JP5086769B2 - 拡声通話装置 - Google Patents

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Description

本発明は、住宅や事務所等で用いられる拡声通話装置に関するものである。
従来より、通話時にハンドセットを持つ必要がなく、通話端末から離れた通話者に対して相手側の通話端末から伝送されてくる音声信号をスピーカによって拡声出力し、かつ、上記通話者の発する音声をマイクロホンにより集音して相手側通話端末へ伝送することで拡声通話(ハンズフリー通話)を実現する拡声通話装置が提供されている。このような拡声通話装置においては、通話者が発した音声の一部が相手側通話端末のスピーカからマイクロホンヘの音響結合や通話端末と伝送路との間のインピーダンスの不整合によって生じる反射などが原因で再び受話信号と重畳して帰還することがあり、この帰還成分のレベルが大きい場合には、不快なエコー(音響エコーあるいは回線エコー)として通話者に聴こえてしまう。また、上記音響結合や反射、および自端末における音響結合により通話系に閉ループが形成され、閉ループの一巡利得が1倍を超える周波数成分が存在する場合には、その周波数においてハウリングを生じ、安定した通話を継続することが不可能となる。したがって、通話端末としての拡声通話装置を設計する上で、上述した不快なエコーやハウリングを如何に抑圧するかが重要な課題となる。
このような課題に対して、従来、通話状態(送話状態、受話状態など)を常時推定し、推定結果に基づき適切な配分で送話路および受話路に対して損失を挿入する音声スイッチを用いて閉ループの一巡利得を低減し不快なエコーやハウリングを抑圧する方式が広く用いられてきた。しかしながら、このような方式では、遠端側および近端側の通話者が同時に発声した場合、どちらか一方の音声信号が音声スイッチの挿入損失により大幅に減衰してしまい、相手側の通話者には聴こえないレベルになってしまう。すなわち、原理的に双方向の同時通話(全二重通話)が実現できない。これは、通話端末の設置場所付近における騒音レベルが高く、相手側通話者の発した音声のレベルが騒音レベルよりも低い場合には、受話音声が途切れて聴こえてしまうことも意味する。音声スイッチを用いた従来方式が持つこのような短所がしばしば問題となり、最近では双方向の同時通話が実現できる方式を採用した拡声通話装置も提供され始めている。
図4は拡声通話装置としてのインターホン親機(以下、「親機」と略す)M’と、相手側通話端末としてのドアホン子器Sとからなり、双方向の同時通話を実現可能とした所謂ハンズフリーインターホンの従来例を示すブロック図である(特許文献1参照)。親機M’は、マイクロホン1、スピーカ2、2線−4線変換回路3、マイクロホンアンプG1、回線(2線の伝送路)への送話信号を増幅する回線出力アンプG2、回線からの受話信号を増幅する回線入力アンプG3、スピーカアンプG4、送話音量調整用増幅器G5、受話音量調整用増幅器G6、送話音量調整用増幅器G5及び受話音量調整用増幅器G6の間に設けられた音声スイッチ10、並びに第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bで構成される。また、ドアホン子器Sはマイクロホン1′、スピーカ2′、2線−4線変換回路3′、マイクロホンアンプG1′並びにスピーカアンプG4′で構成される。
第1のエコーキャンセラ30Aは適応フィルタ31Aと減算器32Aからなる従来周知の構成を有し、スピーカ2−マイクロホン1間の音響結合により形成される帰還経路(音響エコー経路)HACのインパルス応答を適応フィルタ31Aにより適応的に同定し、参照信号(スピーカアンプG4への入力信号)から推定したエコー成分(音響エコー)を減算器32AによりマイクロホンアンプG1の出力信号から減算することでエコー成分を抑圧するものである。また、第2のエコーキャンセラ30Bも適応フィルタ31Bと減算器32Bからなる従来周知の構成を有し、2線−4線変換回路3と伝送路との間のインピーダンスの不整合による反射およびドアホン子器Sにおけるスピーカ2’−マイクロホン1’間の音響結合とにより形成される帰還経路(回線エコー経路)HLINのインパルス応答を適応フィルタ31Bにより適応的に同定し、参照信号(回線出力アンプG2への入力信号、すなわち送話信号)から推定したエコー成分(回線エコー)を減算器32Bにより受話信号から減算することでエコー成分を抑圧するものである。
音声スイッチ10は、送話側の信号経路に損失を挿入する送話側損失挿入手段たる送話側減衰器11と、受話側の信号経路に損失を挿入する受話側損失挿入手段たる受話側減衰器12と、送話側及び受話側の各減衰器11,12から挿入する損失量を制御する挿入損失量制御部13とを具備する。挿入損失量制御部13は、受話側減衰器12の出力点Routから音響エコー経路HACを介して送話側減衰器11の入力点Tinへ帰還する経路(以下、「音響側帰還経路」という)の音響側帰還利得αを推定するとともに、送話側減衰器11の出力点Toutから回線エコー経路HLINを介して受話側減衰器12の入力点Rinへ帰還する経路(以下、「回線側帰還経路」という)の回線側帰還利得βを推定し、音響側及び回線側の各帰還利得α,βの推定値α’,β’に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和(送話側減衰器11の挿入損失量と受話側減衰器12の挿入損失量の和)を算出する総損失量算出部14と、送話信号及び受話信号を監視して通話状態を推定し、この推定結果と総損失量算出部14の算出値に応じて送話側減衰器11及び受話側減衰器12の各挿入損失量の配分を決定する挿入損失量分配処理部15とからなる。なお、第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bと音声スイッチ10を含む通話処理手段は、DSP(Digital Signal Processor)やCPUを用いて従来周知の技術により実現可能である。
