上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるセンス回路は、第1電位近傍で動作する入力部と、入力部と第1電位を供給する第1電位供給部との間に接続された第1負荷手段と、入力部に接続されるとともに、入力部からの入力電位を反転して増幅することにより、入力部の電位に応じた電位を出力するための反転増幅回路と、入力部と第2電位を供給する第2電位供給部との間に接続され、反転増幅回路の出力電位に応じた電位を出力するための出力回路と、出力回路の出力端子、入力部および第1電位供給部に接続されるとともに、反転増幅回路の出力電位に基づいて入力部の電位を制御するための第1の電位制御回路とを備える。
この発明の一の局面によるセンス回路では、上記のように、入力部と第1電位を供給する第1電位供給部との間に接続された第1負荷手段に加えて、反転増幅回路の出力電位に基づいて入力部の電位を制御するための第1の電位制御回路を設けることによって、アクセス動作時に入力部の電位が第1電位近傍から変化する場合に、第1負荷手段のみならず、第1の電位制御回路からも入力部に第1電位を供給することができるので、入力部の電位が第1電位近傍から大きく変化するのを十分に抑制することができる。その結果、次のアクセス時間を短縮することができる。また、入力部からの入力電位を反転して増幅することにより、入力部の電位に応じた電位を出力するための反転増幅回路と、反転増幅回路の出力電位に応じた電位を出力するための出力回路とを設けることによって、反転増幅回路により入力部の電位が反転増幅されて出力回路に入力されるので、アクセス動作時において入力部の電位が第1電位近傍から変化した際に、入力部の電位の変化量よりも出力回路の出力電位の変化量を大きくすることができる。このため、入力部の電位の変化量が少ない場合にも、出力回路の出力電位および反転増幅回路の出力電位を用いて、容易に、第1の電位制御回路を制御することができる。
上記一の局面によるセンス回路において、好ましくは、第1の電位制御回路は、入力部と第1電位供給部との間に接続された第1導電型の第1トランジスタと、出力回路の出力端子と第1トランジスタのゲートとの間に接続された第2導電型の第2トランジスタとを含み、第2トランジスタを介して第1トランジスタのゲートに入力される出力回路の出力電位により第1トランジスタをオン状態にすることによって、第1電位供給部から第1電位を供給して入力部の電位を第1電位近傍になるように制御する。このように構成すれば、第1の電位制御回路の第1トランジスタおよび第2トランジスタにより、アクセス動作時において入力部の電位が第1電位近傍から変化した際に、容易に、入力部の電位が第1電位近傍から大きく変化するのを抑制することができる。
この場合、好ましくは、第1の電位制御回路は、反転増幅回路の出力電位がゲートに入力されるとともに、入力部と第1トランジスタのゲートとの間に接続された第1導電型の第3トランジスタをさらに含む。この場合、アクセス動作時において入力部の電位が第1電位近傍から変化しない場合に、第3トランジスタのオン状態(インピーダンス)を制御することにより、入力部の第1電位近傍の電位を第1トランジスタのゲートに供給するようにすれば、第3トランジスタにより、第1トランジスタをオフ状態に維持することができる。
上記一の局面によるセンス回路において、好ましくは、第1負荷手段は、入力部と第1電位供給部との間に接続された第1導電型の第4トランジスタを含み、第4トランジスタのゲートに、第4トランジスタのソース−ゲート間の電位差の変化量が第1電位の変化量より小さくなるようなバイアス電位を供給するバイアス回路をさらに備える。このように構成すれば、第1電位が大きい方向に変化する場合にも、第4トランジスタが強いオン状態になるのを抑制することができるので、第2電位供給部と第1電位供給部との間に第1負荷手段を介して流れる貫通電流が増加するのを抑制することができる。
この場合、好ましくは、出力回路は、第2導電型の第5トランジスタを有する第2負荷手段を含み、バイアス回路は、第5トランジスタのゲートに、第5トランジスタのソース−ゲート間の電位差の変化量が第1電位の変化量より小さくなるようなバイアス電位を供給する。このように構成すれば、第1電位が大きい方向に変化する場合にも、第5トランジスタが強いオン状態になるのを抑制することができるので、第2電位供給部と第1電位供給部との間に出力回路を介して流れる貫通電流が増加するのをより抑制することができる。
上記一の局面によるセンス回路において、好ましくは、反転増幅回路は、入力部に接続された第2の電位制御回路と、第2の電位制御回路の出力がゲートに入力される第1導電型の第6トランジスタとを含み、第2の電位制御回路は、入力部の電位から所定の電位だけレベルシフトした電位を第6トランジスタのゲートに出力する。このように構成すれば、第2の電位制御回路により、第6トランジスタとしてデプレッション型のトランジスタを用いることなく、入力部の第1電位近傍の電位がゲートに供給されることに起因して第6トランジスタがオフ状態になるのを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態では、本発明をマスクROMに適用した場合について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるセンス回路を適用したマスクROMの回路構成を示した回路図である。まず、図1を参照して、第1実施形態によるセンス回路を適用したマスクROMの回路構成について説明する。なお、第1実施形態において、pチャネルトランジスタは、本発明の「第1導電型のトランジスタ」の一例であり、nチャネルトランジスタは、本発明の「第2導電型のトランジスタ」の一例である。
マスクROMは、図1に示すように、センス回路1と、センス回路1のデータ線DLにビット線BLを介して接続された複数のメモリセル2とを備えている。なお、データ線DLは、本発明の「入力部」の一例である。
第1実施形態によるセンス回路1は、負荷回路3と、バイアス回路4と、反転アンプ5と、電流電圧変換回路6と、フィードバック回路7とを含んでいる。なお、負荷回路3は、本発明の「第1負荷手段」の一例であり、反転アンプ5は、本発明の「反転増幅回路」の一例である。また、電流電圧変換回路6は、本発明の「出力回路」の一例であり、フィードバック回路7は、本発明の「第1の電位制御回路」の一例である。
負荷回路3は、負荷抵抗として機能するpチャネルトランジスタ3aを含んでいる。pチャネルトランジスタ3aのゲートは、後述するノードNA3に接続されることにより所定のバイアス電位が供給されている。また、pチャネルトランジスタ3aのソースには、電位Vccが供給されているとともに、ドレインは、データ線DLに繋がるノードNA1に接続されている。これにより、ノードNA1は、アクセス動作前において、pチャネルトランジスタ3aを介して電位Vccが供給されることによって、電位Vcc近傍にされている。なお、pチャネルトランジスタ3aは、本発明の「第4トランジスタ」の一例であり、電位Vccは、電源電圧として供給される電位であり、本発明の「第1電位」の一例である。
ここで、第1実施形態では、バイアス回路4は、負荷回路4aと、nチャネルトランジスタ4bおよび4cと、pチャネルトランジスタ4dとを含んでいる。負荷回路4aの一方側には、電位Vccが供給されているとともに、他方側は、ノードNA2に接続されている。nチャネルトランジスタ4bのゲートとドレインとは互いに接続されているとともに、そのゲートおよびドレインは、ノードNA2に接続されている。また、nチャネルトランジスタ4bのソースは、接地されることによりGND電位が供給されている。なお、GND電位は、本発明の「第2電位」の一例である。また、nチャネルトランジスタ4bは、ノードNA2の電位がnチャネルトランジスタ4bのしきい値電圧よりも低くなるのを抑制する機能を有する。これにより、ノードNA2には、nチャネルトランジスタ4bのしきい値電圧Vt4b+α1のバイアス電位が供給されている。なお、ノードNA2の電位Vt4b+α1(nチャネルトランジスタ4c、6bおよび7bのゲート電位)は、nチャネルトランジスタ4c、6bおよび7bのしきい値電圧よりも高く、かつ、電位Vccよりも低い電位になるように構成されている。
また、第1実施形態では、バイアス回路4のnチャネルトランジスタ4cのドレインは、ノードNA3に接続されているとともに、ソースは、接地されることによりGND電位が供給されている。また、nチャネルトランジスタ4cのゲートは、ノードNA2に接続されている。pチャネルトランジスタ4dのゲートとドレインとは互いに接続されているとともに、そのゲートおよびドレインは、ノードNA3に接続されている。また、pチャネルトランジスタ4dのソースには、電位Vccが供給されている。これにより、ノードNA3には、電位Vccからpチャネルトランジスタ4dのしきい値電圧分低下した電位Vcc−Vt4d−α2のバイアス電位が供給されている。なお、ノードNA3の電位Vcc−Vt4d−α2(pチャネルトランジスタ3aのゲート電位)は、pチャネルトランジスタ3aのソース−ゲート間の電位差がしきい値電圧よりも大きくなるような電位になるように構成されている。
また、第1実施形態では、反転アンプ5は、pチャネルトランジスタ5aおよび負荷回路5bを有する電位制御回路5cと、ノードNA5の電位を制御するためのpチャネルトランジスタ5dおよびnチャネルトランジスタ5eとを含んでいる。なお、pチャネルトランジスタ5dは、本発明の「第6トランジスタ」の一例であり、電位制御回路5cは、本発明の「第2の電位制御回路」の一例である。
