JP5085189B2 - 穴あけ工具及び穴あけ加工方法 - Google Patents

穴あけ工具及び穴あけ加工方法 Download PDF

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本発明は、穴あけ工具及び穴あけ加工方法に係り、特に、アルミニウム等の非鉄金属に対して、穴あけ工具の工具径よりも径が大きくなった様々な穴径の穴を効率よく加工できるようにした点に特徴を有するものである。
従来より、被削材に対して穴あけ加工を行うにあたっては、一般に先端角が180°未満になったドリルが使用されている。
しかし、このようなドリルを用いてアルミニウム等の非鉄金属からなる被削材に対して穴あけ加工を行う場合、アルミニウム等は柔らかくて融点が低いため、切削時における切屑がドリルに融着しやすく、高速で穴あけ加工を行うと、切屑詰まりが発生しやすくなるという問題があった。
このため、特許文献1に示されるように、ドリル先端のX形シンニングの形状を改良したものが提案されているが、依然として、高速で穴あけ加工を行うと、切屑詰まりが発生するという問題があった。
また、ドリルを用いて穴あけ加工を行う場合、様々な穴径になった穴を1つのドリルで加工することができず、穴径の異なる複数の穴を加工する時には、その穴径に対応した複数のドリルを揃える必要があり、コストが高くつくと共に、穴径に対応させてドリルを交換させることが必要になり、作業が面倒で、穴あけ加工の効率が非常に悪くなるという問題もあった。
また、従来においては、特許文献2,3に示されるように、底刃によって軸方向の切削も行えるようにしたエンドミルも提案されているが、これらのエンドミルにおいても、一般のエンドミルと同様に、横方向の送りによる切削を主目的としており、工具の剛性を高めるために、一般に芯厚が大きくなっている。このため、軸方向への送り速度を速くすると、切屑詰まりが発生したり、刃先が破損したりして、効率のよい穴あけ加工を行うことは困難であった。
さらに、従来においては、特許文献4に示されるように、スローアウェイチップを本体先端部に取り付けた工具を自転させながら、この工具を所定の軌道を周回するように横移動させ、周回移動中に軸方向に送りをかけて、工具の径よりも大きな穴あけ加工を行うようにしたものも提案されている。
しかし、このようにスローアウェイチップを本体先端部に取り付けた工具の場合、工具自体が大きくなって大きな径の穴あけ加工しか行えず、またこの特許文献4に示される工具においても、前記のエンドミルの場合と同様に、軸方向への送り速度を速くすると、切屑詰まりが発生して、工具が破損したりするため、効率のよい穴あけ加工を行うことは困難であった。
特開2005−144640号公報 特開2000−716号公報 特開2004−90148号公報 特公平6−4205号公報
本発明は、穴あけ工具における上記のような様々な問題を解決することを課題とするものであり、特に、アルミニウム等の非鉄金属に対して、穴あけ工具の工具径よりも径が大きくなった様々な穴径の穴を効率よく加工できるようにしたことを課題とするものである。
本発明における穴あけ工具においては、上記のような課題を解決するため、回転する工具本体の先端部に、回転中心を越えて半径方向に伸びた正面主切刃と回転中心に達しない半径方向に伸びた正面副切刃とが形成されると共に、この工具本体の外周部にねじれ溝とねじれ溝に沿った外周切刃が形成された穴あけ工具において、上記の工具本体の先端角θを180°<θ≦210°工具径Dに対する芯厚d0.4≦d/D≦0.65、上記の正面主切刃のギャッシュ角γを40°〜50°の範囲にし、上記の正面主切刃が半径方向に平行な状態で回転中心よりも回転方向上流側にずれて形成され、上記の正面主切刃が回転中心を越えて半径方向に突出した長さ(芯越え量)xが0mm<x≦0.2mm、上記の正面主切刃が半径方向に平行な状態で回転中心よりも回転方向上流側にずれた長さ(芯下がり量)yが0mm<y≦0.1mmの条件を満たすと共に、上記の正面主切刃と外周切刃とが交差するコーナ部分を半径が0.2〜1.0mmの範囲の円弧状に形成した。
