JP5084634B2 - ボタンの表裏判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カメラでボタンを撮像し、その撮像画像からボタンの表裏を判定するボタンの表裏判定方法に関する。
衣類等の被縫製物にボタンを縫い付けるボタン付けミシンでは、ボタン保持部が被縫製物の近傍でボタンを保持して縫いを行う。このとき、ボタン保持部にはボタン供給装置によって逐次ボタンが供給されるが、ボタン保持部にボタンが供給されるときにボタンの表裏が正しい向きとなっている必要がある。このため、ボタンの表裏を判定する機構が必要とされているが、従来の機構としてはボタンの一方の面(例えば裏)が凸状となっているボタンの場合に、ボタンの搬送経路に設けられた選別板により凸面が上向きに搬送されているボタンのみを搬送経路からボタンを落下させることでボタンの表裏判定を行うボタン選別装置が知られている(例えば特許文献1)。
特開平10−194435号公報
しかしながら、従来のボタン選別装置では一方の面が凸面であるといったような顕著な物理的特徴による表裏判定を行えるボタンにのみ適用可能であり、表と裏の形状に大きな差がないボタンの表裏を判定することはできないといった問題点があった。また、適用可能なボタンであってもボタンの大きさや種類によって選別板の微調整を行う必要があり、煩雑な作業を伴うといった問題点があった。加えて、当該微調整には熟練を要し、誰でも行えるものではなかった。
そこで、ボタンをカメラ等の撮像装置で撮像し、画像認識処理を用いてボタンの表裏を判定する方法が検討されている。画像認識処理によるボタンの表裏判定を行う場合、テンプレートマッチングによる方法が考えられる。テンプレートマッチングを用いてボタンの表裏を判定する場合、ボタンが所定の向き(例えば表面が上)となるよう配置された状態で所定の方向(例えば上方)から撮像した撮像画像である判定元画像をあらかじめ用意し、供給するボタンを所定の方向から撮像した画像と判定元画像とを比較してその近似の度合いによって供給するボタンの表裏を判定する。また、テンプレートマッチングは画像の近似の度合いによって是非の判定を行うので、同時にボタンの種類の同非も判定される。一定以上近似していれば供給するボタンの表面は同種種類であり、かつ、正しい向きと判定され、そうでなければエラー即ち当該ボタンは裏面が上、あるいは異なるボタンであると判定される。
しかしながら、判定元画像を撮像した後に時間が経過することで、判定元画像を撮像した際にボタンに照射されていた照明等の諸条件と、表裏を判定される対象となるボタンに対する照明等の諸条件とが変化すると、同種の種類のボタンであって、かつ、表裏が正しい向きのボタンであっても、画像の近似の度合いが一定以上とならずにエラーとなることがあるといった問題点があった。
本発明は、上述の問題点に鑑み、より好適にボタンの表裏判定を行えるボタンの表裏判定方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、カメラでボタンを撮像し、その撮像画像からボタンの表裏を判定するボタンの表裏判定方法において、表又は裏の基準となるボタンを前記カメラで撮像する第1の撮像工程と、表裏を判定する対象となるボタンを撮像する第2の撮像工程と、前記第1の撮像工程で得られた撮像画像と前記第2の撮像工程で得られた撮像画像とから前記第2の撮像画像に写ったボタンの表裏を判定する判定工程と、を有し、前記第1の撮像工程は、前記第2の撮像工程と同時又は前記第2の撮像工程の直前に行うことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のボタンの表裏判定方法において、前記第1の撮像工程は、前記第2の撮像工程を行うのと同時又は前記第2の撮像工程を行う直前に毎回行うことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載のボタンの表裏判定方法において、表又は裏の基準となるボタンと表裏を判定する対象となるボタンとを並べて配置し、ひとつのカメラで当該表又は裏の基準となるボタンと表裏を判定する対象となるボタンを同時に撮像することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2に記載のボタンの表裏判定方法において、前記第1の撮像工程と前記第2の撮像工程は、異なるカメラによって行われることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1に記載のボタンの表裏判定方法において、前記第1の撮像工程で得られた撮像画像と前記第2の撮像工程で得られた撮像画像とが所定以上近似していた場合、当該第2の撮像工程で得られた撮像画像を次の第1の撮像工程の撮像画像とすることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載のボタンの表裏判定方法において、前記第1の撮像工程及び前記第2の撮像工程は、前記ボタンを側方から撮像することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載のボタンの表裏判定方法において、前記第1の撮像工程で得られた撮像画像の一部又は一部を加工した画像を用いてボタンの表裏の判定を行うことを特徴とする。
なお、「所定以上近似」とは、第1の撮像画像に写った表又は裏の基準となるボタンと、第2の撮像画像に写った表裏を判定するボタンとが共に同じ面(表又は裏)を撮像されていると判定工程で判定される程度に近似していることを指す。
