JP5087334B2 - 刃物台回転型加工機の加工方法および制御ユニット - Google Patents

刃物台回転型加工機の加工方法および制御ユニット Download PDF

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この発明は、刃物台回転型加工機の加工方法および制御ユニットに関し、特に、大型加工物の内円周面、端面の切削加工等を行う刃物台回転型加工機の加工方法および制御ユニットに関するものである。
大型加工物の内円周面(円筒内周面、テーパ状内周面等)や端面(円環フランジ面、角形フランジ面、円環端面)等の切削加工は、門形の立旋盤により行われるのが一般的である(例えば、特許文献1)。
立旋盤による切削加工では、回転テーブル上に被加工物を載置し、回転テーブルによって被加工物を回転させ、両側のコラムとによって門形をなすクロスレールにY軸方向(回転テーブルの水平径方向)に軸移動可能に設けられたターニングヘッドをY軸移動させ、ターニングヘッドに上下移動可能に設けられたラムおよびラムの下端に取り付けられている刃物台をZ軸方向(上下方向)に移動させ、刃物台に取り付けられたバイト工具等によって回転テーブル上の被加工物の内円周面や端面を切削する。
特公平1−56364号公報
立旋盤による切削加工では、当然のこととして、立旋盤の門幅、最大加工径、門高、最大加工高さは、被加工物の外径、全高より大きくてはならない。このため、被加工物の大きさに応じて大型の立旋盤が必要になり、機械設置のために、大きいスペースが常時必要になる。大型の立旋盤は高価であり、多くの場合、大型加工物の加工が常にあるわけでないことを考えると、大型の立旋盤は、コストパフォーマンスやスペース効率が悪い設備と云える。
このことに対して、基台上に回転台が回転可能に設けられ、回転台上にスライドビームが水平軸線方向に移動可能に設けられ、スライドビームの端部に固定装着された刃物台ベースと当該刃物台ベースに対して垂直軸線方向に移動可能な可動刃物台を有する刃物台回転型加工機を用い、この刃物台回転型加工機(装置全体)をクレーン等を用いて被加工物の中心位置に搬入設置し、可動刃物台に工具を取り付け、回転台を回転駆動し、スライドビームを水平軸線方向に移動させて切り込み送りを行い、可動刃物台の垂直軸線方向移動によって軸線方向送りを与えて被加工物の内円周面を切削、あるいは可動刃物台を垂直軸線方向に移動させて切り込み送りを行い、スライドビームの水平軸線方向移動によって径方向送りを与えて被加工物の端面を切削することが、本願出願人と同一の出願人によって提案されている(特願2006−148684)。
このような搬入式の刃物台回転型加工機による内円周面や端面の切削加工では、高価な大型加工機、大きいスペースを必要とせずに、大型加工物の円筒面や端面の切削加工を、スペース効率よく高いコストパフォーマンスをもって行えると云う利点がある。
しかし、搬入式の刃物台回転型加工機では、被加工物の中心位置に搬入設置された刃物台回転型加工機の回転中心点(回転台の回転中心点)が、必ずしも被加工物の中心点に一致せず、内円周面加工において偏心誤差を生じることになる。また、刃物台回転型加工機の設置面の状態が必ずしも良好でないため、刃物台回転型加工機の垂直軸線が被加工物の垂直軸線に合致せず、被加工物の垂直軸線に対して傾きをもって刃物台回転型加工機が設置され、内円周面加工において中心軸線の傾き誤差を生じることになる。このことは、端面加工においては、刃物台回転型加工機の水平軸線が被加工物の水平端面と平行にならず、傾斜誤差を生じることになる。
このようなことは、大型で、分割した被加工物を予め仕上げ代を残して粗加工しておき、組み立て後に仕上加工を上述の搬入式の刃物台回転型加工機で行う場合や、オーバフォール時の再仕上加工を上述の搬入式の刃物台回転型加工機で行う場合に、特に問題になる。
これらのことに対して、刃物台回転型加工機の設置基部に配置されるサイドジャッキやレベル調整装置によって刃物台回転型加工機を動かし、心だしや傾き調整を行うことができる。しかし、振れ、傾き検出作業部と、サイドジャッキやレベル調整装置による調整作業部とが離れていること、刃物台回転型加工機は小型といえども数十トンの重量があること等により、心だし、傾き調整作業は容易でなく、高精度な心だし、傾き調整を行うには、多大な作業時間を要することになる。また、完全な心だし、傾き調整は、実際には行うことが難しく、偏心誤差、傾き誤差(端面傾斜誤差)が少なからず存在することになり、搬入式の刃物台回転型加工機による加工精度に問題をきたす。
この発明が解決しようとする課題は、搬入式の刃物台回転型加工機において、サイドジャッキやレベル調整装置による設置調整に依存することなく、偏心誤差、傾き誤差、端面傾斜誤差による加工精度の低下を回避し、高精度な内円周面加工、端面加工を行えるようにすることである。