また、本発明における穴あけ加工方法においては、上記のような課題を解決するため、上記の穴あけ工具を用いて穴あけ加工を行うにあたり、この穴あけ工具を回転させて軸方向に送ると共に、この穴あけ工具の回転中心を、上記の工具径D以下の円周軌道上を公転させるようにした。
本発明における穴あけ工具のように、工具本体の先端部に回転中心を越えて半径方向に伸びた正面主切刃を形成すると、切削時において回転中心部分に切残しが生じるのが防止される。
また、この工具本体の外周部にねじれ溝と、ねじれ溝に沿った外周切刃を形成すると、この穴あけ工具をその軸方向以外の横方向に送り、上記の外周切刃によって横方向の切削加工を行うことができると共に、上記の正面主切刃や正面副切刃によって切削された切屑及びこの外周切刃によって切削された切屑が、上記のねじれ溝を通して排出されるようになる。
また、本発明における穴あけ工具のように、正面主切刃と正面副切刃が形成された工具本体の先端角θを180°<θ≦210°にすると、先端角θが180°未満のドリルに比べて、横方向への送りが容易に行えるようになると共に、止まり穴の加工を行った場合に、穴の底面を平滑に仕上げることが可能になる。また、この先端角θを210°以下にしているため、正面主切刃に加わる背分力が高くなりすぎるのが抑制されて、穴あけ加工時における工具のぶれも抑制されるようになる。
また、本発明における穴あけ工具のように、工具径Dに対する芯厚dを0.4≦d/D≦0.65にすると、この穴あけ工具の剛性が低下するのが防止され、この穴あけ工具を横方向に送って切削加工を行う際に、工具が破損したり、変形したりするのが防止されると共に、上記のねじれ溝を通して切屑が適切に排出させるようになり、切屑詰まりが発生するのが防止される。
さらに、本発明における穴あけ工具においては、上記の正面主切刃を半径方向に平行な状態で回転中心よりも回転方向上流側にずれるようにしたため、正面主切刃の逃げ面側が被削材にあたるのが抑制され、逃げ面側において切削された切屑が回転中心部に詰まるのが防止される。
この結果、本発明における穴あけ工具においては、軸方向への穴あけ加工の他に、横方向における切削加工が効率よく行えるようになると共に、軸方向や横方向への送り速度を速くした場合においても、切屑詰まりが発生したり、工具が破損したりするのが防止される。
また、本発明における穴あけ加工方法のように、上記の穴あけ工具を回転させて軸方向に送ると共に、この穴あけ工具の回転中心を、上記の工具径D以下の円周軌道上を公転させて、穴あけ加工を行うようにすると、工具径Dから工具径Dの2倍の2Dの範囲において、穴径が異なる複数の穴を1つの穴あけ工具により適切に加工できるようになる。
そして、このようにして穴あけ加工を行う場合においても、この穴あけ工具に切屑詰まりが発生したり、工具が破損したりするということがない。
次に、この発明に係る穴あけ工具及び穴あけ加工方法の実施形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明における穴あけ工具及び穴あけ加工方法は、特に下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
この実施形態の穴あけ工具においては、図1(A),(B)に示すように、工具本体10の先端部に、回転中心を越えて半径方向に伸びた正面主切刃11と、回転中心に達しない半径方向に伸びた正面副切刃12とが形成されると共に、この工具本体10の外周部にねじれ溝13とねじれ溝13に沿った外周切刃14が形成されている。
そして、この穴あけ工具においては、前記のように正面主切刃11と正面副切刃12が形成された工具本体10の先端角θを180°<θ≦210°にすると共に、工具径Dに対する芯厚dを0.4≦d/D≦0.65にしている。