請求項1記載の発明によれば、第1の撮像工程は第2の撮像工程と同時又は第2の撮像工程の直前に行う。つまり、表裏を判定したいボタンがある場合、表裏を判定したいボタンの撮像と同時またはその直前に表又は裏の基準となるボタンの撮像を行える。よって、表裏を判定したいボタンの判定元画像があらかじめ用意されていなくてもよく、表裏を判定したいボタンの撮像と同様の要領で表又は裏の基準となるボタンの撮像を行えば事足りる。
また、第1の撮像工程は第2の撮像工程と同時又は第2の撮像工程の直前に行うので、第1の撮像工程と第2の撮像工程の照明等の条件を同様とすることで、第1の撮像工程で得られる撮像画像と第2の撮像工程で得られる撮像画像の照明等の条件を同様にすることが可能となる。つまり、表又は裏の基準となるボタンの撮像画像と、表裏を判定する対象となるボタンの撮像画像との間に照明等の条件による類似度の剥離を防止することが可能となる。従って、判定元画像を撮像した際にボタンに照射されていた照明等の諸条件が変化すると、同種かつ表裏が正しい向きのボタンであっても画像の近似の度合いが一定以上とならずにエラーとなることがあるといった従来の問題点を解消することができ、より好適にボタンの表裏判定を行える。
請求項2記載の発明によれば、第1の撮像工程は、第2の撮像工程を行うのと同時又は第2の撮像工程を行う直前に毎回行う。つまり、表裏を判定する対象となるボタンの撮像が行われるたびに、表又は裏の基準となるボタンの撮像をその都度行う。よって、第1の撮像工程と第2の撮像工程との間の時間経過は極めて短くなり、各ボタンの照明条件等がほぼ同一となる。従って、判定元画像を撮像した際にボタンに照射されていた照明等の諸条件が変化すると、同種かつ表裏が正しい向きのボタンであっても画像の近似の度合いが一定以上とならずにエラーとなることがあるといった従来の問題点を解消することができ、より好適にボタンの表裏判定を行える。
請求項3記載の発明によれば、表又は裏の基準となるボタンと表裏を判定する対象となるボタンとを並べて配置して撮像する。よって、各ボタンの撮像時の照明等の条件をほぼ同一とすることが可能となる。従って、判定元画像を撮像した際にボタンに照射されていた照明等の諸条件が変化すると、同種かつ表裏が正しい向きのボタンであっても画像の近似の度合いが一定以上とならずにエラーとなることがあるといった従来の問題点を解消することができ、より好適にボタンの表裏判定を行える。
また、表又は裏の基準となるボタンと表裏を判定する対象となるボタンとを並べて配置して撮像するので、1台のカメラで基準となるボタンと表裏を判定する対象のボタンの両方をその撮像範囲に含めて同時に撮像することが容易となる。このとき、当該1台のカメラで得られた撮像画像のうち基準となるボタンが写った領域と表裏を判定する対象のボタンが写った領域との比較処理を行えばボタンの表裏判定が行える。従って、第1の撮像工程と第2の撮像工程とを個別に行う場合に比してその工程が短縮され、より円滑にボタンの表裏判定を行える。
請求項4記載の発明によれば、第1の撮像工程と第2の撮像工程は、異なるカメラによって行われる。これによって、表又は裏の基準となるボタンを撮像するカメラと、表裏を判定する対象となるボタンを撮像するカメラとが異なるものとなるので、同一のカメラで各ボタンを撮像する場合に比して、表又は裏の基準となるボタンと表裏を判定するボタンの配置関係の自由度が大幅に向上する。
請求項5記載の発明によれば、第1の撮像工程で得られた撮像画像と第2の撮像工程で得られた撮像画像とが所定以上近似していた場合、当該第2の撮像工程で得られた撮像画像を次の第1の撮像工程の撮像画像とする。つまり、第1の撮像画像に写った表又は裏の基準となるボタンと、第2の撮像画像に写った表裏を判定するボタンとが共に同じ面(表又は裏)を撮像されていると判定工程で判定される程度に近似している場合、第2の撮像工程で得られた撮像画像を、その次に「表裏を判定する対象となるボタン」の撮像画像に対する「表又は裏の基準となるボタン」の撮像画像として扱う。これによって、表裏を判定するボタンが表又は裏の基準となるボタンと同じ面を向いている場合は、次に表裏を判定する対象となるボタンを撮像する第2の撮像工程の際に同時またはその直前に行う第1の撮像工程をその前に行った第2の撮像工程に置き換えることが可能となる。よって、第1の撮像工程を個別に行う回数を低減させることができ、より円滑にボタンの表裏判定を行える。
請求項6記載の発明によれば、第1の撮像工程及び第2の撮像工程は、ボタンを側方から撮像する。ところで、ボタンの表裏判定の際には、第1の撮像工程で得られた表又は裏の基準となるボタンの撮像画像と、第2の撮像工程で得られた表裏を判定する対象となるボタンの撮像画像との比較処理を行う。このとき、一般的にボタンは表又は裏面の面積よりもその側方の面積の方が小さい。従って、ボタンを側方から見た場合にその表裏を判定可能な視覚的特徴がある場合は、ボタンを側方から撮像することで、表又は裏面の一方を当該面に対向して撮像する場合に比して表裏判定のために必要な撮像画像の面積を小さくすることが可能となる。よって、第1の撮像工程の撮像画像と第2の撮像工程の撮像画像との比較処理に要する時間を短縮でき、より好適にボタンの表裏判定を行える。
請求項7記載の発明によれば、第1の撮像工程で得られた撮像画像の一部又は一部を加工した画像を用いてボタンの表裏の判定を行う。例えば、ボタンの表又は裏を判定するのに十分な視覚的差異がボタンの一部に含まれている場合は、第1の撮像工程で撮像した画像から当該一部の撮像画像を得て、第2の撮像工程で得られた撮像画像に当該一部に対応する部分が含まれるかどうかを判別すればよい。従って、ボタン全体を撮像画像に含める場合に比して表裏判定のために必要な撮像画像の面積を小さくすることが可能となる。よって、第1の撮像工程の撮像画像と第2の撮像工程の撮像画像との比較処理に要する時間を短縮でき、より好適にボタンの表裏判定を行える。