この発明による刃物台回転型加工機を用いた加工方法は、基台上に回転台が回転可能に設けられ、前記回転台上にスライドビームが水平軸線方向に移動可能に設けられ、前記スライドビームの端部に固定装着された刃物台ベースと当該刃物台ベースに対して垂直軸線方向に移動可能な可動刃物台を有する刃物台回転型加工機を用いた加工方法であって、前記刃物台回転型加工機を被加工物の中心位置に搬入設置する加工機搬入工程と、前記可動刃物台に寸法測定器を取り付け、前記回転台を回転させ、当該回転台の複数個の回転位置の各々において前記寸法測定器によって前記回転台の回転中心点と前記被加工物の内円周面との径方向距離を計測する回転位置対応径方向距離計測工程と、前記回転位置対応径方向距離計測工程によって計測した計測値より前記被加工物の中心点に対する前記回転台の回転中心点の偏心量を演算する偏心量演算工程と、前記可動刃物台に工具を取り付け、前記回転台を回転駆動し、前記スライドビームを水平軸線方向に移動させて切り込み送りを行い、前記可動刃物台の垂直軸線方向移動によって軸線方向送りを与えて前記被加工物の内円周面を加工する内円周面加工工程とを有し、前記内円周面加工工程において、前記偏心量演算工程にて演算された前記偏心量による偏心誤差がキャンセルされるように、前記回転台の回転角位置に応じて前記スライドビームの水平軸線方向位置を補正し、前記被加工物の中心点を基準とした偏心補償を行う。
この発明による刃物台回転型加工機を用いた加工方法は、基台上に回転台が回転可能に設けられ、前記回転台上にスライドビームが水平軸線方向に移動可能に設けられ、前記スライドビームの端部に固定装着された刃物台ベースと当該刃物台ベースに対して垂直軸線方向に移動可能な可動刃物台を有する刃物台回転型加工機を用いた加工方法であって、前記刃物台回転型加工機を被加工物の中心位置に搬入設置する加工機搬入工程と、前記可動刃物台に寸法測定器を取り付け、前記回転台を回転させ、当該回転台の複数個の複数個の回転位置の各々において前記寸法測定器によって前記回転台の回転中心点と前記被加工物の内円周面との径方向距離を計測する回転位置対応径方向距離計測工程と、前記回転位置対応径方向距離計測工程によって計測した計測値より前記被加工物の中心点に対する前記回転台の回転中心点の偏心量を演算する偏心量演算工程と、前記可動刃物台に寸法測定器を取り付け、前記回転台の所定回転位置において前記可動刃物台を垂直軸線方向に移動させ、複数個の垂直軸線位置の各々において前記寸法測定器によって前記回転台の回転中心点と前記被加工物の内円周面との径方向距離を計測する垂直軸線位置対応径方向距離計測工程と、前記垂直軸線位置対応径方向距離計測工程によって計測した計測値より前記被加工物の垂直軸線に対する前記回転台の回転中心軸線の傾き角度を演算する傾き角度演算工程と、前記可動刃物台に工具を取り付け、前記回転台を回転駆動し、前記スライドビームを水平軸線方向に移動させて切り込み送りを行い、前記可動刃物台の垂直軸線方向移動によって軸線方向送りを与えて前記被加工物の内円周面を加工する内円周面加工工程とを有し、前記内円周面加工工程において、前記偏心量演算工程にて演算された前記偏心量による偏心誤差と、前記傾き角度演算工程にて演算された前記傾き角度による傾斜誤差の双方がキャンセルされるように、前記回転台の回転角位置に応じて前記スライドビームの水平軸線方向位置を補正し、前記被加工物の中心点と前記被加工物の垂直軸線を基準とした円筒面偏心−傾き補償を行う。
この発明による刃物台回転型加工機の制御ユニットは、基台上に回転台が回転可能に設けられ、前記回転台上にスライドビームが水平軸線方向に移動可能に設けられ、前記スライドビームの端部に固定装着された刃物台ベースと当該刃物台ベースに対して垂直軸線方向に移動可能な可動刃物台を有し、装置全体を被加工物の中心位置に搬入設置され、前記可動刃物台に工具を取り付けられ、前記回転台を回転駆動し、前記スライドビームを水平軸線方向に移動させて切り込み送りを行い、前記可動刃物台の垂直軸線方向移動によって軸線方向送りを与えて前記被加工物の内円周面を加工する刃物台回転型加工機の制御ユニットであって、前記回転台の複数個の回転角位置における当該回転台の回転中心点と前記被加工物の内円周面との径方向距離の計測値を入力し、当該計測値より前記被加工物の中心点に対する前記回転台の回転中心点の偏心量を演算する偏心量演算手段と、前記被加工物の内円周面加工において、前記偏心量演算手段にて演算された前記偏心量による偏心誤差がキャンセルされるように、前記回転台の回転角位置に応じて前記スライドビームの水平軸線方向位置を補正し、前記被加工物の中心点を基準とした偏心補償を行う偏心補償制御手段とを有する。
この発明による刃物台回転型加工機の制御ユニットは、基台上に回転台が回転可能に設けられ、前記回転台上にスライドビームが水平軸線方向に移動可能に設けられ、前記スライドビームの端部に固定装着された刃物台ベースと当該刃物台ベースに対して垂直軸線方向に移動可能な可動刃物台を有し、装置全体を被加工物の中心位置に搬入設置され、前記可動刃物台に工具を取り付けられ、前記回転台を回転駆動し、前記スライドビームを水平軸線方向に移動させて切り込み送りを行い、前記可動刃物台の垂直軸線方向移動によって軸線方向送りを与えて前記被加工物の内円周面を加工する刃物台回転型加工機の制御ユニットであって、前記回転台の複数個の回転角位置における当該回転台の回転中心点と前記被加工物の内円周面との径方向距離の計測値を入力し、当該計測値より前記被加工物の中心点に対する前記回転台の回転中心点の偏心量を演算する偏心量演算手段と、前記回転台の所定回転位置の複数個の垂直軸線位置における前記回転台の回転中心点と前記被加工物の内円周面との径方向距離の計測値を入力し、当該計測値より前記被加工物の垂直軸線に対する前記回転台の回転中心軸線の傾き角度を演算する傾き角度演算手段と、前記被加工物の内円周面加工工程において、前記偏心量演算手段によって演算された前記偏心量による偏心誤差がキャンセルされるように、前記回転台の回転角位置に応じて前記スライドビームの水平軸線方向位置を補正し、前記被加工物の中心点を基準とした偏心補償を行う偏心補償制御手段と、前記被加工物の内円周面加工において、前記傾き角度演算手段によって演算された前記傾き角度による傾斜誤差がキャンセルされるように、前記回転台の回転角位置に応じて前記スライドビームの水平軸線方向位置を補正し、前記被加工物の垂直軸線を基準とした傾き補償を行う傾き補償制御手段とを有する。
