JP5084056B2 - 帯域幅効率に優れたワイヤレスネットワークモデム - Google Patents

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Description

本発明は、ワイヤレスネットワークに関し、特に、割り当て周波数帯域幅の効率的使用が望ましいワイヤレスネットワーク用のワイヤレスデジタル信号復調器および変調器に関する。
本願は、2002年11月19日提出の米国仮出願第60/427,495号の利益を主張する。加えて、本願は、2001年4月18日提出の米国仮出願第60/284,629号の利益を主張する2002年4月18日提出の米国出願第10/125,241号の一部継続出願である。加えて本願は、2003年5月30日提出のPCT出願第(未知)号「帯域幅効率に優れたケーブルネットワークモデム」代理人整理番号20020032−PCTに関連する。これらの出願は、それぞれ、出典を明示することによりその開示内容全体を本願明細書の一部とする。
ワイヤレスネットワークは、コンピュータとその他の電子デバイスとの間の通信を容易にするために利用されている。二位相偏移変調(BPSK,binary phase shift keying)または四位相偏移変調(QPSK,quadrature phase shift keying)のようなデジタル変調信号は、様々なネットワークノード間で送信される。例には、端末が衛星トランスポンダを介して送信を行う衛星通信ネットワークと、端末が中継タワーを介して送信を行う地上要素と、端末が中央中継要素またはハブを介して送信を行う屋内ローカルエリアネットワークとが含まれる。各事例において、デジタルデータは、通信に対する何らかの制御と共に、ワイヤレス送信を介して交換される。こうしたネットワークに接続されたコンピュータ要素は、様々なユーザサービスを提供する。例には、デジタル音声エンコーディングによる電話トラフィックと、ビデオ会議と、ワイドエリアネットワーク接続と、インターネットサービスとが含まれる。
ネットワーク要素を通信チャネルへ効率的に区分する様々な方式が存在する。周波数分割多元接続(FDMA,frequency domain multiple access)方式では、別個の重複しない周波数帯域を各端末に割り当てる。時分割多元接続(TDMA, time domain multiple access)方式では、別個の重複しないタイムスロットを各端末に割り当てる。符号分割多元接続(CDMA, code division multiple access)方式では、各端末間の相互相関が無視できるように、別個の変調波形を各端末に割り当てる。こうした各方式は、過剰な信号マージンを検出する手段と、干渉が存在する状態で信号を復調する手段とが提供された場合に、より多くの通信者が、十分な信号対ノイズ強度またはコーディング冗長性のもとで、割り当て帯域幅を使用できる、という意味において、非効率的である。
例えば、FDMAは、信号の送信出力を単一の無線周波数帯域に集中させる通信チャネルによるものである。隣接チャネルからの干渉は、帯域通過フィルタの使用により制限される。しかしながら、異なる周波数を割り当てた各チャネルについて、システム容量は、利用可能な周波数と、チャネル再利用により課せられる制限とによって制限される。TDMAシステムにおいて、チャネルは、同じ周波数上で、周期的な一連の時間間隔の合間のタイムスロットまたはフレームにより構成され、一定の信号のエネルギは、こうしたタイムスロットの一つに閉じ込められる。隣接チャネルの干渉は、適切な時点で受領した信号エネルギのみを通過させる時間ゲートまたはその他の同期要素の使用によって制限される。しかしながら、各チャネルに異なるタイムスロットが割り当てられるため、システム容量は、利用可能なタイムスロットと、チャネル再利用により課せられる制限とによって制限される。
FDMAおよびTDMAの目的の一つは、干渉の可能性のある二つの信号が同時に同じ周波数を占有するのを防止するよう試みることである。対照的にCDMA手法では、時間と周波数との両方において、信号は重複可能である。CDMA信号は、同じ周波数スペクトルを共有し、周波数または時間領域において、CDMA信号は、互いに重複するように見える。CDMAの使用は、重複のないTDMA/FDMAシステムに比べて、容量を大幅に増加させ、高ビットレートデコーダによる優れた音声送信を可能にする。CDMAは、更に、可変データレートを提供し、多様なグレードの音声品質の提供を可能にする。最後に、CDMAのスクランブル信号形式は、クロストークを排除し、通話の盗聴またはモニタをより困難にするため、高いセキュリティを提供する。
CDMAシステムにおいて、各信号は、拡散スペクトル手法を使用して送信される。送信情報データストリームは、シグネチャシーケンスと呼ばれる遙かに高いレートのデータストリームに印加される。シグネチャシーケンスデータのビットストリームは、通常、バイナリであり、ランダムに見える疑似雑音プロセスを使用して生成可能であり、認定レシーバによって複製できる。情報データストリームと高ビットレートのシグネチャシーケンスストリームとは、二つのビットストリームのバイナリ値が+1または1によって表現されると仮定して、二つのビットストリームを互いに乗算することで組み合わせる。この高いビットレートのシグネチャ信号と低いビットレートのデータストリームとの組み合わせは、情報データストリーム信号の拡散と呼ばれる。各情報データストリームまたはチャネルには、一意のシグネチャシーケンスが割り当てられる。
動作中、BPSKまたはQPSK信号といった複数の拡散情報信号は、無線周波数(RF)搬送波を変調し、レシーバにおいて複合信号として共に受信される。拡散信号のそれぞれは、周波数と時間との両方において、他の全ての拡散信号、およびノイズ関連信号に重複する。レシーバは、複合信号を一意のシグネチャシーケンスの一つに相関させ、対応する情報信号は分離され、拡散が解消する。
米国特許6,226,277号公報 米国特許6,408,019号公報 米国特許6,240,099号公報
マルチユーザレシーバは、良好な伝搬条件によって十分な信号対ノイズマージンが提供される場合、同じFDMA、TDMA、CDMA、またはその他のチャネルを多数の通信者で共有可能にすることで、信号密度を更に向上させる。マージンが存在する時、機能的マルチユーザレシーバは、同じチャネルを共有し互いに干渉しあう複数の通信者が存在する状態で、所望のトランスミッタの復調に成功する。マルチユーザレシーバは試行されてきたが、しかしながら、全般的な欠陥も存在した。マルチユーザのアプローチの一つでは、全ユーザ信号を初期段階で復調し、各ユーザのための干渉レプリカを形成する。その後の処理において、所望の信号以外の全ての干渉レプリカを、受信した入力信号から減算し、干渉を除去する。その後の段階において、初期段階で取得した信号を使用することで、所望の信号について、再度、復調が行われる。結果として、ユーザ信号の品質は、初期段階と比較して改善され、このプロセスを多段階構造により数回反復することで、干渉キャンセル特性が徐々に改善されることは容易に理解される。別のレシーバでは、干渉をキャンセルするために直列構造を利用する。各段階で干渉キャンセルを実行する時、干渉レプリカは、ステージ間で転送され、干渉レプリカがメモリに格納される。ここでの欠陥は、連続的なキャンセルを実現可能にするために、信号が実質的に異なる振幅を有する必要があることである。干渉振幅は任意であるため、この状況は、まれにしか発生しない。更に、連続的な干渉キャンセルは、残りの信号を歪ませる傾向にあり、何らかの時点において、対象となる信号は、キャンセルプロセスによって回復不能となる。
したがって、必要なものは、マルチユーザレシーバで発生し得るチャネル密度を利用可能な、帯域幅効率に優れたワイヤレスネットワークモデムである。更に一般的な意味においては、割り当て周波数帯域幅の効率的な使用が望ましいワイヤレスネットワーク用のワイヤレスデジタル信号復調器/変調器の必要性が存在する。
本発明の一実施形態は、ポーリングポイントコーディネータ・アクセスポイント(AP)要素として指定された少なくとも一つのモデムを伴う、本発明の原理に従って構成された帯域幅効率に優れた複数のモデムを含むマルチユーザネットワークにおいて、ポーリングおよびスケジューリングを行う方法を提供する。方法は、無競合期間の開始を示すステップと、ポーリング信号の第一のセットを単一のチャネルで同時送信するステップとを含む。各ポーリング信号は、ネットワークに含まれる端末の第一のセットに含まれる特定の端末に対応する。方法は、ポーリングされた端末の第一のセットからの二つ以上の同時応答を受信するステップと、AP要素の共同チャネル復調機能を使用して、前記二つ以上の同時応答のそれぞれを回復するステップとへ進む。方法は、更に、受信した応答の指示に従って、データの送信を要求した任意の端末に対して、送信可メッセージを送信するステップを含んでもよい。受信モデムがマルチユーザレシーバ(MUD対応)を含む時、AP要素は、チャネルを共有する他のトランスミッタからの干渉が存在する状態でマルチユーザレシーバが信号を復調する能力を利用して、同じチャネルにおける多数の干渉データ送信をスケジュールすることに留意されたい。
そのような一実施形態において、回復するステップの後には、複数の応答端末に対して確認応答信号を同時送信するステップが続く。回復するステップの後には、更に、二つ以上の端末の次のセットに対して、ポーリング信号の次のセットを同時送信するステップと、ポーリングされた端末の次のセットからの二つ以上の同時応答を受信するステップとが続いてもよい。要求された場合、データ送信チャネルは、干渉トランスミッタが存在する状態で送信を復調するモデムの能力に従ってスケジュールされる。ここで、方法は、AP要素の共同チャネル復調機能を使用して、前記二つ以上の同時応答のそれぞれを回復するステップへ継続される。こうしたステップは、例えば、無競合期間の終了まで反復してよい。
本発明の別の実施形態は、非同期パケットデータのベストエフォート配信を提供するために分散調整機能(DCF,distributed coordination function)を実施するように構成された帯域幅効率に優れた複数のモデムを含むマルチユーザネットワークにおいてポーリングおよびスケジューリングを行う方法を提供する。方法は、二つ以上の端末が、複数の送信先モデムの第一のセットに対して、単一のチャネルで送信要求(RTS)メッセージを同時送信するステップと、送信要求のモデムのそれぞれにおいて、送信先モデムの第一のセットからの送信可(CTS)メッセージを同時受信するステップとを含む。送信先端末は、マルチユーザレシーバを使用してチャネル内の干渉信号を除去することでRTSメッセージの復調に成功することに留意されたい。こうした送信先端末は、次に、送信可メッセージを同時送信する。方法は、対応する要求のモデムの共同チャネル復調機能を使用して対応する各CTSメッセージを回復するステップへ進む。方法は、要求の各モデムがそれぞれのデータをネットワークへ同時送信するステップと、対応する各送信先モデムが共同チャネル復調機能を使用して、対応データを回復するステップへと続く。こうしたステップは、送信先モデムの次の一つ以上のセットのために反復してよい。