また、ボタンは縫い付けのためのボタン穴を有する場合が多い。ボタン穴はボタンの向きによってその位置関係を変ずるので、ボタン穴の位置関係の差異が撮像画像に写ったボタンの差異となって現れる。よって、第1の撮像工程で得られたボタンの撮像画像と第2の撮像工程で得られたボタンの撮像画像との間でボタン穴の位置関係に差異があった場合、同種のボタンかつ当該ボタンの同じ面が撮像されていた場合であっても、表裏判定の比較処理においてボタン穴の位置関係の差異によって異なる面(あるいは異なるボタン)と判定されてしまう可能性がある。このとき、例えばボタン穴を塞ぐ加工を各撮像画像に施すことによって、ボタン穴の位置関係の差異による比較処理の誤判定を防止することが可能となる。よって、より好適にボタンの表裏判定を行える。また、画像の加工以外にも、ボタン穴を含まないボタンの一部の画像を用いてボタンの表裏判定を行うことによっても同様の効果が得られる。
(発明の全体構成)
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明によるボタンの表裏判定方法は、ボタン付けミシンのボタン供給装置によって供給されるボタンの表裏を判定する方法である。ボタンの表裏判定は、ボタン供給装置がボタン付けミシンにおいて被縫製物の近傍でボタンを保持するボタン保持部にボタンを搬送するよりも前に行われる。これによって、ボタン保持部には所定の種類の、かつ、常に所定の向きのボタンが供給され、誤った種類のボタンや誤った向きのボタンが供給されることで縫い品質が低下することがなくなり、縫い品質が大幅に向上する。
図1は本発明によるボタンの表裏判定方法で用いるボタン画像認識装置1の主要構成を示すブロック図である。ボタン画像認識装置1は、表裏判定の基準となるボタンB1及び表裏判定を行う対象となるボタンB2を撮像するカメラ2と、ボタンB1、B2の撮像時に各ボタンを照らす照明3と、ボタン画像認識装置1の各種処理内容を表示するモニタ4と、ボタンB1、B2の画像からボタンB2の表裏を判定する画像処理装置10とを備える。なお、ボタンB1は「表又は裏の基準となるボタン」であり、ボタンB2は「表裏を判定する対象となるボタン」である。
カメラ2は、ボタンB1,B2の上方からボタンB1,B2を含む範囲を1回の撮像で撮像可能となるよう設けられ、ボタンB1,B2を撮像してその撮像画像Gを画像処理装置10に入力する。なお、カメラ2によって入力される撮像画像Gはアナログ画像データであり、画像処理装置10に入力されるとA/Dコンバータ15(後述)によってデジタル画像データに変換される。
照明3は、ボタンB1の上方であってカメラ2によるボタンB1,B2の撮像範囲を遮らない位置に設けられ、少なくともカメラ2によるボタンB1,B2の撮像の際にボタンB1,B2に光を照射する。このとき、照明3はその照射光によるカメラ2の撮像画像Gの明暗がボタンB1,B2でほぼ同等となるよう設けられていることが望ましい。
モニタ4は、ボタン画像認識装置1の各種情報を表示する。その表示内容については後述する。
画像処理装置10は、ボタン画像認識装置1の各部の制御に関する各種処理を行うCPU11と、CPU11によって呼び出される各種プログラム及びデータ等を書き換え不能に記憶するROM12と、CPU11の各種処理において一時的に生じる各種データの格納領域となるRAM13と、CPU11によって呼び出される各種プログラム及びデータ等を書き換え可能に記憶するEEPROM14と、カメラ2によって入力されたアナログ画像データをデジタル画像データに変換するA/Dコンバータ15と、を備えている。ROM12、RAM13,EEPROM14及びA/Dコンバータ15はバスを介してCPU11に接続されている。また、A/Dコンバータ15はカメラ2と接続されており、画像処理装置10に入力されたカメラ2の撮像画像GはまずA/Dコンバータ15に入力される。
CPU11は、ROM12又はEEPROM14から各種プログラム及びデータ等を呼び出して実行処理し、ボタン画像認識装置1の各部を制御する。特に、ROM12にはカメラ2によって撮像されたボタンB1,B2の撮像画像からボタンB2の表裏判定及び表裏判定に関る各種処理を行うための画像処理プログラム12aが記憶されている。なお、以降特に記載がない場合、ボタン画像認識装置1の各種動作制御はCPU11によるソフトウェア制御によって行われている。
A/Dコンバータ15は、カメラ2が撮像した撮像画像G(アナログ画像データ)をデジタル画像データに変換してCPU11に入力する。CPU11はデジタル画像データに変換された撮像画像GからボタンB2の表裏を判定する。なお、以後の記載においては特筆しない限り「撮像画像G」はカメラ2によって撮像された画像データ全般をいい、特にアナログ画像データとデジタル画像データの区別は行わない。
次に、ボタンB1、B2について詳説する。図2はボタンB1(B2)の表面及び裏面を示す説明図である。図2(a)はボタンB1(B2)の表面を、図2(b)はボタンB1(B2)の裏面を示す。
ボタンB1は、その一方の面(例えば表面)がカメラ2側つまり上方に、他方の面(例えば裏面)がボタンB1が配置される面側つまり下方となるよう配置される。ボタンB1はオペレータの手によってカメラ2の下方の所定位置となるよう配置され、配置後にその位置が変わることはない。
ボタンB2は、ボタン供給装置(図示略)が備える図示しないボタン搬送部(例えばボタンB2を図2の上下方向に沿って搬送するベルトコンベヤ等)によってカメラ2の下方を通るよう搬送されている。なお、ボタンB2はボタン供給装置によってボタン付けミシン(図示略)のボタン保持部(図示略)に逐次供給される縫いつけ用ボタンであり、ボタン搬送部はボタン保持部に供給される前の複数のボタンが蓄積されているボタン蓄積部(図示略)から一つずつボタンB2をカメラ2の下方を通るよう搬送する。つまり、ボタンB2は特定のひとつのボタンではなく逐次搬送される複数のボタンのうちの一つである。つまり、ボタン画像認識装置1はカメラ2の下方に据え置かれたボタンB1を基準としてボタン付けミシンに逐次供給されるボタンB2の表裏を判定する装置である。
