JP5091015B2 - 圧縮式冷凍機 - Google Patents

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本発明は、二段以上の多段圧縮機、凝縮器、蒸発器、及びエコノマイザを備えた圧縮式冷凍機に関するものである。
従来、この種の圧縮式冷凍機は、電動機によって駆動される圧縮機、凝縮器、蒸発器、エコノマイザを備え、これらを冷媒配管で連結して構成されている。また、この種の圧縮式冷凍機は、軸受を潤滑するための潤滑油循環系を備えている。この潤滑油循環系は、油ポンプ、潤滑油タンクを備え、該潤滑油タンク内の潤滑油を潤滑油供給管を通して、例えば電動機の軸受に供給し、該軸受を潤滑した後の潤滑油を戻し管を通して潤滑油タンクに戻すように構成している。潤滑油には冷媒と相溶性のあるものを用いており、潤滑油循環系の軸受部から漏れ出した潤滑油は、運転中、冷媒循環系の冷媒中に溶け込むが、潤滑油循環系にも冷媒が溶け込むことになる。軸受潤滑に供する潤滑油は、適正な粘性を保持する必要があり、現実的には潤滑油の温度と濃度を調整することになる。
一方潤滑油は軸受の冷却をも兼ねており、機械損失による発熱分を除去し、潤滑油自身は温度上昇する。この熱量を滑油循環系を循環する潤滑油から除去するため、従来は油冷却器を設置し、この熱量(即ち油冷却器を冷却して蒸発した冷媒蒸気)を蒸発器に戻しており、蒸発器の負荷となっていた。
圧縮機は、駆動する電動機、軸受、増速ギアを含めて密閉化されており、上述のように潤滑油は冷媒蒸気を吸収して冷媒との混合溶液になる。一方、軸受や増速ギア部から少量の潤滑が漏れ出て冷媒中に混入する。長期間の潤滑油漏出により、潤滑油循環系の油不足による循環不能が生じるので、冷媒液中から潤滑油を回収し潤滑油循環系に戻すと共に、冷媒を濃縮する操作も行っている。この際、潤滑油と共に冷媒が潤滑油循環系に入るが、過剰な冷媒は蒸発して、潤滑油タンクから均圧管を通して、蒸発器に戻される。
圧縮式冷凍機の起動時には、蒸発器圧力や温度が急激に低下する(冷媒は常温から冷水を冷却する温度に変化する。空調条件でいえば、夏期の外気温30℃付近から蒸発温度6℃に変化する。)。この際、潤滑油中に溶け込んでいる冷媒が蒸発してきて、粘性の高い潤滑油中に気泡となって現われる。即ちフォーミングが生じる。このフォーミングにより、潤滑油の見かけの体積が急膨張し、潤滑油が潤滑油タンクから流出したり、或いは潤滑油ポンプでの油圧が上昇しない等の悪影響が生じる。このフォーミング現象を抑えるため、 圧縮式冷凍機の停止中はヒータで加熱し、潤滑油を所定の温度(60〜65℃程度)に維持し、潤滑油が冷媒を吸収するのを抑え、潤滑油中の冷媒濃度を低く保持している。しかし圧縮式冷凍機の停止中の潤滑油温度を高く維持する分、放熱量が増え、ヒータで消費される電力が無駄になる。また、蒸発器圧力などの急変を避けるため、潤滑油タンクの圧力を徐々に低下させるようにしたりしているが、そうすると圧縮式冷凍機の起動時の立ち上がり時間が長くなってしまう。
また、従来は、潤滑油タンク内圧を蒸発器圧力に均圧し、軸受室で潤滑油に吸収或いは入り込んだ冷媒を、潤滑油タンクで蒸発させ、該冷媒蒸気を蒸発器に放出していた。そのため、放出された冷媒量だけ、圧縮機の仕事が増加することになっていた。また潤滑油タンク内圧を蒸発器内圧力と均圧にした場合、既に述べたように、起動時の急激な圧力低下によるフォーミングの懸念などがあった。これに対して潤滑油タンク内圧を凝縮器圧力に均圧にすれば、潤滑油循環系に入り込んだ冷媒は、凝縮器系に放出され、圧縮機負荷にならず、また、圧縮式冷凍機の起動時の油タンクの大きな圧力低下は無く、省エネルギー及び起動特性で優れたものとなっている。実際の実機運転でこれらの利点が確認されている。
ただし、実験では、潤滑油タンク内圧を凝縮器圧に均圧にしたときに、軸受室から冷媒循環系に漏れ出す潤滑油の量が多く、なかなか減らすことが出来ない。潤滑油が漏れ出す経路を推定すると、軸受室から該軸受室に隣り合わせとなる圧縮機羽根車の裏側部に最も多く、電動機室側にも少量漏れていると考えられる(潤滑油タンクの油の量を測定、各部圧力測定から油の漏れ経路を推定している。)。これらの境にはラビリンスシール等を設け、潤滑油が移動するのを防いでいる。500冷凍トンのターボ冷凍機の実験では、凝縮器均圧にて当初500〜1000cc/hあり、ラビリンスの強化で半減させることができたが、皆無に近くすることはできない(冷媒循環系からの油回収機能を強化すれば、運転は可能であるが、蒸発器に溜まる油を回収するための装置が大きくなり、また場合によってはエネルギーも必要になってくる。)。ところで、均圧管により均圧にするとは、均圧管を通して蒸気の移動をさせ、圧力差を殆ど無くすことである。蒸気が移動するので完全に圧力が等しくなるわけではない。
