JP5094348B2 - 表面被覆工具 - Google Patents

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本発明は基体の表面に被覆層を成膜してなる表面被覆工具に関する。
現在、表面被覆工具は、WC基超硬合金、TiCN基サーメット等の硬質材料の表面に様々な被覆層を成膜して摺動性、耐摩耗性、耐欠損性を向上させる手法が使われており、中でも物理蒸着法にて成膜された被覆層は高硬度で耐摩耗性が高く、種々の用途に広く採用されている。
上記物理蒸着法として、アークイオンプレーティング法やスパッタリング法を用いてTiやAlを主成分とする窒化物層を成膜することが好適に行われており、さらに工具寿命を延命させるためのこの窒化物層の改良が検討されている。最近、かかる物理蒸着法において、チャンバ内に組成の異なる複数種類のターゲットを装着してそれぞれのターゲットから異なる組成の金属元素を蒸発させるとともに、試料を載置する試料台を回転させながら被覆層を成膜することによって、金属組成が極薄い周期で変化する多層構造の構成とした被覆層が提案されており、ターゲットの組成を調整すること等によって被覆層の硬度や潤滑性、放熱性、耐熱性等を高める試みがなされている(例えば特許文献1〜4参照)。
中でも特許文献4では、TiAlN(O)を基本とする組成の被覆層を成膜するにあたって、異なる組成のターゲットを装着するとともにチャンバ内に導入する2種類のガスのガス導入孔の位置を各ターゲットの位置から近い位置に配置することによって、TiとAlの比率に加えて窒素と酸素の比率を周期的に変化させた被覆層が開示されており、高温硬さと耐熱性に優れ、かつ高強度な被覆層となることが開示されている。
特開2003−127005号公報 特開2004−42193号公報 特開2006−249574号公報 特開2004−169151号公報
しかしながら、特許文献1〜4のように金属元素の組成または非金属元素間の組成比だけを周期的に変化させた被覆層では、被覆層全体としての耐摩耗性や耐欠損性が必ずしも十分とは言えず、また被覆層の表面が高温になるような過酷な加工条件にて切削加工するような場合には被覆層の表面から酸化が進行して変質することによって耐摩耗性が低下することもあることから、耐酸化性を改善する必要があった。
また、特許文献4のように被覆層中のTiとAlとの比率および窒素元素と酸素元素の比率の両方を周期的に変化させる方法でも、硬度向上には限界があり、しかも耐チッピング性の更なる向上が要求されていた。
本発明は前記課題を解決するためのものであり、その目的は、耐摩耗性、耐酸化性および耐チッピング性が向上する被覆層を備えた表面被覆工具を提供することにある。
本発明の表面被覆工具は、基体の表面に、個々の平均層厚が1〜100nmの第1薄層と第2薄層の交互積層で全体平均層厚が0.8〜10μmの被覆層を形成したものであって、前記第1薄層が、組成式:M(C1−a−b−d(ただし、Mは、TiおよびAlと、さらに周期表第5、6族元素、Si、Y、Ceのうちの一種以上の金属元素とを含む、1.0<x/y≦1.5、0≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦d≦0.5)で表わされる構成であり、前記第2薄層が、組成式:M(C1−a−b−d(ただし、Mは、TiおよびAlと、さらに周期表第5、6族元素、Si、Y、Ceのうちの一種以上の金属元素とを含む、0.5≦x/y≦1.0、0≦a≦1、
0≦b≦0.5、0≦d≦0.5)で表わされる構成である。
ここで、前記構成において、前記第1薄層の平均層厚tが2〜10nm、前記第2薄層の平均層厚tが10〜30nmであり、かつ2≦t/t≦15であることが望ましい。
また、前記構成において、前記被覆層は、前記第1薄層と前記第2薄層との積層面に対して垂直な方向においては該垂直な方向に長く伸びる柱状結晶が形成されているとともに、隣接して存在する2つの該柱状結晶同士の界面において前記第1薄層と前記第2薄層の積層面が途切れることなく連続していることが望ましい。