総損失量算出部14では、整流平滑器や低域通過フィルタ等を用いて送話側減衰器11の入力信号の短時間における時間平均パワーを推定し、同じく整流平滑器や低域通過フィルタ等を用いて受話側減衰器12の出力信号の短時間における時間平均パワーを推定し、音響側帰還経路HACにて想定される最大遅延時間において受話側減衰器12の出力信号の時間平均パワーの推定値の最小値を求め、この最小値で送話側減衰器11の入力信号の時間平均パワーの推定値を除算した値を音響側帰還利得αの推定値α’とするとともに、整流平滑器や低域通過フィルタ等を用いて受話側減衰器12の入力信号の短時間における時間平均パワーを推定し、同じく整流平滑器や低域通過フィルタ等を用いて送話側減衰器11の出力信号の短時間における時間平均パワーを推定し、回線側帰還経路HLINにて想定される最大遅延時間において送話側減衰器11の出力信号の時間平均パワーの推定値の最小値を求め、この最小値で受話側減衰器12の入力信号の時間平均パワーの推定値を除算した値を回線側帰還利得βの推定値β’とする。そして、総損失量算出部14は音響側帰還利得α及び回線側帰還利得βの各推定値α’,β’から所望の利得余裕MGを得るために必要な総損失量Ltを算出し、その値Ltを挿入損失量分配処理部15に出力する。
挿入損失量分配処理部15では、送話側減衰器11の入出力信号及び受話側減衰器12の入出力信号を監視し、これらの信号のパワーレベルの大小関係並びに音声信号の有無などの情報から通話状態(受話状態、送話状態等)を判定するとともに、判定された通話状態に応じた割合で総損失量Ltを送話側減衰器11と受話側減衰器12に分配するように各減衰器11,12の挿入損失量を調整する。
ところで総損失量算出部14は、上述のように各帰還利得α,βの推定値α’,β’に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出して適応更新する更新モード、並びに総損失量を所定の初期値に固定する固定モードの2つの動作モードを有し、相手側通話端末(ドアホン子器S)との通話開始から第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが充分に収束するまでの期間には固定モードで動作するとともに第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが充分に収束した後の期間には更新モードで動作する。すなわち、総損失量算出部14では音響側帰還利得α及び回線側帰還利得βの推定値α’,β’がともに通話開始から所定時間(数百ミリ秒)以上継続して所定の閾値ε(例えば、通話開始時における各推定値α’,β’に対して10dB〜15dB小さい値)を下回った時点で第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが充分に収束したものとみなし、上記時点以前には総損失量を初期値に固定する固定モードで動作し、上記時点以降には各推定値α’,β’に基づいて総損失量を適応更新する更新モードに動作モードを切り換える。なお、固定モードにおける総損失量の初期値は更新モードにおいて随時更新される総損失量よりも充分に大きな値に設定される。
而して、通話開始直後の第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが充分に収束していない状態においては、固定モードで動作する総損失量算出部14によって充分に大きな値に設定される初期値の総損失量が閉ループに挿入されるため、不快なエコー(音響エコー並びに回線エコー)やハウリングの発生を抑制して安定した半二重通話を実現することができる。また、通話開始から時間が経過して第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが充分に収束した状態においては、総損失量算出部14の動作モードが固定モードから更新モードに切り換わって閉ループに挿入する総損失量が初期値よりも充分に低い値に減少するため、双方向の同時通話が実現できるものである。しかも、総損失量の初期値を適切な値に設定することにより、通話開始直後の第1及び第2のエコーキャンセラ30A,30Bが収束していない状態のハウリング防止のために閉ループの一巡利得が1倍を超えないように各増幅器の利得を設計するという制約がなくなり、親機Mのハウジング(図示せず)の形状や構造等に関わらずに所望の通話音量が得られるように増幅器の利得を設計することができる。
特開2002−359580号公報
ところで、受話信号の速度(話速度)を変更することで、通話者にとって都合の良い話速度で受話音声を聞くことができるようにした話速変換装置が従来より種々提供されている。例えば、通話相手の声が早口で聞き取りにくいような場合、話速変換装置によってリアルタイムで話速度を遅くすれば、通話相手が話す内容が聞き取りやすくなる。このような話速変換装置(話速変換手段)を、上述した従来の拡声通話装置に搭載する場合、話速度の変換に起因してエコーキャンセラによるエコー抑圧量が減少したり、あるいは音声スイッチが正常に動作しなくなってハウリングが生じてしまう虞があった。