また、この穴あけ工具においては、上記の正面主切刃11が半径方向に平行な状態で、この正面主切刃11が回転中心よりも回転方向上流側に位置するようにしている。
ここで、この穴あけ工具において、回転中心を越えて半径方向に伸びた正面主切刃11を設けるにあたり、この正面主切刃11が回転中心を越えて半径方向に突出する長さ(芯越え量)xが大きくなりすぎると、切削時にこの正面主切刃11に加わる負荷が大きくなって、正面副切刃12に加わる負荷とのバランスが悪くなり、工具が振動したり、またこの正面主切刃11の逃げ面側が被削材にあたって切削が行われ、この正面主切刃11に加わる負荷がさらに増大して、正面主切刃11が破損したりするおそれが生じる。このため、正面主切刃11における上記の芯越え量xが0mm<x≦0.2mmの条件を満たすようにしている。
また、この穴あけ工具において、上記の正面主切刃11を半径方向に平行にした状態で、この正面主切刃11を回転中心よりも回転方向上流側に位置させるにあたり、回転中心よりも回転方向上流側にずれる長さ(芯下がり量)yが大きくなりすぎると、切削時において回転中心部分に切残しが生じたり、切削された切屑が回転中心部に詰まったりするおそれが生じる。このため、上記の芯下がり量yが0mm<y≦0.1mmの条件を満たすようにしている。
また、この穴あけ工具においては、上記の正面主切刃11や正面副切刃12によって切削された切屑及び外周切刃14によって切削された切屑が、ねじれ溝13を通して適切に排出されるようにするため、このねじれ溝13のねじれ角βを25°〜45°の範囲にすることが好ましい。
また、この実施形態の穴あけ工具においては、正面主切刃11や正面副切刃12によって切削された切屑が溶着するのを防止するために、工具本体10の先端部に冷却用媒体を供給する供給路15を工具本体10の内部に設け、工具本体10の先端部に設けられた供給口15aから冷却用媒体を供給させるようにしている。
そして、このように供給路15を工具本体10の内部に設けるにあたっては、この供給路15によって工具本体10の剛性が低下するのを防止するため、この供給路15をスパイラル状に形成し、この供給路15のねじれ角を、上記のねじれ溝13のねじれ角βと同じになるようにすることが好ましい。
また、この穴あけ工具においては、上記の正面主切刃11や正面副切刃12と外周切刃14とが交差するコーナ部分が欠けるのを防止するため、このコーナ部分を半径が0.2〜1.0mmの範囲の円弧状に形成している。
また、この穴あけ工具を横方向に送って切削加工を行う場合に、その外周切刃14が被削材に食込んで、その切削面ががたついたり、外周切刃14が欠けたりするのを防止するため、外周切刃14に0.02〜0.05mmの範囲のマージン14aを設けることが好ましい。
また、この穴あけ工具における切屑の排出性をさらによくするため、上記の正面主切刃11のギャッシュ角γを40°〜50°の範囲にしている。
また、この穴あけ工具における切屑の排出性をさらによくすると共に、切屑が溶着するのを防止するため、この工具本体10の表面にダイヤモンド様炭素(DLC)の被膜を設けることが好ましい。
そして、この発明における穴あけ加工方法においては、上記の穴あけ工具を用い、図2(A),(B)に示すように、この穴あけ工具を回転させながらその軸方向に送り、被削材20に対して厚み方向の切削を行うと共に、この穴あけ工具の回転中心を、上記の工具径D以下の公転径Drになった円周軌道上を公転させて、工具径Dよりも大きな穴径Dh(=D+Dr)になった穴21を加工する。
ここで、この穴あけ工具を軸方向に送る送り速度が速くなりすぎると、この穴あけ工具に加わる負荷が大きくなって破損しやすくなる一方、軸方向への送り速度が遅いと、効率のよい穴あけ加工が行えなくなる。