本発明の表面被覆工具によれば、組成式:M(C1−a−b−d(ただし、Mは、TiおよびAlと、さらに周期表第5、6族元素、Si、Y、Ceのうちの一種以上の金属元素とを含む、1.0<x/y≦1.5、0≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦d≦0.5)で表わされる構成の第1薄層と、組成式:M(C1−a−b−d(ただし、Mは、TiおよびAlと、さらに周期表第5、6族元素、Si、Y、Ceのうちの一種以上の金属元素とを含む、0.5≦x/y≦1.0、0≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦d≦0.5)で表わされる構成の第2薄層とが交互積層した構成の被覆層を具備することによって、被覆層の耐欠損性が高く、また耐摩耗性が高いとともに、耐酸化性も高いものである。
ここで、前記構成において、前記第1薄層の平均層厚tが2〜10nm、前記第2薄層の平均層厚tが10〜30nmであり、かつ2≦t/t≦15であることによって、耐摩耗性と耐欠損性のバランスのよい被覆層となる。
また、前記構成において、前記被覆層は、前記第1薄層と前記第2薄層との積層面に対して垂直な方向に長く伸びる柱状結晶を形成しているとともに、隣接して存在する2つの該柱状結晶同士の界面において前記第1薄層と前記第2薄層の積層面が途切れることなく連続していることが、クラックの進展を抑制する効果が高く耐チッピング性を高めることができる点で望ましい。
本発明の表面被覆工具の一例について、好適な実施態様例である表面被覆切削工具の(a)概略斜視図、(b)概略断面図である図1、および被覆層の要部についての透過型電子顕微鏡写真である図2を用いて説明する。
図1によれば、本発明の表面被覆工具(以下、単に工具と略す。)1は、主面にすくい面3を、側面に逃げ面4を、すくい面3と逃げ面4との交差稜線に切刃5を有し、基体2の表面に被覆層6を成膜した構成となっている。
被覆層6は、図2に示すように、個々の平均層厚が1〜100nmの第1薄層7(明色部)と第2薄層8(暗色部)の交互積層で全体平均層厚が0.8〜10μmにて構成されている。また、第1薄層7は、組成式:M(C1−a−b−d(ただし、Mは、TiおよびAlと、さらに周期表第5、6族元素、Si、Y、Ceのうちの一種以上の金属元素とを含む、1.0<x/y≦1.5、0≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦d≦0.5)で表わされる構成であり、第2薄層8が、組成式:M(C1−a−b−d(ただし、Mは、TiおよびAlと、さらに周期表第5、6族元素、Si、Y、Ceのうちの一種以上の金属元素とを含む、0.5≦x/y≦1.0、0≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦d≦0.5)で表わされる構成となっている。そして、この構成によって、第1薄層7と第2薄層8との界面の存在によって格子歪みエネルギーが増加して硬度が向上し耐摩耗性が高くなる。また、被覆層6の表面にクラックが発生した場合には、第1薄層7と第2薄層8との界面の存在によってクラックの進展が妨げられるので被覆層6の耐欠損性が高くなる。さらに、第1薄層7は大気中で高温にさらされると酸化しやすいものであるが、酸化された第1薄層7はそれより内部に酸素が拡散することを抑制する効果がある。しかも、酸化された第1薄層7にはその直下の第2薄層8との界面が存在することから酸素がより拡散しにくく、結果的に被覆層6の耐酸化性が向上するのである。
なお、被覆層6の全体平均層厚が0.8μmより薄いと工具1の耐摩耗性が不十分であり、被覆層6の全体平均層厚が10μmより厚いと被覆層6の内部応力が高くなって被覆層6の耐欠損性が低下するおそれがある。被覆層6の全体平均層厚は1〜6μmであることが望ましい。また、第1薄層7と第2薄層8の個々の平均層厚が1nmよりも薄いと積層構造の効果が失われてしまい、100nmよりも厚いと硬度向上効果が期待できない。