なお、ボタンB1とボタンB2とは同種のボタンである。従って、ボタンB1とボタンB2との表裏及び穴の位置関係が一致する場合、カメラ2に撮像されるボタンB1とボタンB2とはほぼ同種のボタンとして写る。また、図1に示すように、ボタンB1,B2はその側方から見た場合には表面が直線状となり、裏面はなだらかな楕円の半円状となる形状である。また、図2(a)に示すように、ボタンB1(B2)の表面には凹部Cが設けられており、カメラ2によって上方から撮像された場合、表面が上向きの場合には凹部の内外の段差によるコントラストC1が生じる。一方、図2(b)に示すように、裏面が上向きの場合には段差CがないのでコントラストC1は生じない。つまり、ボタンB1、B2は上方または側方からの撮像画像Gに写った当該ボタンの形状から表裏のいずれが上向き(あるいは下向き)であるかを認識可能となっている。
また、ボタン搬送部によって搬送されるボタンB2の向きは一定しない。例えば、図2に示すボタンB2はボタンB1と同様に一方の面(例えば表面)が上方となっているが、他方の面(例えば裏面)が上方となることもある。また、ボタン穴の位置関係も図2に示すボタンB2のようになるとは限らず、ボタンB1のボタン穴の配置に対して傾いていることもある。
(ボタン画像認識装置の動作)
次に、ボタン画像認識装置1の動作における各工程について詳説する。図3はボタン画像認識装置1の動作を示すフローチャートである。
図3に示すように、ボタン画像認識装置1は、カメラ2によってボタンB1,B2を撮像するボタン撮像工程(ステップS1)、ボタン撮像工程で得られた撮像画像Gの画質を改善するためノイズ除去などの各種処理を行う画質改善工程(ステップS2)、画質改善後の撮像画像GからボタンB2の表裏を判定する表裏判定工程(ステップS3)、ボタンB2の表裏判定の結果通知をモニタ4による表示等によって行う結果通知工程(ステップS4)を順次行う。以下、工程順に詳説する。なお、ステップS2〜S4の各工程はCPU11がROM12の画像処理プログラム12aを呼び出して実行処理することで行われる。
(ボタン撮像工程)
まず、ステップS1のボタン撮像工程について詳説する。図4はカメラ2によるボタンB1、B2の撮像画像Gを示す説明図である。
ボタン搬送部によって搬送されるボタンB2のうちひとつがカメラ2の撮像範囲内に入り、かつ、図4に示す撮像画像Gの左右方向にボタンB2がボタンB1と並ぶよう位置したときにカメラ2によって撮像される。つまり、「表又は裏の基準となるボタン」であるボタンB1と、「表裏を判定する対象となるボタン」であるボタンB2とは同時に撮像されている。よって、表又は裏の基準となるボタンB1を撮像する「第1の撮像工程」と、表裏を判定する対象となるボタンB2を撮像する「第2の撮像工程」は同時に行われている。ボタンB2の位置は図示しないセンサー等によって検知され、CPU11は当該センサー等による入力に基づいてカメラ2を動作させることで撮像工程を行う。当該撮像工程によって得られた撮像画像Gは図4に示すようにボタンB1とボタンB2とがほぼ横並びに写る画像となる。また、このとき、横並びに並んだボタンB1とボタンB2のそれぞれの照明3に対する距離はほぼ同一となる。撮像画像Gは画像処理装置10に入力され、A/Dコンバータ15によってデジタル画像データに変換されてCPU11に入力される。なお、以後の工程においては当該デジタル画像データを「撮像画像G」と記載する。
なお、カメラ2の撮像範囲とボタンB1,B2との位置関係は、図4に示すように、ボタンB1とボタンB2との間に位置してカメラ2の撮像範囲を二分する中間線Pの位置がボタンB1とボタンB2とのほぼ中間位置となることが望ましい。また、ボタン撮像工程完了時にCPU11は入力された撮像画像Gをモニタ4に出力してもよい。
(画質改善工程)
次に、ステップS2の画質改善工程について詳説する。画質改善工程では、CPU11はA/Dコンバータ15から入力された撮像画像Gに対してノイズ除去処理(例えばフィルタ処理等)を行う。当該ノイズ除去処理の詳細は周知のノイズ除去処理と同様であるのでその詳細は省略する。ノイズ除去処理後、CPU11は当該デジタル画像データをRAM13に格納する。
(表裏判定工程)
次に、ステップS3の表裏判定工程について詳説する。表裏判定工程は、撮像画像Gに写ったボタンB1を含む画像領域に基づくパターンマッチングをボタンB2が写った画像領域に対して行う。
図5はパターンマッチングの仕組みを示す説明図である。
パターンマッチングを行う場合、まずCPU11は撮像画像Gに対してボタンB1を含む画像領域P1とボタンB2を含む画像領域P2とに分割する処理(画像分割)を行う。画像分割は、上述の中間線Pを境に撮像画像Gを二分することで行われる。
次に、CPU11は画像領域P1に対して輪郭検出処理を行ってボタンB1が写っている画像領域を割り出し、ボタンB1とその周囲を含むテンプレート画像領域T1を設定し、テンプレート画像領域T1内の画素数及び画素の明暗あるいは色分布に関する情報を取得してRAM13に格納する処理(テンプレート画像領域取得)を行う。
次に、CPU11は画像領域P2に対して輪郭検出処理を行ってボタンB2が写っている画像領域を割り出し、ボタンB2とその周囲を含む判定画像領域T2を設定し、判定画像領域T2内の画素数及び画素の明暗あるいは色分布に関する情報を取得してRAM13に格納する処理(判定画像領域取得)を行う。このとき、判定画像領域T2の縦横の画素数は少なくともテンプレート画像領域T1以上となるように設定する。