このため、上記のように穴あけ工具の回転中心を、工具径D以下の公転径Drになった円周軌道上を公転させながら、この穴あけ工具を軸方向に送るにあたり、図3に示すように、1公転当たりの穴あけ工具の軸方向の送り量をLとした場合に、1公転当たりの落ち角α=tan-1(L/π・Dr)が5°≦α≦45°の条件を満たすようにして、穴あけ工具を軸方向に送ることが好ましい。
また、上記のようにして穴あけ加工を行うにあたり、図4に示すように、貫通されていない止まり穴21を加工するにあたっては、穴21の周壁21aにおける削り残しを抑制して、周壁21aが真直ぐになった止まり穴21を加工するため、1公転当たりの穴あけ工具の軸方向の送り量Lを、穴あけ加工の最終段階において小さくすることが好ましい。特に、穴21の底面21bが平坦になった止まり穴21を加工するためには、最後の1公転時において、穴あけ工具の軸方向の送り量Lを0にして加工することが好ましい。
次に、この発明に係る穴あけ工具を用いて、この発明の穴あけ加工を行う具体的な実施例につい説明し、この実施例によると、1つの穴あけ工具によって様々な穴径になった穴を効率よく加工できるようになると共に、周壁が真直ぐになった止まり穴の加工も適切に行えることを明らかにする。
実施例においては、穴あけ工具として、正面主切刃11と正面副切刃12が形成された工具本体10の先端角θが190°、工具径Dが8mm、工具径Dに対する芯厚dの割合d/Dが0.55、正面主切刃11が回転中心を越えて半径方向に突出した芯越え量xが0.1mm、正面主切刃11が半径方向に平行な状態で回転中心よりも回転方向上流側にずれた芯下がり量yが0.02mm、正面主切刃11のギャッシュ角γが45°、ねじれ溝13のねじれ角βが30°、正面主切刃11や正面副切刃12と外周切刃14とが交差するコーナ部分の半径が0.5mm、外周切刃14に設けられるマージンが0.03mmであり、工具本体10の先端部に設けられた供給口15aに冷却用媒体を導く供給路15が、上記のねじれ溝13のねじれ角βと同じねじれ角になるようにして工具本体10内に設けられると共に、この工具本体10の表面をダイヤモンド様炭素(DLC)で被覆させたものを用いるようにした。
比較例1においては、上記の実施例の穴あけ工具において、工具径Dに対する芯厚dの割合d/Dを0.70にし、それ以外は、上記の実施例と同様にした穴あけ工具を用いるようにした。
比較例2においては、穴あけ工具として、先端角が120°、工具径Dが8.0mmで、工具径Dに対する芯厚dの割合d/Dが0.15であり、上記の実施例の穴あけ工具と同様に、工具本体の先端部に設けられた供給口に冷却用媒体を導くようにした一般に使用されているドリルを用いるようにした。
そして、上記の実施例及び比較例1,2の各穴あけ工具を用い、アルミニウム合金A5052で構成された被削材に対して、工具の回転数を8000r.p.m.,工具の公転径Drを7.00mm、工具1回転あたりの公転方向への送り速度を0.25mm/rにし、上記の供給口15aから冷却用媒体の水溶性クーラントを供給し、1公転当たりの工具の軸方向の送り量Lを2mmから20mmの範囲、1公転当たりの落ち角α=tan-1(L/π・Dr)を5.2°から42.5°の範囲で変更させて、穴径が15.0mmで、深さが30mmの穴あけ加工を行うようにした。
この結果、上記の比較例2のドリルからなる穴あけ工具においては、工具を公転させて穴あけ加工を行うことができなかった。
また、上記の比較例1の穴あけ工具の場合、1公転当たりの落ち角αを2°程度にした場合には、上記のような穴あけ加工が行えたが、上記のように1公転当たりの落ち角αを5°以上にした場合には、ねじれ溝13に切屑が詰まって、穴あけ加工を行うことができなくなった。
これに対して、上記の実施例の穴あけ工具の場合には、上記のように1公転当たりの落ち角αを5.2°から42.5°の範囲で変更させた場合においても、ねじれ溝13に切屑が詰まるということがなく、穴径が15.0mmで深さが30mmの穴あけ加工を適切に行うことができた。