また、第1薄層7の組成式におけるx/yの望ましい範囲は、1.05≦x/y≦1.3であり、第2薄層8の組成式におけるx/yの望ましい範囲は、0.8≦x/y≦0.95である。
ここで、第1薄層7の平均層厚tが2〜10nm、第2薄層8の平均層厚tが10〜30nmであり、かつ2≦t/t≦15であることが、耐摩耗性と耐欠損性のバランスのよい被覆層6となる点で望ましい。なお、第1薄層7の平均層厚tの望ましい範囲は4〜10nmであり、第2薄層8の平均層厚tの望ましい範囲は15〜30nmであり、比率t/tの望ましい範囲は2.5≦t/t≦7である。
また、図2の透過型電子顕微鏡写真に示すように、被覆層6は第1薄層7と第2薄層8との積層面に対して垂直な方向においては該垂直な方向に長く伸びる柱状結晶9が形成されているとともに、隣接して存在する2つの柱状結晶9、9同士の界面において第1薄層7と第2薄層8の積層面が途切れることなく連続していることが望ましい。これによって、クラックの進展を抑制する効果が高く被覆層6の耐チッピング性を高めることができる。なお、図2において、被覆層6の最表面に存在する白い層は分析試料を作製する際に形成する保護層である。
ここで、本発明においては、基体2の表面と平行な方向の結晶幅に対して基体表面と垂直な方向の結晶長さが1.5倍以上長い結晶で特定される結晶を柱状結晶9と定義する。そして、被覆層6が柱状結晶9にて構成されることによって、工具1の靭性をさらに高めることができる。
また、柱状結晶9の平均結晶幅(第1薄層7と第2薄層8との積層面方向についての粒径)が0.05μm以上であると被覆層6の耐酸化性が低下することなく、一方、柱状結晶9の平均結晶幅が0.3μm以下であると被覆層6の硬度および耐欠損性が高いものである。被覆層6の平均結晶幅の望ましい範囲は、0.1〜0.2μmである。なお、本発明において、被覆層6の平均結晶幅を測定するには、被覆層6の断面写真において、被覆層6の中間の厚さにあたる部分に線A(図示せず。)を引いて測定する。具体的には、被覆層6中の柱状結晶9の平均結晶幅は線Aの100nm以上の長さL(図示せず。)を特定し、この長さLの線Aを横切る粒界の数を数えて、長さL/粒界の数によって算出する。
また、被覆層6の組成において、金属元素Mとしては、特に硬度の高いTiおよびAlと、さらに周期表第5、6族元素、Si、Y、Ceのうちの一種以上を含むものであるが
、TiおよびAlと、他にNb、Mo、Ta、W、CrおよびSiの少なくとも1種を併せて含むことが望ましい。
また、基体2としては、炭化タングステンや炭窒化チタンを主成分とする硬質相とコバルト、ニッケル等の鉄族金属を主成分とする結合相とからなる超硬合金やサーメットの硬質合金、窒化ケイ素や酸化アルミニウムを主成分とするセラミックス、多結晶ダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素からなる硬質相とセラミックスや鉄族金属等の結合相とを超高圧下で焼成する超高圧焼結体等の硬質材料が好適に使用される。
(製造方法)
次に、本発明の表面被覆工具の製造方法について説明する。
まず、工具形状の基体2を従来公知の方法を用いて作製する。次に、基体2の表面に被覆層6を成膜する。被覆層6の成膜方法としてはイオンプレーティング法等の物理蒸着(PVD)法が好適に適応可能である。詳細な成膜方法の一例について、アークイオンプレーティング成膜装置(以下、AIP装置と略す。)20の模式図である図3、および成膜中の試料の回転状態を示す模式図である図4を参照して説明する。