こうした一実施形態において、方法は、ネットワークに含まれる他のモデムの一つ以上が帯域幅効率に優れており、したがって(共同チャネル復調機能を活用する)積極的アクセスプロトコルが可能であることを各モデムが検出する予備的ステップと、ネットワークに含まれる少なくとも一対の通信モデムを、レガシプロトコルモードから、帯域幅効率に優れた積極的アクセスプロトコルモードへ切り換える予備的ステップとを含む。別のこうした実施形態において、方法は、ネットワーク内の特定の各モデムが可能な動作モード(レガシプロトコルモードおよび帯域幅効率に優れた積極的アクセスプロトコルモード)を各モデムが適応的に学習するステップと、学習したモードの動作を格納するステップとを含む。
本発明の別の実施形態は、干渉およびノイズが存在する状態で、複数のモデムを含むマルチユーザワイヤレスネットワークにおいて帯域幅の効率的使用を可能にするモデムを提供する。モデムは、共同チャネル復調を使用して、K個のワイヤレス送信信号を同時に復調および回復するのに適したマルチユーザ検出モジュールを含む。データフォーマットモジュールは、マルチユーザ検出モジュールと適切に作用可能に結合され、K個の回復信号の少なくとも一つについて、ネットワークデータパケットを生成するのに適している。制御プロセッサは、フォーマットモジュールと適切に作用可能に結合され、K個の回復信号の少なくとも一つがどのプロトコルモードで送信されたかを検出するのに適しており、更に、レガシプロトコルモードと、モデムの共同チャネル復調機能を活用する帯域幅効率に優れた積極的アクセスプロトコルモードと、の一方を含む対応する送信モードを可能にするのに適している。デマルチプレクサは、データフォーマットモジュールおよび制御プロセッサと適切に作用可能に結合され、回復したK個のワイヤレス送信信号の一つを、モデムに関連づけられたユーザ向けのターゲット信号として選択するのに適している。選択は、制御プロセッサからの制御入力に基づく。モデムは、更に、K個のワイヤレス送信信号を同時受信するのに適し、マルチユーザ検出モジュールによる後続処理を容易にする形態で、こうした信号を提供するのに適したフロントエンドを含んでもよい。
こうした実施形態の一つにおいて、データフォーマットモジュールは、複数のタイプのフォーマットモードをサポートし、制御プロセッサは、データフォーマットモジュールが動作するフォーマットモードを選択するように構成される。通信に使用しているモデムが帯域幅効率に優れた積極的アクセスプロトコルモードをサポートしないことを制御プロセッサが知ることに応答して、制御プロセッサは、更にレガシプロトコルモードを可能にし、これにより下位互換性を提供してもよい。
本発明の別の実施形態は、グローバルタイマとして動作するポーリングポイントコーディネータ・アクセスポイント(AP)要素として指定された少なくとも一つのモデムを伴う、帯域幅効率に優れた複数のモデムを含むマルチユーザネットワークにおいてポーリングおよびスケジューリングを行う方法を提供する。方法は、フレーム開始を示すAP要素からのビーコン信号を受信するステップを含み、フレームは間隔を有する。方法は、更に、チャネル内で、データ送信に利用可能な開放スロットを特定するために、ネットワークに含まれる他のモデムの現在のブロードキャスト活動をモニタするステップを含み、チャネルでは二つ以上のモデムが同時に送信可能となる。開放スロットを特定することと、送信待ち行列内で次であることに応答して、方法は、開放スロットにおいてデータを送信するステップへ進む。
こうした一実施形態において、送信待ち行列は、ラウンドロビン方式に基づき、ネットワークに含まれる各モデムには、送信優先順位を割り当てられる。他の形態において、送信待ち行列は、ビーコン信号に含まれる優先情報に基づく。モニタリングおよび送信のステップは、フレームを終了させるグローバル信号がAP要素から受信されるまで反復できる。
本明細書で説明する特徴および利点は、包括的なものではなく、特に、多くの付加的特徴および利点は、図面、明細書、および特許請求の範囲を考慮すると、当業者には自明であろう。更に、本明細書に使用された用語は、読みやすさおよび教示の目的から選択されており、発明の対象の範囲を限定するものではないことに留意されたい。
本発明の一実施形態による、無線周波数帯域の共同チャネル信号を復調/変調するために構成されたモデムのブロック図 本発明の一実施形態による、光学/IR帯域の共同チャネル信号を復調/変調するために構成されたモデムのブロック図 本発明の一実施形態による、無線周波数帯域の干渉光学波形を光学MUDデバイスがどのように分解するかを例示する図 本発明の一実施形態による、ネットワーク容量および信頼性を高めるために帯域幅効率に優れたネットワークモデムを使用した共同チャネル復調を利用する中央ネットワーク要素によるポーリングおよびスケジューリングのためのタイミング図 本発明の一実施形態による、ネットワーク容量および信頼性を高めるために共同チャネル復調を利用すると同時に、共同チャネル復調を利用できないレガシネットワーク端末に対応する、中央ネットワーク要素によるポーリングおよびスケジューリングのためのタイミング図 本発明の一実施形態による、ネットワーク容量および信頼性を高めるために共同チャネル復調を利用し、これにより、RTS/CTSスケジューリングのオーバヘッドを排除する、中央ネットワーク要素によるポーリングおよびスケジューリングのためのタイミング図 本発明の一実施形態による、一部のネットワーク要素が共同チャネル復調を利用する時に非同期分散調整機能を使用するネットワーク通信のタイミング図 本発明の一実施形態による、多数のユーザと複数の帯域幅効率に優れたモデムとを含む通信ネットワークにおいてポーリングおよびスケジューリングを行う方法を例示する図 本発明の別の実施形態による、多数のユーザと複数の帯域幅効率に優れたモデムとを含む通信ネットワークにおいてポーリングおよびスケジューリングを行う方法を例示する図 本発明の別の実施形態による、多数のユーザと複数の帯域幅効率に優れたモデムとを含む通信ネットワークにおいてポーリングおよびスケジューリングを行う方法を例示する図 隠れた端末の構成の例を示す図 中央制御要素を有していない「アドホック」編成を有するネットワークを例示する図 中央アクセスポイント編成を有するネットワークを例示する図 IEEE 802.11プロトコルによるフレーム形式を例示する図 媒体へのアクセスがフレームの送信間のフレーム間スペース間隔を使用して制御される、基本チャネルアクセス方法を例示する図 RTS/CTSプロトコルを例示するタイミング図 多数のフレームパケットに渡って延びる大きなデータブロックの送信のためのフラグメント送信を例示するタイミング図 ポーリングポイントコーディネータ・アクセスポイントによって、無競合フレーム転送が提供される、ポイント調整機能を例示するタイミング図 無競合期間中に中央アクセスポイントがネットワークをポーリング可能なPCFポーリングを例示するタイミング図 無競合期間中に中央アクセスポイントがネットワークをポーリング可能なPCFポーリングを例示するタイミング図
本発明の実施形態は、周波数帯域幅の効率的使用が望ましいワイヤレスネットワークのためのワイヤレスデジタル信号復調器/変調器を提供する。特定の一実施形態では、帯域幅効率に優れたワイヤレスネットワークモデムが提供される。ネットワークは、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはワイヤレスモデムが互いに通信可能となる任意のネットワークにしてよい。モデムは、既存のネットワークデバイスとの相互運用性を維持するのに必要な機能を含む。本発明の実施形態を説明する前に、図8ないし16bを参照して、一般的なワイヤレスネットワークおよび構成に関するいくつかの背景情報を提供する。
一般的なワイヤレスネットワークの要件および構成
ワイヤレスネットワークに一般的に課せられる要件には、ネットワーク要素による通信のための共通周波数帯域の割り当てが含まれる。現在、一般的な周波数範囲は、900MHzないし30GHz以上である。一般には、意図的にまたは意図せずに同じ周波数で送信を行う他の無線周波数ソースからの干渉に対する耐性をネットワークに与えるための手段が提供される。一部のケースでは、干渉は、同じ周波数で同一の機器を動作させる他のネットワークによるものとなる。ダイレクトシーケンス変調または周波数ホッピングのような拡散スペクトル手法を使用して、干渉を軽減してよい。
別の一般的な要件は、ネットワーク内の全要素の活動を感知できないことから、二つのネットワーク要素が偶然同時に送信を行った状況に対処する手段を、ネットワークが提供しなければならないことである。この状況は、隠れた端末の問題と呼ばれる。隠れた端末の構成の例は、図8に図示している。ここでは、三台の端末が、分散ワイヤレスネットワークの一部として通信を行っている。障害物810が存在するため、端末805aおよび805cは、直接通信できない。したがって、端末805aおよび805cの両方が端末805bへのデータ送信を試みた場合、両端末は、互いのパケットの存在を検出できず、端末805bでの無制御の干渉につながる。こうした干渉は、二つの干渉信号を同時に復調可能な、本発明の帯域幅効率に優れたモデムにより上手く対処可能である。
別の一般的要件は、マルチパスフェーディング、大気減衰、および分散を含む劣化した伝搬が存在する状態で、ネットワークレシーバが動作できなくてはならないことである。一部のネットワークにおいて、こうした条件は、移動車両からの送信によって増大する。一般的なビットエラー要件は、音声パケットでは10-2であり、データパケットでは10-5である。自動再送要求(ARQ,automatic repeat request)プロトコルおよびエラー訂正コードを使用して、信頼性を高める場合が多い。現在のネットワークスループットレートは、屋内ワイヤレスLANの総容量について、毎秒百万ないし二千万ビットである。屋外ポイントツーポイントネットワークと、予測される衛星ネットワークとでのレートは、大幅に高くなる。光学ネットワークは、毎秒数十憶ビットを伝播し得る。技術の向上と共に、より高いネットワークスループが予想される。
こうした要件のそれぞれは、システムにおいて、小型ネットワーク要素での電力の制約と共に課せられる場合が多い。したがって、効率的な実施も強制される場合が多い。