なお、潤滑油循環系からの油が減少し過ぎると、潤滑油ポンプの運転が不能になり、油循環ができなくなる。また、漏れ出た油は、冷媒循環系に入り蒸発器に溜まることになるが、沸騰伝熱を悪化させると共に、油混入による沸点上昇で同一冷媒温度に対して沸騰圧力が低下するので、圧縮機の仕事量を増大させることになり、冷凍機の効率低下をも招くことになる。
特開2008−14577号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、潤滑油が冷媒中に混入するのを極力避け、潤滑油の適正な粘度を保持することができるとともに、冷凍機の負荷を増大させない圧縮式冷凍機を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、圧縮式冷凍機運転中にフォーミング等による潤滑油の供給不能な状態を避けることができる圧縮式冷凍機を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明は、二段以上の多段圧縮機と、凝縮器と、蒸発器と、エコノマイザを冷媒が循環する冷媒配管によって連結してなる冷媒循環系を具備すると共に、多段圧縮機の軸受を潤滑する潤滑油が貯留されている潤滑油タンクを具備してなる圧縮式冷凍機において、潤滑油タンク内の潤滑油を潤滑油供給管を介して油ポンプで軸受に供給し、該軸受を潤滑した潤滑油を潤滑油戻し管を介して潤滑油タンクに戻す潤滑油循環系を設け、潤滑油タンク内とエコノマイザ内を均圧管で連結し、潤滑油タンク内圧とエコノマイザ内圧を均圧にしたことを特徴とする。
上記のように、潤滑油タンク内とエコノマイザ内を均圧管で連結し、潤滑油タンク内圧とエコノマイザ内圧を均圧にしたので、潤滑油タンク内圧を蒸発器内圧に均圧させる従来の方式に比較して潤滑油の温度と濃度を適正な値に容易に調整できる。また、損失を出さずに省エネルギー化を図ることができる。なお、潤滑油タンク内と凝縮器内を均圧管で連結し、潤滑油タンク内圧が凝縮器内圧と均圧になるようにし、電動機の冷却を凝縮器冷媒で行って、電動機の損失熱で蒸発した冷媒蒸気を凝縮器に戻しているシステムでは、軸受室の圧力が電動機室の圧力よりも少し高くなる傾向があり、軸受室の潤滑油が電動機室に漏れ出る量が多くなるという問題がある。また、漏れ出た潤滑油回収の際にエネルギーを消費するので、あまり省エネルギーにならない。
また、本発明は、上記圧縮式冷凍機において、軸受を軸受室で囲み、多段圧縮機の吐出側圧力部と該多段圧縮機を駆動する駆動機のロータ室内をラビリンス或いは狭い隙間で分離したことを特徴とする。
上記のように、軸受を軸受室で囲み、多段圧縮機の吐出側圧力部と該多段圧縮機を駆動する駆動機のロータ室内をラビリンス或いは狭い隙間で分離したので、軸受室内圧が略エコノマイザ内圧となり、多段圧縮機の吐出段の羽根車の主板裏側圧力よりも少し低い圧力となり、多段圧縮機の吐出側から軸受室への冷媒蒸気の漏れ込み量は僅かになる。また、軸受室の圧力は電動機室(ロータ室)の圧力よりも低いので、圧力差によって軸受室の潤滑油が電動機室に漏れ出ることはない。従来の軸受室内圧(潤滑油タンク内圧)を蒸発器内圧に均圧していた技術に比較し、多段圧縮機の吐出段羽根車の主板裏側圧力との差、及び電動機室との圧力差が小さくなるので、軸受室への冷媒蒸気漏れ量は少なくなる。なお、潤滑油タンク内圧を凝縮器内圧に均圧とした場合は、軸受室の圧力は多段圧縮機の吐出段羽根車の主板裏側圧力より高く、また電動機室の圧力よりは少し高くなるので、軸受室の潤滑油が多段圧縮機の吐出段羽根車の主板裏側及び電動機室に漏れ出る危険が高く、漏れ量も多くなるという問題がある。従って、潤滑油タンク内圧をエコノマイザ内圧に均圧した方が、潤滑油漏れに関して、ずっと安全である。
2段圧縮機及びエコノマイザを持つ冷凍機では、機内に、大きく分けて、蒸発器圧力、凝縮器圧力、それらの中間的な圧力であるエコノマイザ圧力の3レベルの圧力がある。そこで、潤滑油タンクの均圧先をエコノマイザにして実験すると、潤滑油循環系の油の減少量は極端に少なくなり、ラビリンスを強化している実験機では、1〜10cc/h以下となった。圧力計測の結果、軸受室の圧力が圧縮機の羽根裏圧力より低く、且つ電動機室圧力よりも低く、基本的な冷媒ガスの流れが軸受室方向になり、油の減少がなくなっていると考えられる。少量の油は軸を伝わって漏れ出る、或いは起動時などの圧力の定まらないときの油の漏れ出しと考えられる。この潤滑油タンク内をエコノマイザ内圧に均圧にすることで、従来技術の蒸発器均圧と油減少に関しては略同等で、省エネルギー性の改善を図ることができた。
また、本発明は、上記圧縮式冷凍機において、潤滑油循環系に冷媒によって潤滑油を冷却する油冷却手段を設け、潤滑油温度と、エコノマイザ温度或いはエコノマイザ温度に関連する物理量とを関連付けたデータを用いて油冷却手段を制御する制御手段を有することを特徴とする。