この発明による刃物台回転型加工機の加工方法、制御ユニットでは、内円周面加工において、径方向距離の計測値に基づいて演算された偏心量による偏心誤差がキャンセルされるように、回転台の回転角位置に応じてスライドビームの水平軸線方向位置が補正させ、被加工物の中心点を基準とした偏心補償が行われるので、刃物台回転型加工機と被加工物との心だしが不十分であっても、内円周面加工における偏心誤差による加工精度の低下がなく、高精度な内円周面加工が行われる。
また、内円周面加工において、径方向距離の計測値に基づいて演算された傾き角度による傾斜誤差がキャンセルされるように、回転台の回転角位置に応じてスライドビームの水平軸線方向位置が補正され、被加工物の垂直軸線を基準とした傾き補償が行われるので、刃物台回転型加工機と被加工物との垂直平行だしが不十分であっても、傾き誤差による加工精度の低下がなく、高精度な内円周面加工が行われる。
また、端面加工において、径方向距離の計測値に基づいて演算された端面傾斜角度による端面傾斜誤差がキャンセルされるように、回転台の回転角位置に応じて可動刃物台の垂直軸線位置が補正させ、被加工物の水平端面を基準とした端面傾斜補償が行われるので、刃物台回転型加工機と被加工物との水平だしが不十分であっても、端面傾斜誤差による加工精度の低下がなく、高精度な端面加工が行われる。
まず、この発明による加工方法、制御装置が適用される刃物台回転型加工機の一つの実施形態を、図1〜図3を参照して説明する。
この実施形態の刃物台回転型加工機は、全体を符号1により示されている。刃物台回転型加工機1は、基本構成として、円筒形状の基台11と、基台11上に回転可能(C軸回転)に設けられた略円盤状の回転台21と、回転台21上に水平方向(X軸方向)に移動可能に設けられたスライドビーム31と、スライドビーム31の端部に着脱可能に固定装着された刃物台ベース41と、刃物台ベース41に垂直軸線方向(Z軸方向)に移動可能に設けられた可動刃物台51とを有する。基台11には、機械全体をクレーン等で吊り上げるための吊りボス14が取り付けられている。
回転台21の回転案内は、基台11と回転台21とに取り付けられた旋回案内軸受12により行われる。
基台11には、円環状の外歯リングギア13が上述の回転台21の回転案内と同心に固定装着されている。回転台21には、回転台21を基台11に対して回転駆動する回転駆動手段として、外歯リングギア13に噛合したピニオン23と、ピニオン23を回転駆動するC軸サーボモータ24とが設けられている。C軸サーボモータ24によってピニオン23が回転駆動されることにより、回転台21が基台11に対して回転駆動される。
なお、C軸サーボモータとピニオン23とは、図示を省略しているが、減速歯車列によって所要の減速比をもって駆動連結されている。この減速歯車列の一つの歯車軸にC軸サーボモータ24の回転位置を検出するアブソリュートロータリエンコーダによるC軸ロータリエンコーダ22が取り付けられている。
スライドビーム31の水平方向移動を案内する直線案内部として、スライドビーム31の下底面部に、回転台21を径方向(X軸方向)に横切って延在する平行2本の直線ガイドレール33が固定装着されている。
回転台21の上面には直線ガイドレール33に係合するリニアガイド部材(図示省略)が取り付けられており、この係合によってスライドビーム31が直線ガイドレール33に案内されて回転台21に対してX軸方向に軸移動する。
回転台21は、X軸送りねじ25の両端を軸受部26によって回転可能に支持している。X軸送りねじ25は回転台21のほぼ中央部を径方向(X軸方向)に横切って延在している。X軸送りねじ25にはスライドビーム31の下底面部に固定装着された送りナット32がねじ係合している。
X軸送りねじ25は、回転台21に搭載されたX軸サーボモータ28にカップリング27によって駆動連結されている。X軸サーボモータ28にはX軸位置検出(X軸サーボモータ28の回転位置検出)のためのアブソリュートロータリエンコーダによるX軸ロータリエンコーダ29が接続されている。
X軸サーボモータ28によってX軸送りねじ25が回転駆動されることにより、スライドビーム31が回転台21に対して水平方向に進退駆動(X軸駆動)される。
スライドビーム31は回転台21の直径にほぼ等しいビーム長を有している。これにより、スライドビーム31がX軸移動のホームポジション(最後退位置)にある状態では、図1に示されているように、スライドビーム31のほぼ全体が回転台21上に載り、機械全体がコンパクトなものになる。したがって、小さい内円周直径の加工物にも対応でき、加工機の搬送も容易になる。
可動刃物台51の背面には上下垂直方向に平行2本の直線ガイドレール52が固定装着されている。刃物台ベース41の前面には直線ガイドレール52に係合するリニアガイド部材42が取り付けられており、この係合によって可動刃物台51が直線ガイドレール52に案内されて刃物台ベース41に対してZ軸方向(上下方向)に軸移動する。
刃物台ベース41は、Z軸送りねじ43の上下両端を軸受部44によって回転可能に支持している。Z軸送りねじ43には可動刃物台51の背面部に固定装着された送りナット53がねじ係合している。
Z軸送りねじ43は、刃物台ベース41が内蔵するZ軸サーボモータ45に減速歯車列46を介して駆動連結されている。Z軸サーボモータ45にはZ軸位置検出(Z軸サーボモータ45の回転位置検出)のためのアブソリュートロータリエンコーダによるZ軸ロータリエンコーダ47が接続されている。