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、エコーキャンセラによるエコー抑圧量が減少することなく、また音声スイッチを正常に動作させつつ話速度を調節することができる拡声通話装置を提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、集音した音声を送話信号として出力するマイクロホンと、相手側の通話端末からの受話信号に応じて鳴動するスピーカと、相手側の通話端末との間で送話信号並びに受話信号の送信処理、受信処理を行う伝送処理手段と、マイクロホンとスピーカの音響結合によって生じる音響エコーを消去する第1のエコーキャンセラと、相手側の通話端末における音響結合又は伝送処理手段における信号の回り込みによって生じる回線エコーを消去する第2のエコーキャンセラと、第1及び第2のエコーキャンセラの間に設けられ、音響エコー経路並びに回線エコー経路により形成される閉ループの一巡利得を低減してハウリングを抑制する音声スイッチとを有し、音声スイッチは、送話側の信号経路に損失を挿入する送話側損失挿入手段と、受話側の信号経路に損失を挿入する受話側損失挿入手段と、送話側及び受話側の各損失挿入手段から挿入する損失量を制御する挿入損失量制御手段とを具備し、挿入損失量制御手段は、受話側損失挿入手段の出力点から音響エコー経路を介して送話側損失挿入手段の入力点へ帰還する経路の音響側帰還利得を推定するとともに、送話側損失挿入手段の出力点から回線エコー経路を介して受話側損失挿入手段の入力点へ帰還する経路の回線側帰還利得を推定し、音響側及び回線側の各帰還利得の推定値に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出する総損失量算出部と、送話信号及び受話信号を監視して通話状態を推定し、この推定結果と総損失量算出部の算出値に応じて送話側損失挿入手段及び受話側挿入損失手段の各挿入損失量の配分を決定する挿入損失量分配処理部とからなる拡声通話装置であって、受話側の信号経路における第2のエコーキャンセラと音声スイッチの間に設けられ、受話音声の話速度を調節する話速変換手段を備え、話速変換手段は、受話信号に含まれる音声のピッチを抽出する音声ピッチ抽出部と、音声ピッチ抽出部で抽出された音声ピッチの周期で受話信号を圧縮若しくは伸長する圧縮/伸長処理部とを有し、圧縮/伸長処理部は、音声ピッチ抽出部で抽出される音声ピッチの時間的な変動度合いが所定の上限値を超える場合に圧縮及び伸長の信号処理を停止することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、話速変換手段で話速度が調節された後の受話信号が音声スイッチや第1のエコーキャンセラに入力されることでエコーやハウリングの抑圧処理に受話信号の話速度変化の影響が及ばないので、第1のエコーキャンセラによるエコー抑圧量が減少することなく、また音声スイッチを正常に動作させつつ話速度を調節することができる。さらに、音声ピッチ抽出部が誤った音声ピッチを抽出することによる話速変換手段の誤動作を防ぐことができる。
請求項2の発明は、上記目的を達成するために、集音した音声を送話信号として出力するマイクロホンと、相手側の通話端末からの受話信号に応じて鳴動するスピーカと、相手側の通話端末との間で送話信号並びに受話信号の送信処理、受信処理を行う伝送処理手段と、マイクロホンとスピーカの音響結合によって生じる音響エコーを消去する第1のエコーキャンセラと、相手側の通話端末における音響結合又は伝送処理手段における信号の回り込みによって生じる回線エコーを消去する第2のエコーキャンセラと、第1及び第2のエコーキャンセラの間に設けられ、音響エコー経路並びに回線エコー経路により形成される閉ループの一巡利得を低減してハウリングを抑制する音声スイッチとを有し、音声スイッチは、送話側の信号経路に損失を挿入する送話側損失挿入手段と、受話側の信号経路に損失を挿入する受話側損失挿入手段と、送話側及び受話側の各損失挿入手段から挿入する損失量を制御する挿入損失量制御手段とを具備し、挿入損失量制御手段は、受話側損失挿入手段の出力点から音響エコー経路を介して送話側損失挿入手段の入力点へ帰還する経路の音響側帰還利得を推定するとともに、送話側損失挿入手段の出力点から回線エコー経路を介して受話側損失挿入手段の入力点へ帰還する経路の回線側帰還利得を推定し、音響側及び回線側の各帰還利得の推定値に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出する総損失量算出部と、送話信号及び受話信号を監視して通話状態を推定し、この推定結果と総損失量算出部の算出値に応じて送話側損失挿入手段及び受話側挿入損失手段の各挿入損失量の配分を決定する挿入損失量分配処理部とからなる拡声通話装置であって、受話側の信号経路における第2のエコーキャンセラと音声スイッチの間に設けられ、受話音声の話速度を調節する話速変換手段を備え、話速変換手段は、受話信号に含まれる音声のピッチを抽出する音声ピッチ抽出部と、音声ピッチ抽出部で抽出された音声ピッチの周期で受話信号を圧縮若しくは伸長する圧縮/伸長処理部とを有し、圧縮/伸長処理部は、音声ピッチ抽出部で抽出される音声ピッチの時間的な変動度合いが所定の下限値以下である場合に圧縮及び伸長の信号処理を停止することを特徴とする。
請求項2の発明によれば、話速変換手段で話速度が調節された後の受話信号が音声スイッチや第1のエコーキャンセラに入力されることでエコーやハウリングの抑圧処理に受話信号の話速度変化の影響が及ばないので、第1のエコーキャンセラによるエコー抑圧量が減少することなく、また音声スイッチを正常に動作させつつ話速度を調節することができる。さらに、音声ピッチ抽出部が誤った音声ピッチを抽出することによる話速変換手段の誤動作を防ぐことができる。
