JP5088285B2 - エンジン用マフラおよびそれを備えたエンジン工具 - Google Patents

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本発明は、エンジン用マフラ、特に刈払機やチェンソーなどの手持ちエンジン工具に用いられる小型エンジン用マフラ及びそれを備えたエンジン工具に関する。
エンジン用マフラは、マフラ内部に仕切板や管材を用いて複数の膨張室を設けることや、マフラの容積を大きくすることで排気騒音の低減を行なっている。例えば、特許文献1に記載のマフラは、多数の管材や仕切板によりマフラ本体内に四つの膨張室を設けている。
特開2005−264832号公報
しかしながら、マフラの膨張室の数を増加させると構造が複雑になり、製造コストや重量が増加するうえ、排気ガス抵抗が増加してエンジン性能の低下につながる。また、マフラの膨張室においては、排気ガスの圧力波が反射・干渉し、それらによる圧力の変動成分が音となって放出されるため、同じ容積、数の膨張室であっても内部の構造によっては騒音の低減が効果的に行なえない場合がある。そして、小型のマフラが要求される刈払機やチェンソーなど携帯型の工具に用いられる小型エンジンにおいては、マフラの容積を大きくすることには限界がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、製造コスト、重量、排気ガス抵抗の増加やマフラの大型化を招くことなく、膨張室の増加を抑えながら高い消音効果得ることができ、小型エンジンに適用可能なマフラを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点に係るエンジン用マフラは、エンジンからの排気ガスが流入する排気流入口を有する第1膨張室と、排気を外部に排出する排気出口を有する第2膨張室と、前記第1膨張室と前記第2膨張室とを連通する第1の連通手段および第2の連通手段を備え、前記第1膨張室と前記第2膨張室とが仕切板を介して隣接し、前記第1の連通手段および前記第2の連通手段が前記仕切板に設けられ、前記第1の連通手段と前記排気出口との距離と、前記第2の連通手段と前記排気出口との距離とが略等しく、前記第1の連通手段と前記排気流入口との距離が、前記第2の連通手段と前記排気流入口との距離より短く、前記排気流入口は、前記仕切板の板面に対向して形成され、前記排気流入口からの排気ガスの流入方向に沿って見たときに、前記排気流入口と前記第1の連通手段との距離が、前記排気流入口と前記第2の連通手段との距離より短い、ことを特徴とする。
また、前記第1の連通手段を前記仕切板の長手方向における一端側に設けるとともに、前記第2の連通手段を前記仕切板の長手方向における他端側に設け、前記仕切板の板面に垂直な方向から見て、前記排気流入口を前記仕切板の長手方向における前記一端側に設けてもよい。
さらに、前記排気流入口の前記第1膨張室への延長と、前記第1の連通手段の前記第1膨張室への延長とが、前記第1膨張室内でオフセットして配置されることが好ましい。
また、前記第1の連通手段と前記第2の連通手段の流路断面積の和が、前記排気出口の流路断面積以上であることが好ましい。
なお、前記第1の連通手段は複数の連通路から構成され、前記第2の連通手段は複数の連通路から構成されてもよい。
また、前記第1の連通手段および前記第2の連通手段は前記仕切板に設けられた貫通孔であってもよい。
また、本発明の第2の観点に係るエンジン工具は、これらのエンジン用マフラを備えることを特徴とする。
本発明のエンジン用マフラによれば、第1の連通手段と排気出口との距離と、第2の連通手段と排気出口との距離とが略等しく、第1の連通手段と排気流入口との距離が、第2の連通手段と排気流入口との距離より短い。このため、第1膨張室に流入する排気ガスの圧力波は壁面で反射し、第1の連通手段での圧力変動と第2の連通手段での圧力変動は、互いに逆位相となる。そして、第1の連通手段と第2の連通手段から第2膨張室へ流入する圧力波は、同じ距離を移動して排気出口に達して外部に放出される。ここで、第1の連通手段および第2の連通手段からの圧力波は、互いに逆位相の圧力の変動成分を有する。