現在の一部のネットワークは、多数のプロトコルを利用して、多様なネットワーク要素間の互換性を確保する一方で、効率的な通信のための手段を提供する。例えば、IEEE 802.11ネットワークプロトコルは、非同期パケットデータのベストエフォート配信を提供する分散調整機能(DCF,distributed coordinate function)を定めている。このプロトコルでは、任意のネットワークデバイスが非同期データ転送モードにより他の任意のネットワークデバイスと通信可能な状態を確保する。加えて、全てまたは一部のネットワーク要素では、更に効率的なデータ転送が望ましい場合があると認識されている。この機能を提供するために、この特定のネットワークプロトコルは、更に、ポイント調整機能(PCF,Point Coordination Function)を定めている。このプロトコルは、ネットワークアクセスポイントにより制御されるポーリングに基づく。このプロトコルは、遅延に敏感なデータの送信用に設計されている。ネットワーク対応レシーバ用のIEEE 802.11規格では、PCFをオプションとして残している。ポーリングの実施の詳細も、製造者に任されている。
現在の多くのネットワークは、中央制御要素が存在しない「アドホック」編成を提供する。「アドホック」ネットワークは、図9に図示している。ここでは、一組の端末905aないしd(基本サービスセットまたはBSS(basic service set)と呼ばれる場合がある)が、各端末をネットワーク内の他の端末に接続するワイヤレス通信リンクと共に図示されている。ネットワーク端末の例には、パーソナルコンピュータと、携帯情報端末と、プリンタと、携帯電話と、サーバコンピュータと、多機能デバイスとが含まれる。ネットワークサービスの例には、電子メールサービスと、その他のメッセージサービスと、音楽サービスと、データファイルサービスと、音声サービスとが含まれる。
原則として、ワイヤレス「アドホック」ネットワーク内の全ての端末は、他の全ての端末と通信できる。これは、各端末がネットワーク内の他の全ての端末に関するフィールド内に存在するべきであることを意味する。これは更に、端末がネットワーク内の他の全ての端末に対する非同期的な呼び出しおよび応答を行うための手段を、ネットワークプロトコルが含まなければならないことを意味する。例えば、IEEE 802.11ネットワークにおいて、分散調整機能は、中央ネットワーク要素によるポーリングが存在しない自己組織化および要素間通信を提供する。この方式の詳細は、中央化ネットワークと比較する時、効率性の欠点を示すものの、その利点は、プロトコルに準拠するデバイスの任意のセットをデータ転送に成功するネットワークとして構成し得ることである。
現在のネットワークの別の態様は、中央アクセスポイントの必要性である。多くのネットワークではピアツーピア通信が可能だが、その他のものでは、中央アクセスポイントを介した通信が必要となる。例は、図10に図示している。ここでは、ワイヤレス通信リンクを有する端末の第一のセット1005aは、各端末を第一の中央アクセスポイント1010aに接続した状態で図示されている。同様に、ワイヤレス通信リンクを有する端末の第二のセット1005bは、各端末を第二の中央アクセスポイント1010bに接続した状態で図示されている。加えて、多くの端末は直接通信可能だが、これは、すべてに必要となるわけではない。
各中央アクセスポイント1010は、対応するネットワーク要素1005のそれぞれをポーリングし、任意の二つのネットワーク要素間での直接通信用の通信スロットをスケジュールする。更に、中央アクセスポイント1010は、互いに通信し、あるBSS1001から別のものへ、分散ネットワーク1015を介してデータトラフィックを転送する。こうした構成は、拡張サービスセット(ESS,extended service set)と呼ばれる場合がある。この例において、ネットワーク1015は、更に、ネットワーク1015外部の有線または無線要素との接続にも適応している。この機能は、ネットワークポータルとしてのサービスとして知られている。この例において、ポータル1025は、ネットワーク1015を非802.11ネットワーク1020に結合させる。
ネットワークトポロジに関して、ピアツーピア接続は、一般にメッシュアーキテクチャと呼ばれ、要素が中央アクセスポイントを介して通信するネットワークは、ハブアンドスポークまたはスターアーキテクチャと呼ばれる場合が多い。ワイヤレスネットワークは、中央アクセスポイントがネットワークチャネル割り当てを実行してよいという意味において、ハブアンドスポークになり得る。中央アクセスポイントがチャネルを割り当てる場合でも、通信は、一般に、チャネルが割り当てられた後、ネットワーク要素間での直接的なものとなる。しかしながら、一部のプロトコルでは、アクセスポイントを介した間接的通信も提供され得る。携帯電話ネットワークは、基地端末が中央アクセスポイントの役割を果たすスターアーキテクチャに基づいている。全てのネットワークにおいて、通信へのアクセスは問題となる。メッシュネットワークの場合、伝搬および干渉は、ネットワーク外部と通信する能力を制限し得る。機器の非互換性も、意図的にまたは意図せずに通信範囲を制限し得る。
こうしたケースにおいて、中央アクセスポイントは、ネットワーク外部と通信する手段を提供する。こうしたポイントは、別の方法ではアクセス不可能な他のネットワークと接続することで、ネットワーク範囲を拡張する。この意味において、こうしたポイントは、一部の応用においてポータル(例えば、図10のポータル1025)として知られるネットワークブリッジとして機能する。更に、別の方法では利用できない場合がある特定のサービスをネットワーク要素に提供する。最後に、中央アクセスポイントは、基本のピアツーピアネットワーク内で、ポイント調整機能およびその他の特化したプロトコルを実施する手段を提供する。
様々な物理層の波形を使用して、パケットを送信してよい。以前に説明した変調に加え、周波数ホッピング、ダイレクトシーケンス変調、或いは直交周波数領域多重化のような他の手法を含め、拡散スペクトル手法を使用してもよい。無線周波数搬送波に加え、赤外線または光搬送波を使用してもよい。いずれの場合も、目的は、データパケットをワイヤレス通信により送信することである。
現在のワイヤレスLANの一つにおいて、利用されるダイレクトシーケンス拡散スペクトル通信手法では、シンボル当たり11チップを、1Mbpsの差動二位相偏移変調(DBPSK,differential binary shift key)または2Mbpsの拡張四位相偏移変調、QPSK(quadrature phase shift keying)に適用する。両方のケースにおいて、11チップ/シンボルの拡散は、11MHzチャネル帯域幅を提供する。加えて、11の異なる拡散シーケンスによって、11のサブチャネルが定義される。更に、重複する隣接チャネルは、30MHzで分離される。このLAN規格の別の改良型では、直交周波数分割多重化を使用する。
同じLAN規格において、利用される周波数ホッピング通信手法は、1MHzのスペーシングと1Mbpsの瞬間帯域幅とを有する79チャネルホップセットである。システムは、78種類のホップセットを使用し、最小ホップレートは2.5ホップ/秒となる。個々のホップパケットには、二つの変調が使用される。基本の1Mbpsは、二つのレベルでガウス周波数偏移変調(GFSK,Gaussian Frequency Shift Key)され、1=fc+f、0=fc−fとなる。言葉で言うと、「1」は、周波数fc+fでの送信によって表され、「0」は、周波数fc−fでの送信によって表されており、fcは搬送波周波数を意味し、fはFSKオフセット周波数である。拡張された2Mbpsレートは、四レベルのGFSKによって提供される。
同じLAN規格において、赤外線通信手法は、送信時、二つのデータビットが四つのコード化ビットとして送られる四値パルス位置変調(PPM,pulse position modulation)によって1Mbpsのデータレートを達成する。更に、2Mbpsの拡張レートが、16値PPMによって達成され、ここでは、送信時、四つのデータビットが16のコード化ビットとして送られる。このシステムにおいて、搬送波は、850ないし950nmの波長となる。システムは、ラインオブサイトまたは反射を使用した無方向伝送による屋内での使用のために設計されている。
効率的なチャネルのスケジューリングに関係するワイヤレスLANプロトコルの一部は、媒体アクセス制御機能として知られている。この機能は、チャネル割り当て手順と、プロトコルデータユニット(PDU,protocol data unit)アドレシングと、フレームフォーマッティングと、エラーチェックと、パケットのフラグメント化および再構築とを実行する。普遍的なネットワークアクセスを維持し、同時に高スループットのアクセスを提供するために、二つの別個の機能が実施される。
一次アクセス機能は、いわゆる「競合モード」によるものであり、全ての端末は、送信される各パケット用のチャネルへのアクセスを得るために競合する。競合サービス中、送信用の待ち行列内にパケットを有する各端末は、チャネルへのアクセスを得るために競合し、パケットが送信されるとすぐにチャネルを解放する必要がある。加えて、システムは、競合期間(CP,contention period)中の競合モードと、無競合期間(CFP,contention-free period)との間で切り替わってもよい。CFP中、中央アクセスポイントは、媒体アクセスを制御し、競合を排除する。しかしながら、全てのネットワークデバイスがCFP中に動作できる訳ではないため、CPインターバルも提供される。
ネットワーク制御およびデータ転送を提供するために、媒体アクセス制御(MAC,Medium Access Control)機能は、三種類のパケットまたはフレームを介して供給される。管理フレームは、中央アクセスポイントとの端末の関連付けおよび分離と、タイミングおよび同期と、認証および認証否定とを提供する。制御フレームは、CP中のハンドシェイキングと、CP中の肯定応答と、CFPの終了の表示とを提供する。最後に、データフレームは、CPおよびCFP中のデータ送信を提供する。パケット形式の例は、図11に図示している。
このパケットは、IEEE 802.11プロトコルから取り出されるが、全てのネットワークプロトコルに共通する基本機能を示す。パケットは、ネットワークレシーバ要素が非同期で送信されたパケットを取得するのに必要な同期ビットで始まる。こうした同期ビットは、図には示していないが、図示したパケットに先行する。次に、正確なパケットの解釈に必要な制御信号シーケンスが続く。そのフィールドには、プロトコルタイプと、出力制御と、パケットタイプと、フラグメント化情報と、同様のネットワークハウスキーピング機能とが含まれる。次は、パケットの継続時間を示すビットである。次は、意図した受信者を特定するアドレスフィールドである。次に来るのは、パケットに埋め込まれる実際のデータである。最後は、エラー訂正ビットである。