上記のように、潤滑油循環系に冷媒によって潤滑油を冷却する油冷却手段を設け、制御手段により潤滑油温度と、エコノマイザ温度或いはエコノマイザ温度に関連する物理量とを関連付けたデータを用いて油冷却手段を制御するので、潤滑油は軸受の冷却を兼ねており、機械損失による発熱分を受取り、潤滑油自身は昇温している。この熱量を潤滑油循環系から除去するために、冷却手段に凝縮器からの冷媒を導入して冷却し、この熱量(即ち油冷却器を冷却して蒸発した冷媒蒸気)を凝縮器或はエコノマイザに戻して、この冷媒蒸気を蒸発器に戻して蒸発器の負荷となっていた従来技術に比較し、省エネルギーになる。
また、本発明は、上記圧縮式冷凍機において、冷媒循環系から潤滑油を含む冷媒を受け入れ加熱して冷媒を蒸発させ潤滑油を濃縮する濃縮器を設け、濃縮器で蒸発した冷媒蒸気を、蒸発器から多段圧縮機の吸込み部までの低圧部に戻し、濃縮器で濃縮した冷媒を潤滑油循環系に戻すことを特徴とする。
上記のように、冷媒循環系から潤滑油を含む冷媒を受け入れ加熱濃縮する濃縮器を設け、濃縮器で蒸発した冷媒蒸気を、蒸発器から多段圧縮機の吸込み部までの低圧部に戻し、濃縮器で濃縮した冷媒を潤滑油循環系に戻すので、冷媒循環系から潤滑油を含む冷媒を濃縮器で受け入れ加熱濃縮した後、潤滑油循環系に潤滑油を戻すため、潤滑油循環系に多量の冷媒が入ることを防ぎ、フォーミングの発生を防ぐことができる。また、潤滑油循環系に入った冷媒は、蒸発器ではなくエコノマイザに放出するので、濃縮による損失を少なくすることができる。
また、本発明は、上記圧縮式冷凍機において、冷媒加熱手段が凝縮器或いはエコノマイザから供給される冷媒であることを特徴とする。
上記冷媒加熱手段が凝縮器或いはエコノマイザから供給される冷媒であるので、冷媒を加熱放出する熱源が、凝縮器或いはエコノマイザからの冷媒となり、放出される冷媒の冷凍効果は、熱源となる冷媒を冷却することで、その冷媒に冷凍効果を与えることにより、省エネルギーを計ることができる。
請求項1に記載の発明によれば、潤滑油タンク内圧とエコノマイザ内圧を均圧にしたので、潤滑油タンク内圧を蒸発器内圧に均圧させる従来の方式に比較して潤滑油の温度と濃度を適正な値に容易に調整できる。また、損失を出さずに省エネルギー化を図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、軸受室内圧が略エコノマイザ内圧となり、多段圧縮機の吐出段の羽根車の主板裏側圧力よりも少し低い圧力となり、多段圧縮機の吐出側から軸受室への冷媒蒸気漏れ込み量は僅かになる。また、軸受室の圧力は電動機室の圧力よりも低いので、圧力差によって軸受室の潤滑油が電動機室に漏れ出ることはない。
請求項3に記載の発明によれば、制御手段により潤滑油温度と、エコノマイザ温度或いはエコノマイザ温度に関連する物理量とを関連付けたデータを用いて油冷却手段を制御するので、省エネルギーになる。
請求項4に記載の発明によれば、冷媒循環系から潤滑油を含む冷媒を濃縮器に受け入れ加熱濃縮した後、潤滑油循環系に潤滑油を戻すため、潤滑油循環系に多量の冷媒が入ることを防ぎ、フォーミングの発生を防ぐことができる。また、潤滑油循環系に入った冷媒は、蒸発器ではなくエコノマイザに放出するので、濃縮による損失を少なくすることができる。
請求項5に記載の発明によれば、冷媒を加熱放出する熱源が、凝縮器或いはエコノマイザからの冷媒となり、放出される冷媒の冷凍効果は、熱源となる冷媒を冷却することで、その冷媒に冷凍効果を与えることにより、省エネルギーを計ることができる。
以下、本願発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態例〕
図1は本発明の第1実施形態としての圧縮式冷凍機1−1の全体概略構成を示す図である。図1に示す圧縮式冷凍機1−1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを有する圧縮式冷凍機であり、冷媒を封入したクローズドシステムを備えている。即ち、冷水(被冷却流体)101から熱を奪って冷媒が蒸発し、冷凍作用を発揮する蒸発器11と、該蒸発器11で発生した冷媒蒸気を圧縮して高圧蒸気にする圧縮機13と、該高圧蒸気を冷却水102で冷却して凝縮させる凝縮器17と、該凝縮器17で凝縮した冷媒を中間圧力にて蒸発冷却させるエコノマイザ18とを、冷媒配管21で連結したクローズドシステムを構成している。圧縮機13は2段以上の多圧縮機(ここでは2段圧縮)であり、電動機15で駆動されるようになっている。