請求項3の発明は、上記目的を達成するために、集音した音声を送話信号として出力するマイクロホンと、相手側の通話端末からの受話信号に応じて鳴動するスピーカと、相手側の通話端末との間で送話信号並びに受話信号の送信処理、受信処理を行う伝送処理手段と、マイクロホンとスピーカの音響結合によって生じる音響エコーを消去する第1のエコーキャンセラと、相手側の通話端末における音響結合又は伝送処理手段における信号の回り込みによって生じる回線エコーを消去する第2のエコーキャンセラと、第1及び第2のエコーキャンセラの間に設けられ、音響エコー経路並びに回線エコー経路により形成される閉ループの一巡利得を低減してハウリングを抑制する音声スイッチとを有し、音声スイッチは、送話側の信号経路に損失を挿入する送話側損失挿入手段と、受話側の信号経路に損失を挿入する受話側損失挿入手段と、送話側及び受話側の各損失挿入手段から挿入する損失量を制御する挿入損失量制御手段とを具備し、挿入損失量制御手段は、受話側損失挿入手段の出力点から音響エコー経路を介して送話側損失挿入手段の入力点へ帰還する経路の音響側帰還利得を推定するとともに、送話側損失挿入手段の出力点から回線エコー経路を介して受話側損失挿入手段の入力点へ帰還する経路の回線側帰還利得を推定し、音響側及び回線側の各帰還利得の推定値に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出する総損失量算出部と、送話信号及び受話信号を監視して通話状態を推定し、この推定結果と総損失量算出部の算出値に応じて送話側損失挿入手段及び受話側挿入損失手段の各挿入損失量の配分を決定する挿入損失量分配処理部とからなる拡声通話装置であって、受話側の信号経路における第2のエコーキャンセラと音声スイッチの間に設けられ、受話音声の話速度を調節する話速変換手段を備え、話速変換手段は、受話信号に含まれる音声のピッチを抽出する音声ピッチ抽出部と、音声ピッチ抽出部で抽出された音声ピッチの周期で受話信号を圧縮若しくは伸長する圧縮/伸長処理部とを有し、圧縮/伸長処理部は、音声ピッチ抽出部で抽出される音声ピッチの時間的な変動度合いが所定の上限値を超える場合若しくは所定の下限値以下である場合、過去に抽出済みであり且つ時間的な変動度合いが上限値と下限値の間に収まっている音声ピッチを用いて受話信号を圧縮若しくは伸長することを特徴とする。
請求項3の発明によれば、話速変換手段で話速度が調節された後の受話信号が音声スイッチや第1のエコーキャンセラに入力されることでエコーやハウリングの抑圧処理に受話信号の話速度変化の影響が及ばないので、第1のエコーキャンセラによるエコー抑圧量が減少することなく、また音声スイッチを正常に動作させつつ話速度を調節することができる。さらに、音声ピッチ抽出部が誤った音声ピッチを抽出することによる話速変換手段の誤動作を防ぐことができる。
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、受話信号に音声が含まれている区間を検出する音声区間検出手段を備え、話速変換手段は、音声区間検出手段で検出する音声区間でのみ話速度を調節することを特徴とする。
請求項4の発明によれば、話速変換手段の誤動作を防ぐことができる。
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れか1項の発明において、話速変換手段は、音声スイッチの挿入損失量分配処理部が受話状態と推定しているときにのみ話速度を調節することを特徴とする。
請求項5の発明によれば、速変換手段の誤動作を防ぐことができる。
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れか1項の発明において、話速変換手段は、受話信号に含まれる音声以外の成分のレベルが所定のしきい値以下のときにのみ話速度を調節することを特徴とする。
請求項6の発明によれば、速変換手段の誤動作を防ぐことができる。
請求項の発明は、請求項1〜6の何れか1項の発明において、縮/伸長処理部は、音声ピッチ抽出部で抽出される音声ピッチの最新の値を含む平均値を算出するとともに当該平均値を用いて受話信号を圧縮若しくは伸長することを特徴とする。
請求項の発明によれば、音声ピッチ抽出部が誤った音声ピッチを抽出することによる話速変換手段の誤動作を防ぐことができる。
請求項の発明は、請求項1〜の何れか1項の発明において、音声と周囲騒音とが混在する入力信号から騒音を抑圧して出力するノイズキャンセラを備え、ノイズキャンセラは、サンプリングされた入力信号を複数の周波数帯域へ離散フーリエ変換するフーリエ変換手段と、変換された入力信号に含まれる騒音成分を各周波数帯域毎に求める騒音成分演算手段と、入力信号と騒音成分から各周波数帯域毎に騒音成分の抑圧量を決めるためのゲイン関数を求めるゲイン関数演算手段と、各周波数帯域毎の入力信号とゲイン関数を乗算することで騒音成分が抑圧された出力信号を求める騒音抑圧演算手段と、騒音抑圧演算手段の出力信号を離散フーリエ逆変換して時間領域の出力信号を得るフーリエ逆変換手段とを具備し、騒音抑圧演算手段は、音声ピッチが存在する周波数帯域については入力信号とゲイン関数の乗算処理を行わないことを特徴とする。
請求項の発明によれば、ノイズキャンセラで周囲騒音を抑圧する場合においても、音声ピッチ抽出部が誤った音声ピッチを抽出することによる話速変換手段の誤動作を防ぐことができる。
請求項の発明は、請求項1〜の何れか1項の発明において、音声と周囲騒音とが混在する入力信号から騒音を抑圧して出力するノイズキャンセラを備え、ノイズキャンセラは、サンプリングされた入力信号を複数の周波数帯域へ離散フーリエ変換するフーリエ変換手段と、変換された入力信号に含まれる騒音成分を各周波数帯域毎に求める騒音成分演算手段と、入力信号と騒音成分から各周波数帯域毎に騒音成分の抑圧量を決めるためのゲイン関数を求めるゲイン関数演算手段と、各周波数帯域毎の入力信号とゲイン関数を乗算することで騒音成分が抑圧された出力信号を求める騒音抑圧演算手段と、騒音抑圧演算手段の出力信号を離散フーリエ逆変換して時間領域の出力信号を得るフーリエ逆変換手段とを具備し、騒音抑圧演算手段は、音声ピッチ抽出部で最も頻繁に抽出される音声ピッチが存在する周波数帯域については入力信号とゲイン関数の乗算処理を行わないことを特徴とする。
請求項の発明によれば、ノイズキャンセラで周囲騒音を抑圧する場合においても、音声ピッチ抽出部が誤った音声ピッチを抽出することによる話速変換手段の誤動作を防ぐことができる。
