300は、シリアルATアタッチメント(SATA)を利用して他の装置と接続する。SAN300に接続されたアーカイブシステム302は、SANに格納されたデジタル出力の信号/ファイルの全部又は一部を含む、一つ以上の配送物を作成することができる。実際には、かかる配送物は、磁気テープ又は、可搬型ハードディスクドライブのような他の可搬型格納媒体の形式を取り、視覚特殊効果(VFX)施設のような外部事業者向けに持ち出すための情報を格納する。
図3のSAN300は、デジタル音声を音声転送局304から受け取ることもできる。一つ以上の音源としての音声産出器(DAT、DEVA等)306が、音声転送局304に音声を供給する。音源としての音声産出器(DAT、DEVA等)306は、一つのみを図示しているが、実際は、デジタル音声録音機や、音声をデジタル形式で提供することのできる他の装置を含むことができる。音声転送局304により、デジタル音声を、SAN300に格納する前に編集することができる。音声転送局304は、撮影後工程の操作(音声の補正及び/又は調整を含むが、これに限定されない)を行うための種々の異なる型のシステムのいかなるものをも含むことができる。この図示された実施例では、音声転送局304は、Thomson Grass Valley “Bones”撮影後工程ソフトウェアフレームワークの一部を含む。音声転送局304はデジタル音声の編集、補正、及び/又は操作を可能とするソフトウェアでプログラムされた、一つ以上の処理装置を含む。
SAN300に格納されたデジタル出力の信号/ファイルは、一つ以上の視聴覚番組をデジタル形式で含み、処理システムとしての「デイリーズ作成パッケージ」システム308経由で処理される。図2の処理システム212と同様に、図3の処理システムとしての「デイリーズ作成パッケージ」システム308は、デジタル出力の信号/ファイルを変換するための一つ以上のLUTを含むので、これら出力ファイル等に含まれる画像は映画の映写フィルムの見た目をエミュレートする。LUTはまた、一つ以上の画像特性の表象を変更できる。画像特性とは例えば色だが、この場合は図2の制作システム206から書き出された、色決定リスト(CDL)及び/又は自動連関使用可能性(ALE)情報317に従って行われる。実際には、制作システムとしての「デイリーズ作成パッケージ」システム308はThomson Grass Valley “Bones”撮影後工程ソフトウェアフレームワークを含む。“Bones”撮影後工程ソフトウェアフレームワークのような、単一の撮影後工程ソフトウェアフレームワークが、図3の処理システムとしての「デイリーズ作成パッケージ」システム308及び音声転送局304の双方の機能を実行することができる。
処理システムとしての「デイリーズ作成パッケージ」システム308は、一つ以上の視聴覚番組をデジタル形式で含むと共に、時間符号の知識、同期用の情報及びメタデータも付随する、デジタル出力の信号/ファイルを生成し、これらは種々の宛先に分配される。視聴覚番組は、処理システムとしての「デイリーズ作成パッケージ」システム308が生成するデジタル出力の信号/ファイルに含まれ、典型的には映写フィルムをエミュレートする変換を既に受けている。処理システムとしての「デイリーズ作成パッケージ」システム308は、視聴覚番組を含むデジタル出力の信号/ファイルを、録音機としてのスペクトラルレコーディング録音機310に供給することもできる。また、処理システムとしての「デイリーズ作成パッケージ」システム308は、JPEG 2000、Avid (商標) Media、Apple (商標) Final Cut Pro、DVD画像、その他の様な、種々の形式312のうちの、いかなる一つ以上にも、デジタル出力ファイルを出力することができる。更に、処理システムとしての「デイリーズ作成パッケージ」システム308は、一つ以上の内部参照表を用いることができ、これにより、デジタル出力の信号/ファイルに含まれる対数系の映像を線形系の映像に変換し、また、映写フィルムのエミュレーションを適用して映像表示器又は観察器のような表示システムとしての画像表示器及び観察器314に表示するための映像を作成する。自動較正システム316は自動較正システム218と類似であり、表示システムとしての画像表示器及び観察器314を較正する役割を果たす。
