JP5085433B2 - 除電除塵装置 - Google Patents
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また、従来、風量センサで風量を監視し、風量が設定値以下に低下すると放電動作を停止するコロナ放電型イオナイザが知られている(例えば、特許文献2参照)。このコロナ放電型イオナイザによると、風量が低下するとコロナ放電を停止することにより、風量が低下したときのオゾンの発生を抑制できる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、イオン化された空気を間欠的に放出する動作を実行しつつ圧力異常時に所定の異常時処理を実行できる除電除塵装置を提供することを目的とする。
この発明によると、圧力センサは空気供給流路部内において空気流制御手段より上流側の空気の圧力を測定する。空気流制御手段より上流側の空気の圧力は空気供給流路部が閉じられても低下しないので、空気供給流路部が閉じられる度にイオン化された空気の放出が停止することはない。したがって、空気流制御手段より上流側の空気に圧力異常がない限り、イオン化された空気が間欠的に放出される。
よってこの発明によると、イオン化された空気を間欠的に放出する動作を実行しつつ圧力異常時に所定の異常時処理を実行できる。
この発明によると、圧力レベルが予め定められた第一基準レベル以上である第一の異常状態であるか、第一基準レベルよりも低く定められた第二基準レベル以下である第二の異常状態であるかに応じて適切な異常時処理を実行できる。
この発明によると、電圧印加を停止することにより、オゾンの発生を抑制できる。
この発明によると、作業者は異常の発生原因を把握し易い。
本発明の実施形態1を図1ないし図11によって説明する。
(1)除電除塵装置の概略
図1は本発明の実施形態1に係る除電除塵装置1(除電除塵装置の一例)を表側から見た斜視図であり、図2は除電除塵装置1を裏側から見た斜視図である。除電除塵装置1は空気をイオン化して除電除塵対象物に吹き付けることにより、除電除塵対象物を除電、除塵するための装置である。
筺体11の上部にはコロナ放電によって空気をイオン化するタイプのイオン発生器16(以下「イオナイザ」という)が設けられている。イオナイザ16は処理空間15の上方に設けられており、外部のエアコンプレッサ(空気供給源の一例)から供給される圧縮空気をイオン化して処理空間15内に向けて吹き付ける。
また、例えば静電気によって塵埃が付着した除電除塵対象物の場合は、イオン化した空気を吹き付けて除電することにより静電気による付着力を失わせ、風圧によって塵埃を飛散させることにより塵埃を除塵することができる。
図3は、除電除塵装置1の要部構成を示すブロック図である。除電除塵装置1は、制御回路35、継手19、20、21、レギュレータ22、圧力センサ23、エアバルブ24、イオナイザ16、光電センサ25、動作設定部26、排気ファン27、操作パネル28などを備えている。
圧力センサ23は、エアバルブ24よりも上流に配置されており、空気供給流路部内の空気の圧力を検出して制御回路35に出力する。圧力センサ23としては例えば隔膜(ダイアフラム)の歪を電気信号に変換するダイアフラム式の圧力センサ23を用いることができる。図示するように圧力センサ23はレギュレータ22とエアバルブ24との間の空気の圧力を測定する。
イオナイザ16は、放電針に交流電圧を印加して接地電極との間にコロナ放電を起こすいわゆる交流電圧タイプのものである。イオナイザ16はコロナ放電によって空気をイオン化するタイプのものであればよく、例えば正極性及び負極性の直流電圧がそれぞれ印加される正負1対の放電針を備えたいわゆる直流電圧タイプのものを用いてもよいし、その他のタイプのものを用いてもよい。
