JP5087506B2 - テーブル演算制御装置 - Google Patents

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本発明は、テーブル演算制御装置に関するものであり、一定の信号パターンの変化を定義して構成された可逆制御タイミングテーブルに従って、各ステージにおける信号パターンが条件に合致しているか否かを判定し、当該条件の充足に応じて、制御対象機器を制御することの可能なテーブル演算制御装置に関するものである。
従来から、自動車産業や半導体製造産業を始めとする各種の産業分野において、製品または部品を製造する各工場では、高品質の製品を高速かつ安定して生産するために、高度に制御された数多くの工作機械が使用されている。ここで、一般的な工作機械の場合、数μmから数mmの非常に精細な加工精度で製品等を加工処理する高度な制御技術を有している。この場合、高性能のコンピュータや演算処理装置を利用して設計された制御部(制御機器)と、実際に製品の製造や部品加工等を行う組付部や切削部等の加工部(工作部)とが電気的に連結された構成となっている。そして、工作機械のオペレータは、制御部に接続された操作卓(コンソール、キーボード等)を操作し、加工部に実行させるための加工プログラムを入力したり、実際に部品を加工する際の指示をしたり、或いは加工作業中の部品等の状態をモニターし、監視することを行っている。
ここで、高性能のコンピュータ等を利用した制御部によって工作機械の制御(電子制御)を行う場合、その制御方式の違いから、「随意制御」と「自律制御」との二つの方式に一般に大別することができる。ここで、「随意制御」は、CNC制御(Computer Numerical Control:コンピュータ数値制御)に代表されるように、個々の製品に依存する複数のパラメータを予め受付け、これにしたがって各工作機械の加工部を制御するものである。一方、「自律制御」は、PLC制御(Programmable Logic Controller:プログラマブル・ロジック・コントローラ制御)に代表されるように、予めプログラムされた順序に従って、各制御の段階(ステージ、シーケンス)を順次実行していくことにより、製品の製造を可能とするものである。
PLC制御の場合、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)等のハードウェア構成から構築されたPLC基板(PLC部)と接続した入力機器(例えば、センサ等)から送出された信号(指令信号)の内容・状態(すなわち、ON/OFFの状態)に応じ、該指令信号に対応する出力機器を個々に制御可能とするものであり、PLC基板は、シーケンス制御を実現するための専用のコントローラ(計算機)に相当する機能を有するものである。このとき、PLC基板に接続された複数の入力機器の中から、どの入力機器が指令信号(例えば、センサの検出信号等)が送出したかを判別し、さらにその指令信号の内容に応じて、制御対象機器の一部である複数の出力機器(例えば、アクチュエータ等)の中から制御対象を決定し、さらに当該出力機器に対してどのような挙動または動作(例えば、アクチュエータの稼働方向、稼働量の決定、或いは稼働状態からの停止等)を行うように制御するかについては、予め専用の命令語等のコンピュータ言語によってプログラム化され、プログラム可能なFPGA等の内部に書込まれ、格納されている。
以上の従来技術は、公然実施されているものであり、出願人は、係る従来技術が記載された文献を、本願出願時においては特に知見していない。
通常のPLCの内部に包含されるプログラムには、図5(a)に示すような、ラダー図と呼ばれる表現形式で表現可能なものが構築されていることが多い。さらに、係るラダー図を命令語(一般に「ニーモック表現」)として記述すると、図5(b)のように記述することができる。ここで、PLCを構成するハードウェアとしては、例えば、中央演算処理装置(CPU)を利用することができ、このとき、CPUはステップ番号0から順次プログラムにしたがって各命令を実行し、END命令に到達するまでその処理を継続する。そして、END命令まで到達すると、最初のステップ番号0に再び戻り、同様の演算処理を繰返し継続することとなる(サイクリック演算)。このとき、ステップ番号0からEND命令に到達するまでに要する処理時間(スキャンタイム)は、一般的に数msから20msであることが知られている。なお、各ステップは、プログラムによって予め規定された順番で実行され、各ステップを実施し、次ステップに移るためには、それぞれの規定された必要条件を満たす必要がある。
上記の事項について、扉の開閉動作及び籠の昇降動作を制御する際の例についてさらに詳細に説明する。ここで、扉が開いている状態を検出するセンサを「開端」、扉が閉じている状態を検出するセンサを「閉端」、扉を開状態にするためのアクチュエータを「扉開」、扉を閉状態にするためのアクチュエータを「扉閉」として、ここでは定義する(図5(c)、(d))参照)。このとき、扉の開閉及び籠の昇降という物理的な動きであるため、「開端」及び「閉端」等のそれぞれのセンサは、いずれか一方のみが信号を検出可能な機械的な構造に設計してあるため、「開端」及び「閉端」等のセンサが同一のタイミングで、それぞれ扉の開状態及び閉状態を検出することは、論理的にあり得ない状態となる。すなわち、そのような信号の入力は発生する可能性が0である(排他信号)。なお、図5(d)において、丸数字1は、“起動条件(ONであること、インターロック)”、“1”はON、“0”はOFF、“↑”はOFFからONへの変化予定、“\”はONからOFFへの変化予定、“^”はONの予定、“_”はOFFの予定を表している。図5(d)のテーブル等によって自動運転の動作は、論理的に正しく動作することが可能となる。しかしながら、係るテーブルは、そのタイミングの瞬時の目的を達成するための条件チェックのみを行うものであり、当該条件とは無関係の事象については全く考慮するものではなかった。すなわち、無関係の事象については“正常であるはず(正常の予定である)”といった、仮定の上で制御を行っていることとなる。