請求項10の発明は、請求項1〜の何れか1項の発明において、受話信号を記録するとともに記録した受話信号を受話側の信号経路へ送出する録音/再生手段と、受話信号におけるノイズレベルを検出するノイズレベル検出手段とを備え、話速変換手段は、ノイズレベル検出手段の検出結果に基づき、録音/再生手段で記録した受話信号におけるノイズレベルが所定値よりも高い場合は受話信号を圧縮及び伸長しないことを特徴とする。
請求項10の発明によれば、記録された音声を再生する場合においても、音声ピッチ抽出部が誤った音声ピッチを抽出することによる話速変換手段の誤動作を防ぐことができる。
本発明によれば、第1のエコーキャンセラによるエコー抑圧量が減少することなく、また音声スイッチを正常に動作させつつ話速度を調節することができ、さらに、音声ピッチ抽出部が誤った音声ピッチを抽出することによる話速変換手段の誤動作を防ぐことができる。
以下、図1〜図3を参照して本発明に係る拡声通話装置の実施形態を説明する。但し、本実施形態の拡声通話装置(親機M)の基本構成は従来例とほぼ共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、送話信号に音声が含まれている区間を検出する第1の音声区間検出部16と、受話信号に音声が含まれている区間を検出する第2の音声区間検出部17とを音声スイッチ10に設けている。
第1の音声区間検出部16は、送話音量調整用増幅器G5で増幅された送話信号の瞬時パワーを推定する瞬時パワー推定部(図示せず)と、送話信号に含まれる周囲騒音成分のパワーを推定する周囲騒音パワー推定部(図示せず)と、瞬時パワー推定部で推定される瞬時パワー推定値並びに周囲騒音パワー推定部で推定される周囲騒音パワー推定値に基づいて入力信号の音声区間を判定し、判定結果が更新されるまで前回の判定結果を保持する判定部(図示せず)とを具備する。
瞬時パワー推定部は、立ち上がりが急峻であり、且つ立ち下がりが緩やかな特性をもつ積分回路又はデジタルフィルタによって構成される。また、周囲騒音パワー推定部は、立ち上がりが緩やかであり、且つ立ち下がりが急峻な特性をもつ積分回路又はデジタルフィルタによって構成される。なお、周囲騒音パワー推定部は入力信号を参照して逐次周囲騒音パワー推定値を更新し、更新するまでは前の推定値を保持している。
一方判定部は、例えば、瞬時パワー推定部から出力される瞬時パワー推定値を所定のしきい値δ1と比較し、瞬時パワー推定値と周囲騒音パワー推定部から出力される周囲騒音パワー推定値との比を所定のしきい値δ2と比較するとともに、瞬時パワー推定値がしきい値δ1よりも大きく、且つ前記比がしきい値δ2よりも大きい場合に音声区間と判定し、その他の場合に非音声区間と判定する。ここで、しきい値δ1は音声信号の最小レベルを規定するしきい値であり、しきい値δ2は音声信号レベルと周囲騒音レベルとの最小比を規定するしきい値である。
第2の音声区間検出部17も第1の音声区間検出部16と同様の構成を有するものであって、後述するノイズキャンセラ5から出力される受話信号(以下、「入力信号」と呼ぶ)の瞬時パワーを推定する瞬時パワー推定部(図示せず)と、入力信号に含まれる周囲騒音成分のパワーを推定する周囲騒音パワー推定部(図示せず)と、瞬時パワー推定部で推定される瞬時パワー推定値並びに周囲騒音パワー推定部で推定される周囲騒音パワー推定値に基づいて入力信号の音声区間を判定し、判定結果が更新されるまで前回の判定結果を保持する判定部(図示せず)とを具備する。なお、瞬時パワー推定部、周囲騒音パワー推定部並びに判定部は第1の音声区間検出部16と共通であるから説明は省略する。
而して、挿入損失量制御部13では、第1の音声区間検出部16で音声区間が検出されているときには挿入損失量分配処理部15が送話側減衰器11における挿入損失量を受話側減衰器12における挿入損失量よりも小さくして送話状態とし、第2の音声区間検出部17で音声が検出されているときには挿入損失量分配処理部15が受話側減衰器12における挿入損失量を送話側減衰器11における挿入損失量よりも小さくして受話状態としている。
したがって、第1の音声区間検出部16で送話信号の音声区間を検出した場合には挿入損失量制御部13が送話側減衰器11における挿入損失量を受話側減衰器12における挿入損失量よりも小さくして送話状態となるから、受話信号に周囲騒音が混在していても挿入損失量制御部13が通話状態を誤って受話状態とする可能性が低くなり、通話品質を向上させることができる。同様に、第2の音声区間検出部17で受話信号の音声区間を検出した場合には挿入損失量制御部13が受話側減衰器12における挿入損失量を送話側減衰器11における挿入損失量よりも小さくして受話状態となるから、送話信号に周囲騒音が混在していても挿入損失量制御部13が通話状態を誤って送話状態とする可能性が低くなり、通話品質を向上させることができる。
次に本実施形態の要旨となる点について説明する。受話側の信号経路における第2のエコーキャンセラ30Bと音声スイッチ10との間、具体的には音声スイッチ10とノイズキャンセラ5との間に話速変換部4が設けてある。話速変換部4は、図2に示すように受話信号に含まれる音声のピッチ(基本周波数)を抽出する音声ピッチ抽出部40と、音声ピッチ抽出部40で抽出された音声ピッチの周期で受話信号を圧縮若しくは伸長する圧縮/伸長処理部41とを有している。音声ピッチ抽出部40は、従来周知のAMDF(平均振幅差関数)法によって受話信号から音声ピッチを抽出し、抽出した音声ピッチの値をメモリ(図示せず)に格納している。圧縮/伸長処理部41は、従来周知の話速変換アルゴリズムであるTDHS(Time Domain Harmonic Scaling)アルゴリズムにより、音声ピッチ抽出部40で抽出された音声ピッチに基づいて受話信号を圧縮することで話速度を速くしたり、反対に受話信号を伸長することで話速度を遅くする処理(話速変換処理)を行っている。但し、平均振幅差関数法を用いた音声ピッチの抽出処理並びにTDHSアルゴリズムを用いた話速変換処理の具体的な内容については従来周知であるから詳細な説明を省略する。