図3のAIP装置20は、真空チャンバ21の中にNやAr等のガスをガス導入口22から導入し、カソード電極23とアノード電極24とを配置して、両者間に高電圧を印加してプラズマを発生させ、このプラズマによってターゲット25から所望の金属あるいはセラミックスを蒸発させるとともにイオン化させて高エネルギー状態とし、このイオン化した金属を試料(基体2)の表面に付着させて基体2の表面に被覆層6を被覆する構造となっている。また、図3によれば、基体2はタワー27にセットされて試料支持台26上に複数個ずつ載置され、この試料支持台26が複数(図3では2セット、図4では6セットが図示されている。)配置されたテーブル28に載置された構成となっている。さらに、図3によれば、基体2を加熱するためのヒータ29と、ガスを系外に排出するためのガス排出口30と、基体2にバイアス電圧を印加するためのバイアス電源31が配置されている。
なお、ターゲット25としては、例えば、金属チタン(Ti)、金属アルミニウム(Al)と、周期表第5、6族元素、Si、Y、Ceのうちから選ばれる1種以上の金属とをそれぞれ独立に含有する金属ターゲット、これらを複合化した合金ターゲット、これらの炭化物、窒化物、硼化物化合物粉末または焼結体からなる混合物ターゲットを用いることができる。
そして、ターゲット25を用いて、アーク放電やグロー放電などにより金属源を蒸発させイオン化すると同時に、窒素源の窒素(N)ガスや炭素源のメタン(CH)/アセチレン(C)ガス、酸素(O)ガスと反応させることにより、基体2の表面に被覆層6が堆積する。
また、成膜に際しては、図3における基体2の各位置においてターゲット25に対して最も近づく向きになる周期を試料の回転数としたとき、回転数が2〜6rpmの周期となるように基体2および試料支持台26の回転数を調整することが望ましい。
ここで、本発明においては、基体2がターゲット25に近づいて対向する向きに配置された場合には、ターゲット25からの金属成分が直線的に飛来する形態となり、しかも、チャンバ内に導入するガスの濃度分布によってガス圧が低いことから金属のほうが非金属よりも多く堆積する形態で成膜される。一方、基体2が上記位置に対してターゲット25から遠ざかりかつ対向しない向きとなった場合には、成膜される金属成分は回り込んで堆積する形態になるので金属成分の堆積量は減少する。しかも、試料台の中心から非金属成分のガスが導入されるので、基体2がターゲット25から遠ざかるにつれてガスの濃度は高くなり、非金属のほうが金属よりも多く堆積する形態で成膜される。
また、基体2が載置された試料支持台26は、図4に示すように、タワー27が自転しながら、それぞれの試料支持台26が自転し、さらに複数の試料支持台26が公転するようにテーブル28が回転しながら成膜される。本発明によれば、この回転のタイミングを不連続な動きとし、かつ基体2がターゲット25に近づいて対向する向きに配置される時間と、基体2がターゲット25から遠ざかって配置される時間とを調整することによって、第1薄層7と第2薄層8の層厚を制御することが可能である。
また、プラズマを発生するためにはアーク放電やグロー放電などを用い、導入ガスは窒素源の窒素(N)ガスや炭素源のメタン(CH)/アセチレン(C)ガス、酸素(O)ガスを用いることができる。さらに、成膜時のバイアス電圧は、被覆層の結晶構造を考慮して高硬度な被覆層6を作製できるとともに基体2との密着性を高めるために、成膜初期が50〜200Vに設定することが望ましい。
平均粒径0.8μmの炭化タングステン(WC)粉末を主成分として、平均粒径1.2μmの金属コバルト(Co)粉末を10質量%、平均粒径1.0μmの炭化バナジウム(VC)粉末を0.1質量%、平均粒径1.0μmの炭化クロム(Cr)粉末を0.3質量%の割合で添加し混合して、プレス成形によりDCGT11T302ER−Uのスローアウェイチップ形状に成形した後、脱バインダ処理を施し、0.01Paの真空中、1450℃で1時間焼成して超硬合金を作製した。また、各試料のすくい面表面をブラスト加工、ブラシ加工等によって研磨加工した。さらに、作製した超硬合金にブラシ加工にて刃先処理(ホーニング)を施した。
このようにして作製した基体に対してアークイオンプレーティング法により表1に示す種々の組成にて被覆層を成膜した。なお、窒素ガス導入孔は図3のように試料台の中心部となるように設定した。また、第1薄層と第2薄層の厚みを調整するために試料がターゲットを向く時間を制御できるように試料台の回転のうちの自転する回転は不連続な回転とした。