ところが、例えば、配線の断線、短絡、回路の接触不良、センサの故障、周囲のノイズによる影響による誤動作等の種々の要因によって、論理的には起こり得ない状態であっても、現実的には双方のセンサが同一タイミングで開状態及び閉状態を検出する可能性がある。その結果、機械設計の際には、予測することのできないような異常な動作を引起こしたり、故障、破損による機器の緊急停止、漏電や過熱による火災等の災害などの重大事故を招くおそれがあった。すなわち、上記のような既存の制御方法では、不安定な要素を多数含み、不測の事態を想定し、安全対策のためにプログラムを追記する必要があった。
ここで、上記の扉の開閉状態を制御する場合、一般的なシーケンス制御によって行う場合、全ての可能性を想定すると、その組合わせのパターンは、2の信号数乗にのぼることが知られている。したがって、現在の各種工作機器等の制御対象機器は、安全設計上の観点から、上記のような一般的に想定される可能性の低い排他信号であっても、個々にチェックを行うようなプログラムが作成され、不測の事態に対する対応が採られている。しかしながら、全く想定不可能な全ての事象についてのチェックを実施するようなプログラムの作成及び実際のシーケンス制御による処理は、経済的、物理的、時間的な損失が多くなり、また、現実的な問題として全ての組合わせパターンに対応するチェックを行うことは不可能であった。そのため、現在の制御システムでは、幾何学的な数の組合わせパターンの中から設計者が人為的に選択したトラブル発生の可能性の高いシーケンス制御のみを監視していることが多かった。これにより、設計者が想定していないような状態に制御対象機器が陥り、安全対策上の問題となることがあった。
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、機械設計時に設定される機械の挙動に伴う信号の変化に基づいて、正常及び異常な状態を判定し、制御対象機器を自律制御することを可能とする新規のアーキテクチュアを提案し、これに基づいて自由度の少ない、拘束したシステムを構築することにより、設計・製作の工数を減らし、バグの少ない安定したテーブル演算制御装置の提供を課題とするものである。
本発明のテーブル演算制御装置は、「制御対象機器を構成する制御構成要素として機能する複数の機能モジュールを、予め規定した制御手順に則ってそれぞれ起動し、前記制御対象機器の制御を可能とする機能制御モジュール・シートを有するテーブル演算制御装置であって、前記機能制御モジュール・シートは、複数の前記機能モジュールの各ステージの状態から前記機能モジュールの挙動を調停するとともに、前記機能モジュールの物理的拘束に基づいて、一定の信号パターンの変化を定義して構成された可逆制御タイミングテーブルに従って、前記機能モジュールの挙動を論理演算によって制御する状態遷移モジュールと、前記ステージへの遷移時にタイマを起動し、前記ステージにおける逗留時間をカウントするタイマカウント機能、及びカウントされた前記逗留時間及び予め前記ステージに対して規定された逗留基準時間を対比し、前記逗留時間が設定された前記逗留基準時間の時間範囲から逸脱している場合、異常として判断する異常診断機能を有する時間診断モジュールとを具備し、前記可逆制御タイミングテーブルは、前記ステージ間の遷移を、前記機能モジュールの物理的拘束に基づいて、前記ステージの互いに隣接するステージへの遷移に制限した一定の前記信号パターンの変化に基づいて記述され、前記状態遷移モジュールは、一定の変化をする前記信号パターンが、前記ステージに対応する条件に合致するか否かについて検証し、当該検証の結果に基づいて次のステージへの遷移処理を行う検証遷移機能を有し、前記機能制御モジュール・シートは、入力された前記信号パターンのふらつきを示すチャタリングの回数をカウントするチャタリングカウント機能、及びカウントされた回数に基づいてセンサの寿命を予測する寿命予測機能を有する寿命診断モジュールを具備する」ものから主に構成されている。
ここで、制御対象機器とは、例えば、テーブル演算制御装置によって制御可能な工作機械等を例示することができ、例えば、切削、研磨、仕上げ等の各工程を制御機器によって制御可能なものが挙げられる。さらに、可逆制御タイミングテーブルとは、各ステージに対応する信号の処理を記述したものであり、ステージの一例を挙げると、“後退端”、“起動”、“終了”、“制御手順本体”、“終了”、“起動”、及び“前進端”の各ステージとして記述することが可能なものである。そして、係る可逆制御タイミングテーブルに従って、複数の機能モジュールの制御がなされるものである。このとき、可逆制御タイミングテーブルを構築するための信号パターンは、当該制御対象機器が正常な挙動、動作を行っている限り、常に一定の信号パターンの変化を示すものである。すなわち、係る信号パターンの変化とは異なる変化をすることは、論理的にはあり得ない事象であり、異常であると認識することが可能である。
また、状態遷移モジュールとは、予め規定された制御手順に従って指定された可逆制御タイミングテーブルの各ステージに対し、入力された信号パターンが当該ステージの条件に合致する場合、例えば、現在のステージから前進(ステージ番号+1)或いは後退(ステージ番号−1)の処理を行うことにより、ステージの遷移を行うことを可能とするものである。これにより、入力された信号パターンを、対応する各ステージの条件によって判定し、各ステージからの遷移を制御することにより、次に実行される制御対象機器の挙動を指定したステージへの移行を可能とするものである。このとき、各ステージから次のステージへの遷移は、機能モジュールによって規定された物理的拘束によって、たとえば、可逆制御タイミングテーブルにおけるステージの互いに隣接する左右方向のステージ(前進または後退)に移動が制限されるように設定されている。なお、ステージ間の遷移は一方向に限定されるものではなく、可逆的に制御することが可能となっている。