図4は、図1の工程14のフィルム制作において作成されたフィルムの画像から、デジタルデイリーズを作成するための作業の流れの要素を示すブロック概略図である。図4の作業の流れは図3の作業の流れと共通な要素を多く含んでいるので、同様の参照番号は、図3の同様の要素を参照する。図1の工程14のフィルム制作において作成されたフィルム画像をデジタル出力の信号/ファイルに変換するために、図4の作業の流れはThomson Grass Valley “Spirit”フィルム走査器のようなテレシネ装置400を用いて原カメラネガフィルム(OCN)の巻としての現像済みの完全なOCNの巻401を走査する。Thomson Grass Valley “Spirit”フィルム走査器は、2Kと4Kの両方の解像度を提供するので、一つの走査されたフィルムから、一つは4Kの解像度を持ち、もう一つは2Kの解像度を持つ、二つの別々のファイルを生成することができる。実際には、走査器としてのテレシネ装置400は30フレーム毎秒(fps)で動作する。これは、画像が通常OCNの巻としての現像済みの完全なOCNの巻401に記録される速度である24fpsよりも典型的に速いので、走査器は、フィルム露光速度に関して測定される実時間の速度よりも速く動作できる。
走査器としてのテレシネ装置400は、10ビットの高精細度シリアルデータインターフェース(HD SDI)を持ち、デジタル出力の信号/ファイルを、4:4:4の対数形式で出力する。これは受信(例えば取り込み)局としてのフィルム取り込み局402(典型的には、Thomson Grass Valley “Bones”撮影後工程ソフトウェアフレームワークの一部)で受信される。実際には、取り込み局としてのフィルム取り込み局402はまた、走査中の特定のOCNの巻としての現像済みの完全なOCNの巻401を識別する鍵符号を走査器としてのテレシネ装置400から受け取る。受信局としてのフィルム取り込み局402は、デジタル出力の信号/ファイルを走査器としてのテレシネ装置400より収集し、SAN300に転送する。これにより、処理システムとしての「デイリーズ作成パッケージ」システム308が更なる処理を行うことが可能になる。このことは図3のところで前述の通りである。処理部としての「デイリーズ作成パッケージ」システム308は、走査器としてのテレシネ装置400で生成され、SAN300に格納されたデジタル出力の信号/ファイルを受け取ることに加えて、SAN300に格納された音声ファイルも受け取る。その前にSAN300は、音源としての音声産出器(DAT、DEVA等)306の一つから受け取った音声ファイルを処理した音声転送局304から、音声ファイルを受け取っている。また、前述の通り、SAN300に接続されたアーカイブシステム302は、SANに格納されたデジタル出力の信号/ファイルの全部又は一部を含む、一つ以上の配送物を作成することができる。
処理システムとしての「デイリーズ作成パッケージ」システム308は、画像表示器又は観察器としての画像表示器及び観察器314に表示される一つ以上の視聴覚番組を含む、一つ以上のデジタル出力の信号/ファイルを生成する。図3のところで前述の通り、処理システムとしての「デイリーズ作成パッケージ」システム308は一つ以上の内部LUTを用いることができ、これにより、デジタル出力の信号/ファイルに含まれる対数系の映像を線形系の映像に変換し、また、表示装置としての画像表示器及び観察器314に供給されるデジタル出力の信号/ファイルに関して映写フィルムのエミュレーションを適用する。
図5は、図1の工程16におけるデイリーズの閲覧操作に関して、デイリーズを分配するための作業の流れの要素を示すブロック概略図である。図5のデイリーズの分配の作業の流れは、図3及び図4に示す作業の流れと同一の要素を多く利用しており、同様の参照番号は同様の要素を参照する。図3及び図4に関して前述の通り、SAN300は処理システムとしての「デイリーズ作成パッケージ」システム308にデジタル出力の信号/ファイルを供給する。ファイルは映像と音声の双方を含み、典型的には一つ以上の視聴覚番組に結合される。処理システムとしての「デイリーズ作成パッケージ」システム308による、かかる処理の過程で、作業者は必要に応じて品質の管理と検証を引き受けることができる。また、前述の通り、SAN300はデジタル出力の信号/ファイルをアーカイブシステム302に提供する。アーカイブシステム302は、SANに格納されたデジタル出力の信号/ファイルの全部又は一部を含む、一つ以上の配送物を作成することができる。