而して、音声スイッチ10と第2のエコーキャンセラ30Bとの間に話速変換部4が設けてあるため、話速変換部4で話速度が調節された後の受話信号が音声スイッチ10や第1のエコーキャンセラ30Aに入力されることでエコーやハウリングの抑圧処理に受話信号の話速度変化の影響が及ばなくなり、その結果、第1のエコーキャンセラ30Aによるエコー抑圧量が減少することがなく、また音声スイッチ10を正常に動作させつつ話速度を調節することができる。
ここで、話速変換部4の音声ピッチ抽出部40はノイズに対する耐性が低く、受話信号に含まれる音声以外の信号成分のレベルが相対的に大きくなるにつれて誤った音声ピッチを抽出してしまう可能性が高くなる。そして、音声ピッチ抽出部40によって誤った音声ピッチが抽出されると、圧縮/伸長処理部41における圧縮/伸張処理にも悪影響が及び、受話音声の音質が劣化してしまうことになる。
そこで、音声ピッチ抽出部40が音声ピッチを誤抽出することによる話速変換部4の誤動作を防止するため、本実施形態では下記のような種々の方策を講じている。
例えば、第2の音声区間検出部17で音声区間が検出されているときにだけ音声ピッチ抽出部40が音声ピッチを抽出すれば、音声以外の信号成分による音声ピッチの誤抽出を防ぐことができる。または、音声スイッチ10が受話状態に切り換わっているときにだけ話速変換部4が話速変換処理を実行してもよい。あるいは、第2の音声区間検出部17の周囲騒音パワー推定部から出力される周囲騒音パワー推定値が所定のしきい値以下のときにのみ話速変換部4が話速変換処理を実行してもよい。
その他、圧縮/伸長処理部41において音声ピッチ抽出部40で抽出される音声ピッチの時間的な変動度合いを監視し、当該変動度合いが所定の上限値を超える場合に圧縮/伸長処理を停止したり、さらに、前記変動度合いが所定の下限値以下である場合に圧縮/伸長処理を停止したり、あるいは、前記変動度合いが上限値を超える場合若しくは下限値以下である場合、過去に抽出済みであり且つ変動度合いが上限値と下限値の間に収まっている音声ピッチをメモリから読み出し、当該音声ピッチを用いて圧縮/伸長処理を実行してもよい。また、圧縮/伸長処理部41にて、一定の周期(サンプリング周期)により音声ピッチ抽出部40で抽出される音声ピッチの最新の値を含む平均値(エンベロープ)を算出するとともに当該音声ピッチの平均値を用いて圧縮/伸長処理を実行してもよい。
ここで、本実施形態では音声と周囲騒音とが混在する入力信号(受話信号)から騒音を抑圧して出力するノイズキャンセラ5を受話側の信号経路における受話音量調整用増幅器G6と話速変換部4との間に設けている。ノイズキャンセラ5は、図3に示すようにサンプリングされ且つ量子化されたディジタルの入力信号v(n)を複数の周波数帯域へ離散高速フーリエ変換するフーリエ変換部50と、変換された入力信号Vk(n)(kは周波数帯域の番号でk=1,2,…,m)に含まれる騒音成分Nk(n)を各周波数帯域毎に求める騒音成分演算部51と、入力信号Vk(n)と騒音成分Nk(n)から各周波数帯域毎に騒音成分の抑圧量を決めるためのゲイン関数Gk(n)を求めるゲイン関数演算部52と、ゲイン関数Gk(n)に基づいて各周波数帯域k毎に騒音成分Nk(n)が抑圧された出力信号を求める騒音抑圧演算部53と、騒音抑圧演算部53の出力信号を離散フーリエ逆変換して時間領域の出力信号を得るフーリエ逆変換部54とを備える。
フーリエ変換部50は、ディジタルの入力信号v(n)を離散高速フーリエ変換して得られる振幅成分(実部)と位相成分(虚部)のうちで振幅成分Vk(n)のみを騒音成分演算部51に渡し、位相成分についてはフーリエ逆変換部54に渡す。但し、以下の説明では特に断らない限りフーリエ変換後の振幅成分を入力信号Vk(n)と呼ぶことにする。
騒音成分演算部51は、フーリエ変換部50から受け取った入力信号Vk(n)のk番目の周波数帯域の瞬時信号パワーPV,k(n)(=Vk(n))を時間平均し、その平均値を騒音成分Nk(n)の信号パワーPN,k(n)(=<PV,k(n)>)とする。但し、<PV,k(n)>は瞬時信号パワーPV,k(n)の長時間平均値を表し、下記の式で求められる。
<PV,k(n)>=PV,k(n)×ρ+<PV,k-M(n)>×(1−ρ) 但し、ρは定数(エンベロープ係数)、Mは周波数帯域の分割数を表す。
ゲイン関数演算部52では、騒音成分Nk(n)を抑圧するためのゲイン関数Gk(n)を、時間フレームn並びに周波数帯域k毎に下記の式(1)によって演算する。
また、騒音成分の信号パワー<PV,k(n)>に対する瞬時信号パワーPV,k(n)の比を瞬時S/N比SNRk(n)(=PV,k(n)/<PV,k(n)>)とすれば、上記式(1)は下記の式(2)のように表すこともできる。
騒音抑圧演算部53は、各周波数帯域k毎の入力信号Vk(n)とゲイン関数Gk(n)を乗算することで騒音成分が抑圧された出力信号(振幅成分)P'V,k(n)(=Gk(n)×PV,k(n))を求め、求めた出力信号P'V,k(n)をフーリエ逆変換部54に渡す。そして、フーリエ逆変換部54において騒音成分が抑圧された振幅成分(実部)P'V,k(n)と位相成分(虚部)とを離散高速フーリエ逆変換することで周波数領域から時間領域に戻された出力信号(受話信号)y(n)が得られるのである。
ここで、音声ピッチが存在する周波数帯域は成人男性の場合で62.5ヘルツ〜250ヘルツ、成人女性の場合で125ヘルツ〜500ヘルツが一般的であるから、62.5ヘルツ〜500ヘルツの周波数帯域についてはノイズキャンセラ5の騒音抑圧演算部53が入力信号とゲイン関数の乗算処理を行わないようにするか、あるいは、音声ピッチ抽出部40で最も頻繁に抽出される音声ピッチが存在する周波数帯域についてはノイズキャンセラ5の騒音抑圧演算部53が入力信号とゲイン関数の乗算処理を行わないようにすれば、音声ピッチ抽出部40が音声ピッチを誤抽出することを防ぐことができる。