したがって、それぞれの圧力変動は互いに干渉して弱め合い、圧力の変動成分が除去され、消音効果を高めることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に沿って説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係るマフラ1の縦断面図である。また、図2は図1のII−II線断面図である。図3、図4、図5、図6はそれぞれ図1における異なる時点でのマフラ内部の圧力波を示した図である。また、図7はマフラ内部の圧力変化を示した図である。また、図11は本発明のマフラを搭載した刈払機1001を示す図である。
図11に本実施形態のマフラを用いたエンジン1005を搭載した刈払機1001を示す。刈払機1001、操作桿1002の先端に回転刃1003が、後端にはエンジン1005が取り付けられている。エンジン1005の出力は、操作桿1002内に挿通させたドライブシャフトを介して回転刃1003に供給される。操作者は操作桿1002に取り付けられたハンドル1004を把持して操作する。
マフラ1は、略扁平直方体形状を有し、図1に示すように、外殻を形成する第1ケース2および第2ケース4と、マフラ1の内部を仕切る仕切板3と、アウトレットパイプ5から主に構成される。
第1ケース2は最大面積を有する面の一方が開放された略扁平直方体形状に形成されている。第1ケース2の開放面には略長方形の仕切板3が接合され、第1膨張室6を形成する。また、第1ケースの開放面に対向する面にはエンジンからの排気ガスをマフラ1内に流入させる排気流入口7が形成され、排気流入口7にはエンジンの排気口から延びるインレットパイプ8が面に垂直に接続される。
第2ケース4は、最大面積を有する面の一方が開放された略扁平直方体形状に形成され、開放面の形状は第1ケース2の開放面の形状と一致する。そして、第2ケース4の開放面は、仕切板3を介して第1ケース2の開放面と対向するように仕切板3に接合され、第2膨張室9を形成する。また、図2に示されるように、第2ケース4には、図中の右側の側面を貫通して第2膨張室9内に突入し、排気ガスを外部に放出するアウトレットパイプ5が設けられる。
また、仕切板3には、第1膨張室6と第2膨張室9とを連通する、第1貫通孔10(第1の連通手段)と第2貫通孔11(第2の連通手段)とが形成される。
第1貫通孔10は、長方形の仕切板3の長手方向20(図1,2の上下方向)に関しては一方の短辺12の近傍に位置するとともに、短手方向(図2の左右方向)に関しては一方の長辺の近傍、つまり、図2における右斜め上に位置する。また、第2貫通孔11は、長方形の仕切板3の長手方向20に関しては他方の短辺13の近傍に位置するとともに、短手方向に関しては第1貫通孔10と同じ位置、つまり図2における右斜め下に位置する。
また、排気流入口7は、第1ケース2の排気流入口7が形成された面において、短手方向(図2の左右方向)には略中央、長手方向20(図1、2の上下上方)には第1貫通孔10寄りであって第1貫通孔10と中央の間に位置し、第1貫通孔10と排気流入口7との距離は、第2貫通孔11と排気流入口7との距離より短い。そして、排気流入口7をインレットパイプ8の軸方向に沿って仕切板3まで延長した際、この延長された排気流入口7は第1貫通孔10および第2貫通孔11とオフセットして配置される。つまり、図2に示したように、仕切板3上において、点線で示された排気流入口7の延長は第1貫通孔10または第2貫通孔11と重ならないように配置される。なお、第1貫通孔10と排気流入口7との距離は、例えば、第1貫通孔の図心と排気流入口7の図心との距離から求めればよく、第2貫通孔11と排気流入口7との距離も同様に第2貫通孔11の図心と排気流入口7から求めればよい。
アウトレットパイプ5は、仕切板3と平行で、仕切板3の長手方向20(図1,2の上下方向)に垂直に、第1貫通孔10と第2貫通孔11との略中点を通って第2膨張室9内に挿入される。また、図2に示されるように、アウトレットパイプ5の第2膨張室9内に位置する端部51(排気出口)は、仕切板3の短手方向の中央を越えて挿入され、第1貫通孔10と端部51との距離は、第2貫通孔11と端部51との距離と略等しい。そして、第1貫通孔10および第2貫通孔11の流路断面積の和は、アウトレットパイプ5の流路断面積より大きくなるように形成される。なお、第1貫通孔10と端部51との距離は、例えば、第1貫通孔の図心と端部51の断面の図心との距離から求めればよく、第2貫通孔11と端部51との距離も同様に求めればよい。