また、第1実施形態では、電位制御回路5cのpチャネルトランジスタ5aのゲートとドレインとは互いに接続されているとともに、そのゲートおよびドレインは、ノードNA4に接続されている。また、pチャネルトランジスタ5aのソースは、ノードNA1に接続されている。電位制御回路5cの負荷回路5bの一方側は、ノードNA4に接続されているとともに、他方側は、接地されることによりGND電位が供給されている。pチャネルトランジスタ5dのドレインは、ノードNA5に接続されているとともに、ソースには、電位Vccが供給されている。また、pチャネルトランジスタ5dのゲートは、ノードNA4に接続されている。nチャネルトランジスタ5eのドレインは、ノードNA5に接続されているとともに、ソースは、接地されることによりGND電位が供給されている。また、nチャネルトランジスタ5eのゲートは、ノードNA1に接続されている。これにより、ノードNA4には、ノードNA1の電位からpチャネルトランジスタ5aのしきい値電圧分だけレベルシフト(低下)した電位近傍の電位が供給されている。
また、ノードNA1の電位が電位Vcc近傍にされる場合に、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ5dとnチャネルトランジスタ5eとの抵抗分割によるノードNA5の電位(pチャネルトランジスタ6aおよび7cのゲート電位)は、pチャネルトランジスタ6aおよび7cをオン状態にさせるような電位になるように構成されている。また、アクセス動作時にノードNA1の電位が低下した場合には、ノードNA4の電位が低下することに起因してpチャネルトランジスタ5dのインピーダンスが低下するとともに、nチャネルトランジスタ5eのインピーダンスが上昇することによって、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ5dとnチャネルトランジスタ5eとの抵抗分割によるノードNA5の電位が上昇するように構成されている。これにより、アクセス動作時にノードNA1の電位が低下した場合に、pチャネルトランジスタ6aおよび7cは、ソース電位であるノードNA1の電位が低下するとともに、ゲート電位であるノードNA5の電位が上昇するので、オン状態からオフ状態に近い状態に急速に移行されるように構成されている。
電流電圧変換回路6は、ノードNA6の電位を制御するためのpチャネルトランジスタ6aと、負荷抵抗として機能するnチャネルトランジスタ6bを有する負荷回路6cとを含んでいる。pチャネルトランジスタ6aのゲートは、ノードNA5に接続されている。また、pチャネルトランジスタ6aのソースは、ノードNA1に接続されているとともに、ドレインは、ノードNA6およびnチャネルトランジスタ6bのドレインに接続されている。nチャネルトランジスタ6bのゲートは、ノードNA2に接続されている。また、nチャネルトランジスタ6bのドレインは、ノードNA6に接続されているとともに、ソースは、接地されることによりGND電位が供給されている。これにより、pチャネルトランジスタ6aがオン状態の場合には、pチャネルトランジスタ6aのインピーダンスがnチャネルトランジスタ6bのインピーダンスより低いので、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ3aおよび6aとnチャネルトランジスタ6bとの抵抗分割によるノードNA6の電位がノードNA1の電位近傍の電位になる。また、pチャネルトランジスタ6aがオフ状態に近い状態の場合には、pチャネルトランジスタ6aのインピーダンスがnチャネルトランジスタ6bのインピーダンスより高くなるので、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ3aおよび6aとnチャネルトランジスタ6bとの抵抗分割によるノードNA6の電位が低下するように構成されている。なお、nチャネルトランジスタ6bは、本発明の「第5トランジスタ」の一例であり、負荷回路6cは、本発明の「第2負荷手段」の一例である。
また、第1実施形態では、フィードバック回路7は、ノードNA1の電位を制御するためのpチャネルトランジスタ7aと、nチャネルトランジスタ7bと、ノードNA7の電位を制御するためのpチャネルトランジスタ7cとを含んでいる。pチャネルトランジスタ7aのゲートは、ノードNA7に接続されている。また、pチャネルトランジスタ7aのドレインは、ノードNA1に接続されているとともに、ソースには、電位Vccが供給されている。nチャネルトランジスタ7bのゲートは、ノードNA2に接続されている。また、nチャネルトランジスタ7bのソースは、ノードNA6に接続されているとともに、ドレインは、ノードNA7に接続されている。pチャネルトランジスタ7cのゲートは、ノードNA5に接続されている。また、pチャネルトランジスタ7cのソースは、ノードNA1に接続されるとともに、ドレインは、ノードNA7に接続されている。
これにより、pチャネルトランジスタ7cがオン状態の場合には、pチャネルトランジスタ7cのインピーダンスがnチャネルトランジスタ6bおよび7bのインピーダンスより低いので、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ3aおよび7cとnチャネルトランジスタ6bおよび7bとの抵抗分割によるノードNA7の電位がノードNA6の電位よりもノードNA1の電位近傍の電位になる。また、pチャネルトランジスタ7cがオフ状態に近い状態の場合には、pチャネルトランジスタ7cのインピーダンスがnチャネルトランジスタ6bおよび7bのインピーダンスより高くなるので、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ3aおよび7cとnチャネルトランジスタ6bおよび7bとの抵抗分割によるノードNA7の電位が低下するように構成されている。なお、このノードNA7の電位の低下は、ノードNA6の電位の低下後に生じるように構成されている。したがって、pチャネルトランジスタ7cがオフ状態に近い状態の場合には、pチャネルトランジスタ7aがオン状態になることにより、pチャネルトランジスタ7aを介してノードNA1に電位Vccが供給されているとともに、pチャネルトランジスタ7cがオン状態の場合には、pチャネルトランジスタ7aがオフ状態になることにより、pチャネルトランジスタ7aを介してノードNA1に電位Vccが供給されないように構成されている。なお、pチャネルトランジスタ7aおよび7cは、それぞれ、本発明の「第1トランジスタ」および「第3トランジスタ」の一例であり、nチャネルトランジスタ7bは、本発明の「第2トランジスタ」の一例である。
メモリセル2は、nチャネルトランジスタ2aを含んでいる。nチャネルトランジスタ2aのゲートは、ワード線WLに接続されている。また、nチャネルトランジスタ2aのドレインは、ビット線BLを介してデータ線DLに接続されるとともに、ソースは、接地されることによりGND電位が供給されている。なお、このマスクROMでは、たとえば、nチャネルトランジスタ2aのしきい値電圧を異ならせることにより、ワード線WLに所定の電圧を印加した場合に選択されたメモリセル2が接続されたビット線BLに電流が流れるか否かによって、そのnチャネルトランジスタ2aを含むメモリセル2のデータが「0」または「1」に区別されている。
次に、図1を参照して、第1実施形態によるセンス回路を適用したマスクROMの動作について説明する。
まず、ノードNA2には、Vt4b+α1のバイアス電位が供給されているので、nチャネルトランジスタ4c、6bおよび7bは、オン状態になっている。また、ノードNA3には、Vcc−Vt4d−α2のバイアス電位が供給されているので、pチャネルトランジスタ3aは、オン状態になっている。
そして、pチャネルトランジスタ3aを介して電位VccがノードNA1に供給され、ノードNA1の電位が電位Vcc近傍に維持される。このため、ノードNA4には、電位Vcc近傍からpチャネルトランジスタ5aのしきい値電圧分だけレベルシフト(低下)した電位近傍の電位が供給される。これにより、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ5dとnチャネルトランジスタ5eとの抵抗分割によるノードNA5の電位(pチャネルトランジスタ6aおよび7cのゲート電位)は、pチャネルトランジスタ6aおよび7cがオン状態になるような電位になる。したがって、pチャネルトランジスタ6aおよび7cがオン状態になる。
そして、pチャネルトランジスタ6aがオン状態になることにより、pチャネルトランジスタ6aのインピーダンスがnチャネルトランジスタ6bのインピーダンスより低くなるので、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ3aおよび6aとnチャネルトランジスタ6bとの抵抗分割によるノードNA6の電位がノードNA1の電位近傍の電位になる。また、pチャネルトランジスタ7cがオン状態になることにより、ノードNA7の電位がノードNA1の電位近傍の電位になる。このため、pチャネルトランジスタ7aがオフ状態になる。なお、このとき、nチャネルトランジスタ7bは、ソース電位であるノードNA6の電位がノードNA1の電位近傍の電位になることにより、オフ状態になる。
次に、データの読出し(アクセス動作時)では、選択されたワード線WLの電位が「H」レベルに立ち上げられるとともに、それ以外の非選択のワード線WLの電位が「L」レベルになる。