Z軸サーボモータ45によってZ軸送りねじ43が回転駆動されることにより、可動刃物台51が刃物台ベース41に対して上下駆動(Z軸駆動)される。
なお、刃物台ベース41と、可動刃物台51は、一つの組立体である刃物台ユニット61として取り扱われる。
可動刃物台51は前面部に工具装着部54を有する。工具装着部54は、バイト工具57等の工具シャンク部を受け入れて締結ボルト(図示省略)によって固定するシャンク受入部55を上下方向に所定間隔(可動刃物台51の移動ストロークより短いピッチ)をおいて複数個有する。
スライドビーム31に制御ユニット71が搭載されている。制御ユニット71は、各軸のサーボモータ24、28、45のドライブユニット等の動力制御装置や、数値制御装置(CNC)、プログラマブルコントローラ(PLC)等のマイクロコンピュータ式制御装置等により構成され、C軸サーボモータ24、X軸サーボモータ28、Z軸サーボモータ45を制御する。
制御ユニット71は、図4に示されているように、位置制御部(軸制御部)121を有する。位置制御部121は、各軸のロータリエンコーダ22、29、47の各々より位置情報を入力し、C軸サーボモータ24の位置指令と、X軸サーボモータ28の位置指令と、Z軸サーボモータ45の位置指令を生成し、回転台21のC軸位置と、スライドビーム31のX軸位置と、可動刃物台51のZ軸位置の位置制御を行う。
基台11と回転台21との間には、電力供給用スリップリング装置72が設けられている。電力供給用スリップリング装置72は、基台11の側(固定側)から回転台21の側(回転側)に電源電力を供給するものである。これにより、回転台21が回転していても、C軸サーボモータ24、X軸サーボモータ28、Z軸サーボモータ45、制御ユニット71等の回転側にあるすべての電気機器に対して電力供給が行われる。
制御ユニット71の操作パネルとして、機上操作パネル(コンソール)73がスライドビーム31に配置されている。機上操作パネル73を含めて制御ユニット71がスライドビーム31(回転側)に配置されているから、制御ユニット71の電力ケーブル、信号ケーブル等は、回転側のみで済み、基台11と回転台21と間に、各信号ケーブル用のスリップリング装置を設ける必要がない。
スライドビーム31に機上操作パネル73があることにより、スライドビーム31には、保護柵75を有するオペレータの操作用足場74が配置されている。
制御ユニット71のもう一つの操作パネル(コンソール)として、無線通信式の床上操作パネル76が床上配置の床上操作台80に設けられている。制御ユニット71と床上操作パネル76には、双方向に無線通信可能な無線通信器(図示省略)が設けられており、この無線通信のために、制御ユニット71と床上操作台80の双方に無線通信のアンテナ77、78が取り付けられている。
刃物台回転型加工機1は、クレーン等を用いて固定配置の大型の被加工物Wの中央部、円筒状加工物等の中空加工物の場合、その中央部の内側空間に搬入配置され、被加工物Wの円筒内周面Wbの切削加工では、可動刃物台51の工具装着部54の選択された一つのシャンク受入部55にバイト工具57が固定装着される。
C軸サーボモータ24によって回転台21を回転させる。これにより、可動刃物台51のバイト工具57が回転台21の回転中心周りに回転移動し、その回転半径(加工径)はスライドビーム31の回転台21に対する水平方向移動量、つまり、X軸位置により決まり、X軸サーボモータ28によるスライドビーム31のX軸移動によって切り込み送りが行われる。そして、Z軸サーボモータ45による可動刃物台51のZ軸移動によって加工面(円筒内周面Wb)に対する軸線方向(母線方向)の切削送りが行われる。
なお、テーパ状内周面(円錐内周面)の切削加工では、Z軸位置に応じてスライドビーム31のX軸位置により決まる回転半径(加工径)が変更される。
被加工物Wのフランジ面Waの切削加工では、可動刃物台51の上端面に上向きフランジ面加工用アダプタ111を取り付け、このアダプタ111のバイト工具取付部114にバイト工具57を取り付ける。
C軸サーボモータ24によって回転台21を回転させる。これにより、可動刃物台51のバイト工具57が回転台21の回転中心周りに回転移動し、Z軸サーボモータ45による可動刃物台51のZ軸移動によって切り込み送りが行われる。そして、X軸サーボモータ28によるスライドビーム31のX軸移動によって加工面(フランジ面Wa)に対する径方向の切削送りが行われる。
上述した被加工物Wの円筒内周面Wbの内円周面切削加工では、図5に示されているように、刃物台回転型加工機1の回転中心点(回転台の回転中心点)Cmが被加工物Wの中心点Cwに一致していないと、可動刃物台51のバイト工具57は符号tによって示されている回転軌跡を描き、偏心誤差δXが生じる。また、図6に示されているように、刃物台回転型加工機1の垂直軸線Azmが被加工物Wの垂直軸線Azwに合致せず、被加工物Wの垂直軸線Azwに対して傾きをもって刃物台回転型加工機1が設置されると、内円周面切削加工において中心軸線の傾き誤差δθvが生じる。
上述した被加工物Wのフランジ面Waの端面切削加工では、図7に示されているように、刃物台回転型加工機1の垂直軸線Azmが被加工物Wの垂直軸線Azwに合致せず、被加工物Wの垂直軸線Azwに対して傾きをもって刃物台回転型加工機1が設置されると、刃物台回転型加工機1の水平軸線Axmが被加工物Wの水平端面(フランジ面Wa)と平行にならず、傾斜誤差δθhを生じることになる。