本圧縮式冷凍機1−1は、図示を省略する制御装置(制御手段)を備え、電動機15の駆動制御や、後述する各種ポンプや各種機器の駆動制御をするようになっている。後に詳述するように、圧縮機13と電動機15の軸は一体に構成され軸受23、23により回転自在に支持されている。蒸発器11と圧縮機13は冷媒配管21aで連結され、圧縮機13と凝縮器17は冷媒配管21bで連結され、凝縮器17とエコノマイザ18は冷媒配管21cで連結され、エコノマイザ18と蒸発器11は冷媒配管21dで連結されている。また、凝縮器17とエコノマイザ18を連結する冷媒配管21cには膨張機(膨張弁)19a、エコノマイザ18と蒸発器11を連結する冷媒配管21dには膨張機(膨張弁)19bが設けられている。
この圧縮式冷凍機1−1は、軸受23、23を潤滑するため潤滑油が循環する潤滑油循環系を備えている。該潤滑油循環系は、潤滑油を貯留する潤滑油タンク25と、油ポンプ27と、潤滑油供給配管29aと、潤滑油戻り配管29bとを備えている。潤滑油タンク25内の潤滑油は油ポンプ27により潤滑油供給配管29aを通って電動機15の両側に設置された軸受23、23に供給され、該軸受23、23を潤滑した後の潤滑油は潤滑油戻り配管29bを通って潤滑油タンク25に戻るようになっている。なお、軸受23に転がり軸受を用いれば、従来のすべり軸受よりも、潤滑油の許容粘性範囲を広くとることができ、潤滑油管理が容易となる。
潤滑油タンク25内には潤滑油液面が形成され、その上部は冷媒蒸気、下部は潤滑油と冷媒の混合溶液(以下場合に応じて「混合溶液」又は「潤滑油」という)が存在する部分となっている。潤滑油タンク25内には、油冷却手段として熱交換器(以下「油冷却器」という)33が設置されている。この油冷却器33は冷媒によって潤滑油を冷却するようになっており、凝縮器17とエコノマイザ18を連結する冷媒配管21cを通る冷媒(液)がポンプ35により配管34aを通って油冷却器33に供給され、油冷却器33で潤滑油を冷却した冷媒(蒸気)は配管34bを通って凝縮器17に戻るようになっている。また、冷媒配管21cを通る冷媒(液)はポンプ35により配管36aを通って電動機15のステータ部に供給され、該ステータ部を冷却した冷媒(蒸気)は配管36bを通って凝縮器17に戻るようになっている。
潤滑油タンク25には油ポンプ27の下流側の配管29aに潤滑油を潤滑タンク25内に戻す油逃し配管37が接続され、該油逃し配管37には圧力調整用の油逃し弁39が設けられている。油逃し弁39で潤滑油タンク25に所定圧力以上となった潤滑油を戻す場合、潤滑油タンク25中の潤滑油液面の下に戻すのが望ましい。なお、油冷却器33は潤滑油タンク25の外に設けても良い。また、油ポンプ27は潤滑油タンク25内に設けてもよく、また油逃がし弁39は油ポンプ27と一体に設けても良い。なお、圧縮式冷凍機1−1の停止中に、潤滑油温度が冷媒温度に近づくと、冷媒を多量に吸収してしまうため、潤滑油タンク25内には油加熱用のヒータ24を設置し、圧縮式冷凍機1−1が停止中の潤滑油温度の調整に用いている。
本実施形態例では、電動機15の両側に配置された軸受23、23をころがり軸受としている。そして軸受23,23がころがり軸受の場合、ボール或いはローラーに潤滑油を噴射或いは流下させて潤滑し、潤滑した潤滑油を潤滑油戻り配管29bを通して潤滑油タンク25に戻している。潤滑油中の冷媒の一部は軸受23内の空間では冷媒蒸気になっており、潤滑油タンク25と後述する軸受室70との間に均圧管71(図5参照)を連結し、軸受室70の内圧と潤滑油タンク25の内圧とを均圧にすることが、軸受23、23を潤滑した潤滑油を潤滑油タンク25に戻す点から好ましい。
潤滑油タンク25とエコノマイザ18とは均圧管31によって連結されている。従って、潤滑油タンク25の内圧(液面上方の空間圧)とエコノマイザ18の内圧は均圧しており、軸受23、23にから戻ってきた潤滑油が潤滑タンク25の上部から落下していく間、及び潤滑油液面で、冷媒蒸気空間に暴露され、略気液平衡関係で潤滑油の冷媒の濃度が決まる。ここで図7は潤滑油(混合溶液)の特性例を示す図である。各冷媒濃度における冷媒露点(冷媒圧力を飽和温度に換算したもの)と、混合溶液温度との関係を示す図である。なお、図中の濃度は質量濃度mass%である。そして例えばエコノマイザ温度20℃、混合溶液温度55℃で定常運転していると、図7から混合溶液の冷媒濃度は約10%であることが分かる。
潤滑油タンク25内の潤滑油溜り部には、油冷却器33が配置され凝縮器17からの冷媒で冷却され、例えば45℃になって軸受23に供給される。軸受23の機械損失分で混合溶液温度が上昇し、先ほどの55℃になって潤滑油タンク25に戻る。つまり例えば図7に示す混合溶液の温度を露点と関連付けたデータを用いた油冷却器33を制御装置で制御することで、冷媒濃度を略一定にすることも可能である。逆に混合溶液の温度を露点に追従させれば、冷媒濃度変化は生じない。即ちフォーミングを防ぐことができる。このように潤滑油(冷媒+油の混合溶液)を簡易な構成で適正な粘度(温度と濃度)に保持することができる。