そして、選択されたワード線WLの電位が「H」レベルに立ち上げられた際に、選択されたメモリセル2のnチャネルトランジスタ2aがオン状態にされた場合には、データ線DLからビット線BLおよびnチャネルトランジスタ2aを介してGND電位側に電流が流れる。これにより、ノードNA1の電位が低下するとともに、ノードNA1の電位の低下に起因してノードNA4の電位が低下する。したがって、pチャネルトランジスタ5dおよびnチャネルトランジスタ5eのゲート電位が低下するので、pチャネルトランジスタ5dのインピーダンスが低下するとともに、nチャネルトランジスタ5eのインピーダンスが増加する。これにより、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ5dとnチャネルトランジスタ5eとの抵抗分割によるノードNA5の電位が上昇する。したがって、pチャネルトランジスタ6aおよび7cのソース−ゲート間の電位差が急速に減少する。これにより、オン状態であったpチャネルトランジスタ6aおよび7cが急速にオフ状態に近い状態になることによって、pチャネルトランジスタ6aおよび7cのインピーダンスが増加する。このため、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ3aおよび6aとnチャネルトランジスタ6bとの抵抗分割によるノードNA6の電位が低下する。その結果、電流電圧変換回路6からは「L」レベルの出力信号SOUTが出力される。
また、ノードNA6の電位の低下に引っ張られてノードNA7の電位が徐々に低下する。これにより、ノードNA7にゲートが接続されるpチャネルトランジスタ7aがオン状態になるので、pチャネルトランジスタ7aを介してノードNA1に電位Vccが供給される。したがって、ノードNA1の電位の低下が抑制されることにより、ノードNA1の電位が所定の電位になる。
その後、次のアクセス動作において選択されたワード線WLの電位が「H」レベルに立ち上げられた際に、選択されたメモリセル2のnチャネルトランジスタ2aがオフ状態に維持された場合には、ノードNA1の電位は、所定の電位から上昇する。これにより、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ5dとnチャネルトランジスタ5eとの抵抗分割によるノードNA5の電位(pチャネルトランジスタ6aおよび7cのゲート電位)が低下する。したがって、pチャネルトランジスタ6aおよび7cのソース−ゲート間の電位差が急速に大きくなるので、pチャネルトランジスタ6aおよび7cがオフ状態に近い状態から急速にオン状態になる。
そして、pチャネルトランジスタ7cがオン状態になることにより、pチャネルトランジスタ7cのインピーダンスがnチャネルトランジスタ6bおよび7bのインピーダンスより低くなるので、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ3a、7aおよび7cとnチャネルトランジスタ6bおよび7bとの抵抗分割によるノードNA7の電位がノードNA6の電位の上昇よりも早くノードNA1の電位近傍の電位になる。このため、pチャネルトランジスタ7aは、「H」レベルの出力信号SOUTが出力される前にオフ状態になる。
また、pチャネルトランジスタ6aがオン状態になることにより、pチャネルトランジスタ6aのインピーダンスがnチャネルトランジスタ6bのインピーダンスより低くなるので、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ3aおよび6aとnチャネルトランジスタ6bとの抵抗分割によるノードNA6の電位がノードNA1の電位近傍の電位へと上昇する。これにより、電流電圧変換回路6からは、「H」レベルの出力信号SOUTが出力される。
第1実施形態では、上記のように、データ線DLと電位Vccとの間に接続された負荷回路3に加えて、反転アンプ5の出力電位に基づいてデータ線DLの電位を制御するためのフィードバック回路7を設けることによって、アクセス動作時にデータ線DLの電位が電位Vcc近傍から低下する(nチャネルトランジスタ2aがオン状態である)場合に、負荷回路3のみならず、フィードバック回路7からもデータ線DLに電位Vccを供給することができるので、データ線DLの電位が電位Vcc近傍から大きく低下するのを十分に抑制することができる。これにより、次のアクセス動作時において、nチャネルトランジスタ2aがオフ状態である場合に、データ線DLの電位の上昇を小さくすることができるので、このアクセス時間を短縮することができる。また、データ線DLからの入力電位を反転して増幅することにより、データ線DLの電位に応じた電位を出力するための反転アンプ5と、反転アンプ5の出力電位に応じた電位を出力するための電流電圧変換回路6とを設けることによって、反転アンプ5によりデータ線DLの電位が反転増幅されて電流電圧変換回路6に入力されるので、アクセス動作時においてデータ線DLの電位が電位Vcc近傍から低下した際に、データ線DLの電位の変化量よりも電流電圧変換回路6の出力電位の変化量を大きくすることができる。このため、データ線DLの電位の変化量が少ない場合にも、電流電圧変換回路6の出力電位および反転アンプ5の出力電位を用いて、容易に、フィードバック回路7を制御することができる。
また、第1実施形態では、フィードバック回路7を、データ線DLと電位Vccとの間に接続されたpチャネルトランジスタ7aと、電流電圧変換回路6とpチャネルトランジスタ7aのゲートとの間に接続されたnチャネルトランジスタ7bとを含み、nチャネルトランジスタ7bを介してpチャネルトランジスタ7aのゲートに入力される電流電圧変換回路6の出力電位によりpチャネルトランジスタ7aをオン状態にすることにより、電位Vccを供給してデータ線DLの電位を電位Vcc近傍になるように制御することによって、フィードバック回路7のpチャネルトランジスタ7aおよびnチャネルトランジスタ7bにより、アクセス動作時においてデータ線DLの電位が電位Vcc近傍から低下した際に、容易に、データ線DLの電位が電位Vcc近傍から大きく低下するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、フィードバック回路7を、反転アンプ5の出力電位がゲートに入力されるとともに、データ線DLとpチャネルトランジスタ7aのゲートとの間に接続されたpチャネルトランジスタ7cを含むとともに、アクセス動作時においてデータ線DLの電位が電位Vcc近傍から低下しない場合に、pチャネルトランジスタ7cがオン状態になるとともに、nチャネルトランジスタ7bのソース電位であるノードNA6がデータ線DLの電位近傍であることに起因してnチャネルトランジスタ7bがオフ状態になることにより、データ線DLの電位Vcc近傍の電位をpチャネルトランジスタ7aのゲートに供給するように構成することによって、pチャネルトランジスタ7cにより、pチャネルトランジスタ7aをオフ状態に維持することができる。
また、第1実施形態では、データ線DLと電位Vccとの間に接続されたpチャネルトランジスタ3aを含む負荷回路3と、pチャネルトランジスタ3aのゲートに、電位Vcc−Vt4d−α2のバイアス電位を供給するバイアス回路4とを設けることによって、電源電位が大きい方向に変化する場合にも、pチャネルトランジスタ3aが強いオン状態に変化するのを抑制することができるので、電位VccとGND電位との間に負荷回路3を介して流れる貫通電流が増加するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、電流電圧変換回路6を、nチャネルトランジスタ6bを有する負荷回路6cを含み、バイアス回路4を、nチャネルトランジスタ6bのゲートに、電位Vt4b+α1のバイアス電位を供給するように構成することによって、電源電位が大きい方向に変化する場合にも、nチャネルトランジスタ6bが強いオン状態に変化するのを抑制することができるので、電位VccとGND電位との間に電流電圧変換回路6を介して流れる貫通電流が増加するのをより抑制することができる。
また、第1実施形態では、反転アンプ5を、データ線DLとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ5aを有する電位制御回路5cと、電位制御回路5cの出力がゲートに入力され、電流電圧変換回路6と電位Vccとの間に接続されたpチャネルトランジスタ5dとを含み、電位制御回路5cを、データ線DLの電位からpチャネルトランジスタ5aのしきい値電圧分だけレベルシフト(低下)した電位をpチャネルトランジスタ5dのゲートに出力するように構成することによって、電位制御回路5cにより、pチャネルトランジスタ5dをデプレッション型にすることなく、データ線DLの電位Vcc近傍の電位がゲートに供給されることに起因してpチャネルトランジスタ5dがオフ状態になるのを抑制することができる。
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態によるセンス回路を適用したマスクROMの回路構成を示した回路図である。まず、図2を参照して、第2実施形態によるセンス回路を適用したマスクROMの回路構成について説明する。なお、第2実施形態において、nチャネルトランジスタは、本発明の「第1導電型のトランジスタ」の一例であり、pチャネルトランジスタは、本発明の「第2導電型のトランジスタ」の一例である。
この第2実施形態によるマスクROMは、図2に示すように、センス回路11と、センス回路11のデータ線DLにビット線BLを介して接続された複数のメモリセル12とを備えている。
第2実施形態によるセンス回路11は、負荷回路13と、バイアス回路14と、反転アンプ15と、電流電圧変換回路16と、フィードバック回路17と、3つのインバータ回路18、19aおよび19bとを含んでいる。なお、負荷回路13は、本発明の「第1負荷手段」の一例であり、反転アンプ15は、本発明の「反転増幅回路」の一例である。また、電流電圧変換回路16は、本発明の「出力回路」の一例であり、フィードバック回路17は、本発明の「第1の電位制御回路」の一例である。
負荷回路13は、負荷抵抗として機能するnチャネルトランジスタ13aを含んでいる。nチャネルトランジスタ13aのゲートは、後述するノードNB2に接続されることにより所定のバイアス電位が供給されている。また、nチャネルトランジスタ13aのドレインは、データ線DLに繋がるノードNB1に接続されているとともに、ソースは、接地されることによりGND電位が供給されている。これにより、ノードNB1は、アクセス動作前において、nチャネルトランジスタ13aを介してGND電位が供給されることによって、GND電位近傍(第2実施形態では、約0.10V)にされている。なお、nチャネルトランジスタ13aは、本発明の「第4トランジスタ」の一例であり、GND電位は、本発明の「第1電位」の一例である。
