JP5086787B2 - エタノール混合ガソリンの成分分析装置および方法 - Google Patents
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Description
そのため、この発明は、ベースガソリンにエタノールを0.5〜15容量%含有させたエタノール含有ガソリンであって、水分量(質量%)/エタノール(容量%)比が0.002〜0.030であり、50%留出温度(T50)が75〜110℃、60℃における気液比(V/L)が50.0以下、リサーチ法オクタン価(RON)が89〜105であり、リード蒸気圧(RVP)が65kPa以下であるものである。
そのため、この発明は、エタノール含有量が1容量%以上15容量%以下、芳香族含有量が15容量%以上40容量%以下、オレフィン含有量が5容量%以上30容量%以下、水分量が0.01容量%以上0.9容量%以下であり、かつ、リサーチ法オクタン価が89以上97未満、曇り点が0℃以下で、式(I)
T=1.6×103×(Wa)0.33×(Et)−0.46×(Ar)−0.07×(Ol)−0.07・・・・(I)
[式中、Waは水分量、Etはエタノール含有量、Arは芳香族含有量、Olはオレフィン含有量を示し、いずれも該エタノール配合ガソリン全量に対する量(容量%)である]で表される相分離指数Tが273以下であるものである。
そのため、この発明は、図7に示すように、液体の水酸化炭素およびアルコールを含む混合物中に浸漬され、基体上に支持された少なくとも2つの導電性電極52,54と、それら2つの電極52,54を短絡させる導電性ポリマー被覆56とを具備しており、その導電性ポリマー被覆の抵抗がアルコール濃度の関数として変化することを特徴とする。導電性ポリマーは3−アルキル置換されたポリチオフェン等のポリチオフェンが使用される。2つの電極52,54間の電気抵抗は導電性ポリマー被覆56に接触する液体のアルコールの濃度の関数として変化する。電極52,54は図示のように交差指状に構成されており、温度保障のために第3の電極50が使用されるものである。
このような水分やエタノールの含有量は、化学的な手法による直接検査は可能であるが、非破壊・非接触での測定技術は開発が進んでいない。このような非破壊・非接触の測定技術は、環境対策として有効と考えられるエタノール混合ガソリンの管理を容易にし、同ガソリンの普及に貢献すると期待される。
該検査セル内を透過するように波数50cm −1 を超えるテラヘルツ波を照射する照射装置と、
前記検査セルを透過した前記テラヘルツ波の強度を波数毎に分解して計測する分光光度計と、
前記検査セルにおける前記テラヘルツ波の透過率又は吸収率を演算して成分を分析する演算装置と、を備えたことを特徴とするエタノール混合ガソリンの成分分析装置が提供される。
該検査セルを透過するように波数50cm −1 を超えるテラヘルツ波を照射し、
前記検査セルを透過した前記テラヘルツ波の強度を波数毎に分解して計測し、
前記検査セルにおける前記テラヘルツ波の透過率又は吸収率を測定して成分を分析する、ことを特徴とするエタノール混合ガソリンの成分分析方法が提供される。
本発明はかかる知見に基づくものである。
照射装置により、検査セルを透過するように前記ミリ波・テラヘルツ波を照射し、
分光光度計により、検査セルを透過したミリ波・テラヘルツ波の強度を波数毎に分解して計測し、
演算装置により、検査セルにおける前記ミリ波・テラヘルツ波の透過率又は吸収率を測定して成分を分析することができる。
本発明において、「ミリ波」とは、波長10mm〜1mm、周波数30GHz〜300GHzの電磁波、「テラヘルツ」とは、波長3mm〜30μm、周波数0.1THz〜10THzの電磁波、「ミリ波・テラヘルツ波」とは、波長10mm〜30μm、周波数30GHz〜10THzの電磁波をそれぞれ意味する。
また、波長の逆数を「波数」という。従って、波長10mm〜30μmは、波数1〜333cm−1に相当する。
ミリ波・テラヘルツ波2の透過性の高い素材とは、例えばプラスチック、セラミック、ビニール、繊維、半導体、絶縁体などである。
検査セル12はミリ波・テラヘルツ波2を透過させる方向の厚さが一定であるのがよい。また、エタノール混合ガソリン1は、検査セル12の内部に計測に必要な一定時間、滞留すればよく、封入しても流通させてもよい。
「必要な一定時間」は、検査セルにおける波数10〜100cm−1のミリ波・テラヘルツ波の透過率又は吸収率を検出できる時間、すなわち照射装置14と分光光度計16のサイクル時間(100μs以下)であり、実質的にはリアルタイムに計測できる。
この照射装置14は、ミリ波・テラヘルツ波2を、波数10〜100cm−1の範囲で連続的に可変であるのが好ましい。なお、ミリ波・テラヘルツ波2はパルス波でも連続波でもよい。
演算装置18は、例えばコンピュータ(PC)であり、検査セル12における波数10〜100cm−1のミリ波・テラヘルツ波2の透過率又は吸収率を演算して成分を分析する。
波数10〜100cm−1のミリ波・テラヘルツ波の透過性の高い素材からなる検査セル12の内部にエタノール混合ガソリン1を封入又は流通させ、
検査セル12を透過するようにミリ波・テラヘルツ波2を照射し、
検査セル12を透過したミリ波・テラヘルツ波2の強度を波数毎に分解して計測し、