次に、CPU11はテンプレート画像領域T1と判定画像領域T2の画素の明暗あるいは色分布に関する情報から類似度の判定(パターンマッチング)を行う。この判定は、判定画像領域T2からテンプレート画像領域T1と同じ縦横の画素数の領域を逐次抜粋して判定する逐次処理により行う。
なお、「逐次処理」とは、まず判定対象となる画像領域(判定画像領域T2)の左上端から比較元となる画像領域(テンプレート画像領域T1)と同じ縦横の画素数となる画像領域の画素の明暗あるいは色分布に関する情報のみをテンプレート画像領域T1と比較判定して類似度を算出する。図5は、このようすをイメージで示しており、判定画像領域T2に破線で示すテンプレート画像領域T1を左上端が一致するように重ねた状態で、テンプレート画像領域T1と重なる位置の判定画像領域T2の画素の情報が各画素毎に全て比較される。次に、判定対象となる画像領域の右に1画素分ずれた位置から比較元となる画像領域と同じ縦横の画像領域について判定をし、その後さらに右に1画素分ずれた位置から…といったように、左上端から順に1画素づつずらして判定する。左右方向に比較元となる画像領域分の画素がなくなるほど右にずれた位置となった場合、次は下方向に1画素ずれた位置であってその左端の画素から比較元となる画像領域と同じ縦横の画像領域に対して行い、以後は右に1画素ずつずらしていく。つまり、判定対象となる画像領域内を比較元となる画像領域を順次ずらしながら重なる部分の類似度を算出する処理を行う。
上述のパターンマッチングにおいて、類似度が所定の閾値以上となった場合、ボタンB2はボタンB1と同種であると判定される。つまり、ボタンB2はボタンB1と同様に一方の面(例えば表面)が上向きとなっていると判定される。一方、類似度が所定の閾値未満となった場合、ボタンB2はボタンB1と異なると判定される。つまり、ボタンB2はボタンB1と異なり他方の面(例えば裏面)が上向きとなっていると判定される。あるいは、ボタン付けミシンのボタン保持部に逐次供給される複数のボタンの中にボタンB1と異なる種類のボタンが混入していた場合、当該異なる種類のボタンが撮像された場合にもやはり類似度が閾値未満となる可能性が高いので、ボタンB2はボタンB1と異なると判定される。なお、所定の閾値はEEPROM14に記憶されている。
なお、パターンマッチングは、上述の逐次処理において類似度が所定の閾値以上となった時点でボタンB1とボタンB2とが同種であると判定してパターンマッチングを終了してもよいし、判定対象となる画像領域の左上端から右下端まで逐次処理を完了させて、その中で最大の類似度と所定の閾値とを比較してもよい。前者の場合、閾値が一定以上となった時点でパターンマッチングが終了するので比較的当該処理が早く終了できる。後者の場合、類似度と所定の閾値との比較処理が1回で済む。以下、図6及び図7を用いて上述の2通りの処理について詳説する。
まず、表裏判定工程において、パターンマッチングで類似度が所定の閾値以上となった時点で処理を終了する場合を示すフローチャートを図6に示す。まずCPU11は上述の画像分割(ステップS11)、テンプレート画像領域取得(ステップS12)、判定画像領域取得(ステップS13)を順次行い、その後判定対象となる画像領域T2の左上端の画素から順にテンプレート画像領域T1を重ねた状態で比較するパターンマッチングの逐次処理を行う(ステップS14)。なお、ステップS14における逐次処理は、逐次処理全体のうち判定画像領域T2内のある位置にテンプレート画像領域T1が重ねられた状態でのテンプレート画像領域T1の全画素分の比較処理1回の類似度算出処理を指す。次にCPU11はステップS14で得られた類似度が所定の閾値未満であるかどうか判定し(ステップS15)、類似度が閾値未満でない場合即ち類似度が閾値以上となった場合(ステップS15:NO)、ボタンB2はボタンB1と同種かつ同じ向きであると判定される(ステップS16)。一方、ステップS15で類似度が閾値未満だった場合(ステップS15:YES)、CPU11は判定画像領域T2の右下端まで逐次処理が終了したか判定する(ステップS17)。逐次処理が右下端まで終了した場合(ステップS17:YES)、ボタンB2はボタンB1と異なる面が上向きあるいはボタンB1とは異なるボタンであると判定する(ステップS18)。逐次処理が右下端まで終了していない場合(ステップS17:NO)、ステップS14に戻りテンプレート画像領域T1を次の位置にずらして逐次処理を実行する。
次に、最大の類似度と所定の閾値との比較を行う場合を示すフローチャートを図7に示す。なお、ステップS11〜S14は上述に示す処理と同様なので詳説を省略する。
ステップS14の処理の後、CPU11はステップS14で得られた類似度がそれまで現在の判定対称ボタンB2で得られた最大の類似度を越えるかどうか判定する(ステップS21)。超えた場合(ステップS21:YES)、ステップS14で得られた類似度を現在のボタンB2における当該パターンマッチングの最大類似度としてRAM13に格納し(ステップS22)、判定画像領域T2の右下端まで逐次処理が終了したか判定する(ステップS23)。一方、ステップS14で得られた類似度がそれまでの最大の類似度を超えていなかった場合(ステップS21:NO)、ステップS23へと移行する。
ステップS23において、逐次処理が右下端まで終了した場合(ステップS23:YES)、CPU11はRAM13に格納された当該パターンマッチングの最大類似度が所定の閾値未満かどうか判定する(ステップS24)。類似度が閾値未満でない場合即ち類似度が閾値以上となった場合(ステップS24:NO)、ボタンB2はボタンB1と同種かつ同じ向きであると判定される(ステップS25)。一方、ステップS15で類似度が閾値未満だった場合(ステップS24:YES)、ボタンB2はボタンB1と異なる面が上向きあるいはボタンB1とは異なるボタンであると判定する(ステップS26)。また、ステップS23において逐次処理が右下端まで終了していない場合(ステップS23:NO)、ステップS14に戻る。