処理システムとしての「デイリーズ作成パッケージ」システム308が作成したデジタル出力の信号/ファイルは、一つ以上の視聴覚番組を、一つ以上の形式としての種々の形式312で含むことができる。かかるファイルは、表示装置としての画像表示器及び観察器314に表示されるデジタルデイリーズを構成する。前述の通り、処理システムとしての「デイリーズ作成パッケージ」システム308は一つ以上の内部LUTを用いることができ、これにより、デジタル出力の信号/ファイルに含まれる対数系の映像を線形系の映像に変換し、表示装置としての画像表示器及び観察器314に供給されるデジタル出力の信号/ファイルに関して映写フィルムのエミュレーションを適用する。
処理システムとしての「デイリーズ作成パッケージ」システム308が出力するファイルに含まれる視聴覚番組は、典型的にはネットワーク500経由で転送される。転送を行うネットワーク500は一つ以上の、公共及び/又は私的ネットワークを含むことができ、種々の型の有線及び/又は無線ネットワークを含むことができる。ネットワークの選択は帯域幅と時間の可用性に依存することになる。ネットワーク500での転送に先立って、デジタル出力の信号/ファイルに電子透かしを埋め込むこともできる。典型的には、Portable Media Package (PMP)のようなソフトウェアを用いて、「Nextamp電子透かし」を実行する電子透かし局(図示されていない)経由で埋め込む。
図6は、図1の工程16における、製作現場でデイリーズを閲覧するための作業の流れの要素を示すブロック概略図である。図6に示す通り、要求に応じてテクニカラーデイリーズを供給するJPEG 2000サーバー600は、図3、図4及び図5の処理システムとしての「デイリーズ作成パッケージ」システム308が生成するような、閲覧のためのデジタルデイリーズを含む一つ以上の視聴覚番組を含む一つ以上のデジタル出力の信号/ファイルを受け取る。実際には、要求に応じてテクニカラーデイリーズを供給するJPEG 2000サーバー600が受け取るデジタル出力の信号/ファイルは、JPEG 2000形式で符号化された、未加工未補正の源ファイルの形式を取る。再生を開始するためには、要求に応じてテクニカラーデイリーズを供給するJPEG 2000サーバー600は防護符号を受け取る必要がある。これは典型的には汎用シリアルバス(USB)フラッシュ記憶装置としてのUSB鍵602経由で入力される。鍵盤(図示されていない)のような、それ以外のデータ入力装置も防護符号の入力に用いることができる。
要求に応じてテクニカラーデイリーズを供給するJPEG 2000サーバー600は、適切な防護符号をフラッシュ記憶装置としてのUSB鍵602経由で受け取ると、映像が対数形式である一つ以上のデジタル出力の信号/ファイルを、映写/表示装置604に表示するために提供することになる。これによりデジタルデイリーズの表示が行われる。映写/表示装置604で表示する際に映写フィルムをエミュレートするために、要求に応じてテクニカラーデイリーズを供給するJPEG 2000サーバー600は、表示装置が信号/ファイルを受け取る前に、デジタル出力の信号/ファイルに含まれる映像を、LUT経由で、対数から線形への変換を行うことができる。色の一貫性を保証するために、自動較正システム606は映写/表示装置604を較正する役に立つことができる。
要求に応じてテクニカラーデイリーズを供給するJPEG 2000サーバー600は、映写/表示装置604でデジタルデイリーズを実時間で閲覧する際に、後工程施設のサーバー(図示されていない)が供給するCDLデータとしての後工程からの/へのCDL607を利用することができる。かかる閲覧の最中に、製作責任者及び/又は撮影監督は、CDLに変更を加えることができる。この目的のために、CDL入力装置としてのCDLパネル608が要求に応じてテクニカラーデイリーズを供給するJPEG 2000サーバー600に接続し、CDLの修正が可能となる。それ以外の画像修正も、適切な画像修正入力装置(図示されていない)を用いることにより、同様に行うことができる。CDL入力装置としてのCDLパネル608経由でCDLへの変更が行われた後に、要求に応じてテクニカラーデイリーズを供給するJPEG 2000サーバー600は、CDLに対するそれらの変更を、後工程施設のサーバーに、後工程からの/へのCDL607として送信することになる。
図7は、図1の工程20に関して、試写後の整形及び色補正のための作業の流れの要素を示すブロック概略図である。図7の作業の流れにおいて実行される整形は、映画フィルムを作成するために原カメラネガフィルム(OCN)を分割し再配列する従来の手法に対応する。図7の作業の流れにおいて実行される色補正は、各場面の色の釣り合い(例えば焼付け条件の決定)を調整する従来の手法に対応する。図7を参照すれば、第1のファイルサーバー702は、典型的には未加工の4:4:4対数形式で、一つ以上のデジタル出力の信号/ファイルをアーカイブシステム302より受け取る。実際には、第1のファイルサーバー702は、米国カリフォルニア州サンラファエル市のAutodesk社より入手可能なStone FS高速ファイバーチャネル製品の部分を含む。