検査セル12における前記ミリ波・テラヘルツ波の透過率又は吸収率を測定して成分を分析する。
テラヘルツ波による検出可能性の原理検証を行うために、実際にサンプルを用意して実験を行った。サンプルは、液体用石英セル(検査セル12に相当する)に封入した。測定には、日本分光製のフーリエ変換分光光度計(FARIS−1)を使用し、検出器にはインフラレッド社製のSiボロメータ(Gain 200で測定)を使用した。また、ガソリンには市販のハイオクガソリンを使用した。
(ガソリン中のエタノール濃度の非破壊・非接触測定可能性の検証)
幅0.5mmの石英セルの中に、以下の分量のガソリンとエタノールを混入し、波数20〜100cm−1(0.6〜3THz)の吸収スペクトルを透過測定法にて測定した。波数分解能は0.5cm−1である。サンプルの配合条件を表1に、結果を図2に示す。なお、スペクトル中の周期的な凹凸のスペクトル構造は、セルによる干渉パターンであり、測定条件によって変化する構造である。
(1)ミリ波あるいはテラヘルツ帯のある特定の1周波数における透過率または吸収率の差異を測定して濃度を決定する。
(2)ミリ波あるいはテラヘルツ帯で透過率または吸収率の周波数依存性(スペクトルの傾き)の差異を測定して濃度を決定する。
(エタノール混合ガソリン中の水分濃度の非破壊・非接触測定可能性の検証)
幅2mmの石英セルの中に、
(a)ガソリン+エタノール5%
(b)ガソリン+エタノール4.5%+水0.5%
(c)ガソリン+エタノール4%+水1%
という3種のサンプルを入れ、波数10〜100cm−1(0.3〜3THz)の吸収スペクトルを透過測定法にて測定した。波数分解能は0.5cm−1である。
吸収量(吸収係数)に焼き直した測定結果を図3に示す。なお、この実験では厚みを増したセルを使用しているため、実験1で見られた干渉に起因するスペクトルの周期的な凹凸構造は見えていない。また、図2とは縦軸の定義が異なることに注意されたい。また、90cm−1を超えた波数でデータが急激に上がっているのは測定感度が低いためであり、実際のサンプルの吸収量を反映していない。
(1)ミリ波あるいはテラヘルツ帯のある特定の1周波数における透過率の差異を測定して濃度を決定する。
(2)ミリ波あるいはテラヘルツ帯で透過率の周波数依存性(スペクトルの傾き)の差異を測定して濃度を決定する。
(エタノール混合ガソリン中の吸収率(または透過率)変化が水によって起こっていることの検証)
実験2において、水の含有量が多い時に吸収量が増えることが確認されたが、吸収量の違いが水によるという事実をさらに補強するために、水とエタノールの単独での吸収量を確認した。
結果を図4(100μm厚のセルを使用)に示す。
この測定結果では630cm−1までカバーできている。従って、実際には、100cm−1よりも高い波数まで利用可能と考えられる。
図6は、水の吸収係数を示す図である。この図において、横軸は波長、縦軸は吸収係数である。
この図から波数630cm−1(波長16μm、周波数19THz)を越えても、水の吸収係数は依然として高い数値になっていることがわかる。
従って、上述した本発明は、ミリ波・テラヘルツ波である波数1〜333cm−1の全領域に適用可能であり、さらにこれを超えて波数630cm−1までカバーできる。
また、エタノール混合ガソリンを精製するためのエタノール原料やガソリン原料の精製プラントや貯蔵庫などにおいて、同様の方法により、水分含有量のモニタを行うことができる。
さらに、上述した本発明の方法は、ガソリンやエタノールに加えて、軽油や灯油などの液体燃料の水分含有量モニタにも利用可能である。
10 成分分析装置、12 検査セル、
14 照射装置、16 分光光度計、
18 演算装置
Claims (5)
- テラヘルツ波の透過性の高い素材からなり、内部にエタノール混合ガソリンを封入又は流通させる検査セルと、
該検査セル内を透過するように波数50cm −1 を超えるテラヘルツ波を照射する照射装置と、
前記検査セルを透過した前記テラヘルツ波の強度を波数毎に分解して計測する分光光度計と、
前記検査セルにおける前記テラヘルツ波の透過率又は吸収率を演算して成分を分析する演算装置と、を備えたことを特徴とするエタノール混合ガソリンの成分分析装置。 - テラヘルツ波の透過性の高い素材からなる検査セルの内部にエタノール混合ガソリンを封入又は流通させ、
該検査セルを透過するように波数50cm −1 を超えるテラヘルツ波を照射し、
前記検査セルを透過した前記テラヘルツ波の強度を波数毎に分解して計測し、
前記検査セルにおける前記テラヘルツ波の透過率又は吸収率を測定して成分を分析する、ことを特徴とするエタノール混合ガソリンの成分分析方法。 - 特定の周波数における前記透過率又は吸収率の差異を測定し、エタノール又は水分の濃度を決定する、ことを特徴とする請求項2に記載のエタノール混合ガソリンの成分分析方法。
- 前記透過率又は吸収率の周波数依存性の差異を測定し、エタノール又は水分の濃度を決定する、ことを特徴とする請求項2に記載のエタノール混合ガソリンの成分分析方法。
- 前記透過率又は吸収率の波数との関係の差異を測定し、エタノール又は水分の濃度を決定する、ことを特徴とする請求項2に記載のエタノール混合ガソリンの成分分析方法。
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