競合サービス中には、アクセスを得るために同時に競合する端末間の衝突を解消する手段を提供する必要がある。一方式では、端末に送信を許可する一方で、端末が他の端末との衝突を検出することを要求する。しかしながら、殆どではなくとも多くのシステムにおいて、端末は通常、送信中に受信は不可能であるため、衝突の検出は使用されない。この場合、端末は、衝突の確率を低下させるために、送信を開始する前に活動を感知する必要がある。
この方法は、搬送波感知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA,Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)として知られている。これは分散調整機能(DCF)の基盤を形成する。搬送波感知は、物理層とMAC層との両方で実行される。物理的または仮想搬送波感知メカニズムのいずれかが活動を検出した場合、チャネルは、使用中とされる。しかしながら、この方法では、以前に述べた隠れた端末の問題による衝突を排除することは不可能であり、全ての端末において、障害物、伝搬効果、および場所の誤差により、他の全ての端末からのトラフィックを聞くことは不可能となる。
競合を最小化するために、CSMA/CAを利用するネットワークは、物理的および仮想搬送波感知を両方とも使用する。物理的搬送波感知は、パケット分析による他の802.11ワイヤレスLANユーザの存在の検出と、チャネル内の他のソースを示す受信信号強度の検出とによって実行される。仮想搬送波感知は、プロトコルのいくつかの態様により、MAC層を介して行われる。一方法は、チャネルアクセス許可を検証するために送信要求(RTS,request-to-send)および送信可(CTS,clear-to-send)フレームを使用することである。CTS確認応答の欠如は、別のユーザがチャネル上で送信を行っていることを意味する。伝搬障害物または同時送信により、この搬送波の物理的検出は、不可能となる場合がある。別の方法は、チャネルが再びアイドル状態でサンプリング可能となるまで、現行パケットに割り当てられた時間を示すために、ネットワーク内の他の端末に、ネットワークタイミングデータレジスタを調節する方法を伝える継続時間フィールドをパケットヘッダに含めることによるものである。この情報は、送信要求(RTS)パケット、送信可要求(CTS)パケット、またはデータパケットのヘッダにおいて送信される。
大きなデータパケットサイズは、衝突により多くの帯域幅が浪費されることを意味する。物理的および仮想搬送波検出に加えて、衝突の確率を低減する付加的な手段の一つは、フレームの送信間のフレーム間スペース間隔を使用して、媒体へのアクセスを制御することである。この方式は、図12に図示している。三つの別個のネットワーク要素、即ち、送信端末またはソースと、受信端末または送信先と、ネットワーク内の他の端末またはステーションとが図示されている。端末は、アイドルチャネルを感知すると、指定期間DIFS(distributed inter-frame spacing,分散フレーム間スペース)に渡って待機し、再びサンプリングを行う。依然としてアイドルである場合、パケットを送信する。
受信端末は、チェックサムを計算する。パケットが正しく受信された場合、この受信端末は、別の指定期間SIFS(short inter-frame spacing,短フレーム間スペース)だけ待機し、肯定応答フレーム(ACK)を送信する。障害物、干渉、および他のシステム伝搬制限が存在しない場合、他の全てのネットワーク端末では、送信データパケットを検出し、復調し、継続時間フィールドを使用して、ACK間隔を含め、ネットワークタイミングレジスタ(NAV)を調整することが意図される。各端末は、衝突の確率を最小化するために、閑散なネットワークを感知した後、スペース間隔DIFSに渡って待機する必要がある。
保護期間に加えて、送信要求/送信可プロトコルを使用して、衝突を低減する。例えば、ソースは、20バイトRTSパケットを送信し、送信先は、14バイトCTSパケットにより応答する。他の端末は、この情報に基づいて、ネットワークタイミングレジスタを更新する。この方式は、図13に図示している。図12と比較すると、この場合、ソースまたは送信端末は、適切な間隔だけ待機した後、RTSパケットを送信する。送信先または受信端末も、同じく適切な間隔だけ待機した後、CTSパケットにより応答する。
基本レートのIEEE 802.11プロトコルにおいて、この交換には約282msを費やすが、異なるデバイスにより異なる時点で送信されるRTSおよびCTSパケットの両方にネットワークタイミングデータがエンコードされるため、衝突の確率は実質的に低減する。したがって、一つのノードがネットワーク内の他のノードから隠れている場合、少なくとも、隠れていない可能性のある第二のノードが存在する。短いRTSまたはCTSパケットと比較して、相対的に長いデータパケットの期間中、衝突は、コストの高いものとなる。RTS/CTSの交換の後、送信端末は、データパケットを送信し、送信が成功した場合、受信端末からのACK応答が後に続く。
図の第三のラインでは、交換中に、ネットワーク内の他の端末が自分のネットワークタイミングレジスタを更新できる時期を図示している。図13に図示したように、RTSパケット、CTSパケット、データパケット、およびACKパケットは、それぞれ、各要素がタイミングの更新を取得する独立した機会を提供し、これにより、システムの信頼性を向上させる。
この方法は、複数のフレームパケットに渡って延びる大きなデータブロックの送信のために変形される。この方式は、図14に図示している。大きなデータブロックを送信する端末は、ブロックを多数のパケットにフラグメント化する必要があり、多数のパケットを肯定応答と共に連続的に送信する。ACKが受信されない場合、ソースは、チャネルを解放し、アクセスを得るために再び競合し、未応答のパケットから開始する。継続時間情報が各パケットのヘッダに含まれるため、RTS/CTSプロトコルは、第一のパケットのみに使用される。図14の第三のラインは、交換中に、ネットワーク内の他の端末が自分のネットワークタイミングレジスタを更新できる時期を図示している。RTSパケット、CTSパケット、各データパケット(例えば、フラグメント0、1、2)、および各ACKパケットは、それぞれ、各要素がタイミングの更新を取得する独立した機会を提供し、これにより、システムの信頼性を向上させる。
パケットが(これまでに説明した予防措置にもかかわらず)依然として衝突する場合、端末は、小さなランダム量が通常の保護待機時間に追加されるランダムバックオフ手順を使用する。この間隔の後、チャネルがクリアな場合、アクセスを再試行する。依然として衝突が発生する場合は、新たなランダムバックオフ時間が生成され、更にもう一度、アクセスを再試行する。この方法の欠点は、期限が定められたサービスのために最小遅延を保証するメカニズムの欠如である。
こうしたメカニズムを提供する方法の一つは、図15に図示したように、ポーリングポイントコーディネータ・アクセスポイント(AP/PC)要素によるオプションの無競合フレーム転送を介したものとなる。ポーリングを受け、無競合期間(CFP,contention-free period)中に動作可能な端末は、CF認識端末である。ポーリングの方法は、実施者に任される。ポイント調整機能(PCF)は、分散調整機能(DCF)と共存する必要がある。CFP反復間隔として知られる調整可能なパラメータは、PCFの頻度を決定する。CFP最大継続時間として知られる調整可能なパラメータは、PCFの長さを決定する。ビーコンフレーム信号Bは、CFPを開始する。フレーム割り当ては、図15に図示している。ネットワークでは、CFP時間とCP時間とが交互に入れ替わる。CFP時間中、ネットワーク要素は、ポーリング要素によって送信をスケジュールされない限り、送信を遮断する。これは、図15の「その他のステーション」のラインに概略的に図示されている。
図16は、二つのポーリングタイミング図(16aおよび16b)を図示しており、無競合期間中に中央アクセスポイントがネットワークをどのようにポーリングしてよいかの一例である。図16aは、ポーリングに応答した端末(ステーション1、2、および4)がデータを送信せず、一つの端末(ステーション3)がポーリングに応答しない場合のポーリングシーケンスを図示している。図16aは、三つの時系列を図示しており、一つは端末のアクセスポイントポーリングであり、一つはポーリングに応答した端末であり、一つはネットワーク内の他の全ての端末である。
無競合期間は、標準の待機保護時間で始まり、中央アクセスポイント端末によるビーコンパケット(B)の送信が続く。全ての端末は、このビーコンを受信し、自分のネットワークタイミングレジスタにおいて無競合時間を遮断し、ここで非同期分散調整機能は送信されなくなる。競合が生じない状態を確保するために、標準保護時間SIFSだけ待機した後、アクセスポイントは、ポーリングパケット(D1 POLL)を端末1に対してブロードキャストする。端末1は、このパケットを受信およびデコードし、標準保護時間SIFSだけ待機し、その後、送信するデータが無いことを示すACKパケット(U1 ACK)をブロードキャストで返す。
アクセスポイントは、次に、ACKに続いて、端末2に対するポーリングパケットをブロードキャストする(ACK+D2 POLL)。余分なACKパケットは、隠れた端末の問題から、ネットワーク内の他の端末が端末1とのトランザクションを聞く確率を高めるためのものである。端末1と同様に、端末2は、送信するデータを有していないため、保護時間だけ待機し、ACKパケット(U2 ACK)をブロードキャストする。アクセスポイントは、ACKと、その後の端末3に対するポーリングパケットとの送信へと進む(ACK+D3 POLL)。端末3は、電源が切られており、ブロードキャストを聞くことができないため、或いはその他の問題を有するため、応答しない。こうした場合、アクセスポイントは、より長い標準保護時間PIES(point inter-frame spacing,ポイントフレーム間スペース)だけ待機し、その後、ポーリングパケット(D4 POLL)を送信することで、端末4のポーリングへと進む。端末4は、ACKパケット(U4 ACK)により応答する。この時点で、無競合期間の殆どが経過しているため、アクセスポイントは、CF ENDパケットをブロードキャストし、無競合期間の終了を示す。
図16bは、端末1がポーリングに応答してデータを送信するバリエーションを図示している。この例において、無競合期間は、図16aと同様に、アクセスポイントがビーコンパケット(B)と、これに続く端末1に対するポーリングパケット(D1 POLL)をブロードキャストすることで開始される。今回、端末1は、端末間データパケット(STATION TO STATION)により応答する。他の端末は、この端末1からのブロードキャストを受信する。意図された受信元は、パケットヘッダ内の送信先アドレスをデコードし、データを回復する。