ところで、本実施形態では受話信号を記録するとともに記録した受話信号を受話側の信号経路へ送出する録音/再生部6を備えている。録音/再生部6では、受話側の信号経路から受話信号を取り込んで記録する際、第2の音声区間検出部17が具備する周囲騒音パワー推定部の周囲騒音パワー推定値を対応付けて記録している。そして、録音/再生部6に記録した受話信号を受話側の信号経路に送出することで録音した音声(受話音声)を再生する際、記録(録音)時に対応付けて記録した周囲騒音パワー推定値(ノイズレベル)が所定値よりも高い場合には話速変換部4の圧縮/伸長処理部41が圧縮/伸張処理を行わないようにすれば、記録された音声を再生する場合においても、音声ピッチ抽出部が誤った音声ピッチを抽出することによる話速変換部4の誤動作を防ぐことができる。
本発明の実施形態を示すブロック図である。 同上における話速変換部のブロック図である。 同上におけるノイズキャンセラのブロック図である。 従来例を示すブロックである。
符号の説明
M 親機(拡声通話装置)
1 マイクロホン
2 スピーカ
4 話速変換部
10 音声スイッチ
11 送話側減衰器
12 受話側減衰器
13 挿入損失量制御部
14 総損失量算出部
15 損失量分配処理部
30A 第1のエコーキャンセラ
30B 第2のエコーキャンセラ

Claims (10)

  1. 集音した音声を送話信号として出力するマイクロホンと、相手側の通話端末からの受話信号に応じて鳴動するスピーカと、相手側の通話端末との間で送話信号並びに受話信号の送信処理、受信処理を行う伝送処理手段と、マイクロホンとスピーカの音響結合によって生じる音響エコーを消去する第1のエコーキャンセラと、相手側の通話端末における音響結合又は伝送処理手段における信号の回り込みによって生じる回線エコーを消去する第2のエコーキャンセラと、第1及び第2のエコーキャンセラの間に設けられ、音響エコー経路並びに回線エコー経路により形成される閉ループの一巡利得を低減してハウリングを抑制する音声スイッチとを有し、
    音声スイッチは、送話側の信号経路に損失を挿入する送話側損失挿入手段と、受話側の信号経路に損失を挿入する受話側損失挿入手段と、送話側及び受話側の各損失挿入手段から挿入する損失量を制御する挿入損失量制御手段とを具備し、
    挿入損失量制御手段は、受話側損失挿入手段の出力点から音響エコー経路を介して送話側損失挿入手段の入力点へ帰還する経路の音響側帰還利得を推定するとともに、送話側損失挿入手段の出力点から回線エコー経路を介して受話側損失挿入手段の入力点へ帰還する経路の回線側帰還利得を推定し、音響側及び回線側の各帰還利得の推定値に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出する総損失量算出部と、送話信号及び受話信号を監視して通話状態を推定し、この推定結果と総損失量算出部の算出値に応じて送話側損失挿入手段及び受話側挿入損失手段の各挿入損失量の配分を決定する挿入損失量分配処理部とからなる拡声通話装置であって、
    受話側の信号経路における第2のエコーキャンセラと音声スイッチの間に設けられ、受話音声の話速度を調節する話速変換手段を備え
    話速変換手段は、受話信号に含まれる音声のピッチを抽出する音声ピッチ抽出部と、音声ピッチ抽出部で抽出された音声ピッチの周期で受話信号を圧縮若しくは伸長する圧縮/伸長処理部とを有し、
    圧縮/伸長処理部は、音声ピッチ抽出部で抽出される音声ピッチの時間的な変動度合いが所定の上限値を超える場合に圧縮及び伸長の信号処理を停止することを特徴とする拡声通話装置。
  2. 集音した音声を送話信号として出力するマイクロホンと、相手側の通話端末からの受話信号に応じて鳴動するスピーカと、相手側の通話端末との間で送話信号並びに受話信号の送信処理、受信処理を行う伝送処理手段と、マイクロホンとスピーカの音響結合によって生じる音響エコーを消去する第1のエコーキャンセラと、相手側の通話端末における音響結合又は伝送処理手段における信号の回り込みによって生じる回線エコーを消去する第2のエコーキャンセラと、第1及び第2のエコーキャンセラの間に設けられ、音響エコー経路並びに回線エコー経路により形成される閉ループの一巡利得を低減してハウリングを抑制する音声スイッチとを有し、
    音声スイッチは、送話側の信号経路に損失を挿入する送話側損失挿入手段と、受話側の信号経路に損失を挿入する受話側損失挿入手段と、送話側及び受話側の各損失挿入手段から挿入する損失量を制御する挿入損失量制御手段とを具備し、
    挿入損失量制御手段は、受話側損失挿入手段の出力点から音響エコー経路を介して送話側損失挿入手段の入力点へ帰還する経路の音響側帰還利得を推定するとともに、送話側損失挿入手段の出力点から回線エコー経路を介して受話側損失挿入手段の入力点へ帰還する経路の回線側帰還利得を推定し、音響側及び回線側の各帰還利得の推定値に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出する総損失量算出部と、送話信号及び受話信号を監視して通話状態を推定し、この推定結果と総損失量算出部の算出値に応じて送話側損失挿入手段及び受話側挿入損失手段の各挿入損失量の配分を決定する挿入損失量分配処理部とからなる拡声通話装置であって、
    受話側の信号経路における第2のエコーキャンセラと音声スイッチの間に設けられ、受話音声の話速度を調節する話速変換手段を備え、
    話速変換手段は、受話信号に含まれる音声のピッチを抽出する音声ピッチ抽出部と、音声ピッチ抽出部で抽出された音声ピッチの周期で受話信号を圧縮若しくは伸長する圧縮/伸長処理部とを有し、
    圧縮/伸長処理部は、音声ピッチ抽出部で抽出される音声ピッチの時間的な変動度合いが所定の下限値以下である場合に圧縮及び伸長の信号処理を停止することを特徴とする拡声通話装置。