なお、パターンマッチングで類似度が所定の閾値以上となった時点で処理を終了するか、最大の類似度と所定の閾値とを比較するかの選択は、図示しない設定スイッチを操作することで選択可能となっている。
また、上述の判定画像領域取得(ステップS13)を省略して画像領域P2全体に対してテンプレート画像領域T1によるパターンマッチングを行ってもよい。その場合、上述の図6及び図7を用いた説明における「判定画像領域T2」は「画像領域P2」と読み替える。
(結果通知工程)
次に、図3のステップS4に示す結果通知工程について詳説する。結果通知工程では、CPU11はボタンB2の表裏判定の結果をモニタ4に表示する。
なお、本実施の形態では結果通知をモニタ4による表示で行っているが、他の表示手段や報知手段によってもよい。例えば、ボタンB2がボタンB1と異なる面が上向きあるいはボタンB1とは異なるボタンであると判定された場合にはブザーを鳴らしてオペレータに知らせるようにしてもよい。
なお、表裏判定工程においてボタンB2がボタンB1と異なる面が上向きあるいはボタンB1とは異なるボタンであると判定された場合、CPU11はボタン搬送部の動作を停止させて当該ボタンB2がボタン付けミシンのボタン保持部に供給されないようにするための判定信号を出力してもよい。また、ボタンB2がボタンB1と異なる面が上向きあるいはボタンB1とは異なるボタンであると判定された場合に当該ボタンB2を自動的にふるい落としてボタン保持部に搬送させない構成を設け、ボタン保持部に供給されるボタンがボタンB1と同種かつ同種の向きであるボタンB2のみとなるように判定結果に基づく判定信号を出力してもよい。
(ボタン画像認識装置の動作)
ボタン画像認識装置1は、ボタンB2が一つずつ搬送されてボタンB1とほぼ横並びに位置し、かつボタンB1、B2が共にカメラ2の撮像範囲内となる度に上述の図3に示すステップS1〜S4の処理を行う。つまり、ステップS1のボタン撮像工程におけるボタンB1、B2の撮像はボタンB2が入れ替わる度に毎回行われる。従って、表又は裏の基準となるボタンB1を撮像する「第1の撮像工程」は、表裏を判定する対象となるボタンB2を撮像する「第2の撮像工程」が行われるのと同時に毎回行われる。
また、ステップS3の表裏判定処理は、上述の図5又は図7に示すフローチャートに従って、設定スイッチによって設定された側の処理が行われる。
(作用効果)
上述の実施の形態によれば、ボタン撮像工程にてボタンB1を撮像する「第1の撮像工程」とボタンB2を撮像する「第2の撮像工程」とを同時に行う。よって、表裏を判定したいボタンB2の判定元画像となるテンプレート画像領域T1に相当する画像があらかじめボタン画像認識装置1のROM12又はEEPROM14に記憶されていなくてもよく、表裏を判定したいボタンB2の撮像と同様の要領でボタンB1の撮像を行えば事足りる。
また、第1の撮像工程は第2の撮像工程と同時に行うので、ボタンB1,B2に対する照明3の光の照射の具合をほぼ同様とすることで、テンプレート画像領域T1と判定画像領域T2又はボタンB2を含む画像領域P2の照明等の条件を同様にすることが可能となる。従って、判定元画像を撮像した際にボタンに照射されていた照明等の諸条件が変化すると、同種かつ表裏が正しい向きのボタンであっても画像の近似の度合いが一定以上とならずにエラーとなることがあるといった従来の問題点を解消することができ、より好適にボタンの表裏判定を行える。
さらに、カメラ2による撮像時にはボタンB1とボタンB2とが並んで配置される位置関係のときに撮像する。よって、各ボタンの撮像時の照明3の光の照射の具合をほぼ同一とすることが可能となる。従って、判定元画像を撮像した際にボタンに照射されていた照明等の諸条件が変化すると、同種かつ表裏が正しい向きのボタンであっても画像の近似の度合いが一定以上とならずにエラーとなることがあるといった従来の問題点を解消することができ、より好適にボタンの表裏判定を行える。
さらに、1台のカメラ2でボタンB1とボタンB2とを撮像するので、1台のカメラ2の動作制御によって第1の撮像工程と第2の撮像工程を同時に行える。従って、第1の撮像工程と第2の撮像工程とを個別に行う場合に比してその工程が短縮され、より円滑にボタンの表裏判定を行える。
さらに、ボタンB1の撮像は、ボタンB2が入れ替わる度に毎回行う。よって、各ボタンの照明条件等がほぼ同一となる。従って、判定元画像を撮像した際にボタンに照射されていた照明等の諸条件が変化すると、同種かつ表裏が正しい向きのボタンであっても画像の近似の度合いが一定以上とならずにエラーとなることがあるといった従来の問題点を解消することができ、より好適にボタンの表裏判定を行える。
(その他)
なお、上述の実施の形態におけるボタン画像認識装置1では、カメラ2はボタンB1,B2の両方を含む1枚の撮像画像Gを撮像するよう設けられているが、他の形態を取ってもよい。以下、図8及び図9を用いて他の形態の例について詳説する。