したがって、本発明のテーブル演算制御装置によれば、信号パターンの変化によって作成されたタイミングチャートに基づいて展開された可逆制御タイミングテーブルを有する状態遷移モジュールを機能制御モジュール・シートは含んで構成されている。そのため、係る可逆制御タイミングテーブルにおける各ステージに対応する条件と入力された信号パターンとから判定処理を行い、当該条件を満たす場合及び満たさない場合に、予め規定された動作(挙動)を制御対象機器に対して実行するように制御を行うことができる。そして、実行後には次ステージへの遷移がなされ、可逆制御タイミングテーブルによって制御の終了が指定されるまで繰返される。
すなわち、従来の所謂「シーケンス制御」と比較して、機能モジュールの物理的拘束に従った信号パターンによって作成されたタイミングチャートからなる可逆制御タイミングテーブルによって、入力された信号パターンと当該ステージの条件を合致するか否かを単純に判定するのみで、制御対象機器を制御することが可能となる。その結果、制御対象機器の制御に係るチェック対象項目のステージ数を飛躍的に減少させることができる。つまり、機能制御モジュール・シートによれば、各ステージにおいて、次に実行可能な制御対象機器の動作或いは信号パターンの変化が、予め規定された挙動または動作に物理的に拘束され、正しい信号パターンが入力される以外は全て異常と判断し、制御対象機器の緊急停止等の措置を採ることができる。これにより、簡易、かつ安定したシステムの構築が可能となる。ここで、本発明のテーブル演算制御装置の場合、制御対象となる制御対象機器についての各種物理的諸元(質量、距離、面積等)が予め決定されているため、制御可能なディメンジョン(次元)は、上述の位置、速度、及び加速度とすることができる。なお、標準では、位置及び速度をセンサによって監視し、次に加速度(エネルギー)のディメンジョンを検出する加速度センサによる監視を行うものであってもよい。これにより、想定し得ないような位置センサの故障を考慮するならば、係る加速度センサを追加することが最も有効なものとなる。さらに、上記センサ以外に安全のために、さらにその他のセンサを追加するものであっても構わない。
したがって、本発明のテーブル演算制御装置によれば、可逆制御タイミングテーブルの各ステージからの遷移が、当該ステージの互いに隣接するステージへの遷移(テーブルにおける左右方向の遷移)に物理的拘束に基づいて限定され、状態遷移モジュールは、一定の信号パターンの変化がステージに対応する条件を満たすか否かについて検証することが行われる。ここで、可逆制御タイミングテーブルによって記述された信号パターンの変化は、正常な状態では常に一定の変化で示されるものである。そのため、“一定の信号パターンの変化”から逸脱した信号パターンの変化を示す場合は、“正常”なシステムの挙動ではないと認識され、常に“異常”として判断される。すなわち、本発明のテーブル演算制御装置において、“一定の信号パターンの変化”から逸脱した信号パターンの変化が検出されない限り、当該ステージの遷移は正常な処理をなしていることとなる。すなわち、可逆制御タイミングテーブルによって、ステージ間の遷移条件が機能モジュールの物理的拘束によって制限された一定の信号パターンの変化に一致するか否かの単純な検証に基づいて、システム全体の正常または異常を判定することができることとなる。
さらに具体的に説明すると、 機械(システム)を設計する際には、目的を達成するための様々な機構を組合わせて構築することがなされている。このとき、システム全体として、係る機構が互いに連動するタイミングチャートが作成される。このとき、物理的拘束(機械的拘束)された機構の一連の姿勢変化は、一定の信号パターンで変化することとなります。システム制御設計の場合、システム全体の入出力信号、調停信号、システム制御信号、及び内部保持信号等の内部信号の全てについての信号のリストが設計されることとなる。係る全ての信号リストの中から、システムの制御に必要とされる信号を選択する(実行は全ての信号を監査することができる)。一方、このリストにない信号は、厳正な検討を行った上で必要でないものと判断し、選択を行わない。これにより、設計者の意図する必要条件以外の動作は、システムにおいて論理的に存在することが不可能となり、当該信号パターンの変化で記述された可逆制御タイミングテーブルは、設計者の意図の必要十分条件を満たすものとなる。そのため、設計者が正しい(機能は満たしている)と考えていても、設計者の想定外の事象、例えば、システム使用環境、オペレータの使用方法、システム全体のバランス等の誤解がある場合に、第三者(Out process3次元CAD等の異なるアーキテクチュア)による検証のサポートを考案することができる。
さらに、and、or、xor、not等の論理演算によって、その解が一意的に確定し、タイミングテーブルから様々な制御を行えるため、信号をグループ化したテーブル演算配列レジスタを構築している。係るテーブル演算配列レジスタは、本発明のテーブル演算制御装置における制御の使用上、モード及び姿勢検出に係るセンサの信号パターンが、システム上に1組しか許されない(存在しない)という制約を示すものであり、これを可逆制御タイミングテーブルによって各機能モジュールを制御することを可能としている。これにより、今現在のモード及び姿勢検出センサの信号パターンにより、現在すべき事が何であるかが必然的に確定されることとになる。