図6は電動機15及び軸受23の部分の詳細を示す図である。軸受23は電動機15の軸の一端部と、電動機15の軸の他端部と圧縮機13の吐出側の間に配置されている。軸受23、23は、軸受室70で囲まれ(軸受室70内に配置され)、圧縮機13の吐出側圧力部(羽根車裏側部)と電動機15のロータ室15bが配置されているロータ室15bの間にはラビリンス或いは狭い隙間Lが配置され分離されている。軸受室70は前述のように均圧管71によって潤滑油タンク25と均圧が取られているので、略エコノマイザ18の圧力である。従来の軸受室は、蒸発器11と均圧を取っていたので、冷媒蒸気が圧縮機13及び電動機15から多量に入り込むようになっており、この蒸気が蒸発器11に入っていくので、効率低下を招いていた。なお、軸受室70を凝縮器17に均圧させた場合には、軸受室70の圧力が電動機15のロータ室15bよりも僅かに高くなる傾向にあり、また、圧縮機13の吐出段羽根車の主板裏側圧力よりは高い圧力となるので、軸受室70に冷媒蒸気は入ってこないが、軸受室70の潤滑油が電動機15のロータ室15b及び圧縮機13の吐出段羽根車の主板裏側に漏れ、その量が多くなる。
本発明の場合はこのようなことがないので、軸受室70の境は簡単なラビリンス或いは狭い隙間Lの隔壁とすることができ、簡易化が可能となる。また、上記実施形態例では、軸受室70が略エコノマイザ18の圧力で、凝縮器17と蒸発器11の中間圧力となり、圧縮機13の吐出段の羽根車の主板裏側圧力よりも少し低い圧力で、圧縮機13の吐出側から軸受室70への冷媒蒸気漏れこみ量は僅かである。また、軸受室70の内圧は電動機15のロータ室15b内圧よりも低いので、圧力差によって軸受室70の潤滑油が電動機15のロータ室15bに漏れ出ることはなく、従来の蒸発器11に均圧していた場合よりも、冷媒蒸気漏れ込み量を少なくすることができる。
圧縮式冷凍機1−1を長期間運転していると、潤滑油循環系の潤滑油が少量であるが冷媒循環系に漏れ出してきて、蒸発器11内に冷媒に溶け込んだ状態で蓄積してくる。その結果、圧縮式冷凍機1−1を運転すると、蒸発器11から潤滑油分を含んだ冷媒ミストが圧縮機13の吸込部の液溜り部a1に留まってくる。そしてこの冷媒を潤滑油の濃度を上げて(或いはそのまま)配管45及び該配管45に接続したポンプ43によって潤滑油タンク25に回収する。60は液溜り部a1に設けた加熱手段であり、凝縮器17から蒸発器11に向う配管62の冷媒により液溜り部a1に留まっている潤滑油分を含んだ冷媒ミストを加熱して潤滑油の濃度を上げるためのものである。つまり、液溜り部a1は、加熱手段60と共同して加熱濃縮器となっている。
本実施形態例では、潤滑油タンク25内に設置した液面センサー41によって潤滑油の液面を測定し、所定の液面の範囲になるようにポンプ43の駆動を制御する。ポンプ43の駆動制御は吸込部の液溜り部a1の温度が所定の温度に上昇したこと(即ち、所定の油濃度になったこと)を検知して所定時間ポンプを駆動するようにしてもよい。44は逆止弁であり、ポンプ43の停止中に潤滑油タンク25から潤滑油が逆流するのを防いでいる。潤滑油タンク25と液溜り部a1には圧力差があるので、小容量のポンプ43を用いている。
潤滑油タンク25は均圧管31によってエコノマイザ圧力の系統に均圧しており、冷媒系統に漏れ出した潤滑油を潤滑油濃度を上げて潤滑油循環系(圧縮機13の吸込部の液溜り部a1から潤滑油タンク25)に回収するが、回収潤滑油の冷媒濃度を高く、一部の冷媒は油冷却の効果を出しながら蒸発する。蒸発した冷媒蒸気を潤滑油タンク25の均圧管31を通してエコノマイザ系統(エコノマイザ18)に導く構成となっている。潤滑油中の余分な冷媒は、蒸発して油を冷却することができる。従って、冷却手段としては、凝縮器17から供給される冷媒(液)を、直接潤滑油に混入して蒸発熱にて冷却し、蒸発冷媒をエコノマイザ18に戻してもよい。
以上のように本実施形態においては、軸受23、23の機械損失分の熱を、凝縮器17経由で冷却水に放熱或いはエコノマイザ18に放熱したので、従来のように蒸発器11に戻す場合に比べて、省エネルギー化を図ることができる。また、上記のように2段の圧縮機13及びエコノマイザ18を備えた圧縮式冷凍機では、機内に、大きく分けて、蒸発器11の圧力、凝縮器17の圧力、それらの中間的な圧力であるエコノマイザ18の圧力の3レベルの圧力がある。そこで、潤滑油タンク25の均圧先をエコノマイザ18にして実験すると、潤滑油循環系の油の減少量は極端に少なくなり、ラビリンスを強化している実験機では1〜10cc/h以下となった。