なお、内円周面切削加工と端面切削加工とで、刃物台回転型加工機1の垂直軸線Azmの被加工物Wの垂直軸線Azwに対する傾きが同じであると、傾き誤差δθvと傾斜誤差δθhは相関性を持つ。
上述の偏心誤差、傾き誤差(端面傾斜誤差)による加工精度の低下を、刃物台回転型加工機1の搬入設置精度に依存することなく、回避するために、本発明による制御装置は、図4に示されているように、制御ユニット71に、偏心量演算手段122と、偏心補償制御手段123と、傾き角度演算手段124と、傾き補償制御手段125と、端面傾斜角度演算手段126と、端面傾斜補償制御手段127を有する。
偏心量演算手段122は、回転台21の複数個の回転位置における回転台21の回転中心点Cmと被加工物Wの内円周面(円筒内周面Wb)との径方向距離の計測値(径方向距離のC軸周りの変化量)を入力し、当該計測値より被加工物Wの中心点Cwに対する回転台21の回転中心点Cmの偏心量を演算する。この偏心量は、偏心絶対量と偏心の方向を示すベクトル情報を含むものである。
実際の回転位置対応の径方向距離計測は、所定回転位置における回転台21の回転中心点Cmと被加工物Wの内円周面との径方向距離を基準値として、それ以外の回転位置における回転台21の回転中心点Cmと被加工物Wの内円周面の径方向距離の変化量を計測すればよく、径方向距離の計測値は、径方向距離のC軸周りの変化量であってよい。
偏心補償制御手段123は、被加工物Wの内円周面加工において、偏心量演算手段122にて演算された偏心量による偏心誤差がキャンセルされるように、C軸ロータリエンコーダ22によって検出される回転台21の回転角位置(C軸位置)に応じて、X軸サーボモータ28による位置制御によってスライドビーム31をX軸方向に出入りさせてスライドビーム31のX軸位置(水平軸線方向位置)を補正し、被加工物Wの中心点Cwを基準とした偏心補償を行う。
これにより、可動刃物台51のバイト工具57は、内円周面加工における回転台21のC軸回転において、被加工物Wの中心点Cwを中心とした円を描き、偏心誤差による加工精度の低下が回避される。
傾き角度演算手段124は、回転台21の所定の回転位置での複数個の垂直軸線位置における回転台21の回転中心点Cmと被加工物Wの内円周面(円筒内周面Wb)との径方向距離の計測値(垂直軸線方向の径方向距離の変化量)を入力し、当該計測値より被加工物Wの垂直軸線Azwに対する回転台21の回転中心軸線(垂直軸線Azm)の傾き角度を演算する。この傾き角度は、傾き角度の絶対量と傾きの方向を示すベクトル情報を含むものである。
実際の垂直軸線位置対応の径方向距離計測は、被加工物Wの所定垂直軸線位置における回転台21の回転中心点Cmと被加工物Wの内円周面との径方向距離を基準値として、それ以外の垂直軸線位置における回転台21の回転中心点Cmと被加工物Wの内円周面の径方向距離の変化量を計測すればよく、径方向距離の計測値は、垂直軸線方向の径方向距離の変化量であってよい。
傾き補償制御手段125は、被加工物Wの内円周面加工において、傾き角度演算手段124によって演算された傾き角度による傾斜誤差がキャンセルされるように、C軸ロータリエンコーダ22によって検出される回転台21の回転角位置に応じて、X軸サーボモータ28による位置制御によってスライドビーム31をX軸方向に出入りさせてスライドビーム31のX軸位置(水平軸線方向位置)を補正し、被加工物Wの垂直軸線Azwを基準とした傾き補償を行う。
これにより、可動刃物台51のバイト工具57は、内円周面加工における可動刃物台51のZ軸移動において、被加工物Wの垂直軸線Azwと平行に移動し、傾き誤差による加工精度の低下が回避される。
端面斜角度演算手段126は、回転台21の所定の回転位置での複数個の水平軸線方向位置における可動刃物台51の所定垂直軸線位置と被加工物Wの水平端面(フランジ面Wa)との垂直方向距離の計測値(水平方向の垂直距離の変化量)を入力し、当該計測値より被加工物Wの水平端面に対するスライドビーム31の水平軸線方向(X軸方向)の傾斜角度を演算する。この傾斜角度は、傾斜角度の絶対量と傾斜方向を示すベクトル情報を含むものである。
実際の垂直方向距離計測値は、被加工物Wの所定回転位置における可動刃物台51の所定垂直軸線位置と被加工物Wの水平端面との垂直距離を基準値として、それ以外の垂直軸線位置における可動刃物台51の所定垂直軸線位置と被加工物Wの水平端面の垂直方向距離の変化量を計測すればよく、垂直方向距離の計測値は、水平方向の垂直距離の変化量であってよい。
端面傾斜補償制御手段127は、被加工物Wの端面加工において、端面傾斜角度演算手段126によって演算された傾斜角度による傾斜誤差がキャンセルされるように、C軸ロータリエンコーダ22によって検出される回転台21の回転角位置に応じて、Z軸サーボモータ45による位置制御によって可動刃物台51をZ軸方向に上下動させて可動刃物台51のZ軸位置(垂直軸線位置)を補正し、被加工物Wの水平端面を基準とした端面傾斜補償を行う。
これにより、可動刃物台51のバイト工具57は、端面加工におけるスライドビーム31をX軸移動において被加工物Wの水平端面(フランジ面Wa)と平行に移動し、端面傾斜誤差による加工精度の低下が回避される。
つぎに、刃物台回転型加工機1による被加工物Wの内円周面加工の手順(工程)を説明する。