次に、上記のアルミニウム合金A5052で構成された被削材に対して、穴径が10.0mm,12.5mm,15.0mmで、穴深さが30mmになった3種類の止まり穴の加工を行うにあたり、工具径Dが10.0mm,12.5mm,15.0mmで、工具径Dに対する芯厚dの割合d/Dが0.15であり、先端角が118°になった比較例3〜5の3種類のドリルを用いた場合と、上記の実施例の穴あけ工具を用いた場合とを比較する。
ここで、上記の比較例3〜5の3種類のドリルを用いる場合においては、切屑詰まりが生じない条件で穴あけ加工を行うため、比較例3のドリルにおいては、回転数を3820r.p.m.,工具1回転あたりの軸方向の送り速度を0.2mm/rにし、比較例4のドリルにおいては、回転数を3056r.p.m.,工具1回転あたりの軸方向の送り速度を0.2mm/rにし、比較例5のドリルにおいては、回転数を2547r.p.m.,工具1回転あたりの軸方向の送り速度を0.2mm/rにした。
この場合、比較例3のドリルでは、穴径が10.0mmで、穴深さが30mmになった止まり穴を加工するのに要した時間が2.4秒、比較例4のドリルでは、穴径が12.5mmで、穴深さが30mmになった止まり穴を加工するのに要した時間が2.9秒、比較例5のドリルでは、穴径が15.0mmで、穴深さが30mmになった止まり穴を加工するのに要した時間が3.5秒であり、合計の加工時間が8.8秒であり、さらに2回のドリルを交換する作業が必要になり、総時間は少なくとも18.8秒程度必要になった。
また、上記の比較例3〜5のドリルによって加工された止まり穴の底面は、平坦ではなく、各ドリルの先端形状に対応した形状になっていた。
一方、上記の実施例の穴あけ工具を用いて、穴径が10.0mm,12.5mm,15.0mmで、穴深さが30mmになった3種類の止まり穴を加工するにあたっては、工具の回転数を8000r.p.m.,工具1回転あたりの公転方向への送り速度を0.25mm/rにした。
そして、穴径が10.0mmの止まり穴を加工する場合には、工具の公転径Drを2.0mm、1公転当たりの工具の軸方向の送り量Lを4.5mm、1公転当たりの落ち角αを35.6°にし、最後の1公転は工具の軸方向の送り量Lを0にして、止まり穴の加工を行った。この場合、止まり穴を加工するのに要した時間は1.5秒であった。
また、穴径が12.5mmの止まり穴を加工する場合には、工具の公転径Drを4.5mm、1公転当たりの工具の軸方向の送り量Lを8.2mm、1公転当たりの落ち角αを30°にし、最後の1公転の前の公転時に、1公転当たりの工具の軸方向の送り量Lを3.0mm、1公転当たりの落ち角αを12°にした後、最後の1公転は工具の軸方向の送り量Lを0にして、止まり穴の加工を行った。この場合、止まり穴を加工するのに要した時間は2.2秒であった。
また、穴径が15.0mmの止まり穴を加工する場合には、工具の公転径Drを7.0mm、1公転当たりの工具の軸方向の送り量Lを10.0mm、1公転当たりの落ち角αを24°にし、最後の1公転の前の公転時に、1公転当たりの工具の軸方向の送り量Lを3.0mm、1公転当たりの落ち角αを7.8°にした後、最後の1公転は工具の軸方向の送り量Lを0にして、止まり穴の加工を行った。この場合、止まり穴を加工するのに要した時間は3.1秒であった。
このように、上記の実施例の穴あけ工具を用いて、穴径が10.0mm,12.5mm,15.0mmで、穴深さが30mmになった3種類の止まり穴を加工する場合、工具を交換する必要がなく、これらの加工を行うのに要した総時間は6.8秒であり、上記の比較例3〜5の3種類のドリルを用いる場合に比べて、加工に要する総時間を大幅に短縮することができた。
また、上記のようにして実施例の穴あけ工具により止まり穴を加工した場合、図4に示したように、底面21bが平坦になった止まり穴21が得られた。
また、上記の比較例3〜5のドリルを用いて加工した各止まり穴と、実施例の穴あけ工具を用いて加工した各止まり穴とについて、各止まり穴の周壁における算術平均粗さRaと十点平均粗さRzとを求めると共に、各止まり穴の上部と中央部と下部とにおける穴径を測定し、各止まり穴における穴径の最大差を算出し、これらの結果を下記の表1に示した。