整形システム704は第1のファイルサーバー702が供給するファイルの編集と仕上げを、一つ以上の外部情報源からの編集決定リスト(EDL)のデータ及び時間符号情報に従って実行する。実際には、整形システム704は、典型的にはAutodesk FIRE (商標) 及び/又はAutodesk SMOKE (商標)ソフトウェアのような画像仕上げソフトウェアを動作させている一つ以上の処理装置の形を取る。かかるソフトウェア又はその相当品により、整形システム704は、例えば編集及び組み立てのような、試写の整形を遂行することが可能になる。編集と仕上げに引き続き、整形システム704が信号/ファイルを第1のファイルサーバー702に返すのは、第2のファイルサーバー706及びアーカイブシステム707に転送するためである。第1のファイルサーバー702と同様に、第2のファイルサーバー704は、米国カリフォルニア州サンラファエル市のAutodesk社より入手可能なStone FS高速ファイバーチャネル製品の部分を含む。
色調整システム708は、色調整前のデジタルデイリーズに付随するCDLデータを用いて、第2のファイルサーバー706に格納されているデジタル出力の信号/ファイル(即ち視聴覚作品)について色調整を行う。実際には、色調整システム708は、Autodesk LUSTRE (商標)ソフトウェアのような色調整ソフトウェアを実行している一つ以上の処理装置を含む。色調整ソフトウェア708が作成するデジタル出力の信号/ファイルは、試写サーバー710に格納される。
図8は、図1の工程22における視覚効果の作成に関して、視覚効果付与後の走査のための作業の流れの要素を示すブロック概略図である。視覚効果付与後の作業の流れは、図4について前述した要素の多くを使用し、同様の参照番号は同様の要素を記述する。前述の通り、走査器としてのテレシネ装置400は、OCNを走査して、2Kと4Kの双方の解像度のデジタル出力の信号/ファイルを生成し、SAN300に格納する。2Kと4Kの解像度の出力の信号/ファイルを供給することに加えて、走査器としてのテレシネ装置400はまた、走査されたフィルムを識別する走査リストを資産管理システム800に供給する。資産管理システム800は典型的にはサーバー(図示されていない)に存するデータベースを含み、視覚効果付与後の走査の過程において種々の活動(典型的にはプロジェクトと呼ばれる)を追跡する。各プロジェクトは特定のフィルム走査に対応する。その目的のために、資産管理システム800は、かかるフィルム走査と、付随するファイル名との間の関連、及び鍵符号の関係に加え、そのプロジェクトに関連する情報を格納することができる他のサーバーへの接続を含む代理情報を提供することになる。加えて、各プロジェクトについて、資産管理システム800はまた、視覚特殊効果(VFX)を提供することに責任を持つ事業者の身元に関する情報を格納することもできる。更に、資産管理システム800はまた、一つ以上の外部情報源(図示されていない)からの編集決定リスト(EDL)及び/又はALEデータを取得する能力も持つ。
SAN300に格納されているデジタル出力の信号/ファイルは、図7について述べられた色調整システム708経由で色の調整を受けることができる。色調整されたデジタル出力の信号/ファイルは次に映写フィルム用のLUT802経由で映写フィルムをエミュレートする変換を受ける。この目的のために、映写フィルム用のLUT802は、典型的には、デジタル出力の信号/ファイルに付随する映像を、対数から線形に変換することになり、必要ならばHD(高解像度)参照のための映写エミュレーションを適用することになる。遠隔試写システム804は、映写フィルム用のLUT802が変換したデジタル出力の信号/ファイル(典型的にはJPEG 2000の形式で存在する)を、インターネットで行うような、ネットワークでの連続遂次再生に適した、インターネットプロトコル用の形式の一つに変換する役割を果たす。