ところで、フォーミングを防止する方策の一つとして、急激にエコノマイザ18の温度の低下(露点低下)をさせない運転をすることが重要である。このため本実施形態例では制御手段によって、圧縮式冷凍機1−1の停止時に、吸込みベーン13aを徐々に閉止すると共に羽根車13b、13bの回転速度も徐々に低下させながら停止させることとした。エコノマイザ18の温度の急変は圧縮式冷凍機1−1の停止時がもっとも激しいので、このような圧縮式冷凍機1−1の停止時においてエコノマイザ18の温度の急変を避ける圧縮式冷凍機1−1の運転を行うことで、フォーミングを効果的に防止することができる。
〔第2実施形態例〕
図2は本発明の第2実施形態例としての圧縮式冷凍機1−2の全体概略構成を示す図である。同図に示す圧縮式冷凍機1−2において、図1の第1実施形態例の圧縮式冷凍機1−1と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお、以下に説明する事項以外の事項については、図1に示す圧縮式冷凍機1−1と同じである。図2に示す圧縮式冷凍機1−2において図1に示す圧縮式冷凍機1−1と相違する点は、蒸発器11の冷媒から潤滑油を回収し、潤滑油タンク25に戻す油回収手段を付け加えている点と、油冷却器33の出口からの冷媒を凝縮器17か蒸発器11に選択的に切替え可能とする切替え手段(切替え弁)53を設けている点である。
油回収手段は、蒸発器11内の潤滑油を含有している冷媒を油回収熱交換器47を経由して圧縮機13の吸込部の液溜り部a1に導くように配管48を接続すると共に、油回収熱交換器47を通る前記冷媒を、凝縮器17から蒸発器11へ向かう配管50中の冷媒にて加熱するように構成されている。即ち凝縮器17から配管50を通して蒸発器11に導入される冷媒により、配管48中の潤滑油の混入した冷媒を加熱し、加熱された冷媒は冷媒蒸気を発生し、気泡ポンプの原理で液溜り部a1に持ち上げられる。加熱されて蒸発した冷媒は圧縮機13に吸引され、一方油は液溜り部a1に溜り、回収される。蒸発器11から油回収熱交換器47への冷媒流量は、蒸発後の過熱度を過熱度検出手段49で検出し、弁51の開度を制御することで、所定の流量になるように調節される。その際配管50を通して蒸発器11に導入される冷媒は冷却される(熱量同一)ので、蒸発した冷媒と同熱量は蒸発器11で冷凍効果を発揮したと同じことになる。
一方切替え手段53は、図示しない制御手段によって、通常は油冷却器33の出口からの冷媒蒸気を凝縮器17に導いているが、冷媒のエコノマイザ18での温度低下速度を検出し、或いはエコノマイザ18での冷媒温度と関連の深い凝縮温度を検出し、検出した低下速度が所定の速度以上であれば、これを切り替えて油冷却器33出口の冷媒蒸気を蒸発器11に導き、これによって蒸発温度レベルで潤滑油の冷却を行い、油冷却器33の出口からの冷媒蒸気を蒸発器11に導き、これによって蒸発温度レベルで潤滑油の冷却を行い、油冷却器33の出口からの冷媒蒸気を凝縮器17に導いた場合に比べて、潤滑油温度を急激に低下させる。
潤滑油温度がエコノマイザ18の露点の急激な温度低下に追従しきれないときにフォーミングが起きる可能性がある(急激な露点の温度上昇に対してはフォーミングは起きない)。そして潤滑油タンク25の潤滑油液面よりも下部で、潤滑油温度を低下させておけば、蒸気の発生は抑えられ、フォーミングを防ぐことができる。液面より下部は気液平衡はないので、温度を下げても冷媒濃度が上昇することはない(液面を含め、液面上部で気液平衡関係が出てくる)。そこで本実施形態例では切替え手段53によって、冷媒の凝縮温度の急変が生じつつあるときは油冷却器33の冷却能力を急激に上げて対応している。即ち、通常凝縮温度で潤滑油を冷却している(即ち油冷却器33の蒸発蒸気を凝縮器17に導いている)が、冷媒蒸気を蒸発器11に導くように変更することで、蒸発器温度相当で潤滑油を冷却し、潤滑油タンク25内の液面より下の潤滑油の温度を下げ、フォーミングを防止するようにしている。即ち、本実施形態例では、油冷却器33に凝縮温度系と蒸発温度系の二系統を持たせ、通常は凝縮系としている。急変時には蒸発系としている。なお、急変時には凝縮系と蒸発系を併用してもよい。
なお、本実施形態例での切替え手段53は、油冷却器33の出口からの冷媒の戻りを凝縮器17か蒸発器11に選択的に切替え可能とするのであるが、図3に示すように蒸発器11の代りにエコノマイザ18に油冷却器33の出口からの冷媒を戻してもよい。
一方圧縮式冷凍機1−2が圧縮機13の吸込みベーン13aを閉止しないで緊急停止するような場合、凝縮器17及びエコノマイザ18から蒸発器11に圧縮機13を経由して冷媒蒸気が逆流し、凝縮器圧力及びエコノマイザ18の圧力が蒸発器11の圧力付近まで低下することがある。この対策のために、凝縮器17の圧力変化或いはエコノマイザ18の圧力変化の際に閉止する弁を潤滑油タンク25とエコノマイザ18を連結する均圧ライン(均圧管31)に設け、潤滑油タンク25の急激な圧力低下を防いでも良い。