前述した扉開閉機構において(図5(c),(d)参照)、センサが誤動作をした場合、扉閉中に扉閉端信号がONした場合、扉が開いた状態でも、籠が上昇する動作が行われる。この動作は、論理的には正しい動作ではあるものの、許されない動作である。そのため、センサの誤動作の検出が必要となる。このとき、次の信号パターンの変化を予測することが行われる。機構が動作する際、姿勢センサの信号パターンは、前述したように、可逆制御タイミングテーブルの左右のステージにしか遷移しないことが規定されている。そのため、センサ故障(ON又はOFFに固定)時において、本来ONの状態であるべきタイミングで、ONの状態となっていない場合や、一方、本来OFFの状態であるべきタイミングにOFFの状態となっていない場合、エラーとして検出されることとなる。すなわち、1周期の間では、姿勢センサの異常を検出することができるものの、タイミングにより当該検出をするまでに動作をする可能性が考えられる。
したがって、本発明のテーブル演算制御装置によれば、各ステージにおける逗留基準時間、換言すれば、各ステージにおける処理を行うための所要時間が予め規定されている。そして、当該ステージの遷移から当該ステージを離脱するまでの時間(逗留時間)をタイマカウント機能でカウントし、逗留基準時間と対比する処理を行う。なお、係る逗留基準時間は、一定の幅がある時間の範囲であっても構わない。これにより、カウントされた逗留時間が、逗留基準時間から逸脱している場合は、システムに何らかの異常が生じていると判断し、緊急停止等の措置が講じられる。また、係る投入基準時間の設定範囲であるものの、その中間値から徐々に偏向が確認される場合には、将来的にセンサ等の故障や、メンテナンスの必要性が認識され、係る情報がシステム管理者等に報知することができる。これにより、各ステージの逗留時間を把握することにより、システムの異常やメンテナンス時期等を予測することが可能となる。その結果、システムの運用開始からの経年変化、或いは夏期や冬期等の周囲の環境変化に応じた対策を適宜講じることが可能となる。
さらに、具体的に示すと、上述したように、機構の動作条件が拘束され、一定の信号パターンの変化によって機構の動作がなされる場合、各ステージにおける逗留時間はほぼ一定のものとなる。つまり、ステージの逗留時間が短い場合及び長い場合のいずれかであっても異常を示すこととなる。例えば、前述の機構において、扉閉中に扉閉端信号がONしたタイミングが短い場合、扉が沢山開いた状態では異常となり、少し開いた状態では籠が上昇することとなる。一方、扉閉端センサがONしない場合にも異常となる。ここで、ステージの逗留時間の計測は、動作環境の変化を検出したことにもなり、機械の再調整の必要性の判断にも利用することが可能となる。
ここで、チャタリングのカウント及び異常の発生認識に係る処理の具体例について説明すると、例えば、前進処理の場合、前入力された信号が、現在のステージ(“現ステージ”)の次のステージ(“次ステージ”)の入力条件を満たす場合、“現ステージ”に付されたステージ番号に1を加算し、“現ステージ番号”の出力ビットをアサートすることにより、前進処理を行う。一方、入力された信号が、“現ステージ”に係る入力条件及びその次の“次ステージ”の入力条件のいずれをも満たさず、チャタリング許可時でチャタリング信号をマスクした信号が条件を満たさない場合には、異常が発生したと認識し、一方、上記条件で入力条件を満たす場合には、“チャタリングカウンタに1を加算する処理”を実行する。
ここで、チャタリングとは、非常に短い周期で信号がふらつく現象であり、センサ等の検出機器に何らかの異常が発生、若しくは、当該発生が将来的に起こりうる可能性を示すものである。そのため、チャタリングの発生数をカウントすることにより、一定数を超えた場合にセンサ等の故障予測や寿命等を予測することが可能となる。
したがって、本発明のテーブル演算制御装置によれば、予め付されたステージ番号に対応する入力条件を判定し、チャタリングの発生数が一定数を超えた場合、センサの経年変化や劣化等が生じている可能性を表示し、センサが将来的に故障するなどの寿命予測を示すことができる。これにより、システムの故障の前兆を予測し、早急な交換等により、異常停止を防止することができる。さらに、カウントが積算され、一定数以上を超えた場合には、制御対象機器の制御を緊急停止させたり、或いは当該緊急停止をオペレータ等に音声や光によって報知するものであってもよい。その結果、機器の突然の停止や漏電等による火災の発生等、重大事故に繋がるような異常な事態の把握をオペレータが速やかに認識することができ、本発明のテーブル演算制御装置を用いたシーケンス制御の安定性がより高いものとなる。
また、異常発生の頻度やチャタリングカウントのカウント周期を時系列的に分析することにより、異常発生や故障発生の予測や、ステージに対応する関連性を把握することが可能となる。これにより、チャタリングカウントされる要因となる箇所、配線の断線、短絡、接触不良等の発生原因の特定及び予測が容易となる
さらに、本発明のテーブル演算制御装置は、上記構成に加え、「前記機能制御モジュール・シートは、前記可逆制御タイミングテーブルの後退端或いは前進端に相当する前記ステージからの遷移を開始する際に、相反する排他出力信号をオフにする操作を、前記可逆制御タイミングテーブルに挿入する処理を行う自動起動シーケンス挿入機能を含んでなる」ものであっても構わない。
したがって、本発明のテーブル演算制御装置によれば、可逆制御タイミングテーブルの後退端或いは前進端から遷移が開始される場合には、自動起動シーケンス挿入機能によって排他出力信号をオフにする処理がなされる。すなわち、後退端及び前進端は、可逆制御タイミングテーブルの両端に位置するものであり、係るステージからの互いに隣接するステージは左右のいずれか一方でしかない。そのため、係るステージからの遷移の際には、自動的に起動する処理を行うことにより、制御対象機器の制御を速やかに行うことができるようになる。
さらに、本発明のテーブル演算制御装置は、上記構成に加え、「前記機能制御モジュール・シートは、前記可逆制御タイミングテーブルの前記後退端或いは前記前進端に相当する前記ステージに到達する遷移を行う際に、前記制御対象機器の制御を終了する操作を前記可逆制御タイミングテーブルに挿入する処理を行う自動終了シーケンス挿入機能を含んでなる」ものであっても構わない。