Figure 0005085189
この結果、上記の工具径の異なる3つの各ドリルを用いて加工した場合と、1つの実施例の穴あけ工具を用いて3つの穴径の異なる加工を行った場合とでは、各止まり穴の周壁における算術平均粗さRaや十点平均粗さRzで示される穴の面粗度や穴径の誤差において殆ど差がなかった。
この発明の一実施形態に係る穴あけ工具を示した概略側面図及び先端側の拡大正面図である。 同実施形態に係る穴あけ工具を回転させて軸方向に送りながら、この穴あけ工具を公転させて、工具径よりも大きな穴径になった穴を加工する状態を示した概略側面図及び上面からの概略平面図である。 同実施形態に係る穴あけ工具を回転させて軸方向に送りながら、この穴あけ工具を公転させる場合において、1公転当たりの穴あけ工具の軸方向の送り量Lと、1公転当たりの落ち角αとの関係を示した説明図である。 同実施形態に係る穴あけ工具を用いて加工した止まり穴の状態を示した概略断面図である。
符号の説明
10 工具本体
11 正面主切刃
12 正面副切刃
13 ねじれ溝
14 外周切刃
14a マージン
15 供給路
15a 供給口
20 被削材
21 穴(止まり穴)
21a 穴の周壁
21b 穴の底面
D 工具径
d 芯厚
Dr 公転径
Dh 穴径
L 穴あけ工具1公転当たりの軸方向への送り量
x 芯越え量
y 芯下がり量
θ 先端角
α 1公転当たりの落ち角
β ねじれ角
γ ギャッシュ角

Claims (5)

  1. 回転する工具本体の先端部に、回転中心を越えて半径方向に伸びた正面主切刃と回転中心に達しない半径方向に伸びた正面副切刃とが形成されると共に、この工具本体の外周部にねじれ溝とねじれ溝に沿った外周切刃が形成された穴あけ工具であって、上記の工具本体の先端角θが180°<θ≦210°であり、工具径Dに対する芯厚dが0.4≦d/D≦0.65であり、上記の正面主切刃のギャッシュ角γが40°〜50°の範囲であり、上記の正面主切刃が半径方向に平行な状態で回転中心よりも回転方向上流側にずれて形成され、上記の正面主切刃が回転中心を越えて半径方向に突出した長さ(芯越え量)xが0mm<x≦0.2mm、上記の正面主切刃が半径方向に平行な状態で回転中心よりも回転方向上流側にずれた長さ(芯下がり量)yが0mm<y≦0.1mmの条件を満たすと共に、上記の正面主切刃と外周切刃とが交差するコーナ部分を半径が0.2〜1.0mmの範囲の円弧状に形成したことを特徴とする穴あけ工具。
  2. 請求項1に記載の穴あけ工具において、上記の正面主切刃と正面副切刃が形成された工具本体の先端部に冷却用媒体を供給する供給口が形成されていることを特徴とする穴あけ工具。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の穴あけ工具を用いて穴あけ加工を行うにあたり、この穴あけ工具を回転させて軸方向に送ると共に、この穴あけ工具の回転中心を、上記の工具径D以下の円周軌道上を公転させることを特徴とする穴あけ加工方法。
  4. 請求項3に記載の穴あけ加工方法において、上記の穴あけ工具を公転させる円周軌道の公転径をDr、1公転当たりの穴あけ工具の軸方向の送り量をLとした場合、1公転当たりの落ち角α=tan-1(L/π・Dr)が5°≦α≦45°の条件を満たすようにして、穴あけ工具を軸方向に送ることを特徴とする穴あけ加工方法。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の穴あけ加工方法において、止まり穴を加工するにあたり、1公転当たりの穴あけ工具の軸方向の送り量Lを穴あけ加工の最終段階において少なくすることを特徴とする穴あけ加工方法。
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