次に、マフラ1内の排気ガスの流れを説明する。排気ガスは、図1に矢印Gで示すように、インレットパイプ8から排気流入口7を通って第1膨張室6内に流入する。そして、第1膨張室6内の排気ガスは、仕切板3に形成された第1貫通孔10および第2貫通孔11から、図3にそれぞれ矢印G1、G2で示されるように第2膨張室9に流入する。ここで、上述のように排気流入口7の延長と第1貫通孔10(および第2貫通孔11)とはオフセットされている。このため、排気流入口7から流入した排気ガスGが真直ぐに第1貫通孔10(および第2貫通孔11)に向かい、そのまま第2膨張室9に流入することは無い。したがって、第1膨張室6内で排気ガスGが膨張して圧力が低減されるので、消音効果を向上させることができる。また、上述のようにアウトレットパイプ5の第2膨張室9内の端部51は、仕切板3の短手方向の中央を越えた所に位置するので、この端部51と第1貫通孔10および第2貫通孔11との距離が大きくなる。このため、第1貫通孔10および第2貫通孔11から流入する排気ガスG1、G2は、距離減衰効果により第2膨張室9で膨張して圧力が低減され、消音効果を更に向上させることができる。そして、第2膨張室9内の排気ガスは、アウトレットパイプ5の端部51からアウトレットパイプ5を通って外部に排出される。このとき、第1貫通孔10および第2貫通孔11の流路断面積の和は、アウトレットパイプ5の流路断面積より大きくなるように形成されるので、排気抵抗の増加が抑制される。
次に、マフラ1内の排気ガスの圧力波の挙動について説明する。図3に示すように、第1膨張室6に流入する排気ガスGの圧力波は、仕切板3に衝突し、反射する。このとき、排気流入口7が第1膨張室6の長手方向20の上方の端部(第1端部31とする)に形成されるため、仕切板3で反射した圧力波はただちに付近の壁面に衝突し、再び反射する。このように反射を繰り返した後、圧力波は第1膨張室6の長手方向20を法線とする平面波40となる。平面波40は、太い矢印P1で示したように下方、すなわち第1端部31の反対側の端部(第2端部32とする)へ向かう。そして、平面波40が第2端部32に到達した時点では、第1膨張室6に排気ガスGが流入しているので、第1膨張室6内は全体的に圧力が高くなる。このとき、流体の慣性効果により、平面波40が衝突した第2端部32近傍の圧力は、第1膨張室6の全体の圧力に対して高くなる。その結果、図4に示すように、第1膨張室6の圧力分布は、第2端部32近傍の圧力が高く、第1端部31近傍の圧力が低くなる。
その後、第2端部32近傍において生じた第1膨張室6の全体の圧力に対して高い圧力の変動成分は、図5に示すように、平面波41となって太い矢印P2に示すように上方、つまり第1端部31に向かって移動する。その後、平面波41が第1端部31へ衝突すると、流体の慣性効果により、第1端部31近傍の圧力は第1膨張室6の全体の圧力に対して高くなる。その結果、図6に示すように、第1膨張室6の圧力分布は、第1端部31近傍の圧力が高く、第2端部32近傍の圧力が低くなる。そして、第1端部31近傍において生じた第1膨張室6の全体の圧力に対して高い圧力の変動成分は、平面波となって第2端部32に向かって移動し、その後は上述のように反射を繰り返す。
第1膨張室6の第1端部31近傍の圧力、第2端部32近傍の圧力、および第1膨張室6全体の平均的な圧力、それぞれの時間変化を図7に示す。図7において、縦軸は圧力、横軸は時間(ミリ秒)であり、破線51は第1端部31近傍の圧力、実線52は第2端部近傍の圧力、点線53は第1膨張室6の全体の平均的な圧力である。図7からわかるように、点線53で示す全体の圧力に対して、破線51で示す第1端部31近傍の圧力および実線52で示す第2端部32近傍の圧力では交互に圧力が高くなる変動成分が生じ、第1端部31近傍の圧力と第2端部32近傍の圧力は互いに逆位相の圧力の変動成分を有する。