(1)加工機搬入工程として、刃物台回転型加工機1を被加工物Wの中心位置に搬入設置する。この刃物台回転型加工機1の搬入に先立って、ベースプレート102を、その中心が被加工物Wの中心位置に位置するように、ローラスケール測定程度のラフな心合わせを被加工物の中央部内側空間に存在する載置面上に設置し、複数個のレベリングブロック101によってベースプレート102の上面が被加工物Wのフランジ面Waに概ね平行になるようにレベル調整を行う。このベースプレート102の設置作業は、刃物台回転型加工機がまだ搬入されていない状態で行われるから、広い作業スペースのもとに、容易に行われる。
その後、ベースプレート102上にクレーン等を用いて刃物台回転型加工機1を載置し、複数個のサイドジャッキ103によって刃物台回転型加工機1の基台11の径方向位置を調整し、回転台21の回転中心点Cmが被加工物Wの中心点Cwに概ね合うように、位置決めを行う。
(2)回転位置対応径方向距離計測工程として、可動刃物台51に寸法測定器(図示省略)を取り付け、所定回転位置にて寸法測定器を被加工物Wの円筒内周面Wbに押し当て、この時の計測値を回転位置対応径方向距離の基準値とする。そして、回転台21を回転させ、C軸ロータリエンコーダ22によって検出される複数個の回転位置の各々において、前記寸法測定器によって回転台21の回転中心点Cmと被加工物Wの内円周面(円筒内周面Wb)との径方向距離のC軸周りの変化量を計測する。
ここで使用する寸法測定器は、ダイヤルゲージや変位センサ等であってよい。径方向距離の測定は、90度間隔の4箇所、被加工物Wがリブ付きのもの場合には、撓みが少ない各リブ配置位置において行われればよい。
(3)偏心量演算工程として、回転位置対応径方向距離計測工程によって計測した計測値を偏心量演算手段122に入力し、偏心量演算手段122によって被加工物Wの中心点Cwに対する回転台21の回転中心点Cmの偏心量を演算する。
偏心量演算手段122に対する計測値の入力は、寸法測定器がダイヤルゲージのようなものである場合には、オペレータが機上操作パネル73あるいは床上操作パネル76より手操作により行う。寸法測定器が変位センサのようなものである場合には、計測値は偏心量演算手段122に自動入力される。
(4)垂直軸線位置対応径方向距離計測工程として、回転台21の所定回転位置において、可動刃物台51をZ軸方向に移動させ、複数個(2点)のZ軸位置の各々において前記寸法測定器によって回転台21の回転中心点Cmと被加工物Wの内円周面(円筒内周面Wb)との径方向距離(Z軸方向の径方向距離の変化量)を計測する。この計測も、回転台21の所定回転位置において、可動刃物台51に取り付けられている寸法測定器を所定Z軸位置にて被加工物Wの円筒内周面Wbに押し当て、この時の計測値を垂直軸線位置対応径方向距離の基準値とする。そして、回転台21をZ軸方向に移動させ、前記寸法測定器によって回転台21の回転中心点Cmと被加工物Wの内円周面(円筒内周面Wb)とのZ軸方向に対する径方向距離の変化量を計測すればよい。
(5)傾き角度演算工程として、垂直軸線位置対応径方向距離計測工程によって計測した計測値を傾き角度演算手段124に入力し、傾き角度演算手段124によって被加工物Wの垂直軸線Azwに対する回転台21の回転中心軸線(垂直軸線Azm)の傾き角度を演算する。
傾き角度演算手段124に対する計測値の入力も、寸法測定器がダイヤルゲージのようなものである場合には、オペレータが機上操作パネル73あるいは床上操作パネル76より手操作により行う。寸法測定器が変位センサのようなものである場合には、計測値は傾き角度演算手段124に自動入力される。
(6)内円周面加工工程として、可動刃物台51に寸法測定器に代えてバイト工具57を取り付け、C軸サーボモータ24によって回転台21をC軸周りに回転駆動し、X軸サーボモータ28によってスライドビーム31をX軸方向に移動させて切り込み送りを行い、可動刃物台51のZ軸方向移動によって軸線方向の切削送りを与えて被加工物Wの円筒内周面Wbを切削加工する。
この内円周面加工工程において、偏心量演算工程にて演算された偏心量による偏心誤差と、傾き角度演算工程にて演算された傾き角度による傾き誤差の双方がキャンセルされるように、偏心補償制御手段123と傾き補償制御手段125により、C軸ロータリエンコーダ22によって検出される回転台21の回転角位置に応じて、X軸サーボモータ28によってスライドビーム31のX軸位置を補正し、被加工物Wの中心点Cwと被加工物Wの垂直軸線Azwを基準とした円筒面偏心−傾き補償を行う。
円筒面偏心−傾き補償は、偏心量演算手段122によって演算された偏心量と、傾き角度演算手段124によって演算された傾き角度に基づいて、内円周面加工工程中にその都度計算した補償値を用いても、予め計算して記憶しておいた補償値を用いてもよい。なお、C軸ロータリエンコーダ22の位置検出分解能が不足する場合には、2点を滑らかに繋ぐNC補間機能が使用される。
つぎに、刃物台回転型加工機1による被加工物Wの端面加工の手順(工程)を説明する。
(1)加工機搬入工程として、刃物台回転型加工機1を被加工物Wの中心位置に搬入設置する。この加工機搬入工程は、内円周面加工時のそれと全く同じであり、内円周面加工に続いて端面加工を行う場合には、新たな加工機搬入工程は不要である。
(2)垂直距離計測工程として、可動刃物台51に取り付けた上向きフランジ面加工用アダプタ111に寸法測定器を取り付け、回転台21の所定回転位置において、スライドビーム21をX軸方向に移動させ、複数個(2点)のX軸方向位置の各々において前記寸法測定器によって可動刃物台51の所定の垂直軸線位置と被加工物Wの水平端面(フランジ面Wa)との垂直距離(X軸方向の垂直距離の変化量)を計測する。ここで使用する寸法測定器も、ダイヤルゲージや変位センサ等であってよい。