ここで、第2実施形態では、バイアス回路14は、pチャネルトランジスタ14aと、nチャネルトランジスタ14bおよび14cと、nチャネルトランジスタ14dと、pチャネルトランジスタ14eおよび14fとを含んでいる。pチャネルトランジスタ14aのソースには、電位Vccが供給されているとともに、ゲートは、接地されることによりGND電位が供給されている。なお、電位Vccは、電源電圧として供給される電位であり、本発明の「第2電位」の一例である。また、pチャネルトランジスタ14aのドレインは、ノードNB2に接続されている。nチャネルトランジスタ14bのゲートとドレインとは互いに接続されているとともに、そのゲートおよびドレインは、ノードNB2に接続されている。また、nチャネルトランジスタ14bのソースは、nチャネルトランジスタ14cのドレインと接続されている。また、nチャネルトランジスタ14bは、ノードNB2の電位がnチャネルトランジスタ14bのしきい値電圧よりも低くなるのを抑制する機能を有する。nチャネルトランジスタ14cのソースは、接地されることによりGND電位が供給されているとともに、ゲートには、センスアンプイネーブル信号SEが入力されている。また、nチャネルトランジスタ14cは、ゲートに「H」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されている場合にオン状態になるとともに、ゲートに「L」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されている場合にオフ状態になるように構成されている。
これにより、ノードNB2には、nチャネルトランジスタ14cのゲートに「H」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されている場合に、nチャネルトランジスタ14bのしきい値電圧Vt14b+α3のバイアス電位(第2実施形態では、約1.30V)が供給されているとともに、nチャネルトランジスタ14cのゲートに「L」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されている場合に、電位Vccが供給されている。なお、ノードNB2の電位Vt14b+α3(nチャネルトランジスタ13aおよび14dのゲート電位)は、nチャネルトランジスタ13aおよび14dのしきい値電圧よりも高く、かつ、電位Vccよりも低い電位になるように構成されている。
また、第2実施形態では、バイアス回路14のnチャネルトランジスタ14dのゲートは、ノードNB2に接続されている。また、nチャネルトランジスタ14dのドレインは、ノードNB3に接続されているとともに、ソースは、接地されることによりGND電位が供給されている。pチャネルトランジスタ14eのゲートとドレインとは互いに接続されているとともに、そのゲートおよびドレインは、ノードNB3に接続されている。また、pチャネルトランジスタ14eのソースは、pチャネルトランジスタ14fのドレインに接続されている。pチャネルトランジスタ14fのソースには、電位Vccが供給されているとともに、ゲートには、インバータ回路18の出力が供給されている。また、pチャネルトランジスタ14fは、ゲートに「L」レベルのインバータ回路18の出力が供給されている場合にオン状態になるとともに、ゲートに「H」レベルのインバータ回路18の出力が供給されている場合にオフ状態になるように構成されている。これにより、ノードNB3には、pチャネルトランジスタ14fのゲートに「L」レベルのインバータ回路18からの出力信号が入力されている場合に、電位Vccからpチャネルトランジスタ14eのしきい値電圧分低下した電位Vcc−Vt14e−α4のバイアス電位(第2実施形態では、約1.50V)が供給されているとともに、pチャネルトランジスタ14fのゲートに「H」レベルのインバータ回路18からの出力信号が入力されている場合に、GND電位が供給されている。なお、ノードNB3の電位Vcc−Vt14e−α4(後述するpチャネルトランジスタ16bおよび17bのゲート電位)は、pチャネルトランジスタ16bおよび17bのソース−ゲート間の電位差がしきい値電圧よりも大きくなるような電位になるように構成されている。
また、第2実施形態では、反転アンプ15は、ノードNB4の電位を制御するための電位制御回路15aと、ノードNB5の電位を制御するためのnチャネルトランジスタ15bおよびpチャネルトランジスタ15cと、nチャネルトランジスタ15dおよび15eと、pチャネルトランジスタ15fとを含んでいる。なお、nチャネルトランジスタ15bは、本発明の「第6トランジスタ」の一例であり、電位制御回路15aは、本発明の「第2の電位制御回路」の一例である。
反転アンプ15の電位制御回路15aは、nチャネルトランジスタ15gおよび15hと、pチャネルトランジスタ15iとを含んでいる。nチャネルトランジスタ15gのゲートとドレインとは互いに接続されるとともに、そのゲートおよびドレインは、ノードNB4に接続されている。また、nチャネルトランジスタ15gのソースには、nチャネルトランジスタ15hのドレインが接続されている。また、nチャネルトランジスタ15gは、ノードNB4の電位がnチャネルトランジスタ15gのしきい値電圧よりも低くなるのを抑制する機能を有する。nチャネルトランジスタ15hのゲートには、センスアンプイネーブル信号SEが供給されているとともに、ソースは、ノードNB1に接続されている。また、nチャネルトランジスタ15hは、ゲートに「H」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されている場合にオン状態になるとともに、ゲートに「L」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されている場合にオフ状態になるように構成されている。pチャネルトランジスタ15iのゲートは、接地されることによりGND電位が供給されている。また、pチャネルトランジスタ15iのドレインは、ノードNB4に接続されているとともに、ソースには、電位Vccが供給されている。
これにより、ノードNB4には、nチャネルトランジスタ15hのゲートに「H」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されている場合に、ノードNB1の電位からnチャネルトランジスタ15gのしきい値電圧分だけレベルシフト(上昇)した電位近傍の電位が供給されるとともに、nチャネルトランジスタ15hのゲートに「L」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されている場合に、電位Vccが供給されている。すなわち、ノードNB4は、nチャネルトランジスタ15hのゲートに「H」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されているとともに、ノードNB1の電位が約0.10Vの場合に、約1.62Vになるとともに、アクセス動作時にノードNB1の電位が約0.10Vから約0.15Vまで上昇した場合に、約1.67Vにされるように構成されている。
反転アンプ15のnチャネルトランジスタ15bのゲートは、ノードNB4に接続されている。また、nチャネルトランジスタ15bのドレインは、nチャネルトランジスタ15dのソースに接続されているとともに、ソースは、接地されることによりGND電位が供給されている。pチャネルトランジスタ15cのゲートは、ノードNB1に接続されている。また、pチャネルトランジスタ15cのドレインは、ノードNB5に接続されているとともに、ソースは、pチャネルトランジスタ15fのドレインに接続されている。nチャネルトランジスタ15dのゲートとドレインとは互いに接続されているとともに、そのゲートおよびドレインは、ノードNB5に接続されている。また、nチャネルトランジスタ15dは、ノードNB5の電位がnチャネルトランジスタ15dのしきい値電圧よりも低くなるのを抑制する機能を有する。nチャネルトランジスタ15eのドレインは、ノードNB5に接続されているとともに、ソースは、接地されることによりGND電位が供給されている。また、nチャネルトランジスタ15eのゲートには、インバータ回路18からの出力が供給されている。また、nチャネルトランジスタ15eは、ゲートに「L」レベルのインバータ回路18の出力が供給されている場合にオフ状態になるとともに、ゲートに「H」レベルのインバータ回路18の出力が供給されている場合にオン状態になるように構成されている。pチャネルトランジスタ15fのソースには、電位Vccが供給されているとともに、ゲートには、インバータ回路18からの出力が供給されている。また、pチャネルトランジスタ15fは、ゲートに「L」レベルのインバータ回路18の出力が供給されている場合にオン状態になるとともに、ゲートに「H」レベルのインバータ回路18の出力が供給されている場合にオフ状態になるように構成されている。
これにより、nチャネルトランジスタ15eおよびpチャネルトランジスタ15fのゲートに「H」レベルのインバータ回路18からの出力信号が入力されている場合に、ノードNB5には、GND電位が供給されている。したがって、インバータ回路18に「L」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されている場合には、後述するnチャネルトランジスタ16aおよび17cがオフ状態になるので、nチャネルトランジスタ16aおよび17cを介して電流が流れるのが抑制されるように構成されている。