上述のように、仕切板3には、第1貫通孔10および第2貫通孔11がそれぞれ第1端部31近傍および第2端部32近傍に形成されている。したがって、第1貫通孔10および第2貫通孔11から第2膨張室9に流入する排気ガスG1およびG2も、互いに逆位相の圧力の変動成分を有する。
そして、第1貫通孔10および第2貫通孔11は、第2膨張室9のアウトレットパイプ5の入口となるアウトレットパイプ5の端部51との距離がそれぞれ等しくなるように形成されている。このため、第1膨張室6から第2膨張室9へ第1貫通孔10および第2貫通孔11を通じて流入する互いに逆位相の圧力の変動成分を有する排気ガスG1およびG2は、同じ距離を移動した後にアウトレットパイプ5の端部51付近で衝突し、互いに弱め合うように干渉する。したがって、アウトレットパイプ5から外気へ放出される排気ガスの圧力波のうち、マフラ内部の形状によって生じる圧力の変動成分が除去されて、消音効果を高めることができる。
なお、仕切板3の長手方向20の辺の長さをL、第1膨張室6内における音速をVとすると、除去される圧力の変動成分の周波数fは、f=1/(2L/V)で表すことができる。したがって、仕切板3の長手方向20の辺の長さLを適宜選択することにより、所望の圧力波の変動成分の周波数を除去することができ、マフラの消音効果を高めることができる。また、第1貫通孔10と第2貫通孔11は仕切板3に形成されるので、所望の距離に貫通孔を形成することは容易に、低コストで行なうことができる。
このように、本実施形態のマフラ1では、仕切板3の第1貫通孔10および第2貫通孔11がそれぞれ第1端部31近傍および第2端部32近傍に形成され、排気流入口7と第1貫通孔10との距離が、排気流入口7と第2貫通孔11との距離より短く、アウトレットパイプ5の端部51と第1貫通孔10との距離と、端部51と第2貫通孔11との距離が略等しい。このため、第1膨張室6の第1貫通孔10および第2貫通孔11近傍で互いに逆位相の圧力変動を有する圧力波を作ることができ、この圧力波を第2膨張室で第1貫通孔10および第2貫通孔11から略等しい距離離れたアウトレットパイプ5に導くことで、外部に放出される排気ガスの圧力波のうち、マフラ内部の形状によって生じる圧力の変動成分を除去することができ、消音効果を高めることができる。
また、第1膨張室6と第2膨張室9とを連通する第1貫通孔10と第2貫通孔11は仕切板3に形成されるので、それぞれの孔について所望の位置、形状に形成することは容易に、低コストで行なうことができる。さらに、排気流入口7の仕切板3上への延長と第1貫通孔10(および第2貫通孔11)とはオフセットされているので、排気流入口7から流入した排気ガスGがそのまま第2膨張室9に流入することは無く、第1膨張室6内で排気ガスGが膨張して圧力が低減されるので、消音効果を向上させることができる。また、第1貫通孔10および第2貫通孔11の流路断面積の和は、アウトレットパイプ5の流路断面積より大きくなるように形成されるので、排気抵抗の増加が抑制される。
次に、本発明の第2実施形態に係るマフラを図8を用いて説明する。第1実施形態のものと同一構成要素には同一符号を付して説明は省略する。図8は、第2実施形態に係るマフラ201の構成を示す縦断面図である。本実施形態では、第1実施形態のマフラ1の第1貫通孔10および第2貫通孔11の代わりに、第1の連通手段および第2の連通手段としての、第1連通パイプ210および第2連通パイプ211を用いている。第1連通パイプ210および第2連通パイプ211はそれぞれ同じ長さおよび径を有し、第1連通パイプ210および第2連通パイプ211の流路断面積の和がアウトレットパイプ5の流路断面積以上になるように形成される。そして、第1連通パイプ210および第2連通パイプ211は、それぞれのパイプの軸方向の略中央で、第1実施形態の第1貫通孔10および第2貫通孔11が形成されていた位置に、仕切板3に垂直に設けられる。