したがって、本発明のテーブル演算制御装置によれば、可逆制御タイミングテーブルの後退端或いは前進端に到達した場合には、自動終了シーケンス挿入機能によって制御対象機器の制御を終了する処理がなされる。すなわち、後退端及び前進端は、前述のように、可逆制御タイミングテーブルの両端に位置するものであり、このステージに到達したことは、制御が終了したことを意味している。そのため、係るステージへ遷移した場合には、自動的に終了処理を行うことにより、システム制御の安定性を高めることができるようになる。
さらに、本発明のテーブル演算制御装置は、上記構成に加え、「前記可逆制御タイミングテーブルにおける移動方向の可逆制御は、前進ジャンプ制御処理及び後退ジャンプ制御処理によって実施される」ものであっても構わない。
したがって、本発明のテーブル演算制御装置によれば、可逆制御タイミングテーブルにおける移動方向の可逆制御が前進ジャンプ(例えば、+3)或いは後退ジャンプ(例えば、−3)によって指定される。これにより、現在のステージから隣接するステージを超えて離間したステージに遷移することが可能となる。
さらに、本発明のテーブル演算制御装置は、上記構成に加え、「前記信号パターンと前記ステージに対応する前記条件が一致する場合、出力信号をアサートする処理を行い、一方、前記条件が不一致の場合、前記出力信号をネゲートする処理を行う常時処理モジュールを」具備するものであっても構わない。
ここで、常時レベル処理モジュールは、入力された信号パターンが、規定された入力条件を満たす場合、出力信号をアサート(assert:アクティブな状態・有効にする・論理的に真の状態)とするものであり、一方、当該入力条件を満たさない場合、ネゲート(negate:インアクティブな状態・無効にする・論理的に偽の状態)とするものである。
したがって、本発明のテーブル演算制御装置によれば、常時レベル処理モジュールを有することにより、信号パターンを条件に従って判定し、出力信号をアサートまたはネゲートすることができる。
さらに、本発明のテーブル演算制御装置は、上記構成に加え、「前記信号パターンによって、排他グループの信号が同時に2つ以上の前記出力信号がアサートされた場合、前記制御対象機器の動作異常として検知する機能を有する排他信号モジュールを」具備するものであっても構わない。
したがって、本発明のテーブル演算制御装置によれば、排他信号モジュールを有することにより、入力された信号パターンに基づいて、排他グループの信号が同時に2つ以上のアサートが検知される場合、明らかな異常として認識し、異常に係るトリガを発生させることができる。その結果、異常発生のシーケンスが制御対象機器において実行される。
さらに、本発明のテーブル演算制御装置は、上記構成に加え、「前記機能制御モジュール・シートに対応し、複数の前記機能モジュールの互いの相関関係に基づいて、他の前記機能モジュールとの間で発生する異常な組合わせパターンを異常レベルの論理和を算出することによって検証し、それぞれの前記機能モジュールの挙動を調停し、決定するシステム調停モジュールを」具備するものであっても構わない。
したがって、本発明のテーブル演算制御装置によれば、システム調停モジュールを有することにより、各機能モジュール間の相関関係に従って、異常を発生するような組合わせを予め検証し、これに基づいて、状態遷移モジュールによって挙動が決定される各々の機能モジュールの動作を調停された上で決定される。これにより、システム稼働時における機能モジュールの組合わせによる異常発生が解消される。
さらに、本発明のテーブル演算制御装置は、上記構成に加え、「複数の前記機能制御モジュール・シートを包含して形成され、それぞれの前記機能モジュールを順次起動して前記制御対象機器を制御する際に、制御モード、動作の可否、前進処理及び後退処理、起動、起動中、及び完了時のそれぞれの状態を前記信号パターンの変化に従って制御する順次シーケンス・モジュールを」具備するものであっても構わない。
したがって、本発明のテーブル演算制御装置によれば、複数の機能制御モジュール・シートを含んでなる順次シーケンス・モジュールを有して構築され、制御モードや動作の可否等の各種状態を信号パターンの変化に基づいて制御することができる。
本発明のテーブル演算制御装置は、各モジュールを組合わせ、各ステージにおける信号の状態を入力条件に基づいて必要条件として判定し、当該条件を満たす場合に制御対象機器を制御することができる。その結果、従来のシーケンス制御に比べ、システムチェックに要する膨大な組合わせパターンを大幅に削減することができ、比較的簡易な構成で制御対象機器に係る制御を実施することができる。また、シーケンス制御のためのソフトウェアの構築に要する時間の短縮を図ることができ、高速かつ安定性の高いシーケンス制御を行うことが可能となる。
以下、本発明の一実施形態であるテーブル演算制御装置1の一例について、図1乃至図4に基づいて説明する。ここで、図1は本実施形態のテーブル演算制御装置1の概略構成を示す説明図であり、図2はテーブル演算制御装置1によって制御される扉開閉機構Dの一例を模式的に示す(a)模式図、及び扉の開閉制御に使用される可逆制御タイミングテーブルTを示す(b)説明図であり、図3は(a)システム調停モジュール2、及び、(b)順次シーケンスモジュール3の一例をそれぞれ示す説明図であり、図4はテーブル演算制御装置1による処理の流れの一例を示すフローチャートである。本実施形態のテーブル演算制御装置1は、上述した扉開閉機構D(制御対象機器に相当)の扉の開閉を各スイッチ、アクチュエータ、センサに対する信号を制御することにより、時系列に沿ってシーケンス制御を行うものについて例示する。