端末1は、次に、送信が完了したことを示すACKパケット(ACK)を送信する。意図された受信元は、その後の何らかの時点でポーリングされるまで待機した後、端末1からのデータの受信を確認応答できるようになる。中央アクセスポイントは、次に、端末1および他の全ての端末に使用した方法で端末2をポーリングする(D2 POLL)。端末2は、ACKパケット(U2 ACK)により応答し、送信するデータが無いことを示す。この時点で、無競合期間の殆どが経過しているため、アクセスポイントは、CF ENDパケットをブロードキャストし、無競合期間の終了を示す。
こうしたワイヤレスネットワークおよび構成に関する背景情報を念頭に置いて、次に、本発明の実施形態について、図1ないし7を参照して説明する。
帯域幅効率に優れたRFモデム
図1は、本発明の一実施形態による、RF帯域内の同じチャネル上で、干渉デジタル信号を送信し、同時に復調するように構成されたRFモデムのブロック図を例示している。モデムは、アナログフロントエンド105と、パラメータ推定器モジュール110と、マルチユーザ検出(MUD,multiuser detection)モジュール115と、デコーダバンク117と、データフォーマットモジュール120と、制御プロセッサ125と、変調器130と、デマルチプレクサ135とを含む。アナログフロントエンドは、多数のアンテナ入力を含み、各入力はチューナ105aおよびアナログ−デジタル(A/D)コンバータ105bを伴っており、更に、増幅器105cを含む。
レシーバとしての側面では、ワイヤレス送信信号が、アンテナダイバシティポートで受信され、アナログフロントエンド105を介して処理され、モジュール110、115、および117によって復調/回復され、データフォーマットモジュール120によってフォーマットされる。結果として生じたデータ信号1ないしKは、次に、対象となる信号であるデータ信号m(データ信号1ないしKの一つ)を選択するのに適したデマルチプレクサ135に提供される。この選択信号mは、例えば、ネットワークまたは直接接続を介して、その後、ユーザmへ提供される。データフォーマットモジュール120とデマルチプレクサ135とは、制御プロセッサ125からの制御入力に従って動作する。
トランスミッタとしての側面では、デマルチプレクサ135が、ユーザmからの双方向ラインを使用して、ネットワーク/バックボーンまたはローカルホストから送信データmを受領する。データは、制御プロセッサ125によって提供されるバースト制御に従って、モジュール130によって変調され、増幅器105cによって増幅され、ワイヤレス送信のためにアンテナ出力ポートに提供される。一般に、制御プロセッサ125は、変調器130からのデータの流れを制御し、これにより、モデムが送信を行う時期と、モデムがユーザmのために送信を行わない時期とを制御する。
各ユーザ1ないしKは、独自のモデムを有することに留意されたい。信号1ないしKは、多数の干渉デジタル信号を受信および復調するモデムの帯域幅効率に優れた能力を活用するためのチャネルのオーバパッキングにより、一つのモデムによって受信される。ローカル制御プロセッサ125は、中央アクセスポイントによって指定された時のみ、或いは、同時に送受信を行う排他的な帯域幅効率に優れたモデムの存在を感知した場合のみ、干渉波形を故意に送信させる。その他の場合には、レガシ送信モードが更にサポートされ、これにより、意図された受信モデムが本発明の原理に従って動作するように構成されていない場合に下位互換性を提供する。
RFレシーバ−MUD対応
アンテナ入力は、共同チャネルレシーバが多くの干渉信号を同時に復調する能力を強化するために、多数の分極または多数の位置、或いはその両方からのものにしてよい。Dは、ダイバシティポートの数であり、Kは、推定された共同チャネル干渉信号の数であることに留意されたい。アンテナ入力は、対応するフロントエンドチューナ105aへ供給され、チューナのそれぞれは、高い周波数の信号を、処理前にベースバンド信号へ、或いは他の相対的に低周波数の信号へ、ダウンコンバートする。ベースバンドにおいて、A/Dコンバータ105bは、各受信信号をデジタル化し、サンプルデータストリームにする。フィルタリング、増幅、およびその他の従来的処理も、アナログフロントエンド105において実施してよい。
サンプルデータストリームは、干渉デジタル信号のための同期デバイスであるパラメータ推定モジュール110への入力として提供される。パラメータ推定モジュール110は、受信信号に存在する干渉信号のそれぞれの相対的な受信タイミングのオフセットと、位相と、受信振幅と、マルチパス構造とを推定する。こうしたパラメータ推定の結果は、K個のユーザのそれぞれの推定複合シグネチャ波形のマトリクス(S)となり、MUDモジュール115がチャネル信号を分離するのを助けるために使用される。
MUDモジュール115は、全てのA/Dコンバータ105bからの入力に加え、推定複合シグネチャ波形のSマトリクスを使用して、従来的に行われているように干渉信号からデータビットを回復する。MUDモジュール115は、回復データビットをフォーマットモジュール120への入力として提供し、フォーマットモジュール120は、バッファデバイスとして動作し、K個の干渉送信のそれぞれのためのネットワークデータパケットを生成する。パケット形式は、通信モデムによって使用されている所定のアプリケーションおよびプロトコルといった要素に応じて決まる。
MUDモジュール115は、デコーダ(1ないしK)のバンク117と適切に作用可能に結合され、各デコーダはMUDモジュール115の対応する出力と通信可能に結合される。デコーダバンクは、MUDモジュール115によって出力されるK個のユーザのそれぞれの回復シンボルストリーム( 1ないし k)を受領し、シンボルをビットに変換して、現在のビットを以前のビットおよび/または後続のビットと比較し、その後、ビットを再びシンボルに変換することで、各ユーザのためのエラー訂正を提供する。ここでは、Soft ViterbiまたはBCJRデコーディング等、任意の数の様々なデコーディングアルゴリズムを利用可能である。こうした従来のエラー訂正の結果は、シンボル推定のマトリクス(b(n))となり、特定のシンボルの優れた推定を提供するために、MUDモジュール115によって、反復プロセスにおいて使用される。
各ユーザのためにモジュール110、115、および117によって実行される反復復調プロセスは、例えば、指定された反復回数に達するまで、或いは、現在の訂正シンボル推定と以前の反復でのものとの間の差が所定の閾値を下回るまで、継続できる。
アナログフロントエンド105と、パラメータ推定モジュール110と、MUDモジュール115と、デコーダバンク117とのそれぞれは、従来の技術で実施できる。しかしながら、変形も可能である。例えば、パラメータ推定器117は、米国特許出願第10/228,787号「マルチユーザ検出レシーバ用パラメータ推定器」において説明されるように構成可能である。MUDモジュール115は、米国出願第10/105,918号「反復マルチユーザ検出器システムにおける処理時間を低減するシステム」において説明されるように、シンボルに関する以前の情報と共にMMSE MUDとして動作するように構成できる。これらの出願は、それぞれ、参照により全体を本明細書に組み込むものとする。
データフォーマットモジュール120は、従来の技術で実施されるが、更に、制御プロセッサ125と連動して動作することに適する。特に、制御プロセッサ125は、データフォーマットモジュール120が動作するフォーマットモードを選択するように構成してよい。フォーマットモードは、モデムが受信データストリームを供給するネットワークまたはバックボーン(例えば、ATM、PSTN、ISDN、パーソナルコンピュータ)に応じて決まる。データフォーマットモジュール120は、多数のタイプのフォーマットモードをサポートするように構成できる。制御プロセッサ125は、各ユーザkのワイヤレス受信データが本発明の原理に従って送信されたかを検出するように構成され、更に、データフォーマットモジュール120によって提供されたパケットヘッダ情報に基づいて、どの受信データ信号1ないしKが意図されたデータ信号mであるかを検出するように構成される。制御プロセッサ125は、対応する送信モード(例えば、レガシモードまたは本発明による帯域幅効率に優れたモード)を可能にする。制御プロセッサ125は、更に、本発明に従った動作をするのに必要な、チャネル割り当て調停シーケンスおよびデータ送信タイミングシーケンスを実行する。
回復データ信号1ないしKは、データフォーマットモジュール120によって出力されてデマルチプレクサ135に提供され、デマルチプレクサ135は、制御プロセッサ125によって提供された入力に基づいて、意図された信号mを選択する。例示的実施形態の一つにおいて、制御プロセッサ125は、データフォーマットモジュール120からの受信信号1ないしKのそれぞれについて、パケットヘッダ情報を受領する。データ信号のパケットヘッダ情報は、様々な情報の中で特に、そのデータ信号の意図された送信先を含む。したがって、特定のモデムを意図したデータ信号を確認可能であり、一方、その他の受信データ信号は無視できる。そのため、制御プロセッサ125は、ヘッダ情報を問い合わせ、意図されたデータ信号mのみを通過可能にする制御信号をデマルチプレクサ135に提供する。加えて、制御プロセッサ125は、干渉モデムのパケットヘッダを使用して、どのモデムがチャネルを共有しているかを決定する。パケットヘッダのソースおよび送信先アドレスにより、制御プロセッサ125は、どのモデムがデータの送信および受信を同時に成功できるかのログを維持できる。こうしたログは、適応的スケジューリング手法を容易にする。
RFトランスミッタ
データmは、ネットワーク/バックボーンまたはユーザmのローカルホストから、デマルチプレクサ135に提供され、デマルチプレクサ135は、制御プロセッサ125の制御下で動作する変調器130へ提供する準備として、発信データをバッファする。多数のアクセス方式(例えば、FDMA、TDMA、CDMA)および変調(例えば、二位相偏移変調、四位相偏移変調、ダイレクトシーケンス拡散スペクトル、直交振幅変調、直交周波数分割多重化)を変調器130によって実施できる。送信時間は、制御プロセッサ125のバースト制御によってトリガされる。制御プロセッサ125の機能は、図4ないし7を参照して説明する。この制御プロセッサ125は、例えば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、またはその他の適切な処理環境で実行されるソフトウェア命令セットにより実施できる。代替として、制御プロセッサ125は、特殊用途向けに構築されたシリコン(例えば、ASICまたはFPGA)において実施できる。
帯域幅効率に優れた光モデム
図2は、本発明の別の実施形態による、同じチャネル上で干渉デジタル信号を送信し、同時に復調するように構成された光モデムのブロック図を例示している。レシーバは、光フロントエンド205と、MUDモジュール215と、データフォーマットモジュール220と、制御プロセッサ225と、変調器230と、デマルチプレクサ235とを含む。光フロントエンド205は、単数のセンサ入力を含み、各入力は帯域通過フィルタ205aおよびパルス検出器205bを伴っている。