  3. 集音した音声を送話信号として出力するマイクロホンと、相手側の通話端末からの受話信号に応じて鳴動するスピーカと、相手側の通話端末との間で送話信号並びに受話信号の送信処理、受信処理を行う伝送処理手段と、マイクロホンとスピーカの音響結合によって生じる音響エコーを消去する第1のエコーキャンセラと、相手側の通話端末における音響結合又は伝送処理手段における信号の回り込みによって生じる回線エコーを消去する第2のエコーキャンセラと、第1及び第2のエコーキャンセラの間に設けられ、音響エコー経路並びに回線エコー経路により形成される閉ループの一巡利得を低減してハウリングを抑制する音声スイッチとを有し、
    音声スイッチは、送話側の信号経路に損失を挿入する送話側損失挿入手段と、受話側の信号経路に損失を挿入する受話側損失挿入手段と、送話側及び受話側の各損失挿入手段から挿入する損失量を制御する挿入損失量制御手段とを具備し、
    挿入損失量制御手段は、受話側損失挿入手段の出力点から音響エコー経路を介して送話側損失挿入手段の入力点へ帰還する経路の音響側帰還利得を推定するとともに、送話側損失挿入手段の出力点から回線エコー経路を介して受話側損失挿入手段の入力点へ帰還する経路の回線側帰還利得を推定し、音響側及び回線側の各帰還利得の推定値に基づいて閉ループに挿入すべき損失量の総和を算出する総損失量算出部と、送話信号及び受話信号を監視して通話状態を推定し、この推定結果と総損失量算出部の算出値に応じて送話側損失挿入手段及び受話側挿入損失手段の各挿入損失量の配分を決定する挿入損失量分配処理部とからなる拡声通話装置であって、
    受話側の信号経路における第2のエコーキャンセラと音声スイッチの間に設けられ、受話音声の話速度を調節する話速変換手段を備え、
    話速変換手段は、受話信号に含まれる音声のピッチを抽出する音声ピッチ抽出部と、音声ピッチ抽出部で抽出された音声ピッチの周期で受話信号を圧縮若しくは伸長する圧縮/伸長処理部とを有し、
    圧縮/伸長処理部は、音声ピッチ抽出部で抽出される音声ピッチの時間的な変動度合いが所定の上限値を超える場合若しくは所定の下限値以下である場合、過去に抽出済みであり且つ時間的な変動度合いが上限値と下限値の間に収まっている音声ピッチを用いて受話信号を圧縮若しくは伸長することを特徴とする拡声通話装置。
  4. 受話信号に音声が含まれている区間を検出する音声区間検出手段を備え、
    話速変換手段は、音声区間検出手段で検出する音声区間でのみ話速度を調節することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の拡声通話装置。
  5. 話速変換手段は、音声スイッチの挿入損失量分配処理部が受話状態と推定しているときにのみ話速度を調節することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の拡声通話装置。
  6. 話速変換手段は、受話信号に含まれる音声以外の成分のレベルが所定のしきい値以下のときにのみ話速度を調節することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の拡声通話装置。
  7. 圧縮/伸長処理部は、音声ピッチ抽出部で抽出される音声ピッチの最新の値を含む平均値を算出するとともに当該平均値を用いて受話信号を圧縮若しくは伸長することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の拡声通話装置。
  8. 音声と周囲騒音とが混在する入力信号から騒音を抑圧して出力するノイズキャンセラを備え、ノイズキャンセラは、サンプリングされた入力信号を複数の周波数帯域へ離散フーリエ変換するフーリエ変換手段と、変換された入力信号に含まれる騒音成分を各周波数帯域毎に求める騒音成分演算手段と、入力信号と騒音成分から各周波数帯域毎に騒音成分の抑圧量を決めるためのゲイン関数を求めるゲイン関数演算手段と、各周波数帯域毎の入力信号とゲイン関数を乗算することで騒音成分が抑圧された出力信号を求める騒音抑圧演算手段と、騒音抑圧演算手段の出力信号を離散フーリエ逆変換して時間領域の出力信号を得るフーリエ逆変換手段とを具備し、騒音抑圧演算手段は、音声ピッチが存在する周波数帯域については入力信号とゲイン関数の乗算処理を行わないことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の拡声通話装置。
  9. 音声と周囲騒音とが混在する入力信号から騒音を抑圧して出力するノイズキャンセラを備え、ノイズキャンセラは、サンプリングされた入力信号を複数の周波数帯域へ離散フーリエ変換するフーリエ変換手段と、変換された入力信号に含まれる騒音成分を各周波数帯域毎に求める騒音成分演算手段と、入力信号と騒音成分から各周波数帯域毎に騒音成分の抑圧量を決めるためのゲイン関数を求めるゲイン関数演算手段と、各周波数帯域毎の入力信号とゲイン関数を乗算することで騒音成分が抑圧された出力信号を求める騒音抑圧演算手段と、騒音抑圧演算手段の出力信号を離散フーリエ逆変換して時間領域の出力信号を得るフーリエ逆変換手段とを具備し、騒音抑圧演算手段は、音声ピッチ抽出部で最も頻繁に抽出される音声ピッチが存在する周波数帯域については入力信号とゲイン関数の乗算処理を行わないことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の拡声通話装置。
  10. 受話信号を記録するとともに記録した受話信号を受話側の信号経路へ送出する録音/再生手段と、受話信号におけるノイズレベルを検出するノイズレベル検出手段とを備え、
    話速変換手段は、ノイズレベル検出手段の検出結果に基づき、録音/再生手段で記録した受話信号におけるノイズレベルが所定値よりも高い場合は受話信号を圧縮及び伸長しないことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の拡声通話装置
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