第1膨張室6においては、第1実施形態の場合と同様に、インレットパイプ8の軸方向に沿った排気流入口7の延長は、第1連通パイプ210とオフセットされている。また、第1連通パイプ210は仕切板3の長手方向20(図1,2の上下方向)には一方の短辺の近傍で、短手方向(図2の左右方向)には一方の長辺の近傍に位置し、第2連通パイプ211は仕切板3の長手方向には他方の短辺の近傍で、短手方向には第1貫通孔10と同じ位置に位置し、第1連通パイプ210の第1膨張室6内の端部と排気流入口7との距離は、第2連通パイプ211の第1膨張室6内の端部と排気流入口7との距離より短い。また、第2膨張室9においては、第1連通パイプ210および第2連通パイプ211は、それぞれの第2膨張室9内の端部とアウトレットパイプ5の第2膨張室9内に位置する端部51との距離が略等しい。したがって、第1実施形態と同様に、排気流入口7から流入した排気ガスGが真直ぐに第1連通パイプ210(および第2連通パイプ211)に向かい、そのまま第2膨張室9に流入することは無い。したがって、第1膨張室6内で排気ガスGが膨張して圧力が低減され、消音効果を向上させることができる。また、第1連通パイプ210から第2膨張室9に流入する圧力波と第2連通パイプ211から第2膨張室9に流入する圧力波は互いに逆位相になる。このため、第2膨張室9内で同じ距離を移動した後にアウトレットパイプ5の端部51付近で衝突し、互いに弱め合うように干渉する。したがって、アウトレットパイプ5から外気へ放出される排気ガスの圧力波のうち、マフラ内部の形状によって生じる圧力の変動成分が除去されて、消音効果を高めることができる。
次に、本発明の第3実施形態に係るマフラを図9、図10を用いて説明する。第1実施形態のものと同一構成要素には同一符号を付して説明は省略する。図9は、第3実施形態に係るマフラ301の構成を示す縦断面図であり、図10は図9のX矢視図である。本実施形態では、第1実施形態のマフラ1のアウトレットパイプ5に代わって、第2膨張室9の仕切板3に対向する面に排気孔305とこの排気孔305の一部を外側から覆うカバー306が形成されている。排気孔305は貫通孔であり、仕切板3の第1貫通孔10および第2貫通孔11との距離がそれぞれ等しくなる位置に形成されている。また、第1貫通孔10および第2貫通孔11の流路断面積の和が、排気孔305の流路断面積以上になるように形成される。したがって、第1実施形態の場合と同様に、排気孔305から外気へ放出される排気ガスの圧力波のうち、マフラ内部の形状によって生じる圧力の変動成分を除去することができ、消音効果を高めることができる。
なお、上述の第1および第3実施形態では、第1貫通孔10および第2貫通孔11は仕切板3にそれぞれ一箇所、対になるよう形成されていた。しかしながら、仕切板3の第1貫通孔10が形成された位置周辺に複数の貫通孔を形成するとともに第2貫通孔11が形成された位置周辺に複数の貫通孔を対になるように形成し、第1貫通孔10の位置周辺および第2間通孔11の位置周辺の複数の対になる貫通孔それぞれが、排気流入口7およびアウトレットパイプ5または排気孔305との関係を満たすようにしても良い。この場合、第1貫通孔10および第2貫通孔11に対応する貫通孔間がそれぞれ複数形成されているものの、第1乃至第3実施形態と同様の消音効果を得ることができる。また、この変形例の第2実施形態への応用として、複数の貫通孔に代えて複数対のパイプを用いても同様の効果を得ることができる。
また、上述の実施形態では、排気流入口7は第1膨張室6の仕切板3と対向する面に形成されていたが、排気流入口7は第1膨張室6の仕切板3と対向する面と垂直な面であって、第1貫通孔10との距離が第2貫通孔11より短くなる位置であればよく、例えば、図2における上側側面または左または右側側面の上方に形成されていてもよい。この場合には、エンジンとマフラおよびこれらをつなぐインレットパイプ8の位置関係の選択範囲を広げることができ、設計上の自由度が高まる。そして、この場合も、上述の実施形態と同様に、第1貫通孔10と第2貫通孔11から第2膨張室9に流入する圧力波は逆位相となり、排気孔305から外気へ放出される排気ガスの圧力波のうち、マフラ内部の形状によって生じる圧力の変動成分を除去することができ、消音効果を高めることができる。
また、上述の実施形態では、2つの膨張室は、仕切板3で区切られていたが、必ずしも仕切板3で区切られる必要は無く、2つの独立した膨張室を連通パイプにより接続した構成としても、上述の実施形態と同様の消音効果を得ることができる。また、上述の実施形態では、マフラは扁平直方体状であるが、この形状に限られるものではない。