レシーバとしての側面では、光送信信号が、センサダイバシティポートで受信され、光フロントエンド205を介して処理され、モジュール215によって復調/回復され、データフォーマットモジュール220によってフォーマットされる。結果として生じたデータ信号1ないしKは、次に、以前に説明したように、対象となる信号であるデータ信号mを選択するのに適したデマルチプレクサ235に提供される。その他の信号は、上記のようなネットワークプロトコルを動作させるために使用される場合を除き、不要な干渉として廃棄される。例えば、継続時間フィールドは、一定の干渉信号の送信が終了する時期を知るために使用される。選択信号mは、例えば、ネットワークまたは直接接続を介して、その後、ユーザmへ提供される。データフォーマットモジュール220とデマルチプレクサ235とは、制御プロセッサ125に従って動作する。
トランスミッタとしての側面では、デマルチプレクサ235が、ユーザmからの双方向ラインを使用して、ネットワーク/バックボーンまたはローカルホストから送信データmを受領し、データは制御プロセッサ225によって提供されるバースト制御に従って、モジュール230によって変調され、増幅器205cによって増幅され、光送信のためにセンサ出力ポートに提供される。図1の実施形態と同様に、制御プロセッサ225は、変調器230からのデータの流れを制御し、これにより、モデムが送信を行う時期と、モデムがユーザmのために送信を行わない時期とを制御する。レガシ送信モードが更にサポートされ、これにより、このモデムが通信している或いはタイムスロットを共有しているリモートモデムのいずれかが本発明の原理に従って動作するように構成されていない場合に、下位互換性を提供する。
光レシーバ−MUD対応
センサ入力は、共同チャネルレシーバが多くの干渉信号を同時に復調する能力を強化するために、多数の分極または多数の位置、或いはその両方からのものにしてよい。こうしたセンサ入力は、フロントエンド帯域通過フィルタ205aへ供給され、帯域通過フィルタ205aは、フィルタリングされた信号を対応するパルス検出器205bへ供給する。こうした検出器205bは、各受信パルスを検出し、到着時間と振幅を推定する。持続化、フィルタリング、増幅、およびその他の従来的光学処理も、光フロントエンド205において実施してよい。
パルス検出データストリームは、光MUDモジュール215への入力として提供される。MUDモジュール215は、パルスの到着時間および振幅を使用して、干渉信号を分解し、その動作の原理については、図3を参照して更に説明する。MUDモジュール215は、回復データビットを、フォーマットモジュール220への入力として供給し、フォーマットモジュール220は、バッファデバイスとして動作し、K個の干渉送信のそれぞれのためのネットワークデータパケットを生成する。パケット形式は、通信モデムによって使用されている所定のアプリケーションおよびプロトコルといった要素に応じて決まる。光送信の性質から、ここでは、パラメータ推定またはデコーダモジュールを必要としない。
光フロントエンド205およびMUDモジュール215は、従来の技術で実施できる。データフォーマットモジュール220も、従来の技術で実施できるが、図1を参照して以前に説明したように、更に制御プロセッサ225と連動して動作することに適する。同様に、データフォーマットモジュール220は、多数のタイプのフォーマットモードをサポートするように構成できる。制御プロセッサ225は、各ユーザkの光受信データが本発明の原理に従って送信されたかを検出するように構成され、更に、データフォーマットモジュール220によって提供されたパケットヘッダ情報に基づいて、どの受信データ信号1ないしKが意図されたデータ信号mであるかを検出するように構成される。制御プロセッサ225は、対応する送信モード(例えば、レガシモードまたは本発明による帯域幅効率に優れたモード)を可能にする。
回復データ信号1ないしKは、データフォーマットモジュール220によって出力されてデマルチプレクサ235に提供され、デマルチプレクサ235は、以前に説明したように、制御プロセッサ225によって提供された入力に基づいて、意図された信号mを選択する。
光トランスミッタ
データmは、ネットワーク/バックボーンまたはユーザmのローカルホストから、デマルチプレクサ235に提供され、デマルチプレクサ235は、制御プロセッサ225の制御下で動作する変調器230へ提供する準備として、発信データをバッファする。多数のアクセス方式(例えば、FDMA、TDMA、CDMA)および変調(例えば、パルス位置変調、オンオフ変調、直交振幅変調)を変調器230によって実施できる。送信時間は、制御プロセッサ225のバースト制御によってトリガされる。制御プロセッサ225の機能は、図4ないし7を参照して説明する。以前に説明したように、制御プロセッサは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、およびその任意の組み合わせにおいて実施できる。例えば、制御プロセッサ225は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、またはその他の適切な処理環境で実行されるソフトウェア命令セットにより実施できる。代替として、制御プロセッサ225は、特殊用途向けに構築されたシリコン(例えば、ASICまたはFPGA)において実施できる。
光MUDモジュール
図3は、二つの干渉光信号の例により、図2の光MUDモジュール210の基盤となる動作原理を図示している。第一のラインは、二つの干渉放射信号の第一のもの(信号1)の振幅を、時間の関数として図示している。理想的な矩形パルスが、一定の振幅A1で放射されていることが確認できる。パルス位置変調(PPM,pulse position modulation)において、各パルスの位置は、送信されるデータを決定する。最後のパルスとの相対的な到着時間を測定することで、対応するパルス検出器205bのタイミング分解能に応じて、一つ以上のビットをシンボルに割り当てることが可能となる。
簡略化のために、例では、四状態パルス検出器205bを図示しており、この場合、パルスは、シンボル当たり二つのビットに対応して、互いに対して四つの異なる値で到着できる。水平軸線には、シンボルフレーム間隔(長い線)とサンプリング時間(短い線)とが記されている。全ての時間指標は、ゼロから始まる。例えば、信号1の第一のパルスは、単純なシンボルエンコードにおいて「3」または「11」に対応する、フレーム内のサンプリング時間3の間に到着する。次のパルスは、単純なシンボルエンコードにおいて「1」または「01」に対応する、次のフレームのサンプリング時間1の間に到着する。データは到着時間においてエンコードされるが、各パルスは、同じ振幅A1で到着することに留意されたい。
第二のラインは、二つの干渉放射信号の第二のもの(信号2)の振幅を、時間の関数として図示している。この場合も、多少異なる一定の振幅A2で放射された理想的な矩形パルスが存在する。パルスは、更に、「T」によって示す、パルスの第一のセットと相対的に異なるシンボル位相で到着する。第三のラインは、信号1および信号2の両方が同時にセンサポートに放射された時の状況を図示している。
パルス検出器205bのそれぞれを実施するために強度レベル検出器を使用することで、パルスの到着時間だけでなく、振幅を生成することも可能となる。このデータをソートすることで、干渉パルスストリームを分離し得る。信号1および信号2の異なるシンボル位相を使用することで、干渉信号を分離する復調器の能力は更に向上する。分極データを使用することもできる。こうしたパルスデインタリーブ手法は、この技術において周知である。加えて、図2に図示したようなMUDモジュール215に対する多数の入力センサを有することで、ダイバシティ受信を利用してよい。図3には、完全な矩形パルスが例示されており、これは例示の目的の理想化であることに留意されたい。実際のパルス形状は、十分に高いSNRを前提として、必要な性能にとって十分に理想に近づいたものとなる。
帯域幅効率に優れたプロトコル−AP構成
図4aは、本発明の実施形態に従って構成された帯域幅効率に優れたモデムを利用するネットワークのために構成された中央ネットワーク要素によるポーリングおよびスケジューリングのタイミング図を示している。この機能は、例えば、図1および2に図示したように構成されたモデムの制御プロセッサ(モジュール125または225)によって実施可能であり、この特定のモデムはポーリングポイントコーディネータ・アクセスポイント(AP/PC)要素として指定される。従来のモデムを使用した中央ネットワーク要素によるポーリングおよびスケジューリングのタイミング図を示す図16aないしbと比較することが可能である。
この特定の例において、端末1、3、および4は、送信要求を行い、その後、データを送信し、端末2および6は、データなしでACKを返送し、端末5は、ポーリングを逃す。図4aでは、簡略化のため、二つの干渉信号が存在する状態で、全てのモデムがデータ信号を回復する能力を有すると仮定される。この場合、無競合期間は、図16のように、ビーコン信号(B)により始まる。この信号の直後には、三つの端末に対する同時ポーリング信号(D1 POLL、D2 POLL、D3 POLL)が続く。中央ネットワーク要素(APステーション)は三つの信号を同時に送信するため、三つの信号は、信号の回復にとって最適な位相関係を使用して、単一の機能要素から生成される。
保護期間の終わりに、三端末(ステーション1、2、および3)は、全て同時に返信を行う(U1 RTS、U2 ACK、U3 RTS)。帯域幅効率に優れたモデムの共同チャネル復調機能を使用することで、中央ネットワーク要素(APステーション)は、三つの干渉信号の全てを回復する。図4aの例では、ポーリングされた三端末のうち二つは、ネットワークアクセスを要求している(ステーション1および3、RTS応答による)。
保護期間の終わりに、中央要素(APステーション)は、最初の三端末に対して同時にACK信号を送信し、その直後には、次の三端末のセットに対するポーリング信号が続く(ACK+D4 POLL、ACK+D5 POLL、ACK+D6 POLL)。保護期間の終わりに、二端末(ステーション4および6)は同時に返信を行い(U4 RTS、U6 ACK)、一端末(ステーション5)は応答しない。端末の一つは、ネットワークアクセスを要求し(ステーション4、RTS応答による)、ポーリングされた最初の六端末中では、合計三端末となる。