また、nチャネルトランジスタ15eおよびpチャネルトランジスタ15fのゲートに「L」レベルのインバータ回路18からの出力信号が入力されているとともに、ノードNB1の電位が約0.10Vにされている場合に、約1.62Vの電位がnチャネルトランジスタ15bのゲートに入力されるとともに、約0.10Vの電位がpチャネルトランジスタ15cのゲートに入力されることにより、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ15cとnチャネルトランジスタ15bおよび15dとの抵抗分割によるノードNB5の電位(nチャネルトランジスタ16aおよび17cのゲート電位)は、nチャネルトランジスタ16aおよび17cをオン状態にするような電位(第2実施形態では、約1.92V)になるように構成されている。また、アクセス動作時にノードNB1の電位が約0.10Vから約0.15Vまで上昇した場合には、ノードNB4の電位が約1.62Vから約1.67Vまで上昇することに起因してnチャネルトランジスタ15bのインピーダンスが低下するとともに、pチャネルトランジスタ15cのインピーダンスが上昇することによって、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ15cとnチャネルトランジスタ15bおよび15dとの抵抗分割によるノードNB5の電位は、nチャネルトランジスタ16aおよび17cをオフ状態に近い状態にするような電位(第2実施形態では、約1.10V)まで低下するように構成されている。なお、このとき、nチャネルトランジスタ16aおよび17cは、ソース電位であるノードNB1の電位が上昇するので、オン状態からオフ状態に近い状態に急速に移行されるように構成されている。
電流電圧変換回路16は、インバータ回路19aの入力側に繋がるノードNB6の電位を制御するためのnチャネルトランジスタ16aと、負荷抵抗として機能するpチャネルトランジスタ16bを有する負荷回路16cとを含んでいる。nチャネルトランジスタ16aのゲートは、ノードNB5に接続されている。また、nチャネルトランジスタ16aのソースは、ノードNB1に接続されているとともに、ドレインは、ノードNB6およびpチャネルトランジスタ16bのドレインに接続されている。pチャネルトランジスタ16bのゲートは、ノードNB3に接続されている。また、pチャネルトランジスタ16bのドレインは、ノードNB6に接続されているとともに、ソースには、電位Vccが供給されている。これにより、nチャネルトランジスタ16aがオン状態の場合には、nチャネルトランジスタ16aのインピーダンスがpチャネルトランジスタ16bのインピーダンスより低いので、電位VccとGND電位との間に接続されたnチャネルトランジスタ13aおよび16aとpチャネルトランジスタ16bとの抵抗分割によるノードNB6の電位がノードNB1の電位近傍(第2実施形態では、約0.12V)にされるとともに、nチャネルトランジスタ16aがオフ状態に近い状態の場合には、nチャネルトランジスタ16aのインピーダンスがpチャネルトランジスタ16bのインピーダンスより高くなるので、電位VccとGND電位との間に接続されたnチャネルトランジスタ13aおよび16aとpチャネルトランジスタ16bとの抵抗分割によるノードNB6の電位が約2.30Vまで上昇するように構成されている。なお、pチャネルトランジスタ16bは、本発明の「第5トランジスタ」の一例であり、負荷回路16cは、本発明の「第2負荷手段」の一例である。
また、第2実施形態では、フィードバック回路17は、ノードNB1の電位を制御するためのnチャネルトランジスタ17aと、pチャネルトランジスタ17bと、ノードNB7の電位を制御するためのnチャネルトランジスタ17cとを含んでいる。nチャネルトランジスタ17aのゲートは、ノードNB7に接続されている。また、nチャネルトランジスタ17aのソースは、接地されることによりGND電位が供給されているとともに、ドレインは、ノードNB1に接続されている。pチャネルトランジスタ17bのゲートは、ノードNB3に接続されている。また、pチャネルトランジスタ17bのソースは、ノードNB6に接続されているとともに、ドレインは、ノードNB7に接続されている。nチャネルトランジスタ17cのゲートは、ノードNB5に接続されている。また、nチャネルトランジスタ17cのソースは、ノードNB1に接続されているとともに、ドレインは、ノードNB7に接続されている。
これにより、nチャネルトランジスタ17cがオン状態の場合には、nチャネルトランジスタ17cのインピーダンスがpチャネルトランジスタ16bおよび17bのインピーダンスより低いので、電位VccとGND電位との間に接続されたnチャネルトランジスタ13aおよび17cとpチャネルトランジスタ16bおよび17bとの抵抗分割によるノードNB7の電位がノードNB1の電位近傍(第2実施形態では、約0.10V)にされるとともに、nチャネルトランジスタ17cがオフ状態に近い状態の場合には、nチャネルトランジスタ17cのインピーダンスがpチャネルトランジスタ16bおよび17bのインピーダンスより高くなるので、電位VccとGND電位との間に接続されたnチャネルトランジスタ13aおよび17cとpチャネルトランジスタ16bおよび17bとの抵抗分割によるノードNB7の電位が上昇するように構成されている。その場合、ノードNB7の電位は、nチャネルトランジスタ17aがオン状態になり、nチャネルトランジスタ13a、17a、17c、pチャネルトランジスタ17bおよび16bの抵抗分割で約1.15Vに収まる。したがって、nチャネルトランジスタ17cがオフ状態に近い状態の場合には、nチャネルトランジスタ17aがオン状態になることにより、nチャネルトランジスタ17aを介してノードNB1にGND電位が供給されているとともに、nチャネルトランジスタ17cがオン状態の場合には、nチャネルトランジスタ17aがオフ状態になることにより、nチャネルトランジスタ17aを介してノードNB1にGND電位が供給されないように構成されている。なお、nチャネルトランジスタ17aおよび17cは、それぞれ、本発明の「第1トランジスタ」および「第3トランジスタ」の一例であり、pチャネルトランジスタ17bは、本発明の「第2トランジスタ」の一例である。
インバータ回路18は、アクセス動作時に「H」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されるように構成されている。また、インバータ回路19aおよび19bは、ノードNB6の電位に応じて「H」または「L」レベルの出力信号SOUTを出力するように構成されている。
メモリセル12は、nチャネルトランジスタ12aを含んでいる。nチャネルトランジスタ12aのゲートは、ワード線WLに接続されている。また、nチャネルトランジスタ12aのソースは、ビット線BLを介してデータ線DLに接続されるとともに、ドレインには、電位Vccが供給されている。なお、このマスクROMでは、たとえば、nチャネルトランジスタ12aのしきい値電圧を異ならせることにより、ワード線WLに所定の電圧を印加した場合に選択されたメモリセル12が接続されたビット線BLに電流が流れるか否かによって、そのnチャネルトランジスタ12aを含むメモリセル12のデータが「0」または「1」に区別されている。
図3は、シミュレーションによって求めた、データ線に流入する電流と、ノードNB1〜NB7および出力信号SOUTの電位との関係を示したグラフである。次に、図2および図3を参照して、第2実施形態によるセンス回路を適用したマスクROMの動作について説明する。
まず、外部から「H」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEがインバータ回路18と、nチャネルトランジスタ14cおよび15hのゲートとにそれぞれ入力される。このため、nチャネルトランジスタ14cおよび15hがオン状態になる。そして、nチャネルトランジスタ14cがオン状態になることにより、ノードNB2の電位Vccがnチャネルトランジスタ14bおよび14cを介してGND電位に引っ張られるので、ノードNB2の電位が約1.30Vにされる。これにより、nチャネルトランジスタ13aおよび14dのゲートには、約1.30Vのバイアス電位が供給されるので、nチャネルトランジスタ13aおよび14dがオン状態になる。
そして、インバータ回路18からは、「L」レベルの信号がpチャネルトランジスタ14fおよび15fのゲートと、nチャネルトランジスタ15eのゲートとに入力される。これにより、pチャネルトランジスタ14fおよび15fがオン状態になるとともに、nチャネルトランジスタ15eがオフ状態になる。このため、ノードNB3のGND電位がpチャネルトランジスタ14eおよび14fを介して電位Vccに引っ張られるので、ノードNB3の電位が約1.50Vにされる。これにより、pチャネルトランジスタ16bおよび17bのゲートには、約1.50Vのバイアス電位が供給されるので、pチャネルトランジスタ16bおよび17bがオン状態になる。そして、nチャネルトランジスタ13aを介してGND電位がノードNB1に供給されるので、ノードNB1の電位が約0.10Vの電位にされる。
そして、ノードNB1の電位が約0.10Vの電位にされることにより、ノードNB4の電位Vccがnチャネルトランジスタ15gおよび15hを介してノードNB1の電位に引っ張られるので、ノードNB4の電位がノードNB1の電位からnチャネルトランジスタ15gのしきい値電圧分だけレベルシフト(上昇)した電位近傍の電位(第2実施形態では、約1.62V)にされる。これにより、約1.62Vの電位がnチャネルトランジスタ15bのゲートに入力されるとともに、約0.10Vの電位がpチャネルトランジスタ15cのゲートに入力されるので、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ15cとnチャネルトランジスタ15bおよび15dとの抵抗分割によるノードNB5の電位が約1.92Vされる。このため、nチャネルトランジスタ16aおよび17cがオン状態になる。