図9は、図1の工程26に関連して、家庭への配給など向けの一つ以上の視聴覚番組を仕上げるための、デジタル中間ファイル作成後の生成及び仕上げのための作業の流れの要素を示すブロック概略図である。図9の作業の流れは、多くの要素を図2から図8までの作業の流れと共通に持ち、同様の参照番号は同様の要素を記述する。図9の作業の流れは、走査器としてのテレシネ装置400のようなフィルム走査器を使用して、OCNを走査して2Kと4Kの双方の解像度のデジタル出力信号/ファイルを生成する。走査器からの2Kのファイルは、典型的には第3のファイルサーバー900に格納される。第3のファイルサーバー900は、図7の第1のファイルサーバー702及び第2のファイルサーバー706と同様に、米国カリフォルニア州サンラファエル市のAutodesk社より入手可能なStone FS高速ファイバーチャネル製品の部分を含む。走査器としてのテレシネ装置400からの4K解像度の出力ファイル/信号は、ファイバーチャネルストーレジ域ネットワーク(SAN)901に格納され、後にSAN300に転送される。SAN300が第1のファイルサーバー702及び第2のファイルサーバー706に接続を有しているのは、図7について前述した通りである。
前述の通り、走査器としてのテレシネ装置400は、図8について前述した資産管理システム800のような資産管理システムが受け取る走査リストを生成する。走査リストは、資産管理システム及び図7の整形システム704のような整形システムが受け取る、整形データを含むことができる。整形システム704は、整形データを用いて、SAN300から第1のファイルサーバー702へ転送されるデジタル出力の信号/ファイルの整形(例えば編集及び仕上げ)を行う。整形システム704が生成するデジタル出力の信号/ファイルは、一つ以上の視聴覚番組を含む。これは第1のファイルサーバー702に格納され、次にSAN300に戻される。
整形が終了したデジタル出力の信号/ファイルは、SAN300から、第2のファイルサーバー706のようなファイルサーバーに転送され、次に、図7について前述した色調整システム708のような色調整システムに転送され、最終的な色調整を受ける。最終的な色調整の後、デジタル出力の信号/ファイルは、仕上げられたデジタル中間ファイル(視聴覚プログラム)を含んでおり、典型的には、LUT902経由で、そのファイルに含まれる映像は、一般消費者用途のDVDの原盤を作成するために用いるのに適したHD(高解像度)10ビット対数のDPX(Digital Picture eXchange)形式に変換される。変換されたデジタル出力の信号/ファイルは、画面溶暗のためのメタデータ903を含むことができる。整形が終了したファイルはまた遠隔試写システム904に転送され、遠隔地点への連続遂次再生が可能となる。
図9のSAN300は、典型的にはThomson Grass Valley “Bones”撮影後工程ソフトウェアフレームワークの一部を含む品質管理局905に、接続する。品質管理局905を用いて、作業者は、一つ以上の視聴覚番組を含む、SAN300に格納済のデジタル出力の信号/ファイルを使用することができる。これにより、作業者は、かかるファイルに含まれるデジタル音声及び映像のうち少なくとも一つの品質を向上させるために、検査と変更を行う。時間を節約するために、作業者は、色修正の完了を待たずに、品質管理用の見直しを開始することができる。
SAN300は、一つ以上の仕上げられた視聴覚番組をデジタル形式で含むデジタル出力ファイルを、配給のためにデジタル映画館配給原版(DCDM)施設906へ送付することができる。すると、DCDM施設906は、かかる視聴覚番組をデジタル形式で含むデジタル出力の信号/ファイルを、デジタル映画館908のような、一つ以上のデジタル映画館に配給する役割を果たす。SAN300からのデジタル出力の信号/ファイルは、対応するセルロイドのネガフィルムを焼き付けることができる、ARRI社の製品のようなフィルム焼き付け機910に転送することもできる。SAN300は、アーカイブシステム302に類似なアーカイブシステム707に接続しているので、一つ以上の配送物を作成して外部事業者向けに送り出すことができる。
図9に関してこれまで述べたのは、走査器としてのテレシネ装置400がフィルムを走査して、4K解像度で出力したデジタル出力ファイルに関する作業の流れであった。前述の通り、走査器としてのテレシネ装置400は、第3のファイルサーバー900に格納する2K解像度のデジタル出力信号/ファイルを作成することもできる。かかるファイルは、4Kのデジタル出力ファイルについて述べたのと同様な手法で処理できる。
前述は、少なくとも一つの視聴覚情報をデジタル映画撮影との関連で処理するシステムと方法を記述している。