本実施形態のテーブル演算制御装置1は、常時レベル処理モジュール4、排他信号モジュール5、及び状態遷移モジュール6を含んで構成される機能制御モジュール・シート7と、複数の機能制御モジュール・シート7を包含して構築された順次シーケンスモジュール3と、順次シーケンスモジュール3と接続し、扉開閉機構Dの各機能モジュールの間で発生する異常な組合わせをエラー信号等から検出し、それぞれのステージSにおける扉開閉機構Dの動作の挙動を調停するシステム調停モジュール2と、順次シーケンスモジュール3と各種情報及びデータを送受可能に形成されたランダムアクセスメモリからなる記憶手段10と、記憶手段10と接続し、扉開閉機構Dと各ポート間での信号の送受に係る処理を行う信号処理手段11とを主に具備して構成されている。
さらに、テーブル演算制御装置1は、Ethernet(登録商標)のような通信回線12を介してパソコン、モニタ、及び当該パソコンにインストールされたデバッガソフトウェアを含んで構成されるパソコン機器13と接続している。なお、係るパソコン機器13と間の情報等の送受は、通信用CPU14を介して行われている。ここで、テーブル演算制御装置1は、主として、ソフトウェアのプログラミングが可能な汎用のFPGAを利用して構築され、メインモジュール15上に各モジュール7等の機能を奏するようにプログラミングによって構成されている。また、機能制御モジュール・シート7は、さらに、各モジュールとの連携、及び、起動・停止のタイミングの制御を行うために、準備関数PF、タイマTM、カウンタC、及びその他各種関数FXを含んで構成されている。ここで、タイマTMは、本発明の時間診断モジュール(図示しない)の一部として用いられ、可逆制御タイミングテーブルTの各ステージSにおける逗留時間を計測することに利用される。なお、各ステージSの逗留基準時間は、可逆制御タイミングテーブルTと関連してそれぞれの状態遷移モジュール6(または、機能制御モジュール・シート7)に記憶されている。そして、係る逗留基準時間とカウントされた逗留時間を対比し、扉開閉機構Dの異常を診断することが可能となっている。さらに、カウンタCの一部は、制御時におけるチャタリングの回数をカウントするチャタリングカウンタとして機能し、寿命診断モジュールの一部として構成されている。なお、チャタリングの回数による寿命診断の詳細は、後述するため、ここでは説明を省略する。
さらに、テーブル演算制御装置1によって制御される制御対象機器としての扉開閉機構Dは、図2(a)に示されるように、扉閉スイッチ20及び扉開スイッチ21、扉閉アクチュエータ22及び扉開アクチュエータ23、扉の開状態及び閉状態をそれぞれ検知する開端センサ24及び閉端センサ25によって主に構成されている。そして、それぞれのスイッチ20,21、センサ24,25、アクチュエータ22,23の検知及び動作に基づいて送受される各種信号(X101等)が信号名とともに、図2(b)に示される可逆制御タイミングテーブルTに表されている。さらに、スイッチ等の各部材の状態が合わせて示されている。ここで、可逆制御タイミングテーブルTによって表されたシーケンスは、現在のステージSから一つ前若しくは一つ後のいずれかに一方にしか、換言すれば、図2(b)の可逆制御タイミングテーブルTにおいて、現在のステージSから左右のいずれか一方のステージS’,S”にしか動くことができない。すなわち、一つのステージSを基準として期待される次ステージS’,S”は、予測可能なものである。その結果、係る次ステージS’,S”以外に状態が遷移した場合には、当該挙動は異常なものとして検出され、エラー信号が発せられることになる。
一方、システム調停モジュール2は、複数の機能モジュールシートの状態で構成され、図2(a)に示すように、個々の動き(非常停止・その場停止・サイクル停止・次起動不可等)の挙動が記述されている。さらに、順次シーケンスモジュール3は、それぞれの手順毎に分類された信号のまとまりにおいて、信号の変化を検出し、当該信号の変化が順次シーケンスモジュール3に規定された条件に合致するステージSの内容を実行するものである。なお、図2(a)及び(b)で示したシステム調停モジュール2及び順次シーケンスモジュール3の例は、本実施形態のテーブル演算制御装置1において制御する扉開閉機構Dの制御と一部相違している。
次に、本実施形態のテーブル演算制御装置1を利用した機械制御システムを構築する手順の一例について説明する。ここでは、一例として、工作機械のワーク加工制御を例にして説明する。始めに、機械制御システム全体の基本設計を行い、システムの拘束条件及びタイミングチャートの作成を行う。このとき、各モジュールにおけるタイミングチャートを作成し、制御対象機器(扉開閉機構D)における時系列に沿った挙動、動作のタイミングチャートをXML形式等によって記述し、これに基づいて、各ステージSにおける状態を示す可逆制御タイミングテーブルTが構築される。ここで、可逆制御タイミングテーブルTは、制御対象機器の挙動が一定の信号パターンの変化を示すことに基づいて構成されている。なお、タイミングチャートの記述は、エミュレータツール等によって編集することも可能である。このとき、制御対象機器における接続の階層構造を決定する必要がある。この階層構造が制御対象機器の信号線を自動設定することとなり、当該信号線は階層の下位から上位に向かって接続するように構築する必要がある。これにより、制御対象機器のそれぞれの部品の一つの動作(センサ等)に対し、加速度又はエネルギー換算のセンサを事務的に追加することを推奨する。
なお、係る機械制御システムの開発過程において、機械設計(CAD)、電気制御設計(ハード:ハードウェア回路図)、部品設計/製作、組み立て、機械設備製作、電気工事等のハードウェア構成に係る技術については、簡略化するために詳細な説明は省略する。
得られた制御プログラムは、論理異常がない状態で、エミュレータ上で動作させ、機械設備への導入前の動作チェック及びランニングテストを実行することができる。ここで、例えば、工作機械のロボットアーム等の数値制御によって、当該ロボットアームの姿勢、動きを制御する装置(モーション制御装置)が必要となる場合、特異点を回避するために、異なる計算論理を並列計算させた結果を比較する処理が実施される。本実施形態のテーブル演算制御装置1によれば、係る計算結果の検証に利用することができる。その後、動作手順チェック、干渉チェックを実行し、アウトプロセス制御を実施する。そして、最終的に第三者によるチェックを行った上で、機械制御システムが構築される。