なお、上述の実施形態では、第1膨張室6の長手方向の両端部近傍31、32に第1貫通孔10、第2貫通孔11を形成し、排気流入口7を仕切板3と対向する面の第1貫通孔10側に寄せて配置していた。しかし、第1膨張室6の短手方向の略両端部に第1貫通孔10および第2貫通孔11を形成し、排気流入口7を仕切板3と対向する面の第1貫通孔10側に寄せて配置するように構成してもよい。この場合、仕切板3の短手方向の辺の長さをW、第1膨張室6内における音速をVとすると、周波数f=1/(2W/V)で表される圧力の変動成分の周波数を除去することができ、上述の実施形態と同様の消音効果を得ることができる。
本発明によるマフラの第1実施形態を示す縦断面図。 本発明によるマフラの図1のII−II矢視断面図。 本発明によるマフラ内部の圧力波の挙動を示す縦断面図。 本発明によるマフラ内部の圧力波の挙動を示す縦断面図。 本発明によるマフラ内部の圧力波の挙動を示す縦断面図。 本発明によるマフラ内部の圧力波の挙動を示す縦断面図。 本発明によるマフラ内部の圧力の挙動を示すグラフ。 本発明によるマフラの第2実施形態の構成を示す縦断面図。 本発明によるマフラの第3実施形態の構成を示す縦断面図。 本発明によるマフラの第3実施形態の図9のX矢視図。 本発明のマフラを搭載した刈払機を示す斜視図。
符号の説明
1 マフラ
2 第1ケース
3 仕切板
4 第2ケース
5 アウトレットパイプ
6 第1膨張室
7 排気流入口
8 インレットパイプ
9 第2膨張室
10 第1貫通孔
11 第2貫通孔

Claims (7)

  1. エンジンからの排気ガスが流入する排気流入口を有する第1膨張室と、
    排気を外部に排出する排気出口を有する第2膨張室と、
    前記第1膨張室と前記第2膨張室とを連通する第1の連通手段および第2の連通手段を備え、
    前記第1膨張室と前記第2膨張室とが仕切板を介して隣接し、
    前記第1の連通手段および前記第2の連通手段が前記仕切板に設けられ、
    前記第1の連通手段と前記排気出口との距離と、前記第2の連通手段と前記排気出口との距離とが略等しく、
    前記第1の連通手段と前記排気流入口との距離が、前記第2の連通手段と前記排気流入口との距離より短く、
    前記排気流入口は、前記仕切板の板面に対向して形成され、前記排気流入口からの排気ガスの流入方向に沿って見たときに、前記排気流入口と前記第1の連通手段との距離が、前記排気流入口と前記第2の連通手段との距離より短い、ことを特徴とするエンジン用マフラ。
  2. 前記第1の連通手段を前記仕切板の長手方向における一端側に設けるとともに、前記第2の連通手段を前記仕切板の長手方向における他端側に設け、
    前記仕切板の板面に垂直な方向から見て、前記排気流入口を前記仕切板の長手方向における前記一端側に設けた、
    ことを特徴とする請求項に記載のエンジン用マフラ。
  3. 前記排気流入口の前記第1膨張室への延長と、前記第1の連通手段の前記第1膨張室への延長とが、前記第1膨張室内でオフセットして配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン用マフラ。
  4. 前記第1の連通手段と前記第2の連通手段の流路断面積の和が、前記排気出口の流路断面積以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエンジン用マフラ。
  5. 前記第1の連通手段は複数の連通路から構成され、前記第2の連通手段は複数の連通路から構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエンジン用マフラ。
  6. 前記第1の連通手段および前記第2の連通手段は前記仕切板に設けられた貫通孔であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のエンジン用マフラ。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のエンジン用マフラを備えたことを特徴とするエンジン工具。
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