得られた試料に対して、被覆層の表面を含む断面について透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察し、被覆層を構成する結晶の平均結晶幅を求めた。また、TEMにて観察する際に、各被覆層の任意3箇所における組成をエネルギー分散分光分析(EDS)によって測定し、これらの平均値を各被覆層の組成として算出した。図2は試料No.2についてのTEM写真である。
次に、得られた外径切削工具DCGT11T302ER−U形状のスローアウェイチップを用いて以下の切削条件にて切削試験を行った。結果は表3に示した。
切削方法:外径旋削加工
被削材 :炭素鋼
切削速度:150m/分
送り :0.03mm/rev
切り込み:1.5mm
切削状態:湿式
評価方法:90分切削後の横逃げ面摩耗と先端摩耗、チッピングの有無を顕微鏡にて測定した。
表1〜3に示す結果より、第1薄層と第2薄層とが積層した構成でなく被覆層全体が単一な組織からなる試料No.10では、チッピングが発生した。また、被覆層全体の層厚が0.8μmより薄い試料No.11では耐摩耗性が劣るものであった。さらに、被覆層全体の層厚が10μmを超える試料No.12では早期に欠損が発生してしまった。また、第1薄層と第2薄層のx/yの比率が同じである試料No.13、14では、耐摩耗性、耐欠損性とも悪いものであった。
これに対して、本発明の範囲内である試料No.1〜3、5〜7、9では、いずれも被覆層が耐欠損性および耐酸化性に優れて良好な切削性能を発揮した。
本発明の表面被覆工具の好適例である表面被覆切削工具の一例を示す(a)概略斜視図、(b)概略断面図である。 図1の表面被覆切削工具における被覆層の要部についての透過型電子顕微鏡写真である。 本発明の表面被覆工具を製造する際の被覆層の成膜工程において、アークイオンプレーティング成膜装置の模式図である。 本発明の表面被覆工具を製造する際の被覆層の成膜工程における成膜中の試料全体の回転状態を示す模式図である。
符号の説明
1 表面被覆工具
2 基体
3 すくい面
4 逃げ面
5 切刃
6 被覆層
7 第1薄層
8 第2薄層
9 柱状結晶
20 AIP装置
21 真空チャンバ
22 ガス導入口
23 カソード電極
24 アノード電極
25 ターゲット
26 試料支持台
27 タワー
28 テーブル
29 ヒータ
30 ガス排出口
31 バイアス電源

Claims (3)

  1. 基体の表面に、個々の平均層厚が1〜100nmの第1薄層と第2薄層の交互積層で全体平均層厚が0.8〜10μmの被覆層を形成した表面被覆工具であって、
    前記第1薄層が、組成式:M(C1−a−b−d(ただし、Mは、TiおよびAlと、さらに周期表第5、6族元素、Si、Y、Ceのうちの一種以上の金属元素とを含む、1.0<x/y≦1.5、0≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦d≦0.5)で表わされる構成であり、
    前記第2薄層が、組成式:M(C1−a−b−d(ただし、Mは、TiおよびAlと、さらに周期表第5、6族元素、Si、Y、Ceのうちの一種以上の金属元素とを含む、0.5≦x/y≦1.0、0≦a≦1、0≦b≦0.5、0≦d≦0.5)で表わされる構成である表面被覆工具。
  2. 前記第1薄層の平均層厚tが2〜10nm、前記第2薄層の平均層厚tが10〜30nmであり、かつ2≦t/t≦15である請求項1記載の表面被覆工具。
  3. 前記被覆層は、前記第1薄層と前記第2薄層との積層面に対して垂直な方向に長く伸びる柱状結晶を形成しているとともに、隣接して存在する2つの該柱状結晶同士の界面において前記第1薄層と前記第2薄層の積層面が途切れることなく連続している請求項1または2記載の表面被覆工具。
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