さらに、全信号のパターンチェック(所謂「意地悪チェック」)は、構築した機械制御システムの管理アプリケーションソフトにて、自動的に全ての通常では想定できない入力信号を入力し、予想外の操作を行わせることにより、係る入力信号の入力によって異常が報知されることを確認する処理が行われる。このとき、異常が報知されない場合、当該システムの安全性が十分でないものと判断される。
その後、本実施形態のテーブル演算制御装置1の信号処理手段11と、組立てられたハードウェア側の制御対象機器(例えば、扉開閉機構D)との間で配線接続を行う。ここで、配線確認(I/Oチェック)は、サポート・エミュレータ・ツールを利用し、対話形式で実施することができる。このとき、配線確認を行う担当者は、全ての信号線に対し、入力信号の場合は、センサの名称や位置の確認、及びセンサを反応させた場合に、対応する信号のみが反応し、他の信号に影響しないか否かを確認する。一方、出力信号の場合、信号を操作し、対応する動作対象のみが反応し、他の動作に影響しないことを確認する。このとき、全ての信号線についての確認ができない場合、警告を表示する。
すなわち、本実施形態のテーブル演算制御装置1によれば、Xml形式のファイル等を編集し、これを保存することにより、信号パターンが予め規定されている条件(タイミングチャート)に基づいて制御プログラムをプログラミングし、それをFPGA上にモジュール化して構築することにより、安全性の高いシステムを構築することができる。特に、各ステージのタイミングによる誤動作は、タイミングチャートに基づいて実施されるため、論理的誤動作の存在確率はゼロとなる。加えて、従来は必要でない信号は無視されていたのに対し、係る信号を利用して、チャッタリングをカウントすることにより、センサ等の故障可能性を予測することが可能となり、センサの交換時期の把握や、システムが不安定になる前の交換を実施することができる。
また、従来は、設計者が認識した異常のみが異常発生として処理されるのに対し、本実施形態のテーブル演算制御装置1の場合、極めて簡易な処理によって全ての異常を処理することが可能となる。さらに、故障発生時においても、システム全体が正常状態を検知しなければ、再起動が不可能となり、安定性が高くなる。
さらに、各モジュールの相対的(位置的関係)に基づいて、システム全体の拘束条件を把握することができ、かつモジュールに記述されたタイミングチャートに基づいて、設計者以外の第三者によるシステムチェックも比較的簡易に実施することが可能となる。
また、図4に本実施形態のテーブル演算制御装置1による処理の流れの一例を示すフローチャートを図示する。なお、係るフローチャートの詳細な説明については、省略するものとする。
ここで、本実施形態のテーブル演算制御装置1は、可逆制御タイミングテーブルTのおける入力条件に受付けた信号が合致しない場合、カウンタCによってチャッタリングカウンタの値を“+1”追加する処理がなされ、記憶手段10にカウント数が記憶される。この場合、信号によって扉開閉機構Dが不安定な動作をしたことが検出され、カウント数の値が一定数を超えた場合、例えば、センサ24等の故障若しくは故障可能性を報知し、適切な対応をとることができる(本発明の寿命診断モジュール)。なお、チャッタリングカウンタのカウントされた部位に応じては、例えば、緊急異常停止等の処理を行っても可能である。すなわち、システムにおいて、軽微なレベルの信号の相違であれば、検出状態をオペレータに報知し、その後、シーケンス制御を継続して実施することが行われる。このとき、チャッタリングカウンタのカウントが発生したタイミングをタイミングチャート及び可逆制御タイミングテーブルTに則って時系列的に調査及び分析することにより、その信号に関連する配線の断線、短絡、接触不良、ノイズ環境の悪化、センサの故障等の前兆、すなわち、機器の異常をある程度予測することが可能となる。これにより、故障や破損の虞を未然に回避することができ、かつ火災や労災事故等の重大事故の発生を防止することができるようになる。
以上、説明したように、本実施形態のテーブル演算制御装置1は、タイミングチャート(可逆制御タイミングテーブルTの状態)に係る入力条件に基づいて一定の信号パターンの変化を判定し、受付けた信号パターンと条件とが合致するか否かを判定する単純かつ簡易な処理によってシーケンス制御を実施することができる。すなわち、一定の信号パターンの変化から逸脱した信号パターンの変化は、常に異常なものとして認識される。その結果、従来のように、幾何学的な数のシーケンス制御プログラムを記述する必要がなくなり、単純かつ簡易な構成で安全、安定したシステムの制御を行うことが可能となる。したがって、従来のような、安全を確保するために、莫大な費用及び人員を必要としていた分野において、本発明のテーブル演算制御装置1を採用することにより、コスト等の大幅な削減をすることが可能となる。また、極めて簡易な構成で制御システムを構築することが可能となるため、システム制御の高機能化及び高速化を図ることが可能となり、高精度の加工処理を安定して行うことができるようになる。
特に、工作機械等の安全性、安定性、及びメンテナンス性が高い水準で求められる分野における制御の場合、本発明のテーブル演算制御装置を採用したシステムを構築することで、低コスト、短納期、高品質、及び高速・高機能化した制御システムを得ることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、本実施形態のテーブル演算制御装置1において、制御対象機器として、扉開閉機構Dを例示して説明したが、もちろんこれに限定されるものではなく、現在シーケンス制御によって制御されている種々の工作機械及び機械設備に対して適用することが可能である。