例えば、カメラを2つ設けてもよい。図8は2つのカメラ2A,2Bを用いてボタンB1,B2を撮像する場合を示す説明図である。図8(a)はカメラ2A,2BとボタンB1,B2の配置の関係を、図8(b)はカメラ2Aによる撮像画像G1を、図8(c)はカメラ2Bによる撮像画像G2を示す。図8に示すように、2つのカメラ2A,2Bを用いてボタンB1,B2を撮像する場合、カメラ2Aでその撮像範囲にボタンB1を含む撮像画像G1を、カメラ2Bでその撮像範囲にボタンB2を含む撮像画像G2を撮像する。つまり、ボタンB1を撮像するカメラ2AとボタンB2を撮像するカメラ2Bとは異なるカメラとなる。この場合、ボタンB1とボタンB2を並べて配置しなくてもよくなり、ボタン画像認識装置の設計の自由度が高まる。なお、2つのカメラ2A,2Bを用いる場合、カメラ2Aの撮像画像G1の範囲からボタンB1を含むテンプレート画像領域T1を取得し、カメラ2Bの撮像画像G2の範囲又はカメラ2Bの撮像画像G2の範囲から取得されたボタンB2を含む判定画像領域T2に対してテンプレートマッチングを行う。この場合、上述の実施の形態の効果に加えて、一つのカメラ2で各ボタンを撮像する場合に比して、ボタンB1とボタンB2の配置関係の自由度が大幅に向上する。
また、ボタンB1,B2の側方にカメラ2を設けて撮像してもよい。図9はボタンB1,B2の側方にカメラ2を設けた場合を示す説明図である。図9(a)はカメラ2とボタンB1,B2の配置の関係を、図9(b)はカメラ2による撮像画像G3を示す。図9(a)に示すように、ボタンB1,B2の側方にカメラを設けた場合、ボタンB1,B2は表又は裏面の面積よりもその側方の面積の方が小さいので、ボタンB1,B2を側方から撮像することで、上方から撮像する場合に比してテンプレート画像領域T1及び判定画像領域T2の画素数を小さくすることが可能となる。よって、テンプレートマッチングに要する時間を短縮でき、より好適にボタンの表裏判定を行える。
なお、2つのカメラ2A,2Bを用いてその一方がボタンB1を,他方がボタンB2を側方から撮像するようにしてもよい。この場合、さらに上述の異なるカメラを用いてボタンB1,B2を撮像する場合の効果も得られる。
また、カメラ2の撮像範囲にひとつのボタンが収まる配置としてもよい。この場合、逐次供給されるボタンB2がカメラ2によって撮像されることとなる。ただし、最初の1回目の画像撮像時にはボタン搬送部に手動でボタンB1を所定位置に置き、ボタンB1をカメラ2で撮像するようにする。このとき、ボタンB1は一方の面(例えば表面)を上向きにする。ボタンB1は逐次搬送されるボタンB2と同種であり、かつ、一方の面が上向きであるので、そのままボタン付けミシンのボタン保持部に供給してしまってもよいし、撮像後に取り除いてもよい。CPU11は、ボタンB1の撮像画像からボタンB1を含むテンプレート画像領域T1を取得し、RAM13に格納する。
その後、ボタンB2が逐次供給されるが、カメラ2はまずボタンB1の撮像後最初にボ撮像範囲に入ったボタンB2を撮像する。その後、CPU11は、RAM13に格納されたテンプレート画像領域T1によって、ボタンB2の撮像画像又はボタンB2の撮像画像の範囲から取得されたボタンB2を含む判定画像領域T2に対してテンプレートマッチングを行う。その結果、類似度が所定の閾値以上となってボタンB2がボタンB1と同種、かつ、ボタンB2の向きがボタンB1と同一であった場合には、CPU11は当該ボタンB2の判定画像領域T2をRAM13に格納して、その次に撮像されるボタンB2に対するテンプレート画像領域T1として用いる。つまり、ボタンB1を撮像した「第1の撮像工程」で得られた撮像画像からのテンプレート画像領域T1と、ボタンB2を撮像した「第2の撮像工程」で得られた撮像画像又はボタンB2の撮像画像の範囲から取得されたボタンB2を含む判定画像領域T2とが所定以上近似していた場合、当該第2の撮像工程で得られた撮像画像を次の第1の撮像工程の撮像画像とする。このとき、テンプレート画像領域T1とボタンB2の撮像領域全体とのパターンマッチングを行っていた場合は、ボタンB2の画像領域に対して輪郭検出処理等を行ってボタンB2の撮像領域からテンプレート画像領域T1として用いるための画像領域決定処理を行う必要がある。また、ボタンB2が所定以上近似していなかった場合は、その時の第1の撮像工程の撮像画像によるテンプレート画像領域T1を次のボタンB2の表裏判定に引き続き用いる。
この場合、一度ボタンB2の表裏判定が始まれば以降はボタンB2の撮像のみを行えばよい。従って、毎回ボタンB1の撮像も行う場合に比してカメラ2の撮像範囲が小さくてもよいので、テンプレートマッチングにおける各種画像処理の負荷が軽減される。よって、より円滑にボタンの表裏判定を行える。
加えて、ボタンB1を配置するためのスペースが必要なく、ボタン画像認識装置1をコンパクトにできる。
なお、カメラ2は、各ボタンの上方から撮像する配置でもよいし、側方から撮像する配置でもよい。
また、テンプレート画像領域T1はボタンB1の一部であってもよいし、テンプレート画像領域T1にあらかじめ加工を加えてもよい。図10はテンプレート画像領域T1の他の実施例を示す説明図である。図10(a)はボタン穴を除いた領域を用いる例、図10(b)はボタンB1の一部を用いる例、図10(c)はボタンB1のボタン穴を画像加工により塞いだ例を示す。
例えば、図10(a)に示すように、ボタンB2の回転によりボタンの位置関係が変化し、撮像画像に写るボタンの視覚的特徴が変わりうる画像領域T3を除いた範囲をテンプレート画像領域T1としてもよい。また、図10(b)に示すように、ボタンB1の一部をテンプレート画像領域T1としてもよい。また、図10(c)に示すように、テンプレート画像領域T1内の画像領域T3の画素を当該ボタン穴の周囲のボタンB1の画素の明暗あるいは色分布と同様の画素に置き換えることでボタン穴を塞いでしまってもよい。なお、ボタンB1の一部をテンプレート画像領域T1とする場合、当該テンプレート領域にボタンB1、B2の表裏が識別可能な視覚的特徴を有する部分(例えば凹部Cによる段差のコントラストC1)が含まれている必要がある。