そして、nチャネルトランジスタ16aがオン状態になることにより、nチャネルトランジスタ16aのインピーダンスがpチャネルトランジスタ16bのインピーダンスより低くなるので、電位VccとGND電位との間に接続されたnチャネルトランジスタ13aおよび16aとpチャネルトランジスタ16bとの抵抗分割によるノードNB6の電位が約0.12Vにされる。
また、nチャネルトランジスタ17cがオン状態になることにより、ノードNB7の電位がノードNB1の電位近傍の約0.10Vにされる。このため、nチャネルトランジスタ17aがオフ状態になる。なお、このとき、pチャネルトランジスタ17bは、ソース電位であるNB6の電位が約0.12Vになることにより、オフ状態になる。
次に、データの読出し(アクセス動作時)では、選択されたワード線WLの電位が「H」レベルに立ち上げられるとともに、それ以外の非選択のワード線WLの電位が「L」レベルになる。
そして、選択されたワード線WLの電位が「H」レベルに立ち上げられた際に、選択されたメモリセル12のnチャネルトランジスタ12aがオン状態にされた場合には、nチャネルトランジスタ12aからビット線BLおよびデータ線DLを介してGND電位側に電流が流れる。これにより、ノードNB1の電位が約0.10Vから約0.15Vまで上昇する。この際、ノードNB4の電位が約1.62Vから約1.67Vまで上昇することに起因してnチャネルトランジスタ15bのゲート電位が上昇するとともに、pチャネルトランジスタ15cのゲート電位が上昇するので、nチャネルトランジスタ15bのインピーダンスが低下するとともに、pチャネルトランジスタ15cのインピーダンスが上昇する。これにより、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ15cとnチャネルトランジスタ15bおよび15dとの抵抗分割によるノードNB5の電位が約1.92Vから約1.10Vまで低下する。したがって、nチャネルトランジスタ16aおよび17cのソース−ゲート間の電位差が急速に減少する。これにより、オン状態であったnチャネルトランジスタ16aおよび17cが急速にオフ状態に近い状態になることによって、nチャネルトランジスタ16aおよび17cのインピーダンスが増加する。このため、電位VccとGND電位との間に接続されたnチャネルトランジスタ13aおよび16aとpチャネルトランジスタ16bとの抵抗分割によるノードNB6の電位が約0.12Vから約2.30Vまで上昇する。その結果、インバータ回路19bから「H」レベルの出力信号SOUTが出力される。
また、ノードNB6の電位の増加に引っ張られてノードNB7の電位が約0.10Vから徐々に上昇する。これにより、ノードNB7にゲートが接続されるnチャネルトランジスタ17aがオン状態になるので、nチャネルトランジスタ17aを介してノードNB1にGND電位が供給される。したがって、ノードNB1の電位の上昇が抑制されることにより、ノードNB1の電位が約0.15Vになる。
その後、次のアクセス動作において選択されたワード線WLの電位が「H」レベルに立ち上げられた際に、選択されたメモリセル12のnチャネルトランジスタ12aがオフ状態に維持された場合には、ノードNB1の電位は、約0.15Vの電位から約0.10Vの電位に低下する。これにより、ノードNB4の電位がノードNB1の電位からnチャネルトランジスタ15gのしきい値電圧分だけレベルシフト(上昇)した約1.67Vの電位が約1.62Vの電位まで低下する。このため、約1.62Vの電位がnチャネルトランジスタ15bのゲートに入力されるとともに、約0.10Vの電位がpチャネルトランジスタ15cのゲートに入力されるので、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ15cとnチャネルトランジスタ15bおよび15dとの抵抗分割によるノードNB5の電位が約1.10Vから約1.92Vまで上昇する。したがって、nチャネルトランジスタ16aおよび17cのソース−ゲート間の電位差が急速に大きくなるので、nチャネルトランジスタ16aおよび17cがオフ状態に近い状態から急速にオン状態になる。
また、nチャネルトランジスタ17cがオン状態になることにより、nチャネルトランジスタ17cのインピーダンスがpチャネルトランジスタ16bおよび17bのインピーダンスより低くなるので、電位VccとGND電位との間に接続されたnチャネルトランジスタ13a、17aおよび17cとpチャネルトランジスタ16bおよび17bとの抵抗分割によるノードNB7電位がノードNB6の電位の低下よりも早く約1.15Vの電位から約0.10Vの電位になる。このため、nチャネルトランジスタ17aは、インバータ回路19bから「L」レベルの出力信号SOUTが出力される前にオフ状態になる。
また、nチャネルトランジスタ16aがオン状態になることにより、nチャネルトランジスタ16aのインピーダンスがpチャネルトランジスタ16bのインピーダンスより低くなるので、電位VccとGND電位との間に接続されたnチャネルトランジスタ13aおよび16aとpチャネルトランジスタ16bとの抵抗分割によるノードNB6電位が約2.30Vから約0.12Vへと低下する。これにより、インバータ回路19bからは、「L」レベルの出力信号SOUTが出力されている。
第2実施形態では、上記のように、データ線DLとGND電位との間に接続された負荷回路13に加えて、反転アンプ15の出力電位に基づいてデータ線DLの電位を制御するためのフィードバック回路17を設けることによって、アクセス動作時にデータ線DLの電位がGND電位近傍(約0.10V)から上昇する(nチャネルトランジスタ12aがオン状態である)場合に、負荷回路13のみならず、フィードバック回路17からもデータ線DLにGND電位を供給することができるので、データ線DLの電位がGND電位近傍(約0.10V)から大きく上昇するのを十分に抑制することができる。これにより、次のアクセス動作時において、nチャンネルトランジスタ12aがオフ状態である場合に、データ線DLの電位の低下を小さくすることができるので、このアクセス時間を短縮することができる。また、データ線DLからの入力電位を反転して増幅することにより、データ線DLの電位に応じた電位を出力するための反転アンプ15と、反転アンプ15の出力電位に応じた電位を出力するための電流電圧変換回路16とを設けることによって、反転アンプ15によりデータ線DLの電位が反転増幅されて電流電圧変換回路16に入力されるので、アクセス動作時においてデータ線DLの電位がGND電位近傍(約0.10V)から上昇した際に、データ線DLの電位の変化量よりも電流電圧変換回路16の出力電位の変化量を大きくすることができる。このため、データ線DLの電位の変化量が少ない場合にも、電流電圧変換回路16の出力電位および反転アンプ15の出力電位を用いて、容易に、フィードバック回路17を制御することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態によるセンス回路を適用したマスクROMの回路構成を示した回路図である。まず、図4を参照して、第3実施形態によるセンス回路を適用したマスクROMの回路構成について説明する。なお、第3実施形態において、pチャネルトランジスタは、本発明の「第1導電型のトランジスタ」の一例であり、nチャネルトランジスタは、本発明の「第2導電型のトランジスタ」の一例である。
この第3実施形態によるマスクROMは、図4に示すように、センス回路21と、センス回路21のデータ線DLにビット線BLを介して接続された複数のメモリセル22とを備えている。
第3実施形態によるセンス回路21は、負荷回路23と、バイアス回路24と、反転アンプ25と、電流電圧変換回路26と、フィードバック回路27と、2つのインバータ回路28および29とを含んでいる。なお、負荷回路23は、本発明の「第1負荷手段」の一例であり、反転アンプ25は、本発明の「反転増幅回路」の一例である。また、電流電圧変換回路26は、本発明の「出力回路」の一例であり、フィードバック回路27は、本発明の「第1の電位制御回路」の一例である。
負荷回路23は、負荷抵抗として機能するpチャネルトランジスタ23aを含んでいる。pチャネルトランジスタ23aのゲートには、インバータ回路28の出力が供給されている。また、pチャネルトランジスタ23aのソースには、電位Vccが供給されているとともに、ドレインは、データ線DLに繋がるノードNC1に接続されている。また、pチャネルトランジスタ23aは、ゲートに「L」レベルのインバータ回路28の出力が供給されている場合にオン状態になるとともに、ゲートに「H」レベルのインバータ回路28の出力が供給されている場合にオフ状態になるように構成されている。これにより、ノードNC1は、アクセス動作前において、pチャネルトランジスタ23aを介して電位Vccが供給されることによって、電位Vcc近傍(第3実施形態では、約2.98V)にされている。なお、電位Vccは、電源電圧として供給される電位であり、本発明の「第1電位」の一例である。