中央ネットワーク要素(APステーション)は、その後、送信可メッセージ(D1 CTS、D3 CTS、D4 CTS)を三つの要求端末に返送する。保護期間の終わりに、三端末(ステーション1、3、および4)は、ネットワーク内の他の端末に対して、メッセージを同時に送信する。ポーリングおよび送信は、無競合期間フレームの終了まで、この形で継続する。この時点で、中央ネットワーク要素(APステーション)は、期間の終了を伝えるメッセージ(CF END)を送信する。図16の通常のモデムの場合と比較して、三重の並列性によりネットワークスループットが三倍になったことが、図から確認できる。
レガシ端末との下位互換性
図4bは、本発明の原理による帯域幅効率に優れたモデムを有していないレガシ端末をネットワークが利用する場合に、中央ネットワーク要素(APステーション)によるポーリングおよびスケジューリングがどのように変形されるかを示している。この場合、無競合期間(CFP)は、帯域幅効率に優れたMUDポーリング期間とレガシポーリング期間とに再分割される。この特定の例において、レガシ端末U4は、専用のレガシポーリングスロットを使用し、一方、他の端末(U1、U2、およびU3)は、帯域幅効率に優れたMUDポーリング期間を使用する帯域幅効率に優れたモデムを使用する。
帯域幅効率に優れた期間中、通信は、図4aを参照して説明したように、共同チャネル復調(MUD)により可能となる並列性を活用する。レガシ期間中、通信は、図16aないしbを参照して説明したように、常にチャネル当たり一端末となる。Nの端末が並列で通信可能なケースに図4aおよび4bを一般化することは、当業者にとって明白であろう。
一部のネットワークでは、端末の様々な組み合わせで、同時に通信を成功させることができる。長期的なネットワーク動作を介して、中央ネットワーク要素(APステーション)は、成功する同時パケット送信に関する統計を収集できる。こうした統計は、制御プロセッサによってアクセスできるメモリに格納可能であり、伝搬およびSNRが許容される二つ、三つ、またはそれ以上の組み合わせを最適にスケジュールするのに使用できる。この点において、ネットワークスループットは、中央ネットワーク要素(APステーション)による適応的スケジューリングを介して、経時的に増加する。学習および最適化の目的で履歴データを利用する多数の方式は、本開示に照らして明白となるであろう。
オーバヘッドの低減
図5は、RTS/CTSオーバヘッドが排除される時の図4aに示したプロトコルの更なる改良を図示している。RTS/CTS信号送信は、隠れた端末およびその他の干渉問題に関連するネットワークの堅牢性を高めるために使用されることを想起されたい。帯域幅効率に優れたモデムがネットワーク干渉を十分に許容する場合、RTS/CTS信号送信のオーバヘッドは、不要なコストとなる。
ここで、端末(応答ステーション)は、待ち行列内での自分の優先順位を知っており、次に利用可能なタイムスロットでブロードキャストを行う。この特定の例では、三つの端末が、チャネル内で同時に送信可能である。可能な各端末は、割り当てられた端末優先順位に従って、チャネルでデータをブロードキャストする。端末優先順位は、例えば、乱数発生に基づいて割り当ててよく、或いは先着順またはラウンドロビン方式に基づいて割り当ててよい。
ビーコンフレーム(B)の後、端末1(U1)は、即座にチャネルでのブロードキャスト(U1 STA TO STA)を開始する。加えて、端末2(U2)は、ACK(U2 ACK)をブロードキャストし、チャネルを次の優先順位の端末に解放する。端末3(U3)は、チャネルでのブロードキャストを行う第三の端末である。端末3は、データが単一のフレームには長すぎるため、二つのフラグメントからなるメッセージ(U3 STA TO STA−F1およびその後のU3 STA TO STA−F/END)を送信することに留意されたい。
端末4は、保護期間(例えば、閑散期間)によって示されるように、端末2がチャネルを解放すると、すぐにチャネルでのブロードキャスト(U4 STA TO STA)を開始する。端末1がチャネルを解放した後、端末5(U5)は応答せず、これにより、チャネルの使用を端末6(U6)に奪われ、端末6は、指定された保護期間に渡って待機した後、チャネルでデータをブロードキャスト(U6 STA TO STA)する。端末4がチャネルを解放した後、端末7(U7)は、チャネルを必要としないことを示し(U7 ACK)、チャネルを解放する。次に、端末1が、チャネルを必要としないことを示し(U1 ACK)、同様にチャネルを解放する。その後、端末2は、チャネルでデータをブロードキャスト(U2 STA TO STA)する。したがって、常に、三つまでの端末が、チャネルで同時にブロードキャストを実行できる。一つの端末がチャネルを解放すると、次の優先順位の端末がチャネルにアクセスするか、或いは単に次の優先順の端末に順番を奪われる。
チャネルの使用は、端末の特性に基づいて、フレームの終わりまで継続する。更なる改良は、例えば、チャネル解放前のACKの要件を排除することである。図4aとの比較により、この方法が、二つの形でスループットを更に増加させることが確認できる。第一に、ポーリングおよび確認応答に必要な時間が除去される。加えて、RTSおよびCTS信号に必要な送信時間が除去される。改善は、ポーリングされて応答した端末で、要求を必要としなかったもののパーセンテージと、データパケットの実際の送信に費やされた時間に対するRTS/CTSに費やされた時間の比との観点から計算し得る。
帯域幅効率に優れたプロトコル−分散調整機能構成
図6は、中央ネットワーク要素が利用されない場合――分鎖調整機能(DCF)の場合に、本発明の原理に従って構成された帯域幅効率に優れた端末がネットワークアクセスを更にどのように改善するかを図示している。図6に図示した例では、二つの端末(ソース1およびソース2)が、送信要求(RTS)パケットを同時に送信する。これは、例えば、隠れた端末の問題により、偶然に発生する可能性がある。代替として、これは、ネットワーク内の殆どの端末が帯域幅効率に優れていることを両端末が検出し、干渉信号が存在する状態でデータ送信を回復する能力を活用して、帯域幅効率に優れていないモデムでのものより積極的なアクセスを備えたプロトコルを実行しているため、意図的に発生する可能性がある。
いずれの場合においても、従来の端末のペアは、データを回復することができず、衝突を検出し、少なくともランダムバックオフプロトコルに必要な時間後に、再送信を強いられる。受信端末からのACKを待つのに要する時間だけ待機する必要も生じ得る。こうしたACKが受信されない時、端末は、衝突の発生を知り、ランダムバックオフプロトコルを開始する。いずれの場合においても、多くの時間が衝突によって失われる。
対照的に、本明細書で説明するように構成された帯域幅効率に優れたモデムにより、両端末は、データを同時に回復することができる。衝突および遅延は発生しない。代わりに、両方の受信端末(送信先1および送信先2)は、送信可(CTS)パケットを返送する。これらのパケットを受領すると、両方の送信端末は、パケット(DATA1およびDATA2)を同時に送信する。パケットは、例に図示したように異なる長さであってもよい。
送信の終わりに、ネットワークは、図12の場合と全く同じように、任意の端末によって使用可能となる。図6に図示したタイミングに従って同時送信を上手く発生させるために、両送信端末と両受信端末は、本明細書で説明するように構成された帯域幅効率に優れたモデムを含む必要がある。しかしながら、ネットワーク内の他の端末は、帯域幅効率に優れたものにする必要はない。
レガシ端末には、受信信号強度の示度等の手段により、ネットワーク上での任意の時点での活動を検出するメカニズムが存在する。したがって、本発明の実施形態に従って構成された帯域幅効率に優れたモデムは、動作を混乱させることなく、レガシ端末を備えたネットワークに追加できる。時間と共に、ネットワーク内で動作する帯域幅効率に優れたモデムは、どの端末が干渉パケットの存在する状態でデータを受信できるかを学習する。この学習は、例えば、試行した共同チャネル送信の成功率に関する統計を維持することで達成できる。適応的学習期間の後、帯域幅効率に優れたモデムは、帯域幅効率に優れたモデムとして構成されていることが知られており、したがって共同チャネルデータを回復できる他の端末に対して、共同チャネルモードのみで送信を行う。
この学習期間を実施する方法の一つは、レガシ端末が一部のタイムスロット中に送信できる状態を確保するために、特定の部分的時間間隔中、同時ブロードキャストを控えるように、本発明の原理による帯域幅効率に優れたモデムをプログラムすることである。時間と共に、帯域幅効率に優れたモデムは、共同チャネル受信統計を使用して、他のどの端末が干渉を受信できるかを決定できる。この情報は、パケットアドレスを復調し、干渉が存在する状態で、その受信元に対する送信成功のパーセンテージのカウントを維持することで計算される。
方法
図7aは、本発明の一実施形態による、多数のユーザと三つ以上の帯域幅効率に優れたモデムとを含む通信ネットワークにおいてポーリングおよびスケジューリングを行う方法を例示している。この方法は、例えば、図1および2を参照して説明したように構成されたモデムによって実行可能であり、この特定のモデムは、ポーリングポイントコーディネータ・アクセスポイント(AP)要素として指定される。
方法は、無競合期間の開始を示すステップ701により開始される。一実施形態において、この表示は、ビーコン信号(B)を送信することで提供される。方法は、(二つ以上の)ポーリング信号の第一のセットを同時送信するステップ703へ進み、各ポーリング信号は、ネットワークに含まれる端末の第一のセットに含まれる特定の端末に対応する。一実施形態において、ポーリング信号は、信号の回復を容易にするために、最適な位相関係を使用して、AP要素によって生成される。
(例えば、保護期間の終了によって示されるように)ポーリング信号の送信が完了した後、方法は、ポーリングされた端末の第一のセットからの二つ以上の同時応答を受信するステップ705と、AP要素の共同チャネル復調機能を使用して、こうした二つ以上の同時応答のそれぞれを回復するステップ707とへ進む。応答は、例えば、以前に説明したようにACKおよび/またはRTSを含んでよい。二つ以上の同時応答の受信を示す保護期間の終わりに、方法は、更に、応答端末へ確認応答信号を同時送信するステップ709と、その後、二つ以上の端末の次のセットに対して、ポーリング信号の次のセットを同時送信するステップ711とへ進んでもよい。送信ステップ709および711は、事実上、組み合わせて単一のステップにできる(例えば、ACK1+D4 POLL)。
方法は(例えば、保護期間の終わりに)、ポーリングされた端末の次のセットからの二つ以上の同時応答を受信するステップ713と、AP要素の共同チャネル復調機能を使用して、こうした二つ以上の同時応答のそれぞれを回復するステップ715とへ進む。方法は、受信応答によって示されたように、データの送信を要求する任意の端末に送信可メッセージを送信するステップ717へ進む。こうした端末は、その後(例えば、保護期間の終わりに)、ネットワーク内の他の端末へメッセージを同時に送信してよい。