排気ファン27は、モータと当該モータによって回転駆動されるファンなどで構成されている。除電除塵対象物に吹き付けられたイオン化空気は排気ファン27によって開口から筺体11内に吸引され、筺体11の背面に設けられている排気ダクト36(図2参照)から外部に排気される。なお、排気ダクト36に図示しない連通ダクトを接続して集塵フィルタなどに集塵空気を案内することにより、塵埃をフィルタに集めるようにしてもよい。
図4は、イオナイザ16の内部構造を示す模式図である。
イオナイザ16は、イオン生成室16a、イオン生成室16a内に配置されている放電針16b、接地電極16cなどを有している。接地電極16cは金属の筒状部材で構成されており、イオン生成室16aにネジ固定されている。イオン生成室16aには空気供給流路部から供給される空気をイオン生成室16a内に流入させる空気流入口16d、空気流入口16dから流入した空気を外部へ放出する空気放出口16eが形成されている。イオナイザ16は放電針16bに交流電圧を印加して接地電極16cとの間にコロナ放電を起こすことにより、放電針16bの周囲の空気をプラスイオンとマイナスイオンとに交互にイオン化する。
図5は動作設定部26の模式図であり、図6は動作設定部26によって設定される設定項目を示す模式図である。図2に示すように動作設定部26は除電除塵装置1の背面側に設けられている。図5に示すように動作設定部26は6つのディップスイッチSW1〜SW6を有しており、各ディップスイッチ(以下「スイッチ」という)はそれぞれ1(ON)又は0(OFF)が選択的に設定される。
ここで外部入力とは、筺体11に設けられているインタフェース部41(図2参照)を介して外部から入力される信号(外部入力信号)をいい、作業者は外部入力信号を入力することによっても除電除塵装置1を作動させることが可能である。
言い換えると、スイッチSW4は、空気供給流路部の開閉を繰り返すことにより除電除塵対象物にイオン化空気を間欠的に吹き付けるか、又は空気供給流路部を開いた状態を維持して連続して吹き付けるかを作業者が選択するためのスイッチである。
ここでパルス信号の周波数とは1秒当たりに出力されるパルス数をいい、デューティ比とはパルス周期中においてパルス信号がONである時間の割合をいう。
図8は、エアコンプレッサの能力が高い場合の空気供給時間とイオン生成室16a内の空気の圧力との関係を模式的に示すグラフである。前述したように本実施形態では周波数が固定であり、したがってパルス周期が固定であるので、空気供給時間を短くするとその分だけエアバルブ24の閉時間が長くなる。エアバルブ24より上流側の空気の圧力は閉時間に比例して上昇するので、空気供給時間を短くするとその分だけエアバルブ24の閉時間が長くなることにより、エアバルブ24を開いたときにイオン生成室16aに供給される空気の圧力が高くなる。逆に、空気供給時間を長くするとその分だけ閉時間が短くなり、エアバルブ24を開いたときにイオン生成室16a内に供給される空気の圧力は相対的に低くなる。
なお、図8に示すグラフではエアバルブ24を開いているときのイオン生成室16a内の圧力は時間が経過しても一定であるが、このグラフは空気供給時間が短いときと長いときとでイオン生成室16a内に供給される空気の圧力が異なることを概念的に説明するためのものであり、実際にはエアバルブ24を開いているときのイオン生成室16a内の圧力は一定とは限らない。
図10は制御回路35に入出力される信号のタイミングチャートであり、図11は動作設定部26の設定の一例を示す模式図である。以下、動作設定部26が図11に示すように設定されているものとして除電除塵装置1の作動を説明する。
光電センサ25から検出信号が出力されてからT1ミリ秒[ms]が経過すると、制御回路35は排気ファン27に駆動信号を出力し、排気ファン27が動作を開始する。
除電除塵対象物が移動して投光器25aから発光された光が受光器25bに入光すると、光電センサ25の検出信号がOFFになる。制御回路35は検出信号がOFFになってからT4ミリ秒が経過すると、イオナイザ16への放電許可信号の出力を停止するとともに、エアバルブ24へのパルス信号の出力を停止する。これによりイオナイザ16でのコロナ放電が停止するとともに、エアバルブ24が閉状態となる。