ここで、第3実施形態では、バイアス回路24は、pチャネルトランジスタ24aと、nチャネルトランジスタ24bおよび24cとを含んでいる。pチャネルトランジスタ24aのソースには、電位Vccが供給されているとともに、ゲートは、接地されることによりGND電位が供給されている。なお、GND電位は、本発明の「第2電位」の一例である。また、pチャネルトランジスタ24aのドレインは、ノードNC2に接続されている。nチャネルトランジスタ24bのゲートとドレインとは互いに接続されているとともに、そのゲートおよびドレインは、ノードNC2に接続されている。また、nチャネルトランジスタ24bのソースは、nチャネルトランジスタ24cのドレインと接続されている。また、nチャネルトランジスタ24bは、ノードNC2の電位がnチャネルトランジスタ24bのしきい値電圧よりも低くなるのを抑制する機能を有する。nチャネルトランジスタ24cのソースは、接地されることによりGND電位が供給されているとともに、ゲートには、センスアンプイネーブル信号SEが入力されている。また、nチャネルトランジスタ24cは、ゲートに「H」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されている場合にオン状態になるとともに、ゲートに「L」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されている場合にオフ状態になるように構成されている。
これにより、ノードNC2には、nチャネルトランジスタ24cのゲートに「H」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されている場合に、nチャネルトランジスタ24bのしきい値電圧近傍のバイアス電位(第3実施形態では、約0.96V)が供給されるとともに、nチャネルトランジスタ24cのゲートに「L」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されている場合に、電位Vccが供給されている。なお、ノードNC2の電位(後述するnチャネルトランジスタ25c、26bおよび27bのゲート電位)は、nチャネルトランジスタ25c、26bおよび27bのしきい値電圧よりも高い電位になるように構成されている。
反転アンプ25は、pチャネルトランジスタ25aおよび25bと、nチャネルトランジスタ25cおよび25dと、ノードNC3の電位を制御するためのnチャネルトランジスタ25eとを含んでいる。pチャネルトランジスタ25aのソースには、電位Vccが供給されている。また、pチャネルトランジスタ25aのゲートとドレインとは、互いに接続されており、そのゲートおよびドレインは、ノードNC3に接続されている。pチャネルトランジスタ25bのソースには、電位Vccが供給されているとともに、ドレインは、ノードNC3に接続されている。また、pチャネルトランジスタ25bのゲートには、センスアンプイネーブル信号SEが入力されている。また、pチャネルトランジスタ25bは、ゲートに「H」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されている場合にオフ状態になるとともに、ゲートに「L」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されている場合にオン状態になるように構成されている。nチャネルトランジスタ25cのゲートは、ノードNC2に接続されているとともに、ソースは、接地されることによりGND電位が供給されている。また、nチャネルトランジスタ25cのドレインは、nチャネルトランジスタ25dのソースに接続されている。nチャネルトランジスタ25dのゲートには、センスアンプイネーブル信号SEが入力されているとともに、ドレインは、nチャネルトランジスタ25eのソースに接続されている。また、nチャネルトランジスタ25dは、ゲートに「H」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されている場合にオン状態になるとともに、ゲートに「L」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されている場合にオフ状態になるように構成されている。nチャネルトランジスタ25eのゲートには、ノードNC1が接続されるとともに、ドレインは、ノードNC3に接続されている。
これにより、pチャネルトランジスタ25bおよびnチャネルトランジスタ25dのゲートに「L」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されている場合に、ノードNC3には、電位Vccが供給されている。したがって、pチャネルトランジスタ25bおよびnチャネルトランジスタ25dのゲートに「L」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されている場合には、後述するpチャネルトランジスタ26aおよび27cがオフ状態になるので、pチャネルトランジスタ26aおよび27cを介して電流が流れるのが抑制されるように構成されている。
また、pチャネルトランジスタ25bおよびnチャネルトランジスタ25dのゲートに「H」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されているとともに、ノードNC1の電位が約2.98Vにされている場合に、約2.98Vの電位がnチャネルトランジスタ25eのゲートに入力されていることにより、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ25aとnチャネルトランジスタ25e、25dおよび25cとの抵抗分割によるノードNC3の電位(pチャネルトランジスタ26aおよび27cのゲート電位)は、pチャネルトランジスタ26aおよび27cをオン状態にするような電位(第3実施形態では、約1.92V)になるように構成されている。また、アクセス動作時にノードNC1の電位が約2.98Vから約2.90Vまで低下した場合には、nチャネルトランジスタ25eのインピーダンスが上昇することに起因して、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ25aとnチャネルトランジスタ25e、25dおよび25cとの抵抗分割によるノードNC3の電位は、pチャネルトランジスタ26aおよび27cをオフ状態に近い状態にするような電位(第3実施形態では、約1.96V)まで上昇するように構成されている。なお、このとき、pチャネルトランジスタ26aおよび27cは、ソース電位であるノードNC1の電位が低下するので、オン状態からオフ状態に近い状態に急速に移行されるように構成されている。
電流電圧変換回路26は、インバータ回路29の入力側に繋がるノードNC4の電位を制御するためのpチャネルトランジスタ26aと、負荷抵抗として機能するnチャネルトランジスタ26bを有する負荷回路26cとを含んでいる。pチャネルトランジスタ26aのゲートは、ノードNC3に接続されている。また、pチャネルトランジスタ26aのソースは、ノードNC1に接続されているとともに、ドレインは、ノードNC4およびnチャネルトランジスタ26bのドレインに接続されている。nチャネルトランジスタ26bのゲートは、ノードNC2に接続されている。また、nチャネルトランジスタ26bのドレインは、ノードNC4に接続されているとともに、ソースは、接地されることによりGND電位が供給されている。これにより、pチャネルトランジスタ26aがオン状態の場合には、pチャネルトランジスタ26aのインピーダンスがnチャネルトランジスタ26bのインピーダンスより低いので、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ23aおよび26aとnチャネルトランジスタ26bとの抵抗分割によるノードNC4の電位がノードNC1の電位近傍(第3実施形態では、約2.89V)にされるとともに、pチャネルトランジスタ26aがオフ状態に近い状態の場合には、pチャネルトランジスタ26aのインピーダンスがnチャネルトランジスタ26bのインピーダンスより高くなるので、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ23aおよび26aとnチャネルトランジスタ26bとの抵抗分割によるノードNC4の電位が約0.10Vまで低下するように構成されている。なお、nチャネルトランジスタ26bは、本発明の「第5トランジスタ」の一例であり、負荷回路26cは、本発明の「第2負荷手段」の一例である。
また、第3実施形態では、フィードバック回路27は、ノードNC1の電位を制御するためのpチャネルトランジスタ27aと、nチャネルトランジスタ27bと、ノードNC5の電位を制御するためのpチャネルトランジスタ27cと、pチャネルトランジスタ27dとを含んでいる。pチャネルトランジスタ27aのゲートは、ノードNC5に接続されている。また、pチャネルトランジスタ27aのソースは、pチャネルトランジスタ27dのドレインに接続されているとともに、ドレインは、ノードNC1に接続されている。nチャネルトランジスタ27bのゲートは、ノードNC2に接続されている。また、nチャネルトランジスタ27bのソースは、ノードNC4に接続されているとともに、ドレインは、ノードNC5に接続されている。pチャネルトランジスタ27cのゲートは、ノードNC3に接続されている。また、pチャネルトランジスタ27cのソースは、ノードNC1に接続されるとともに、ドレインは、ノードNC5に接続されている。pチャネルトランジスタ27dのゲートには、インバータ回路28の出力が供給されるとともに、ソースには、電位Vccが供給されている。また、pチャネルトランジスタ27dは、ゲートに「L」レベルのインバータ回路28の出力が供給されている場合にオン状態になるとともに、ゲートに「H」レベルのインバータ回路28の出力が供給されている場合にオフ状態になるように構成されている。