これによって、例えば図10(a)、(b)に示す範囲をテンプレート画像領域T1とした場合は、ボタンB1全体をテンプレート画像領域T1に含める場合に比して画素数を小さくすることが可能となる。よって、テンプレートマッチングに要する負荷を軽減すると共にその処理時間を短縮でき、より好適にボタンの表裏判定を行える。
また、ボタンB1とボタンB2との間でボタン穴の位置関係に差異があった場合、表裏判定のテンプレートマッチングにおいてボタン穴の位置関係の差異によって類似度が所定の閾値以上とならずに異なる面(あるいは異なるボタン)と判定されてしまう可能性がある。そこで、図10(a)〜(c)に示すテンプレート画像領域T1を用いることで、ボタン穴の位置関係の差異によるテンプレートマッチングの類似度の低減を防止することが可能となる。よって、より好適にボタンの表裏判定を行える。
また、ボタンB1,B2は上述の実施の形態に示す形状に限らないことは言うまでもない。ただし、カメラによる撮像をボタンの一方の面に対して行う場合はボタンの表裏が視覚的に識別可能である必要がある。また、カメラによる撮像をボタンの側方から行う場合はボタンを側方から見た場合に表裏が識別可能である必要がある。
また、過去に撮像された撮像画像のテンプレート画像領域T1をEEPROM14に記憶しておき、その都度撮像されるテンプレート画像領域T1と平均化する処理を行ってその平均化後の画像と表裏を判定する対象となるボタンB2を含む判定画像領域T2とのパターンマッチングを行うようにしてもよい。また、平均化を行わずとも、その都度撮像されるボタンB1のテンプレート画像領域T1とボタンB2を含む判定画像領域T2とのパターンマッチングに加えて過去のテンプレート画像領域T1とボタンB2を含む判定画像領域T2とのパターンマッチングをさらに行うようにしてもよい。
また、本発明によるボタンの表裏判定方法を実施可能な構成であれば、当該方法を実施するための構成は上述の実施の形態に限定されないことは言うまでもない。例えば、カメラ2による各ボタンの撮像とA/Dコンバータ15による撮像画像のアナログ/デジタル変換はイメージセンサ(例えばCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等)によるデジタル画像イメージの取得に置き換えてもよい。
本発明によるボタンの表裏判定方法で用いるボタン画像認識装置の主要構成を示すブロック図である。 ボタンの表面及び裏面を示す説明図である。図2(a)はボタンB1の表面を、図2(b)はボタンの裏面を示す。 ボタン画像認識装置の動作を示すフローチャートである。 カメラによるボタン、の撮像画像を示す説明図である。 パターンマッチングの仕組みを示す説明図である。 パターンマッチングで類似度が所定の閾値以上となった時点で処理を終了する場合を示すフローチャートである。 最大の類似度と所定の閾値との比較を行う場合を示すフローチャートである。 2つのカメラを用いてボタンを撮像する場合を示す説明図である。図8(a)はカメラとボタンの配置の関係を、図8(b)はカメラ2Aによる撮像画像G1を、図8(c)はカメラ2Bによる撮像画像G2を示す。 ボタンの側方にカメラを設けた場合を示す説明図である。図9(a)はカメラとボタンの配置の関係を、図9(b)はカメラによる撮像画像を示す。 テンプレート画像領域の他の実施例を示す説明図である。図10(a)はボタン穴を除いた領域を用いる例、図10(b)はボタンの一部を用いる例、図10(c)はボタンのボタン穴を画像加工により塞いだ例を示す。
符号の説明
2 カメラ
10 画像処理装置
11 CPU
14 EEPROM
B1,B2 ボタン

Claims (7)

  1. カメラでボタンを撮像し、その撮像画像からボタンの表裏を判定するボタンの表裏判定方法において、
    表又は裏の基準となるボタンを前記カメラで撮像する第1の撮像工程と、
    表裏を判定する対象となるボタンを撮像する第2の撮像工程と、
    前記第1の撮像工程で得られた撮像画像と前記第2の撮像工程で得られた撮像画像とから前記第2の撮像画像に写ったボタンの表裏を判定する判定工程と、を有し、
    前記第1の撮像工程は、前記第2の撮像工程と同時又は前記第2の撮像工程の直前に行うことを特徴とするボタンの表裏判定方法。
  2. 前記第1の撮像工程は、前記第2の撮像工程を行うのと同時又は前記第2の撮像工程を行う直前に毎回行うことを特徴とする請求項1に記載のボタンの表裏判定方法。
  3. 表又は裏の基準となるボタンと表裏を判定する対象となるボタンとを並べて配置し、ひとつのカメラで当該表又は裏の基準となるボタンと表裏を判定する対象となるボタンを同時に撮像することを特徴とする請求項1又は2に記載のボタンの表裏判定方法。
  4. 前記第1の撮像工程と前記第2の撮像工程は、異なるカメラによって行われることを特徴とする請求項1又は2に記載のボタンの表裏判定方法。
  5. 前記第1の撮像工程で得られた撮像画像と前記第2の撮像工程で得られた撮像画像とが所定以上近似していた場合、当該第2の撮像工程で得られた撮像画像を次の第1の撮像工程の撮像画像とすることを特徴とする請求項1に記載のボタンの表裏判定方法。
  6. 前記第1の撮像工程及び前記第2の撮像工程は、前記ボタンを側方から撮像することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のボタンの表裏判定方法。
  7. 前記第1の撮像工程で得られた撮像画像の一部又は一部を加工した画像を用いてボタンの表裏の判定を行うことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のボタンの表裏判定方法。
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