この垂直距離計測は、可動刃物台51に取り付けられた寸法測定器を被加工物Wの基準端面に押し当て、回転台21を回転させ、回転台21の複数個の回転位置にの各々において前記寸法測定器によって回転台21の回転軌跡と被加工物Wの基準端面との垂直軸線方向距離の変動を計測したものであってもよい。
(3)端面傾斜角度演算工程として、垂直距離計測工程によって計測した計測値を端面傾斜角度演算手段126に入力し、端面傾斜角度演算手段126によって被加工物Wのフランジ面Waに対するスライドビーム31のX軸方向(水平軸線Axm)の傾斜角度を演算する。
端面傾斜角度演算手段126に対する計測値の入力は、寸法測定器がダイヤルゲージのようなものである場合には、オペレータが機上操作パネル73あるいは床上操作パネル76より手操作により行う。寸法測定器が変位センサのようなものである場合には、計測値は端面傾斜角度演算手段126に自動入力される。
(4)端面加工工程として、可動刃物台51に取り付けた上向きフランジ面加工用アダプタ111に寸法測定器に代えてバイト工具57を取り付け、C軸サーボモータ24によって回転台21をC軸周りに回転駆動し、可動刃物台51を垂直軸線方向に移動させて切り込み送りを行い、X軸サーボモータ28によってスライドビーム31をX軸方向に移動させて径方向の切削送りを与えて被加工物Wのフランジ面Waを切削加工する。
この端面加工工程において、傾斜角度演算工程にて演算された傾斜角度による傾斜誤差がキャンセルされるように、端面傾斜補償制御手段127により、C軸ロータリエンコーダ22によって検出される回転台21の回転角位置に応じて、回転台21の回転角位置に応じて可動刃物台51のZ軸位置を補正し、被加工物Wの水平なフランジ面Waを基準とした端面傾斜補償を行う。
端面傾斜補償は、端面傾斜角度演算手段126によって演算された傾斜角度に基づいて、端面加工工程中にその都度計算した補償値を用いても、予め計算して記憶しておいた補償値を用いてもよい。
なお、被加工物Wのフランジ面Waに対するスライドビーム31のX軸方向(水平軸線Axm)の傾斜角度は、被加工物Wの垂直軸線Azwに対する回転台21の回転中心軸線(垂直軸線Azm)の傾き角度と90度の位相差をもった同値のものであるから、端面傾斜補償制御手段127に対する傾斜角度の入力は、傾き角度演算手段124による傾き角度を援用入力してもよい。この場合には、垂直距離計測工程を省略できる。
この発明による加工方法、制御装置が適用される刃物台回転型加工機の一つの実施形態を示す側面図である。 この発明による加工方法、制御装置が適用される刃物台回転型加工機の一つの実施形態を示す平面図である。 この発明による加工方法、制御装置が適用される刃物台回転型加工機の一つの実施形態の軸送り系を示す部分断面図である。 この発明による刃物台回転型加工機の制御装置の一つの実施形態を示すブロック図である。 偏心誤差を示す説明図である。 傾き誤差を示す説明図である。 端面傾斜誤差を示す説明図である。
符号の説明
1 刃物台回転型加工機
11 基台
12 旋回案内軸受
13 外歯リングギア
14 吊りボス
21 回転台
22 C軸ロータリエンコーダ
23 ピニオン
24 C軸サーボモータ
25 X軸送りねじ
26 軸受部
27 カップリング
28 X軸サーボモータ
29 X軸ロータリエンコーダ
31 スライドビーム
32 送りナット
33 直線ガイドレール
41 刃物台ベース
42 リニアガイド部材
43 Z軸送りねじ
44 軸受部
45 Z軸サーボモータ
46 減速歯車列
47 Z軸ロータリエンコーダ
51 可動刃物台
52 直線ガイドレール
53 送りナット
54 工具装着部
55 シャンク受入部
57 バイト工具
61 刃物台ユニット
71 制御ユニット
72 電力供給用スリップリング装置
73 機上操作パネル
74 操作用足場
75 保護柵
76 床上操作パネル
77、78 アンテナ
80 床上操作台
82 受信装置
101 レベリングブロック
102 ベースプレート
103 サイドジャッキ
111 上向きフランジ面加工用アダプタ
114 バイト工具取付部
121 位置制御部
122 偏心量演算手段
123 偏心補償制御手段
124 傾き角度演算手段
125 傾き補償制御手段
126 端面傾斜角度演算手段
127 端面傾斜補償制御手段

Claims (4)

  1. 基台上に回転台が回転可能に設けられ、前記回転台上にスライドビームが水平軸線方向に移動可能に設けられ、前記スライドビームの端部に固定装着された刃物台ベースと当該刃物台ベースに対して垂直軸線方向に移動可能な可動刃物台を有する刃物台回転型加工機を用いた加工方法であって、
    前記刃物台回転型加工機を被加工物の中心位置に搬入設置する加工機搬入工程と、
    前記可動刃物台に寸法測定器を取り付け、前記回転台を回転させ、当該回転台の複数個の回転位置の各々において前記寸法測定器によって前記回転台の回転中心点と前記被加工物の内円周面との径方向距離を計測する回転位置対応径方向距離計測工程と、
    前記回転位置対応径方向距離計測工程によって計測した計測値より前記被加工物の中心点に対する前記回転台の回転中心点の偏心量を演算する偏心量演算工程と、
    前記可動刃物台に工具を取り付け、前記回転台を回転駆動し、前記スライドビームを水平軸線方向に移動させて切り込み送りを行い、前記可動刃物台の垂直軸線方向移動によって軸線方向送りを与えて前記被加工物の内円周面を加工する内円周面加工工程とを有し、