これにより、pチャネルトランジスタ27cがオン状態の場合に、pチャネルトランジスタ27cのインピーダンスがnチャネルトランジスタ26bおよび27bのインピーダンスより低いので、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ23aおよび27cとnチャネルトランジスタ26bおよび27bとの抵抗分割によるノードNC5の電位がノードNC1の電位近傍(第3実施形態では、約2.98V)にされる。また、pチャネルトランジスタ27cがオフ状態に近い状態の場合に、pチャネルトランジスタ27cのインピーダンスがnチャネルトランジスタ26bおよび27bのインピーダンスより高くなるので、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ23aおよび27cとnチャネルトランジスタ26bおよび27bとの抵抗分割によるノードNC5の電位が約0.12Vまで低下するように構成されている。したがって、pチャネルトランジスタ27cがオフ状態に近い状態の場合には、pチャネルトランジスタ27aがオン状態になることにより、pチャネルトランジスタ27aおよび27dを介してノードNC1に電位Vccが供給されているとともに、pチャネルトランジスタ27cがオン状態の場合には、pチャネルトランジスタ27aがオフ状態になることにより、pチャネルトランジスタ27aを介してノードNC1に電位Vccが供給されないように構成されている。なお、pチャネルトランジスタ27aおよび27cは、それぞれ、本発明の「第1トランジスタ」および「第3トランジスタ」の一例であり、nチャネルトランジスタ27bは、本発明の「第2トランジスタ」の一例である。
インバータ回路28は、アクセス動作時に「H」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEが入力されるように構成されている。また、インバータ回路29は、ノードNC4の電位に応じて「H」または「L」レベルの出力信号SOUTを出力するように構成されている。
メモリセル22は、nチャネルトランジスタ22aを含んでいる。nチャネルトランジスタ22aのゲートは、ワード線WLに接続されている。また、nチャネルトランジスタ22aのドレインは、ビット線BLを介してデータ線DLに接続されるとともに、ソースは、接地されることによりGND電位が供給されている。なお、このマスクROMでは、たとえば、nチャネルトランジスタ22aのしきい値電圧を異ならせることにより、ワード線WLに所定の電圧を印加した場合に選択されたメモリセル22が接続されたビット線BLに電流が流れるか否かによって、そのnチャネルトランジスタ22aを含むメモリセル22のデータが「0」または「1」に区別されている。
図5は、シミュレーションによって求めた、データ線から流れ出る電流と、ノードNC1〜NC5および出力信号SOUTの電位との関係を示したグラフである。次に、図4および図5を参照して、第3実施形態によるセンス回路を適用したマスクROMの動作について説明する。
まず、外部から「H」レベルのセンスアンプイネーブル信号SEがインバータ回路28と、pチャネルトランジスタ25bのゲートと、nチャネルトランジスタ24cおよび25dのゲートとにそれぞれ入力される。このため、pチャネルトランジスタ25bがオフ状態になるとともに、nチャネルトランジスタ24cおよび25dがオン状態になる。
そして、nチャネルトランジスタ24cがオン状態になることにより、ノードNC2の電位Vccがnチャネルトランジスタ24bおよび24cを介してGND電位に引っ張られるので、ノードNC2の電位がnチャネルトランジスタ24bのしきい値電圧近傍の約0.96Vにされる。これにより、nチャネルトランジスタ25c、26bおよび27bのゲートには、約0.96Vのバイアス電位が供給される。
また、インバータ回路28からは、「L」レベルの信号がpチャネルトランジスタ23aおよび27dのゲートに入力される。これにより、pチャネルトランジスタ23aおよび27dがオン状態になる。そして、pチャネルトランジスタ23aを介して電位VccがノードNC1に供給されるので、ノードNC1の電位が約2.98Vの電位にされる。
そして、ノードNC1の電位が約2.98Vの電位にされることにより、約2.98Vの電位がnチャネルトランジスタ25eのゲートに入力されるので、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ25aとnチャネルトランジスタ25e、25dおよび25cとの抵抗分割によるノードNC3の電位がpチャネルトランジスタ26aおよび27cをオン状態にするような電位(第3実施形態では、約1.92V)にされる。このため、pチャネルトランジスタ26aおよび27cがオン状態になる。
そして、pチャネルトランジスタ26aがオン状態になることにより、pチャネルトランジスタ26aのインピーダンスがnチャネルトランジスタ26bのインピーダンスより低くなるので、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ23aおよび26aとnチャネルトランジスタ26bとの抵抗分割によるノードNC4の電位が約2.89Vにされる。
また、pチャネルトランジスタ27cがオン状態になることにより、ノードNC5の電位がノードNC1の電位近傍の約2.98Vにされる。このため、pチャネルトランジスタ27aがオフ状態になる。なお、このとき、nチャネルトランジスタ27bは、ソース電位であるNC4の電位が約2.89Vにされることにより、オフ状態になる。
次に、データの読出し(アクセス動作時)では、選択されたワード線WLの電位が「H」レベルに立ち上げられるとともに、それ以外の非選択のワード線WLの電位が「L」レベルになる。
そして、選択されたワード線WLの電位が「H」レベルに立ち上げられた際に、選択されたメモリセル22のnチャネルトランジスタ22aがオン状態にされた場合には、データ線DLからビット線BLおよびnチャネルトランジスタ22aを介してGND電位側に電流が流れる。これにより、ノードNC1の電位が約2.98Vから約2.90Vまで低下する。この際、オン状態のnチャネルトランジスタ25eのゲート電位が低下するので、このオン状態のnチャネルトランジスタ25eのインピーダンスが増加する。これにより、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ25aとnチャネルトランジスタ25c、25dおよび25eとの抵抗分割によってノードNC3の電位が設定されることに起因して、ノードNC3の電位は約1.92Vから約1.96Vまで上昇する。したがって、pチャネルトランジスタ26aおよび27cのソース−ゲート間の電位差が急速に減少する。これにより、オン状態であったpチャネルトランジスタ26aおよび27cが急速にオフ状態に近い状態になることによって、pチャネルトランジスタ26aおよび27cのインピーダンスが増加する。このため、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ23aおよび26aとnチャネルトランジスタ26bとの抵抗分割によってノードNC4の電位が設定されることに起因して、ノードNC4の電位は約2.89Vから約0.10Vまで下降する。その結果、インバータ回路29から「H」レベルの出力信号SOUTが出力される。
また、ノードNC4の電位の低下に引っ張られてノードNC5の電位が約2.98Vから約0.12Vまで徐々に低下する。これにより、ノードNC5にゲートが接続されるpチャネルトランジスタ27aがオン状態になるので、pチャネルトランジスタ27aおよび27dを介してノードNC1に電位Vccが供給される。したがって、ノードNC1の電位の低下が抑制されることにより、ノードNC1の電位が約2.90Vになる。
その後、次のアクセス動作において選択されたワード線WLの電位が「H」レベルに立ち上げられた際に、選択されたメモリセル22のnチャネルトランジスタ22aがオフ状態に維持された場合には、ノードNC1の電位は、約2.90Vの電位から約2.98Vの電位まで上昇する。これにより、約2.98Vの電位がnチャネルトランジスタ25eのゲートに入力されるので、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ25aとnチャネルトランジスタ25e、25dおよび25cとの抵抗分割によるノードNC3の電位がpチャネルトランジスタ26aおよび27cをオン状態にするような電位(第3実施形態では、約1.92V)まで低下する。このため、pチャネルトランジスタ26aおよび27cのソース−ゲート間の電位差が急速に大きくなるので、pチャネルトランジスタ26aおよび27cがオフ状態に近い状態から急速にオン状態になる。
そして、pチャネルトランジスタ27cがオン状態になることにより、pチャネルトランジスタ27cのインピーダンスがnチャネルトランジスタ26bおよび27bのインピーダンスより低くなるので、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ23a、27a、27dおよび27cとnチャネルトランジスタ26bおよび27bとの抵抗分割によるノードNC5の電位がノードNC4の電位の上昇よりも早く約0.12Vの電位から約2.98Vの電位になる。このため、pチャネルトランジスタ27aは、インバータ回路29から「L」レベルの出力信号SOUTが出力される前にオフ状態になる。
また、pチャネルトランジスタ26aがオン状態になることにより、pチャネルトランジスタ26aのインピーダンスがnチャネルトランジスタ26bのインピーダンスより低くなるので、電位VccとGND電位との間に接続されたpチャネルトランジスタ23aおよび26aとnチャネルトランジスタ26bとの抵抗分割によるノードNC4の電位が約0.12Vから約2.89Vへと上昇する。これにより、インバータ回路29から「L」レベルの出力信号SOUTが出力される。
なお、第3実施形態の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、マスクROMに本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限らず、マスクROM以外のその他のメモリにも広く適用可能である。