図3に示す圧縮式冷凍機1−3は、図2に示す圧縮式冷凍機1−2における油回収熱交換器47廻りを変更したものである。蒸発器11内の潤滑油を含浸している冷媒を弁51を所定時間開くことにより、配管48を介して油回収熱交換器47に所定量導いた後弁51を閉じ、加熱濃縮にて冷媒を蒸発して蒸発した冷媒を蒸発器11に戻すと共に、油濃度の上昇した冷媒(溶液)をポンプ32により配管28を介して直接潤滑油タンク25に戻すようにしたものである。ポンプ32の駆動は油濃度(溶液温度)を検知して所定時間運転する。ポンプ32の停止中の逆流を防止するため、配管28には逆止弁30を設けている。その後、前述したのと同様に、蒸発器11内の冷媒を油回収熱交換器47に導いて操作を繰り返す。なお、油濃度の上昇した冷媒(溶液)を、ポンプ43で圧縮機13の吸込部の液溜り部a1に導くようにしてもよい。
〔第3実施形態例〕
図4は本発明の第3実施形態例としての圧縮式冷凍機1−4の全体概略構成を示す図である。同図に示す圧縮式冷凍機1−4において、図1に示す圧縮式冷凍機1−1と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお、以下で説明する事項以外の事項については、図1に示す圧縮式冷凍機と同じである。図4に示す圧縮式冷凍機が図1に示す圧縮式冷凍機1−1と相違する点は、圧縮式冷凍機1−1では圧縮機13の吸込み部の潤滑油を潤滑油タンク25に戻すのにポンプ43を用いているが、圧縮式冷凍機1−4では圧縮機13の吸込み部と潤滑油タンク25を連結する配管45の途中に潤滑油を溜める濃縮液タンク55と、該濃縮液タンク55に蒸発器11(圧縮機13の吸込み部)と潤滑油タンク25(或いはエコノマイザ18)とを切替えて接続する切替え手段57とを取り付け、切替え手段57によって濃縮液タンク55内に供給する圧力を蒸発器11の圧力とエコノマイザ18の圧力に切替えできるように構成している点である。
このように構成すれば、潤滑油タンク25に濃縮液タンク55内の潤滑油を戻す際には、切替え手段57を切替えることで濃縮液タンク55を潤滑油タンク25に接続すれば、濃縮液タンク55内の圧力がエコノマイザ18内の圧力となり、均圧管31によってエコノマイザ18の内圧と同等とされている潤滑油タンク25への潤滑油の移送が行われる。切替え手段57によって潤滑油タンク25への潤滑油の移送を行うか否かは、第1実施形態例のポンプ43の駆動操作と同様に、潤滑油タンク25内に設置した液面センサー41によって潤滑油の液面を測定し、所定の液面の範囲になるように切替え手段57を切替え制御する。或いは圧縮機13の吸込部の液溜り部a1の温度が所定の温度に上昇したこと(即ち、所定の油濃度になったこと)を検知して所定時間切替え手段57を動作させるようにしてもよい。なお、液溜り部a1の液を確実に濃縮液タンク55に移動させるため、破線で示す均圧管と弁を設け、液溜り部a1の濃縮液をタンク55に移動させる際に弁を開にしてもよい。
〔第4実施形態例〕
図5は本発明の第4実施形態としての圧縮式冷凍機1−5の全体概略構成を示す図である。同図に示す圧縮式冷凍機1−5において、図1に示す圧縮冷凍機1−1と同一又は相当部分に同一符号を付す(但し二重化した部分については「−1」「−2」の符号を付して、共用した部分については前記符号はつけていない)。なお、以下説明する事項以外の事項については、図1に示す圧縮式冷凍機1−1と同じである。
この圧縮式冷凍機1−5は、冷媒を封入した2つのクローズドシステムで二重化した冷凍サイクルを備えた圧縮式冷凍機に本発明を適用したものであり、蒸発器11−1、11−2と、圧縮機13−1、13−2と、凝縮器17−1、17−2と、エコノマイザ18−1、18−2とを、冷媒を循環する冷媒配管21−1a〜d、21−2a〜dによって連結して構成されている。圧縮機13−1と圧縮機13−2は電動機(駆動機)15の両側に配置され、該電動機15によって駆動されるようになっている。
また、潤滑油タンク25、油ポンプ27、均圧管31、油冷却器33、ポンプ35、ポンプ43等は、両冷凍サイクルで共用している。2つの凝縮器17−1と凝縮器17−2は冷却水102が直列に供給されており、同様に2つの蒸発器11−1と蒸発器11−2には冷水101が直列に供給されている。その際、均圧管31は冷却水102の入口側のサイクル(即ち、冷却水102を最初に供給する側:低圧側サイクル)のエコノマイザ18−1に接続され、潤滑油タンク25の圧力は、低圧側サイクルのエコノマイザ18−1に均圧を取っている。また、油冷却器33に供給する冷媒、及び電動機15を冷却する冷媒は、冷却水入口側の凝縮器17−1の冷媒を用いる。また、両圧縮機13−1、13−2の吸込み部の液溜り部a1−1、a1−2の溜まり液は、濃縮液タンク55に集めて加熱濃縮し、加熱濃縮で発生する冷媒蒸気は圧縮機13−1の吸込み部に戻し、濃縮液はポンプ43で潤滑油タンク25に戻すようになっている。なお、均圧管31の接続は前述の接続に限定されるものではなく、高圧側サイクルに接続しても差し支えない。