本願の原理の例示的な実施例により、視聴覚番組を作成するための作業の流れの要素を示す流れ図である。 本願の原理の例示的な実施例による、デジタル映画撮影のための作業の流れに関する要素のブロック概略図である。 本願の原理の例示的な実施例による、デジタル映像カメラにより記録された画像からデジタルデイリーズを作成するデジタル映画撮影のための作業の流れに関する要素のブロック概略図である。 本願の原理の例示的な実施例による、フィルムカメラにより記録された画像からデイリーズを作成するための作業の流れに関する要素のブロック概略図である。 本願の原理の例示的な実施例による、デジタルデイリーズを作成し品質管理を実現するための作業の流れに関する要素のブロック概略図である。 本願の原理の例示的な実施例による、制作現場でデイリーズを閲覧するための作業の流れに関する要素のブロック概略図である。 本願の原理の例示的な実施例による、試写後の整形及び色補正のための作業の流れに関する要素のブロック概略図である。 本願の原理の例示的な実施例による、視覚効果付与後の走査のための作業の流れに関する要素のブロック概略図である。 本願の原理の例示的な実施例による、デジタル中間ファイル作成後の生成及び仕上げのための作業の流れに関する要素のブロック概略図である。

Claims (18)

  1. (a)第1の画像処理操作中に調整される画像の少なくとも一つの特性における少なくとも一つの変更を示す第1の画像決定リストを生成する工程;
    (b)映写フィルムをエミュレートするように前記画像を変換する工程;及び
    (c)第2の画像処理操作中に前記エミュレートされた映写フィルムに従って前記画像の前記少なくとも一つの特性を更に調整するように前記第1の画像決定リストを変更する工程であって、前記第1の画像決定リストに関する前記変更された画像決定リストを実質的に正規化する、工程
    少なくとも1つのプロセッサが実行する方法。
  2. 工程(b)及び工程(c)を継起する画像処理操作について繰り返す工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の画像処理操作は画像記録を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記画像記録の工程はデジタル画像記録を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記画像記録の工程はフィルム画像記録を含む、請求項3に記載の方法。
  6. 前記第2の画像処理操作は記録された画像を閲覧する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記継起する画像処理操作は画像編集の工程を含む、請求項2に記載の方法。
  8. 前記継起する画像処理操作はデジタル画像の試写を含む、請求項2に記載の方法。
  9. 前記継起する画像処理操作は視覚特殊効果の作成を含む、請求項2に記載の方法。
  10. 前記継起する画像処理操作は仕上げられた視聴覚ファイルのデジタル形式における制作を含む、請求項2に記載の方法。
  11. 前記継起する画像処理操作はデジタル多目的ディスクの原盤作成を含む、請求項2に記載の方法。
  12. 第1の画像決定リストを生成する前記の工程は画像色における変更を示す第1の色決定リスト(CDL)を生成する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記第1の画像決定リストを変更する前記の工程は前記第1の色決定リストを変更する工程を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 第1の画像処理操作中に調整される画像の少なくとも一つの特性における少なくとも一つの変更を示す第1の画像決定リストを入力する画像決定リストデータ入力装置;並びに
    映写フィルムをエミュレートするように前記画像を変換する第1の処理手段;及び
    第2の画像処理操作中に前記エミュレートされた映写フィルムに従って前記画像の前記少なくとも一つの特性を更に調整するように前記第1の画像決定リストを変更する第2の処理手段であって、前記第1の画像決定リストに関する前記変更された画像決定リストを実質的に正規化する、第2の処理手段
    を含む装置。
  15. 前記第1の処理手段は少なくとも一つの参照表を含む、請求項14に記載の装置。
  16. 前記第1の処理手段は色調整を実行する、請求項14に記載の装置。
  17. 前記第2の処理手段は色調整を実行する、請求項14に記載の装置。
  18. 前記第2の処理手段は画像の整形及び色補正を実行する、請求項14に記載の装置。
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