ポーリングおよび送信は、無競合期間フレームの終了まで、この形で継続してよい。こうした一実施形態において、方法は、更に、チャネルを(AP要素により)モニタするステップと、現在の送信端末がデータ送信を完了した時に、待ち行列内の端末に対してCTSメッセージを送信するステップとを含む。端末が待ち行列に入っていないことに応答して、方法は、ステップ703へ戻り、ここでAP要素は、ネットワーク内の更に多くの要素をポーリングする。同じチャネル、或いは異なるチャネルを使用してもよいことに留意されたい。更に、CTSメッセージを送信するステップ717は、受信ステップ705および回復ステップ707の直後に行われてもよく、これによりステップ709ないし715が排除されることに留意されたい(即ち、一組のポーリング信号のみが送信され、一組の対応する応答が受信される)。代替として、ステップ717の前に、任意の数の後続のステップ709ないし715が存在してもよい。(例えば、保護期間によって示されるような)端末の送信期間の後、方法は、更に、無競合期間の終了を伝えるメッセージを送信するステップ719を含んでもよい。
表示および送信ステップ(701、703、709、711、717、および719)は、例えば、制御プロセッサ(125および225)によって実行可能であり、受信および回復ステップ(705、707、713、および715)は、MUDモジュール(115および215)によって実行できる。この例示的実施形態のバリエーションと、フロントエンド(105および205)、変調器(130および230)、およびその他の構成要素(例えば、110、117)によるサポートの役割とは、本開示に照らして明白となるであろう。
図7bは、本発明の別の実施形態による、多数のユーザと複数の帯域幅効率に優れたモデムとを含む通信ネットワークにおいてポーリングおよびスケジューリングを行う方法を例示している。この方法は、本明細書で分散調整機能(DCF)のケースと呼ばれる、中央ネットワーク要素が存在しない場合に、例えば、それぞれが図1および2を参照して説明したような制御プロセッサにより構成された四つ以上のモデム(モデム125または225)を有するネットワークにおいて実施可能である。
方法は、二つ以上の端末が送信先モデムの第一のセットに対して送信要求(RTS)メッセージを同時送信するステップ737により開始される。これは、伝達および衝突により偶然に発生する可能性があり、或いは以前に説明したように、故意に発生する可能性がある。いずれの場合においても、方法は、更に、ネットワークに含まれる他の一つ以上のモデムが帯域幅効率に優れており、したがって積極的アクセスプロトコルが可能であることを各モデムが検出するステップ733と、ネットワークに含まれる少なくとも一対の通信モデムのために、レガシプロトコルモードから帯域幅効率に優れた積極的アクセスプロトコルへ切り換えるステップ735とを有する予備ステップを含んでよい。
こうした予備ステップは、例えば、ネットワーク内の特定の各モデムが可能な動作モード(例えば、レガシおよび本発明による帯域幅効率に優れた積極的アクセスプロトコル)をネットワークのモデムが学習する適応的方式の一部として、排除してもよい。したがって、レガシモードがデフォルトモードである時、帯域幅効率に優れた積極的アクセスプロトコルモードへの自動切り替えは、確立されたリンクで通信する全ての受信および送信モデムが特定され、そのモードをサポートすることが分かった後で行うことができる。
方法は、ステップ737の送信要求モデムのそれぞれにおいて、送信先モデムの第一のセットからの送信可(CTS)メッセージを同時受信するステップ739と、対応する要求モデムの共同チャネル復調機能を使用して、対応する各CTSメッセージを回復するステップ741とへ進む。方法は、その後、各要求モデムがそれぞれのデータをネットワークに送信するステップ743と、対応する各送信先モデムが対応するデータを受信し、共同チャネル復調機能(例えば、光または線形MMSE MUDアルゴリズム)を使用して回復するステップ745とへ進む。図7bの方法は、データが送信に利用可能になった時、必要に応じて反復してよい。
検出、切り換え、および送信ステップ(733、735、737、および743)は、例えば、制御プロセッサ(125および225)によって実行可能であり、受信および回復ステップ(739、741、および745)は、MUDモジュール(115および215)によって実行できる。この例示的実施形態のバリエーションと、フロントエンド(105および205)、変調器(130および230)、およびその他の構成要素(例えば、110、117)によるサポートの役割とは、本開示に照らして明白となるであろう。
図7cは、本発明の別の実施形態による、多数のユーザと三つ以上の帯域幅効率に優れたモデムとを含む通信ネットワークにおいてポーリングおよびスケジューリングを行う方法を例示している。この方法は、図の左側について、例えば、図1および2を参照して説明したように構成されたモデムによって実行可能であり、この特定のモデムは、ポーリングポイントコーディネータ・アクセスポイント(AP)要素として指定される。方法は、図の右側について、同じく図1および2を参照して説明したように構成可能な、ネットワーク内の他の端末によっても実行可能である。この特定の実施形態は、RTS/CTS信号送信オーバヘッドの必要性を排除する。
衝突のリセットにより長い時間間隔を失うことなく、共同チャネル干渉を処理する能力により、(図5を参照して説明したように)遙かに単純で効率の良い通信方式が可能となる。この例において、AP端末は、グローバルタイマのような役割を果たす。AP端末は、ビーコン信号をブロードキャスト751し、フレームの開始を示す。その後、フレーム間隔をカウント753し、その後、フレームを終了させるグローバル信号を送信770する。フレームはグローバルネットワークタイミングを維持する手段を提供し、更に競合状態からのリセットを提供するため、ここではフレームが望ましい。
この例において、各端末は、AP端末と通信可能に結合された各端末は、ラウンドロビン形式でタイムスロットにアクセスする。端末は、ラウンドロビン方式に基づいて、待ち行列内の位置の記録を維持する。代替として、アクセス優先順位情報をビーコンパケットの一部としてAP端末によりブロードキャストできる。各端末は、フレーム開始を示すビーコン信号を待つ757。各端末は同時にブロードキャストする他の全端末からのデータを回復可能であるため、各端末は、どの端末が現在ブロードキャストしているかをモニタ759する。スロットが開く時761、各端末は、(例えば、ネットワークに含まれる各モデムに送信優先順位が割り当てられるラウンドロビン方式に基づいて)自分が待ち行列の最初かどうか763を知っている。待ち行列の最初である端末は、空きスロットでブロードキャストを行う765。ラウンドロビンアクセスは、フレームの終了まで継続する。
したがって、APおよびDCF構成の両方で、本発明の原理を利用できる。いずれの場合でも、方法は、更に、一対の通信モデムの一方または両方において、本発明による帯域幅効率に優れた積極的アクセスプロトコルモードが可能ではない時に、レガシモデム通信をサポートするステップを含んでよい。加えて、方法は、更に、ネットワークに含まれるどのモデムが帯域幅効率に優れた積極的アクセスプロトコルモードをサポートするかを適応的に学習するステップと、ネットワークのモデムによるアクセスについての学習情報を格納するステップとを含んでもよい。ストレージ(例えば、RAMまたはフラッシュメモリ)は、各モデムに対してローカルにしてよく、或いはネットワーク上に位置する中央ストレージにしてよい。
本発明の実施形態の上記の説明は、例示および説明の目的で提示されたものである。上記の説明は、包括的なものを意図しておらず、或いは開示した厳密な形態に本発明を限定することを意図していない。本開示に照らして、多くの変形例および変更例が可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明ではなく、本明細書に付記した特許請求の範囲によって限定されるものである。

Claims (5)

  1. 非同期パケットデータのベストエフォート配信を提供するために分散調整機能(DCF)を実施するように構成された帯域幅効率に優れた複数のモデムを含むマルチユーザネットワークにおいて、ポーリングおよびスケジューリングを行う方法であって、
    複数の送信先モデムの第一のセットが帯域幅効率に優れたモデムであるか否かを検出するステップを備え、
    前記複数の送信先モデムの前記第一のセットが帯域幅効率に優れたモデムであることの検出に応じて、
    二つ以上の端末が、複数の送信先モデムの前記第一のセットに対して、単一のチャネルで送信要求(RTS)メッセージを同時送信するステップと、
    前記送信要求のモデムのそれぞれにおいて、送信先モデムの前記第一のセットからの送信可(CTS)メッセージを同時受信するステップと、
    対応する前記要求のモデムの共同チャネル復調機能を使用して、対応する各CTSメッセージを回復するステップと、
    要求の各モデムがそれぞれのデータを前記ネットワークへ同時送信するステップと、
    対応する各送信先モデムが共同チャネル復調機能を使用して、対応する前記データを回復するステップと、を備える方法。
  2. 請求項1記載の方法であって、更に、
    前記複数の送信先モデムの前記第一のセットが、帯域幅効率に優れたモデムであることの検出に応じて、
    前記複数の送信先モデムの前記第一のセットを、レガシプロトコルモードから、帯域幅効率に優れ積極的アクセスプロトコルモードへ切り換えステップを備える方法。
  3. 請求項1記載の方法であって、
    前記ネットワーク内の特定の各モデムが可能な動作モードを、各モデムが適応的に学習するステップと、
    前記学習したモードの動作を格納するステップと、を備える方法。
  4. 請求項3記載の方法であって、
    前記学習した動作モードは、レガシプロトコルモードと、共同チャネル復調機能を活用する帯域幅効率に優れた積極的アクセスプロトコルモードとを含み、
    前記方法は、さらに、
    前記複数の送信先モデムの前記第一のセットが帯域幅効率に優れたモデムであることの検出に応じて、前記帯域幅効率に優れた積極的アクセスプロトコルモードで動作するステップを備える、方法。
  5. 請求項1記載の方法であって、更に、
    送信要求(RTS)メッセージを同時送信する前記ステップと、送信可(CTS)メッセージを同時受信する前記ステップと、対応する各CTSメッセージを回復する前記ステップと、それぞれのデータを前記ネットワークへ同時送信する前記ステップと、送信先モデムの一つ以上の次のセットのために対応する前記データを回復する前記ステップと、を反復するステップを備える、方法。
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