本実施形態のテーブル演算制御装置の概略構成を示す説明図である。 テーブル演算制御装置によって制御される扉開閉機構の一例を模式的に示す(a)模式図、及び扉の開閉制御に使用されるテーブルを示す(b)説明図である。 (a)システム調停モジュール、及び、(b)順次シーケンスモジュールの一例をそれぞれ示す説明図である。 テーブル演算制御装置1による機能制御モジュール・シートの処理の流れの一例を示すフローチャートである。 (a)ラダー図、(b)ニーモック表現、(c)模式図、(d)テーブルの一例を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1 テーブル演算制御装置
2 システム調停モジュール
3 順次シーケンスモジュール
4 常時レベル処理モジュール
5 排他信号モジュール
6 状態遷移モジュール
7 機能制御モジュール・シート
10 記憶手段
11 信号処理手段
12 通信回線
13 パソコン機器
14 通信用CPU
15 メインモジュール
S,S’,S” ステージ
D 扉開閉機構
PF 準備関数
TM タイマ
C カウンタ

Claims (8)

  1. 制御対象機器を構成する制御構成要素として機能する複数の機能モジュールを、予め規定した制御手順に則ってそれぞれ起動し、前記制御対象機器の制御を可能とする機能制御モジュール・シートを有するテーブル演算制御装置であって、
    前記機能制御モジュール・シートは、
    複数の前記機能モジュールの各ステージの状態から前記機能モジュールの挙動を調停するとともに、前記機能モジュールの物理的拘束に基づいて、一定の信号パターンの変化を定義して構成された可逆制御タイミングテーブルに従って、前記機能モジュールの挙動を論理演算によって制御する状態遷移モジュールと、
    前記ステージへの遷移時にタイマを起動し、前記ステージにおける逗留時間をカウントするタイマカウント機能、及びカウントされた前記逗留時間及び予め前記ステージに対して規定された逗留基準時間を対比し、前記逗留時間が設定された前記逗留基準時間の時間範囲から逸脱している場合、異常として判断する異常診断機能を有する時間診断モジュールと
    を具備し、
    前記可逆制御タイミングテーブルは、
    前記ステージ間の遷移を、前記機能モジュールの物理的拘束に基づいて、前記ステージの互いに隣接するステージへの遷移に制限した一定の前記信号パターンの変化に基づいて記述され、
    前記状態遷移モジュールは、
    一定の変化をする前記信号パターンが、前記ステージに対応する条件に合致するか否かについて検証し、当該検証の結果に基づいて次のステージへの遷移処理を行う検証遷移機能を有し、
    前記機能制御モジュール・シートは、
    入力された前記信号パターンのふらつきを示すチャタリングの回数をカウントするチャタリングカウント機能、及びカウントされた回数に基づいてセンサの寿命を予測する寿命予測機能を有する寿命診断モジュールを具備することを特徴とするテーブル演算制御装置。
  2. 前記機能制御モジュール・シートは、
    前記可逆制御タイミングテーブルの後退端或いは前進端に相当する前記ステージからの遷移を開始する際に、相反する排他出力信号をオフにする操作を、前記可逆制御タイミングテーブルに挿入する処理を行う自動起動シーケンス挿入機能を含んでなることを特徴とする請求項1に記載のテーブル演算制御装置。
  3. 前記機能制御モジュール・シートは、
    前記可逆制御タイミングテーブルの前記後退端或いは前記前進端の前記ステージに到達する遷移を行う際に、前記制御対象機器の制御を終了する操作を前記可逆制御タイミングテーブルに挿入する処理をする自動終了シーケンス挿入機能を含んでなることを特徴とする請求項2に記載のテーブル演算制御装置。
  4. 前記可逆制御タイミングテーブルにおける前記ステージの遷移方向の可逆制御は、
    前進ジャンプ制御処理及び後退ジャンプ制御処理によってなされることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のテーブル演算制御装置。
  5. 前記信号パターンと前記ステージに対応する前記条件が一致する場合、出力信号をアサートする処理を行い、一方、前記条件が不一致の場合、前記出力信号をネゲートする処理を行う常時処理モジュールをさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載のテーブル演算制御装置。
  6. 前記信号パターンによって、排他グループの信号が同時に2つ以上の前記出力信号がアサートされた場合、前記制御対象機器の動作異常として検知する排他信号モジュールをさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載のテーブル演算制御装置。
  7. 前記機能制御モジュール・シートに対応し、複数の前記機能モジュールの互いの相関関係に基づいて、他の前記機能モジュールとの間で発生する異常な組合わせパターンを異常レベルの論理和を算出することによって検証し、それぞれの前記機能モジュールの挙動を調停し、決定するシステム調停モジュールをさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載のテーブル演算制御装置。
  8. 複数の前記機能制御モジュール・シートを包含して形成され、それぞれの前記機能モジュールを順次起動して前記制御対象機器を制御する際に、制御モード、挙動動作の可否、前進処理及び後退処理、前記機能モジュールの起動時、起動状態、及び完了時のそれぞれの状態を前記信号パターンの変化に従って制御する順次シーケンス・モジュールをさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載のテーブル演算制御装置。
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