以上、本発明の実施形態例を説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお、直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造であっても、本願発明の作用効果を奏する以上、本願発明の技術範囲である。例えば、上記実施形態例では電動機15と羽根車13bを直結するように記載されているが、電動機の回転をギア等で構成される変速機を解して羽根車に伝達する構成の圧縮式冷凍機であってもよい。また、凝縮器を過冷却するサブクーラがあってもよい。
また、上記各実施形態例では、潤滑油を冷却する油冷却手段として、油冷却器33を設けたが、その代わりに、潤滑油循環系に冷媒液を導入する、或いは潤滑油循環系の潤滑油よりも冷媒含有率の高い潤滑油を潤滑油循環系に導入する、構成の冷却手段を用いても良い。冷媒系から潤滑油を回収してくる場合、冷媒含有率が高めの潤滑油が回収されることが多く、これを利用できる。
本発明に係る圧縮式冷凍機の全体概略構成例を示す図である。 本発明に係る圧縮式冷凍機の全体概略構成例を示す図である。 本発明に係る圧縮式冷凍機の全体概略構成例を示す図である。 本発明に係る圧縮式冷凍機の全体概略構成例を示す図である。 本発明に係る圧縮式冷凍機の全体概略構成例を示す図である。 圧縮機、電動機、及び軸受部の詳細を示す図である。 混合溶液と冷媒露点と冷媒濃度の関係の一例を示す図である。
符号の説明
1−1〜5 圧縮式冷凍機
11,11−1,2 蒸発器
13,13−1,2 圧縮機
13a 吸込みベーン
13b 羽根車
15 電動機
17,17−1,2 凝縮器
18,18−1,2 エコノマイザ
19a,b 膨張機(膨張弁)
21a〜d 冷媒配管
23 軸受
24 ヒータ
25 潤滑油タンク
27 油ポンプ
28 配管
29a 潤滑油供給配管
29b 潤滑油戻り配管
30 逆止弁
31 均圧管
32 ポンプ
33 熱交換器(油冷却器)
34a,b 配管
35 ポンプ
36a,b 配管
37 油逃し配管
39 油逃し弁
41 液面センサー
43 ポンプ
44 逆止弁
45 配管
47 油回収熱交換器
48 配管
49 過熱度検出手段
50 配管
51 弁
53 切替え手段(切替え弁)
55 濃縮液タンク
57 切替え手段
60 加熱手段
62 配管
70 軸受室
71 均圧管
101 冷水
102 冷却水
a1−1,2 液溜り部

Claims (5)

  1. 二段以上の多段圧縮機と、凝縮器と、蒸発器と、エコノマイザを冷媒が循環する冷媒配管によって連結してなる冷媒循環系を具備すると共に、前記多段圧縮機の軸受を潤滑する潤滑油が貯留されている潤滑油タンクを具備してなる圧縮式冷凍機において、
    前記潤滑油タンク内の潤滑油を潤滑油供給管を介して油ポンプで前記軸受に供給し、該軸受を潤滑した潤滑油を潤滑油戻し管を介して潤滑油タンクに戻す潤滑油循環系を設け、
    前記潤滑油タンク内と前記エコノマイザ内を均圧管で連結し、前記潤滑油タンク内圧と前記エコノマイザ内圧を均圧にしたことを特徴とする圧縮式冷凍機。
  2. 請求項1に記載の圧縮式冷凍機において、
    前記軸受を軸受室で囲み、前記多段圧縮機の吐出側圧力部と該多段圧縮機を駆動する駆動機のロータ室内をラビリンス或いは狭い隙間で分離したことを特徴とする圧縮冷凍機。
  3. 請求項1又は2に記載の圧縮式冷凍機において、
    前記潤滑油循環系に前記冷媒によって潤滑油を冷却する油冷却手段を設け、
    潤滑油温度と、エコノマイザ温度或いはエコノマイザ温度に関連する物理量とを関連付けたデータを用いて前記油冷却手段を制御する制御手段を有することを特徴とする圧縮式冷凍機。
  4. 請求項1又は2又は3に記載の圧縮式冷凍機において、
    前記冷媒循環系から潤滑油を含む冷媒を受け入れ加熱して冷媒を蒸発させ潤滑油を濃縮する濃縮器を設け、
    前記濃縮器で蒸発した冷媒蒸気を、前記蒸発器から前記多段圧縮機の吸込み部までの低圧部に戻し、前記濃縮器で濃縮した冷媒を前記潤滑油循環系に戻すことを特徴とする圧縮式冷凍機。
  5. 請求項4に記載の圧縮式冷凍機において、
    冷媒加熱手段が凝縮器或いはエコノマイザから供給される冷媒であることを特徴とする圧縮式冷凍機。
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