図示する例では除電除塵対象物が搬出された後に再度光電センサ25から検知信号42が出力されている。しかしながら検知信号42はイオナイザ16が停止する前であるため無視される。
エアコンプレッサの能力が高過ぎると空気供給流路部内の圧力が過度に高くなり、それにより配管が破損する虞がある。逆にエアコンプレッサの能力が低過ぎると空気供給流路部内の圧力が過度に低くなり、それによりエアバルブ24を開いたときのイオン生成室16a内の空気の圧力が異常放電圧力以下となって除電不良やオゾンの大量発生が起きる虞がある。
また、本実施形態では第一の異常状態であるか第二の異常状態であるかを識別可能に外部に報知するので、作業者は異常の発生原因を把握し易い。
以上説明した除電除塵装置1によると、圧力センサ23は空気供給流路部内においてエアバルブ24より上流側の空気の圧力を測定する。エアバルブ24より上流側の空気の圧力は空気供給流路部が閉じられても低下しないので、空気供給流路部が閉じられる度にイオン化された空気の放出が停止することはない。したがって、エアバルブ24より上流側の空気に圧力異常がない限り、イオン化された空気が間欠的に放出される。
よって除電除塵装置1によると、イオン化された空気を間欠的に放出する動作を実行しつつ圧力異常時に所定の異常時処理を実行できる。
次に、本発明の実施形態2を図12によって説明する。
実施形態2では、実施形態1においてスイッチSW5によって設定されていた「パルスモード切替」を、圧力センサ23によって測定される空気供給流路部内の空気の圧力に応じて自動で設定する。
例えば、作業者はエアコンプレッサの能力を的確に把握できず、それにより空気供給時間を長くするべきか短くするべきか迷う場合もあり得る。実施形態2によると、圧力センサ23によって測定された圧力に応じて制御回路35が空気供給時間を設定するので、作業者がエアコンプレッサの能力を的確に把握していなくても空気供給時間を適切に設定することができる。
実施形態2はその他の点において実施形態1と実質的に同一である。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
16a…イオン生成室
16b…放電針
16e…空気放出口
16d…空気流入口
19〜21…継手(空気供給流路部)
23…圧力センサ
24…エアバルブ(空気流制御手段)
28…操作パネル(異常処理制御手段)
29〜34…チューブ(空気供給流路部)
35…制御回路(電圧印加手段、空気流制御手段、異常処理制御手段、異常判別手段)
Claims (4)
- 放電針と、
前記放電針に電圧を印加してイオンを発生させる電圧印加手段と、
空気供給源からの空気を前記放電針の針先付近へ供給して前記イオンを除電除塵対象物へ吹き付ける空気供給流路部と、
前記空気供給流路部を流れる空気流を間欠制御または強弱制御する空気流制御手段と、
前記空気供給流路部内の空気の圧力であって前記空気流制御手段より上流側の空気の圧力を測定する圧力センサと、
前記圧力センサで測定された圧力を監視し、圧力異常を検出すると所定の異常時処理を実行する異常処理制御手段と、
を備える除電除塵装置。 - 前記異常処理制御手段は、
前記圧力センサで測定された圧力レベルが予め定められた第一基準レベル以上のとき第一の異常状態として判別し、かつ、前記圧力センサで測定された圧力レベルが前記第一基準レベルよりも低く定められた第二基準レベル以下であるとき第二の異常状態として判別する異常判別手段を有し、
前記第一の異常状態と前記第二の異常状態とで異なる異常時処理を実行する請求項1に記載の除電除塵装置。 - 前記異常処理制御手段は、前記第二の異常状態のとき、前記電圧印加手段による電圧印加を停止させる請求項2に記載の除電除塵装置。
- 前記異常処理制御手段は、前記第一の異常状態と前記第二の異常状態とを識別可能に外部に報知する請求項2又は請求項3に記載の除電除塵装置。
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