    前記内円周面加工工程において、前記偏心量演算工程にて演算された前記偏心量による偏心誤差がキャンセルされるように、前記回転台の回転角位置に応じて前記スライドビームの水平軸線方向位置を補正し、前記被加工物の中心点を基準とした偏心補償を行う加工方法。
  2. 基台上に回転台が回転可能に設けられ、前記回転台上にスライドビームが水平軸線方向に移動可能に設けられ、前記スライドビームの端部に固定装着された刃物台ベースと当該刃物台ベースに対して垂直軸線方向に移動可能な可動刃物台を有する刃物台回転型加工機を用いた加工方法であって、
    前記刃物台回転型加工機を被加工物の中心位置に搬入設置する加工機搬入工程と、
    前記可動刃物台に寸法測定器を取り付け、前記回転台を回転させ、当該回転台の複数個の回転位置の各々において前記寸法測定器によって前記回転台の回転中心点と前記被加工物の内円周面との径方向距離を計測する回転位置対応径方向距離計測工程と、
    前記回転位置対応径方向距離計測工程によって計測した計測値より前記被加工物の中心点に対する前記回転台の回転中心点の偏心量を演算する偏心量演算工程と、
    前記可動刃物台に寸法測定器を取り付け、前記回転台の所定回転位置において前記可動刃物台を垂直軸線方向に移動させ、複数個の垂直軸線位置の各々において前記寸法測定器によって前記回転台の回転中心点と前記被加工物の内円周面との径方向距離を計測する垂直軸線位置対応径方向距離計測工程と、
    前記垂直軸線位置対応径方向距離計測工程によって計測した計測値より前記被加工物の垂直軸線に対する前記回転台の回転中心軸線の傾き角度を演算する傾き角度演算工程と、
    前記可動刃物台に工具を取り付け、前記回転台を回転駆動し、前記スライドビームを水平軸線方向に移動させて切り込み送りを行い、前記可動刃物台の垂直軸線方向移動によって軸線方向送りを与えて前記被加工物の内円周面を加工する内円周面加工工程とを有し、
    前記内円周面加工工程において、前記偏心量演算工程にて演算された前記偏心量による偏心誤差と、前記傾き角度演算工程にて演算された前記傾き角度による傾き誤差の双方がキャンセルされるように、前記回転台の回転角位置に応じて前記スライドビームの水平軸線方向位置を補正し、前記被加工物の中心点と前記被加工物の垂直軸線を基準とした円筒面偏心−傾き補償を行う加工方法。
  3. 基台上に回転台が回転可能に設けられ、前記回転台上にスライドビームが水平軸線方向に移動可能に設けられ、前記スライドビームの端部に固定装着された刃物台ベースと当該刃物台ベースに対して垂直軸線方向に移動可能な可動刃物台を有し、装置全体を被加工物の中心位置に搬入設置され、前記可動刃物台に工具を取り付けられ、前記回転台を回転駆動し、前記スライドビームを水平軸線方向に移動させて切り込み送りを行い、前記可動刃物台の垂直軸線方向移動によって軸線方向送りを与えて前記被加工物の内円周面を加工する刃物台回転型加工機の制御ユニットであって、
    記回転台の複数個の回転位置における当該回転台の回転中心点と前記被加工物の内円周面との径方向距離の計測値を入力し、当該計測値より前記被加工物の中心点に対する前記回転台の回転中心点の偏心量を演算する偏心量演算手段と、
    前記被加工物の内円周面加工において、前記偏心量演算手段にて演算された前記偏心量による偏心誤差がキャンセルされるように、前記回転台の回転角位置に応じて前記スライドビームの水平軸線方向位置を補正し、前記被加工物の中心点を基準とした偏心補償を行う偏心補償制御手段と、
    を有する刃物台回転型加工機の制御ユニット
  4. 基台上に回転台が回転可能に設けられ、前記回転台上にスライドビームが水平軸線方向に移動可能に設けられ、前記スライドビームの端部に固定装着された刃物台ベースと当該刃物台ベースに対して垂直軸線方向に移動可能な可動刃物台を有し、装置全体を被加工物の中心位置に搬入設置され、前記可動刃物台に工具を取り付けられ、前記回転台を回転駆動し、前記スライドビームを水平軸線方向に移動させて切り込み送りを行い、前記可動刃物台の垂直軸線方向移動によって軸線方向送りを与えて前記被加工物の内円周面を加工する刃物台回転型加工機の制御ユニットであって、
    前記回転台の複数個の回転角位置における当該回転台の回転中心点と前記被加工物の内円周面との径方向距離の計測値を入力し、当該計測値より前記被加工物の中心点に対する前記回転台の回転中心点の偏心量を演算する偏心量演算手段と、
    前記回転台の所定回転位置の複数個の垂直軸線位置における前記回転台の回転中心点と前記被加工物の内円周面との径方向距離の計測値を入力し、当該計測値より前記被加工物の垂直軸線に対する前記回転台の回転中心軸線の傾き角度を演算する傾き角度演算手段と、
    前記被加工物の内円周面加工において、前記偏心量演算手段によって演算された前記偏心量による偏心誤差がキャンセルされるように、前記回転台の回転角位置に応じて前記スライドビームの水平軸線方向位置を補正し、前記被加工物の中心点を基準とした偏心補償を行う偏心補償制御手段と、
    前記被加工物の内円周面加工工程において、前記傾き角度演算手段によって演算された前記傾き角度による傾き誤差がキャンセルされるように、前記回転台の回転角位置に応じて前記スライドビームの水平軸線方向位置を補正し、前記被加工物の垂直軸線を基準とした傾き補償を行う傾き補償制御手段と、
    を有する刃物台回転型加工機の制御ユニット。
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